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原発輸出「総崩れ」でも手じまいできない日立・三菱重工のいら立ち
https://diamond.jp/articles/-/199433
2019.4.11 内藤尚志:朝日新聞経済部記者 ダイヤモンド・オンライン
経団連の中西会長 Photo by Hirobumi Senbongi
原発メーカー側の焦りやいら立ちを表していると受け止められているのが、経団連の中西宏明会長(日立製作所会長)のこのところの原発の再稼働や新増設に向けての”前のめり”ぶりだ。
4月8日、「日本の電力は危機に直面している」と、経団連として原発の運転期間の延長など、エネルギー政策の新たな提言を発表。記者会見では「(温暖化対策を進めるにも)原子力の比率を高めるのが一番、現実的」と、原発の積極的な活用を念頭に、「国民的な議論」を呼びかけた。
日立出身経団連会長が提唱する
原発の「国民的議論」空回り
中西氏が、エネルギーをめぐる様々な立場の「国民的議論」を提起したのは、今年初め。
「日本のエネルギー問題に対する意識は極めて危機的だ」と、早急な議論が必要との問題意識を投げかけた。
東日本大震災後、日本では発電の約8割は、地球温暖化につながる火力発電でまかなわれている。風力などの再生可能エネルギーは、電源として不安定だ。
一方で、福島原発事故以来、国内では原発再稼働がほとんど進まないまま。国民の間には「脱原発」の思いがこれまで以上に強まっている。
中西氏にしてみれば、日本のエネルギー供給の現実を直視し、国民の間で議論が深まることで、原発の意義が再認識されるべき時ということのようだ。
しかし2月に、原発ゼロを目指す市民団体から討論を申し込まれると、「議論にならない。水と油だ」と拒否。そして3月11日の経団連の定例会見でも、「エモーショナル(感情的)な反対をする人たちと議論をしても意味がない」。再び原発反対派への反発をあからさまにした。
国内での原発再稼働と新増説へと、一刻も早く歩みを進めたい。そんな思いが強くにじむ。
海外での建設事業、頓挫
“国内回帰”を図るメーカー
背後にちらつくのは、自らが会長を務める日立製作所が、英国で進めた原発建設計画の頓挫だ。
「ホライズンプロジェクト」。現地子会社の名前をとってそう呼ばれる計画は、英国の西部に位置するアングルシー島に、新たに原発2基をつくり売電までしようというものだった。
だが、今年1月17日、日立は「経済合理性からこれ以上の投資は限界だと判断した」として、計画の「凍結」を表明する。
福島事故以来、原発の安全規制が世界的に強化されるなかで、建設費が高騰。原発は、もうからない事業になってしまった。
官民がタッグを組んで日本メーカー製の原発を海外に売り込む「原発輸出」では、昨年12月に三菱重工業などがトルコで手がける案件が断念の方向で調整に入ったことが表面化した。
かつてはリトアニアやベトナムへ輸出する構想もあったが、脱原発の世論を受け、現地政府が拒否の姿勢に転じて頓挫した。
日立はすでに計画に3000億円近い費用を投じ、新潟県の柏崎刈羽原発などと同型の原子炉で英国政府から認証も取っていた。日立の計画は、原発輸出で実現性が残る唯一の案件になっていた。
その頓挫だけに、大きな衝撃をもって受け止められた。
中西氏が「国民的議論」をぶち上げたのは、そんな騒ぎのさなかだ。
海外で原発をつくれなくなった以上は、原発事業は日本をベースにやるしかない。そんな原発メーカー側の思いを代表したものだ。
東芝は米国で手がけた原発の建設費が想定を大きく超え、そのせいで深刻な経営難に陥った。フランスのアレバも、フィンランドなどで着工した原発で巨額の損失を抱え、フランス政府の資金支援を仰いでいる。
しかし、日本メーカーは「日本で建設すれば、同じことは起こらない」と口をそろえる。
海外で建設費が高騰するのは、現地の建設会社を使いこなせず、工期が大幅に遅れる傾向があるからだが、電力会社と原発メーカーとゼネコンが緊密に連携して建設を進める日本ではそうしたリスクは少ないという。
「原発輸出」の失敗を
認めない政府にいら立ち
ただ、そうだとしても、原発メーカーはそれほど焦る必要はないはずだ。
原発事業は、新設の需要がないとはいえ、国内で安全規制の強化を受けた改良工事の受注があり、当面は安定した収益が見込めるからだ。
関係者は「むしろ中西氏のいら立ちは政府に対して向けられたものではないのか」と話す。
日立や三菱重工の原発輸出の相次ぐ頓挫にもかかわらず、菅義偉官房長官は「日本の原子力技術に対する期待の声は各国から寄せられている」と、原発輸出が総崩れになったことを認めていない。
安倍政権は、原発輸出を成長戦略(経済成長を実現するための政策集)の目玉の1つと位置づけてきた。
トルコへの原発輸出は、安倍首相がトルコ訪問の際、自らトップ外交で話をつけたものだ。
福島事故以来、原発再稼働は進まず、使用済み燃料からプルトニウムを取り出し原発で使う核燃料サイクル政策も実質、破綻しているなかで、原発輸出は唯一、前向きな可能性が見いださせそうなプロジェクトだった。
それだけに政府も簡単には「失敗」を認めるわけにはいかない。
“国内回帰”を志向しながら、メーカー側が原発輸出からの「撤退」を明言しないのは、こうした政府の事情を考えてのことだ。
英国での原発建設計画の凍結を発表した1月の記者会見で、日立の東原敏昭社長は「投資をここで止めるということ。経済合理性の判断条件が解消すれば、凍結を解除する可能性はある」と述べた。
断念でも中止でもなく、「凍結」。会見でのこの表現について、日立は経済産業省や首相官邸と事前に調整していたフシがある。
中西氏が率いる経団連は、会員の大企業の意見を吸い上げて政府に伝え、政策に反映させるのが主な役割だ。
政府との関係悪化は、できる限り避けたい。政府が原発輸出推進の旗を下ろしていない以上、あからさまに反旗を翻すようなことはできないというわけだ。
さらには英国政府への配慮もある。
英国には老朽化した原発が多く、2030年までに14基が稼働を止める予定になっている。順次、原発を新設して置き換えていかないと、電力の供給に不足が生じかねない。
日立が建設をあきらめれば、その問題が一気に現実味を帯びる。
一方、日立側にも英国に鉄道車両の新工場をつくり、2015年から生産を始めたばかりという事情もある。
ここを拠点に欧州各国に輸出する構想だったが、英国がEUを離脱することになれば、輸出時に関税がかかるようになり、欧州市場を狙った戦略は修正を迫られる。
工場の採算性を維持するには、英国内向けの車両を多く受注するしかない。英国政府との関係がこじれれば、その受注に響きかねない。
日立内には、ホライズンプロジェクトも「英国政府から十分な資金支援があれば、凍結を解いて着工できる」(幹部)という声もある。
しかし、鉄道車両工場という「人質」をとられたままで、巨額の資金支援を引き出す交渉がどこまでできるのか。
逆に不十分な支援で採算性が厳しいのに着工を迫られたり、撤退する代わりに理不尽な英国内での投資を求められたりすることも考えられる。
海外事業のリスク
メーカーと政府で温度差
三菱重工のトルコでの原発建設計画も、実は似た状況だ。
三菱の試算では、安全対策の費用がかさみ、建設費は当初予定の倍以上にふくらむ見通しだ。採算をとるためには、現地の電力料金を大幅に引き上げてもらう必要があるが、トルコ側がこれを簡単にのむとは思えない。
日本側は今年1月に世耕弘成経済産業相をトルコに派遣し、代替案として火力発電所の新設をもちかける方向で調整していた。
だが、世耕経産相の派遣は先送りされたまま。トルコのエルドアン大統領が原発建設にこだわりをみせていて、説得できない状況だからだ。
日立や三菱重工にとっては、原発建設計画からスムーズに撤退し、あわせて日本政府には、日本で原発の新設ができる環境づくりに注力してもらうというのが、現実的なそろばん勘定だ。
日本政府は原発輸出をあきらめ、きちんと日本国内の問題に目を向けるべきではないのか。それなのに、政府は原発メーカーの苦悩から目を背け、「国民的議論」の呼びかけにも静観を決めこんでいる――。
中西氏の焦りやいら立ちには、そんな政府批判も含まれているように見える。
「安倍一強」のアキレス腱
原発が争点になるのを回避
日立幹部は「今年が選挙イヤーだというのも影響しているのだろう」とみる。
春の統一地方選に続いて、夏には参院選がある。この期間に原発に注目が集まれば、脱原発を掲げる野党に票が流れかねないからだ。
「原発ゼロ」に向けて積極的に発言している小泉純一郎元首相が、息子で自民党若手ホープの衆院議員でもある進次郎氏と組み、そこに党内の不満分子が結集することも考えられる。
原発は、安倍一強体制の「アキレス腱」ゆえに、へたには動けないという思惑がかいま見える。
原発輸出はもはや、メーカーからすれば、「疫病神」でしかない。暴れだす前に関係を断ち切りたいのが本音だ。
これまで政府と呼吸をあわせて推進を掲げながら、もうからないとなればやめるというのもいささか手前勝手な理屈だが、一方の政府も「失敗」を認めず、現状からの打開策をさぐろうともしない。
原発輸出の皮算用がはずれたなかで、官民一体の「原子力ムラ」に亀裂が広がっている。
(朝日新聞経済部記者 内藤尚志)
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— 京都デモ情報 (@demokyoto) 2019年4月10日
原発は資本主義の守護神から疫病神へ
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— 三菱ニュース (@MITSUBISHINews2) 2019年4月10日
間違えを認めない政府と心中する企業と日本人。 原発輸出「総崩れ」でも手じまいできない日立・三菱重工のいら立ち https://t.co/Nw8lCK4euz #スマートニュース
— ひで (@hide15820922) 2019年4月10日
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— GanBaro_T8K10X (@Laplus_Box) 2019年4月10日
なんぼ騒いでも、使用済み燃料の「最終処分方法」と「処分(保管)場所」場所決めなきゃ!いつまで「トイレのないマンション」じゃないでしょ!
— 加賀屋 彦人 (@kagap87011) 2019年4月10日
- Yahoo!ニュース https://t.co/KsdVcJmCgj @YahooNewsTopics
これは商売だからでしょうね❗️
— Shin (@KONOHA7777) 2019年4月10日
日本は水が豊富ですよ
一番豊富なエネルギーを活用しきれていないのですよ。本音での発言なら今が売り時かな?
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— 石田周二 (@iammrpostman) 2019年4月10日
→日本政府も日本国民もエネルギー安全保障に関して能天気である事は認めるが、『だから原発』ではだめだ。世界的なエネルギー資源である地熱で代替えを!
原発輸出「総崩れ」でも手じまいできない日立・三菱重工のいら立ち #SmartNews より
— corgi_xfa (@sab_Xfa) 2019年4月10日
核分裂型原発は使用済み燃料の処理が決まらずどんどん貯まりパンク状態、再稼働推進は無責任だ! https://t.co/faOM1CpBvP
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