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日本人、絶滅危惧5人種のトップ?農薬大量使用による昆虫減少が人類に与える甚大な被害
https://biz-journal.jp/2019/04/post_27602.html
2019.04.23 文=南清貴/フードプロデューサー、一般社団法人日本オーガニックレストラン協会代表理事 Business Journal
「Getty Images」より
本連載のなかで以前、「絶滅危惧人種が世界中に5人種あり、その絶滅を危惧されているトップの人種が日本人だ」という話を書きました。その状況が改善されているとは、到底思えませんが、さらに心配な事態が深く静かに進行しています。
このような記事を書くと、「いたずらに危機感を煽るのをやめろ」「エビデンスを出せ」と言われがちですが、筆者に特別な意図はなく、ただ読者の皆さんに、さまざまな情報を基にして、何が起こっているのかという現状を把握してもらい、その上で、ご自分が取るべき行動を決めていただきたいと願っているだけです。
今回書くのは、昆虫のことです。別段、お子様の夏休みの自由研究にお役立ていただきたいわけではありません。
世界の全昆虫種の半数近くが急速な減少傾向にある、ということをご存じでしょうか。ネオニコチノイド系農薬の影響でミツバチが急激に減少してしまったことは、ご存じの方も多かろうと思います。ある研究からわかってきたことは、そのミツバチをはじめとする昆虫の3分の1ほどが地球上から姿を消す恐れがあり、何も手立てを加えない場合、数十年後にはすべての昆虫が絶滅の道を辿るかもしれないというのです。
モグラ、ハリネズミ、トカゲなどの小動物や、カエルなどの両生類、鳥類や魚類の多くは昆虫を常食して生きていますし、多くの植物もまた、昆虫が受粉媒介者となって生存しています。世界中の食用作物の上位115種のうちの75%は、ほかの生物による花粉の媒介があってはじめて生存できているのです。そのなかで昆虫が果たしている役割は、非常に大きいのです。その昆虫がいなくなったら、ほかの生物たちの生命も脅かされてしまいます。
昆虫は約4億年前に出現したといわれていますが、それ以来、地球上の多くの生物種、つまりは生態系全体を支える基盤となってきたのです。時には食料となり、また時には受粉媒介者として、ほかの生命がつながっていくことに貢献してきたのです。実に見上げたものだと、昆虫たちに今さらながらに感謝しています。
■昆虫絶滅危機の原因
昆虫の減少と絶滅危機の原因は、森林破壊、都市化、生息域の変化などが要因として挙げられていますが、農薬や化学肥料を多用する近代的農業もそのひとつです。昆虫の絶滅の危機を回避する方法として、私たちにできないこともありますが、もちろん、できることもあります。その最たるものは、農薬と化学肥料の大幅な使用量削減でしょう。
人類が食料生産の具体的方法を変えなければ、昆虫はやがて絶滅し、その後に人類も絶滅するのだということを、実感を伴って受け止めなければならないのです。
これまでの人類史を振り返れば明らかですが、私たちはずっと飢餓と戦ってきました。それがここ数十年で、飢餓を克服することができるかもしれない、という希望を持ちました。それは、農薬と化学肥料によってもたらされた食料の増産でした。しかし、同時に、究極的に飢餓を克服できるものではなく、違うかたちで人類に、さらには地球上の全生物種に飢餓をもたらすことになるという皮肉な結果を招く方法だったのです。
今、私たちに突き付けられている昆虫の絶滅という危機は、これまでの私たち自身の食料生産の方法が間違っていた、ということの証左でもあります。昆虫の減少、絶滅は私たち人類のみならず、地球に棲息する生物全体にとっての大問題で、これを食い止めることができなければ、生態系全体が飢餓により崩壊するということになります。
60年以上も前に、米生物学者のレイチェル・カーソンが指摘したように、除草剤や殺虫剤などの化学物質が私たちの体を蝕んでいることも事実ですが、それらの化学物質は標的である害虫だけではなく、生物界にとって有益な昆虫まで殺しているという事実に、目を向けなければならない時がきたのです。言うまでもないことですが、殺虫剤(農薬)は、昆虫も殺しています。
気候変動や異常気象など、私たちの力の及ぶ範囲を超えることも、昆虫の生息に影響を与えていることは確かですが、農薬や化学肥料を使用することで、私たちは結果的に自分の首を絞めている、ということに気づかなければなりません。
先日、筆者は近くの公園に散歩に行った折、孫に「じぃじちゃん(こう呼ばれております)は、虫は好き?」と聞かれ、「好きだよ」と即答いたしました。続けて「どんな虫が好きなの?」と聞かれ、しばし黙考の後、「カブトムシ」と答えました。すみません、告白しますと、カブトムシが特別好きなわけではありません。ただ、ほかの虫が思いつかなかったのです。
もう、おわかりのことと思いますが、筆者もこれまでそれほど昆虫に深く興味を持っていたわけではありません。そのことを、この原稿を書きながら、恥じ入っています。私たち一人ひとりが、もっと真剣に昆虫に目を向け、関心を持たないと、昆虫の絶滅を阻止することはできないばかりか、それは即、人類の絶滅につながるのだということを理解しましょう。
そんなことを考えるひとつのきっかけとしていただきたいのが、4月29日、30日に博多で開催する「JORA anniversary4.5 〜オーガニックへのみちしるべ〜」です。筆者が主宰する一般社団法人 日本オーガニックレストラン協会(略称:JORA)が主体となって開催するイベントです。ここでは、これからの農業のあり方、食のあり方などを共に考えていきたいと思っております。どうぞ奮ってご参加くださいますよう、お願いいたします。
(文=南清貴/フードプロデューサー、一般社団法人日本オーガニックレストラン協会代表理事)
●南清貴(みなみ・きよたか)
フードプロデューサー、一般社団法人日本オーガニックレストラン協会代表理事。舞台演出の勉強の一環として整体を学んだことをきっかけに、体と食の関係の重要さに気づき、栄養学を徹底的に学ぶ。1995年、渋谷区代々木上原にオーガニックレストランの草分け「キヨズキッチン」を開業。2005年より「ナチュラルエイジング」というキーワードを打ち立て、全国のレストラン、カフェ、デリカテッセンなどの業態開発、企業内社員食堂や、クリニック、ホテル、スパなどのフードメニュー開発、講演活動などに力を注ぐ。最新の栄養学を料理の中心に据え、自然食やマクロビオティックとは一線を画した新しいタイプの創作料理を考案・提供し、業界やマスコミからも注目を浴びる。親しみある人柄に、著名人やモデル、医師、経営者などのファンも多い。
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