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韓国による中国への「配慮」が凄まじい…首脳会談で見えてきた米韓の「ヤバいすれ違い」/現代ビジネス
長谷川 幸洋 によるストーリー ? 1 時間前
https://www.msn.com/ja-jp/news/world/%E9%9F%93%E5%9B%BD%E3%81%AB%E3%82%88%E3%82%8B%E4%B8%AD%E5%9B%BD%E3%81%B8%E3%81%AE-%E9%85%8D%E6%85%AE-%E3%81%8C%E5%87%84%E3%81%BE%E3%81%98%E3%81%84-%E9%A6%96%E8%84%B3%E4%BC%9A%E8%AB%87%E3%81%A7%E8%A6%8B%E3%81%88%E3%81%A6%E3%81%8D%E3%81%9F%E7%B1%B3%E9%9F%93%E3%81%AE-%E3%83%A4%E3%83%90%E3%81%84%E3%81%99%E3%82%8C%E9%81%95%E3%81%84/ar-AA1aKJM6?ocid=hpmsn&pc=EUPP_LCTE&cvid=c7bafedf84094f788f6310c16e35e6f0&ei=15
米韓首脳会談の成果
岸田文雄首相が5月7日から、韓国を訪問し、尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領と会談する。韓国は米国との首脳会談で、戦略原潜の韓国寄港を勝ち取ったばかりだ。それで、日米韓の連携が機能するのかと言えば、期待できない。韓国の本質は「親米媚中」である。
まず、米韓首脳会談から見ていこう。
尹大統領は4月26日、ワシントンでジョー・バイデン大統領と会談し、米国が韓国に提供している「核の傘」を強化するワシントン宣言を発表した。
〈尹大統領は、米韓の原子力平和利用に関する合意とともに、世界的な核不拡散体制の礎石としての核不拡散条約(NPT)に対する長年の義務を再確認する。…両大統領は(核の)拡大抑止を強化し、核と戦略的立案を協議し、北朝鮮による不拡散体制への脅威に対処するために、新たなNCGの創設を発表した〉
〈米国は、近い将来に予定される核弾道ミサイルを積んだ原子力潜水艦の寄港が証明するように、朝鮮半島に対する戦略的資産の定期的な可視化を強化する。両国は潜在的攻撃と核使用から同盟を守り、共同計画のシミュレーションを実施するため、拡大抑止を協議する常設機関を強化する〉
韓国はNPT条約の順守をあらためて誓約した一方、米国は戦略原潜の寄港を約束し、両国は新たに、核による拡大抑止を議論するNCGの設置で合意した。
韓国がNPT順守を誓約したのは、1月20日公開コラムで紹介したように、尹氏が1月に核を独自開発するか、米国の核の韓国再配備を求める可能性に言及していたからだ。
わずか1週間後に、尹氏は会見で「NPT条約を守るのが、韓国にとって現実的で合理的な選択」と語ったので、最初から本気だったとは思えないが、米国とすれば、わずかな可能性でも潰しておきたかっただろう。残った選択肢は「米国核の再配備」だった。
だが、米国は今回、核の再配備を拒否し、代わりに戦略原潜の定期的寄港とNCGの設置で韓国を納得させた。これは、日本にとっても悪い話ではない。相次ぐミサイル発射と核実験で挑発を続ける北朝鮮に対してはもちろん、中国に対するけん制にもなるからだ。
媚中・韓国の多大なる「配慮」
だが、韓国と米国の思惑はすれ違っている。米国は北朝鮮に加えて、中国に対するけん制も狙っているが、韓国が心配しているのは、あくまで「北の核」であって、中国とは「喧嘩したくない」と思っている。一言で言えば、「親米媚中」なのだ。
それを象徴したのが、昨年8月にナンシー・ペロシ米下院議長(当時)が訪韓した際の対応だった。同盟国の大統領継承順位第3位である下院議長が訪韓したというのに、尹氏は夏季休暇を理由に会おうとせず、電話会談でお茶を濁した。中国を怒らせたくなかったのだ。
それだけではない。
尹大統領は米CNNのインタビューで「中国が台湾を攻撃したら、米国を支持するのか」と問われ「そのときは北朝鮮の挑発が活発になる。我々は韓国防衛が最優先だ」と答え、台湾防衛への協力について、言葉を濁した。中国への配慮が明白だった。
関連するビデオ: 動画:韓国大統領に喝采 ホワイトハウスで「アメリカン・パイ」歌う (AFPBB News)
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本心からではなかったとはいえ、尹氏が一時、核の独自開発に言及したのは、韓国内で独自の核を求める世論が高まっているからだ。
先のコラムで紹介したように、米国のシカゴ国際問題評議会とカーネギー国際平和財団が昨年2月に韓国で実施した世論調査によれば、回答者の71%が「独自核開発に賛成」し、56%が「米国の核兵器の韓国再配備に賛成」していた。
「独自の核開発」か「米国核の再配備」か、という二択の質問では、圧倒的多数の67%が独自の核開発に賛成し、米国核の再配備に対する賛成は9%しかない。多くの韓国国民は「ウクライナは核を手放したから、ロシアに攻められた。それでも米国はウクライナに米軍を派兵していない。米国が本当に核で韓国を守ってくれるかどうか、信用できない」と思っているのだ。
信頼を回復するために、米国は何か手を打つ必要に迫られていた。その答えが原潜寄港だった。
中国をけん制したい米国の思惑
米国は北朝鮮だけでなく、中国もけん制する「一石二鳥」を狙っている。その証拠に、米韓共同声明は「両大統領は地域の安全と繁栄に不可欠な要素として、台湾海峡の平和と安定を維持する重要性を繰り返した。インド太平洋の現状を変えようとする一方的な試みに強く反対した」と記している。中国の名指しを避けたのは、韓国に対する配慮にすぎない。
1月27日公開コラムで紹介した米シンクタンク、戦略国際問題研究所(CSIS)の報告書も、中国に何度も言及し「現在と将来の拡大抑止という構図には、拡大する中国の軍事能力が浮上している」と記している。
中国は当然、強く反発している。
中国共産党系の環球時報の英語版、4月27日付のグローバル・タイムズは「米韓協定は新たな危険を招いた。『拡大抑止』は朝鮮半島で別の核危機を引き起こす。中国領土に非常に近い地域に核武装した米原潜を配備するのは、受け入れられない」と警告した。
続けて、29日付でも「もしも韓国が中国とロシア、北朝鮮からの警告を無視して、拡大抑止に関する米国の指示を実行するなら、韓国は中ロ北からの報復に直面するだろう」と批判のトーンを一段と上げた。
ワシントン宣言について、韓国内の評価は割れている。
保守系の中央日報は4月27日付の社説で「共同文書が宣伝に終わらないよう、実務レベルの対策を整え、両国の軍が共同訓練を続ける必要がある」と評価した。左派のハンギョレ新聞は「尹大統領は米国一辺倒で米中競争の最前線に立った」と批判している。
新たに創設が決まったNCGは、米国と北大西洋条約機構(NATO)が設置している核使用に関する協議体をモデルにしている。だが、両者には決定的な違いがある。NATOには米国の核が配備されているが、韓国にはない。NATOは毎年、核を運用する合同訓練もしているが、韓国は当然ながら、していない。
それでも、NCGの設置と定期的な原潜寄港を認めさせたのは、韓国にとって大きな成果だ。隠密性という点では、核の再配備より優れている。
おめでたい岸田政権
韓国に比べると、岸田首相のおめでたさには呆れてしまう。
昨年12月に閣議決定した国家安全保障戦略など防衛3文書は「非核3原則」の堅持を掲げて「拡大抑止を含む日米同盟が安保政策の基軸」と書いた。岸田政権は1月11日の日米安全保障協議委員会(2+2)でも、同13日の日米首脳会談でも、核問題について素通りしてしまった。
北朝鮮が米国に届く大陸間弾道ミサイル(ICBM)の開発にほぼ成功しているというのに、岸田政権は「米国の核の傘」を頭から信じきって「米国は本当に核で守ってくれるのか」などとは露ほども疑っていないのだ。
亡くなった安倍晋三元首相は昨年2月、テレビで「米国との核共有を議論すべきだ」と提言したが、日本と同じく米国の核が配備されていない韓国が一足早く、核共有に向けた足がかりを作ったかたちである。
私は1月27日公開コラムで、尹大統領の核武装発言やCSIS報告を紹介しつつ「この調子では、5月の広島サミット(先進7カ国首脳会議)までに、米韓でさらなる進展があるかもしれない」と予想したが、まさにその通りになった。
米国は広島サミットで日米韓の首脳会談を開く予定だ。米国は岸田政権の「親米媚中」を疑っている。首相はバイデン大統領から「オマエも尹大統領と同じじゃないだろうな」と釘を刺されるだろう。
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