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定年後の支出改革、60代以降に「払わなくて済むお金」一覧
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190609-00000005-moneypost-bus_all
マネーポストWEB 6/9(日) 16:00配信 週刊ポスト2019年6月14日号
60代以降に「払わなくて済むお金」一覧
「人生100年時代」だから“健康寿命を延ばせ”と言われたかと思ったら、今度は「公的年金が足りなくなる」から働いたり節約したりして、“資産の寿命を延ばせ”と言う。こんな政府の方針に従っているだけでは老後は乗り切れない。
だからこそ、国や自治体から「もらえるお金」をしっかり受け取った上で、さらに「払わなくていいお金」を炙り出して見直す必要がある。その2つを一緒に実行することで、資産寿命は大幅に延びる。税や保険料から民間のサービスまで、減らせる支出も幅広く存在しているのだ。
毎月の支出は平均26万3718円で、毎月の実収入は20万9198円──。
金融庁の金融審議会が5月22日にまとめた「高齢社会における資産形成・管理」報告書案に記された、年金収入で暮らす夫婦世帯(夫65歳以上・妻60歳以上)における平均的な支出月額の数字だ(出典は総務省「家計調査」、2017年)。
報告書案にはその内訳が詳しく記されているが、その中にいくつも「払わなくていいお金」が潜んでいる。
まず着目したいのが、毎月2万8240円の「非消費支出」だ。
非消費支出とは、総務省の用語解説によれば〈税金や社会保険料など原則として世帯の自由にならない支出〉とある。“減らせない支出”のような印象を受けるが、大きな間違いだ。むしろ、税・保険料をいかに賢く減らすかが、定年後の“支出改革”の第一歩となる。
たとえば、「住民税非課税世帯」となる境界線を理解することで、年金から引かれる税・保険料を大きく減らせるケースがある。
東京23区や横浜市、大阪市などの大都市で暮らす65歳以上の年金生活世帯は、夫の年金が211万円以下で妻が専業主婦であれば、住民税非課税世帯となる(地方の中核市の多くでは「約201万円以下」、地方の中小自治体は「約192万円以下」が非課税)。
この非課税世帯になると、住民税がゼロになるだけではなく、社会保険料の負担も大きく圧縮できるのだ。
「夫が65歳以上で妻1人を扶養する世帯で試算すると、夫の年金211万円の世帯では国民健康保険料・介護保険料が合わせて年間19万360円となる(横浜市のケース)。一方、住民税がギリギリ課税される年金212万円の世帯では、保険料は合わせて25万2280円。年6万円も負担額が違ってくるのです」(税理士の犬山忠宏氏)
健康保険料も介護保険料も「死ぬまで払い続けるお金」である(75歳以降は後期高齢者医療制度)。自分の年金額を確認し、年211万円を少し超えているなら、受給開始を前倒して毎月の年金額をあえて減らす「繰り上げ受給」も選択肢になってくる。
税・保険料を減らす手段は決して少なくない。
たとえば退職金は、「分割」で受け取ると毎月の税・保険料の天引きが増えてしまうところ、「一括」なら手厚い「退職所得控除」が適用され、一般的な水準であれば所得税はゼロで済む。
ほかにも、介護している親と「世帯分離」すると介護負担が減る。75歳未満であれば、子供の健康保険の扶養に入って、健康保険料の負担をゼロにすることもできる。減らせる支出を調べて、払わなくて済むお金について、よく知ることが賢い老後といえそうだ。
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