韓国の古里原発と対馬北端の距離は100Km程度しかない。釜山とは50Km程度しかない。この距離は、長野県や岩手県など大きい県内の距離と変わらないので、「近傍」と言っても間違いではない。
ところが、この古里原発には、放射能で大量に環境汚染しているとの悪い噂が絶えない。
1977年に1号機が稼働した古里原発は、2017年6月19日、「永久停止」宣言をし、以来稼働が停止しているが、なぜ、慌てて稼働停止しなければならなかったのか、背後には極めて深刻な問題が隠されていた。
https://www.huffingtonpost.jp/2017/06/18/story_n_17199468.html
古里原発は廃炉にされ、2022年から解体作業に入るとしている。作業期間は約20年間である。5年間も待機期間を置く理由は、放射性物質の減衰を待つという意味であろう。
20年もかかる理由は、原子炉の周辺が、すべて中性子によって放射化されていて、大半の解体瓦礫が強い放射能を帯びてしまっているため、これも減衰を待ちながら作業するためである。
とりわけ、加圧水型原子炉では、圧力容器に分厚い鋼鉄が使われていて、中性子によって大量のコバルト60が生成されているため、作業にかかろうにも、近寄ることさえできない。
慌てて廃炉にされた理由を調べてゆくと、恐ろしい事実が浮かび上がってきた。古里原発近傍の甲状腺癌患者が激増していたのだ。
2014年には、古里原発から10Km以内に居住していて甲状腺癌を発症した女性の提訴した裁判で、発癌の原因が古里原発の放出した放射能にあるとの判決が出された。
https://www.windfarm.co.jp/blog/blog_kaze/post-18286
韓国女性の甲状腺癌発症率は、10万人あたり約60人である。世界平均が10万人あたり、0.1人あたりであることを考えれば600倍になり、日本女性に比較しても14倍という高率である。
韓国内では、この理由について「暴飲暴食」=酒の飲み過ぎであると、医師やメディアの奇っ怪な決めつけがあった。
https://blogs.yahoo.co.jp/minaseyori/63688394.html
しかし、古里原発周辺に関しては、古里原発からの距離と発癌に一定の相関が見られたため、統計確率論理によって証明されることになった。
2016年、グリーンピースなどの調査で、古里原発のヨウ素131環境放出量は、世界最多であり、周辺に健康被害を引き起こしていると告発が起きていた。
http://japan.hani.co.kr/arti/politics/23560.html
古里原発は、世界の他の原子力発電所に較べ3000万倍ものヨウ素131を排出していた。
1990年代、 古里原子力発電所1〜4号機から排出されたヨウ素131の量は29.6254ギガベクレル(G Bq)だった。 次いで多く排出した米国のハッチ1〜2号機(19.91ギガベクレル)に較べて10ギガベクレル、3番目に多く排出したウクライナのダンジネス1〜2号機(13.608ギガベクレル)に較べて16ギガベクレル多かった。 1ベクレル(Bq)は1秒間に一度放射性物質が崩壊することを意味し、1ギガベクレルは10億ベクレルと同じだ。
ヨウ素131が小数点以下6位まで全く排出されなかった日本の22機などに較べて2962万倍も多かった。 古里原子力発電所1〜4号機を別にすれば、ヨウ素131を1ギガベクレル以上排出した原発は、蔚珍(ウルチン)1〜2号機など58基あった。
年度別に見れば、1992年古里原子力発電所1〜4号機のヨウ素131排出量は、世界で最も多い16ギガベクレルだった。 小数点以下6桁まで排出されなかったドイツの原子力発電所4機などに比べれば1600万倍多い。 同じ年に世界で1ギガベクレル以上排出した原子力発電所は21基あった。
1993年にも古里原子力発電所1〜4号機は世界で最も多い13.2ギガベクレルを排出した。 2位は米国のハッチ1〜2号機で9.25ギガベクレルだった。 3位はウクライナのダンジネス1〜2号機で6ギガベクレルだった。同じ年に小数点以下6桁まで排出されなかった原子力発電所に比べて古里原子力発電所1〜4号機の排出量は1320万倍も多かった。
https://www.zakzak.co.jp/society/foreign/news/20160323/frn1603231140003-n1.htm
実は、加圧水型原子炉は、密閉系の冷却システムなので、放射能を外部に放出しにくいはずなのだが、現実には、トリチウムとヨウ素131の放射能外部汚染が非常に大きいことが知られている。
加圧水型は、炉心の一次冷却水が格納容器内の蒸気発生器に誘導され、そこで二次系蒸気がタービン建屋で発電する仕組みであり、一次系は密閉され、炉心燃料被覆管のトラブル(しょっちゅうひび割れ漏洩などを起こす)で出てきた放射能がタービン側にまで伝播しない構造になっているはずである。
ところが、蒸気発生器(熱交換器)が非常に複雑な仕組みであるため、穴あきなどのトラブルが多発し、一次系に含まれる放射能が移動してくる可能性がある。
加圧水型は、冷却水中に、ホウ素とリチウムが中性子吸収材として添加されるため、これが中性子を吸収することでトリチウムができやすくなり、沸騰水型に比べて多量のトリチウムを生成し、蒸気発生器から二次系に移動して外部放出されるリスクが増す。
ヨウ素131は、核燃料被覆管のピンホール・ひび割れによって冷却水に移動する。これは原子炉建設技術レベルの低さを示すものである。
もう少し具体的に言うと、原発の放射能漏洩の最大の原因は、熱交換器・蒸気発生器・核燃料被覆管などの製造技術、組立、溶接技術の程度の低さである。
私は、かつて、こうした仕事に携わった経験があるので、ピンホールやひび割れが生成されるということは、溶接・組立工程における技術的未熟に尽きるものであり、そもそも韓国の原子力産業は、本当に安全運転可能な製造技術レベルに達していなかったという他はない。
また、作業員の責任感や管理意識の問題も非常に大きく、韓国は水準に達していなかった。これは日本でも同じなのだが、韓国はさらに数段下であった。
古里原発の加圧水型原子炉は、運転管理が杜撰な上、蒸気発生器の作りがいい加減で、他の原発では考えられない量のヨウ素やトリチウムを環境放出していた。しかも、それを日本海にそのまま投棄してきたのである。
https://socialnews.rakuten.co.jp/link/1213616
この表を見ても、加圧水型(PWR)の伊方や玄海などのトリチウム放出量がずば抜けていることが分かる(画像がはみ出していたらクリック)
古里原発も、同様にトリチウム放出量が莫大である。
※画像はクリックで拡大
もう一つの問題は、加圧水型の圧力が高いことから、脆性劣化が進みやすいことである。
https://www.youtube.com/watch?v=ADZnRr98rQI
上のリンクは、玄海原発の圧力容器で脆性劣化が進んでいて危険なレベルに達しているとのNHKの報道だが、このため玄海原発の古い炉心は廃炉処分となった。
脆性劣化は、常温でも衝撃によって圧力容器が割れてしまい、中から超高圧放射能が爆発的に噴出してくる巨大なリスクである。
核爆発とならんで原発最大の恐怖といってもいい。こんなことが起これば数百万人が致死性急性障害を起こすだろう。
原因については、実はまだよく分かっていない。おそらく炉心の圧力が150気圧と猛烈に高いこと、中性子により圧力容器の鉄分がコバルト60や、別の原子に変化し、組織レベルで、まるでスポンジのようなスカスカになっている事実に関係があるだろうと思う。
https://criepi.denken.or.jp/press/journal/business_i_eneco.pdf
古里原発に関して、この種の報道はないが、隠されているだけで、実は深刻なレベルに達していたと考えられる。でなければ、文政権登場とともに、慌てて廃炉にされた理由が分からない。
さすがのデタラメな韓国でも、原子炉が爆発する恐怖に対しては真面目に検討するしかなかったと思う。
また、グリーンピースは、カナダCANDY原子炉のピカリング原発が古里原発と同等のトリチウムを放出していて、周辺の子供たちのダウン症発症率を85%押し上げたことを報告している。
http://blog.acsir.org/?eid=47
https://www.gasho.net/stop-iter/documents/q&a/q21.htm
当然、古里原発でも、隠されているだけで、実際には周辺でダウン症など遺伝障害児を大量発生させている疑いがある。
日本政府は、トリチウム被害について、徹底的な隠蔽姿勢で、以上に述べたカナダ政府などのデータを一切無視し、トリチウムが人体に有害とのデータは見つからないと、デマカセを繰り返している。
http://www.minyu-net.com/news/news/FM20181201-330281.php
しかし、古里原発から100Kmしか離れていない対馬で、同じような甲状腺癌と遺伝子障害の問題が起きている疑いは非常に強く、早急な調査が望まれる。
私が調べた範囲では、対馬市での甲状腺癌増加などのデータを取得することはできなかった。この種の原発運営に都合の悪いデータは、日本政府は隠蔽してしまうのである。
昨年末、韓国がUAEに建設中の原発のコンクリート格納容器に大きな欠陥が発見されたとニュースになった。
http://japan.hani.co.kr/arti/economy/32362.html
https://ameblo.jp/kujirin2014/entry-12426643078.html
韓国では上から下まで手抜きや不正が横行していて、原発という完全な安全性を求められる構造物についても、手抜き工事や、原料横流し、部品の低レベル化、取り替え、ピンハネなど、不正が常識化していて、このような不正文化の歴史のある国に、原発のような超危険施設を運営させるのは、「狂人に刃物」どころの騒ぎではない。
https://www.sankei.com/west/news/141107/wst1411070063-n1.html
http://tokaiama.blog69.fc2.com/blog-entry-582.html
https://matome.naver.jp/odai/2145772028451358401
実は、UAE原発は新古里原発をモデルとしたコピー原発で、UAE原発に発生している問題は、新古里原発でも当然発生していることになり、実際に、新古里原発でもUAEと同じ格納容器コンクリート欠陥が、たくさん発見されている。
それにもかかわらず、韓国政府は問題を追及せずに、今年2月に新古里4号機の運転許可を出した。1号機の稼働はフクイチ事故の起きた2011年である。
https://www.jaif.or.jp/190204-a
これは、格納容器にPCコンクリートを使うもので、大間原発も、この形式で建設が進められているが、これまでのステンレス容器に比べて、耐久性や耐圧性に不安がある。
コンクリートを使う理由は、おそらく中性子遮蔽能力が高いことと、コバルト60のような放射化が起きにくいことなどだろうが、そのPCコンクリートの施工技術が未熟で、UAE原発で貫通穴が発見されていたのである。
私は、韓国産業界全体の、技術水準に誠実さが薄いことや、古里原発の放射能汚染に見られるようなレベルの低さを見る限り、日本の原発以上に、大事故のリスクが大きく見えるのである。
https://brunomedia.net/2018/08/14/%E9%9F%93%E5%9B%BD_%E3%82%BC%E3%83%8D%E3%82%B3%E3%83%B3_%E5%BB%BA%E8%A8%AD_%E5%80%92%E5%A3%8A_%E5%B4%A9%E8%90%BD_%E4%BA%8B%E6%95%85/
韓国は、あまりに日本列島に近く、大事故が起きた場合、季節風に乗って莫大な放射能が、韓国自身よりも日本列島を汚染するのである。
古里や月城原発の立地を見ると、韓国人は原発事故をおこしたとき、意図的に日本列島を放射能汚染させるために、東岸に原発を集中させたのではと疑いさえ芽生える。
こんなことを考えたくなかったが、一連の慰安婦・徴用工問題などに対する韓国人の姿勢を見ていたら、そんな想像さえ起きてしまった。
霊光原発以外のすべての原発が、日本列島を直撃汚染する可能性があり、日本政府が、これを批判する資格など毛頭ないが、我々としては、まるで時限爆弾を見ているように思える。