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2020年7月29日 06時00分
https://www.tokyo-np.co.jp/article/45490?rct=world
【モスクワ=小柳悠志】ベラルーシで初めてとなる原発(出力240万キロワット)が西部グロドノ州に完成し、8月にも稼働を開始する。ベラルーシは1986年に隣国ウクライナで起きたチェルノブイリ原発事故で最も大きな汚染被害を受けただけに、現地の復興を支援してきた日本人関係者から困惑する声が出ている。
原発の名称も「ベラルーシ原発」。ロシア製で建設費は60億ドル(約6300億円)と報じられており、その90%はロシアが融資したもよう。ベラルーシは現在、電源構成の95%を天然ガス火力発電が占め、残りは風力。原発が稼働すると原子力が40%を占めるようになる。
チェルノブイリ事故で、汚染物質の半分以上はベラルーシに降ったとされ、同国政府によると2015年までの経済損失額は事故前の国家予算32年分に上った。1990年代から現地で治療支援などを行う日本チェルノブイリ連帯基金(長野県松本市)の神谷さだ子さん(67)は「原発で苦しんだ国が原発を導入するのは残念だ」と本紙に語った。
原発に近接するリトアニアでは「第2のチェルノブイリになる」と稼働中止を求める抗議デモが続いている。
ロシアは2011年の福島第一原発事故後、「安全な原発」を掲げてベラルーシへの原発輸出に成功。今後、経済面でベラルーシのロシア依存がさらに進むとみられる。
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