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アメリカの支配層はサンダースを嫌っている
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投稿者 中川隆 日時 2020 年 3 月 05 日 16:58:56: 3bF/xW6Ehzs4I koaQ7Jey
 

(回答先: リビアの戦乱を引き起こしたのはアメリカ政府を操ってきたネオコン(シオニストの一派) 投稿者 中川隆 日時 2020 年 1 月 27 日 14:33:38)

アメリカの支配層はサンダースを嫌っている

2020.03.05
民主党の大統領候補選びでバイデン潰しはこれから本格化する

 アメリカの15州と1自治領で民主党の大統領候補を決めるための投票が3月3日にあった。いわゆるスーパーチューズデーだ。そのうち10州でジョー・バイデンが第1位になり、アメリカ全国の世論調査で最も人気のあるバーニー・サンダースが勝利したのは4州だった。獲得した代議員の数はバイデンが380人に対し、サンダースは328人。サンダースはカリフォルニア州を押さえたことから州の数ほど差は開かなかった。

 本ブログでも繰り返し書いてきたが、アメリカの支配層はサンダースを嫌っている。有力メディアは彼を「左翼」と表現するが、政策を見る限り、それほど左とは思えない。トゥルシ・ガバードほど戦争に強く反対しているわけでもない。ただ庶民の立場に理解を示しているだけだ。つまり、支配層やその代弁者である有力メディアはそこが許せない。彼らが考えているのは支配層の利益だけだ。

 金融資本や戦争ビジネスもサンダースを嫌っているが、もうひとつ重要なファクターがある。シオニストだ。その代理人として最前線で活動しているのがイスラエル・ロビーのAIPAC。国内問題では弱者の立場から発言するエリザベス・ウォーレンも国際問題や安全保障問題ではシオニストに従属している。

 サンダースは2016年の大統領選挙の時から支配層や有力メディアに攻撃されている。本ブログでは繰り返し書いてきたが、2015年の段階で彼らは次期大統領としてヒラリー・クリントンを内定していた。それが揺らいだ理由のひとつは、2014年から15年にかけてシオニストの一派であるネオコンが行った強硬策の失敗にあるだろう。ドナルド・トランプが浮上した一因もそこにある。

 2016年に入ってもクリントンを民主党の候補者にし、そして大統領にしようとしていたDNC(民主党全国委員会)はサンダースの足を引っ張るのだが、その実態を明らかにする電子メールをウィキリークスが明らかにしてしまう。そこで始まったのがロシアゲート騒動だ。

 今回の候補者選びは2月3日のアイオワ州から始まったが、その際に開票作業が大幅に遅れた。作業は「シャドウ」という会社が開発したスマホのアプリが使われているのだが、この会社に疑惑の目が向けられている。

 そして3月3日には​投票開始が大幅に遅れた​。カリフォルニア州では開始が数時間遅れた投票所が少なくなかったようだが、テキサス・サザン大学では遅れが6時間に達したという。システムの不調が原因らしいが、​事前に信頼度が低いと警告する人がいた​ようだ。これだけ遅れると投票を諦めて帰った人もいるだろう。

 ジェフリー・エプスタインのスキャンダルに関係していると言われる富豪のマイケル・ブルームバーグはここで撤退、支配層や有力メディアはバイデンに絞って支援するのだろうが、この人物はウクライナを舞台とした汚職事件で捜査対象になった人物だ。この事件の揉み消しにめどが立ったのだろうか。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202003040000/  

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コメント
1. 中川隆[-12961] koaQ7Jey 2020年3月07日 12:56:09 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[576] 報告
「1% vs 99%」の矛盾を反映 米大統領選サンダース旋風の背景 2020年3月7日
https://www.chosyu-journal.jp/kokusai/16052

 米大統領選における民主党の指名候補者選びは3日、全米14の州で一斉に予備選挙がおこなわれるスーパーチューズデーを迎えた。無償の国民皆医療保険制度や高等教育の無償化など社会保障の拡充とともに富裕層への増税を訴えるバーニー・サンダースが、全米最大人口を持つカリフォルニア州を含む4州で勝利したのに対し、オバマ政権時代の副大統領ジョー・バイデンが「中道派の一本化」などで票を伸ばして10州で勝利し、獲得代議員数でトップとなった。トランプに対抗する民主党の指名候補者争いは、既存政治から脱却を目指す「反主流派」のサンダースと、オバマ政権時代の実績をアピールする「主流派」のバイデンとの新旧一騎討ちの様相を強めている。


 民主党の候補者指名は、全米50州やワシントン特別区などで実施される党員集会や予備選での獲得票に応じて配分される代議員の数によって決まる。代議員は7月の党全国集会で、各州予備選の結果に沿って投票しなければならない。今年各州に割り当てられた代議員数は3979人。この過半数にあたる1991人の代議員を獲得した候補者が党指名を手にすることができるシステムだ。そのため代議員数の多い大都市圏(民主党の地盤)での予備選の勝敗がその優劣を大きく左右する。

 この日に先だって4州で予備選が実施された。初戦となった2月3日のアイオワ州(代議員数41人)党員集会では、元サウスベンド市長のブティジェッジとサンダースがともに25%で拮抗したものの90票差でブティジェッジが勝利。その後のニューハンプシャー州(同24人)とネバダ州(同36人)ではサンダースが、それぞれ25・7%、46・8%の最多得票で連勝した。この時点でサンダースの獲得代議員数は24人となり、バイデン(9人)に大きな差を付けてトップに躍り出た。


 だが、黒人層の多いサウスカロライナ州(同54人)では、オバマ前政権の要職にあったバイデンが圧勝して代議員数トップの座を奪取した。同日、伸び悩んだ中道派のブティジェッジとクロブシャー上院議員は、指名候補者争いからの撤退を表明するとともにバイデン支持を表明。「急進左派のサンダースでは本選でトランプに勝つことができない」として「中道派の一本化」を呼びかけ、それぞれの陣営がそのままバイデン支持に回った。この構図は、4年前にヒラリー・クリントンとサンダースがくり広げた指名候補争いと同じであり、ウォール街をはじめとするエスタブリッシュメント(既得権益層)から多額の献金を受ける民主党主流派が、それら旧来の選挙システムを否定して草の根運動と小口献金によって富豪や金融資本からの干渉を受けない政治の実現を目指す反主流派をつぶすために野合したことを意味する。


 14州と米領サモアで一斉に予備選・党員集会がおこなわれたスーパーチューズデーは、民主党の候補者選びにおける最重要日とされる。全米最大の415人もの代議員が割り当てられているカリフォルニア州や、同じく228人の代議員が配置されるテキサス州などの大票田を含むため、この日だけで全代議員の3分の1にあたる1357人の配分先が決まるからだ。スーパーチューズデーの上位2人の得票結果は以下の通り。カッコ内は獲得代議員数。*印は勝者。


▼アラバマ州(代議員数52人)
 *バイデン(39人)
  サンダース(7人)
▼米領サモア(6人)
 *ブルームバーグ(4人)
▼アーカンソー州(31人)
 *バイデン(14人)
  サンダース(8人)
▼コロラド州(67人)
  バイデン(15人)
 *サンダース(23人)
▼マサチューセッツ州(91人)
 *バイデン(32人)
  サンダース(27人)
▼ミネソタ州(75人)
 *バイデン(36人)
  サンダース(26人)
▼ノースカロライナ州(110人)
 *バイデン(61人)
  サンダース(32人)
▼オクラホマ州(37人)
 *バイデン(20人)
  サンダース(13人)
▼テネシー州(64人)
 *バイデン(32人)
  サンダース(15人)
▼テキサス州(228人)
 *バイデン(102人)
  サンダース(90人)
▼ユタ州(29人)
  バイデン(0人)
 *サンダース(9人)
▼バーモント州(16人)
  バイデン(5人)
 *サンダース(11人)
▼バージニア州(99人)
 *バイデン(66人)
  サンダース(30人)
▼カリフォルニア州(415人)
  バイデン(83人)
 *サンダース(135人)
▼メーン州(24人)
 *バイデン(9人)
  サンダース(9人)
   (6日時点、abcNEWS集計)


 獲得代議員数の合計では、バイデンが568人と躍進したが、最大注目のカリフォルニア州を制したサンダースも495人と譲らず、拮抗している。地元マサチューセッツ州でも勝利できなかった左派のウォーレン上院議員(獲得代議員数41人)は撤退を表明した。ウォーレンがサンダース支持に回ればその数は互角となるが、同議員が4年前にクリントン支持に回った経緯からもその進退の行方に注目が集まっている。


 また、「メディア王」として6兆円の資産を有し、5億j(540億円)もの選挙広告資金を投じて、この日から指名候補者争いに本格参戦したブルームバーグ前ニューヨーク市長(獲得代議員数23人)も結果を残せず撤退を表明した。


 4年前にサンダースがクリントンに勝利したミネソタ州やオクラホマ州、事前調査で好調だったテキサス州でバイデンが勝利したことがセンセーショナルにとりあげられたが、ミネソタ州は直前に候補者指名争いから撤退したクロブシャー上院議員の地元であり、テキサス州も指名争いから撤退してバイデン支持に回ったオルーク元下院議員の地元だ。候補者レースから撤退した有力議員が相乗りして票集めに奔走したことが大きな勝利の要因となった。トランプはこの様子を「民主党の支配階級が結束してバーニー(サンダース)外しに躍起になっている」と皮肉った。

若い世代が戸別訪問 サンダース陣営

 各メディアは「バイデンの復活」「サンダース旋風に陰り」と報じ、医療や高等教育の実質無償化などの「過激」な政策を打ち出すサンダースよりも、オバマ政権時代の実績にもとづいた「穏健」なバイデンが支持されているように描いている。民主党本部もこれまでの選挙常識にもとづき、サンダースの政策を「非現実的な夢物語」「社会主義」と見なし、ウォール街やビリオネア(富裕層)と矛盾を起こさない「現実的な妥協」をしなければ、結果的に「トランプを利する」と内外に振りまいている。


 バイデンの公約はオバマ政権の政策の焼き直しであり、公共投資額を見てもサンダースの16兆3000億j(10年間)に対して、その約10分の1の1兆7000億jにとどまる。サンダースが反対するTPP(環太平洋経済連携協定)やUSMCA(米・メキシコ・カナダ新協定)には賛成し、国民皆保険設立を否定してオバマケアの拡充にとどめ、学生ローンも返済負担は全額免除ではなく「軽減」。さらにウォール街の規制については、サンダースが巨大銀行への証券業務を禁じるグラス・スティーガル法復活を求めているのに対して、オバマ政権が成立させた「ザル法」といわれるドット・フランク法を支持している。それでもサンダースの存在が、これまで地位に安住してきた民主党候補者たちを慌てさせ、党全体の主張を弱者救済と富裕層の規制、「草の根」重視へと促す推進力となっており、有権者の意識の鋭さを物語っている。


 サンダースは「私たちの選挙はただの選挙にはとどまらない政治的ムーブメントだ。バイデンのようにビリオネア(億万長者)から多額の献金も受けないし、むしろ彼らの献金など必要としない全人種と全世代横断型の草の根運動なのだ!」と真っ向勝負の構えを崩さない。また、オバマ政権の下でバイデンがNAFTA(北大西洋貿易協定)やFTAを進めて全米の労働者の職を奪い、アフガン爆撃などの戦争に賛成し、社会保障費削減を進めてきたことなどを痛烈に批判し、「われわれこそがトランプを倒せる」と徹底抗戦の構えを見せている。


 通常、選挙戦が熾烈になると中道寄りに主張を修正する候補者が多い中で、サンダース陣営の主張にブレが見られないのは、民主党主流派が主張する「現実的妥協」がなにをもたらしたかを多くの米国民が経験済みであるからにほかならない。なにより「チェンジ」といいながらブッシュと同じ道を歩んだオバマ政権への失望がトランプ誕生に大きく寄与した経緯からみても、オバマ路線への回帰ではなく、より根本的な変革を求める意識が強まるのは当然といえる。


 サンダース陣営には、ミレニアル世代といわれる10〜40代の支持者が多く、「超格差社会」の底辺に置かれている人々が熱狂的に支えている。スーパーチューズデーの出口調査での29歳未満の投票先を見ても、バイデンの17%に対し、サンダースは65%を獲得するなど圧倒的だ。


 各地の集会でもサンダースは「われわれのキャンペーンの目標はドナルド・トランプを倒すためだけではない」とし、「われわれの国を転換し、経済的、社会的、人種的、環境的正義の原則に基づく政府をつくる政治革命だ」と主張する。そして10〜40代の若い世代がマイクを握り、医療費や学生ローン、家賃の高騰によって苦しむ同世代の思いを代弁し、「搾取されている99%の代表として現在の経済や政治制度を根本的に変革できる大統領候補」としてサンダース支持を訴えている。


 予備選がおこなわれる各州では、若い世代を中心にした無数のボランティアたちが地道な戸別訪問をおこない、その訪問軒数は一カ月で40万とも50万ともいわれる。他の候補者が有給のスタッフを雇う一方で、ボランティアたちは無給で活動に参加する。この熱意とフットワークの軽さがサンダース陣営の最大の強みだ。


 日本のように行政の住民票や戸籍管理のない米国では、選挙前に自動的に投票用紙が届くことはなく、投票希望者は事前に共和党か民主党のいずれかを選んで有権者登録をしなければ予備選の投票権が与えられない。その登録情報が党から各陣営に提供され、ボランティアたちはSNSで発信される情報をもとに各地に集合し、スマホの地図アプリをもとにして有権者の家を回る。


 4年前の大統領選予備選で戸別訪問を基本にした「サンダース旋風」を経験したリーダーが各地で育っていることも大きい。このボランティアに参加した学生や若者、労働者、看護師、帰還兵たちによって各州に運動母体がつくられ、そのノウハウを駆使して中間選挙でもオカシオ・コルテスをはじめ多くの候補者を当選させてきた。「無理にサンダース支持を押しつけず、相手の生活や要望を丁寧に聞く」「最後に“あなたの票に頼ってもいいですか?”と投げかける」などのルールを決め、政治から疎外された下層の人々や移民、ヒスパニックなどの生活実感と切り結びながら対話を広げている。


 その「草の根」の勢いは候補者トップの集金力にもあらわれる。企業などからの巨額の選挙資金を受けとらないサンダース陣営は、一人あたり200j(2万1000円)以下の小口献金のみに頼り、2月だけで4650万j(約50億円)もの政治献金を集めている。バイデンの1800jを大幅に上回る。「ワシントンの政治中枢やウォール街からは一銭も受けとらず、草の根の力にのみ頼る」という姿勢を貫いていることも根強い支持を受ける根拠となっている。


 各地の集会でサンダースは必ず「雨や雪が降る寒さの中を有権者のドアをノックし続けた数千人もの人々に感謝する。あなたの苦労があったからこその勝利だ」とボランティアの労をねぎらう。そして「米国にはすべての米国人が、安全が保障された経済システムの中で生活することができる確かな資源がある。私たちに必要なのは、私たちの経済と政治システムをコントロールする特権階級に立ち向かう政治的な意志だ。この正義のたたかいに勝つために私たちが一緒に立ち上がるとき、達成できないものはなにもない」と呼びかけている。

深刻な格差社会 根本変革要求の高まり

 4年前の指名候補者争いでは、全米得票数でサンダースがクリントンを上回ったものの、民主党本部は、古参の党員や要職にある幹部党員によって構成され、各州予備選の結果に拘束されないスーパー代議員の票を上乗せしてクリントンを指名した。今回も、全米の州に割り当てられた3979人の代議員の他に、771人のスーパー代議員が存在し、現在までにバイデン支持は94人、サンダース支持は24人となっている。財界との癒着に縛られているスーパー代議員に指名権を委ねるならバイデン側に大きなアドバンテージがある。各候補者の獲得代議員数が過半数に達しない場合、このスーパー代議員の票によって指名が決定される制度については、「民主主義とはほど遠い」と多くの批判があがっている。


 労働者階級を代表する候補者が、政財界を牛耳るウォール街やエスタブリッシュメントの意向に反して大統領の地位を奪取する道のりは険しいのが現実だ。


 だが、かつての米国では考えられなかった金融資本主義を真っ向から批判するサンダースが何度も旋風を巻き起こすのは、多くの有権者が諦めることなく、この選挙制度そのものを下から揺り動かす政治的行動に立ち上がっていることが背景にある。


 米住宅都市開発省が1月に発表した全米のホームレスの数は56万7715人で、前年比で2・7%(1万4885人)も増加している。日本国内のホームレス4555人(厚労省)の124倍にのぼり、総人口が3倍であることを加味してもあまりにも多い。


 州別に見ると、全米最大のカリフォルニア州が最も多く、ニューヨーク州、フロリダ州など多国籍資本やIT企業が拠点を置く地域ほど深刻な状態にある。あり余った資金が国民生活に還元されず、株式市場でのバクチや不動産に流れ、住宅価格や物価が高騰し、通常に働き年収数万jを得ている労働者でさえアパートにも入れず路上で暮らしている。また医療保険がないため医者にもかかれず、薬代や医療費破産が過去最高に達し、インフルエンザですら毎年数万人が死亡する。学生はローン返済で首が回らないという現実が米国中に溢れている。


 サンダース旋風が衰えを見せないのは、新自由主義の下で小手先の改良ではどうすることもできないまでに格差が固定化し、貧困が拡大する米国社会において諦めるわけにはいかない人々の根本的な変革要求の高まりを土台にしているからだ。


 もともと共和党員ではないトランプの登場も含め、もはや二大政党制やエスタブリッシュメントの権威は崩壊しており、今回の大統領選もまた「右vs左」や「共和党vs民主党」という旧来の構図では動いていない。民主党主流派によるサンダースつぶしは、「エスタブリッシュメントとの対決」のポーズをとるトランプ共和党にとっては好都合となり、4年前の大統領選を再現することになりかねない。「反主流派」であるサンダースへの圧力や妨害が強まれば強まるほど「1%vs99%」という米国社会の本質的な矛盾をなお一層鮮明にするものとなっている。


 民主党の予備選は今後、残りの37の州や地区で実施され、7月半ばの民主党全国集会で党指名候補を決定し、11月に大統領選本選を迎える。

https://www.chosyu-journal.jp/kokusai/16052

2. 中川隆[-13180] koaQ7Jey 2020年4月10日 08:36:12 : zcmgu2aIYw : c3pmekFRcC9EUWM=[5] 報告


2020.04.09
サンダースが民主党の大統領候補争いから離脱した背景(1/2)

 アメリカでは今年11月に次期大統領を決める投票が予定されている。巨大資本やシオニストに支配される「2大政党」、つまり民主党と共和党の候補者で争われる恒例の行事だが、それでも支配システムにとって好ましくない候補者も存在する。

 最も嫌われていたのは戦争反対の立場を鮮明にしていたトゥルシ・ガバードだろうが、支持率は低かった。バーニー・サンダースも嫌われていたのだが、ここにきて選挙キャンペーンを中断することが明らかにされた。残ったのはウクライナの汚職事件に関係していると言われているジョー・バイデンだ。

 ウクライナのスキャンダルもあって2月には人気が大きく低下させていたバイデンだが、大富豪のマイケル・ブルームバーグ、イスラエルやCIAとの関係が露見したピート・ブータジャジ、やはりイスラエルとの関係が深いアミー・クロウバシャー、元ハーバード大学教授で外交問題はイスラエルに従っているエリザベス・ウォーレンらが撤退、COVID-19(新型コロナウイルス)の感染拡大が話題になる中、復活した。

 民主党の幹部は2016年の大統領選挙でもサンダースを潰すために工作を裏で行っていた。その一端を明らかにする電子メールを2016年3月に公表したのがウィキリークスだったが、その看板的な存在だったジュリアン・アッサンジは2019年4月、ロンドンのエクアドル大使館でイギリス警察に逮捕され、現在はベルマーシュ刑務所の中だ。ここはイギリス版のグアンタナモ刑務所と言われている。

 尋問にはアメリカから国防総省、FBI、CIAの人間が参加、BZ(3-キヌクリジニルベンジラート)という薬物が使用されとも伝えられた。この薬は幻覚を生じさせ、現実と幻覚を混乱させるほか、昏睡、物忘れなどを含む意識障害、あるいは運動失調症を引き起こすとされている。精神的な面で治療が必要な情況になったとも言われた。

 本ブログでは繰り返し書いてきたが、ウィキリークスが2012年2月に公表した民間情報会社​ストラトフォーの電子メール​によると、アメリカ当局がアッサンジを秘密裏に起訴したのは2011年初め。その後、この情報は公的な文書で確認された。​ケレン・ドワイアー検事補が裁判官へ書いた文書​の中で、アッサンジが秘密裏に起訴されていると記載されているのだ。

 2016年の選挙での勝利者はヒラリー・クリントンだと2015年の段階では見通されていた。2015年6月中旬にオーストリアで開催された​ビルダーバーグ・グループの会合​にジム・メッシナというヒラリー・クリントンの旧友が出席していたからだ。

 こうした流れに変化が生じたと言われたのは2016年2月。10日にヘンリー・キッシンジャーがロシアを訪問してウラジミル・プーチン大統領と会談、22日にはシリアで停戦の合意が成立したからだ。

 クリントンはバラク・オバマ政権の外交政策を引き継ぎ、ロシアとの関係悪化を推進すると見られていた。オバマ政権の副大統領がバイデンだ。

 オバマ政権は中東制圧を正規軍からサラフィ主義者(ワッハーブ派、タクフィール主義者)やムスリム同胞団を中心とする傭兵(アル・カイダ系武装集団)に切り替え、2014年にはダーイッシュ(IS、ISIS、ISIL、イスラム国とも表記)が売り出された。この武装集団は残虐さを演出、リビアのケースと同じようにアメリカ/NATO軍による空爆と地上の傭兵を連携させた侵略を容認する雰囲気を作ろうとした。

 オバマ政権の政策はダーイッシュ的なサラフィ主義者やムスリム同胞団の武装集団を作りだし、シリア東部をその集団が支配すると​2012年の段階で警告​していたのがアメリカ軍の情報機関DIAで、その時のDIA局長がマイケル・フリン中将だった。フリンは2014年8月に退役を強いられる。

 2014年2月にオバマ政権のネオコン(シオニストの一派)はウクライナでネオ・ナチを使ってクーデターでビクトル・ヤヌコビッチ政権を倒した。選挙で民主的に選ばれた政権をアメリカは暴力的に倒したのだ。

 この年の9月から12月にかけてアメリカやイギリスの情報機関、つまりCIAやMI6は香港で「佔領行動(雨傘運動)」を仕掛け、中国政府を揺さぶった。その運動の指導者として知られているのは、イギリス王室の顧問弁護士を務めていた李柱銘(マーチン・リー)、メディア王と呼ばれる親欧米派の黎智英(ジミー・リー)、香港大学の戴耀廷(ベニー・タイ)副教授、あるいは陳日君(ジョセフ・ゼン)、余若薇(オードリー・ユー)、陳方安生(アンソン・チャン)らだ。(つづく)
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202004080000/

2020.04.10
サンダースが民主党の大統領候補争いから離脱した背景(2/2)

 2014年にオバマ政権は中東だけでなく、ロシアと中国に対する攻撃を始めたのだが、その結果、中国とロシアは急速に接近し、戦略的な同盟関係に入ってしまった。パイプラインや交通網での結びつきが進み、経済的な交流も活発化していく。中国とロシアが接近するはずがないと高を括っていたアメリカ支配層は衝撃を受け、「必ず分裂する」と念仏を唱えている人も少なくない。

 しかし、アメリカの支配層にも中国とロシアとの接近を懸念する人はいるはず。2016年2月にキッシンジャーがロシアを訪れた背景にはそうした懸念があったのだろう。そしてロシアとの関係修復を訴えるドナルド・トランプが急浮上した。

 そのトランプを引きずり下ろすために民主党、CIA、司法省、FBIなどは2016年の段階で動き始めている。選挙で勝利したトランプがフリンを国家安全保障補佐官に据えると、有力メディアは激しく攻撃した。その理由は言うまでもないだろう。

 2014年のウクライナにおけるクーデターを現場で指揮していた人物としてネオコンで国務次官補だったビクトリア・ヌランドが知られているが、ホワイトハウスで指揮してのは副大統領だったバイデンだ。そして汚職事件の容疑者になる。

 未成年の女性らを各国の有力者に提供、その行為を記録することで弱みを握り、操るというイスラエルのプロジェクトで中心的な役割を果たしていたジェフリー・エプスタインが2019年7月に逮捕され、収監中の8月に房の中で死亡した。

 これも繰り返し書いてきたが、エプスタインの妻はギスレイン・マクスウェルであり、その父親はイギリスのミラー・グループを率いていたロバート・マクスウェル。

 ロバートは生前、イギリスの情報機関と関係していると言われていたが、イスラエル軍の情報機関ERDに所属、イツァク・シャミール首相の特別情報顧問を務めた経験のあるアリ・ベンメナシェによると、3名ともイスラエル軍の情報機関、つまりAMAMに所属していた。

 2019年の段階でアメリカの支配層はスキャンダルで危険な状態になっていた。その背後では支配層の内紛があるはずだが、そうした中、司法長官として登場してきたのがウィリアム・バー。この人物はジョージ・H・W・ブッシュが大統領だった1991年から93年にかけて司法長官としてイラン・コントラ事件を処理している。

 バーは1971年から73年にかけてコロンビア大学の大学院で学んでいるが、その時点でCIAの仕事をしている。1977年にCIAを離れて連邦巡回裁判所判事の書記になるが、それはジョージ・H・W・ブッシュの推薦による。父親がアレン・ダレスと親しいブッシュが遅くともエール大学でCIAにリクルートされた可能性が高いことは本ブログでも書いてきた。

 2019年から民主党、CIA、司法省、FBIなどが有力メディアを使ってトランプ攻撃とロシアとの関係悪化を目的として始めた「ロシアゲート」は破綻、仕掛けた側が危機に陥っていた。それを放置しておくと支配システムそのものを壊すことにもなりかねない。すでに崩れ始めているシステムが一気に崩壊することもありえる。そうした情況を処理する役をバーは命じられたのだろう。バイデンが再登場してきたのは、その処理が一段落したからかもしれない。(了)

https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202004100000/

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