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9月 12, 2018
<日10日におこなわれた自民党総裁選の所見発表演説会で「安心できる強靱な日本をつくりあげてまいります」と宣言し、防災・減災対策に力を入れていく考えを示した安倍首相。総裁選の選挙運動にうつつを抜かし、西日本豪雨の真っ只中に「赤坂自民亭」で酒盛りに興じていたというのに、今度は災害対応を総裁選に利用しようというのだから、開いた口が塞がらない。
しかし、そんな安倍首相の思惑と歩調を合わせるかのように、安倍首相の災害対応アピールを積極的にバックアップしているメディアがある。公共放送であるNHKだ。
たとえば、北海道地震や台風21号の被害や対応策について、NHKは7日(金)と8日(土)にこんな見出しで伝えた。
〈北海道の地震 16人死亡 26人不明 安倍首相〉
〈“関西空港の復旧に全力 無電柱化進める考え”首相〉
〈安倍首相 北海道の停電 8日中にほぼ解消の見込み〉
〈首相 被災自治体からの要請待たず国が水や食糧など支援〉
〈北海道で地震 首相「応急的な住まいの確保早急に」〉
〈近畿地方で停電続く 首相「復旧作業を一層加速」〉
また、7日には関係閣僚会議で安倍首相が「被災地では本日午後から明朝にかけて雨が降る見込みです」と話す場面を何度も放送し、ネットでは「NHKが安倍首相に天気予報までやらせている」とのツッコミも相次いでいる。
本サイトでも報じたように、安倍首相が「16人死亡」と発表した数字はその後、あろうことか死者数と心肺停止者を合算していたことが判明し、菅義偉官房長官が訂正・陳謝した。通常、災害の死者数などは警察庁や内閣府防災本部、自治体などの数字を公表するが、時事通信の報道によると、今回は安倍首相が〈政府が警察の情報などを独自集計〉したものを公表しているという。つまり、最新の死者数情報を安倍首相が述べるために、メディアはソースを明示するためにも「安倍首相の発表」と報じざるを得なくなっているわけだ。
しかし、問題はそのほかのものだ。上記にあげたニュースは、ほとんどが関係閣僚会議で安倍首相が発言した内容がもとになっている。ならば、主語は「政府」や「関係閣僚会議」と表現すればいい。現に、安倍首相がプッシュ型支援と「国として財政支援を講じ、予備費を準備する」と述べた8日午前の関係閣僚会議の内容について報じた日本テレビ『NNNストレイトニュース』は、〈北海道地震・関係閣僚会議 自治体の財政支援として予備費を拠出へ〉という見出しで伝えている。それをNHKは〈首相 被災自治体からの要請待たず国が水や食糧など支援〉とタイトルを立て、午後の関係閣僚会議も〈北海道で地震 首相「応急的な住まいの確保早急に」〉と報道。主語をすべて安倍首相にしてニュースの見出しに立てているのだ。
だが、もっと露骨だったのは、9日(日)だ。この日の安倍首相にかかわるニュースの見出しは、以下のようなものだった。
〈首相 ツイッターで大坂なおみ選手を祝福〉
〈首相 地震の被害状況を視察 札幌〉
〈首相 土砂崩れ現場視察 北海道 厚真町〉
〈首相「死者42人 被災者支援に5億4000万円」〉
なんと、大坂なおみ選手のニュースをはじめ、災害関連のニュースの見出しもすべて「首相」からはじまっていたのだ。
過去のNHKの災害報道を見ても、安倍首相の発言を取り上げるにしても先頭にもってきていたのは「西日本豪雨」「熊本地震」「広島・土砂災害」といった災害名だ。それが今回、すべて見出しのはじまりを「首相」で統一する……。もはや朝鮮中央放送のような異常さではないか>(以上「Litera」より引用)
テレビを捨てたのは日本のマスメディアが偏っていて視聴するに値しないと感じたからだ。その感を強くしたのは小沢一郎氏の「政治とカネ」プロパガンダだった。
日本のマスメディアは常軌を逸したかのように無批判に東京地検の垂れ流す情報を毎日休みなく朝に昼に晩に拡散し続けた。そして「小沢一郎氏=巨悪」との印象を植え付けて民主党政権の主軸ともいうべき政治家を表舞台から追放して、民主党を官僚たちが恣に操ってアッという間に「国民の生活が第一」という「構造改革」の対抗軸たる民主党政権の基本理念を放棄させた。
テレビを見ていないからNHKの安倍お追従ぶりは目にしていないが、Literaの記事を読むと余りの酷さに愕然とする。なぜ上記記事にある通りの詳細な安倍動静を2014年当時から実施していなかったのだろうか。
そうすれば森友学園や加計学園の理事長や関係者とゴルフをしたりバーベキューをしたり、開発特区構想に特定の学校法人を優遇していたことなどがもっと早い段階で国民は問題視することになっただろう。官邸の密室政治による恣意的な政策判断も国民の批判の的になっていたはずだ。
NHKは誰のためにあるのか。それは国民の知る権利のためにあるはずだ。権力者の取るに足らない箸の上げ下ろしを知るためにあるのではない。そして最も重要なのは権力を監視し権力に「立憲主義」の箍を嵌めるためという報道機関の使命だ。
日本の政権お追従機関に堕したマスメディアは見るに耐えない。米国がISと敵対していればISの非道さを拡大報道する。しかし非道なのは地球を半周以上も駆けつけて空爆する米国の方だ、という観点が一切ないのはなぜだろうか。
豪雨災害や地震災害で安倍氏が駆けつけて被災者を元気づける姿を報じるのも良いが、豪雨災害の一面は国土強靭化を怠った治世者の責任だという批判を忘れてはならない。北海道の惨事を拡大したのもブラックアウトで、それは明らかに人災だ。
電力網に地域地域の遮断装置を設けていて、一旦特定の地域の発電所がダウンしたなら、その発電所のエリアだけで影響を食い止めるための措置を速やかにしていれば全道ブラックアウトという事態は起きなかったはずだ。福島原発がダウンしても東京はブラックアウトしなかったではないか。
そうした批判なくして安定的な電力供給は出来ない。マスメディアが果たすべき役割は国民のためにこそ有用でなければならない。NHKが安倍チャンネルと揶揄されている所以だと思わざるを得ない。
NHKは視聴料を国民から取るのではなく、税金で運営して「政府広報機関」と銘打つ方が解り易いのではないだろうか。そうすればお笑い芸人を多用するバラエティーやマンネリ化した大河ドラマなどをダラダラと続ける愚行は止むだろう。政府広報機関となればNHK傘下の巨大な協力団体も解体されて、巨額利権も解消できるだろう。4Kだ8Kだという開発も国家予算でやれば良い。衆議院や参議院の国会ネット中継も一緒にすればダブりの予算も解消になる。
その代わり、政府広報として計上している各省庁の「広報予算」をバッサリと切り込み、政府によるマスメディア支配の一環として機能していた特定の宣伝企業に集中していた予算執行も改められるだろう。
安倍自公政権お得意の「構造改革」を発揮すべきターゲットはまさしくNHKではないだろうか。実質的に安倍チャンネルとなっているNHKを政府広報機関とした方が国民にも解り易い。NHKは解体ではなく、政府広報機関にすることだ。
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