http://www.asyura2.com/19/china13/msg/343.html
Tweet |
2024年1月18日 06時00分
https://www.tokyo-np.co.jp/article/303468
2023年の中国の国内総生産(GDP)成長率は、目標通りの5.2%増だった。中国経済は、これまで成長の柱だった不動産業の長期低迷が見込まれるが、もう一つの柱であるインフラ投資は堅調だ。2023年末に相次いで開通した高速鉄道の現場を訪れると、インフラ投資に頼る地方政府の苦境が透ける。(北京・石井宏樹)
◆「市民のための工事であり、サービスだ」
昨年12月下旬、報道陣を乗せた1番列車が南昌(なんしょう)東駅(江西省南昌市)を出発した。同市から安徽省黄山市までの区間286キロが開通し、従来の3分の1の約1時間で結ぶ。車内では伝統舞踊が披露され、乗務員が歌を歌って開通を祝った。
関係者によると、この区間の建設費は300億元(6000億円)超。地元幹部は「インフラ建設は市民のための工事であり、サービスだ」と恩恵を強調した。
沿線観光地の期待は大きい。紅茶で有名な祁門(きもん)では、100年以上前の茶の試験場を改造した博物館を売り出す。景徳鎮(けいとくちん)の陶器博物館関係者は「開通によって上海や南京、杭州が、観光客の大部分を占める4時間の交通圏内に入る」と説明。観光客が年間30万人も増えるとそろばんをはじく。
◆2023年に開通した区間だけで、日本の新幹線の総延長に匹敵
中国では昨年、2776キロの高速鉄道が開通した。日本の新幹線の総延長約3300キロに匹敵する距離だ。中国政府は高速鉄道を各地に張り巡らせ、沿線の開発を進めて経済成長を促してきた。高速鉄道の総延長を現在の約4.5万キロから35年までに7万キロに延ばす計画も掲げる。
17日の発表でも、インフラ投資は前年比5.9%増の伸びを見せ、特に鉄道運輸業の固定資産投資の伸びは新型コロナウイルス禍の反動もあって同25.2%増だった。高速鉄道建設は、旅行業などへの波及効果に対する期待は大きい。
◆「経営の赤字とは質が異なる」強気を維持
一方で負債は急増している。国有企業の中国国家鉄路集団(国鉄集団)の負債は23年には6兆1000億元(約122兆円)に達し、18年の5兆2000億元から膨らんだ。コロナ禍で鉄道利用者が激減した20〜22年は巨額赤字を計上した。
担当者は「負債の大部分は建設投資であり、経営の赤字とは質が異なる」と主張。しかしゼロコロナ政策が終わった23年も赤字路線は少なくないとみられる。
高速鉄道の建設は、深刻な債務問題を抱える地方政府の負担も大きい。祁門南駅では、年間収入8億元規模の地元政府が、駅舎や周辺道路の整備などに6億元を投じた。幹部は「開通によって地価も上がる。(財政に)大きな影響はない」と強気だが、インフラ頼みの成長モデルに固執すれば地方政府の債務がさらに膨張する恐れもある。
【関連記事】中国の2023年GDPは5.2%成長、当局は「好転」と悲観的な見方を打ち消し 人口は2年連続の減少
【関連記事】中国の人口減少は「超学歴社会」が一因か 出生数は2016年から半減 高額な教育費に「子ども持たくない」
最新投稿・コメント全文リスト コメント投稿はメルマガで即時配信 スレ建て依頼スレ
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。