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トップニュース2019年3月22日 / 14:33 / 6時間前更新
焦点:
現実か幻想か、欧州に飛び火する財政拡大理論「MMT」
Reuters Staff
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[ロンドン 18日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)はこの3年間、2兆6000億ユーロ(約328兆円)以上を投じてユーロ圏の経済成長を加速させようと試みてきた。
だが、文句なしとは言いがたい結果を前に、さらに巨額の支出につながる思い切った代替案を試みる可能性が出てきた。
経済成長が減速するタイミングで、財政緊縮政策に反対するポピュリスト政党が、5月に迫った欧州議会選挙に向けて支持を稼ごうと図る中で、財政拡大理論のいわゆる「MMT(現代金融理論)」が、債務や財政赤字、経済運営のあり方に関する従来の考え方に挑戦状を突きつけている。
米国左派の期待の星であるアレクサンドリア・オカシオコルテス氏を通じて有名になったMMTは、実質的に、インフレを制御できている限りにおいて、国家は自由に自国通貨を発行・支出することができると考える。
この理論では、国家はいつでも通貨を発行して債務の返済に充てることができるのだから、債務不履行(デフォルト)に陥ることはありえないということになる。
失業対策と社会政策のために公的支出の拡大を求める欧州のポピュリスト勢力にとって、これは魅力的に響く。彼らは、中央銀行が何年も量的緩和(QE)を続けても、金融資産の価格上昇以外には見るべき成果がなかったと主張する。
MMTの主唱者によれば、QEが2次市場における社債・公債の大量購入によって金融市場を刺激することだけを意図しているのに対して、MMTのポイントは政府支出と実体経済への資金供給であるという。
ユーロ圏において、近い将来MMTが導入される可能性は低い。統一通貨ユーロの導入地域のルールでは、加盟国が勝手に通貨を発行することは不可能で、欧州政界の主流派はMMTを支える経済理論を相手にしていない。
ラリー・サマーズ元米財務長官は、MMTを「迷信的な」考え方だと評した。
だがMMTがよって立つ発想は、大型の公債発行による投資スキームを検討することに消極的な欧州の財政主流派・政界に対するイデオロギー的な抵抗をまとめ上げる支えとなっている。
英国最大の資産運用会社リーガル・アンド・ゼネラル・インベストメント・マネジメントでファンドマネジャーを務めるジョン・ロー氏はロイターに対し、「欧州議会選挙が終われば、欧州レベルでの財政出動・景気刺激策がはるかに盛んに論じられるようになるだろう」と語った。
<ニューディール>
ロー氏は、米民主党左派の一部の売り文句である、巨額の公的投資による「グリーン・ニューディール」を求める声がまだ欧州には現れていないことを指摘する。だが、こうした政策を求める声は、投資家が真剣に検討すべきものとしては、まだ可能性にとどまっている。
ECBは今月、QEによってインフレ率と経済成長率が上昇していないこと、少なくとも2020年までは金利をきわめて低い水準に据え置くことを認めた。こうなるとECBとしても、思い切った方針転換を求める声に弱くなる。
「ユーロ圏で最も望ましい政策は、(ユーロ圏で実施するのはほぼ不可能に近いとはいえ)中央銀行による巨額赤字の財政ファイナンスと定義される現実的なMMTだろう」と金融顧問会社INTL・FCストーンでアナリストを務めるビンセント・ドゥリュアード氏は語る。
<ポピュリストの手段に>
欧州が「ジャパニフィケーション(日本型の景気低迷)」、つまり低成長・低インフレの組み合わせに陥りつつあるという議論が生じる中で、斬新な政策アプローチを求めるプレッシャーは高まっている。とはいえ、米国に比べて、欧州における議論ではMMTを求める主張はさほど頻繁には聞かれない。
しかし、それも変わりつつあるのかもしれない。
サクソバンクの最高投資責任者(CIO)を務めるスティーン・ジェイコブセン氏は、「欧州議会選挙の後も欧州経済の減速が続くようなら、欧州の政治家ももっとインフラ整備が必要だと言うようになり、コストを増やすことなく通貨を追加発行できると考えるのではないか、と人々は想定している」と言う。
MMT型のアプローチに向けた動きはすでにいくつか生じている。
英野党・労働党のコービン党首は2015年に「民衆のQE」を提唱した。政府主導で中央銀行の出資により、インフラ整備に投資するスキームだ。
最近ではイタリアの連立与党が、低迷する経済を再生するため、EUの課す財政規律を終わらせて公的支出を増やすことを希望し、EU本部と対立した。
フランスのマクロン大統領は、暴力を伴う街頭行動となった「黄色いベスト」運動をなだめるべく、公的支出を拡大している。
ラボバンクの市場ストラテジストであるマイケル・エブリー氏は、「怒りの時代:市場におけるポピュリズムの意味」と題するリサーチノートの中で、ポピュリスト政党が公的支出拡大への要求を補強するためにMMTを利用することを投資家は想定すべきだと述べている。
エブリー氏は、「(市場は)真のパラダイム転換が生じるリスクが今後大幅に高まる事態に備えるべきだ」と警告している。
<経済は崩壊するか>
とはいえ、マクロ経済学の原則を無視することに前向きな政治家が当選しない限り、こうした動きはたいして意味を持たない。そして当然ながら、財政の専門家たちの意見は、MMTを否定するという点でほぼ完全に一致している。
各国政府が通貨を気ままに発行することを許されれば、ハイパーインフレと経済崩壊への悪循環が始まってしまう、というのが彼らの見解だ。
ECBのチーフエコノミストであるプラート専務理事は最近、インターネット上での質疑応答で、「中央銀行による財政ファイナンスという発想全般が危険な主張だ」と回答。
プラット氏は「過去には、そうした発想がハイパーインフレと経済の大混乱をもたらした」と述べ、「中央銀行が独立性を備えるべき理由はそこにある」と付け加えている。
シカゴ大学ブース・スクール・オブ・ビジネスが実施した調査によれば、経済専門家の88%は、「債務返済に充てる通貨はいつでも発行できるのだから、自国通貨で借入可能な国家は政府債務を懸念する必要はない」という主張に「同意しない」と回答した。
財政タカ派で知られる日本銀行の黒田東彦総裁もやはりMMTに否定的で、「広汎な支持を得られない極端な主張」と呼んでいる。
<MMTの現実味>
欧州の一般市民の間でMMTを巡る議論が起きるとは考えにくいが、関心は高まっている。グーグル検索では、「ECB」よりも「MMT」の検索回数の方が多くなっている。
イーストウエスト・インベストメント・マネジメントのアナリストであるケビン・ミューア氏は、ニュースレターの中で、主要経済国の有権者の間で怒りが広がっていることに触れ、「財政規律を維持したままの金融刺激策では、金持ちがさらに豊かになる以外の効果はない」と主張している。
また、MMTが経済的・政治的な幻想のように見えるとはいえ、一部のエコノミストは、ポピュリズムの波の勢いを軽視すべきではないと警告する。英国が国民投票でEU離脱を選ぶことも、ドナルド・トランプ氏が大統領に選出されることも、どちらもありそうにないことと思われていたのだから。
次のリセッション(景気後退)が訪れれば、英国のコービン氏が提案する「民衆のQE」のようなアイデアが一般化する可能性があると、ソシエテジェネラルのアナリスト、アルバート・エドワーズ氏は考えている。そのときになれば、「(マネーが)金融市場に紙吹雪のように撒き散らされるだけでなく、実際に減税や公共投資プロジェクトに流れ込むようになる」と同氏は言う。
(Julien Ponthus記者、Tommy Wilkes記者、Ritvik Carvalho記者 翻訳:エァクレーレン)
https://jp.reuters.com/article/europe-mmt-idJPKCN1R10XI
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2019年3月22日 / 17:48 / 2時間前更新
アングル:FRBのハト派転換、米家計にもたらす好影響
Reuters Staff
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[ワシントン 21日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)は20日までの米連邦公開市場委員会(FOMC)で、年内に利上げする公算は乏しいとの考えをはっきり打ち出した。これは米国の家計に対する、どうか買い物を続けてくださいというメッセージだ。
3月21日、米連邦準備理事会(FRB)は20日までのFOMCで、年内に利上げする公算は乏しいとの考えをはっきり打ち出した。ワシントンのFRB本部で19日撮影(2019年 ロイター/Leah Millis)
FRBが操作する政策金利が上がれば、他のさまざまな金利も上昇し、クレジットカードの利用や住宅、自動車購入などのコストが増大する。
ただ20日時点でFOMCの大半のメンバーが想定する年内の利上げ回数はゼロとなり、投資家の間ではFRBの利下げを促すほど景気が減速するかもしれないとの見方も広がっている。
こうしたFRBのハト派姿勢への転換が家計にもたらす好影響を以下に記した。
<借り入れ条件改善>
FRBの金利見通し修正によって10年物国債利回り(長期金利)を含む主要な市場金利が低下し、つれて住宅や自動車を買う際に利用するローンの金利が下がってきている。既に住宅ローン金利は低下基調で、クレジットカードの金利も今後低下するかもしれない。
https://fingfx.thomsonreuters.com/gfx/mkt/11/8413/8337/mortgages_treasuries.png
<薄れる貯蓄の妙味>
金利低下は、一般的な貯蓄商品の妙味を薄れさせることで消費を後押しする。利回りが下がれば貯金の利子は減り、安全な国債に投資しているファンドのリターンは低下する。これは貯蓄資金の運用収入への依存度が比較的大きく、米国債利回り低下で痛手を受ける退職者世代には問題をもたらす。これに対してFRBは、退職者は景気全般を支える政策手段の恩恵を受けていると主張している。
https://fingfx.thomsonreuters.com/gfx/mkt/11/8414/8338/savings_MM.png
<株価上昇>
債券利回り低下とコインの裏表の関係にあるのが株価上昇だ。株高は401kなどの確定拠出型年金プラン、とりわけ運用資産に占める株式の割合が多い若い世代に追い風となる。
今回のFOMCの結果公表後にS&P総合500種は大きく上昇。これには借り入れコスト低下が企業利益を押し上げるとの見方が反映されている。
株高は、いわゆる資産効果を享受する人々が財布のひもを緩めてくれるため、個人消費増加につながる可能性もある。
https://fingfx.thomsonreuters.com/gfx/mkt/11/8415/8339/rate_pressure.png
<労働市場支援>
米国の失業率は50年ぶりの低水準付近にあるが、足元で労働市場の軟化が見て取れる材料がいくつか出てきている。2月の非農業部門雇用の増加ペースは急速に鈍化し、週間新規失業保険申請件数はじりじり増加してきた。
こうした中でFRBがハト派姿勢となったのは、労働市場をしっかりした状態に保つ狙いがある。そうすれば2007─09年の金融危機を抜け出した後もなお経済が振るわなかった局面で職探しをあきらめた人たちの求職活動再開を促進できるだろう。
https://fingfx.thomsonreuters.com/gfx/mkt/11/8416/8340/full_strength.png
私たちの行動規範:トムソン・ロイター「信頼の原則」
https://jp.reuters.com/article/graphics-frb-idJPKCN1R30VK
ビジネス2019年3月22日 / 17:23 / 3時間前更新
インタビュー:
個人投資家も「アクティビスト」になるべき=マネックス社長
Reuters Staff
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[東京 22日 ロイター] - 平成の30年間で個人投資家を取り巻く環境は激変した。インターネットなど情報通信技術の普及により大量の情報を瞬時に入手できるようになり、セミプロのような個人投資家も数多く出現した。しかし、全体でみれば貯蓄から投資へのシフトは進まず、かつてのような日本株市場の活気は取り戻せていない。
マネックスグループ(8698.T)の松本大社長は、日本企業が企業価値を一段と高めて株式市場を活性化させるには、個人投資家の意識改革が必要と指摘。個別企業に対する理解を深め、株主としての権利を行使する「アクティビスト」になるべきと話す。
19日に実施したロイターとのインタビューで語った。主なやり取りは以下の通り。
──平成における個人投資家にとって、大きな出来事を3つ上げるとすれば何か。
「手前みそになってしまうが、1つはオンライン証券の登場だ。証券会社の店頭まで行かなければならなかった株式投資が、家の書斎からでも(株式の売買を)できるようになった。株式投資への敷居を大きく引き下げ、破壊的な変化を生み出した」
「もう1つは、細かいが、単元株制度が導入されたことだ。それ以前は、1株あたり純資産が5万円を切ってはいけないと商法で決められており、ヤフーのような、純資産は小さいが知財価値が大きくて企業価値が高い会社だと1売買単位が数千万円などとなり、個人ではとても手が出なかった。単元株制度の導入で投資単位の壁が壊れたことは、個人にとっては極めて大きなインパクトがあった」
「もう1つと言われるととても難しいが、あえて3つ目を挙げるとするなら、村上世彰さんだ。村上さんの行動が、クローズアップされたことだろう。アクティビストなどといったものは海の向こうのものだと思っていたら、日本語で、日本で行われたというのは大きな出来事だったと思う。村上さんに関してはコントラバーシャル(賛否両論)だが、やったことのいい悪いは置いておくとして、日本の個人に、株式投資とはこんなこともできるんだ、あるんだ、と気づかせた一つのきっかけになった」
──マネックス証券は今年で創業20年周年となる。個人投資家にどのような変化を感じるか。
「オンライン証券の登場によって、プロと似たような環境で売買できるようになり、個人投資家の裾野が広がった。投資リテラシーも上がり、個人と機関投資家の差が小さくなってきた。一方、インデックス(指数)取引が広がり、日本の個人にも、個別株ではなく日経平均レバレッジ・インデックス連動型ETF(上場投資信託)などをトレーディングする人が増えてきた」
「資本市場にとってインデックス取引は1つのすばらしい発明だったが、それが行き過ぎると、個別企業の価値をみる、考えるということに対するエネルギーが減る。資本市場と投資家の関係という意味では、退化、後退したと思っている。これは日本だけでなく世界的な問題であり、機関投資家を含めた投資家全員の問題として考えていかなければならないテーマだ」
「インデックス化の進展と、ESG(環境・社会・企業統治)やSDGs(持続可能な開発目標)が重要になってきたことには関係がある。インデックス投資家は個別株を選べないので、議決権行使やエンゲージメントによって保有株の価値を上げたり、価値が下がるのを防いだりする。その時にESGなどの尺度で測って意見を述べる。投資コストが下がるとか、ESGやSDGsといった概念が世界に広がっていくとかプラスの面も多かったが、行き過ぎると価格発見機能がなくなるなど弊害も出てくる」
──これからの株式投資のあるべき姿は。
「日本の証券会社として社会に貢献できるのは、1つの切り口で言うと、日本企業のPER(株価収益率)を引き上げ、国際競争力を高めることだと考えている。近年のインデックス取引の広がりで、個人が個別の企業価値を見極めることにエネルギーを使う時間が減った。個人投資家が主体的に企業価値を高める働きかけができるようにすることも、証券会社の重要なミッションだ」
「具体的には、個人投資家が企業にモノを言えるようにしたい。『個人投資家もアクティビストになろう』と言っている。実際、アクティビストで著名なブーン・ピケンズの生涯リターンは、ウォーレン・バフェットよりいいと言われている。個人投資家もリターンが上がる可能性が高まるとなれば、企業のことをよく研究するようになる。企業のことが分かると、さらに(株を)買えるようになり、マーケット全体のPERを上げることにつながり得る」
──日本経済全体を振り返った時、平成とはどういう時代だったか。この先の展望は。
「日本経済は右肩下がりの部分もあったが、その同じ過程で、『普通の国』になってきた。日本は戦争に負けてボロボロになったところから、世界2位の経済大国になるまで奇跡的な復活を果たした。それがあまりにも大きい成功体験だったので、自分の国のやり方をなかなか変えられなかった。年功序列、男性社会、料亭政治など、あらゆることが陳腐化してきていたのに、我々はそれで成功したからいいのだと(変えられなかった)」
「ただ、そんな成功体験がある人も減ってきた。若い人は、日本が強かったことをあまり知らない。平成は、戦後・昭和という奇跡の時代から転がり落ちるように普通になっていった、いろいろな意味で『ノーマライズした時代』。それでも日本は世界第3位の経済大国であり、人々は教育水準も高く、勤勉。次の時代は日本がどのように頑張っていくか、再挑戦の時代になる」
松本大(まつもと・おおき)1963年生まれ。87年東京大学法学部卒。ソロモン・ブラザーズを経て、ゴールドマン・サックスに入社。94年、同社ゼネラル・パートナーに就任。99年マネックス証券を設立。
杉山健太郎 編集:伊賀大記
https://jp.reuters.com/article/monex-interview-idJPKCN1R30T5
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- FRBの明るい景気認識の裏にある「不都合な真実」米国債、高利回り求める個人投資家買い ビットコイン「冬の時代」85%減 うまき 2019/3/22 20:40:30
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