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今までほとんど大地震のなかったフランスが揺れている。
今年6月21日にフランス西部でマグニチュード(M)5.1の地震が発生。
11月11日にはフランス南部でマグニチュード5.4、近くにあるクリュアス原発などが停止となった。
翌12日には、フェッセンアイム原発が近いストラスブールでM.3.3の地震が起きている。
記事を引用しよう。
「フランス南部で16年ぶり『大地震』も日本では… 原発耐震基準の『想定外』とは」
(zakzak 2019/11/22)
https://www.zakzak.co.jp/soc/news/191122/dom1911220004-n1.html
--------(引用ここから)------------------------
先週、フランスで16年ぶりに大きな地震が起きた。フランス南部の内陸地方だ。
とはいっても、マグニチュード(M)は5・4。日本ではありふれた地震だ。大地震の仲間には入れてもらえまい。
もともと大きな地震が少なく、石造りの家が多いフランスでは、家屋が損壊する被害が出ている。9〜12世紀に建てられた教会や村の学校も壊れた。1人が重傷、3人が軽傷を負い、震源地のテイユ村では250人が3つの体育館に避難した。県知事は当面の間、家屋の中に入らないよう住民に呼びかけている。
フランスでは年間に約600回の地震が起きている。そのうち有感地震はせいぜい10〜15回ほどにすぎない。日本では、年に数万回も地震が起きる。有感地震だけでも年1500回を超え、M8、ときにはM9が起きる日本とは大違いなのだ。
英国でも数年前に「クリスマスに震度1」が新聞のトップ記事になったことがある。これも小さな地震だった。
一方で、フランスは原子力発電の大国でもある。国内19カ所に58基の原子力発電所を持ち、生産電力の72%(2017年)を原子力でまかなっている。日本と違って、内陸の川沿いに原発は多い。
今度の地震でも内陸のクリュアス原発が震源から23キロのところにあったし、26キロのところにはトリカスタン原発やウラン濃縮施設があった。
「フランス電力」(EDF)は地震後、クリュアス原発の4基の原発すべてを「詳細な点検」のために停止した。ウラン濃縮施設も停止した。
どちらの原発や施設もM5・2までの地震には耐えられるように設計されているという。フランスでの原発の耐震基準は、その地域で過去に起こった地震の最大マグニチュードに0・5を加えて設定されている。今回の2カ所の場合は、1873年に起きた推定M4・7の地震に0・5を加えたM5・2になっているのだ。
だが今回の地震はM5・4であり、たった0・2の差だが、地震のエネルギーは約2倍も大きい。それゆえ、この規準に照らせば想定外だ。そのため、安全性に対する懸念の声があがっている。
福島第1原発はM9の東北地方太平洋沖地震に襲われた。この大きな地震は「想定外」とされている。
フランスでは、地震計が動き出してから最大の地震は2003年にフランス北東部のヴォージュ県を襲った地震(M5・4)だった。
だが、1356年にスイスではもっとずっと大きな地震が起きて、バーゼルの市街が壊滅したことがある。また、ポルトガルでも1755年の地震で大津波が首都リスボンを襲って当時のリスボンの人口28万人のうち9万人もが死亡したこともある。
今回、原発を運用するフランス電力は地震の翌日にクリュアス原発をメディアに公開し、安全性をアピールした。
今回は安全だったかもしれない。だが、地震の歴史よりもずっと短い歴史しかない人類が知らない地震は多い。将来とも安全かどうかは、地震学者でも分からないのである。
■島村英紀(しまむら・ひでき) 武蔵野学院大学特任教授。1941年、東京都出身。東大理学部卒、東大大学院修了。北海道大教授、北大地震火山研究観測センター長、国立極地研究所所長などを歴任。著書多数。最新刊に『多発する人造地震−人間が引き起こす地震』(花伝社)。
--------(引用ここまで)------------------------
11月11日の地震では大地震特有の卵の殻を割るような地割れが起きており、
地震学者は首をかしげているようだ。
われわれ人類が知っているのはせいぜいここ2、3千年の出来事だけである。
今まで大きな地震がなかったから大丈夫と油断してはならない。
絶対に起きないということは絶対にないのである。
フランスの原発は日本とは比較にならないほど耐震基準が甘く、しかも老朽原発が多い。
大きい地震が起きたら、ひとたまりもないだろう。
また川から冷却水を得ているが、地震で川の流れが変わって干上がったり、
あるいは洪水になる可能性もある。
冷却水を失えば、何が起きるかは説明するまでもない。
1基でも大事故を起こせば、あっという間に放射能汚染が広範囲に拡がり、ヨーロッパは壊滅する。
中近東やアフリカからの不法移民に悩むヨーロッパだが、事故が起きたら脱出する人が激増し、
"逆流"現象が起きるかも知れない。
ヨーロッパ在住の方は、万一に備えてどこに脱出、避難するか考えておいたほうがよい。
原発があるかぎり、この地上のどこにも安住の地はないのである。
(関連情報)
「フランスで奇妙な地震が発生、科学者ら首ひねる」 (ナショナル・ジオグラフィック 2019/11/20)
https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/19/111900671/
「“原発大国”フランスで起きた「想定外の地震」に広がる住民の不安」
(COURRiER JAPON 2019/11/16)
https://courrier.jp/news/archives/181341/?ate_cookie=1576736327
「南仏で地震、クリュアス原子力発電所が運転停止」 (kSM 2019/11/12)
https://ksm.fr/archives/552370
「フランス西部でM5.1『地震がない国なのに?』」 (ハザードラボ 2019/6/21)
https://www.hazardlab.jp/know/topics/detail/2/9/29873.html
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