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アジアの動揺誘う、中国「一帯一路」の欧州攻勢
飯山 辰之介
バンコク支局長
2019年4月1日
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中国が提唱する経済圏構想「一帯一路」が欧州で拡大している。習近平(シー・ジンピン)国家主席が各国を歴訪し、3月23日にはイタリアと一帯一路に関する覚書を交わした。両国はイタリア北東部トリエステの港湾機能の強化から製鉄所の建設、イタリア製品の中国への輸出促進まで幅広く連携するという。
ブルームバーグなどの報道によれば、経済効果は総額200億ユーロ(約2兆4850億円)に及ぶという。中国は25日にもフランスとの間で約400億ユーロ(約5兆円)の商談成立にこぎ着けた。
中国の習近平国家主席は欧州を歴訪し、イタリアを経済圏構想「一帯一路」のメンバーに引き入れた(写真:AFP/アフロ)
欧州では既に多くの国が中国への依存を深めている。一帯一路に関する覚書を交わしているEU加盟国は東欧を中心に13カ国に上り、合意を結んでいない国にも中国の資本が急速に流入している。中国商務部の資料によれば、たとえばオーストリアへの直接投資残高は2009年末から2017年末の間で549倍に増え、スウェーデンでは65倍、オランダで55倍に拡大。EU加盟国全体に対する投資残高は2009年の62億ドルから2017年には860億ドルと8年で約14倍に急増した。
欧州で高まる中国の影響力は、ついにEU主要国でありG7メンバーでもあるイタリアに及んだ。他のEU加盟国や米国からは批判や懸念が出ているというが、この動きに衝撃を受けているのは、一帯一路構想の沿線に位置するアジア諸国かもしれない。経済力があり、アジアの民主化について関心の高い欧州ですら、中国の資本に依存せざるを得ないことが改めて浮き彫りになったからだ。
対中強硬になりきれないマレーシア
アジアでは近年、中国に対する警戒感が高まっていた。マレーシアやスリランカ、モルディブでは政府が過度に中国に依存したことが嫌気され、政権交代も起きている。だがインドの支援を最大限に受けているモルディブを除き、マレーシアやスリランカの「中国離れ」は難航している。
マレーシアでは、親中派のナジブ前政権に批判的なマハティール氏が昨年5月の総選挙で返り咲きを果たし、中国が主導するプロジェクトの見直しに乗り出した。その筆頭が、マレーシアの東海岸を横断する東海岸鉄道の建設プロジェクトだ。マレーシア側が負担するコストが高すぎるとして、マハティール首相は就任早々に計画の中止を打ち出した。
だが実際には計画は中止にはなっておらず、むしろ足元で交渉は活発化しているようだ。現地報道によると今年2月、政府高官は「コストが確定するまでは中止の決定はない」と発言し、マハティール首相も交渉継続の意向を示した。首都クアラルンプールが位置する西海岸に比べ、マレーシアの東海岸は経済の発展が遅れていた。東海岸鉄道はこれを挽回する好機と現地州政府から見られていただけに、容易には計画を中止できなかったとみられる。
マハティール首相は就任当初、中国人投資家による不動産の「爆買い」を抑制し、投資の過熱で不動産価格が高騰するのを防ごうとも動いていた。標的になったのは、マレー半島南端に位置するジョホール州で開発が進む「フォレストシティー」だ。
中国の大手デベロッパーがマレーシアのジョホール州で開発を進める「フォレストシティー」。殺風景な原野にビルが乱立している
次ページ親中の前大統領の首相就任騒動で混乱
中国大手デベロッパーが手がける大規模都市開発プロジェクトで、マンションや戸建て住宅、ホテル、ショッピングモールなどの建設が進む。マンション価格は60平方メートルの物件で約50万リンギット(約1340万円)と、平均月収が2500リンギット前後(約7万円)のマレーシア住民が購入するのは難しい。主な顧客は中国人投資家で、資産運用の対象や別荘として人気を集めた。その余波で周囲の不動産価格も高騰し「容易に住宅が買えなくなった」(ジョホール州のタクシー運転手)という。
そこでマハティール首相は昨年8月、中国人の投資家を念頭に、フォレストシティーの住居を外国人に販売せず、査証(ビザ)も発給しない方針を打ち出した。だが、今になっても目立った進展はない。「マハティール首相の発言で、客が少し減ったのは事実。ただ大きな影響は出ていない」。フォレストシティーの販売担当者はこう話し、ビザの発給停止や外国人に対する販売禁止といった政策が実現することもあり得ないと楽観的な見通しを示した。ジョホール州政府やスルタン(イスラム王侯)は経済発展に中国の投資が不可欠だと考えており、「最終的には州政府とスルタンが守ってくれる」と見ている。
親中の前大統領の首相就任騒動で混乱
スリランカでは2015年まで政権を率いた前大統領が中国の資本を次々と受け入れた。返済の見込みが立たないまま借金を重ね、採算が見込めない空港や港をつくった。これを国民が問題視し、同年の総選挙での政権交代につながった。中国に対し慎重な姿勢を示すシリセナ氏が新大統領に就任した。
だが対外債務は既に危機的な水準にまで積み上がっていた。手足を縛られたシリセナ大統領は経済を立て直す有効な政策を打ち出せず、国民の支持を失う。その結果、前大統領に対する国民の人気が復活するという皮肉な事態が起きた。
支持回復を狙うシリセナ大統領は昨秋、政敵だったはずの前大統領を首相に据えるという荒業に打って出た。議会や司法が強硬に反発したため、すぐに辞任を迫られたが、この騒動はスリランカの中国依存の根深さと、方針転換の難しさを改めて浮き彫りにした。
スリランカの苦境を目の当たりにするアジア諸国が中国の進出に対して警戒感を抱くのは当然といえる。ただ自国の資本は不足し、中国に代わる支援国が現れる見込みもない。結局、中国の覇権主義を恐れつつも、一帯一路構想から背を向けられなくなっている。
英紙ガーディアンによると、フランスのマクロン大統領は習主席に対し、関係強化の条件として「欧州が一体であることを尊重してもらう必要がある」と述べた。また欧州連合(EU)のユンケル欧州委員長も「中国と欧州は戦略的なパートナーであると同時にライバルでもある」と習主席に伝えたという。一帯一路構想に対してEU加盟国間の足並みがそろっていないことを危惧し、EUとして中国に対応していく姿勢を改めて示したものとみられる。
巨大な中国に対して一国で立ち向かうのではなく、多国籍の枠組みをつくって対抗する。その考え方は、相対的に経済規模の小さいアジア諸国でこそ有効かもしれない。各国がそれぞれに、ぽつぽつと中国に慎重な姿勢を示しても、結局は中国に押し切られるのがオチだ。各国が足並みをそろえて一帯一路の覇権主義的な部分に対抗し、対等な立場で互恵的な関係を構築できるような枠組みが必要なのかもしれない。
【公安調査庁 共産党】で、ググる
中国人は、日本人よりしたたか。
正攻法でしか進めれない外務省と政治家は、いつも中国に翻弄された。
2019/04/01 08:03:212返信いいね!
hifukaya
アジアの各国は中国と古くから交流してきた歴史が有り、ある意味熟知した関係でしょう。一方東南アジア各国の団結力は、EUとは比べることが出来ないほど脆く、中国とは一対一で交渉に臨むしかないでしょう。
東南アジアの国々は中国のその経済力の恩恵無しには、国が成り立たないでしょう。
2019/04/01 09:16:50返信いいね!
不撓不屈
チャイナリスクを背負うメリットは何?
2019/04/01 09:42:031返信いいね!
TS
電子エンジニア
一帯一路については遠藤誉さんのコラムが興味深いです。
一帯一路に直接参加するのではなく、第三国への投資で一帯一路に投資協力する方式を、安倍さんが訪中時に提案した事から中国は「日本方式」と呼んでフランスを勧誘し、フランスもまんざらではないとの事です。
この日本方式が米中の間で微妙な立ち位置に有る国に広まるのか、米国はこの方式を見逃すのか、が一帯一路の今後の一つの焦点かなと思います。
2019/04/01 12:21:481返信いいね!
東雲牛
ただのくず
同感だ。サラミ戦術を得意とする中国に対抗するには、多国間で問題を共有しながら対処すべきだろう。
2019/04/01 17:10:02返信いいね!
一介のサラリーマン
「一帯一路」と言っても実質は中国による経済侵略でしかなく、その上中国からの投資により多くの中国人労働者が派遣され、終了後も居座る可能性があることから領土侵略でもある。記事の結びにもあるように、今後は多国籍の枠組みをつくって対抗する必要があると思う。
2019/04/01 17:45:00
https://business.nikkei.com/atcl/seminar/19/00019/032800036/
日本株は大幅続伸、中国景況感改善や米物価安定−景気敏感中心に上昇
長谷川敏郎
2019年4月1日 7:46 JST 更新日時 2019年4月1日 15:24 JST
中国の3月製造業PMIは国家統計局と財新ともに拡大示す
米国株先物や中国上海総合指数は大幅高、日本株は午後に上げ縮小
1日の東京株式相場は大幅続伸。中国の製造業購買担当者指数(PMI)の改善や米国の物価安定から景気や業績の先行き懸念が和らぎ、輸送用機器や電機など輸出、鉄鋼や非鉄金属などの素材といった景気敏感業種中心に買われた。
TOPIXの終値は前営業日比24.17ポイント(1.5%)高の1615.81
日経平均株価は303円22銭(1.4%)高の2万1509円03銭
中国の国家統計局が3月31日に発表した3月の製造業PMIは50.5で、前月からの上げが2012年以来の大きさとなった。1日発表の財新PMIも50.8に上昇。米商務省が29日発表した1月の食品とエネルギーを除く個人消費支出(PCE)コア価格指数は前月比0.1%上昇と、市場予想を下回った。きょうは米S&P500種Eミニ先物や中国上海総合指数がそろって大幅高となり、世界的な株高への期待が高まった。
東海東京調査センターの平川昇二チーフグローバルストラテジストは中国製造業PMIについて、「拡大に転じたことはサプライズ。先行指標である新規受注対在庫の比率が好転しているため4月以降もなお改善する可能性がある」と指摘。「グローバル経済のリセッション(景気後退)確率は低くなり、相場は景気拡大をもう一度織り込み始める」と予想した。
日経平均は一時477円(2.3%)高まであったが、新元号公表後の午後に為替市場で円安の勢いが鈍化するとともに上げ幅を縮小した。水戸証券投資顧問部の酒井一チーフファンドマネジャーは「大納会や大発会などに見られるご祝儀的ムードの先回り買いが事前に一定程度あった」と話した。
新元号発表後の指数伸び悩みに関する記事はこちらをご覧ください
1日は大幅続伸
取引開始前に発表された日本銀行の企業短期経済観測調査(短観、3月調査)では大企業・製造業の業況判断指数(DI)がプラス12と前回調査から7ポイント悪化した。一方、大企業・全産業の19年度設備投資計画は前年度比1.2%増と、市場予想(0.7%増)を上回った。
東証33業種では石油・石炭製品、鉄鋼、非鉄金属、輸送用機器、ガラス・土石製品、海運、電機が上昇率上位
空運のみ下落
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-03-31/PP957C6K50XY01?srnd=cojp-v2
債券は下落、株価上昇や円安で売り優勢ー利回り曲線はスティープ化
野沢茂樹
2019年4月1日 7:56 JST 更新日時 2019年4月1日 16:07 JST
債券相場は下落。米中の貿易協議が進展しているとの観測から株価と長期金利が上昇した海外市場の流れを引き継いだことや、日本株上昇と円安も加わって超長期債を中心に売りが優勢となり、利回り曲線はスティープ(傾斜)化した。明日以降に10年債入札や30年債入札を控え、新年度入りした投資家の動きは低調だった。
新発20年物167回債利回りは2ベーシスポイント(bp)高い0.35%。新発30年物61回債利回りは2.5bp上昇、新発40年物11回債は午後3時過ぎに取引が成立し利回りは2bp上昇
新発10年物353回債利回りは1bp高いマイナス0.085%、一時はマイナス0.08%まで上昇
長期国債先物6月物の終値は前週末比12銭安の153円16銭
市場関係者の見方
野村証券の中島武信シニア金利ストラテジスト
投資家は新年度に入ったばかりで、まだ活発に動いてはいない印象だ。金利が若干上がるのは例年通りの動き
中国の景況感を示す製造業購買担当者指数(PMI)は良かったが、日銀企業短期経済観測調査(短観)の結果は予想の範囲内で特段の材料にならない
あすの10年債入札は新発債とあって利回りが1.5bp程度上がるので需要が見込まれるが、その後に流通市場で買われて足元と同じ水準まで下がってしまう可能性も
背景
日経平均株価は前週末比1.4%高の2万1509円03銭と、3月22日以来の水準で引け
米10年物国債利回りは時間外取引で4bp高い2.44%台に上昇する場面も
日銀短観:大企業製造業の景況感悪化−6年3カ月ぶりの落ち込み
新発国債利回り(午後3時時点)
2年債 5年債 10年債 20年債 30年債 40年債
-0.175% -0.195% -0.085% 0.350% 0.520% 成立せず
前週末比 +1.0bp +1.0bp +1.0bp +2.0bp +2.5bp
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-03-31/PP9T6L6TTDS101?srnd=cojp-v2
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- 中国株バブルへの警鐘か、アナリストの投資判断引き下げ相次ぐ 日銀短観、景況感は悪化−世界的な景気減速への懸念で うまき 2019/4/01 18:08:56
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