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福島Q&A Q30.医療での被ばくは無害ですか?
http://mekenekotama.blog38.fc2.com/blog-entry-3088.html
2019/11/22(金) 19:41:00 めげ猫「タマ」の日記
Q>医療での被ばくは無害ですか?
A>いいえ、たとえば歯科では、エックス線写真診査において、不要な撮影を繰り返さないようにしています(1)。
文部科学省が出している放射線「放射線副読本(平成30年10月改訂)」の7ページに放射線利用の例としてレントゲン検査が記載されています(2)。
放射線利用の例としてレントゲンを記載する放射線副読本
※(2)を引用
図―1 放射線利用の例としてレントゲンを記載する放射線副読本
また8ページには
「1年間に受けている自然放射線の量は<中略>病院でのエックス線(レントゲン)撮影などの医療行為により1年間に受けている人工放射線の量は、平均で約3.9ミリシーベルトになります。」
と記述し、以下の図があります。
日常の被ばくを強調する副読本
※(2)を引用
図―2 年間約4ミリシーベルトの医療ひばくしているとする「副読本」
そして10ページ目には
「放射線を受ける量をゼロにすることはできませんし、自然の中にもとからあった放射線や、病院のエックス線( レントゲン)撮影などによって受けるわずかな量の放射線で、健康的な暮らしができなくなるようなことを心配する必要はありません。」
との記述があります(2)。
あるいは復興庁が出している「放射線のホント」では、5ページ
「日本人が受ける年間の放射線は平均で、<中略>医療行為から3.9ミリシーベルトです」
と記述した後、11ページに
「ふだんの身の回りの量はわずかなので、健康への影響はありません」
と記述しています。共に医療で受ける被ばく程度なら問題ないような書き方です。
医療用放射線は問題が無いとする「放射線のホント」
※(3)を引用
図−3 医療用放射線は問題が無いとする「放射線のホント」
共に医療で受ける被ばくは問題がないような書き方です。
被曝による放射線障害は、被曝線量に応じて確定的影響(deterministic effects)と確率的影響(stochastic effects)の二つに分類されます。確定的影響については閾値(threshold)と呼ばれる線量が存在しその閾値以下の被曝では確定的影響は発生しません。一方で、確定的影響の閾値以下の被曝でも、確率的影響(具体的には主にガン)が発生する可能性(確率)はあります。
確率的影響は確定的影響とは異なり閾値が存在せず線量に応じて死亡リスクが増加するという直線しきい値無し仮説(Linear no-threshold hypothesis;LNT仮説)と呼ばれるモデルが取られています。LNT仮説は、動物実験、放射線療法を受けた患者の調査、広島・長崎の原爆被爆者の追跡調査、その他の被曝に関する疫学調査で統計的に裏付けがされています(4)。以下に概念を示します。
確率的影響の概念
※(5)にて作成
図―4 「確率的影響」の概念
図に示した様に少量でも被ばくすれば癌になる確率は高まります。また、被ばくすればするほど、癌になる確率が高くなります。少量といえども被ばくは「無害」ではありません。
薬には副作用があります。それでも薬を飲みます。だから薬の良い面(主作用)と悪い面(副作用)を理解し、上手にお付き合いできれば良いそうです(6)。
医療による被ばくも同じです。X線などの放射線を使って検査することで、たとえば早期発見・早期治療により、完治する可能性も大きくなるという便益があります。また痛みや苦痛を伴いませんし、子どもやお年寄り、病気の方にも適用できます。一方で、癌になる可能性(リスク)が増えるとされています。バランスをどう考えるかですが、癌が早期に見つかって治る可能性が、検査による被ばくで癌になる可能性より大きければ患者の利益になります。言い換えればある程度の被ばくによる障害はしかたがないとの考えで、放射線医療は行われています。それでも患者の利益になります。専門家の皆様は患者が利益をうえけられるよう放射線医療のガイドラインをより良くする努力されています(7)
被ばくはどんな少量でも避けるべきです。社会的・経済的要因を考慮しながら、人体への被曝をできるだけ少なくするように努力すべきであると、1997年に国際放射線防護委員会(ICRP(8))がこの原則を通して勧告しました。これは「ALARA」(「合理的に達成可能な限り低く」を意味する略語)と呼ばれ、放射線量と放射線物質の放出量を最小限に抑えるという、放射線の安全利用における原則です。この考えに基づきたとえば歯科では、エックス線写真診査において、不要な撮影を繰り返さないようにしています(1)。
文部科学省が出している「放射線副読本」や復興庁が出している「放射線のホント」では、医療による被ばくは問題が無いように記載していますが、被ばくは少量でも問題があります。医療現場では、被ばくよって生じる危険性よりも、メリットが大きい場合に放射線による医療が行われています。
<余談>
図表が小さいとご不満の方はこちら、図表をクリックしてください。
福島に対する疑問を「めげ猫「タマ」の日記 福島Q&A 」にまとめました(9)。よかったら他のQ&Aも見て下さい。
以下に柿の検査結果を示します。
セシウムが見つからない奈良産、9シーズン連続で見つかる福島産柿
※(10)(11)にて作成
図―5 柿の検査結果
図に示す様に奈良産から放射能は見つかっていませんが、福島産からは9シーズン連続で見つかっています。福島産柿を食べると追加の被ばくを受けるリスクを負います。福島の皆様はこのリスクを受容することは「合理的ではない」と考えているようです。
福島の方が福島県特産の柿「不知柿」を来日する法王に贈ることになりました。(12)。福島は柿のシーズンです。みしらず柿は食味がよいそうです(13)。福島県は福島産柿は「安全」だと主張しています(14)。でも、福島県須賀川市のスーパーのチラシには福島産柿はありません。
他県産はあっても福島産柿が無い福島県須賀川市のスーパーのチラシ
※(15)を引用
図―6 福島産柿が無い福島県須賀川市のスーパーのチラシ
(=^・^=)も福島県須賀川市の皆さまを見習い「フクシマ産」は食べません。
―参考にしたサイト様および引用した過去の記事―
http://mekenekotama.blog38.fc2.com/blog-entry-3088.html
(1)Quint Dental Gate - キーワード
(2)放射線副読本(平成30年10月改訂):文部科学省⇒放射線副読本(平成30年10月改訂)(PDF版)
(3)風評払拭・リスクコミュニケーション強化戦略⇒放射線のホント
(4)低線量被曝問題 - Wikipedia
(5)確定的影響と確率的影響 − 放射線の人体への影響 | 電気事業連合会
(6)薬の副作用について|公益社団法人 相模原市薬剤師会|神奈川県|相模原市|
(7)医療被ばくリスクとその防護についての考え方Q&A | 放射線医学総合研究所(放医研)
(8)国際放射線防護委員会 - Wikipedia
(9)めげ猫「タマ」の日記 福島Q&A
(10)報道発表資料 |厚生労働省
(11)農林水産物の緊急時環境放射線モニタリング結果【詳細】 - 福島県ホームページ
(12)県特産の柿をローマ法王に贈呈へ|NHK 福島県のニュース
(13)みしらず柿 | JA会津よつば
(14)安全が確認された農林水産物(公開用簡易資料) - 福島県ホームページ⇒くだもの編 [PDFファイル/200KB]
(15)ザ・ビッグ須賀川店 | 宮城県、福島県のイオングループのスーパーマーケット「ザ・ビッグ」 | マックスバリュ南東北
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