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2024年1月18日 06時00分
https://www.tokyo-np.co.jp/article/303445
中国の2023年の出生数は前年より54万人少ない902万人にとどまった。急激な少子化が進んでおり、16年の1786万人からほぼ半減した。超学歴社会も少子化の一因と指摘される。過酷な受験競争は親子とも負担が大きく、子どもを持つことを敬遠する人が少なくないためだ。習近平(しゅうきんぺい)政権は対策を打ち出すが、かえって状況が悪化している。(河北省衡水=こうすい=市で、石井宏樹、写真も)
◆自殺防止で中学の窓に鉄柵「監獄のよう」
北京から約200キロ南の河北省衡水市には、軍隊式管理で優れた進学実績を誇る全国的な有名校が集まる。特に厳しいとされる寄宿制中高校「衡水二中」を訪れると、校舎の窓などが鉄柵で覆われていた。
表向きは転落防止用だが、実際には成績に苦悩する生徒の自殺防止用といわれている。当局から「消火に不適切」との指摘を受けても撤去されず、中国のネット上では「監獄のようだ」とささやかれる。
中国メディアによると、同校では14、15年に高校3年生の飛び降り自殺があった。2023年1月、同校の生徒が書いたという「私たちを助けて」と題した文章がネット上で拡散し、再び注目を集めた。体罰が横行し、食事の時間も十分ではなく、規律も厳しいと訴えた。
学校周辺には入学相談に応じる教育コンサルタント会社が並ぶ。担当者は今も入学希望者が多いと話し、「犠牲を払ってこそ収穫もある」と強調した。
中国政府は21年に家庭の教育負担を軽減するため、営利目的の小中学生向け学習塾を原則として禁じた。無許可の塾や家庭教師が増えると、昨年10月に規制を強化し、許可なく指導した法人や個人に最大10万元(約200万円)の罰金を科すとした。
◆受験制度が変わらなければ「親」は増えない
しかし、大学受験の結果が人生を左右する「超学歴社会」は変わらず、塾や家庭教師への需要はなおも大きい。禁止措置は違法な家庭教師のまん延につながった。経済的な負担が増えることへの懸念が高まり、若者が出産をためらう傾向に拍車をかける。
中学生の子どもがいる北京の母親は「夜7時まで学校で勉強して家でも宿題がある。ほかの子もやっているので遅れられない」と話す。以前は1時間数十元程度の塾に通っていたが、現在の家庭教師は同350元は下らない。高校3年になると1000元に跳ね上がるという。「受験の仕組みが変わらないかぎり、子どもを持ちたい親は増えない」とため息をつく。
少子高齢化を研究する杜鵬(とほう)中国人民大副学長は「少子化に対しては出産、子育て、教育の各段階」での対策が必要と説く。各地の地方政府は、第2子以降の保育料補助や出産保険の拡充、託児施設の建設など対策を打ち出した。しかし20代の団体職員の男性は「自分の親や出産した友人を見ると、子どもがほしいとは思えない」と冷ややかだ。
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