オリガーキーは、大統領選挙で、まだ不正ができるだろうか? Paul Craig Roberts 2016年11月4、 選挙は、トランプが負けるように仕組まれていた。サンプル中のヒラリー支持者を過大評価して、ゆがめた世論の目的はそれだった。ヒラリーが先行しているという聞き取り世論調査結果から数週間後には、国民は、選挙不正という主張を割り引きして聞くだろう。電子投票のおかげで、選挙投票の結果を改竄するのが容易になっており、不正選挙専門家による、いかにして不正が行われかという説明を私は掲載した。 彼らには、トランプを支配できるか確信がなく、ヒラリーは彼らの手先なので、オリガーキーが、ドナルド・トランプをホワイト・ハウスの主にしたくないと思っているのは明らかだ。 FBIによる、ヒラリーと関連スキャンダル捜査再開によって、彼女の周辺至る所で爆発がおきており、不正選挙は一層リスキーとなっただけでなく、オリガーキー自身の利益にならない可能性が高まっている。 イメージと金は、オリガーキー権力の一環だ。もしアメリカ人が、現在、重罪で捜査されている人物を大統領に選べば、アメリカのイメージは大打撃を受ける。 しかも、ヒラリー大統領は、何年も捜査対象になるだろう。これだけ脚光を浴びてしまっていては、彼女はオリガーキーの利益のために働くことはできまい。彼らにとって、彼女は無価値で、実際、ヒラリーと、オリガーキーとの様々なつながりを明るみに出す捜査は、オリガーキに打撃を与えかねない。 言い換えれば、オリガーキーにとって、ヒラリーは財産から負債に代わってしまったのだ。 ヒラリーが大統領になれば、我が国は混乱に陥りかねない。彼女が就任宣誓をして大統領になり次第、ヒラリーは、コミーFBI長官を首にして、捜査を終わらせると考えるほど、オリガーキーは阿呆ではあるまいと私は思う。それを試みた最後の大統領は、リチャード・ニクソンだったが、それで彼が一体どうなったのかをお考え願いたい。 しかも、下院も上院いずれの共和党も、それを見過ごすまい。米議会下院監視・政府改革委員会委員長ジェイソン・チェィフェッツは、ヒラリーは既に“狙われ放題状態だ。始まる前なのに、既に二年分の材料が揃っている。”と断言した。ポール・ライアン下院議長は、捜査をしているうちに、証拠が出てくるだろうと言った。 もし読者がオリガーキーだったなら、自分たちの手先に、このような捜査を受けて欲しいと思うだろうか? もし読者がヒラリーだったなら、このような圧力を受けたいと思うだろうか? もしFBIが大統領の起訴を勧告したら一体何が起きるだろう? もし司法長官が、起訴するのを拒否すれば、無頓着なアメリカ人でさえ隠蔽を見抜くだろう。アメリカ人は、政府に対するあらゆる信頼感をなくすだろう。混乱が支配的となるだろう。混乱は革命的なものになりかねず、それは、オリガーキーにとって、良いことではない。 しかも、もし報道が信頼に値するとすれば、みだらなスキャンダルが出番を待ちかまえているように見える。例えば、5月のフォックス・ニューズはこう報じていた。 “元大統領ビル・クリントンは、これまで報じられていた以上に、公認されている性犯罪者の悪名高いジェット機を遙かに頻繁に利用しており、飛行記録には、元大統領が“ロリータ・エクスプレス”に、少なくとも26回搭乗しているとあり、FoxNews.comが入手した記録によれば、少なくとも五回の飛行では、シークレット・サービス要員さえ振り切っていた。 “クリントンは、ジェフリー・エプスタインのボーイング727に、11回搭乗したことが報じられているが、飛行記録で、数はこの二倍以上で、2001年から、2003年までの旅行には、エプスタインや、乗客名簿で“タチアーナ”を含むイニシャルや名で記載されているお仲間の乗客と一緒の世界中の長期視察旅行が含まれていることが分かる。派手なジェット機に、ナボコフ風のあだ名がつけられたのは、乗客が、若い女性たちと、グループ・セックスをするベッドが装備されていると報じられているためだ。” フォックス・ニューズは、エプスタインは、“未成年者に売春するようそそのかし、斡旋したかどで、服役したことがあると報じている。バージン諸島のリトル・セント・ジェームズと呼ばれるエプスタインの29万平方メートルの‘乱交パーティー島’で、友人たちに奉仕させるべく、12歳の幼い女性を斡旋した手配師チームを持っているとされている。” http://www.foxnews.com/us/2016/05/13/flight-logs-show-bill-clinton-flew-on-sex-offenders-jet-much-more-than-previously-known.html 私には、信憑性がわからないインターネット・サイトの中には、ヒラリーを、こうした飛行に結びつけているものがある。http://truepundit.com/breaking-bombshell-nypd-blows-whistle-on-new-hillary-emails-money-laundering-sex-crimes-with-children-child-exploitation-pay-to-play-perjury/ あらゆることから逃げおおせるのに慣れているビルとヒラリーだとは言え、この種の振る舞いは無謀に見える。それでも、もし読者が、再開されたヒラリー電子メール捜査と、クリントン財団に対するものなどの更なるFBI捜査を既に心配していて、ウィーナー元アメリカ下院議員のコンピューターにあった650,000通の電子メールから、一体何が出現するか、ニューヨーク市警による小児性愛者捜査がどうなるかを懸念しているオリガーキーであれば、ヒラリーを大統領執務室に据えるのは、良い判断には思えない。 現時点では、オリガーキーは、無頓着なアメリカ人が、重大犯罪で捜査されている人物をアメリカ大統領に選んで、アメリカの評判を破壊するのを認めるのではなく、トランプを負けさせるかわりに、トランプを勝たせるような不正選挙するのを選ぶのではあるまいかと私は考えている。 犯罪人がトップに立てば“例外的な国”であることが、新たな意味を持つことになる。 http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2016/11/post-d693.html ▲△▽▼ 【河添恵子】討論会でトランプさえも突っ込まないヒラリーのヤバイ裏側! 2016年10月21日【報道二郎・保守論NEWS】 - YouTube https://www.youtube.com/watch?v=CtmzBgj2Lh4
▲△▽▼
なぜウォール街の金融産業はヒラリー・クリントンを見限ったのか?=高島康司 2016年11月6日 http://www.mag2.com/p/money/26043
FBIによる私用メール問題再捜査の背景として、メディア王・マードックの背後に控えるウォールストリートの金融産業が、ヒラリー・クリントンを最終的に見限った可能性が指摘されている。(『未来を見る!ヤスの備忘録連動メルマガ』高島康司) ※本記事は、未来を見る! 『ヤスの備忘録』連動メルマガ 2016年11月4日号の一部抜粋です。ご興味を持たれた方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。 ヒラリー・クリントン政権はどうせ短命、ならばトランプに乗り換えだ! FBIコミー長官への「2つ圧力」 なぜコミーFBI長官は、クリントンとトランプが大接戦を繰り広げている大統領選挙の1週間前になって、あえて私用メール問題の捜査に踏み切ったのだろうか? 今年の夏にコミー長官は、クリントンの私用メールサーバから違法性のあるメールが出てくる可能性は低いので捜査をしない決定をした。これは急に捜査の開始を宣言したいまの状況とは対照的だ。コミー長官になんらかの圧力があったのかもしれない。 そのように思って調べると、やはり圧力があったことを示す情報が多数出てきた。 カナダのオタワ大学のミシェル・チョソドウスキー教授が中心となって運営しているシンクタンクに、『グローバル・リサーチ』がある。ここのサイトには、内外の分析者や調査ジャーナリストの書いた興味深い記事が多数掲載されている。 今回このサイトには、コミー長官にかけられた圧力と、捜査に踏み切らざるを得なかった動機をうかがい知ることのできる記事が多数掲載されていた。 1つ目の圧力。FBI内部からの反発 それらの記事を読むと、コミー長官には徹底した捜査を要求する2つの大きな圧力がかかっていたことが分かる。 ひとつは、FBI内部からの圧力だ。クリントンの私用メールサーバには、クリントンの違法行為を証明できるメールが多数あったにもかかわらず、コミー長官は大統領選挙への影響をおもんばかって本格的な捜査はしないことを決定をした。 長官のこの決定には、FBIの内部から強い批判があり、優秀な捜査官が何人も辞表を提出して、この決定に強く抗議した。コミー長官はFBIの組織の統合性を維持するためには、内部のこうした抗議に応える必要があった。 そのため、クリントンの側近、フーマ・アベディンのパソコンから見つかったメールは、徹底して捜査する意志を示さざるを得なかった。 もう1つの圧力。トランプ・マードック連合 しかし、コミー長官にかかった圧力はこれだけではない。きちんと証明されているわけではないが、大きな勢力からなんらかの圧力がかかっている可能性を示唆する記事が『グローバル・リサーチ』にはいくつも出ている。 まず今回のコミー長官の捜査開始の報道にもっとも熱心なメディアは、ケーブルテレビのFOXニュースと大手経済紙のウォール・ストリート・ジャーナルだ。このメディアのどちらも、メディア王、ルーパート・マードックの所有である。 ルーパート・マードックは大変に熱心なトランプ支持者で、トランプとも個人的に親しい間柄だ。 今年の春、トランプとマードックは数回会談したことが分かっている。その後、トランプの義理の息子のジャード・クシュナーを通してマードックとの電話会談が持たれ、いわばトランプ・マードック連合が形成された可能性が高いと見られている。 さらに10月には、トランプとマードックとの間で2度会談が行われ、今後の方針が検討されたようだ。マードックはつねづね「共和党がトランプの元に結集しないのはおかしい」と述べていた。 FBI内部の献金疑惑がダメ押し
もちろんこれだけでは、マードックが所有するウォール・ストリート・ジャーナルやFOXニュースがトランプに有利な情報を流す説明にはなるものの、独立性の強い政府機関であるFBIにまで圧力がかかるとは考えにくい。圧力があったのかどうか、はっきりとは証明できない。 しかし、ウォール・ストリート・ジャーナルはコミーFBI長官がクリントンのメール問題の本格的な調査に乗り出さざるを得なくさせている事件を詳しく報じている。それは、クリントン陣営によるFBIへの献金疑惑である。 クリントンに近い民主党のテリー・マックオーリフ テネシー州知事は、ヒラリー・クリントンからの献金として67万5000ドルを渡された。そのうち20万ドル強がFBI高官の妻であるジル・マカビー博士に渡った。マカビーは、2015年のバージニア州上院議員選挙に出馬しており、これは選挙戦への献金だったとされている。 一方、ジル・マカビー博士の夫のFBI高官は、この献金の直後にFBI副長官に昇進し、クリントンの私用メールサーバ問題の担当となった。そして、これを捜査しない決定をした。 10月24日、ウォール・ストリート・ジャーナルはこれを詳しく報じる長い調査記事を掲載し、クリントン陣営とFBIとの間に金銭のやり取りがあった事実を詳しく報じた。この記事が掲載された直後の10月28日、コミー長官はクリントンのメールを捜査するとの通知を議会に送った。 もし、FBIの汚職が明らかになってしまったのに、FBIがクリントンのメールの捜査を開始しないと、FBIが前代未聞の献金スキャンダルの対象となり、徹底的に非難されることになる。コミー長官はこれを回避するために、クリントンのメールの捜査を行う判断をしたと見られる。 ヒラリー・クリントンを見限ったウォールストリート それだけではない。FBIの捜査の決定の背景には、マードックの背後にひかえているウォールストリートの金融産業が、クリントンを最終的に見限った可能性が指摘されている。 その理由は、クリントンの私用サーバやフーマ・アベディンの共用パソコンにあるメールには、違法性が明らかなものがすでに見つかっており、たとえ選挙に勝利して大統領になったとしても、法的に訴追されることは免れないと判断したためだとも見られている。 このままではクリントンは、1974年にウォーターゲート事件で弾劾されて辞任したニクソン大統領と同じ命運をたどる可能性が高い。 1972年の大統領選挙でニクソンは地滑り的に勝利したが、翌73年にはウォーターゲート事件で、ニクソン陣営が民主党全国委員会本部を盗聴していた事実が明らかとなり、74年にニクソンは辞任を余儀なくされた。 クリントンのメールには、このウォーターゲート事件の衝撃に匹敵するメールが多数含まれていると見られている。クリントン政権が成立すると同時に訴追の嵐となり、クリントンは1年も経たないで辞任に追い込まれるかもしれない。 ウォールストリートは、このような不安定なクリントンを見限り、トランプへと乗り換えたのではないかというのだ。このような事情も、FBIが捜査に踏み切るための追い風になったことは間違いない。 メールの中身
それでは、クリントンの命取りとなりかねないメールとはどのような内容なのだろうか?中身が気になる。 まだ捜査対象となっているメールは公開されていないので、具体的には分からないものの、ウィキリークスから連続的にリークされているクリントン陣営の選挙対策部長、ジョン・ポデスタのメールを見ると、捜査対象となっているメールがどれほどやばいのか、ある程度想像がつくようだ。 司法妨害罪 クリントンが訴追される可能性のあるケースのひとつは、司法妨害であると見られている。FOXニュースによれば、クリントンの側近、フーマ・アベディンの共用パソコンのなかにある65万件のメールのうち、捜査対象になるのは1万件程度だという。これがクリントンのメールだ。 これらのメールが国務長官としての公務に関連したものであり、なおかつこれらのメールのいくつかが意図的に削除されていることが証明されたのなら、「司法妨害罪」が成立する。 「司法妨害罪」とは、捜査対象になってる証拠品を、捜査から逃れるために意図的に破壊する行為のことを指す。過去に削除したメールがあった場合、いまではデータ回復ソフトで簡単に元の状態に戻すことが可能だ。メールのデータを100%完全に消すためには、ハードディスクを壊してしまう以外に方法はない。ハードディスクを残しておくと、削除されたメールは簡単に回復できる。 もしクリントンが、証拠隠滅のために公務に関連するメールを削除していたことが判明すれば、「司法妨害罪」が成立する可能性が出てくる。 アメリカは厳罰の国である。「司法妨害罪」では、20年の懲役刑も課すこともできる。ウォーターゲート事件のときニクソン大統領には、「司法妨害罪」が適用されたケースがある。 クリントン財団の資金洗浄 それだけではない。もっと大きな違法行為が行われていた可能性がある。 それはヒラリーが夫のビルとともに運営している慈善団体、クリントン財団の疑惑である。この財団は集めた金額の10%程度しか実際の慈善事業には寄付されていないことが分かっている。 クリントン財団に寄付された資金は、カナダにあるトンネル会社に一度集められて資金の出所を不明にされた後、クリントン夫妻がかかわるあらゆるビジネスに使われた可能性がある。 クリントン財団への大口献金者はサウジアラビアとカタールであったことが、クリントンの私用サーバからFBIが取得したメールで判明した。サウジアラビアからは25億ドル、カタールからは1億ドルから5億ドルの献金があった。 こうしたトンネル会社を使った資金洗浄(マネーロンダリング)は、マフィアのような犯罪組織が使う手口なので、「RICO法」を適用して処罰することが可能になる。 「RICO法」とは「重い処罰と罰金条項を制定することで組織犯罪を根絶することを意図する法律」という非常に長い名前の法律で、起訴されて有罪が確定するなら、重い懲役刑が課せられることもある。 国家反逆罪
しかし、もっとも大きな疑惑は国家反逆罪である。ウィキリークスがリークしたクリントンの選挙対策部長、ジョン・ポデスタのメールから、すでに2014年にクリントンはサウジアラビアとカタールがイスラム原理主義組織の「IS」に資金を提供している事実を知っていたことが明らかになっている。 アメリカは「IS」の結成当初から関与しているが、一応表向きには「IS」はアメリカの敵である。クリントン財団が「IS」を支援しているカタールとサウジアラビアから多額の資金の提供を受けていたことは、利敵行為として国家反逆罪の適用対象になる可能性が高い。 さらに悪いことに、FBIによる私用メールサーバの捜査が始まることを知ったクリントンは、プラットリバーネットワーク社とダットー社という2つのIT企業の専門家に依頼し、30日よりも古いメール、3万件を削除したことがすでに分かっている。 これをクリントンはFBIの捜査の開始を知ってから行ったので、これは先に説明した「司法妨害罪」の適用対象となりかねない クリントン政権成立と同時に叩きつぶされる 調査ジャーナリストたちの記事で明らかになっているこうした疑惑は、氷山のほんの一角だろう。FBIの本格的な調査が始まると、それこそ想像を越えた規模の疑惑が表面化するに違いない。 とすれば、クリントンが大統領になったとしても、出てくる疑惑の嵐のなかで叩きつぶされることは目に見えている。ウォールストリートがクリントンを見限ったとしても納得がいく。 以前の記事で詳しく述べたが、クリントンには深刻な健康問題がある。突発的なテンカン発作と意識混どく、そして歩行困難を主な症状とする「皮質化血管性認知症」である疑いがある。これは、クリントンの政権担当能力に疑問を突き付ける。 たさでさえそうした状況なのに、これに国家反逆罪や司法妨害罪などの深刻な罪状で起訴される可能性が十分にあるのだ。たとえ大統領選挙には勝っても、とてもではないがまともな政権運営などできる状況ではない。 ではトランプは勝つのか? クリントンのこうした状況が追い風になり、トランプが急速に追い上げている。支持率では僅差ながら逆転しつつある。しかし、獲得した選挙人の数ではまだまだクリントンが上回っている。 周知のように米大統領選挙は、各州に割り当てられた総勢538名の選挙人のうち、過半数の270名を獲得した候補が勝者となる。現在、それは次のようになっている。主要メディアもよく引用するサイト『RealClear Politics』の最新データだ。 ◾クリントン:226 ◾トランプ:180 ◾残り:132 クリントンの優勢はまだ続いている。トランプが勝つためには、選挙のたびに支持政党が異なる接戦州をすべて押さえ、さらに民主党の強い州のいくつかを取らなければならない。 http://www.mag2.com/p/money/26043 ▲△▽▼ ヒラリーとビル・クリントン: アメリカ政治の“ボニーとクライド” Wayne MADSEN 2016年11月3日 Strategic Culture Foundation
情報が、ハッキングされた電子メールやコンピューター・ファイル、あるいは情報公開法要求で得られたもの、いずれによるにせよ、ヒラリーとビル・クリントンと二人の取り巻き連中の政治・事業活動に関する暴露は、違う時代、1930年大恐慌時に次々と犯罪を重ねた、もう一つのたちの悪いカップル、銀行強盗のならず者ボニーとクライドを思い起こさせる。 ヒラリー・クリントンが、個人電子メール・サーバーと、お仲間・追従者の電子メール連鎖を利用して、大いに儲かる“帳簿外の”外交政策を運営していたことはさておき“汚職”という単語を金切り声で叫んでいるのは、彼女と夫共同のクリントン財団と、テネオ・キャピタルの事業だ。サーバーは、シカゴの犯罪ボス、アル・カポネが羨んだであろう、クリントンが現代のボニーとクライドとして、連中自身の違法行為で儲ける“参加するなら金を支払え ペイ・トゥー・プレイ”事業を運営する為の仕組みだったにすぎない。 ヘッジ・ファンド事業と元中央情報局(CIA)職員を大量に雇った“民間諜報”サービスを運営しているテネオは、クリントンの“女友達”で側近のフーマ・アベディンが国務省に雇用されて働いていたと同時期につとめていた会社だ。アベディンの元夫で、不祥事を起こした元ニューヨーク民主党下院議員アンソニー・ウィーナーのラップトップ・コンピューターで見つかった650,000電子メールを、連邦捜査局FBIが捜査しているのは、ことわざの氷山の一角だ。FBI職員が、ラップトップの中で発見されたアベディンの電子メールを熟読し、側近たちが破壊しなかったか、あるいは決して説明されなかった、クリントンの電子メールを調べてはいるが、本当の話は、クリントン財団とテネオに対するFBI捜査なのだ。 5つのFB出張所が、財団の違法行為による儲けと、テネオの外国とのつながりを捜査している。この出張所は、ニューヨーク、ロサンゼルス、ワシントンD.C.、アーカンサス州リトル・ロックと、マイアミだ。リトル・ロックは、クリントン財団の本拠地で、ニューヨークは、テネオの本拠地だ。マイアミ出張所を、クリントン捜査に加えたのは重要だ。テネオ諜報サービスが有する多数の海外事務所の一つは、コロンビアのボゴタにある。秘密主義のコロンビアの未公開投資ファンド“フォンド・アクセソ”は、メキシコ人の超億万長者カルロス・スリムと、カナダ人の採掘業の大物フランク・ジウストラに資金を提供されて、クリントン財団のボゴタ事務所で運用されている。クリントン財団に流れ込む資金を追跡すれば、コロンビアや、他の近隣諸国での違法な麻薬密売による儲けがあるかも知れない。ボゴタでのクリントン財団の活動“フォンド・アクセソ”は、皮肉にも“アクセス・ファンド”を意味し、テネオは、コロンビアの首都のチコ・ビジネス・パークに注力しているように見える。それゆえ、クリントン財団の資金調達捜査で、スリムとジウストラからの大口寄付に関するマイアミ出張所の関与は大いに意味がある。 テネオは、クリントンのホワイト・ハウス弁護士事務所で働き、後にクリントン財団と、クリントン・グローバル・イニシアチブで、クリントンの首席補佐をしているビル・クリントンの長年の友人ダグ・バンドと共同設立された。バンドの兄弟は元大統領の海外旅行に同行するビル・クリントンの医師だ。ダグ・バンドは、2008年、就任するバラク・オバマ政権に、ヒラリー・クリントンを国務長官に任命するようロビー活動をした人物だ。 クリントンの国務長官在任中は、国務省、クリントン財団とグローバル・イニシアティブとテネオの垣根はほとんど無い状態だった。アベディンは、2012年11月以降、大統領選挙を始めるべく、国務長官を辞任した際、クリントンの“移行チーム”リーダーをつとめた。その時以来、クリントン、アベディン、ダグ・バンド、クリントン選対本部長ジョン・ポデスタや他の連中は 1)個人サーバー中のファイルを、必ず消し去るか、秘密にするべき情報を取り除くため。2) 公式に、彼らと、クリントン財団とテネオとの全てのつながりを断ち切るため。更に、3) 公には、アメリカ外交政策トップとしてのクリントン任期中の全てが問題なく、合法だという形を描き出すため、電子メール騒ぎに加わっていた。不幸にして、2009年クリントンが国務長官就任宣誓し、2013年に、大統領選挙戦を開始して以来の電子メールが公表され、クリントン・チーム丸ごと暴露されてしまったのだ。 電子メールによって描き出された光景は、現代のギャングが、公職とされるものから、できる限りのあらゆるものを搾り取って儲けている姿だ。 FBIのニューヨーク出張所も、クリントンの他のお仲間とテネオの取り引きを捜査している可能性が高い。クリントン支持者、元ニュージャージー州民主党知事ジョン・コーザインによる重大な詐欺のかどで告訴される中、コーザインのMFグローバル・インベストメント社が崩壊しつつあった際に助言したのは、テネオだった。クリントンは、オバマ大統領と、彼女の個人サーバー経由で通信しており、オバマが偽名を使っていたことも知られている。クリントンのサーバーの存在を、マスコミ報道で初めて知ったと言った際、オバマは、アメリカ人にウソをついたのだ。オバマが、ウィーナーのラップトップ中の更なるやりとり発見に基づくクリントン電子メール捜査再開で、ジェームズ・コミーFBI長官を非難するのを拒否したのも、全く不思議ではない。“彼らが知っていたこと、そして、いつそれを知ったか”に関するウソ・スキャンダルの深みにはまった大統領は、リチャード・ニクソン政権を潰し、ロナルド・レーガンと、ビル・クリントンもすんでのところで大統領の座を失うところだった. オバマが、今やクリントンに対する津波のように高まりつつあるFBIの多数の刑事事件に干渉しないのは賢明だ。 多くのクリントン スキャンダルは、アメリカ法に違反して、アメリカ製や、外国製の兵器を、リビアとシリア国内の聖戦反政府派に対して違法に輸出したことにもからんでいる。クリントンとアベディンが、両国内の聖戦反乱を監督していた間、アメリカは、両方の内戦戦域に向けた国連武器禁輸を課することになっていた。2016年10月5日の、国務省が承認した、アリゾナ州のトゥリ・ディフェンス・グループと、そのオーナー、マーク・トゥリが、アメリカ法に違反して、無登録の兵器をリビア反政府派に輸出し、その一部が、ベンガジのCIA支局によって、シリアの反政府派に送られたことに対する全ての告訴を取り下げるという司法省による突然の決定は、ロレッタ・リンチ司法長官が、トゥリ事件を11月8日の選挙前に、消したがっていたことを示唆している。 トゥリと彼の会社に対する連邦裁判は、11月8日に開始予定だった。トゥリの起訴は、アリゾナ州都フェニックスの合衆国地方裁判所で行われた。フェニックスのスカイハーバー国際空港は、2016年6月27日、ビル・クリントンとリンチ司法長官とのf緊急の極めていかがわしい滑走路上での打ち合わせの現場だ。トゥリは、リビアへ、更にそこからシリアへの秘密の兵器輸出は、クリントンによって個人的に承認され、CIAの許可も得ていたと主張している。クリントンが、聖戦テロリストに対する違法な兵器輸出を承認したという何か新たな電子メールや他の証拠があれば、FBIは、ヒラリーとビル・クリントンと、リンチにも捜査を広げることが必要になっていたろう。ヒラリーは、リビアとシリアの好戦的な連中への兵器輸出を承認して、連邦法に違反している可能性がある。夫クリントンは、司法長官に話して、司法妨害をした可能性がある。また、リンチは、アメリカ最高位の法執行官としての彼女の地位を、犯罪的陰謀を助長し、司法妨害をするのに悪用して、就任宣誓に違反している可能性がある。 クリントン・スキャンダルは、多くの点で、ウォーターゲートというよりも、イラン-コントラ事件に良く似ている。ウォーターゲートでは、ニクソンと、彼の取り巻きによる隠蔽は、多くの点で、大本の犯罪より悪質だった。イラン-コントラでは、事件全体の上で、当時の副大統領ジョージ・H. W. ブッシュが果たした犯罪的役割を含め、兵器と麻薬密輸犯罪は、隠蔽と同等だった。アメリカ兵器をテロリストに輸出し、サウジアラビアや、モロッコやカタールの怪しい政権による外国からの資金寄付を受け入れているクリントンの“E-メール・ゲート”は、ヒラリー・クリントンと夫の取り巻き連中による隠蔽同様、全て、酷いものなのは明らかだ。 もし、こうした多くの問題を、FBIと、ワシントン、ニューヨーク、リトルロック、ロサンゼルス、マイアミ、そしておそらくフェニックスの捜査官が、今調べているのであれば、FBI長官には、議会と有権者に知らせるあらゆる権利と、憲法上の責任がある。そして、コミーFBI長官には、彼と職員が連中に、現在、クリントンと彼女の支持者が要求している証拠、一体どういう情報を持っているのかをクリントンと彼女の徒党に内通しないあらゆる権利がある。彼女が11月8日に大統領に選ばれるようなことになれば、この証拠はアメリカ大統領の座からクリントンを追い出す弾劾の材料になるかも知れない。 http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2016/11/post-5353.html ▲△▽▼ ヒラリーは逃げ切ったのか? コーミーFBI長官“名演技”の裏で加速する疑惑 2016年11月7日 http://www.mag2.com/p/money/26132
コーミーFBI長官の名演技が終了し、私用メール問題の捜査は打ち切りに。もうヒラリー大統領で決まりでしょうが、そんな中でもクリントン帝国には新たな疑惑が浮上しています。(『いつも感謝している高年の独り言(有料版)』) クリントン新政権は、次々に噴出する疑惑を払拭できるのか? FBI、ヒラリー候補を訴追せず コーミーFBI長官の「名演技」は無事終了し、私用メール問題の捜査は打ち切りのようです(訴追せず)。オバマ大統領の指示、CIAからの圧力など、それはそれはいろいろあったはず。これで無事、ヒラリー大統領の誕生となるでしょう。 しかし、そのような中でも、クリントン帝国の各種雑多な腐敗は浮上しています。ウィキリークス(WikiLeaks)のおかげで、闇の世界が見えるのです。 ヒラリーの娘チェルシー・クリントンの結婚式費用は、エイズ撲滅のための献金や、ハイチ大地震復興献金等の名目で集金した、クリントン財団の資金から支出されていたとの暴露メールです。 ウィキリークスによる暴露メールのポイント メールの発信者はダグ・バンド(Doug Band)氏、ビル・クリントン大統領の一番の側近です。彼がいなければ、クリントン帝国は存在しえなかったでしょう。彼は資金集めのプロですが、ヒラリーの娘との暗闘で追い出されたようです。 メールの受信者はお馴染みのジョン・ポデスタ(John Podesta)元大統領首席補佐官、現在はヒラリーの選対本部長です。 From:doug@presidentclinton.com ※ダグ・バンド氏 To: john.podesta@gmail.com ※ジョン・ポデスタ氏 CC: terry@tdmca.com, cheryl.mills@gmail.com Date: 2012-01-04 21:45 Subject: Re:
チェルシーが調べているのは、財団の資金のキャンペーン(?)の流れ。 チェルシーの結婚式に財団の基金が使われたこと。 これまでの彼女の何十年もの間の生活資金に、財団の基金が使われたこと。 両親からもらった金にかかった税金の支払いに財団の基金が使われたこと。 あなたからチェルシーに言って、調査をしたり外部の人間に喋るのを止めさせてほしい。 —– Original Message —– From: John Podesta [mailto:john.podesta@gmail.com] ※ジョン・ポデスタ氏 Sent: Wednesday, January 04, 2012 05:00 PM To: Doug Band ※ダグ・バンド氏 Cc: terry@tdmca.com ; cheryl.mills@gmail.com Subject: Re: もっと詳しく教えて欲しい。 On Wed, Jan 4, 2012 at 4:43 PM, Doug Band wrote: ※ダグ・バンド氏 > ビル・クリントンの親友が電話してきて、チェルシーがブッシュ大統領の娘に、財団の資金の内部調査を始めたと言ったそうだ。 > それでブッシュの娘が誰かにそれを伝えて、そこから共和党の“(民主党?)諜報員”に話した。 > 最近、チェルシーは第一側近のBari Lurieと内部事情を外部の人間にいろいろ喋っているようで、それはまずい。 娘チェルシー、財団の金でヘッジファンド立ち上げ
ヒラリーの娘チェルシーは、クリントン財団の資金の流れ、特に金庫番であるダグ・バンド氏の動きを調査していたようです。娘チェルシーは、生物学的父ビル・クリントンの右腕で金庫番のダグ・バンド氏と暗闘し、彼を追い出します。 チェルシーはこれで財団資金の利用方法を理解したようです。その後、彼女はその資金で、ゴールドマン・サックス出身の夫マーク・メビンスキー(Marc Mezvinsky)のヘッジファンドを立ち上げたという話です(ただしこれはいまだ噂レベルで、確たる証拠待ちです)。 そのヘッジファンドの名前は「Eaglevale Hellenic Opportunity Fund」、ギリシャ崩壊を投資チャンスと捉えての賭博ファンドであり、もちろん寄付をした人々には無断です。そして当然のごとく、このギリシャ経済崩壊ファンドは9割ほどの損失を出して解散し、大失敗したようです(※2016年5月12日の報道) ジョン・ポデスタ選対本部長の主張 さて、話題の中心のジョン・ポデスタ(ヒラリー選対本部長)はNBC TVに登場し、「FBI長官は間違いをしただけで辞任する必要はないが、FBI内部からの情報漏洩は許されるべきでなく、そいつらを黙らせるべきだ」と語っています。2016/11/06 に公開の最新動画です。 どうもこの選対本部長は、FBI長官よりも偉そうな感じです。ということで、ヒラリー大統領誕生となるのではないでしょうか? 私は今回の選挙を「怪物vs.大魔女」と表現しましたが、ある米国民の若い女性がテレビで「2人の悪魔から選べと言われてもねぇ」と語っていたのが印象的でした。 ▲△▽▼
アメリカが2011年にリビアを攻撃した際、リビアは143トンの金を保有していたと言われている。WikiLeaksが公表したシドニー・ブルメンソールからヒラリー・クリントンに宛てた電子メールによると、アメリカがリビアを攻撃した理由は、その金143トンと石油利権だったことを暗示している。 伝えられるところによると、バラク・オバマ大統領にリビア攻撃を強く迫ったのは3人の女性、つまり国務長官だったヒラリー・クリントン、そしてサマンサ・パワーとスーザン・ライスだ。クリントンはカダフィが惨殺されたことを知らされ、「来た、見た、死んだ」と口にして喜んでいる。
アメリカがAFRICOMを創設する前年、2006年3/4月号のフォーリン・アフェアーズ誌の2006年3/4月号は、キール・リーバーとダリル・プレスの論文を掲載した。その中でふたりはロシアと中国の長距離核兵器をアメリカの先制第1撃で破壊できると主張している。この雑誌は外交問題評議会が発行、アメリカ支配層の意思を何らかの形で反映していると言える。 また、2007年3月5日付けのニューヨーカー誌に掲載されたシーモア・ハーシュの記事によると、アメリカ、イスラエル、サウジアラビアの3カ国が秘密工作を開始、そのターゲットはシリア、イラン、そしてレバノンのヒズボラだとしている。 ウェズリー・クラーク元欧州連合軍最高司令官によると、1991年に国防次官を務めていたポール・ウォルフォウィッツはイラク、シリア、イランを殲滅すると語り、2001年9月11日に世界貿易センターと国防総省本部庁舎(ペンタゴン)が攻撃されて10日後には統合参謀本部でイラク、シリア、レバノン、リビア、ソマリア、スーダン、そしてイランを先制攻撃する計画ができていると聞いている。この計画を作成したのはドナルド/ラムズフェルド国防長官の周辺だ。 イラクはアメリカ軍主導の連合軍による先制攻撃で破壊、シリア、イラン、レバノンに取りかかっていたということだろうが、同じ頃、アメリカはエチオピア軍にソマリアを侵略させている。2011年にはリビアとシリアを傭兵(アル・カイダ系武装集団)に侵略させている。 スーダンでは内戦が1983年から2005年まで続き、11年に南部が独立している。この戦乱は石油が原因だった。1974年にアメリカの巨大石油会社シェブロンがスーダンで油田を発見したのだ。1990年代の終盤になるとスーダンでは自国の石油企業が成長してアメリカの石油企業は利権を失っていき、中国やインドなど新たな国々が影響力を強めていった。 南部ではSPLM(スーダン人民解放軍)が反政府活動を開始するが、SPLMを率いていたジョン・ガラングはアメリカのジョージア州にあるフォート・ベニングで訓練を受けた人物。結局、南部は独立に成功した。国境の周辺に油田があるのは必然だ。 スーダン西部にあるダルフールでも資源をめぐる戦闘が2003年から激化した。当初、欧米の国々は南スーダンの石油利権に集中、ダルフールの殺戮を無視していたが、ネオコンはダルフールへ積極的に介入した。その資源に目をつけた隣国チャドの政府が反スーダン政府のJEM(正義と平等運動)へ武器を供給したことも戦闘を激化させる一因。チャドの背後にはイスラエルが存在していると生前、リビアのムアンマル・アル・カダフィは主張していた。 http://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201611070000/ ▲△▽▼
2016.11.09 誰が次期大統領になっても米国の破綻は避けられないが、ヒラリーは軍事力で解決しようとする 次期大統領が誰に決まろうと、アメリカという国が破綻しつつある事実に向き合わなければならない。有力メディアを使って「景気回復」の幻影を広めても現実が人びとを目覚めさせる。まだ目覚めつつある段階だが、それでも支配層の代理人、ヒラリー・クリントンを拒否する人が増えている。巨大資本に全てを捧げ、ロシアと核戦争するのは御免だということだ。 ネオコン/シオニスト、巨大金融機関、戦争ビジネスなどに支えられたクリントンが支配層の内部で次期大統領に内定したのは遅くとも昨年5月から6月にかけての時期だと見られている。民主党の幹部たちは5月26日の時点でヒラリー・クリントンを候補者にすると決めていたことを示唆する電子メールが存在、7月22日にWikiLeaksが明らかにした電子メールでも民主党の幹部へサンダースが同党の大統領候補になることを妨害するよう求めるものがあった。(例えばココ)また、6月11日から14日にかけてオーストリアでビルダーバーグ・グループの会合が開かれているのだが、そこにヒラリー・クリントンの旧友、ジム・メッシナが参加していたのだ。 ビルダーバーグ・グループは欧米支配層の利害調整機関と位置づけられ、その第1回総会は1954年にオランダのビルダーバーグ・ホテルで開かれている。その上部機関と見られている組織がACUE(ヨーロッパ連合に関するアメリカ委員会)。ヨーロッパの統合が目的だった。勿論、統合されたヨーロッパを支配するのは米英の支配層だ。 ウォール街の弁護士でアメリカの情報機関を動かしていたウィリアム・ドノバンやアレン・ダレス、あるいはドイツが降伏した直後、米英両軍と降伏したドイツ軍でソ連を奇襲攻撃しようとしたイギリスの大物政治家ウィンストン・チャーチルが委員として名を連ねていた。(Lobster, Winter 2009/10) ポーランド生まれでイギリスの対外情報機関MI6のエージェントになったユセフ・レッティンゲル、あるいはフランスの首相を務めたロベール・シューマン、ベルギーの首相を務めたポールヘンリー・スパークなどを中心とするヨーロッパ統一運動が存在していたのだが、その活動資金の半分以上はACUEから出ていた。ACUEの資金源はロックフェラー財団やフォード財団。レッティンゲルはビルダーバーグ・グループをオランダ女王の夫であるベルンハルト殿下と一緒に創設した人物である。 レッティンゲルは第2次世界大戦の前からヨーロッパをイエズス会の指導の下で統一しようと活動、大戦中はロンドンへ亡命していたポーランドのウラジスラフ・シコルスキー将軍の側近だった。シコルスキーはコミュニズムが嫌いで、英国政府の支援の下、亡命政府を名乗っていた。当時、ポーランド軍の大多数の将校が忠誠を誓っていた人物がこのシコルスキーで、ナチスよりもコミュニストを敵視していた。(Christopher Simpson, “The Splendid Blond Beast”, Common Courage Press, 1995) ヒラリー・クリントンの好戦的で残虐な性格が広く知られるようになった映像がある。CBSのインタビュー中、リビアのムアンマル・アル・カダフィが殺されたと知らされると「来た、見た、死んだ」と口にして喜んでいるのだ。カダフィ惨殺は彼女の予定表に書き込まれていたのだろう。 ヒラリーの夫、ビル・クリントンがアメリカ大統領に就任したのは1993年のこと。すでに有力メディアがスキャンダル攻勢を始めていたが、その背後ではリチャード・メロン・スケイフという富豪が資金を出していた「アーカンソー・プロジェクト」が存在していた。この富豪はネオコンや情報機関と関係が深く、1993年から97年までに240万ドルをその反クリントン・キャンペーンに提供していた。 1993年9月には米英の有力者がボスニアへの軍事介入を求める公開書簡をウォール・ストリート・ジャーナル紙に掲載している。そこに署名した人物にはマーガレット・サッチャー元英首相、アメリカからはジョージ・シュルツ元国務長官、フランク・カールッチ元国防長官、ズビグネフ・ブレジンスキー元国家安全保障問題担当大統領補佐官、ポール・ニッツェ、ジョージ・ソロス、ジーン・カークパトリック、アルバート・ウールステッター、ポール・ウォルフォウィッツ、リチャード・パールたちが含まれていた。(Wall Street Journal, September 2, 1993) 大統領に就任した当初、クリントンは戦争に消極的だったが、有力メディアは違った。例えば、1992年8月にボスニアで16歳の女性が3名のセルビア兵にレイプされたとニューズデーのロイ・ガットマンは伝えている。後に別のジャーナリスト、アレクサンドラ・スティグルマイアーやマーティン・レットマイアーらがガットマンの記事が正しくないことを確認しているが、メディアが好んだのはガットマンのような記事。 その当時、ガットマンはドイツのボン支局長。バルカンに常駐しているわけではない。そのガットマンが頼っていた情報源のひとりがヤドランカ・シゲリなのだが、この人物はクロアチアの与党HDZ(クロアチア民主団)の副党首を務めていた。しかもクロアチアの亡命者が創設したプロパガンダ組織CIC(クロアチア情報センター)のザグレブ事務所の責任者でもあった。 このCICがレイプ情報の発信源。CICはIGfM(国際人権協会)と緊密な関係にあり、1996年には「人権擁護団体」のHRWがシゲリを主役にしたドキュメント映画を発表、レイプ報道で脚光を浴びたガットマンはピューリッツァー賞を贈られた。この当時から「人権」は侵略、殺戮、破壊の口実に使われている。「大東亜共栄圏」の建設を口実にして東アジアを侵略した日本と同じことをしている。なお、ICRC(赤十字国際委員会)の認識によると、戦争で全ての勢力が『不適切な行為』を行ったが、セルビア人による組織的なレイプが行われた証拠はないという。(Diana Johnstone, "Fools' Crusade," Monthly Review Press, 2002) 人権を守るために軍事介入するべきだという雰囲気を作ろうとしたのだろうが、ビル・クリントン政権は動きが鈍かった。そうした流れが変わったのは1997年1月にマデリーン・オルブライトが国務長官に就任してから。この女性はズビグネフ・ブレジンスキーの教え子で、ヒラリーと親しい。国務長官の交代はヒラリーが求めたと言われている。 1998年初頭には新たな女性スキャンダルが浮上する。インターンとしてホワイトハウスで働いていたモニカ・ルウィンスキーとの関係だ。その年の秋になるとオルブライトがセルビア空爆への支持を表明、セルビアのスロボダン・ミロシェビッチ大統領は空爆を避けるため、コソボからの撤退を10月に発表する。 しかし、これで平和は訪れなかった。決して親セルビアとは言えないヘンリー・キッシンジャーでさえ1998年10月から99年2月までの期間における停戦違反の80%はアメリカを後ろ盾とするKLA(コソボ解放軍、UCKとも表記)だとしている(David N. Gibbs, “First Do No Harm”, Vanderbilt University Press, 2009)が、そうした事実を無視してアメリカはNATOに空爆させる。1993年3月のことだ。 ビル・クリントン政権にはヒラリー人脈に属す人物がオルブライトのほかにもいた。ネオコンのビクトリア・ヌランド(国務副長官の首席補佐官)だ。後にウクライナでネオ・ナチを使ってクーデターを行っている。ヒラリーの側近中の側近と言われているフーマ・アベディンがヒラリーと結びついたのもこの時期。1996年、ジョージ・ワシントン大学の学生だった時にインターンとしてホワイトハウスに入っている。このアベディンからムスリム同胞団、ワッハーブ派/サラフ主義者、アル・カイダ人脈などにつながる。 支配システムの中でヒラリー・クリントンは重要な歯車だと言えるだろうが、支配層にとって危険な存在だとも言える。とりあえず司法省/FBIは沈黙させたが、情報機関や軍の内部にもヒラリーを「裏切り者」だと考えている人は存在する。「友好国」のサウジアラビアは財政赤字で不安定化、トルコはクーデター未遂でロシアに接近する姿勢を見せている。ドルが基軸通貨の地位から陥落しつつあるという大問題も表面化してくるだろう。 日本の支配層が頼ってきたアメリカのボスは危機的な状況の中にいる。 http://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201611090000/ ▲△▽▼
2016年11月7日 米大統領選とは何か 増田俊男
私は「時事直言」(10月21日)で「アメリカの大統領は時代を決める者が決める」と述べ、オバマ大統領が何故選ばれたかについても説明した。 「小冊子」(Vol.83)で「誰がアメリカのオーナーなのか」を合衆国憲法に基づいて行政責任を負う政府と、通貨の自由裁量権を持ち、政府に貸し付け、金利、雇用、物価を調整して経済と市場をコントロールするFRB(連邦準備理事会)との主従関係を明確に説明することで、誰が何のためにアメリカを動かしているかを解説した。 「小冊子」(Vol.83)の「はじめに」を読めばアメリカのオーナーはFRBのオーナーであることが分かる。 さて今回の米大統領選であるが、クリントンとトランプの争いは川面の笹舟の戦いで、勝ち負けは水底のうねりがどちらを沈めるかで決まる。 The Deep Stateとはアメリカ議会、ペンタゴン(国防総省)、CIA(中央情報局)、軍需産業の総合体のことでアメリカを動かす主流のこと。 2008年から今日までアメリカ支配してきたのはユダヤ資本左派で、今や金融も財政も行き詰まったので今後はユダヤ資本右派による支配が望ましい。 しかし左派はまだ右派に譲りたくないので右派と争っているのである。 クリントンは左派、トランプは右派の代理人で、大統領選はイスラエル左派と右派の代理戦争である。 三回のCNNの討論会(ディべート)を見てもわかる通り司会者はトランプが有利になると遮ったり、妨害したりクリントンを有利に誘導してきた。 トランプがディベートもメディア報道も八百長だと言うのは無理もない話だ。 The Deep Stateは一貫してクリントンを支持してきた。 ところが終盤になってメディア王マドックがトランプ支持を表明、傘下のFOX-TVやニューヨークタイムズが、クリントン財団がFBI長官の奥さんに(間接的:テネシー州知事を通して)20万ドル渡した事実や同財団とサウジアラビアとカタールとの金銭のやり取りがIS支援のためであったことなど暴露、このままだとニクソン大統領のウォーターゲート事件どころではなくなりそうである。 CIAやペンタゴンのインサイダーのMr. Jim Rickardsは、「クリントンがアメリカ人の命を金で売ったようなスキャンダルがある」と言っていたが、やがて明るみになるだろう。 Jim曰く、The Deep Stateはトランプに鞍替えしたと言う。 クリントンはたとえ今回の大統領選で勝利しても、各州の選挙人が投票する12月20日までに国家反逆罪容疑、モンサント(農薬等ケミカル会社)の遺伝子組替に関する情報隠蔽事件関与など殺人ほう助罪疑惑など追及されるとクリントンが勝った州の選挙人の多くがトランプに投票することになり2017年1月20日の米大統領の椅子はトランプになる可能性もある。 「小冊子」(Vol.83)を読めば何故12月にNY市場が暴落しなくてはならないのかよくわかるはずだが、クリントンに対する致命的なスキャンダルとNY暴落でクリントンが勝った州はことごとく負けの州になるだろう。 奇跡は創るもの! http://www.chokugen.com/opinion/backnumber/h28/jiji161107_1117.html ▲△▽▼ アサンジ: クリントンは、ゴールドマン・サックスとサウジアラビアの歯車 (ジョン・ピルガー独占ビデオと書き起こし) http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2016/11/post-f018.html
公開日時: 2016年11月5日 05:59
オーストラリア人ジャーナリストでドキュメンタリー制作者ジョン・ピルガー(左)とウィキリークス創設者で編集長のジュリアン・アサンジ、 ロイター / ダートマス・フィルムズ
ダートマス・フィルムズによるジョン・ピルガー・スペシャルで、内部告発者ジュリアン・アサンジが、これまでで最も刺激的なインタビューの一つを行い、そこで、ウィキリークスが今年公表した何万通ものクリントン電子メールから一体何が引き出せるか、彼が要約した。 もうひとりの移住オーストラリ人ジョン・ピルガーが、アサンジがアメリカへの引き渡しをおそれ、2012年以来、閉じこもっているエクアドル大使館で25分のインタビューを行った。先月、アサンジは、彼のウェブサイトの仕事によるアメリカ大統領選挙への“干渉”のかどで、インターネット接続を絶たれた。 ‘クリントンがFBIを弱く見せたために、FBIは怒っている’ ジョン・ピルガー: アメリカ大統領選挙運動の終盤での、ヒラリー・クリントンを相手取った事件で、FBIが介入しているのは一体どのような意味があるのでしょう? ジュリアン・アサンジ: FBIの歴史を見ると、事実上、アメリカ政治警察です。FBIは、機密情報を愛人に話したことを巡って、前のCIA長官 [デービッド・ペトレイアス大将]を首にして、これを見せつけました。手が出せない人は、ほぼ皆無なのです。FBIは常に、誰も我々には抵抗できないということを実証しようとしています。しかしヒラリー・クリントンは、FBIの捜査に、実にこれ見よがしに抵抗して、FBIが弱く見えてしまうので、FBI内部では怒っています。国務長官在任中の約33,000通のクリントン電子メールを我々は公表しました。これは、60,000通以上の電子メールからのもので、クリントン自身が持っていたもののおよそ半分 - 30,000通で、我々は約半分を公開しました。 そして、我々が公表してきたポデスタ電子メールがあります。[ジョン]ポデスタはヒラリー・クリントンの予備選の選対本部長なので、こうした全ての電子メールを一貫した特徴があります。連中が「会いたいなら、金を払え」と呼んでいる、金と引き換えに、国家や個人や企業にアクセスを与える取り引きが非常に多く行われています。[これらの電子メールは]は、FBIに対する圧力が増大する環境をもたらしている、国務長官在任中のヒラリー・クリントン電子メールの隠蔽とからんでいます。 ‘ロシア政府は、クリントン漏洩の情報源ではない’ JP: クリントン選挙運動は、ロシアが、こうしたことすべての黒幕で、ロシアが選挙運動を操作していて、ウィキリークスと、その 電子メールの情報源だと言っています。 JA: クリントン陣営は、そうした類の新マッカーシー風のヒステリーを描き出すことができます。何でもロシアが悪いのです。ヒラリー・クリントンは何度も、17のアメリカ諜報機関が、ロシアが我々の発表の情報源だと判定したと偽って述べています。それはウソです。ロシア政府は情報源ではないと言えます。 更に読む: アサンジ: ウィキリークスは、クリントン電子メールをロシア政府からもらっていない(JOHN PILGER EXCLUSIVE) ウィキリークスは、十年間、情報を公表してきました。十年間に、我々は一千万の文書、数千の個別文書、数千の様々な情報源を公開していますが、決して間違っていません。 ‘サウジアラビア & カタールが、ISISと、クリントンに資金提供’ JP: 金の入手と、ヒラリー・クリントン自身が、これで、どれだけ恩恵をうけたのか、また彼女が政治的に恩恵を受けたのか証拠を示している電子メールは、実に驚くべきものです。カタール代表が、百万ドルの小切手を渡して、ビル・クリントンとの5分間会見の機会を与えられたことを言っているのですが。 更に読む アサンジ: クリントンと、ISISは、同じ金蔓から資金を提供されている。トランプは勝利するのを許されない(JOHN PILGER EXCLUSIVE) JA: そして、モロッコから1200万ドル … JP: モロッコからは、1200万ドルですね。 AJ: ヒラリー・クリントンがパーティに参加するために。 JP: アメリカ合州国の外交政策ということでは、ヒラリー・クリントンと、中東における聖戦主義、ISIL創設との直接のつながりを示している、電子メールの暴露が圧倒的ですね。ISIL聖戦士と戦っているはずの連中と、実際には聖戦戦士を作り出した連中とのつながりを実証する電子メールについてお話しいただけますか。 JA: 彼女が国務省から退任して間もない、2014年始めのヒラリー・クリントンから選対本部長ジョン・ポデスタ宛ての電子メールで、ISILは、サウジアラビアとカタール政府が設立したと言っているものがあります。現在、これは全てのメールの中で最も重要な電子メールです、おそらく、サウジアラビアとカタールの金が、クリントン財団全体にばらまかれているので。アメリカ政府さえもが、一部のサウジアラビア人が、ISIL、あるいはISISを支援してきたことに同意しています。しかし、言い訳は常に、それは、何であれ連中の好きなことをするために、オイル・マネーの分け前を使っているならず者の王子連中にすぎず、実際には政府は同意していないというものです。 ところが、その電子メールは、そうではなく、ISISに資金提供してきたのは、サウジアラビアとカタール政府だと言っているのです。 JP: サウジアラビア、カタール、モロッコ、バーレン、特に、サウジアラビアとカタール、ヒラリー・クリントンが国務長官在任中、クリントン財団に、この金を渡していて、国務省は、特にサウジアラビアへの膨大な兵器輸出を承認しているのです。 JA: ヒラリー・クリントンの下で、800億ドル以上の世界最大の武器取り引きが、サウジアラビアとの間で行われました。実際、彼女の国務長官任期中に、ドル価値での、アメリカ合州国からの武器輸出総計は倍増しました。 JP: もちろんその結果、ISIlあるいはISISと呼ばれる悪名高いテロ集団が、大半はクリントン財団に金を渡しているのと全く同じ連中からの金で作り出されているのです。 JA: はい。 JP:それは驚くべきことです。 ‘クリントンは、その野望ゆえに、彼女は生きながらにして食べられるような苦しみを味わっている’ JA: 私は実際、彼女はその野望ゆえに、生きながらにして食べられるような苦しみを味わっている人に見えるので、ヒラリー・クリントンを人間として、非常に気の毒に思います。文字通りl病気になるほど苦しんでいるのです。自分の野望の結果[反応]として気絶するのです。彼女は、人々のネットワークと、特定国とのつながりネットワーク代表なのです。問題は、ヒラリー・クリントンが、この広範なネットワーク中で、どのような位置を占めているのかです。彼女は中央の歯車なのです。巨大銀行ゴールドマン・サックスや、ウオール街の主要企業、諜報機関や国務省の連中やサウジアラビアに至るまで、実に多くのギアが動いているのです。 更に読む ホワイト・ハウス ウィキリークス 電子メールは、シティグループが、オバマ政権の内閣組閣上での主要な役割を演じたことを示している。 彼女は、こうした様々な全ての歯車を相互に結びつけている中心歯車なのです。彼女は全ての中心的代表で、‘全ての’というのは、事実上、現在アメリカ合州国で権力を握っている連中です。我々が、支配体制、DCコンセンサスと呼んでいるものです。我々が公表した、より重要なポデスタ電子メールの一通は、オバマの閣僚がいかにして形成されたか、オバマ閣僚の半数が、いかに、基本的にシティバンクの代表者によって指名されているかを示しています。これは驚くべきことです。 JP: シティバンクはリストを提供しなかったのですか? JA: 提供しました。 JP: … それが、結局、オバマ閣僚の大半になったと? JA: そうです。 JP: すると、ウオール街がアメリカ大統領の閣僚を決定しているのですか? JA: もし当時のオバマ選挙運動を詳しく追ってゆくと、金融権益に非常に近いことがわかります。 JA: サウジアラビアを理解することなしに、ヒラリー・クリントンの外交政策を正しく理解することは出来ないと思います。サウジアラビアとのつながりは、実に密接です。 ‘リビアはヒラリー・クリントンの戦争’ JP:彼女は一体なぜ、リビアの破壊にこれほど熱心だったのですか? 電子メールで一体何がわかるか- そこで何が起きたのか、少しお話し願えますか? というのは、リビアは、今のシリアにおける余りに多くの破壊行為の大変な源なのですから。ISILや聖戦主義など。あれは、ほとんどヒラリー・クリントンの侵略でした。電子メールで、あれについて何がわかりますか? 更に読む ‘全く違った種類の戦争’: ベンガジ委員会漏洩に対するクリントン・チーム#PodestaEmails JA: リビア、誰の戦争というよりも、ヒラリー・クリントンの戦争でした。バラク・オバマは当初、反対しました。一体誰がこれを主張したでしょう? ヒラリー・クリントンです。彼女の電子メールに証拠として残っています。彼女はお気に入りの代理人、シドニー・ブルーメンソールをこれに当てました。我々が公表した33000通のヒラリー・クリントン電子メールの中には、リビアに関する1700通以上の電子メールがあります。リビアに安価な石油があったからではないのです。カダフィ排除と、リビア国家の打倒 -- 大統領本選挙への準備に利用したいものだと、彼女は感じていたのです。 2011年末に、ヒラリー・クリントンのために作成された「リビアのチクタク」と呼ばれる内部文書があり、それは、リビア国内で約40,000人の死者をもたらし、聖戦士が入り込み、ISISが入り込み、ヨーロッパの難民・移民危機を招いたリビア国家の破壊で、彼女がいかに中心人物であるかという時系列的説明になっています。 人々はリビアからだけ逃げているわけではなく、人々はシリアからも、武器流入の結果、不安定化した他のアフリカの国々からも逃れていますが、リビア国家自身、もはや地中海を経由する人々の動きを制御できません。リビアは地中海に面していて、事実上、アフリカという瓶のコルクだったのです。そこであらゆる問題、経済問題やアフリカでの内戦で -- それまでは、リビアが地中海を警備していたので、そうした問題から逃れる人々が、ヨーロッパに最後に辿り着くことはありませんでした。2011年始めに、カダフィがはっきりと発言していました。:‘リビア国家を爆撃し、破壊しようとして自分たちは一体何をやっているとこのヨーロッパ人連中は考えているのだろう? アフリカから移民と聖戦士がヨーロッパに殺到するようになるぞ。そしてまさにその通りのことが起きています。 ‘トランプは勝利することを許されないだろう’ JP: ‘ウィキリークスは一体何をやっているのだ? 彼らはトランプをホワイト・ハウスに送り込もうとしているのだろうか?’と文句を言う人々もいますね。 更に読む アサンジ、コミー & クリントン: アサンジ・トワイライト・ゾーン(E354) JA: トランプは勝利することを許されないだろうというのが私の答えです。私がそう言う理由ですか? ありとあらゆる支配体制を、彼から離していますから。トランプを支持している支配体制はありません。あるいは、もし彼らを体制派と呼べるなら、福音主義派を例外として。しかし銀行、諜報機関、兵器会社... 巨大な外国の金 … 全てヒラリー・クリントン支持で団結しています。マスコミも、マスコミのオーナーも、そして、ジャーナリスト連中さえも。 JP: ウィキリークスは、ロシアと組んでいるという非難があります。‘ウィキリークスは、一体なぜ、ロシアに関する電子メールを調べて、公表しないのだ?’という人々もいます。 JA: 我々はロシアに関連する約800,000の様々な種類の文書を公表しています。その大半は、ロシアに批判的です。ロシアに関する我々が公表したものを元に非常に多くの本が出版されていますが、その大半は批判的です。我々の[ロシア]文書は、かなり多くの裁判でも利用されています。ロシア国内のある種の政治的迫害とされるものから逃れていると主張する人々の難民裁判で、彼らは我々の文書を裏付けに利用しています。 JP: アメリカ大統領選挙をどのようにご覧になっていますか? クリントンと、トランプ、どちらがお好みでしょう? JA: ドナルド・トランプ[について話しましょう]。 アメリカ人の心、ヨーロッパ人の心の一体何を、彼は代表しているのでしょう? 彼は[ヒラリー・クリントンがそう呼んだ]‘惨めで、救済しがたい’アメリカの下層白人を代表しているのです。体制側、あるいは教育のある国際的な洗練された視点からすれば、こうした人々は教養の低い白人のようなもので、誰も連中とは付き合えません。彼は実にはっきりと -- 彼の言葉と行動で、彼の集会に参加する人々のタイプ -- 中流ではない、上流中流の教育のある階級ではない人々を代表しているので、何らかの形で、彼らと関連しているように見られるのは社会的恐怖で、ヒラリー・クリントンに対するあらゆる批判を含めて、何らかの形でトランプを支援していると非難される下層階級という立場を皆恐れているのです。中流階級が、いかにしてその経済的、社会的な力を得ているかを見れば、とてもつじつまが合っています。 ‘アメリカは、私の難民状態を利用して、ウィキリークスを締めつけようとしている’ JP: ロンドンのこの大使館を避難所[政治亡命]として与えている小国エクアドルについて話したいと思います。今、エクアドルは我々がこのインタビューをしている大使館のインターネットを遮断しています。彼らがアメリカ選挙運動に干渉しているように見えることを懸念しているという実に明白な理由からです。なぜ彼らがそういう行動をしているのか、そして、あなたに対するエクアドルの支持をご自分ではどうお考えかお話しいただけますか? 更に読む ヒラリー支持の国務省が‘アサンジのインターネット遮断の黒幕’- ウィキリークス活動家、RTに語る JA: 四年前にさかのぼりましょう。アメリカ引き渡し問題があるので、この大使館で、エクアドルに亡命申請をしましたが、結果は、一カ月後、私の亡命申請が認められたのです。大使館はそれ以来、警官に包囲されています。極めて高額の警察活動で、イギリス政府は、1260万ポンド以上支出しているのを認めています。彼らはこれを一年前に認めました。今は私服警官がいて、様々なロボット監視カメラが設置されています -- ですから、ここロンドンのど真ん中で、人口1600万人の国エクアドルと、イギリスと、それを支持しているアメリカとの間で、極めて深刻な対立が続いています。ですから、エクアドルが行った申請受理は、勇敢で高潔な行動です。今、アメリカ大統領選挙[運動]が行われていますが、エクアドルの選挙は来年2月で、我々が公開している本当の情報の結果、ホワイト・ハウスは、政治的な論議の高まりを感じているわけです。 ウィキリークスは、エクアドルの管轄、この大使館、つまりエクアドル領から公開しているわけではありません。我々は、フランスで公開しています。我々はドイツで、オランダで、多数の他の国々で公開しています。私の難民状態を利用して、ウィキリークスを締め付けようとしています。これは、これは本当に耐えがたいことです。[つまり][連中は]出版社に嫌がらせをしようとしているのです。[彼らは]アメリカ人や、他の人々にとって、選挙に関して非常に重要なことについて、本当の情報を出版するのを防ごうとしているのです。 JP: もしこの大使館から出たら一体何がおきるでしょう。 JA: 即座にイギリス警察に逮捕され、即座にアメリカ合州国か、スウェーデンかのどちらかに引き渡されるでしょう。スウェーデンでは私は起訴されていません。私は既に[ストックホルム主任検事のEva・Finneによって]無罪になっています。我々は、スウェーデンで一体何が起きるか、良く分からなかったのですが、そこで、スウェーデン政府が、私をアメリカ合州国に引き渡しをしないと言うのを拒否していることがわかり、彼らが、少なくとも2000年以降、アメリカが要求した100パーセントの人々を引き渡してきたことを知りました。ですから、過去15年間、アメリカが、スウェーデンから引き渡しを受けようとした全ての人々が引き渡されているのに、彼らは[そういうことにはならないと]保証するのを拒否しているのです。 JP: ここで、あなたが一体どうやって孤独に対処しているのかと良く尋ねられます。 JA: 人間最善の属性の一つは、人は適応できるということです。人間最悪の属性の一つは、人は適応できるということです。人は適応して、虐待に耐え始めます。彼らは虐待に自ら関与していることに順応します。人は逆境に順応し、逆境が続くのです。ですから、私の状況は、率直に言って、私は施設に収容されたようなものです -- ここ[大使館] が世界なのです .. これが事実上、[私にとって]世界なのです。 JP: 日光のない世界ということがありますね? JA: 日光のない世界ですが、私は実に長く日光を見ていません。日光を忘れました。 JP: はい。 JA: そうなのです。人は順応するのです。一つ本当にいらだつのは、私の幼い子供たちのことです -- 彼らも順応します。あの子たちは、父親がいないことに順応しています。これは大変な、あの子たちが要求もしていない、実に大変な適応です。 JP: お子さんが心配ですか? JA: はい。子供たちが心配です。あの子たちの母親も心配です。 ‘私は無罪なのに、恣意的に拘留状態なのです’ JP: ‘もう止めて、ドアの外に歩き出て、スウェーデンに引き渡されればいいではないか?’という人々もいます。 JA: 国連[国連の恣意的拘束に関する作業部会]がこの全体の状況を調べました。正式な、当事者主義訴訟で、彼らは18ヶ月費やしました。[ですからこれは]私と国連 対スウェーデンとイギリスの問題なのです。誰が正しいのでしょう? 国連は、私が違法に恣意的拘束にされており、自由を奪われていると結論を出しました。それが、イギリスとスウェーデンの法の中で、起きていること、[各国は]結論に従わねばなりません。これは違法な虐待です。国連が正式に要求しているのです。‘ここで一体何が起きているのか? これに対するあなたがたの法的説明は一体何か? [アサンジ]は、あなた方は彼の亡命を認めるべきだ’ [それで、こうしているのです] スウェーデンは正式に国連にこう返答しています。‘いや、我々は[国連の裁定を認める]つもりはない。それで、彼らが送還する権利を有効にしているのです。 この状況に関する言説が、欧米支配体制の言辞に合わないので、マスコミで全く公表されないのは、全く驚くべきことだと思います。そうです。欧米には、政治囚がいるのです。それが現実です。私だけではありません。他にも多数の人々がいるのです。欧米には政治囚がいるのです。もちろん、政治的理由で、投獄なり拘束されている人々を政治囚と呼ぶべきだということを受け入れる国はありません。中国では、そうした人々を政治囚とは呼びません。アゼルバイジャンでは、そうした人々を政治囚とは呼びません。アメリカ合州国、イギリスでもスウェーデンでも、そうした人々を政治囚とは呼びません。このような自己認識であるというのは、全く耐えがたいことです。 JA: 事件、スウェーデン事件がありますが、私はスウェーデンでは犯罪で起訴されてはいないのです。私は既に疑いが晴れていて、ストックホルム検事] 無罪であることが判明しています。女性本人が警察がでっちあげたと言っています。国連が正式に、全てが違法だと言っています。エクアドル国も捜査し、私は亡命を認められるべきだと認めたのです。それが事実ですが、言説は一体どうなっているでしょう? JP: ええ、違いますね。 JA: 言辞は偽りです。いつも私が犯罪で起訴されている振りをしています。既に疑念は晴れていることには決して触れません。女性本人が警察のでっち上げたと言っていることには決して触れないのです。 [言辞]は、国連が正式に、あらゆることが違法であると認めている[という真実]を避けようとしています。エクアドルが、正式な手順で正式な評価を行い、私がアメリカ合州国による迫害にさらされていることを認めたことは絶対に触れません。 ▲△▽▼ ヒラリー電子メール、ディナール金貨と、アラブの春 F. William Engdahl New Eastern Outlook 2016年3月17日
何万ページもの元アメリカ国務長官ヒラリー・クリントンの秘密電子メールの中に埋もれていたもので、今やアメリカ政府によって公表されているものの中に、クリントンと、彼女の内密の顧問シド・ブルーメンソールとの間の衝撃的な電子メールのやりとりがある。カダフィと、2011年、リビア支配者を打倒するためにアメリカが画策した介入に関するものだ。金と、世界準備通貨としてのアメリカ・ドルの未来にとって、可能性として、実存的脅威となりかねないものに関している。アフリカと、アラブ産油国向けの、カダフィの当時の金本位制ディナール計画に関するものだ。 2011年、リビアのカダフィを打倒するため、アメリカが画策した戦争の際頃、当時の国務長官ヒラリー・クリントンが使用していた違法な個人サーバーから最近機密解除された電子メールの二つの段落が、皮肉にも“保護する責任”と名付けられた、オバマ政権による対カダフィ戦争の背後にあったものの、しっかり隠された秘密の狙いを暴露している。 優柔不断で軟弱な大統領であるバラク・オバマは、リビア戦争のための大統領権限全てを、ヒラリー・クリントン国務長官に任せていた。早くから、秘密のムスリム同胞団を利用した、アラブにおける“政権転覆”支持者であるクリントンは、リビア戦争を正当化するため“保護する責任”(R2P)なる新たな奇怪な原則を援用し、彼女はそれを、素早く、NATOが率いる戦争に転換した。ジョージ・ソロスのオープン・ソサエティー財団ネットワークが推進したばかげた考え方であるR2P原則の下、クリントンは何の確認可能な証拠もなしに、カダフィは、ベンガジ地域の無辜のリビア民間人を爆撃していると主張した。 オバマ政権の幹部筋の発言を引用した、当時のニューヨーク・タイムズ報道によれば、ヒラリー・クリントンは、当時、国家安全保障会議の首席補佐官で、現在、オバマの国連大使であるサマンサ・パワーと、当時、オバマの国連大使で、現在、国家安全保障顧問のスーザン・ライスに支援されていた。この三人組が、オバマを、リビアのカダフィに対する軍事行動に追いやったのだ。パワーズと、ライスを従えたクリントンは、実に強力で、クリントンは、ロバート・ゲーツ国防長官、オバマの国家安全保障顧問トム・ドニロン、オバマの対テロ作戦のトップで、現在のCIA長官ジョン・ブレナンらの主張を、まんまと、覆すことに成功していた。 クリントン国務長官は、後に“アラブの春”と呼ばれるようになった、イラク占領後、2003年に、ブッシュ政権によって明らかにされた大中東プロジェクトの一環として、アラブ中東の至る所で、アメリカが資金提供した政権転覆の波を解き放つ陰謀にもどっぷり浸かっていた。2011年、アメリカ政府が、フリーダム・ハウスや全米民主主義基金などの“人権”NGOを、いつも通り、億万長者の投機家ジョージ・ソロスのオープン・ソサエティー財団や、アメリカ国務省やCIA工作員と共謀して利用する、アメリカによる“アラブの春”の最初の標的となった三国は、ベン・アリのチュニジア、ムバラクのエジプトと、カダフィのリビアだった。 アメリカ政府による、2011年“アラブの春”による特定中東国家の不安定化の時期と標的が、公表されたばかりの機密解除されたクリントンから、私的なリビア“顧問”で友人のシド・ブルーメンソール宛の電子メールとの関係で、今や新たな意味が浮かび上がっている。ブルーメンソールは 当時のビル・クリントン大統領を、モニカ・ルインスキーや他の性的スキャンダル問題で、弾劾されることから守った一流弁護士だ。 カダフィのディナール金貨 一体なぜアメリカ政府が、ムバラクのように亡命だけで済ませず、カダフィを個人的に破壊し、殺害しなければならないと決めたのかは、多くの人々にとって謎のままだ。カダフィが、アメリカが資金提供しているアルカイダ“民主的反政府”テロリストによって、残虐に殺害されたと知らされると、クリントンは、CBSニュースで、ユリウス・シーザーの有名な言葉を、むかつくような、ふざけた言い換えをし“来た、見た、彼は死んだ”と言い放った。彼女は心から気味悪い笑いをしながら、この言葉を言ったのだ。 リビアにおける、いや、それを言うなら、アフリカとアラブ世界におけるムアマル・カダフィの業績については、欧米ではほとんど知られていない。今、国務長官として、オバマ政権の対カダフィ戦争を指揮していた時期のヒラリー・クリントン電子メールの新たな部分が公表されて、戦争の背景に、劇的な新たな光が当てられることになった。 カダフィを抹殺し、リビアの国家としての全てのインフラを破壊するというのは、ヒラリー・クリントンの個人的判断ではなかった。判断は、アメリカ金融オリガーキーの極めて高位の集団が下したものであることは今や明らかだ。彼女はこうしたオリガーキーの命令を実行する、ワシントンの政治道具の単なる一人に過ぎない。介入は、石油貿易で、ドルに置き換わる金本位制のアフリカ・アラブ通貨を創設するというカダフィの良く練られた計画をつぶすのが目的だったのだ。1971年に、アメリカ・ドルが、ドルの金兌換を放棄して以来、ドルは劇的に価値を失った。アラブとアフリカのOPEC加盟産油諸国は、1970年以来、アメリカ政府によって、アメリカ・ドルでのみ支払うよう命じられているドルのインフレが、2001年までには、2000%以上にまで跳ね上がり、石油販売で得た購買力の消滅に長いこと反対してきた。 新たに機密解除されたクリントンの電子メール中の、2011年4月2日付けのシド・ブルーメンソールから、ヒラリー・クリントン国務長官宛のメールで、ブルーメンソールは、カダフィを排除すべき理由をあかしている。不明の“高位の情報筋”の話を引用するという口実で、ブルーメンソールは、クリントンにこう書いていた。“この情報筋が入手した機微情報によれば、カダフィ政府は143トンの金と、同様な量の銀を保有している… この金は、現在の反乱以前に蓄えられたもので、リビアのディナール金貨に基づく汎アフリカ通貨創設のために使用する予定だった。この計画はフランス語圏アフリカ諸国に、フランス・フラン(CFA)に対する代替を提供するべく設計されていた” このフランス関連の部分も、カダフィ・ディナール金貨の氷山の一角にすぎない。 ディナール金貨、そして更に 今世紀の最初の十年間、サウジアラビア、カタールなどを含むアラブ湾岸OPEC諸国は、ノルウェーの石油ファンドの成功を元に、膨大な石油やガス販売による収入のかなりの部分を本格的に国家のソブリン・フアンドに向けはじめた。 アメリカの対テロ戦争、イラクとアフガニスタンでの戦争や、2001年9月以降のアメリカによる中東政策全体への不満の高まりから、大半のOPEC加盟アラブ産油諸国は、1971年8月15日に、アメリカ政府が投げ捨てた金兌換のドルの代わりに、石油価格天井知らずに上がり、ヘンリー・キッシンジャーが好んで“オイル-ダラー”と呼んだものを作り出した1970年代以来、習慣になっている、手癖が悪いニューヨークとロンドンの銀行家に任せるのではなく、石油収入の益々多くを、国が管理するファンドに振り向けるようになっている。現在のスンナ派-シーア派戦争、あるいは文明の衝突は、実際は、2003年以降の、地域における“分割して、統治せよ”というアメリカによる操作の結果だ。 2008年、益々多くのアフリカとアラブの産油諸国が国家の石油とガス収入を、国が管理するファンドに向けていることが、ウオール街とシティー・オブ・ロンドンにとって大きな懸念となった。何兆ドルもの莫大な流動性を、彼らがもはや支配できなくなる可能性があるのだ。 今にして思えば、アラブの春のタイミングは、膨大なアラブ中東の石油の流れだけではないものを支配しようとする、アメリカ政府とウオール街の取り組みと緊密に繋がっていたことが益々見えてくる。新たな主権国家資産ファンドに集積された、彼らの何兆ドルものお金を支配することも、お同じ位重要な狙いだったのだ。 ところが、最新の2011年4月2日のクリントン-ブルーメンソール電子メールで、今や確認された通り、ウオール街とシティー・オブ・ロンドンの“お金の神様”に対し、アフリカとアラブ産油国世界から、質的に新たな脅威が出現しつつあったのだ。リビアのカダフィ、チュニジアのベン・アリと、エジプトのムバラクは、アメリカ・ドルから独立した金に裏付けられたイスラム通貨を立ち上げようとしていた。私は、2012年始めに、スイス金融・地政学会議で、このプロジェクトに関する豊富な知識をもったアルジェリア人から、この計画の話を初めて聞いた。文書は当時ほとんどなく、この話は私の記憶の中で棚上げになっていた。今や、アメリカ政府によるアラブの春の凶暴性と、リビアの場合の切迫感を総体的に把握できる、遥かに興味深い構図が現れたのだ。 ‘アフリカ合州国’ 2009年、当時、アフリカ連合議長だったカダフィは、経済的に窮乏したアフリカ大陸に“ディナール金貨”を採用するよう提案した。 イギリスとフランスの支援を得て、NATOによるカダフィ政権破壊の法的隠れ蓑を与えてくれる国連安全保障理事会決議を得ようというアメリカの決断に先立つ数ヶ月間、ムアマル・カダフィは、アフリカの産油諸国とアラブのOPEC加盟諸国が、世界市場において、彼らの石油販売に使用するはずの、金に裏付けられたディナール創設を組織していた。 ウオール街とシティ・オブ・ロンドンが、2007年-2008年金融危機で、ひどく厄介な状態にあった時に、もしもそういうことが起きていれば、ドルの準備通貨としての役割に対する影響は、深刻というだけでは済まされなかったはずだ。アメリカ金融覇権とドル体制にとって、弔いの鐘となっていたはずだ。膨大な未探査の金や鉱物資源を誇る世界で最も豊かな大陸の一つアフリカは、何世紀にもわたり、意図的に、低開発のまま留め置かれたり、発展を阻止するための戦争にさらされたりしてきた。国際通貨基金と世界銀行は、ここ数十年、アフリカの本当の発展を抑圧するための、アメリカ政府の道具だ。 カダフィは、アフリカ連合のアフリカ産油諸国や、イスラム教諸国に、ディナール金貨を主要通貨と為替手段とする同盟に参加するよう呼びかけていた。各国は、石油や他の資源を、アメリカや他の国々に、ディナール金貨でのみ販売することになるのだ。2009年、アフリカ連合の理事長だったカダフィは、アフリカ連合加盟諸国の会議で、リビア・ディナールと、ディルハム銀貨を、アフリカの石油を世界が購入できる唯一の通貨として使用するというカダフィ提案をした。 彼らの石油に対する、アラブOPEC諸国の主権国家資産ファンドと共に、他のアフリカ産油諸国、特にアンゴラとナイジェリアは、2011年のNATOによるリビア爆撃の当時、自分自身の国有石油の主権国家資産ファンドを作る方向で動いていた。カダフィのディナール金貨という考え方と結びついた、こうした主権国家資産ファンドは、イギリス・ポンド、フランス・フラン、ユーロ、あるいはアメリカ・ドルであれ、植民地的な通貨支配からの独立というアフリカの長年の夢を、現実のものにしていたはずなのだ。 彼が暗殺された当時、アフリカ連合の議長として、カダフィは、共通の金貨を持った、主権あるアフリカの諸国の連合、アフリカ合州国計画を推進していた。2004年、53カ国が参加する汎アフリカ議会は、2023年までに単一の金貨を持ったアフリカ経済共同体計画を立てていた。 アフリカの産油諸国は、オイル-ダラーを破棄し、彼らの石油とガスに対する、金による支払いを要求することを計画していた。参加国としては、エジプト、スーダン、南スーダン、赤道ギニア、コンゴ、コンゴ民主共和国、チュニジア、ガボン、南アフリカ、ウガンダ、チャド、スリナム、カメルーン、モーリタニア、モロッコ、ザンビア、ソマリア、ガーナ、エチオピア、ケニヤ、タンザニア、モザンビーク、コートジボワール、更に、新たな大規模石油埋蔵を発見したばかりのイエメンがあった。アフリカのOPEC加盟諸国、四カ国-アルジェリア、アンゴラ、ナイジェリア、巨大産油国で膨大な天然ガス埋蔵量を誇るアフリカ最大の天然ガス生産国と、最大の埋蔵量を持つリビアも-新たなディナール金貨制度に参加する予定だった。 カダフィに対する戦争で、アメリカ政府から前衛役を振り付けられていたフランスのニコラ・サルコジ大統領が、リビアは世界の金融の安全に対する“脅威”とまで呼んだのも何ら不思議ではない。 ヒラリーの‘反政府派’中央銀行を創設 カダフィを破壊するためのヒラリー・クリントンの戦争の最も奇妙な特徴の一つは、石油豊富なリビア東部のベンガジでアメリカが支援した“反政府派”、戦闘のさなか、彼らがカダフィ政権を打倒できるどうかはっきりするずっと前に、“亡命中の”欧米式中央銀行を設立したと宣言した事実だ。 反乱が始まってわずか数週の内に、反乱指導部は、カダフィの国営通貨庁を置き換える中央銀行を設立したと宣言した。反政府派委員会は、捕獲した石油を売るための彼ら自身の石油会社の創設に加え、“ベンガジ中央銀行を、リビア通貨政策を行う資格を有する通貨当局として認め、リビア中央銀行総裁を任命し、ベンガジに暫定本部を設置する”と発表した。 戦闘の結果が明らかになる前に、金に裏付けされたディナールを発行していたカダフィの主権ある国立銀行におきかわる欧米風中央銀行創設という奇妙な決定について発言して、ロバート・ウェンツェルは、経済政策ジャーナル誌で“民衆蜂起から、わずか数週間で作られた中央銀行など聞いたことがない。これは単なる寄せ集めの反政府派連中が走り回っているだけでなく、かなり高度な影響力が働いていることを示唆している”と言っている 今やクリントン-ブルーメンソール電子メールのおかげで、こうした“かなり高度な影響力”は、ウオール街と、シティー・オブ・ロンドンとつながっていたことが明らかになった。2011年3月に、アメリカ政府によって、反政府派を率いるべく送り込まれた人物ハリファ・ヒフテルは、カダフィの主要な軍司令官をつとめていたリビアを去った後、それまで20年間の人生を、CIA本部からほど遠からぬバージニア州の郊外で暮らしていた。 もしカダフィが、エジプトやチュニジアや他のアラブのOPECと、アフリカ連合加盟諸国とともに- ドルではなく、金による石油販売の導入を推進することが許されていれば、世界準備通貨としてのアメリカ・ドルの未来にとってのリスクは、明らかに金融上の津波に匹敵していただろう。 新たな黄金のシルク・ロード ドルから自立したアラブ・アフリカ金本位制度というカダフィの夢は、不幸にして彼の死と共に消えた。ヒラリー・クリントンの身勝手な“保護する責任”論によるリビア破壊の後、現在あるのは、部族戦争、経済的混乱、アルカイダやダーイシュやISISテロリストによって引き裂かれた修羅場だ。カダフィの100%国有の国家通貨庁が持っていた通貨主権と、それによるディナール金貨発行はなくなり、ドルに結びつけられた“自立した”中央銀行に置き換えられた。 こうした挫折にもかかわらず、今や同様な金に裏付けされた通貨制度を構築すべくまとまっている国家の全く新たな集団は実に注目に値する。それぞれ世界第三位と、第一位の産金国であるロシアと 中国が率いる集団だ。 この集団は中国の一帯一路・新シルク・ロード・ユーラシア・インフラストラクチャー大プロジェクト建設と結びついている。これには、世界の金取引の中心として、シティー・オブ・ロンドンと、ニューヨークに置き換わるための中国による極めて確固たる措置である中国の160億ドルのゴールド開発基金も関わっている。出現しつつあくユーラシア金本位制度は、今やアメリカ金融覇権に対する、全く新たな質の挑戦になっている。このユーラシアの挑戦、その成功あるいは失敗が、我々の文明が生き残り、全く異なる条件のもとで繁栄できるようにするのか、あるいは破綻したドル体制と共に沈むのかを決定する可能性が高い。 http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2016/11/post-cc58.html ▲△▽▼ 2016年11月10日 ヒラリー・クリントンは逮捕されるのか? http://goldbook.ashita-sanuki.jp/e973941.html
藤原直哉 @naoyafujiwara · 13時間13時間前 さっそくトランプはヒラリーに対して特別検察官を任命しそうだ
「ヒラリーがリビアのカダフィ大佐暗殺で稼いだ100億円」 ヒラリー自身は個人的に100億円を超えるカネを集めていた事実、そして日本のメディア(新聞、テレビ)ではほとんどスルーされているが、リビアの「ベンガジ事件」が、ヒラリーに悪霊のように付きまとっている。 リビアの「ベンガジ事件」 ベンガジ事件とは、リビアのカダフィ大佐は2011年に、事実上、暗殺された。 カダフィの最期は砂漠をのた打ち回って、民衆にどつかれ、殴られ、無残に叩きのめされて、そして最期は拳銃で頭を撃たれて死んだ。まるで野良犬のような死に方だった。その後、2012年にリビアの米国大使スティーブンスが、イスラム系組織に襲撃され殺害された。その遺体は路上を引きずり回された挙句、犬に食われた。 ところが不思議なことにヒラリーは大使救援の為の米軍特殊部隊の派遣をストップし、近くにいたCIAの警護部隊をスタンバイのまま救援に投入せずに、米国大使を見殺しにした。果たしてその理由とは?その理由は謎とされ、米国公聴会でヒラリーは厳しく査問されたが、ヒラリーは例の牛乳瓶の底のような眼鏡をかけて、何とか凌ぎきったと思われた。しかし問題は続く、ヒラリーが「国務長官としての公務に私用サーバーを使った秘密のメール事件」がスノーデンによって暴露されたのだ。 「スノーデン氏の暴露」 スノーデンは元CIA職員だが、米国とヒラリーの不正を暴露して、ロシアに亡命申請を行なった。そしてWikileaksへ米国の秘密情報を流した。 さて、国務長官として国際外交を差配していたヒラリーは、禁止されている私用パソコンを使って公務メールをやっていたのは何故か。そして何万件もの公務メールが消去されたのは何故か。その秘密のベールをめくり上げると、ヒラリーはリビアのカダフィを暗殺する指令をスティーブンス大使と現地CIAに出していた。また、カダフィ暗殺後に残された2兆円にも上る携帯用のスティンガーミサイルなどの軍事装備品、銃器弾薬、そして金塊をシリア反政府軍に渡す秘密協定をヌスラ戦線や自由シリア軍、あるいはトルコと結んだ。 しかし、それらの軍事装備と金塊は結果的にイスラム国へと渡ったとされるのだが。 (武田じゅうめい氏のブログより引用)(感謝!) http://blog.goo.ne.jp/takejj_1953 つまり、ヒラリー・クリントンはリビアの武器でイスラム国を作った時のメールが暴露された?
「つまり・・・ヒラリー・クリントンを支持していたD・ロックフェラー氏が途中から、トランプ氏を支持するようになったのは、リビアの「ベンガジ事件」が捜査されると聞いたからではないですか?ヒラリーがイスラム国に売った武器と金塊で100億円稼いだのですかね?(笑)」 http://goldbook.ashita-sanuki.jp/e973941.html
▲△▽▼
2016.11.11 トランプ勝利後、カラー革命を仕掛けたり偽旗作戦で社会不安を煽る動きに警戒すべきとの声も
アメリカの大統領選挙はドナルド・トランプが勝利した。すでにアメリカ支配層の相当部分がヒラリー・クリントンを見限った可能性が高いが、どこかの国でジョージ・ソロスたちが仕掛けた「カラー革命」的な展開になる可能性もある。
この選挙結果を受け、民主党の候補者がバーニー・サンダースだったならトランプに勝てたのではないかとする人もいるが、サンダースが候補者だったら、支配層はトランプを選んだように思える。 さまざまな工作で民主党の幹部たちはヒラリーを勝たせようとしたことがハッキングされた電子メールでも明らかにされたが、最終的に民主党の候補者を決めたのは通信社のAPだった。予備選の前夜、APが「クリントン勝利」を宣告したのである。「スーパー代議員(上位代議員、あるいは特別代議員と訳されている)」の投票予測でクリントンが圧倒し、勝利は確定していると宣伝、そうした雰囲気になってしまった。 メディアに引導を渡されたサンダースは7月12日、ヒラリー・クリントンを次期大統領にすることを支援すると表明した。民主党の目標として、最低時給15ドルの実現、社会保障制度の拡充、死刑制度の廃止、炭素税の導入、マリファナの合法化、大規模な刑事裁判改革、包括的な移民制度改革、アメリカ先住民の人権擁護などのほか、大きすぎて潰せないという銀行の解体、21世紀版のグラス・スティーガル法(銀行業務と証券業務の分離)を成立させることなどで合意したというが、こうしたことをクリントンが考えていないことも電子メールが示している。 今回の選挙では、金融資本、戦争ビジネス、ネオコン/シオニスト、アル・カイダ系武装集団を操ってきたサウジアラビアなどに支えられ、ムスリム同胞団やアル・カイダ系武装集団にもつながる、つまり支配層に担がれたヒラリー・クリントンが破れた。これ自体大きな出来事だが、サンダースのような「リベラル派」のインチキさも露見してしまい、アメリカの「自由と民主主義の国」という幻影は消えかかっている。 アメリカの大統領戦で勝利したドナルド・トランプはふたつの重要な政策を表明していた。TPP(環太平洋連携協定)、TTIP(環大西洋貿易投資協定)、TiSA(新サービス貿易協定)に反対していることがひとつ。クリントンは日本の自民党と同じで、少し手を加えてTPP、TTIP、TiSAの3点セットを成立させた可能性が高い。もうひとつはロシアとの関係修復。クリントンはロシアと核戦争する政策を主張、今回の大統領選挙でも全てロシアが悪いと叫んでいた。 選挙後、2013年2月から15年2月にかけて国防長官を務めたチャック・ヘイゲルはロシアとの関係を修復すべきだと主張しているが、同じ考え方の人は支配層にもいる。バラク・オバマ大統領も引きずられていたネオコンの戦術は脅して屈服させるというもの。中国やロシアに通用しないにもかかわらず、ネオコンはこの方針を変えようとしていなかった。マーク・ミリー陸軍参謀総長のように、ロシアをかつて経験したことがないほど激しく叩きのめしてやる、つまり先制核攻撃で破壊すると公言する軍人もいる。それだけに、ヒラリーが大統領になった場合は人類存亡の危機を迎えるところだった。 9月22日にアシュトン・カーター国防長官とアメリカ上院の軍事委員会に出席したジョセフ・ダンフォード統合参謀本部議長は、シリアにもリビアと同じように飛行禁止空域を設けるべきだとする議員の意見に対し、ロシアやシリアと戦争になると発言している。議員とは違い、戦争が何を意味しているのか理解しての発言だ。 昨年9月25日まで統合参謀本部議長を務めたマーチン・デンプシー大将はアル・カイダ系武装集団やダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)を危険視、ロシアと協調すべきだと考えていたが、後任のダンフォードはロシアを公然と敵視していた。そのダンフォードでさえ、ネオコンにはついて行けなくなったと言えるだろう。 軍の情報機関DIAの局長だった2012年当時、アメリカ政府の政策がダーイッシュ的な武装集団の勢力を拡大させると警告していたマイケル・フリン中将はトランプに外交政策などのアドバイスをしていると伝えられている。 トランプの周辺にはそれなりの人材が存在しているわけだが、ヒラリーを担いでいた人脈がこのまま静かになるとは思えない。かつてほどの力がないだけに、過激な行動に出る可能性があるだろう。 これまでの手口を考えると、有力メディアを使って宣伝、労働組合を使って揺さぶり、アル・カイダ系武装集団やGLADIOのような秘密部隊を使って社会不安を煽り、ノースウッズ作戦や9/11のような偽旗作戦を実行してロシアや中国を悪魔化、あるいは朝鮮を利用して戦乱を拡大するというようなことも考えられる。 http://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201611110000/ ▲△▽▼
ドナルド・トランプ氏がアメリカ大統領選挙に勝利した理由2016年11月9日
2016年のアメリカ大統領選挙でのドナルド・トランプ氏の当選が決まった。恐らくは日本のメディアの偏向報道によりヒラリー・クリントン氏優勢の報道ばかり耳にしていた日本の人々には驚きをもって迎えられる結果かもしれないが、投票日以前にもトランプ氏優勢の世論調査は少なくなかったことはここで伝えてきている通りである。ヒラリー・クリントン氏を支持するメディアが報じていなかっただけである。
•トランプ氏支持率優勢の報道で騒ぐ日本国民のおめでたさ http://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/4573 しかしトランプ氏がこれほどの支持を集めた理由についてはここでも断片的にしか説明していなかった。そこで、この記事ではドナルド・トランプ氏が有権者に選ばれた理由について包括的に説明してゆきたい。
民主党の候補者選び
先ず第一に言えるのは、トランプ氏が勝利したのは、対立候補となった民主党の候補者がヒラリー・クリントン氏だったからである。 そもそもヒラリー・クリントン氏は政治家とメディアと大企業の支持によって民主党の大統領選候補となった政治家である。民主党支持の有権者の多くは貧困層に味方するバーニー・サンダース氏を選んでいた。しかしサンダース氏は有権者における人気にもかかわらず、民主党候補を選ぶ予備選でクリントン氏に敗退した。これは民主党の候補者選定システムのためである。 サンダース氏は一般の民主党支持者の支持率においてはヒラリー・クリントン氏を大きく引き離したが、民主党の政治家の票を獲得出来ず、その結果有権者における不人気にもかかわらずクリントン氏が民主党の候補として選ばれることとなった。一方でトランプ氏が出馬した共和党では純粋に一般有権者の支持によって候補者が決まる。民主党は元々が政治家と癒着した大企業を利するシステムなのである。 こうした結果は民主党支持者に大きな禍根を残した。そして政治家や大企業によって歪曲された民主党の党内政治を印象付ける結果となった。トランプ氏が選挙戦を通して非難していたのはそういう腐敗した政治システムそのものだったのだから、サンダース氏の支持者の一部がトランプ氏に流れたのは想像に難くない。 クリントン氏の薄い人望 原因はヒラリー・クリントン氏自身にもある。クリントン氏が権力以外の何にも興味がないことはアメリカ国民なら誰もが知っている。 例えば、クリントン氏は大企業の利益となるTPPに賛成していた。TPPは未だに内容が明らかになっていないが、食品などに使われる農薬などに対する規制緩和が含まれていると推測され、一般市民の健康を犠牲にして大企業を利する条約として悪名高いが、ヒラリー・クリントン氏にはそのようなことは関係がなかた。 しかしトランプ氏やサンダース氏などがTPPに反対してアメリカ国民の支持を得ると、途端にクリントン氏はTPP反対に回った。彼女に政策など存在しなかった。存在するのは大統領になれるかどうかという打算と、どのような政策を打ち出せば企業が政治献金をしてくれるかということだけである。 一方でトランプ氏は政治献金をほとんど受け付けず、主に自腹による選挙活動を行った。選挙資金ではクリントン氏に大いに見劣りし、広告合戦では不利な面もあったが、それがトランプ氏の反政治腐敗のイメージを植え付ける結果となった。トランプ氏の選挙戦は主にTwitterとFacebook、そして各地での集会によって行われた。 日本ではトランプ氏こそが大統領になりたいだけだとか、売名行為だとかいう非常に浅い理解による馬鹿げた評が一部見受けられたが、そのような子供じみた理由で私財の多くを投げ打ち、暗殺されるリスクを顧みずに大統領選挙に出馬する人間はいない。常識的に考えれば分かるだろう。それが良いものであれ悪いものであれ、トランプ氏には目的があったのである。クリントン氏にはそれが無かった。 マスコミのヒラリー贔屓 そのような「何もない」ヒラリー・クリントン氏を無理矢理持ち上げようとしたのがメディアである。例えばこれまでの世論調査では、クリントン氏優勢となっているものが恣意的に選ばれて報道されていた。トランプ氏優勢のものが一度だけ報道されたとき、それに驚いていた日本人の反応に苦言を呈したのは少し前のことである。 •トランプ氏支持率優勢の報道で騒ぐ日本国民のおめでたさ マスコミはこぞってヒラリー・クリントン氏を常識的な選択とし、トランプ氏の支持者は頭の悪いレイシストだとして扱った。ヒラリー・クリントン氏も自らそういう発言をした。非常に残念ながら日本でのイメージも大多数の人にとってはそういうものだろう。 しかしそれはアメリカ国民の思いとは完全に乖離している。ヒラリー・クリントン氏に反対するアメリカの有権者には断固たる理由があった。そしてマスコミに心無い非難をされ、馬鹿に馬鹿と言われたトランプ氏の支持者たちは、自分たちの票で大統領選挙を覆そうと強く決心した。そして元々はクリントン氏の支持者であっても、このようなメディアの偏向報道を見て何かがおかしいと思った有権者もあったことだろう。 高まる反グローバリズムの気運 そして最後に挙げられるのはやはり反グローバリズムである。上に書いたTPPなどは格好の標的となった。大企業は国民を農薬漬けにすることで金を儲けようとしている。反移民もトランプ氏の大きな支持基盤の一つである。大企業は安い労働力が欲しいためだけに移民政策を推進する政治家を支持し、メディアはそれを援護射撃するために可哀想な移民の子供の写真を載せるのである。 一部の指摘によればそうした写真の一部はでっち上げられたものだと言う。しかし自分の頭で考えない一部の有権者にはそのようなことは関係がない。その結果、現地の女性が性的暴行を受け、多くの人々がテロで殺されたとしても政治家や大企業、メディアの知ったことではないということである。ヨーロッパでは大惨事となっている。 •ヨーロッパ移民問題: 止まらない大量殺人と性的暴行、今度はミュンヘンでイラン人が銃乱射 http://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/3909 このような馬鹿げた事態にもかかわらず、メディアによればグローバリズムは常識的、理性的選択であり、彼らはそれに反する政治的主張は反理性主義であるとまで言い放った。しかし彼らの選択によって現地住民はおろか騙された移民でさえも不幸な目にあっている。文化も言語も異なる国にいきなり移り住んで生計を立てることが簡単であるはずがない。繰り返すが、彼らの多くは難民ではなく、自国でも十分暮らせたであろう出稼ぎの移民なのである。
•ヨーロッパには移民受け入れ能力はない: イタリアで邂逅した少女の話とドイツの欺瞞 http://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/1757 ヒラリー・クリントン氏の支持者はトランプ氏を嘘つきだと繰り返し主張したが、嘘に塗れていたのはクリントン氏の裏で団結したグローバリズムという利権である。このような偽善に反旗を翻さないまともな人間があるだろうか? イギリス人は少なくともそれを知っていたのである。
•国民投票でEU離脱を選んだイギリス人の凄まじい精神力 http://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/3594 ヨーロッパでは既に惨劇が起きたが、アメリカはそれを未然に防いだ形となる。アメリカの有権者の方が日本人よりもよほどまともである。
今や先進国でグローバリズムを喜々として推進している国は日本だけとなった。TPPも移民政策も日本だけが乗り気である。 •安倍首相がシリア難民150人受け入れを発表、日本の治安と文化は終焉へ http://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/3324 グローバリズムの闇についてはここでは語り尽くせないほどのことがある。興味のある読者は他の記事も読んでみてもらいたい。大富豪のジョージ・ソロス氏も、OECDも、日本で言えば財務省も、すべては同じ穴の狢なのである。彼らの終わりの日が来たということである。日本人も立ち上がるべきではないか。 http://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/4615
▲△▽▼
トランプ氏支持率優勢の報道で騒ぐ日本国民のおめでたさ2016年11月2日
2016年アメリカ大統領選挙の最新世論調査でドナルド・トランプ氏の支持率がヒラリー・クリントン氏の支持率を上回ったとの報道が話題になっている。投資家として支持率の世論調査はほぼ毎日目を通していた人間からすれば、世の中が何を騒いでいるのか皆目意味が分からない。何故ならば、トランプ氏が支持率でクリントン氏を上回っていたことなど、これまで何度もあったからである。
大統領選挙の支持率世論調査 先ず、そもそも支持率の世論調査というものは、様々な調査会社が各自集計したものであり、これが毎日およそ5から10ほど発表されている。例えば、RealClearPolitics(原文英語)に載っている世論調査で、11月2日のものを順に並べてみよう。以下は順に、調査会社の名前、優勢の候補者、支持率の差の順に並んでいる。Tieは引き分けである。 •IBD – Tie •LA Times – Trump +6 •ABC – Tie •Rasmussen – Tie 執筆時点でまだ米国時間2日であるから、調査がまだ増えることはご了承願いたいが、確かにトランプ氏が優勢の世論調査が存在する。しかしそれは最近だけのことだっただろうか? 1週間遡って10月26日のものは以下のようになる。 •FOX News – Clinton +3 •Reuters – Clinton +4 •USA Today – Clinton +9 •Associated Press – Clinton +14 •LA Times – Trump +1 •IBD – Clinton +1 •ABC News – Clinton +9 •Rasmussen Reports – Clinton +1 •Associated Press – Clinton +13 確かに時間を遡るとクリントン氏優勢の色が濃くなるが、トランプ氏が優勢の世論調査がないわけではない。それ以前にもトランプ氏優勢の日はあり、例えば10月21日のものなどは、数は少ないがトランプ氏優勢の世論調査ばかりである。 •IBD – Trump +1 •Rasmussen Reports – Trump +2 •LA Times – Trump +1 報じられなかった世論調査 だがこうした世論調査の結果はメディアによって伝えられただろうか? 一切伝えられていないのである。10月22日にトランプ氏はTwitterでこう述べている。 わたしが支持率でトップになった最新の3つの世論調査についてメディアは報道することを拒否している。無数の聴衆が見ているぞ、結果を楽しみにしていろ!
世論調査を毎日見ている人間には彼の主張が出鱈目ではないことが分かる。メディアはこれまで明らかにクリントン氏優勢の世論調査ばかりを選んで報じてきた。 トランプ氏のメディア嫌いは筋金入りであり、そしてそれも当然だろう。メディアと大企業がこぞってクリントン氏を当選させようとしていること自体が、クリントン氏が大統領になれば誰が得をするのかということを物語っている。そして今回の報道で初めてトランプ氏が優勢になったと思った人々が居るとすれば、そういう人々はメディアの思惑にあまりに簡単に嵌っているのである。人々を操作することの何と容易なことだろう。 日本人の多くはまだ、クリントン氏が大した問題のない候補者で、トランプ氏のみが出鱈目なのだと思っていることだろう。そういう人々はイギリスのEU離脱さえも衆愚政治の結果だと思っていたことだろう。衆愚政治とはあなたがたのことである。 •国民投票でEU離脱を選んだイギリス人の凄まじい精神力 http://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/3594 自分の頭で考えない人々があまりに多過ぎる。非常に残念なことである。 http://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/4573
▲△▽▼ 1991年12月にソ連が消滅した段階でネオコン/シオニストはアメリカが唯一の超大国になったと認識、服わぬ国々は脅し、それでも屈服しなければ軍事的に破壊してしまうという戦略を立てた。ソ連消滅の直前、ポール・ウォルフォウィッツ国防次官(当時)は5年から10年でイラク、シリア、イランを殲滅すると口にしたという。これはウェズリー・クラーク元欧州連合軍(現在のNATO作戦連合軍)最高司令官の話だ。 2001年9月11日以降、アメリカではネオコンが主導権を奪い、ウォルフォウィッツたちが描いた世界制覇プランを推進していく。クラーク元司令官によると9/11の10日後、ドナルド・ラムズフェルド国防長官の周辺では攻撃予定国リストが作成されていた。そこにはイラク、シリア、イランのほか、レバノン、リビア、ソマリア、スーダンが載っていたという。
ところが、21世紀に入るとロシアでウラジミル・プーチンを中心とするグループがロシアを再独立させ、ネオコンが描く世界制覇プランの前提条件が崩れてしまう。それでもプランを推し進めようとした結果、ロシアや中国を核戦争で脅すという事態になる。そうした動きの最前線にいたのがヒラリー・クリントンだ。 その一方、軍や情報機関の内部でもロシアとの核戦争は避けるべきだと考える人びとがいる。マーティン・デンプシー元統合参謀本部議長やマイケル・フリン元DIA局長はその典型例。クリントンの電子メールをリークした人物は電子情報機関NSAの内部にいると推測する人もいた。こうした人びとの存在はクリントンが大統領選で敗れた一因だろう。 しかし、クリントンを担いでいた勢力のネットワークは強力。すでにジョージ・ソロスはカラー(パープルらしい)革命を始めている。そうした人びとはロシアとの関係修復にも抵抗、場合によってはシリアへの本格的な軍事介入を強行するかもしれない。「アメリカの関東軍」であるNATOは懸念材料だ。 アメリカでは「トランプ暗殺」の噂も流れているが、実際に殺さなくても何らかの形で排除し、ペンス副大統領を昇格させるということは想定できる。これはアメリカ支配層の常套手段だ。そこで、ペンスが注目されている。 http://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201611140001/ ▲△▽▼ >>27 の続き ヒラリー・クリントン・とは誰か 下 ーーアメリカ大統領選挙を目前にして 国際教育総合文化研究所 寺 島 隆 吉 2016年11月4日付 私は前回の論考「ヒラリー・クリントンとは誰か」(11月2日号)を次のように結びました。
「このように、今まさに世界はアメリカ大統領選挙を前にして『伸るか反るか』の曲がり角に来ているのです。にもかかわらず、アメリカや日本の、リベラルを自称する知識人も大手メディアも、『アメリカ史上、初の女性大統領』という殺し文句に惑わされて、現在の深刻な事態が見えなくなっているように思われます。 しかし現在の事態の深刻さを理解してもらうためには、ヒラリー女史が国務長官だったときだけでなく、それ以前に外交政策で彼女が何を主張し、どのような行動をとってきたかを、もっと詳しく説明する必要があります。とはいえ、すでに長くなりすぎていますので、これについては、次回の論考に譲りたいと思います。」 そこで今回は、ヒラリー・クリントンなる人物が、アメリカの国務長官として何をしてきたかを、まず調べてみることにします。 * さて「国務長官」というと、まるでアメリカの国内行政における最高責任者のように聞こえてきますが、実は日本の「外務大臣」にあたる外交政策の責任者です。 アメリカの「防衛省」は、今は「防衛総省」(別名ペンタゴン)と言っていますが、かつては「戦争省」と言っていました。 日本では「陸軍省」と誤訳(意図的?)されていますが、第2次大戦が終わる前までの正式名称は、「United States Department of War」すなわち「アメリカ戦争省」でした。 まるで外国にたいして侵略戦争をし続けてきたアメリカの歴史を象徴するような名称ですが、アメリカにとって軍事力による外交=戦争は、内政よりも重要な「国務」であったからこそ、「外務省」を「国務省」(United States Department of State)と名付けたのかも知れません。 アメリカ軍人として伝説的な英雄スメドレー・バトラー将軍は、退職したあと自分が軍人として果たしてきた役割を振り返って『戦争はペテンだ』という著書を著し、そのなかで、右のような事情を、次のように述べています。 「私は、大企業、ウォール街、銀行、お偉方の用心棒として時を過ごした。 要するに私は資本主義に奉仕する恐喝者でありギャングの一員だった」 「私はウォール街の利益のために中米の六つの共和国の略奪を手伝った。恐喝の記録は長い」 「ギャングの親玉アル・カポネがやれたのは、せいぜい三つの地区のボロ儲けの口を操っただけのことだ。私なんか3大陸を操ったんだ」 (『肉声でつづる民衆のアメリカ史』上巻442頁) このスメドレー将軍のことばは、アメリカ外交の本質を赤裸々に暴露しているのではないでしょうか。
* それはともかく、ブッシュ氏が大統領になったとき、「9・11事件」を口実にアフガニスタンを爆撃し、それをイラクへの侵略戦争に拡大したのですが、それでもアメリカによる戦争は中東の小さな範囲にとどまっていました。ところがオバマ大統領とヒラリー国務長官のもとで、戦火は一気に地中海沿岸の北アフリカ(リビアの内戦)や東ヨーロッパ近辺(ウクライナやシリアの内戦)にまで拡大しました。 それどころか、今まではブッシュ大統領が表立って手出しをしなかった中南米にまで手を出してクーデター工作をおこなうようになりました。このような戦争やクーデターの拡大に深く関わってきたのが、ヒラリー国務長官でした。 いま深刻な人道危機をもたらしているシリアの内戦について、ヒラリー女史が「リビアと同じような飛行禁止区域をもうけるべき」だと強く主張していることは前回の拙稿で紹介したとおりです。 アサド政権の要請でロシアが本格的にイスラム原理主義集団の掃討作戦に乗りだし、彼らの拠点を空爆し始めてからは、ダーイッシュ(今まではISISとかイスラム国と呼ばれていた)などのイスラム原理主義集団諸派は、負け戦です。 サウジを中心とする湾岸諸国が資金と人員を供給し、アメリカやNATO諸国が(さらにイスラエルも)裏で、武器や特殊部隊を派遣して軍事訓練をしてきたにもかかわらず、この状態なのです。 アメリカの基本戦略は、あくまでアサド政権の転覆です。そのためにはロシア軍の空爆をやめさせる必要があります。ロシア軍の空爆はアサド政権の正式な要請によるものですから、国際法に則った行為ですが、イスラエルやNATO諸国(トルコも含む)のシリア領内における空爆は領空侵犯になりますから、どうしてもリビアの時と同じような「飛行禁止区域」の設定が必要になります。 これを強く主張しているのが、先述のとおり、ヒラリー女史です。 しかし、ロシアは安全保障理事国ですから今のままでは国連の許可を得ることができません。残された道は、偽の人道危機をつくりだして、「ロシア軍やアサド軍は民間人を無差別に殺傷している」とか、「彼らは化学兵器を使っている」とかの口実で、世論を喚起して彼らを押さえ込む以外にありません。 他方、ロシアの主張は次のとおりです。 「リビアでは『独裁者カダフィが自国の民衆を無差別に爆撃して大量の死傷者を出している。だから飛行禁止区域を』という口実で、カダフィはイスラム原理主義集団と戦う手段を奪われてしまった。その結果、何が生まれたか。国土の荒廃と大量の難民だった。同じことをシリアでも繰りかえすつもりか」 * シリアになだれ込んでいるイスラム原理主義集団は、サウジを中心とした湾岸諸国からだけでなく、ロシアのチェチェンや中国の新疆ウイグル地区といったイスラム教徒が多い地域からも流入してきています。彼らはロシアや中国を不安定化させる勢力としてCIAが以前から訓練してきた勢力だと言われています。 ですから、シリアが内戦で崩壊した場合、そこで勝利したイスラム原理主義集団は、次の攻撃目標として、ロシアや中国に還流し、ロシアや中国を不安定化させることに最大の精力を注ぎ込むことになるでしょう。 今やEUとアメリカに対抗する勢力として経済的にも軍事的にも対抗する大国になりつつある動きを、アメリカとしては何としても阻止しなければなりません。 BRICsという興隆しつつある経済共同体の中心がロシアと中国だから、これはなおさら、アメリカにとっては放置できない事態です。 だからこそ、ロシアと中国を不安定化させることが必要なのです。 かつて中東一円からイスラム原理主義集団(ビンラディンもその中の一人でした)をかき集めてソ連をアフガニスタンに引きずり込み不安定化し崩壊させた方法を、シリアでもやろうというわけでしょう。 * しかし、これはロシアや中国にとっても座視できない重大事です。 ロシアと違って、中国は表立ってシリアに味方しては来ませんでしたが、最近、中国も、アサド政権を支えるために、裏で大きく動きはじめていると言われるのも、このような情勢から見ると当然のこととも言えます。 ですから、ヒラリー女史が「シリアに飛行禁止区域を!」と大声で叫び、「ロシアやシリアが言うことをきかないのであれば軍事力の行使もいとわない」と主張することは、世界大戦になることを意味します。 この戦いは、NATO諸国やサウジなどの湾岸諸国と一緒になって、アメリカが、ロシア=シリア=イラン=中国といった勢力と、軍事力で戦うことになるからです。 前回の論考で述べたことですが、イギリスの高級紙インデペンデントだけでなく、ヒラリー女史の自叙伝を書いたディアナ・ジョンストンなどが、イタリアの新聞インタビューで 「クリントン氏の大統領選の勝利は、第3次世界大戦の勃発も含め予想外の結果をもたらす可能性がある」 と語っているのも、このような背景をふまえてのことだと、私は理解しています。 * ここで、もうひとつ考えておかねばならないことは、ロシアの軍事力はシリアにおける原理主義集団との戦いで明らかになったように、通常兵器ではアメリカ軍をはるかに凌駕しているということです。 ですから、アメリカ軍がロシア軍や中国軍と戦って本気で勝つつもりならば、残されている手段は核兵器による先制攻撃しかありません。 しかも集団的自衛権でアメリカに縛られることになった日本も、否応なしに、この核戦争に巻き込まれるかも知れません。 しかし、いったん核戦争が起きれば、生き残れる国はほとんどないでしょう。今は、それほど深刻な事態なのです。 * 話が少し横道にそれたので、クリントン女史に話を戻します。 ロシアはヒラリーの主張する「飛行禁止区域の設定」について、「シリアをリビアのように破壊して、再び大量の死傷者を出し、EU全土を更なる難民であふれさせようとするのか」と怒っているわけですが、このリビア内戦にヒラリーは、どのようにかかわっていたのでしょうか。 2016年10月20日は、リビアの元首だったカダフィ大佐が、アルカイダの一派に惨殺されて5周年になる日でした。 カダフィが殺されたとき、ヒラリー女史は国務長官として、NATO軍のリビア攻撃を指揮・監督する立場にいたのですが、カダフィ惨殺の報が届いたときCBSのインタビューの中で 「来た・見た・死んだ」"We came, We saw, He died" と、身振り手振りをまじえて、嬉しげに言っています。 この言葉は、共和制ローマの将軍カエサル(日本ではシーザーとして知られている)が言ったとされることば「来た・見た・勝った」をもじったものですが、その嬉しげに語っている映像がユーチューブに流れ、ヒラリー女史の冷酷さ・好戦性を浮き彫りにするものとなりました。 * では、リビアとはどのような国で、カダフィとはどのような人物だったのでしょうか。 元財務省高官(財務次官補)で、かつウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者だったポール・グレイグ・ロバーツ氏は、このカダフィ惨殺五周年の日に、自分のブログで、それを次のように書いています。 「ムアマル・カダフィは、世界で最も進歩的な指導者だった。カダフィはリビアの石油の富をリビア国民のために使っていた。 彼は宮殿ではなく、立派なテントではあるが、テントで暮らしており、アメリカ政府の中東同盟国であるサウジアラビアや産油首長国支配者一族につきものの、ヨーロッパ高級車や他のあらゆる身の回り品のコレクションを持っていなかった。 リビアでは、教育・医療・電力は無料だった。ガソリンは事実上無料で、1リットル14セントで売られていた。子どもを産んだ女性は現金の助成金を貰い、カップルが結婚すると現金の助成金が貰えた。リビアの国営銀行は無利子で融資し、農民には無償で開業資金を供与した。」 *Hillary's War Crime 「ヒラリーの戦争犯罪」
* ロバーツ氏はこれらの事実を、グローバル・リサーチという独立メディアに載せられた「リビア:知られては困る、カダフィに関する10の事実」という小論に依拠しながら書いているのですが、日本では全く紹介されていない事実ばかりです。 このロバーツ氏が依拠した小論には、カダフィが計画していた世界最大の灌漑施設の地図も載せられていて、驚かされました。カダフィの言う「緑の革命」は単なる夢想ではなかったのです。 しかし日本で紹介されているカダフィ像は、アメリカ政府から流れてきた情報にもとづいた「自分の国民を冷酷に支配する独裁者」という悪魔化されたものばかりでした。 *Global Research "Libya: Ten Things About Gaddafi They Don't Want You to Know" 「リビア:知られては困るカダフィ10の事実」
* では、上記のような理想国家をつくろうとしていたカダフィ政権を、なぜアメリカとNATOは倒そうとしたのでしょうか。それをロバーツ氏は、先の引用に続けて次のように書いています。 「カダフィがアメリカ政府から自立していたことが彼の没落をもたらしたのだ。若い頃のカダフィの目標は、アラブを欧米の略奪に抵抗できる一つの連合に組織することだった。 それが思うように進展しないことにいらだった彼は、汎アフリカ主義に向かい、アメリカのアフリカ軍に参加するのを拒否した。また彼は、ドルではなく金をもとにしたアフリカ統一通貨を導入ようとした。そうすればアフリカをアメリカの金融覇権から解放できるからだ。 カダフィは、中国のエネルギー企業にリビアのエネルギー資源を開発させた。以前から地中海におけるロシアの存在に腹を立てていたアメリカ政府は、今や中国の存在にも向き合わねばならなくなった。だからアメリカ政府は結論を出した。カダフィは悪い連中と付き合っているので退陣させるべきだと。」 * 私は今まで、アメリカとNATO軍によるカダフィの追放は、リビアの石油が目当てだとばかり思ってきたのですが、実はもっと深い理由があったのです。「ドルによる世界支配」を維持し、「中国のアフリカ進出」を阻止することが、カダフィ追放の真の理由だったのです。 では、何を口実に、どのような手段で、カダフィを追放するか。それがアメリカにとって次の問題になります。米軍が直接、アフリカに乗りだしてリビアを破壊するのでは、世界の世論はもちろんのこと、アフガン戦争やイラク戦争に嫌悪感が強くなっているアメリカの世論も賛成しないでしょう。ではどうするか。それをロバーツ氏は先のブログで次のように説明しています。 「アメリカ政府はイスラム原理主義者を使って傭兵を編成し、シリアと同様、連中を『反政府派』と名付け、リビア政府にけしかけた。 カダフィ軍が勝っていることが明らかになると、アメリカ政府は、初心(うぶ)で騙(だま)されやすいロシアと中国の政府を罠(わな)にかけ、国連でリビア領空に飛行禁止空域を設定することを認めさせた。それを実行するのはNATO軍だ。 飛行禁止空域の口実は、カダフィによる民間人攻撃を防ぐためということだった。しかしそれは嘘だった。本当の理由は、主権国家のリビアが自分の領空を使えないようにして、傭兵と戦っている地上軍をリビア空軍が支援できないようにするためだった。 ロシアと中国がこれに騙されて、安全保障理事会の議決で拒否権を行使しそこねると、今度はアメリカとNATO自身が、決議に違反してNATOの空軍力を用いてカダフィ軍を攻撃した。こうして戦局はCIAが組織した傭兵に有利になった。 カダフィは捕らわれ惨殺された。それ以来、かつて繁栄し成功していた国家リビアは混乱・混沌の極みだ。それは、オバマ政権が望んでいたものだ。」 * ところが今やイギリスでは議会による調査報告書が、「カダフィが欧米の覇権にとっての障害と見なされていたがゆえにリビアは破壊された」と明白に結論づけているのです。だからこそ、ロバーツ氏は上記のブログを次のように締めくくっているのでしょう。 「注目すべきなのは、ニュルンベルク裁判をもとにした国際法では、彼女が有罪であることは明らかなのに、この戦争犯罪について、この「殺人婆」(killer bitch)に質問したマスコミは皆無だということだ。 なぜなら、この戦争はヒラリーが国務長官の職に就いているときに、彼女の監督下で準備されたものだからだ。 もうひとつ注目すべきなのは、この「殺人婆」を所有している巨大な政治力を持ったひと握りの集団オリガーキーと、連中の手先である「売女マスコミ」 (presstitute=press+prostitute)は、この戦犯を次期アメリカ大統領にするつもりだということだ。 この「殺人婆」や「売女マスコミ」という言葉づかいのなかに、元アメリカ財務省高官だったロバーツ氏の憤りが伝わってくるような気がします。 ヒラリー女史にたいする怒りもさることながら、ロバーツ氏の大きな怒りは、トランプ叩きに終始しているアメリカの大手マスコミにも向けられているのです。 それにしても、実名で公けにしているブログなのに、よくぞここまで大胆に言い切れるものだと、その勇気に感心・感動しました。日本の元政府高官に、このようなひとはいるのでしょうか。私は寡聞にして知りません。 * 以上で「シリアに飛行禁止区域を!」と主張するヒラリー女史の冷酷さ・好戦性が少しは分かっていただけたかと思いますが、これだけでは、リビア空爆の残酷さや戦犯性が今少し伝わりにくいように思いますので、そのようすを物理化学者・藤永茂氏のブログ「私の闇の奥」から引用して紹介したいと思います。 このブログの日付は「2011年8月31日」となっています。カダフィが惨殺されたのは10月20日ですから、そのことを念頭において読んでいただければと思います。 「いま、リビアについての我々の関心は(好奇心は)、カダフィが何処でどのようにして捕まり、どのように処分されるかに釘付けにされているようですが、我々の本当の関心は、今回のリビア内戦でNATOが何をしたか、何をしているかに集中されるべきだと私は考えます。 カダフィの政府軍による大虐殺からリビア国民を守るという名目の下に開始されたNATOによるリビア空爆は、想像を絶する物凄さで行なわれました。8月23日のNATOの公式発表によると、過去5ヶ月間にNATO空軍機の出撃回数は2万回を超えました。1日あたり130回の物凄さです。 対地攻撃を行なった戦闘爆撃機が1機に複数の爆弾や誘導ミサイルを搭載しているとすると、正確激烈な破壊力を持った数万の爆弾やミサイルがリビアの人々の上に降り注いだことになります。 リビアの人口約650万人、人口的には福岡県と佐賀県を合わせた位の小国です。ミサイルの標的が戦車であれ、輸送車両、船舶であれ、カダフィの住宅であれ、放送局、大学であれ、無人ではない場合が普通でしょうから、多数の人間が殺傷されたに違いありません。8月上旬に、NATO空爆による死者2万という報道がちらりと流れたことがありましたが、あり得ない数字ではありません。 しかも、NATOの反政府軍支援は空爆に限られたわけではありません。大型ヘリコプターなどによる兵器、弾薬、物資の補給も行なわれ、地上でも多数のNATOやCIAの要員が間接的に参戦した模様です。しかし、こうしたNATOの活動の具体的報道は殆ど完全な管制下にあります。 これだけの規模の軍事暴力が、国際法的には全く合法性のないままで(UNの決議内容をはるかに超えて)、人口数百万の小独立国に襲いかかったのです。まことに言語道断の恐るべき前例が確立されました。カダフィと息子たちの今後の命運など、この暴虐行為の歴史的意義に較べれば、3面記事の値打ちしかありません。」 * これを読んでいただければ、ロバーツ氏が先に、「注目すべきなのは、ニュルンベルク裁判をもとにした国際法では彼女が有罪であることは明らかなのに、この戦争犯罪について殺人婆(killer bitch)に質問したマスコミは皆無だということだ」と言っていたことの意味が、改めてよく理解できるのではないでしょうか。 そして、満面に笑みを浮かべて「来た・見た・死んだ」と言ったヒラリー女史にたいして、ロバーツ氏が悪罵を投げつけたくなった理由も。 * それにしても、藤永氏は1926年生まれですから、2016年11月の現在で、氏は90歳前後のはずです。 九州大学やカナダのアルバータ大学で教鞭を執っていた一流の物理化学者でありながら、老体にむち打ちつつ、NHKや朝日新聞などの大手メディアが目をつむって通り過ぎている事実を掘り起こし、上記ブログを通じてそれを私たちに伝える仕事を続けておられます。 唯々(ただただ)、頭が下がります。 * ところでリビアの事態は、単にカダフィの惨殺に終わったわけではありませんでした。 前述のとおり、この戦争は全土を瓦礫に変え、「リビアの民主化」どころか大量の死者と難民をうみだしただけでした。そしてリビアはいまだに混沌の極致にあります。 そのうえ今度は、このような惨劇をシリアに輸出しようとしているのがヒラリー女史なのです。 それは単に彼女が「シリアにも飛行禁止区域を!」と叫んでいるからだけではありません。リビアで使ったイスラム原理主義集団を、実際にシリアに輸出しようとしてきたのが、ヒラリー女史を外交政策の責任者とするアメリカだったからです。 この間の事情を櫻井ジャーナル(2016年8月20日)は次のように伝えています。 「カダフィ体制が倒された直後、リビアのベンガジでは裁判所の建物にアル・カイダの旗が掲げられ、その映像がユーチューブにアップロードされた。その事実をイギリスのデイリー・メイル紙でさえ、伝えている。リビアを侵略した軍隊は空がNATO軍、地上はアル・カイダ系のLIFG(リビア・イスラム戦闘団)だった。 リビアを破壊した後、侵略軍はリビア軍の倉庫から武器/兵器を持ち出してトルコへ運んでいる。勿論、戦闘員も同じように移動した。調査ジャーナリストのシーモア・ハーシュによると、輸送の拠点になったのはベンガジにあるCIAの施設。輸送にはマークを消したNATOの輸送機が使われたとも伝えられている。 運び出された武器/兵器の中に化学兵器も含まれ、これをシリアで使い、政府軍に責任をなすりつけてNATO軍が直接、シリアへ軍事介入する口実にしようとしたと言われている。」 * これを読むと、リビアから傭兵集団が兵器もろともトルコを経由してシリアに輸送されていることが分かります。しかも輸送の拠点になったのはベンガジにあるCIAの施設で、輸送にはマークを消したNATOの輸送機が使われたというのですから、二重の驚きです。というよりも二重の犯罪と言うべきかも知れません。それはともかく、櫻井ジャーナルの説明は次のように続いています。 「そうした武器や戦闘員の輸送をアメリカ国務省は黙認した。2009年1月から13年2月まで国務長官を務めたヒラリー・クリントンもこの工作を知っていたはず。 しかも、クリントンの部下にあたるクリストファー・スティーブンス大使は2012年9月10日、CIAの武器輸送担当者と会談、その翌日には武器を輸送する海運会社の人間と会っている。勿論、武器はトルコ経由でシリアの侵略軍へ渡される手はずになっていた。 その9月11日にベンガジのアメリカ領事館が襲撃されてスティーブンス大使が殺されている。リビア議会が首相を指名する前日だ。その2カ月後にCIA長官を辞めたデイビッド・ペトレイアスはヒラリーと緊密な関係にあることで知られ、このルートからもシリアでの工作を知らされていたはずだ。」 * これを読むと、アメリカ大使館や領事館はCIAの拠点になっていることがよく分かります。日本のアメリカ大使館や領事館も同じ機能を果たしているのでしょうか。 しかし、ここでもっと重大なのは、その領事館が襲撃されてスティーブンス大使が殺されていることです。ヒラリー国務長官が公的なメールサーバーを使わずハッカー攻撃に弱い私的メールを使ったことが、大使殺害につながったかもしれないのです。 あるいは、うがった見方をすればこのような極秘事項を手配した人物だけに、それを外部に知られては困るから、密かにテロリスト=傭兵集団に頼んで大使を消してもらったのでしょうか。 櫻井ジャーナルはこれについては何も述べていないのですが、この私の仮説が正しければ、これほど身の毛のよだつ話はないでしょう。櫻井氏は、これに続けて次のように述べているだけです。 「クリントンは戦争犯罪人と言われても仕方のないようなことをしてきたわけだが、欧米の支配層はクリントンを支持してきた。投機家で体制転覆に多額の資金を提供してきたジョージ・ソロスも支援者のひとり。 この支配層は軍事的に世界制覇を進めるだけでなく、巨大資本が国や国際機関を支配する仕組みを作り上げようとしている。それがTPP(環太平洋連携協定)、TTIP(環大西洋貿易投資協定)、そしてTiSA(新サービス貿易協定)の3点セットだ。」 * ヒラリー女史の好戦性、あるいはヒラリー女史が大統領になると、なぜ第3次世界大戦になる危険性があるかは、以上の説明で、かなり分かっていただけたのではないかと思います。 しかし彼女の好戦的履歴は、このリビア爆撃にとどまるものではありません。 とはいえ本稿もすでにかなり長くなってきていますので、以下ではその略歴だけを紹介して、この論考を閉じたいと思います。以下の引用は先の櫻井ジャーナル(同日付け)からのものです。 「ウィキリークスによる電子メールのハッキング情報が続いている。今回は投機家で体制転覆に多額の資金を提供してきたジョージ・ソロスだ。 彼がターゲット国の体制を転覆させるために使っているオープン・ソサエティ基金もハッキングされたという。そうした電子メールの中には、ソロスがヒラリー・クリントンに対してユーゴスラビア=アルバニア情勢に対する対処の仕方をアドバイスするものがある。そのメールが書かれたのは2011年1月24日で、国務長官だったクリントンはソロスのアドバイスに従って動いたようだ。 ヒラリー・クリントンは夫が大統領だった1990年代、マデリーン・オルブライト(国連大使から国務長官)やビクトリア・ヌランド(国務副長官の首席補佐官)と連携して政権をユーゴスラビアに対する先制攻撃へと導いているが、その背後にソロスがいたということだろう。国務長官に就任したオルブライトが主導する形で1999年3月にNATO軍は偽情報で環境作りをしながらユーゴスラビアを先制攻撃、ひとつの国を破壊した。」 * 上記に登場するマデリーン・オルブライトとビクトリア・ヌランドという二人の女性は好戦的人物として有名ですが、この2人を、戦争にあまり乗り気ではなかった夫のビル・クリントンに紹介し強引に新しい国務長官や国務副長官の首席補佐官に据え付けたのも、ファーストレディだったヒラリー女史だったと言われています。 ですから、彼女のタカ派ぶりは、ここでみごとに発揮されていると言えます。 櫻井ジャーナルの叙述は、さらに次のように続いています。 「2003年11月にはジョージア(グルジア)で「バラ革命」、04年から05年にかけてはウクライナで「オレンジ革命」があり、新自由主義体制になった。 当然、一部のグループが不正な手段で国民の財産を奪って莫大な富を築き、その後ろ盾になっていた西側の巨大資本も利益や利権を手にした。こうした「革命」でもソロスはスポンサーとしての役割を果たしていた。 言うまでもなく両国の庶民は貧困化、そうした状況への怒りからソロスたち西側の富豪や巨大資本にとって好ましくない方向へ動いた。そこで仕掛けられたのがウクライナ首都キエフのクーデター。 2014年2月22日、ネオ・ナチ(ステファン・バンデラ派)を主力とするグループがビクトル・ヤヌコビッチ大統領を暴力的に排除している。そのクーデターを現場で指揮していたのがヌランド国務次官補だった。クリントンは2013年2月に国務長官を辞めているが、ヌランドは彼女の同志だ。」 * 私は「バラ革命」や「オレンジ革命」のニュースを聞いたとき、旧ソ連圏の東ヨーロッパで、新しい民衆運動が起きているものと信じていました。 しかし今から考えると、実に巧妙に仕組まれた「偽の民衆革命」だったのです。これは一種のクーデターでした。 しかも、このクーデターは東欧だけにとどまりませんでした。ヒラリー国務長官のもとで、クーデターは中米にまで飛び火していました。あの悪名高いブッシュ大統領ですら、やらなかったことです。以下の櫻井氏による説明は次のようになっています。 「クリントンが長官に就任したのはバラク・オバマが大統領に就任した2009年1月のことだが、その年の6月にホンジュラスで実行されたクーデターでクリントンは黒幕的な役割を果たしたと言われている。約100名の兵士が大統領官邸を襲い、マヌエル・セラヤ大統領を拉致し、コスタ・リカへ連れ去っている。 現地のアメリカ大使館は国務省に対し、クーデターは軍、最高裁、そして国会が仕組んだ陰謀であり、違法で憲法にも違反していると報告している。つまり、クーデター政権には正当性がないと明言した。 このクーデター政権は翌2010年、最初の半年だけで約3000名を殺害したとも報告されている。そのクーデターの背後にクリントン長官がいたということだ。」 * 以上で櫻井ジャーナルからの引用を終えます。まだまだヒラリー女史の好戦性・冷酷さを示す事例に事欠かないのですが、長くなりすぎていますので、ひとまずここで筆をおきます。今のアメリカ情勢を理解する一助にしていただければ幸いです。 ただ一つだけ付け加えておきたいことがあります。それはアメリカの民衆が、知れば知るほどヒラリー女史に嫌気がさしているのに、他方の大手メディアがトランプ叩きに終始しているという事実です。 これでは、アメリカ民衆は「どちらがワルとして我慢できるか」という選択肢しか残されていないことになります。これはアメリカ史上、最悪の大統領選挙と言えるでしょう。 ただ私たち日本人に一つだけメリットがあるとすれば、今までアメリカは理想の国、民主主義のモデル国だと思われていたのに、それは虚像に過ぎなかったことが、この選挙戦を通じて見えてきたことではないでしょうか。 http://www.h5.dion.ne.jp/~chosyu/hirarikurintontohadarekage.html ▲△▽▼
クリントン氏を「傷つけたくない」 トランプ氏、訴追の構え撤回 2016年11月23日 07:07 発信地:ワシントンD.C./米国
米大統領選を争ったドナルド・トランプ氏(左)とヒラリー・クリントン氏 【11月23日 AFP】(更新)米国の次期大統領に選出されたドナルド・トランプ(Donald Trump)氏は22日、自身が当選すれば民主党の対立候補だったヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)前国務長官の訴追を目指すとしていた発言について、実行すれば「国を大きく分断することになるだろう」と述べ、撤回する意向を示した。 トランプ氏は選挙運動中、自身が大統選で勝利を収めればクリントン氏を刑務所行きにすると発言し、驚きと非難の声を浴びた。 トランプ氏はクリントン氏が国務長官時代の公務に私用電子メールサーバーを使用していた問題と、一家が運営するクリントン財団(Clinton Foundation)の「見返り献金」疑惑を選挙戦の軸となるテーマとして掲げ、クリントン氏の「犯罪」を糾弾。熱狂した支持者らによる「彼女を収監しろ!」というシュプレヒコールを生んでいた。 クリントン氏の追加捜査を求めないとのトランプ氏の決断は、ニュース局MSNBCが他社に先駆けて報道。その後、トランプ氏側近のケリーアン・コンウェー(Kellyanne Conway)氏が同局のインタビューに対し事実と認めた。 またトランプ氏本人も22日、ニューヨーク・タイムズ(New York Times)紙のインタビューに応じた際、「私はクリントン家を傷つけたくない」などと述べ、前言撤回とみられる姿勢を示した。 トランプ氏の決断は、熱烈な支持者らから公約違反と受け止められたり、職権乱用との批判を生んだりする可能性がある。(c)AFP ▲△▽▼
2016.12.11 トランプがビジネス関係を解消したサウジアラビアはクリントン周辺と深く結びついている可能性 http://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201612110000/
ドナルド・トランプ次期大統領は選挙後、サウジアラビアでのビジネスに幕を引いたようだ。サウジアラビアは「スンニ派テロリスト」、つまりアル・カイダ系武装集団やそこから派生したダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)を支援している主要国のひとつであり、当然のことだろう。 トランプが大統領に就任した後、安全保障担当補佐官に就任すると見られているマイケル・フリン元DIA局長はそうした武装集団の危険性を訴えてバラク・オバマ大統領から解任されたと言われているだけに、この問題には神経質になっているはずだ。トランプ政権ではサウジアラビアが国際問題の焦点になるかもしれない。 サウジアラビアと「スンニ派テロリスト」との関係はオバマ政権も知っていた。2009年12月30日にアメリカの国務省が出した通信文には、サウジアラビアの資金提供者が全世界に展開する「スンニ派テロリスト」への最も重要な資金源を構成していると書かれている。当時の国務長官はヒラリー・クリントンであり、当然、この事実を彼女も知っていたはずだ。 その2年前、調査ジャーナリストのシーモア・ハーシュはニューヨーカー誌にアメリカ、サウジアラビア、イスラエルの秘密工作について書いている。シリア、イラン、そしてレバノンのヒズボラをターゲットにした秘密工作を始めたというのだ。その手先はサラフ主義者(ワッハーブ派)やムスリム同胞団。こうした情報の少なくとも一部を国務省は認めていたことになる。 2014年8月にクリントンが選挙キャンペーンの責任者だったジョン・ポデスタへ送った電子メールにはサウジアラビアとカタールについて、ダーイッシュや他のスンニ派過激派に対する資金や物資を秘密裏に供給していると書いている。 今年6月にはヨルダンの通信社ペトロ・ニュースはサウジアラビアの副皇太子で国防相でもあるモハンマド・ビン・サルマンの話として、民主党の有力候補が受け取った寄付金の20%はサウジアラビアからのものだと伝えた。その直後、通信社のサイトがハッキングされ、嘘の記事が掲載されたという訂正文が掲載されたのだが、この訂正が正しいかどうかも不明だ。このビン・サルマンはサウジアラビア王家の中で武装集団と最も強く結びついている人物だと言われ、トルコのクーデター未遂にも関係したとする情報もある。 タイムズ・オブ・イスラエル紙によると、クリントンの高額寄付者の上位5位まで、トランプは上位2位までがユダヤ系。両者ともイスラエル・ロビー団体のAIPACで演説、イスラエル支持を表明している。 こうしてみるとユダヤ系の富豪はクリントン側に寄っているように見えるが、11月13日に放送された番組の中でロシア外務省の広報担当者、マリア・ザハロバは興味深い話を口にしている。9月にニューヨークで会ったユダヤ系の人物から、自分たちはクリントンに寄付しているが、その倍をトランプに提供していることを明らかにしたというのだ。 もし、ユダヤ系の資金がトランプへ多く流れたとするなら、その穴埋めをサウジアラビアに求めたとしても不思議ではなく、ヨルダンでの報道は無視できない。そのサウジアラビアが「スンニ派テロリスト」のスポンサーだということをクリントンは熟知しているわけで、この問題を掘り下げていくと困る人はクリントンだけに留まらないだろう。 トランプは2001年9月11日の攻撃について関心を持っているようで、これもサウジアラビアと結びつけて語る人がいる。もし、トランプを支配層がコントロールできなくなった場合、アメリカに激震が走ることは間違いない。フリン中将の存在は不気味だろう。 ▲△▽▼
上院議員に出馬して以来、ヒラリー・クリントンはロッキード・マーチンから多額の寄付を受け、「ロッキード・マーチンの上院議員」とも呼ばれていた。 リチャード・チェイニー元副大統領の妻リンは1994年から2001年まで同社の重役。ヒラリーとリンは戦争ビジネスでつながっている。
言うまでもなく、リチャード・チェイニーは1995年から2000年までハリーバートンのCEO兼会長。戦争で大儲けしている会社だ。 ソ連消滅後、アメリカの軍需産業は能力よりカネ儲けを優先、その象徴がロッキード・マーチンのF-35だ。 この戦闘機は現在のアメリカを象徴する存在だと言えるかもしれない。プログラム・コストは1兆5000億ドル以上になりそうだが、「空飛ぶダンプカー」と呼ばれる代物。2015年の初めにカリフォルニア州のエドワード空軍基地でF-35A(通常離着陸型)は燃料タンクを装着したF-16Dと模擬空中戦を行い、完敗してしまったと言われている。間違いなく要撃には不向き。この高額欠陥戦闘機を日本も5機注文、さらに42機を購入する計画だという。 http://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201612140000/ ▲△▽▼ 2016.12.20 トルコで露大使が射殺される前、米大統領、元CIA長官、元CIA副長官はロシアに対する報復を口に トルコ駐在のロシア大使、アンドレイ・カルロフが12月19日にアンカラで射殺された。美術展覧会でスピーチした後、非番の警察官に撃たれたと伝えられている。ロシア軍の支援を受けたシリア政府軍がアレッポを奪還したことに対する報復であるかのようなことを銃撃犯は口にしていたようだ。 シリアでの戦闘はリビアと同様、外国勢力に送り込まれた武装集団によって2011年春に始められた。戦闘員の主体はサウジアラビアなどペルシャ湾岸産油国に雇われたサラフ主義者/ワッハーブ派やムスリム同胞団で、アメリカなどが戦闘員を訓練し、携帯型の防空システムMANPADや対戦車ミサイルTOWを含む武器や兵器を供給してきた。「反体制派」や「内戦」といった用語を使うことは間違い、あるいは嘘だ。 こうした侵略作戦は昨年9月末にロシア軍がシリア政府の要請で空爆を始めてから崩れていく。途中、アメリカ政府は停戦を持ちかけて時間を稼ぎ、体勢を立て直そうとしたものの、思惑通りには進んでいない。そして要衝アレッポが政府軍に奪還された。 アル・カイダ系武装集団やそこから派生したダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)を利用してシリアやリビアを軍事的に破壊しようとした勢力はアメリカ大統領選で民主党のヒラリー・クリントンを担いでいた。2009年1月から13年2月まで国務長官を務めたクリントンは中東/北アフリカにおける軍事侵略に深く関係、11年10月20日にリビアのムアンマル・アル・カダフィが惨殺された事実をCBSのインタビュー中に知らされた際、彼女は「来た、見た、死んだ」と口にして喜んでいる。 リビア攻撃では重要な事実、アメリカ/NATOがアル・カイダ系武装集団LIFGと連携していることが広く知られるようになる。LIFGの幹部がそうした事実を認めただけではなく、体制転覆後、反カダフィ勢力の拠点だったベンガジでは裁判所の建物にアル・カイダの旗が掲げられ、その映像がYouTubeにアップロードされ、イギリスのデイリー・メイル紙も伝えたのだ。 そのリビアから戦闘員と武器/兵器がシリアへ移動したことは早い段階から指摘され、マークを消したNATOの輸送機が武器をリビアからトルコの基地まで運んだとも伝えられていた。おそらく、クリントンはシリアのバシャール・アル・アサドも血祭りに上げようとしたのだろう。 後に調査ジャーナリストのシーモア・ハーシュは戦闘員や武器/兵器を運ぶ拠点がベンガジにあるCIAの拠点で、アメリカ国務省はそうした活動を黙認していたことを明らかにした。ベンガジにあるアメリカ領事館もそうした活動の舞台だったが、2012年9月11日に襲撃され、クリストファー・スティーブンス大使も殺される。 ハーシュによると、領事館が襲撃される前日、大使は武器輸送の責任者だったCIAの人間と会談、襲撃の当日には武器を輸送する海運会社の人間と会っていた。ということは、スティーブンスの上司にあたるクリントン長官も承知していた可能性が高い。2012年11月にCIA長官を辞めたデイビッド・ペトレイアスはヒラリー・クリントンと緊密な関係にある人物で、このルートからもシリアでの工作を知らされていたはずだ。 ペトレイアスは12月16日、ロシアに対する「報復」について語っている。ロシアが民主党の電子メールなどをハッキングしていないことは彼も承知しているはずであり、実際に「報復」するなら別の出来事に対するものだ。 それはともかく、「彼らに対してわれわれができ、彼らがわかり、われわれが行ったことを彼らが98%理解するが、名誉のために応じなければならないほど明白ではないようなことはないだろうか?」とペトレイアスは口にしたという。同じ日にバラク・オバマ大統領は、ロシアに対する「懲罰と抑止」としてロシアへ明確のメッセージを送ることを誓ったともいう。 要するに、自分たちが世界の支配者になるという野望の実現を妨害するロシアに対して報復したいということなのだろうが、それだけ彼らが追い詰められているとも言える。 ヒラリー・クリントンを支援するため、2013年8月にCIA副長官を辞めた(12年11月から13年3月まで長官代理)マイク・モレルは今年8月8日、ロシア人はイラン人に代償を払わせるべきだと語った。司会者のチャーリー・ローズからロシア人とイラン人を殺すという意味かと問われ、その通りだと答えている。わからないように殺すというのだ。 ヒラリー・クリントンの周辺は公然とロシア人を殺すべきだと語っている。それがいかに深刻なことなのか、西側の政府や有力メディアは考えていないようだ。 http://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201612200000/ ▲△▽▼
2017.01.06 アッサンジが電子メールの情報源は露政府でないと発言、西側メディアは情報源の情報源だと修正
WikiLeaksのジュリアン・アッサンジはFoxニューズの番組で、彼らが2016年に公表したDNC(民主党全国委員会)やヒラリー・クリントンの選挙キャンペーンに関する電子メールはロシア政府から提供されたものでないと語った。 それまでアメリカの政府や有力メディアはロシア政府がハッキングで入手した電子メールをWikiLeaksへ渡したと宣伝、ロシア外交官35名とその家族、合計96名をバラク・オバマ政権は国外追放している。 通常、こうしたことをすると相手国も同じように外交官を追放するのだが、ウラジミル・プーチン露大統領は無視した。任期を終える直前のオバマ大統領が「置き土産」としてロシアとアメリカとの関係を悪化させようとしていることが明白なため、挑発に乗らなかったのだ。 これまでもWikiLeaks側はロシア政府が情報源だとする主張を否定してきた(例えばココ)が、それでもアメリカ政府や西側の有力メディアは根拠、証拠を示すことなく同じ主張を繰り返してきた。ところが今回は違い、間に第三者が入ったと修正してきた。ロシア政府はWikiLeaksの「情報源の情報源」だというわけだ。嘘をつき始めると際限がなくなる。 オバマ政権のロシア政府を攻撃している間にハッキングされた電子メールの中身について語られなくなったが、「改竄された」ことを示す根拠や証拠は示されていないわけで、その問題は片付いていない。 昨年7月5日にジェームズ・コミーFBI長官が発表した声明の中で、ヒラリー・クリントンは機密情報の取り扱いに関する法規に批判した可能性があり、そうした情報を軽率に扱っていたことを認めているのだが、その上で司法省に対して彼女の不起訴を勧告している。 FBIが彼女を起訴しないと決めた一因として、証拠となる万2000件近い電子メールが削除されていたことが挙げられている。その中には記録として残すことが義務づけられているメールも含まれていたが、大きな問題とはとらえられていない。サウス・カロライナ州選出の下院議員トレイ・ゴウディによると、クリントンは削除のためにブリーチビットというソフトウェアを利用しているようだ。 このソフトウェアを使うと削除した文書を回復させられないだけでなく、削除した痕跡を消すこともできるというが、FBIがその気になれば入手できる。NSAの内部告発者であるウィリアム・ビニーも指摘しているように、NSAは地球規模で全ての電子メールを記録している。ヒラリーが何をしたかに関係なく、FBI長官は彼女を起訴する意思がなかったということだ。 投機家で体制転覆の仕掛け人としても知られているジョージ・ソロスの電子メールも外部に漏れている。その中でソロスは国務長官時代のヒラリー・クリントンに対してアルバニア情勢に対する対処の仕方をアドバイス、それに沿ってヒラリーは行動した。 ソロスはロスチャイルドとの関係が深いが、ヒラリーが頻繁にメールを遣り取りしていた相手のひとりがリン・フォレスター・ド・ロスチャイルドだ。この女性は1998年に開かれたビルダーバーグ・グループの会合で知り合ったエベリン・ド・ロスチャイルドと2000年に結婚している。ふたりを結びつけた人物はヘンリー・キッシンジャーだ。 ハッキングされた電子メールの中には、2012年9月11日にベンガジのアメリカ領事館が襲撃された出来事も含まれている。その襲撃でクリストファー・スティーブンス大使が殺されたが、ベンガジを含む襲撃に資金を出したのはサウジアラビアのスンニ派(ワッハーブ派)だということを示す証拠をフランスとリビアの情報機関が持っているとしている。 http://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201701040000/ ▲△▽▼ 2017.01.06 トランプ陣営からネオコンのウールジー元CIA長官が追放され、ネオコンとの対立が激化する可能性
ドナルド・トランプの周辺からネオコン色が薄くなりつつある。これまで上級顧問としてネオコンのジェームズ・ウールジー元CIA長官が参加していたのだが、トランプのチームから追い出されたのだ。 ウールジーがCIA長官だったのはビル・クリントン時代の1993年2月から95年1月までだが、退任後にはネオコン系シンクタンクPNACのメンバーになる。PNACは1997年にロバート・ケーガンとウィリアム・クリストルによって創設されたが、ケーガンが結婚したビクトリア・ヌランドはウクライナのクーデターを指揮したひとりで、ヒラリー・クリントンと親しいことで知られている。 このヒラリーと親しいマデリーン・オルブライトが1997年1月から国務長官を務めているが、それと同時に政権は好戦的になり、1999年3月にNATOはユーゴスラビアを先制攻撃している。同年5月には中国大使館が破壊されたが、これは意図的な攻撃だった可能性がきわめて高い。 1998年1月にPNACは中東に危機が迫っているとしたうえで、イラクが大量破壊兵器を実際に使用するか脅迫の道具に使う可能性を排除するべきだと主張、サダム・フセインの排除を求める手紙をクリントン大統領に出している。その手紙にウールジーも署名していた。また、ウールジーはウクライナのクーデターやシリアへの侵略で積極的に動いて来たネオコンのジョン・マケイン上院議員とも近い関係にある。 こうした背景を持つ人物を上級顧問として抱えていたことからトランプもネオコンの強い影響下にあると見る人もいたが、閣僚人事を見ても、次期政権はネオコンと一線を画そうとしているように見える。 トランプを攻撃するため、ヒラリー・クリントンやバラク・オバマ大統領の周辺はトランプをロシア政府の傀儡だと宣伝している。そうした宣伝の一環としてヒラリーや民主党にとって都合の悪い電子メールをハッキングしたのはロシア政府だと言い続けているのだが、その根拠や証拠は示されていない。 前回も指摘したように、2016年にWikiLeaksが公表したDNC(民主党全国委員会)やヒラリー・クリントンの選挙キャンペーンに関する電子メールはロシア政府から提供されたものでないとジュリアン・アッサンジが語ると、間に第三者が挟まっている、つまりロシア政府はWikiLeaksの情報源の情報源だと言い出すなど足下がおぼつかない。 ジェームズ・クラッパー国家情報長官はクリントンやオバマ側に立ち、「証拠」を示すようなことを言っているが、本当に持っているなら、遥か前に提示しているだろう。ここにきてワシントン・ポスト紙では、ロシア政府の高官がトランプの勝利を祝う会話を傍受したと報じているが、これが事実だったとしても意味はない。ヒラリーはロシアを露骨に敵視、核戦争の可能性を高める政策を推進するとしていた。ロシアとの関係修復を口にしていたトランプの勝利をロシア側が喜ぶのは当然で、もし逆なら大きな問題になる。 これまでにも指摘されてきたが、アメリカの情報機関NSAは通信を地球規模で傍受、記録、分析している。つまり、ヒラリー・クリントンの電子メールも全て持っているはず。ロシアがハッキングすれば、その証拠を提示できるだろう。 こうした通信傍受は1970年代に衛星通信が広がるにともなって盛んになった。イギリスのジャーナリスト、ダンカン・キャンベルなどはその頃からアメリカやイギリスの情報機関による情報支配を暴いている。エドワード・スノーデンが明らかにしたことは、その延長線上にある最新事情だ。 1970年代の終盤には不特定多数の対象を追跡し、情報を収集、分析できるシステムも開発されている。そうした中で特に注目されていたのがINSLAW社のPROMIS。このシステムには日本の法務省も注目、1979年と80年に法務総合研究所の『研究部資料』に概説資料と研究報告の翻訳を掲載している。 INSLAW社と接触していたのは後の名古屋高検検事長、敷田稔。その当時、駐米日本大使館に一等書記官として勤務していたのが原田明夫だ。言うまでもなく、原田は後に法務省刑事局長として「組織的犯罪対策法(盗聴法)」の法制化を進め、事務次官を経て検事総長に就任した人物。1980年代どころか90年代を過ぎても日本のマスコミ、「市民活動家」、「リベラル派」、「革新勢力」はこうした監視システムから目を背け、取り上げることを拒否していた。スノーデンの内部告発でこうした問題を始めて知ったわけでない人は日本にも少なくないはずだ。 ともかく、通信傍受を含むさまざまな手段で情報を収集して分析するだけでなく、コンピュータ・ウィルスを感染させて攻撃するということをアメリカはイギリスやイスラエルと手を組んで行ってきた。また、第2次世界大戦後、アメリカ政府が他国の選挙への介入した最初のケースは1948年のイタリアにおける総選挙。この時の工作資金は戦争中にドイツ軍が略奪した「ナチ・ゴールド」だったと言われている。こうしたことは広く知られているわけで、ロシア政府がプロパガンダを行った、ハッキングした、選挙に介入したとアメリカ政府が騒ぐのは滑稽だ。 http://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201701060001/ ▲△▽▼ 2017.01.10 来日し、安倍首相らと会ってカネの使い方を話し合った投機家のソロスが置かれた厳しい状況 ジョージ・ソロスがアデアー・ターナー元CBI(英国産業連盟)会長を伴って来日、1月6日に安倍晋三首相と30分ほど「アベノミクス」について話し合ったと報道されている。その席には元朝日新聞主筆の舟橋洋一もいたようだ。さらに麻生太郎財務相や黒田東彦日銀総裁とソロスの一行は会ったという。日本からカネを巻き上げるための話し合いと言えるだろう。 長年、ソロスはソ連/ロシアを不安定化させて浸食、あるいは侵略して富を奪おうとしてきたが、ウラジミル・プーチンによって押し返されている。しかも昨年の大統領選挙ではソロスがコントロールしていたヒラリー・クリントンが敗北、ロシアとの関係修復を主張していたドナルド・トランプが勝利してしまった。 クリントンとソロスとの関係を示す電子メールが昨年8月、インターネット上に公開されている。ハッキングされたもので、その中にはソロスが国務長官時代のクリントンにアルバニア情勢の対処法をアドバイスしている2011年1月24日付けのメールもある。実際、クリントンはその通りに動いたようだ。 その頃、アメリカではソロスが親イスラエル派を弱体化させようとしているとする報道もあったが、イスラエル系富豪がトランプへ資金を大量に提供していた可能性がある。例えば、選挙後の昨年11月13日に放送された番組の中でロシア外務省の広報担当者、マリア・ザハロバは、アメリカの大統領選挙でトランプが勝利した理由をユダヤ人の資金だと語っている。9月にニューヨークで会ったユダヤ系の人物から、自分たちはヒラリー・クリントンに寄付しているが、その倍をトランプに提供していることを明らかにしたというのだ。トランプに対する最大の寄付者はカジノを経営、日本でもカジノを経営しようとしているシェルドン・アデルソンだ。 しかし、ソロスもユダヤ系であり、人脈はユダヤ系のロスチャイルド系のネットワークに続き、イギリスのN M ロスチャイルド・アンド・サンやフランスのエドモンド・ド・ロスチャイルド・グループとつながっている。ユダヤ系富豪の内部で対立が生じていたのかもしれない。 選挙後もソロスはトランプを攻撃しようとしている。例えば、昨年11月13日から3日間の予定で彼は息子のジョナサン・ソロス、あるいはトム・ステイアーを含む富豪たちと一緒にトランプ対策を練る秘密会談をワシントンのマンダリン・オリエンタル・ホテルで開いている。やはり13日にベルギーのブリュッセルではイギリスとフランスを除くEUの外務大臣がトランプに関して話し合っている。 こうした会議以上に興味深いのはロシアで新自由主義者、つまりアメリカ巨大資本の傀儡グループに属すと見られているアレクセイ・ウルカエフ経済開発相が逮捕された事実だろう。現在でもロシア支配層の内部には西側資本の傀儡勢力が小さからぬ影響力を維持している。ウルカエフはそのひとりだが、この逮捕によって彼の仲間は背筋が寒くなるのを感じたことだろう。ロシアでソロスの手先は締め上げられつつある。 ソロスはウクライナでネオ・ナチを使ってクーデターを成功させたグループのひとりだが、そのウクライナは破綻状態。トランプが大統領に就任した場合、さらに状況は厳しくなるかもしれない。そうした中、「アメリカの関東軍」とも言えるNATOはエイブラムズM1A1戦車87輌を含む戦闘車両を1月6日にドイツへ陸揚げした。戦闘ヘリのブラック・ホーク50機、CH-47チヌークを10機、アパッチ・ヘリコプターを24機などと共にドイツ、ブルガリア、エストニア、ラトビア、リトアニア、ポーランド、ルーマニアへ配備するようだ。武力でロシアを挑発しているのだろうが、トランプが大統領に就任する前、何らかの行動に出る可能性も否定できない。 そうした状況下でソロスは日本へ乗り込んできた。平和的なビジネスの話をすることが目的ではないだろう。 http://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201701100000/ ▲△▽▼ 2017.01.21 トランプの大統領就任式が行われている時、街頭で反トランプの抗議活動を実行したのは誰か ドナルド・トランプがアメリカ大統領に就任した。その最中、街中では反トランプの抗議活動が展開され、暴力的な光景も見られた。投機家のジョージ・ソロスやその影響下にあるヒラリー・クリントンたちは「パープル革命」を仕掛けると見られていたので、驚きではない。昨年11月に実施された大統領を選ぶ投票でトランプの勝利が決まった直後、ヒラリーは夫のビルと紫をあしらった衣装で集会に登場している。 いわゆる「カラー革命」をアメリカ支配層は体制を自分たちにとって都合良く作り替える(レジーム・チェンジ)ために使ってきた。そのスポンサーと言われているのがソロスにほかならない。 2004年から05年にかけてのオレンジ革命でウクライナの政権乗取りに成功した西側支配層は、2013年11月から14年2月にかけてもクーデターを実行している。この時はネオ・ナチ(ステファン・バンデラ派)が前面に出て来た。 勿論、このクーデターは憲法の規定を無視したもので、新政権に合法性はない。国民の支持を受けていたならまだしも、排除されたビクトル・ヤヌコビッチ大統領の支持基盤である東部や南部では反発が強まり、ウクライナから離脱する意思を示した。ところが、西側では政府や有力メディアだけでなく、リベラル派や革新勢力を名乗っている人びとも民意を否定した違憲の政権を支持している。 このクーデターはウクライナで事前に警告されていた。2013年11月、オレグ・ツァロフ議員が議会で同国を内戦状態にするプロジェクトについて演説しているのだ。それによると、プロジェクトの中心はジェオフリー・パイアット米大使で、計画は11月14日と15日に話し合われ、NGOがその手先として動くことになっていたという。議員が演説した翌日にユーロマイダン(ユーロ広場、元の独立広場)で抗議活動は始まる。クーデターの際、デモを演出するのはアメリカ支配層の常套手段である。 イランでナショナリストのムハマド・モサデク政権を倒した1953年のクーデターの場合、アメリカとイギリスのクーデター計画を知った国民が抗議デモを始めるとアメリカ大使だったロイ・ヘンダーソンが抗議して止めさせ(William Blum, "The CIA," Zed Books, 1986)、その一方でツデー党員(コミュニスト)を装ったデモを開始、モサデクの勝利はコミュニストの勝利を意味すると宣伝し始める。その2日後にはCIAが手配した反モサデクのデモが始まり、その日の午後にモサデクの自宅が国王派の将校が指揮する戦車部隊に包囲され、モサデクは内戦を避けたことからクーデターは成功裏に終わった。 1973年9月11日にオーグスト・ピノチェトが率いる部隊のクーデターで合法政権が倒されたチリの場合、その前年9月にアメリカ政府は労働組合にストライキを実行させて経済混乱や社会不安の深刻化を図った。労働組合は革新勢力だと思われがちだが、CIAは組合に浸食、組合幹部の中にはCIAのネットワークが作られていることが少なくない。このクーデターから2年後、CIAはオーストラリアの労働党政権を崩壊させたが、この時も労働組合を使って政権を揺さぶっている。1990年代からCIAはNGOを盛んに使うようになるが、NGOがCIAとつながる組織だということではなく、CIAがNGOを利用するようになったということだ。 アメリカ支配層は労働組合やNGOだけでなく、メディアを自分たちの道具として使ってきた。CIAと有力メディアとの関係がいかに強いかは本ブログで何度も書いてきた通りである。そうした傾向は巨大資本によるメディア支配が強まった1980年代からひどくなっている。 有力メディアが支配層に取って都合の良い幻影を見せているだけだということは多くの人が気づいているだろうが、気づかぬふりをしている人は少なくない。映画『マトリックス」的に言うなら、痛みを伴う真実を知ることのできる「赤いピル」ではなく、支配層が提供する幻影の中に浸ることができる「青いピル」を選ぶ人が多いということだが、ここにきて世界的に「赤いピル」を選ぶ人が増えてきたことも確かだ。そうした傾向が日本では弱いが、それでもそうした方向へ動いていくだろう。 http://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201701210000/ ▲△▽▼
2017.01.22 米が唯一の超大国でない事実を認めず露と核戦争も辞さない姿勢をみせるヒラリーが敗北した必然 ドナルド・トランプ米大統領はTPP(環太平洋連携協定)から撤退すると表明した。以前から主張していたことなので驚きではない。「自由貿易」を旗印に推進されてきたTPPはTTIP(環大西洋貿易投資協定)やTiSA(新サービス貿易協定)とセットになった協定で、多くの人が指摘しているようにアメリカを拠点とする巨大資本が世界を支配するための仕組みにすぎない。つまりフランクリン・ルーズベルト第32代米大統領が定義したファシズムに基づく体制を作り上げるための協定である。 TPPを推進使用としてきた西側の有力メディアは選挙期間中からトランプがロシアとの関係改善を目指していることに憎悪を剝き出しにしていた。ウラジミル・プーチンの下でロシアは曲がりなりにも再独立に成功したが、その前のボリス・エリツィン時代は西側巨大資本の植民地と化していた。その巨大資本の手先としてロシア国民の富を略奪、自らも巨万の富を手にした人びとが「オリガルヒ」だ。全世界をエリツィン時代のロシアと同じようにすることがTPP、TTIP、TiSAの目的だ。 昨年の大統領選挙でトランプやバーニー・サンダースを支持した人々の相当部分はそうした支配層の目論見を理解していた、あるいは感じていたのだろう。民主党内の怪しげなルールもあってサンダースは途中で離脱、残されたトランプが勝利した。敗北したのは巨大資本の代理人、ヒラリー・クリントンだ。 ヒラリーは巨大軍需企業ロッキード・マーチンと緊密な関係にあり、上院議員の時代にはその代理人と言われていた。夫のビル・クリントンが大統領だった1990年代、その政権にはヒラリーと親しい関係にある好戦派が引き入れられていた。ズビグネフ・ブレジンスキーの教え子だったマデリーン・オルブライト(1993年から97年まで国連大使、97年から国務長官)やネオコンのビクトリア・ヌランド(国務副長官の首席補佐官)だ。 現在、ヒラリーの側近中の側近と言われるフーマ・アベディンがヒラリーと結びついたのもこの時期。1996年にジョージ・ワシントン大学の学生だったアベディンはインターンとしてホワイトハウスに入っている。サウジアラビアでヒューマは育ったが、彼女の母親であるサレハはムスリム同胞団の女性部門を指導する立場にあり、父親のシードとアル・カイダとの関係を指摘する人もいる。また夫のアンソニー・ウィーナー元下院議員はネオコンだ。 こうしたヒラリーが次期大統領に内定したのは遅くとも2015年6月だと見られている。その月の11日から14日にかけてオーストリアでビルダーバーグ・グループの会合が開かれているのだが、そこにヒラリー・クリントンの旧友、ジム・メッシナが招待されていたのだ。 ビルダーバーグ・グループは欧米支配層の利害調整機関と位置づけられ、ACUE(ヨーロッパ連合に関するアメリカ委員会)の下部機関と見なされている。ACUEの目的はヨーロッパの統合で、資金源はロックフェラー財団やフォード財団だった。こうした中から非民主的な組織であるEUも生まれた。 ヒラリーを次期大統領にするという流れに変化が見られたのは昨年2月10日のことだった。ヘンリー・キッシンジャーがロシアを訪問してウラジミル・プーチン露大統領と会談し、22日にはシリアで停戦の合意が成立したのだ。停戦はアメリカが配下の武装集団の体勢を立て直すときに使われる常套手段だが、キッシンジャーがモスクワへ行ったことは無視できない。 デイビッド・ロックフェラーと親しいズビグネフ・ブレジンスキーもアメリカが地球規模の帝国ではなくなったと認めているのが現状だ。1992年2月に国防総省で作成されたDPG草稿(ウォルフォウィッツ・ドクトリン)の前提は91年12月のソ連消滅でアメリカが「唯一の超大国」になったということだが、21世紀に入ってプーチンがロシアを再独立させて状況は変化、ロシアや中国との核戦争も辞さないというネオコンの姿勢は正気でないと考える人が支配層の内部でも増えたのだろう。 昨年11月13日に放送された番組の中でロシア外務省の広報担当者、マリア・ザハロバはアメリカの大統領選挙でドナルド・トランプが勝利した理由をユダヤ人の資金だと語っている。9月にニューヨークで会ったユダヤ系の人物から、自分たちはヒラリー・クリントンに寄付しているが、その倍をトランプに提供していることを明らかにしたとしているのだ。ヒラリー離れはユダヤ系富豪の中にも広がっていたと言えるだろう。 こうした流れを考えれば、トランプの背後にキッシンジャーの影が見えるのは当然のことである。ネオコンの妄想ではなく、現実に基づいて戦略を立て直そうというアメリカ支配層の意思がトランプ政権の誕生を実現したとも言えるだろう。勿論、「全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有する」などとトランプたちは考えていないだろう。それでもヒラリーを大統領に就任させなかった意味は小さくない。 http://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201701220001/ ▲△▽▼
2017.01.31 背後で石油産業が見え隠れしているトランプ大統領が金融資本と戦争産業のヒラリーと戦う(上)
ドナルド・トランプ米大統領は速攻を仕掛けているようだ。バラク・オバマ第44代大統領の「チェンジ」が口先だけだったのとは違って速いペースで「チェンジ」を実行、ヒラリー・クリントンを担いでいたネオコンなどの勢力は慌てているだろう。 ヒラリーの周辺にはマデリン・オルブライト(ズビグネフ・ブレジンスキーの弟子)、ビクトリア・ヌランド(ネオコンで、ロバート・ケイガンの妻)、フーマ・アベディン(サウジアラビアで育ち、母親はムスリム同胞団の幹部。元夫のアンソニー・ウェイナーはネオコン)がいる。オバマ政権で国家安全保障担当補佐官を務めたスーザン・ライスの母親はオルブライトの友人で、スーザン自身、オルブライトから学んでいる。ヒラリーは上院議員時代、巨大軍需企業ロッキード・マーチンの代理人とも呼ばれるほど戦争ビジネスと近い関係にあることでも有名だ。 外部に漏れ出たヒラリーの電子メールを見ると、リン・フォレスター・ド・ロスチャイルド(エベリン・ド・ロスチャイルドの妻)と頻繁に連絡を取り合っていることがわかる。国務長官時代にジョージ・ソロスの指示に従って政策を決めていたことも明らかにされた。 このソロスはナイル・トーベを介してジェイコブ・ロスチャイルドにつながり、そのジェイコブも所属する金融機関N・M・ロスチャイルドにリチャード・カッツを通じてつながる。このN・M・ロスチャイルドにはエベリン・ド・ロスチャイルドもいる。またジョージ・カールワイツによってソロスはエドモンド・ド・ロスチャイルド・グループとつながっている。 こうした背景を持つヒラリーは遅くとも2015年6月の段階でオバマの次の大統領に内定していたと言われている。この年の5月26日の時点で民主党の幹部がヒラリー・クリントンを候補者にすると決めたことを示唆する電子メールが存在しているほか、6月11日から14日かけてオーストリアで開かれたビルダーバーグ・グループの会合にヒラリーの旧友であるジム・メッシナが参加しているからだ。 その流れが変化したと言われたのは昨年2月。ヘンリー・キッシンジャーが2月10日にロシアを訪問、ウラジミル・プーチン露大統領と会談し、22日にはシリアで停戦の合意が成立した。そこで、アメリカ支配層の一部がロシアと協調する道を選んだ可能性があると考えられたのである。 キッシンジャーはネルソン・ロックフェラーと親しいことで知られているが、デイビッド・ロックフェラーと親しいズビグネフ・ブレジンスキーもアメリカが地球規模の帝国ではなくなったと認めるようになる。アメリカを唯一の超大国と位置づけ、潜在的なライバルを単独で先制攻撃するとした1992年2月のDPG(通称ウォルフォウィッツ・ドクトリン)を軌道修正しようとしているように見える。 このドクトリンは名前の通り、ポール・ウォルフォウィッツ国防次官(当時)が中心になって作成され、その後もネオコンの基本戦略になってきた。このウォルフォウィッツが1991年の段階で、シリア、イラン、イラクを5年から10年で殲滅すると口にしたという。欧州連合軍(現在のNATO作戦連合軍)の最高司令官だったウェズリー・クラークがそのように話している。 クラークによると、2001年9月11日にニューヨークの世界貿易センターやバージニア州アーリントンにある国防総省本部庁舎(ペンタゴン)が攻撃されたてから10日後、ドナルド・ラムズフェルド国防長官の周辺では攻撃予定国のリストが作成され、イラク、シリア、レバノン、リビア、ソマリア、スーダン、そしてイランが載っていたという。 2003年3月にジョージ・W・ブッシュ大統領は国防総省内の反対意見を押し切り、約1年遅れでイラクを先制攻撃、サダム・フセイン体制を倒した。その後も軍事作戦は続き、破壊と殺戮は今でも続いている。 そして2007年、調査ジャーナリストのシーモア・ハーシュはニューヨーカー誌で、アメリカ(ネオコン)、イスラエル、サウジアラビアは手を組み、シリアやイランをターゲットにした秘密工作を開始、ヒズボラが拠点にしているレバノンを攻撃すると書いた。イランにもアメリカの特殊部隊JSOCが潜入して活動中だとしている。 そうした秘密工作は「スンニ派過激派」つまりアル・カイダ系武装集団の勢力拡大につながるとハーシュは指摘するが、サウジアラビアなどは「スンニ派過激派」をイランよりましだとしている。少なくともその後にネオコンも同じ考え方をするようになった。 ネオコンは1980年代からイラクのフセイン体制を倒すべきだと主張していたが、それはヨルダン、イラク、トルコの親イスラエル国帯を築いてイランとシリアを分断、両国を倒す、あるいは弱体化するためだった。ジョージ・H・W・ブッシュなど石油資本に近いグループはフセイン体制をペルシャ湾岸の産油国を守る防波堤と位置づけていたので、ロナルド・レーガン大統領の時代にはネオコンと対立している。 http://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201701310000/ 2017.01.31 背後で石油産業が見え隠れしているトランプ大統領が金融資本と戦争産業のヒラリーと戦う(下)
1970年代の終盤から80年代にかけてアメリカは「スンニ派過激派」をアフガニスタンに集め、戦闘集団を編成してソ連軍と戦わせていた。ソ連軍をアフガニスタンへ誘い込んで武装集団と戦わせるというブレジンスキーの戦略で始まった戦争だ。資金を出し、戦闘員を送り込んだのがサウジアラビア、アメリカは対戦車ミサイルTOWや携帯型地対空ミサイルのスティンガーを含む武器を供給し、戦闘員を訓練した。イスラエルやパキスタンも工作に協力している。1997年から2001年までイギリスの外相を務めたロビン・クックが明らかにしたように、そうしたCIAの訓練を受けた戦闘員のコンピュータ・ファイルがアル・カイダだ。アラビア語でアル・カイダとは「ベース」を意味し、「データベース」の訳として使われる。
2003年にイラクを先制攻撃で破壊したアメリカ軍だが、その数年後には行き詰まり、1980年代に成功した戦略を使おうとしたのがハーシュの指摘した秘密工作だろう。そして2011年春にリビアやシリアは戦乱に巻き込まれる。「民主派に対する独裁者の弾圧」で始まったわけでないことは明確になっている。本ブログでも繰り返し書いてきたが、リビアではNATOがアル・カイダ系武装集団LIFGと連携、そこから戦闘員や武器をCIAがシリアへ運んだことも発覚している。 この連携に危機感を持ったロシアはシリアに対するNATOの軍事介入を阻止する。それでもアメリカ、イギリス、フランス、トルコ、サウジアラビア、カタール、イスラエルといった国々は戦闘員を送り込み、武器/弾薬を供給してバシャール・アル・アサド体制の打倒を目指す。特殊部隊も送り込んだ。 しかし、アメリカ国内にもアル・カイダ系武装集団を使うことを懸念する人はいた。そのひとりがトランプ大統領が国家安全保障担当補佐官に選んだマイケル・フリン。アメリカ軍の情報機関DIA(国防情報局)は2012年8月にシリア情勢に関する文書を作成、オバマ政権へ提出しているが、その中でシリアにおける反乱の主力をサラフ主義者、ムスリム同胞団、そしてAQI(アル・カイダ系武装集団)だと指摘、西側、湾岸諸国、そしてトルコからの支援を受けているともしている。DIAはアメリカ政府が方針を変えなければシリア東部にサラフ主義の支配地が作られると予測していたが、これはダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)という形で現実になった。 アル・カイダ系武装集団、あるいはダーイッシュを危険な存在と考えるか、アサド体制を倒す手先と考えるかでフリンとオバマ周辺は対立、2014年8月7日にフリンはDIA長官を辞めることになる。 退役後、この文書についてアル・ジャジーラの番組で質問されたフリン中将は自分たちの任務は提出される情報の正確さをできるだけ高めることにあるとした上で、そうした情報に基づいて政策を決定するのはオバマ大統領が行うことだと答えている。つまり、オバマ政権の決定がダーイッシュの勢力を拡大させたというわけだ。これは正しい。その流れを強化しようとしたのがヒラリーであり、それを支援してきたのが西側の有力メディアである。 軍隊の内部にはフリンと同じ考えの人物が存在、そのひとりがマーチン・デンプシー大将。2011年10月から統合参謀本部議長を務めていたが、ハーシュによると、デンプシーを含むグループはオバマ政権の政策を懸念、2013年秋からダーイッシュやアル・カイダ系武装集団に関する情報をホワイトハウスの許可を得ず、シリア政府へ伝え始めたという。 2013年2月から国防長官を務めたチャック・ヘーゲルも武力によるアサド政権転覆には消極的な姿勢を見せていたのだが、15年2月に好戦派のアシュトン・カーターと交代させられ、9月25日にはデンプシーも辞めさせらる。後任はロシアをアメリカにとって最大の脅威だと発言していたジョセフ・ダンフォードだ。 デンプシーが退任した3日後、9月28日に国連の一般討論演説でプーチン露大統領は西側の姿勢を批判する。北アフリカ/中東やウクライナを戦乱で破壊、死体の山を築くようなことをした人びと、つまりネオコンをはじめとする西側指導者やサウジアラビアなどペルシャ湾岸産油国、トルコ、イスラエルといった国々の政府に対し、プーチンは「自分がしでかしたことを理解しているのか?」という強い言葉を浴びせた。 そして9月30日にロシア軍はシリアでアル・カイダ系武装集団やダーイッシュに対する空爆を開始する。ウォルフォウィッツが1991年にイラク、シリア、イランを殲滅すると口にしたとき、アメリカが軍事行動に出てもソ連は出てこられないと言っていた。アメリカが単独で先制攻撃してもロシアは文句を言えないという認識だったのだが、この空爆でネオコンはショックを受ける。ロシアの空爆は本島にアル・カイダ系武装勢力やダーイッシュを攻撃するもので、戦況は一変した。世界を軍事力で制圧するというネオコンの戦略はロシアとの核戦争に発展してしまう。 それでもウォルフォウィッツ・ドクトリンを推進しようというのがヒラリーであり、当然、支配層の内部にもそれを懸念する人が増えただろう。そして2016年2月のキッシンジャーによるロシア訪問だ。 キッシンジャーは石油産業と関係が深い。1973年に石油価格が大幅に上昇、石油危機と呼ばれる事態になった。その直接的な原因は第4次中東戦争だが、この戦争を演出したのはキッシンジャーだと言われている。エジプトのアンワール・サダト大統領をアラブ世界の英雄に仕立て上げ、同時にイスラエルへ和平交渉に応じるようプレッシャーをかけようとしたというのだ。 サウジアラビアのファイサル国王の腹心で、その当時に石油鉱物資源相を務めたシェイク・ヤマニによると、1973年5月にスウェーデンで開かれた秘密会議でアメリカとイギリスの代表が400%の原油値上げを要求、オイル・ショックにつながったとしている。その秘密会議がビルダーバーグ・グループの会合だったことは確認されている。値上げはキッシンジャーから提案されたのだという。 トランプ大統領は国務長官として巨大石油会社エクソンモービルの会長兼CEOだったレックス・ティラーソンを選んだ。ロシアのプーチン大統領と友好的な関係にあることが注目されているが、その前に石油産業の人間だということを忘れてはならない。現在、窮地に陥っているサウジアラビアだが、何らかの形で救済しようとするだろう。 それに対し、ヒラリーを担いでいたのは金融資本に近い人びと。歴史的にCIAはウォール街と近い。例えば、CIAの前進であるOSSの長官はウォール街の弁護士だったウィリアム・ドノバン、破壊工作を指揮、CIAのドンになるアレン・ダレスもウォール街の弁護士であり、極秘の破壊工作機関OPCを指揮したフランク・ウィズナーもウォール街の弁護士だ。ダレスの側近でCIA長官になるリチャード・ヘルムズの母方の祖父、ゲイツ・マクガラーは国際的な銀行家。CIA人脈が実行した報道統制プロジェクトのモッキンバードにはワシントン・ポスト紙の社主だったフィリップ・グラハムの義理の父にあたるユージン・メーヤーは世界銀行の初代総裁だ。ヒラリーは金融資本にも近く、必然的にCIAと結びつき、有力メディアも仲間だ。 http://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201701310001/ ▲△▽▼
2017.02.02 ネオコンなどロシアと核戦争も辞さずという勢力に同調してリベラル派もトランプ大統領を攻撃 ドナルド・トランプ米大統領に対する攻撃は大統領選の延長線上にあり、攻撃の主体はヒラリー・クリントンを担いでいた勢力、つまりネオコン、戦争ビジネス、巨大金融資本を含む好戦派にほかならない。反トランプ陣営に加わっている有力メディアはそうした勢力の宣伝部門であり、「リベラル派」もそうした勢力と関係が深く、少なくとも一部は資金などの支援を受けている。トランプを批判する「リベラル派」にネオコンが同調しているのではなく、ネオコンなどに「リベラル派」が従っているのだ。 本ブログですでに指摘してきたことだが、ヒラリーの周辺にいる好戦的な人物にはマデリン・オルブライト(ズビグネフ・ブレジンスキーの弟子)、ビクトリア・ヌランド(ネオコンで、ロバート・ケイガンの妻)、フーマ・アベディン(サウジアラビアで育ち、母親はムスリム同胞団の幹部。元夫のアンソニー・ウェイナーはネオコン)がいる。 また、オバマ政権で国家安全保障担当補佐官を務めたスーザン・ライスの母親はオルブライトの友人で、スーザン自身、オルブライトから学んでいる。ヒラリーは上院議員時代に巨大軍需企業ロッキード・マーチンの代理人とも呼ばれるほど戦争ビジネスと近い関係にあることでも有名だ。 ヒラリーの好戦的な性格を印象づけた映像がある。2011年10月20日にリビアのムアンマル・アル・カダフィが惨殺された際、その事実をCBSのインタビュー中に知らされた彼女は「来た、見た、死んだ」と口にし、喜んでいる。 リビアの場合、バラク・オバマ政権は国連を無視する形で制空権を握り、NATOに空爆させて地上の手下、アル・カイダ系のLIFGを中心とする武装集団を支援してカダフィ体制を倒したわけだが、シリアではつまずく。武器/兵器や戦闘員をシリアへ移動させたのだが、ロシアがアメリカに制空権を握らせず、バシャール・アル・アサド体制を倒すことができない。 本ブログでも繰り返し書いたように、西側の政府や有力メディアはアメリカ/NATOの直接的な軍事介入を正当化するために偽情報を流したが、いずれも短期間に嘘が発覚していまった。結局、戦闘員の増派や武器/兵器の供給でアル・カイダ系武装集団やそこから派生したダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)を強化して戦うしかなくなった。 その結果、シリア政府軍は劣勢になるのだが、それでもアメリカの好戦派は不満だったようで、例えば2015年3月11日になるとロバート・スケールズ退役少将がロシア人を殺せと発言している。 スケールズ少将の願いは、その年の11月24日に叶う。トルコ軍のF-16戦闘機がロシア軍のSu-24爆撃機を待ち伏せ攻撃で撃墜したのだ。11月24日から25日にかけてポール・セルバ米統合参謀本部副議長がトルコのアンカラを訪問、トルコ軍幹部と会談したこととの関連が疑われた。後に、WikiLeaksが紹介したように、トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領がロシア軍機の撃墜を決めたのは10月10日だとする情報があるのだが、エルドアンが独断でロシア軍機撃墜を決められないだろう。つまり、少なくともアメリカ政府は承諾していた可能性が高い。 2016年2月にヘンリー・キッシンジャーがロシアを訪問した頃からアメリカでは大統領選挙の流れが変わったと見られている。そうした焦りもあるのか、ヒラリー・クリントンの支援者であるマイク・モレル元CIA副長官は2016年8月8日、ロシア人はイラン人に代償を払わせるべきだと語っている。司会者のチャーリー・ローズからロシア人とイラン人を殺すという意味かと問われ、その通りだと答えている。わからないように殺すというのだ。8月22日には国防総省の広報官、ピーター・クックは自分たちが中心になっている連合軍を守るために必要ならシリアやロシアの戦闘機を撃墜すると語っている。 ヒラリーの背後には金融資本も存在している。例えば、漏洩したヒラリーの電子メールを見ると、リン・フォレスター・ド・ロスチャイルド(エベリン・ド・ロスチャイルドの妻)と頻繁に連絡を取り合っていることがわかる。国務長官時代に投機家のジョージ・ソロスの指示に従って政策を決めていたことも明らかにされた。 このソロスはナイル・トーベを介してジェイコブ・ロスチャイルドにつながり、そのジェイコブも所属する金融機関N・M・ロスチャイルドにリチャード・カッツを通じてつながる。このN・M・ロスチャイルドにはエベリン・ド・ロスチャイルドもいる。またジョージ・カールワイツによってソロスはエドモンド・ド・ロスチャイルド・グループとつながっている。 ヒラリーを取り巻くこうした勢力がトランプを攻撃、「リベラル派」が同調、あるいは従っているのだ。 http://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201702020000/ ▲△▽▼ 1992年にネオコンが作成した世界制覇プラン、「ウォルフォウィッツ・ドクトリン」 ソ連が消滅した直後、アメリカが唯一の超大国になったという前提でネオコンが描いたものですが、21世紀に入ってロシアが再独立したことから破綻しています。
それにもかかわらずネオコンはドクトリンを推進しようとしているため、世界は核戦争に近づいてきました。 アメリカに従属していた国々やアメリカの支配層にもそうしたネオコンの暴走を懸念する人が増えているようで、一昨年半ば段階ではオバマ後の大統領に内定していたと見られるネオコンの候補、ヒラリー・クリントンが大統領になれなかった一因もその辺にあるでしょう。 http://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201702040000/ ▲△▽▼ 2017.02.26 まだ戦い続けようとメッセージを発表したヒラリーの違法な資金集めに関する証言映像が外へ出た パープル革命を宣言しているヒラリー・クリントンは民主党員に対し、まだ戦い続けようと訴えるメッセージをインターネット上に流した。昨年の大統領選で敗北が決まった後にジョージ・ソロスやジョン・ソロスをはじめとする人びとがドナルド・トランプ政権を倒すための方策を話し合うため、マンダリン・オリエンタル・ホテルで秘密会議を開いたと伝えられている。 本ブログでも書いてきたが、彼女はソロス親子のほか、リン・フォレスター・ド・ロスチャイルドのような富豪とも親しく、ロッキード・マーチンのような戦争ビジネスなど後ろ盾に持っている。ロシア人を殺すと公言しているマイク・モレル元CIA副長官のような支援者もいる。 それに対し、ここにきてクリントン夫妻の違法な資金集めについて中国系アメリカ人のジョニー・チュンが記録した映像が表に出て話題になっている。この映像は身の危険を感じたチュンが「保険」のために撮影、信頼できる友人に預け、何かがあったら公表することにしていたようだ。それが外にも漏れた、あるいは誰かが漏らした。現在、チュン本人は中国で隠れていると推測されている。 昨年の大統領選でクリントン陣営が集めた資金の20%はサウジアラビアからのものだとする報道は取り消されたが、新たの問題が浮上したと言えるだろうもっとも、アメリカの政治家がイスラエル周辺から多額の資金が流れ込んでいることは有名で、そうした中で中国やサウジアラビアが問題になるは奇妙な話ではある。 イスラエルの情報機関モサドはアメリカのCIAやイギリスのMI6と緊密な関係にあり、各国要人のスキャンダルを握っているとも言われている。アメリカの政治家がイスラエルにひれ伏している理由はカネだけでなく、脅しもあるというわけだ。いわば飴と鞭。 昨年、政界のピダゲート(小児性愛事件)が問題になったが、これは以前から噂されていた。バチカンやハリウッドでこうしたことが行われていると語られてきたが、それは氷山の一角にすぎないというのだ。そうした行為をモサド、CIA、MI6といった情報機関は記録し、脅しに使っているとも推測されている。これを「ピザゲート」と表現することは事態の深刻さを誤魔化すことにつながるだろう。これは本格的に調査すべき問題だ。 いずれにしろ、まだ支配層の内部で争いは続いているようだ。1980年代もそうだったが、支配層の内部対立はスキャンダルを露見させることが多い。現在、トランプ大統領は圧倒されているようだが、何が出てくるかはわからない。 http://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201702250000/ ▲△▽▼
「ファーストレディ」なんか要らない 安倍昭恵氏とヒラリー 淀殿は秀吉没後に秀吉自身のように振る舞い、何度も西軍を裏切って徳川に通じ、ついに無敵だった豊臣を崩壊させた。 引用:http://senjp.com/wp-content/uploads/2014/05/530x320xyodo.jpeg.pagespeed.ic.UB-zylr1S-.jpg ファーストレディは廃止したほうが良い
ファーストレディという制度上は存在しない権力について、以前から強い疑問を抱いていました。 法的にはどこにも存在しないにも関わらず、事実上大統領に匹敵する権力を持っている。 ファーストレディの活躍が報じられるのはほとんど悪い事をした時で、歴史的に見てもそうです。 選挙などで選ばれたのは大統領や首相なのに、夫の権力を笠に着るタイプの人ほど、表に出て称賛されたがる。 その最悪の例は最近ではヒラリークリントンで、夫が大統領に就任した直後から、クリントン財団を創設して金儲けを始めました。 ヒラリーは自分が大統領であるかのように振る舞ったので、大統領と親しくなるにはまずヒラリーと親しくしなければならなかった。 ヒラリーはこれまた当然のように「クリントン財団への寄付」を要求したので、大統領と会うには財団への寄付が必須になった。
外国人に対してもこの要求は適用されたので、世界の国々は民間人を通じてクリントン財団への寄付を行い、財団は肥え太った。 驚く事にヒラリーは自分が国務長官(外務大臣)に就任してからもこれを続け、アフリカの独裁者や中国人スパイ、ロシアの実業家など敵対国家から金を受け取っていた。 ヒラリーが日本人なら逮捕されるか袋叩きにされる所だが、大らかなアメリカではその程度の事は見逃され、もう少しで大統領になれる寸前まで行った。
もちろん如何わしい手段で財団に集めた金が、ヒラリーの選挙資金に活用されました。 ファーストレディの活躍はこんなもので、男でも女でも親族の権力を振りかざすのに、碌な人間はいません。 ファーストレディの悪行
日本のヒラリーともいえるのが安倍首相の妻の安倍昭恵氏で、学校用地の不正取得や許認可で「口利き」をした疑いも出てきている。 昭恵氏はヒラリー同様「自分が称賛されたがるファーストレディ」で、やはり安倍首相に接近するには昭恵氏を攻略しなくてはならない。 こうなると安倍首相に近づいて利益を得ようとする人は、皆昭恵氏に近づいて褒め称え、利用しようとします。 昭恵氏は森永製菓創業者の森永太一郎の曽孫(孫の子ども)に当たる資産家のお嬢様で、安倍首相は彼女と結婚することで資金的なバックアップを得た。
鎌倉幕府を起こした源頼朝は北条正子と結婚することで、北条氏の資金と兵力を使う事ができたのに似ている。 安倍首相にとって昭恵氏は政治活動の資金源になる重要人物で、なおさら彼女は自分を「重要人物」と見なすようになっている。 安倍首相は2015年に「すべての女性が輝く社会」という変なスローガンを国民に押し付けたが、昭恵氏の要望があったと言っている。
その後女性の雇用促進政策や、大臣に女性を多く登用したり、公務員や企業に女性の出世を義務化するよう迫っている。 これらの政策や人事を立案し、強要したのは昭恵氏だった疑いが強く、ヒラリーが妻の地位を乱用して、社会保険制度を強引に進めたのに似ている。 問題は首相の妻でも将軍の娘でも、あるいは夫でも息子でも、「法的に存在しない権力」を行使する人間が居てはならないという事です。
あれほど権勢を誇った豊臣政権は、秀吉の側室の淀殿が権力を掌握した為に滅んでしまいました。 まず秀吉の息子の母親という地位を利用して権力を掌握し、関が原合戦のとき、淀殿は「西軍が負けた時のために」西軍を妨害し徳川方に事実上味方した。 次に2度に渡る大坂の陣でも西軍を裏切って徳川と取引し、堀を埋めさせるなどして負ける原因を作った。
淀殿は公式には権力を持たないので失敗しても責任は取らず、息子や夫を利用して権力だけを振るっていた。 ヒラリーと昭恵氏も権力だけは振るっておいて、問題になると引っ込んでしまい表に出てこなくなります。 楊貴妃と西太后
中国は武家政権ではなく貴族と官僚制度だったので日本より古くから腐敗が進み、こうした例も日本より多く、かつ深刻です。 豊臣が滅んだのは淀殿から権力を奪う人材が居なかったからで、すぐに徳川に滅ぼされてしまいました。 中国の3大女帝として良く華流ドラマに登場する呂雉は漢の皇帝・劉邦の妻で、皇帝の母になり独裁者として国を破壊しました。 西太后は清の皇帝・咸豊帝の妻でやはり皇帝の母として権力を握り、清国を弱体化させて日清戦争敗戦や中国を西洋の植民地化する原因を作った。
則天武后(武則天)はやはり唐の皇帝・太宗の側室だったが、太宗が没すると息子の高宗の妻になり、高宗没後は自分が皇帝になった。 唐は則天武后以後も200年ほど続いたが、楊貴妃という怪物を生み出し、中国の伝統文化になっていきます。 もうひとり中国は楊貴妃というファーストレディを生み出していて、唐の皇帝・玄宗の息子の妻から、父の玄宗の側室になった。
楊貴妃はたいそうな美人で玄宗は常に傍に置いたので、家来達は楊貴妃を皇帝のように扱い、増長させていきました。 楊一族は「平家に非ずんば人にあらず」と自賛した全盛期の平家のように振る舞ったが、楊一族は内乱で滅ぼされた。 唐の国も楊貴妃以降衰退に向かい、大陸では王朝が変わっても同じ失敗を繰り返してきた。
原因はどれも「皇帝の妻や側室」という法的に存在しない権力に、皇帝と同じ権力を持たせてしまった事にある。 ファーストレディの問題は、その人自身は選挙で選ばれたわけでも、法的根拠があるわけでもないのに、周囲がチヤホヤする事で権力を握ってしまう点です。 http://thutmose.blog.jp/archives/69678507.html ▲△▽▼ 2017.03.05 アル・カイダ系武装集団の資金源になっているサウジの国王がアジア大陸東岸を歴訪する不気味 サウジアラビアのサルマン・ビン・アブドゥルアジズ・アル・サウド国王が2月下旬からアジア大陸東岸の国々を歴訪している。マレーシア、インドネシア、ブルネイ、日本、中国、モルディブの6カ国だ。 このサウジアラビアはサラフ主義者/ワッハーブ派やムスリム同胞団と関係が深く、そうした勢力が主力になっているのがリビアやシリアを侵略しているアル・カイダ系武装集団やそこから派生したダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)。そこにチェチェンや新疆ウイグル自治区などからの戦闘員が加わっている。 こうした武装集団の資金源がサウジアラビアをはじめとするペルシャ湾岸産油国だが、モルディブも資金を提供していると言われている。インドネシアは世界で最も多いイスラム教徒を抱えている国であり、新疆ウイグル自治区は中国。 当初、侵略は成功するかに見えたのだが、2015年9月末にロシア軍がシリアで空爆を始めてから戦況が一変、アル・カイダ系武装集団やダーイッシュは劣勢になっている。イラクに親イスラエル/サウジアラビアの傀儡国家を作ることに失敗した後、シリア東部からイラク西部にかけての地域をダーイッシュが支配していたが、これはバラク・オバマ政権が望むところだった。 これはアメリカ軍の情報機関DIA(国防情報局)が2012年8月に作成した報告書が指摘していた。東部シリア(ハサカやデリゾール)にサラフ主義者の支配国が作られる可能性があり、それこそがシーア派拡大(イラクやイラン)の戦略的なカギを握っているシリアの体制を孤立化させると分析、それは反対勢力を支援している国々(アメリカ、イギリス、フランス、トルコ、サウジアラビア、カタール、イスラエルなど)が望んでいることだとしている。 2009年12月30日にアメリカ国務省が出した電子メールには、サウジアラビアの寄付者が全世界のスンニ系テロリスト集団に対する最も重要な資金供給源だと書かれ、2014年8月19日にヒラリー・クリントンが出したものには、秘密裏に資金や物資をその地域にいるISIL(ダーイシュ)や他のスンニ系過激派へ供給しているカタールやサウジアラビアという表現がある。アル・カイダ系武装集団やダーイッシュのスポンサーはサウジアラビアなどペルシャ湾岸産油国だとヒラリーは認識していたということだ。 シリアより1カ月早く、2011年2月に政権転覆を目的とした軍事侵略が始まったリビアではNATOの航空兵力とアル・カイダ系武装集団LIFGを主力とする地上軍の連携でムアンマル・アル・カダフィ体制は2011年10月に倒された。 リビアでの目的を達成した戦闘員は武器/兵器と一緒にトルコ経由でシリアへ入るが、その拠点になったのはベンガジにあったCIAの施設。そうした工作をアメリカの国務省は黙認していた。その際、マークを消したNATOの輸送機が武器をリビアからトルコの基地まで運んだとも伝えられている。 ベンガジにはアメリカの領事館があるのだが、そこが2012年9月11日に襲撃され、クリストファー・スティーブンス大使も殺された。領事館が襲撃される前日、大使は武器輸送の責任者だったCIAの人間と会談、襲撃の当日には武器を輸送する海運会社の人間と会っていた。 この時、リビアの武器庫から兵器が持ち出されてシリアの反政府軍、つまりアル・カイダ系武装勢力やダーイッシュへ渡された。その武器庫には化学兵器も保管されていたわけで、化学兵器もシリアへ持ち込まれた可能性は高い。その輸送をCIA、そしてヒラリー・クリントン国務長官(当時)が承認していたと考えても良いだろう。 何度も書いてきたことだが、2013年3月にシリアでは化学兵器が使われたと言われている。まず政府が反政府(侵略)軍の化学兵器使用を発表、それに対して反政府軍も政府軍が実行した主張する。 これについてイスラエルのハーレツ紙は攻撃されたのがシリア政府軍の検問所であり、死亡したのはシリア軍の兵士だということから反政府軍が使ったと推測、国連独立調査委員会メンバーのカーラ・デル・ポンテも反政府軍が化学兵器を使用した疑いは濃厚だと発言した。 その5カ月後、つまり2013年8月にダマスカスの近くで化学兵器が使われ、西側の政府や有力メディアはシリア政府が実行したと叫びはじめ、シリアに対する軍事侵攻を正当化しようと宣伝をはじめるが、この宣伝が嘘だということはさまざまな形で指摘されていることは本ブログで書いてきた。(今回は割愛する。) トルコの国会議員エレン・エルデムらは捜査記録などに基づき、トルコ政府の責任を追及している。化学兵器の材料になる物質はトルコからシリアへ運び込まれ、そこでダーイッシュが調合して使ったというのだ。この事実を公表した後、エルデム議員らは起訴の脅しをかけられている。 中東、北アフリカ、チェチェン、新疆ウイグル自治区などで活動している武装集団の背後にはサウジアラビアがいて、化学兵器の使用にも関係している。さまざまなタグがつけられているが、こうした集団はアメリカなど西側支配層が侵略のために雇っている傭兵集団だ。 侵略戦争が泥沼化しているだけでなく、原油価格の低迷で財政赤字が深刻化しているサウジアラビアは東南アジアや東アジアへ「転進」するつもりかもしれない。サウジアラビア国王のアジア歴訪は不吉だ。 http://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201703050000/ ▲△▽▼ 2017.04.05 トランプ陣営に他する不適切な通信傍受を指示したのはオバマ政権のライス補佐官だったとの報道
大統領選からドナルド・トランプが大統領に就任するまでの間、トランプやその側近たちの通信が傍受され、その一覧表も作成されていたことが確認された伝えられている。情報機関に傍受を指示していたのはバラク・オバマ大統領の国家安全保障問題担当補佐官だったスーザン・ライスだとされ、ランド・ポール上院議員はライスに宣誓証言を求めている。オバマ前大統領が彼女に命令したのかどうかを確認する必要があるということのようだ。ライス本人は全面的に否定している。 通信をめぐる騒動は2013年3月、ヒラリー・クリントンと親しいシドニー・ブルメンソールのメール・アカウントがハッキングされ、4通のメールがロシア系メディアのロシア・トゥデーにリークされたころから始まる。 2012年9月12日付け、同年10月6日付け、同年12月10日付けだが、2013年2月16日付けの4通。ヒラリーは2009年1月21日から13年2月1日まで国務長官を務めていたので、最後の1通は「私人」になってから。 しかし、その4通目に重要な情報が含まれていた。2012年9月11日にベンガジの領事館が襲撃されてクリストファー・スティーブンス大使を含むアメリカ人4名が殺された事件についての情報が含まれていた。フランスの情報機関からの情報として、その襲撃に必要な資金を提供したのはサウジアラビアの富豪だとメールには書かれているのだ。なお、襲撃したのはサラフ主義者/ワッハーブ派の武装集団、アンサール・アル・シャリアだと言われている。 その後、ヒラリーは公務の通信に個人用の電子メールを使っていたことが発覚、機密情報の取り扱いに関する法規に批判した可能性があり、また、そうした情報をきわめて軽率に扱っていたことをFBIも認めたのだが、それでもジェームズ・コミーFBI長官は昨年7月5日、不起訴の勧告をしたと発表している。 その電子メールをヒラリーは消去していたので中身を確認できないことをFBIは理由しにしていたが、NSAの内部告発者であるウィリアム・ビニーも指摘しているように、NSAは全ての電子メールを記録しているので消去されてもFBIがその気になればメールも入手できる。しかも、消したはずのメールがWikiLeaksなどによって公表され、ヒラリーは頻繁にリン・フォレスター・ド・ロスチャイルドと連絡を取り合っていることも判明した。 本来なら大きな問題になる事実が明らかになったのだが、それをオバマ政権、民主党、有力メディアなどは「ロシアのハッキング」、さらに「ロシアの選挙戦介入」という話を作り上げ、証拠を示すこともなく叫び続けてきた。問題をすり替え、トランプ攻撃の使ってきたわけだが、そうした「幻術」が崩れ始めた可能性がある。 https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201704040000/ ▲△▽▼ 2017.04.11 反シリア政府の武装集団に穏健派はいないとDIAが報告したその月にオバマ大統領は化学兵器話 シリアのイドリブで毒ガスが4月4日に漏れたと言われている。アメリカ政府は証拠を示すことなく、調査もせず、シリア政府軍が化学兵器を使ったと叫びながら7日にはホムスにあるシリア軍の航空基地をトマホーク巡航ミサイルを攻撃した。59発のミサイルが2隻の駆逐艦、ポーターとロスから発射され、ロシア側の主張によると、23発が目標に到達したという。
2013年にもアメリカ政府はシリア軍による化学兵器の使用を口実にして直接的な軍事介入を目論んでいる。アメリカ/NATOとアル・カイダ系武装集団の連携で体制を転覆させるというシナリオで、9月3日には地中海からシリアへ向かって2発のミサイルが発射されている。そのミサイルは途中で海中へ落下、後にイスラエル国防省はアメリカと合同で行ったミサイル発射実験だったと主張したが、実際に攻撃を始めたとも見られている。事前に通告はなく、発射実験だとする主張に説得力がないからだ。ジャミングなど何らかの手段で落とされたと推測する人もいる。 今回、アメリカ軍は59発のミサイルをほぼ一斉に発射している。ロシアの説明が正しいならば、その半数以上が目標に到達できなかったわけだ。2013年の反省から、シリア側の防空システムをかいくぐるため、60発近いミサイルを一気に発射した可能性がある。 かつてシリア軍も化学兵器を保有していたが、2013年に廃棄したことは国連の査察官も認めていること。それ以降、シリアで化学兵器を保有しているのはアメリカ/NATO、サウジアラビア/ペルシャ湾岸産油国、イスラエル、トルコなどが支援してきたアル・カイダ系武装集団やそこから派生したダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)。 アル・カイダ系武装集団やダーイッシュの戦闘員の主体はワッハーブ派/サラフ主義者やムスリム同胞団だが、シリア政府軍と戦っている相手はこうした集団だとする報告書をマイケル・フリンが局長だった時代のDIAはホワイトハウスへ報告している。2012年8月のことだ。 2013年12月に公表された調査ジャーナリストのシーモア・ハーシュの記事によると、反シリア政府軍(国外から侵入した戦闘集団)はサリンの製造能力を持ち、実際に使った可能性があるとしている。 それだけでなく、2011年10月にリビアでムアンマル・アル・カダフィ体制が倒された後、戦闘員だけでなく武器/兵器がトルコ経由でシリアへ運び込まれたとハーシュは報告している。その工作の拠点がベンガジにあったCIAの施設で、クリストファー・スティーブンス大使も工作に参加していた。2012年9月11日にベンガジのアメリカ領事館が襲撃され、大使も殺されているが、その前日にスティーブンスは武器輸送の責任者だったCIAの人間と会談、襲撃の当日には武器を輸送する海運会社の人間と会っていたという。その当時、CIA長官だったのがデイビッド・ペトレイアスであり、国務長官はヒラリー・クリントンだ。 ペトレイアスもクリントンも化学兵器が反シリア政府軍の手に渡ったことを知っていたはずで、オバマも自分たちが支援している戦闘集団がアル・カイダ系武装集団やダーイッシュだということを2012年8月に知らされていた。そのオバマは2012年8月20日、シリアに対する直接的な軍事介入のレッド・ラインは生物化学兵器の使用だと発言している。その年の12月5日にクリントンは、自暴自棄になったシリアのバシャール・アル・アサド大統領が化学兵器を使う可能性があると主張している。 そして2013年1月29日、イギリスのデイリー・メール紙は興味深い記事を掲載している。シリアで化学兵器を攻撃に使い、その責任を政府軍になすりつけ、国際的な軍事行動に拍車をかける作戦はホワイトハウスは承認したというのだ。これはイギリスを拠点とするブリタム防衛なる会社のデイビッド・グールディング部長から同社を創設したフィリップ・ダウティへ宛てた電子メールの中に書かれていたという。そして同年3月と8月に西側の政府やメディアはシリアで化学兵器が使用されたと宣伝、その嘘が暴露されたわけだ。この辺の事情は本ブログでも採算書いてきたので、今回は割愛する。 それから4年、アメリカは同じことを繰り返したように見える。ただ、修正した点はあるようだ。シリア政府軍側で使わず、ロシア側に衛星写真を撮られてしまうので自分たちのミサイルは使わっていない。 それでもアメリカ側の主張に説得力はない。この問題に少しでも興味のある人なら、アメリカ側の説明を信じないだろう。それでも強行した。そうした行動に駆り立てた一員はリビア情勢にあるかもしれない。 イラクを先制攻撃する口実に大量破壊兵器(核兵器)という作り話が使われたが、今回は化学兵器だ。そうした演出をするのは、自分たち(アメリカ、イギリス、フランス、トルコ、サウジアラビア、カタール、イスラエルなど)が編成、訓練し、武器や資金を提供してきたアル・カイダ系武装集団やダーイッシュでは体制を転覆させられないからだ。イラクは勿論だが、ウクライナと同様、リビアもシリアもアメリカなどの侵略であり、これを「内戦」と表現すること自体が犯罪的である。 2017年4月5日、リベラル派の権威、あるいはスターとして知られているノーム・チョムスキーのインタビューをデモクラシー・ナウは流したが、その中で彼はアサド体制は道徳的に不健全だとしたうえで、彼らは恐ろしいことを行い、ロシアが手を貸していると主張した。カタールやサウジアラビアが「聖戦グループ」を支援していることには触れたが、アメリカやイスラエルなどとの関係は語らない。つまり戦争の本質から目をそらしていた チョムスキーが振らなかった侵略の黒幕はシリアをリビアと同じような状態にしようとしている。そのリビアはカダフィ体制が破壊されてから破綻国家になり、ダーイッシュが跋扈している。 そうした中、リビアのカリファ・ハフター司令官はロシアを訪問、ダーイッシュと戦うための支援を要請、今年の3月にはロシア軍の特殊部隊がエジプトのリビアに近い地域に派遣されたと伝えられた。カダフィ体制の破壊に成功したと思っていたリビアでロシアが影響力を強める可能性が出てきたのだ。強引であろうと、ロシアの動きを止めなければならないとアメリカの支配層が考えたとしても不思議ではない。アメリカの支配層は追い詰められているとも言える。 https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201704100001/ ▲△▽▼
2017.04.11 ネオコンに都合良く加工された情報でトランプ大統領を操るマクマスター国家安全保障担当補佐官 https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201704110000/
ドナルド・トランプ大統領はCIAの分析部門が提供した情報を無視してシリアに対する直接的な軍事介入を始めた。そのトランプに偽情報を提供しているのが国家安全保障担当補佐官のH. R. マクマスターのようである。バラク・オバマ政権の政策はワッハーブ派/サラフ主義者やムスリム同胞団、つまりアル・カイダ系武装集団を育て、シリア東部をその支配地にすると警告していたマイケル・フリンの後任だ。 マクマスターはデビッド・ペトレイアスの子分として有名で、このコンビはシリアへ15万人規模のアメリカ軍を侵攻させようと目論んでいると言われている。当然、ロシア軍と全面衝突になり、核戦争になる可能性は小さくない。そうしたビジョンを実現するため、彼らにとって都合良く加工された情報をマクマスターはトランプに提供しているようだ。フリンの解任は人類の運命を左右する大きな出来事だったと言えるかもしれない。 ペトレイアスは中央軍司令官、ISAF司令官兼アフガニスタン駐留アメリカ軍司令官、そしてCIA長官に就任した軍人でリチャード・チェイニー元副大統領やヒラリー・クリントン元国務長官に近い。つまりネオコン。現在でもNSC(国家安全保障会議)に大きな影響力を持っているという。
そのペトレイアスはエル・サルバドルの「汚い戦争」から大きな影響を受けている。1986年に同国を訪問、そこで特殊部隊のジェームズ・スティールと出会うのだが、この人物はアメリカ支配層にとって都合の悪い人物を殺していた「死の部隊」の黒幕だった。 スティールはネオコンのポール・ウォルフォウィッツともつながりがあり、2003年にアメリカがイラクを先制攻撃、サダム・フセイン体制を倒した後からイラクへ渡っている。チェイニーと近いドナルド・ラムズフェルド国防長官(当時)が彼を派遣、ジョン・ネグロポンテ駐イラク大使(同)の下で特殊警察コマンドの訓練をするようになる。ネグロポンテは1981年から85年にかけてホンジュラス駐在の大使を務めているが、この国は中央アメリカでCIAが行っていた秘密工作の拠点だった。アメリカはエル・サルバドルとイラクで同じことを行っている。両者で違うのはイメージ戦略にすぎない。 https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201704110000/
▲△▽▼
World | 2016年 05月 6日 14:40 JST トランプ氏支持、主な理由は「クリントン氏勝利の阻止」=世論調査
5月5日、ロイター/イプソス世論調査結果では、11月の米大統領選挙で米有権者の約半数は、トランプ・クリントン両候補者をそれぞれ支持する主な理由が対立候補の勝利を阻止するためであることが分かった。写真はフロリダ州で3月撮影(2016年 ロイター/Scott Audette/Javier Galeano)
5月5日、ロイター/イプソス世論調査結果では、11月の米大統領選挙で米有権者の約半数は、トランプ・クリントン両候補者をそれぞれ支持する主な理由が対立候補の勝利を阻止するためであることが分かった。写真はフロリダ州で3月撮影(2016年 ロイター/Scott Audette/Javier Galeano)
[ニューヨーク 5日 ロイター] - ロイター/イプソスが5日公表した世論調査結果によると、11月の米大統領選挙をめぐり、民主党のヒラリー・クリントン氏、もしくは共和党のドナルド・トランプ氏のどちらかを支持している米有権者のうち、約半数は支持する主な理由として対立候補の勝利を阻止するためと答えた。 調査では11月の本選に向けてトランプ氏もしくはクリントン氏を支持する主な理由について質問。これに対し、トランプ氏支持者の約47%はクリントン氏に勝利してほしくないためと回答した。また、43%はトランプ氏の政治的スタンスに好感を抱いているためとしたほか、6%は個人的に同氏を気に入っているためと答えた。 同様にクリントン氏の支持者も、約46%がトランプ氏に大統領になってほしくないためと回答。40%はクリントン氏の政治的スタンスに賛同しているためとしたほか、11%は個人的に同氏を気に入っているためと答えた。 バージニア大学のセンター・フォー・ポリティクスのディレクター、ラリー・サバト氏は世論調査結果について、有権者が対立政党をますます恐れるようになっており、米国におけるイデオロギー対立が進んでいることを示していると指摘。前国務長官のクリントン氏と不動産王のトランプ氏が本選で争うことが見込まれる中、こうした感情は一層悪化していると述べた。 調査は4月29日─5月5日に実施され、トランプ氏に投票する意向を示した469人、クリントン氏に投票する意向を示した599人が調査対象に含まれている。 ▲△▽▼
2017.05.05 トランプ大統領の義理の息子が設立した会社にソロスやゴールドマン・サックスが多額の融資 ドナルド・トランプの娘、イバンカの存在感が強まっているが、その結婚相手である大統領の顧問を務めているジャレド・クシュナーが話題になっている。ジャレドは弟のジョシュアと2015年にカドリという会社を設立したが、その際に10億ドルの融資を受けていた。その中に投機家のジョージ・ソロスや投資銀行のゴールドマン・サックスが含まれ、ソロスは約2億5900万ドルを出しているという。昨年の大統領選挙でソロスはヒラリー・クリントンを支援、そのクリントンの敗北が決まってからはトランプの排除を目的とした「パープル革命」を仕掛けていた。
1990年代、夫のビル・クリントンが大統領だった時代にヒラリーと親しいマデリーン・オルブライトやビクトリア・ヌランドを政権内へ引き入れている。この政権は1997年にオルブライトが国務長官に就任してから一気に戦争へ進み始め、ユーゴスラビアを先制攻撃して解体することになった。 バラク・オバマ政権でヒラリーは国務長官になり、シリアやリビアへの侵略を推進、2010年10月にリビアのムアンマル・アル・カダフィが惨殺されたと報告を受けた彼女は「来た、見た、死んだ」と口にし、喜んでいる。同じ頃、リビアのベンガジでは裁判所の建物にアル・カイダの旗が掲げられた。その様子はYouTubeにアップロードされ、イギリスのデイリー・メール紙も伝えている。 カダフィ体制を倒した後、CIAは戦闘員と武器/兵器をトルコ経由でシリアへ運んだ。リビアを破壊したのはNATOの航空兵力とアル・カイダ系のLIFGであり、運ばれた戦闘員はアル・カイダ系の傭兵だ。武器/兵器の輸送はベンガジにあったCIAの施設が使われたが、アメリカ領事館も拠点のひとつ。 その領事館が2012年9月11日に襲撃され、クリストファー・スティーブンス大使を含むアメリカ人が殺された。領事館が襲撃される前日、大使は武器輸送の責任者だったCIAの人間と会談、襲撃当日には武器を輸送する海運会社の人間と会っている。つまり大使も戦闘員や武器/兵器の輸送に関わっていたわけで、国務長官も知っていた可能性が高い。また工作の主体だったCIAの長官はヒラリーと親しいデイビッド・ペトレイアスだった。 当時、バラク・オバマ政権はシリアのバシャール・アル・アサド政権を倒すため、「穏健派」を支援していたが、この主張を揺るがす報告書が襲撃の前月、アメリカ軍の情報機関DIAからホワイトハウスに提出されている。シリアの反政府軍はサラフ主義者、ムスリム同胞団、そしてAQI(イラクのアル・カイダ)だと指摘、オバマ政権の政策が継続されるとシリアの東部(ハサカやデリゾール)にサラフ主義者の支配国が作られる可能性があると警告している。この警告はダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)という形で現実になった。 この報告書が提出された2012年8月、オバマ大統領はシリアに対する直接的な軍事介入のレッド・ラインを生物化学兵器の使用だと宣言した。12月には、自暴自棄になったアサド大統領が化学兵器を使う可能性があるとヒラリーが発言した。化学兵器の使用、アメリカによると直接的な軍事介入という道筋が示された。 ところが、2013年1月にイギリスのデイリー・メール紙はオバマ政権の計画に水を差す記事を掲載した。シリアで化学兵器を使い、その責任をアサド政権になすりつけ、国際的な軍事行動を実現するという作戦をオバマ政権が許可したという内容だ。 そして3月と8月にシリアでは化学兵器の使用が問題になり、アメリカなどシリアを侵略していた国々はシリア政府軍が使ったと証拠も根拠も示さずに宣伝するが、現地調査したカトリック系聖職者の報告、調査ジャーナリストのシーモア・ハーシュ、トルコの国会議員、マサチューセッツ工科大学の教授などから西側の政府や有力メディアの宣伝とは逆の主張が具体的、あるいは科学的に示された。 化学兵器の使用はシリアに対するアメリカ/NATOの直接的な軍事介入を正当化するための偽旗作戦だった可能性が高いということだが、その偽旗作戦で重要な役割を果たしていたのがヒラリー。そのヒラリーを操ってきたひとりがソロス。トランプ政権に影響力を持つクシュナーへそのソロスから資金が流れていたということだ。 https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201705040000/ ▲△▽▼ 2017.05.17 昨年7月に射殺された民主党全国委員会のスタッフはWikiLeaksと接触していたと家族の私立探偵
民主党全国委員会(DNC)でコンピュータを担当していたスタッフのセス・リッチが背中を2度撃たれて殺されたのは昨年7月10日のこと。発見されたときには息があり、病院で死亡したという。警察は強盗にあったと発表した。 しかし、リッチのガールフレンドによると、顔、手、膝に擦り傷があって争った形跡はあるのだが、金目のものは盗まれていない。警察の発表に納得できなかったリッチの両親は元殺人課刑事の私立探偵リッチ・ウィーラーを雇って調査を始めたのだが、その結果、セスがWikiLeaksと連絡を取り合っていたことを確認、しかも警察の内部で捜査打ち切りが指示されていたとする話が出て来た。 事件の翌月、WikiLeaksのジュリアン・アッサンジはリッチについてDNCの電子メールを提供した人物だと示唆、射殺事件に関する情報提供者に2万ドルを提供するとツイッターに書き込んでいる。 リッチが殺される5日前、ジェームズ・コミーFBI長官はヒラリー・クリントンが国務長官だった時代の電子メールに関する声明を発表している。その中で彼女は機密情報の取り扱いに関する法規に批判した可能性があり、またそうした情報をきわめて軽率に扱っていたことを認めているのだが、その上で司法省に対して彼女の不起訴を勧告していた。 法律に従って電子メールを送ると公務ということで記録に残され、情報公開の対象になるため、クリントンは指摘にサーバーを用意して電子メールを遣り取りしていたと言われている。 そうした電子メール3万2000件近くをクリントンは削除、その削除された電子メールを持っていないこともクリントンを起訴しない理由だとされている。サウス・カロライナ州選出の下院議員トレイ・ゴウディによると、クリントンは削除のためにブリーチビットというソフトウェアを利用しているが、これを使うと削除した文書を回復させられないだけでなく、削除した痕跡を消すこともできるという。 しかし、NSAの不正を内部告発したウィリアム・ビニーも指摘しているように、アメリカの電子情報機関NSAは全ての電子メールを記録しているので、FBIがその気になれば入手できる。FBI長官はクリントンを法律から守ったのだ。 2015年5月26日の時点で民主党幹部たちはヒラリー・クリントンを候補者にすると決めていたことを示唆する電子メールが露見、16年7月22日にはWikiLeaksがハッキングされたDNCの電子メールを公表する。その中には、民主党の幹部へサンダースが同党の大統領候補になることを妨害するよう求めるものも含まれていた。(例えばココ) また、投機家で体制転覆の仕掛け人としても知られているジョージ・ソロスの電子メールも外部に漏れ、その中でソロスが国務長官時代のヒラリー・クリントンに対してアルバニア情勢に対する対処の仕方をアドバイスしていることも発覚した。そのメールが書かれたのは2011年1月24日で、国務長官だったクリントンはソロスのアドバイスに従って動いている。 そのほか、2012年9月11日にベンガジのアメリカ領事館が襲撃され、そこでクリストファー・スティーブンス大使が殺された事件に関するものも含まれている。ベンガジを含む襲撃に資金を出したのはサウジアラビアのスンニ派(ワッハーブ派)だということを示す証拠をフランスとリビアの情報機関が持っているというのだ。 クリントンに関連した電子メールが外部に漏れ、その提供者だったと見られているリッチが射殺されたわけだが、ほかにも疑惑の死が指摘されている。例えば、クリントンやDNCに関する証言をする前日、6月22日に心臓発作で急死した元国連総会議長のジョン・アシュ。この人物は中国人実業家から130万ドル(約1億6000万円)の賄賂を受け取った疑いで昨年、逮捕されている。 6月23日にはクリントン夫妻の資金に関する疑惑を記事にした編集者のマイク・フリンが死亡、そして7月10日にセス・リッチが殺され、8月1日にはクリントン夫妻に関する本を書いたビクター・ソーンが自宅近くの山で銃撃による傷が原因で死亡、8月4日にはクリントンとDNCの不正を追及していたサンダース支持者の弁護士のショーン・ルーカスが自宅で死体になって発見されている。 また、ヒラリー・クリントンの側近のひとり、ボブ・ベッケルは2010年にWikiLeaksのアッサンジ殺害をフォックス・ニュースの番組で口にしている。彼を反逆者だとしたうえで、死刑を望めないので、法律を無視して撃ち殺すしかないと語っている。その翌年にベッケルはフォックス・ニュースに雇われ、現在はCNNのコメンテーターだ。 ハッキングが明らかになって以来、西側の有力メディアは電子メールの中身を問題にせず、盗み出したのはロシアだと宣伝してきたが、ウィリアム・ビニーはNSAから漏れているのではないかと推測している。 1963年11月22日のジョン・F・ケネディ大統領暗殺以降、戦争に反対していた有名人が殺されたり変死したりしているほか、1980年代には憲法の機能を停止させる目的でCOGプロジェクトが始まり、2001年9月11日に始動、その一方でアメリカによる世界制覇を実現しようというウォルフォウィッツ・ドクトリンが1992年2月に作成されている。こうしたことから、アメリカでは長期にわたるクーデターが進行中だと考える人がいる。 ヘンリー・キッシンジャー、サイラス・バンス、ジェームズ・ベイカーが国務長官だったときに副次官補を務めたスティーブ・パチェニクはWikiLeaksについて、クーデターを阻止しようとしている情報機関内のグループが作り上げたのではないかと推測している。 https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201705140001/ ▲△▽▼
米トランプとロシアの疑惑の関係、存在しなかった可能性…CIAによる捏造工作との見方 http://biz-journal.jp/2017/07/post_19808.html 2017.07.17 文=筈井利人/経済ジャーナリスト Business Journal クリントン一家と金
似たような話はほかにもある。今年2月、マイケル・フリン大統領補佐官(当時)が昨年12月に民間人の立場でロシアの駐米大使と対ロ制裁をめぐって協議したことが違法だと指摘され、辞任。翌月、フリン氏が2015年にロシアの政府系メディア「RT」などから講演料として計約5万6000ドル以上の支払いを受けていたとして、民主党議員が問題にした。 しかしジャーナリストのロバート・パリー氏によれば、ヒラリー氏の夫であるビル・クリントン元大統領はモスクワで行った講演の対価として、ロシア政府系の投資銀行から50万ドルを受け取ったという。フリン氏の受け取った金額の10倍近い。 さらにクリントン一家が主宰するクリントン財団は、何年にもわたりサウジアラビアから数百万ドルを受け取っている。サウジアラビアは中東と北アメリカの聖戦主義者を支持し、9.11テロ実行犯の大部分を生み出し、米国の外交政策に大きな影響力を及ぼしている。米国民にとってはフリン氏がロシアからわずかな金額を受け取ったことよりも、はるかに大きな問題のはずである。 ▲△▽▼
クリントン漏洩メールを追跡の米国男性が自殺 米国 2017年07月14日 18:26
ヒラリー・クリントン元国務長官が自身の個人メールボックスから削除した3万3千通のメールの行方を個人的に追っていた共和党員のピーター・スミス氏(81)がミネソタ州のホテルで自殺した。シカゴ・トリビューン紙が報じた。 それによれば、スミス氏は5月14日、ロチェスターホテルの一室で死体で発見されていた。 シカゴトリビューン紙によればスミス氏は死亡する前日、自分のブログに2つのポストを発表している。1つのポストではスミス氏は、米特務機関が2016年の米大統領選挙へロシアが介入したと帰結づけたことに対して論争している。2つめのポストではスミス氏は、ロシアの「介入」のテーマは外交政策に注意が切り替えられ次第、直ちに立ち消えとなるもので、その時期は近いうちに到来するはずと予言している。 5月初め、スミス氏はウォールストリートジャーナル紙からのインタビューに、クリントン氏のメールのやり取りの一部とされる資料が自分のもとにハッカーから送られてきたものの、その信ぴょう性に確信が持てなかったため、ウィキリークスに書簡を転送するよう助言したと語っていた。 スミス氏の発言ではクリントン氏の書簡を有しているというハッカー集団は5つあり、そのうち2つはロシアの組織らしいとされているものの、ロシアの加担を具体的に証拠づけるものは何も公表されていない。シカゴトリビューン紙はスミス氏は5月14日に死亡と報じる一方で、死因については言及していない。 ▲△▽▼ 胡錦濤体制が終了して習近平体制となった2012年11月の中国共産党大会の2〜3年前から、江沢民派の周永康(常務委員)、薄熙来(重慶市党委書記)、共青団の令計画(党中央弁公庁主任=日本の官房長官に相当する要職)の3名がクーデターで習近平を降ろし、薄熙来をトップに据えようと画策していました。もちろん江沢民の了解のもとですが、胡錦濤には知らされていなかったはずです。 実際には習近平に勘付かれて失敗に終わり、周永康、薄熙来、令計画はすべて捕えられて無期懲役となりました。ところがこのクーデターが習近平に勘付かれる直接のきっかけとなったのが、2012年2月に重慶市副市長兼公安局長だった王立軍が成都の米国総領事館に亡命を求めて駆け込んだ事件でした。 王立軍はもともと薄熙来の腹心でしたが、薄熙来の不正蓄財や夫人の殺人事件などを知る立場となり逆に命を狙われていたからとされています。この時、王立軍は薄熙来や夫人の関連だけでなく重慶市や中国共産党の機密をごっそりと持ち出しており、米国にとっても「宝の山が向こうから飛び込んできた」はずです。 ところが奇怪なことに米国務省は王立軍の亡命を認めず中国当局に引き渡したため、そこから薄熙来の不正が露呈していきました。それではその時点で「宝の山をわざわざ追い返した」米国の国務長官は誰だったでしょう? そう、ヒラリー・クリントンです。さらにヒラリーはわざわざ(中国政府が簡単に盗み見ることができるように)私用メールを使っていました。本誌がヒラリーは筋金入りの親中であると強調する数多くある証拠の1つで、私用メール事件の本当の目的です。 http://yamikabu.blog136.fc2.com/blog-entry-2054.html ▲△▽▼
2017.08.04 FBIや警察の報告では民主党のメールは同党スタッフがリーク、露は無関係だと有名ジャーナリスト 調査ジャーナリストのシーモア・ハーシュが民主党全国委員会(DNC)から漏れた電子メールについて電話で語った音声がインターネット上で公開されている。彼はワシントンDC警察やFBIの報告書を見たとしたうえで、電子メールをWikiLeaksへ渡したのはDNCのコンピュータ担当スタッフだったセス・リッチだとしている。また、その漏洩した電子メールはロシア政府がハッキングしたとする偽情報を流し、ロシアとアメリカとの関係悪化を目論んだのはCIA長官だったジョン・ブレナンだとも語っている。
同じ趣旨のことはリッチの両親が雇った元殺人課刑事の私立探偵リッチ・ウィーラーも主張していた。この探偵はセスがWikiLeaksと連絡を取り合い、DNC幹部の間で2015年1月から16年5月までの期間に遣り取りされた4万4053通の電子メールと1万7761通の添付ファイルがセスからWikiLeaksへ渡されているとしていた。
WikiLeaks以外のルートでも電子メールは漏れているが、そうした中には、2015年5月26日の時点で民主党幹部たちがヒラリー・クリントンを候補者にすると決めていたことを示唆している電子メールの存在している。 その年の6月11日から14日かけてオーストリアで開かれたビルダーバーグ・グループの会合にヒラリーの旧友であるジム・メッシナが参加していたことから欧米支配層はバラク・オバマの次はヒラリーを大統領すると決めたと推測されていたが、その推測と符合する。 電子メールの扱いに関し、国務長官だったヒラリー・クリントンは機密情報の取り扱いに関する法規に批判した可能性があり、またそうした情報をきわめて軽率に扱っていたことをFBIのジェームズ・コミー長官は認めている。それにもかかわらず、FBIは彼女を不起訴にしたわけだ。 サウジアラビアやカタールはともにダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)やほかのスンニ系過激派(アル・カイダ系武装集団)を資金や物資の秘密援助をしてきたが、この事実をヒラリーが2014年8月の時点で知っていたことを示すメールもある。ヒラリーの件にメスを入れると、リビアやシリアへの軍事侵攻、あるいはホンジュラスのクーデターに関連した情報が噴出してくる可能性がある。 WikiLeaksがクリントンに関した電子メールを公開した後、セス・リッチは2016年7月10日、背中を2度撃たれて死亡している。この殺人事件の捜査を担当したのがワシントンDC警察だが、ウィーラーによると、捜査は途中で打ち切られている。その当時のワシントンDC警察長、キャシー・ラニエーは8月16日、9月で辞職してナショナル・フットボール・リーグの保安責任者に就任すると発表、実際に転職している。 ウィーラーがそうした話を記者にした直後、セス・リッチの遺族からウィーラーや話を伝えたFOXニュースへ抗議があり、ウォーラーは発言を撤回する。遺族のスポークスパーソンに就任したブラッド・バウマンの発表だが、この危機コンサルタントが所属するPR会社のパストラム・グループは民主党も顧客だ。 事件の翌月、WikiLeaksのジュリアン・アッサンジはリッチについてDNCの電子メールを提供した人物だと示唆、射殺事件に関する情報提供者に2万ドルを提供するとツイッターに書き込んでいる。今回、WikiLeaksはハーシュの発言をツイッターで紹介、事実上、電子メールをWikiLeaksへ渡したのはセス・リッチだと認めている。 1991年12月にはソ連が消滅するとネオコンたちはアメリカが「唯一の超大国」になったと思い込み、目前に「パクスアメリカーナ」の時代があると認識、自立した「雑魚」を潰しにかかる。その基本プランが1992年2月に国防総省で作成されたDPGの草案、いわゆるウォルフォウィッツ・ドクトリン。そのドクトリンに基づき、アメリカはイラク、シリア、イランを殲滅しようとしてきた。 そのドクトリンに基づき、サラフィ主義者(ワッハーブ派、タクフィール主義者)やムスリム同胞団を中心とする傭兵集団、つまりアル・カイダ系武装集団やダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)を使って中東/北アフリカを侵略、ネオ・ナチを使ってウクライナでクーデターを実施してきたアメリカの好戦派だが、いずれも成功とは言い難い。ロシアや中国を武力で脅して屈服させるという目論見も失敗だ。そんなことでロシアや中国が屈服するはずがないのだが。それを好戦派は理解していなかったのだろう。 そして現在、好戦派はロシアを「悪魔化」して描くプロパガンダを展開、かつての封じ込め政策を真似しようとしているが、それによってEUは苦境に陥り、アメリカ離れの動きを見せている。中国とも経済戦争を始めると言われているが、そうしたことはアメリカにとって自殺行為だ。生産活動を弱体化させ、基軸通貨のドルを発行する特権だけで生き延びているのがアメリカ。 発行したドルを回収するためにペトロダラーの仕組みを作り、吸収するために投機の規制を大幅に緩和させているが、これもドルが基軸通貨として認められているので機能してきただけ。ドルが基軸通貨の地位から陥落すれば、アメリカの支配システムは崩壊する。 新封じ込め政策を実施する口実として「ロシアゲート事件」をでっち上げたわけだが、それによってロシアや中国との核戦争が勃発する危険性が高まった。それでも彼らは軍事力を使ってロシアや中国を屈服させ、世界制覇を実現しようともがいている。その計画を実現できなかった場合、自分たちの支配システムは崩壊、これまでの悪事の責任をとらされる可能性がある。それだけは避けたいだろう。電子メールの話も封印しなければならない。 https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201708040000/ ▲△▽▼
2017.09.06 トランプ大統領の政策を支えるはずだった人びとがホワイトハウスから排除され、本人は軟禁の噂
アメリカでドナルド・トランプ大統領が軟禁状態になっているという噂が流れている。これが事実かどうかは不明だが、2015年の段階でヒラリー・クリントンの大統領就任を内定していた勢力がトランプの周辺を固めたことは間違いないだろう。 トランプに信頼され、ロシアとの関係改善を主張していたマイケル・フリン国家安全保障補佐官は2月に政府から追い出され、8月には朝鮮半島の核問題で「軍事的な解決はない。忘れろ」と発言したステファン・バノンも首席戦略官を辞めさせられた。フリンが辞めさせられた時点でトランプは死に体になっていたが、バノンがいなくなったことで政権は完全に乗っ取られたと見る人もいる。 2016年の大統領選でクリントンを勝たせることを支配層が決めたと言われた理由のひとつは、15年6月11日から14日かけてオーストリアで開かれたビルダーバーグ・グループの会合にヒラリーの旧友であるジム・メッシナが参加していたこと。2015年5月26日の時点で民主党幹部たちがヒラリー・クリントンを候補者にすると決めていたことを示唆している電子メールも存在している。 ビルダーバーグ・グループは欧米支配層の利害調整機関とも言われているが、その歴史をたどると、1922年に作られたPEU(汎ヨーロッパ連合)までさかのぼることができるだろう。ウィンストン・チャーチルやオットー・フォン・ハプスブルクなどが中心的な存在だった。 第2次世界大戦後、アメリカはヨーロッパを支配する目的でACUE(ヨーロッパ連合に関するアメリカ委員会)を設置するが、その中核にはチャーチル、OSS長官だったウィリアム・ドノバン、ドノバンと同じウォール街の弁護士でCIAを動かすことになるアレン・ダレス、あるいはポーランド出身のヨセフ・レティンガーがいる。ビルダーバーグ・グループはACUEの関連組織。EUもこの流れの中で生まれた。 WikiLeaks以外のルートでも電子メールは漏れているが、そうした中には、2015年5月26日の時点で民主党幹部たちがヒラリー・クリントンを候補者にすると決めていたことを示唆している電子メールの存在している。 こうした勢力の描く道筋が大統領選では壊れ、トランプが大統領に就任する。国家安全保障補佐官に就任したフリンは元DIA(国防情報局)局長で、局長時代の2012年にDIAは反シリア政府軍の主力はサラフィ主義者、ムスリム同胞団、そしてアル・カイダ系武装集団であり、バラク・オバマ政権が宣伝していた「穏健派」は存在しないとする報告書をホワイトハウスへ提出している。その中で東部シリア(ハサカやデリゾール)にサラフィ主義者の支配国が作られる可能性があるとも警告されている。実際、その警告通りになった。フリンも言っているように、オバマ大統領の政策がダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)の勢力を拡大させたのだ。 そのダーイッシュは2015年9月30日にシリア政府の要請でロシア軍が介入してから劣勢になり、崩壊状態。つまり、アル・カイダ系武装勢力やダーイッシュ(タグの違いだけで中身は大差がない)をシリアの体制を転覆させるために送り込んだアメリカ、イスラエル、サウジアラビアなどにとっても深刻な事態。破壊と殺戮の舞台をアフガニスタンや東/東南アジアへ移動させようとしている。リビアへ逃げ込んだ戦闘員も少なくないと言われている。 https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201709050001/ ▲△▽▼ クリントン陣営、民主党全国委を乗っ取り大統領予備選で有利に 暴露本 2017年11月4日 14:45 発信地:ワシントンD.C./米国
【11月4日 AFP】米民主党全国委員会(DNC)の元暫定委員長が、2016年米大統領選の同党の予備選挙は立候補していたヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)元国務長官に有利に働くように仕組まれていたと暴露し、民主党に激震が走っている。党の立て直しに取り組んでいる民主党だが、ドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領から不正を非難される事態を招いた。 大統領選が重大な局面を迎えていた数か月間にDNC暫定委員長を務めたドナ・ブラジル(Donna Brazile)氏は、米政治サイト「ポリティコ(Politico)」が2日に公開した書籍の抜粋の中で、前任のDNC委員長デビー・ワッサーマン・シュルツ(Debbie Wasserman Schultz)氏が党の戦略と人事について「ブルックリン(Brooklyn)にあったクリントン陣営本部のやりたいように」させていたと暴露した。 ブラジル氏は、クリントン陣営は実質的にDNCの日常業務を乗っ取り、事実上、対立候補だったバーニー・サンダース(Bernie Sanders)上院議員に不利になるようにしていたと明らかにした。また、DNCとクリントン氏の陣営の間で民主党の負債を解消するための合意が交わされ、その代わりにクリントン氏は党の財務と戦略、そして集められた資金の管理を任せられたと述べ、「これは犯罪というわけではないが、私が見る限り、党の道徳的な完全さは損ねられた」と指摘した。 今回の暴露で米政界は激震に襲われ、サンダース氏の支持者からは不正を訴える声やDNCの刷新を要求する声が上がっている。 3日の時点で、クリントン氏とサンダース氏のいずれもブラジル氏の暴露に対するコメントは発表していない。トランプ大統領は3日、記者団に対し、クリントン氏が「DMCを買収し、選挙をバーニーから盗み取った」ことがブラジル氏の書籍で明らかになったと語った。(c)AFP/Michael Mathes ▲△▽▼ ロシア疑惑で渦中の調査報告書、クリントン陣営が資金提供 米紙 2017年10月25日 15:50 発信地:ワシントンD.C./米国
【10月25日 AFP】昨年の米大統領選中、ヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)氏陣営と民主党全国委員会(DNC)が、ドナルド・トランプ(Donald Trump)氏陣営とロシアの関係を調べるため調査会社に資金提供していたことが分かった。米紙ワシントン・ポスト(Washington Post)が24日、報じた。 同紙によると、昨年4月にクリントン陣営とDNCに協力していた弁護士のマーク・エリアス(Marc Elias)氏が、首都ワシントン(Washington D.C.)を拠点とする調査会社フュージョンGPS(Fusion GPS)にトランプ陣営とロシアの関係を調査するよう依頼。調査への支払いは、同年11月の大統領選投票日の直前まで続いていたという。 また同社はこれ以前にも、党の候補指名を決める予備選中に共和党の別の候補者からトランプ氏に関する調査の資金提供を受けていた。調査を依頼した人物は明らかにされていない。 クリントン陣営らが資金提供したとされる調査は35ページにわたり、英対外情報部「MI6」の元諜報(ちょうほう)員クリストファー・スティール(Christopher Steele)氏がまとめた。この調査報告書は、大統領選へのロシア介入疑惑に対する議会の調査で中心的な役割を果たしている。 調査報告書には確証が得られていないものを含むトランプ氏の政治、資金、そして性的な内容についての疑惑が含まれており、同氏はこの報告書について「偽ニュース」だと主張している。 トランプ氏は21日、ツイッター(Twitter)に司法省と米連邦捜査局(FBI)は「誰が資金を提供したのか直ちに公表すべきだ」と投稿。その2日前にも「誰が資金を払ったのか、ロシアか、FBIか、民主党か(もしくはこれらすべてか)?」と疑問を呈していた。(c)AFP ▲△▽▼
2017.11.07 民主党全国委員会の委員長だった人物が、ヒラリーを優遇することで党幹部が合意していたと主張 ICIJ(国際調査ジャーナリスト協会)が「パナマ・ペーバーズ」に続き、「パラダイス・ペーパーズ」を公表した。いずれもオフショア市場/タックスヘイブンに関する文書。DNC(民主党全国委員会)の委員長だったドンナ・ブラジルが昨年の大統領選について書いた本の出版と同じタイミングでの公表だ。
WikiLeaks以外のルートでも電子メールは漏れているが、そうした中には、2015年5月26日の時点で民主党幹部たちがヒラリー・クリントンを候補者にすると決めていたことを示唆している電子メールの存在している。 2015年の6月11日から14日かけてオーストリアで開かれたビルダーバーグ・グループの会合にヒラリーの旧友であるジム・メッシナが参加していたことから欧米支配層はバラク・オバマの次はヒラリーを大統領すると決めたと推測されていたが、その推測と符合する。 ブラジルによると、彼女はWikiLeaksが公表した電子メールの内容を確認するために文書類を調査、DNC、ヒラリー勝利基金、アメリカのためのヒラリーという3者の間で結ばれた資金募集に関する合意を示す書類を発見したという。その書類にはヒラリーが民主党のファイナンス、戦略、そして全ての調達資金を管理することが定められていた。しかも、その合意が証明されたのは彼女が指名を受ける1年程前の2015年8月だった。バーニー・サンダースやその支持者が怒って当然、いや怒らなければならないことだ。 調査ジャーナリストのシーモア・ハーシュによると、彼はワシントンDC警察やFBIの報告書を見たとしたうえで、電子メールをWikiLeaksへ渡したのはDNCのコンピュータ担当スタッフだったセス・リッチだとしている。また、その漏洩した電子メールはロシア政府がハッキングしたとする偽情報を流し、ロシアとアメリカとの関係悪化を目論んだのはCIA長官だったジョン・ブレナンだとも語っている。かつて情報機関で働いていた人々もハッキングでなく内部で盗み出されたと分析している。 同じ趣旨のことはリッチの両親が雇った元殺人課刑事の私立探偵リッチ・ウィーラーも主張していた。この探偵はセスがWikiLeaksと連絡を取り合い、DNC幹部の間で2015年1月から16年5月までの期間に遣り取りされた4万4053通の電子メールと1万7761通の添付ファイルがセスからWikiLeaksへ渡されているとしていた。 WikiLeaksがクリントンに関した電子メールを公開した後、2016年7月10日にリッチは背中を2度撃たれて殺された。この殺人事件の捜査を担当したのがワシントンDC警察だが、ウィーラーによると、捜査は途中で打ち切られている。その当時のワシントンDC警察長、キャシー・ラニエーは8月16日、9月で辞職してナショナル・フットボール・リーグの保安責任者に就任すると発表、実際に転職した。 この殺人事件の真相は明らかになっていないが、ブラジルは自分自身も殺されるのではないかと恐れ、オフィスのブラインドを閉めて外から狙撃されないように気をつけ、自宅には監視カメラを設置したとしている。 ところで、オフショア市場が世界経済にとって大きな問題であることは間違いない。多国籍企業はタックス・ヘイブンに設立したペーパーカンパニーを回することで税金を回避させているのだが、貿易や資金の半分以上は場所を書類上、通過しているという。 タックス・ヘイブンにはいくつかの種類があり、最も古いグループはスイス、ルクセンブルグ、オランダ、オーストリア、ベルギー、モナコなど。第1次世界大戦以降、増えたようだ。 1970年代になるとロンドンの金融街(シティ)を中心とするネットワークが整備されてカネの流れは変わる。そのネットワークはかつての大英帝国をつなぐもので、ジャージー島、ガーンジー島、マン島、ケイマン諸島、バミューダ、英領バージン諸島、タークス・アンド・カイコス諸島、ジブラルタル、バハマ、香港、シンガポール、ドバイ、アイルランドなどが含まれている。 ここにきてアメリカが租税避難の主導権を握ったようだ。ブルームバーグによると、ロスチャイルド家の金融持株会社であるロスチャイルド社のアンドリュー・ペニーが2015年9月、サンフランシスコ湾を望むある法律事務所で税金を避ける手段について講演、その中で税金を払いたくない富豪に対して財産をアメリカへ移すよう、顧客へアドバイスするべきだと語ったという。アメリカこそが最善のタックス・ヘイブンだというわけである。ペニーはアメリカのネバダ、ワイオミング、サウスダコタなどへ銀行口座を移動させるべきだと主張、ロスチャイルドはネバダのレノへ移しているという。 常識的に考えれば、タックス・ヘイブンの文書には多国籍企業や世界の富豪が名を連ねていなければならないのだが、ICIJの文書ではそうしたことがない。そうしたICIJのスポンサーには投機家ジョージ・ソロスのオープン・ソサエティ基金、ロックフェラー兄弟基金、ロックフェラー・ファミリー基金、カーネギー社、フォード基金などが含まれている。 https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201711070000/ ▲△▽▼
2017.12.02 NSAの盗聴内容とFBIへ話した内容の不一致を理由にオバマ政権の政策を批判したフリンを起訴へ
ドナルド・トランプ大統領の安全保障補佐官だったマイケル・フリン中将が「偽証」したとする声明を特別検察官のロバート・ミュラーが発表した。ロシアのセルゲイ・キスリャク駐米大使との会話についてFBIに間違った情報を伝えたということが理由。フリンとキスリャクとの会話は電子情報機関のNSAが盗聴、記録し、その内容とフリンの話を照らし合わせた結果だという。つまり、会話の内容は問題にされていない。アメリカの支配層(トランプ大統領ではない)はターゲットを潰すため、NSAが盗聴した会話の内容を本人が正確に語らなかったという「犯罪」を使ったわけだ。 フリンの通話に限らず、NSAは全ての通信を傍受し、記録している。つまり、NSAで通信傍受システムを開発した人物を含む専門家が指摘しているように、トランプやその周辺の人々がロシア側と不適切な遣り取りをしていたならNSAが証拠を握っているはず。新たな捜査は必要ない。ミュラーを特別検察官に据えたという事実が「ロシアゲート」のインチキを示している。 民主党本部のサーバーをハッキングして入手したと思われる電子メールと添付ファイルをWikiLeaksは2016年7月22日に公表、その中にはバーニー・サンダースが同党の大統領候補になることを妨害するよう民主党の幹部に求めるものが含まれている。民主党幹部たちが昨年5月26日の時点でヒラリー・クリントンを候補者にすると決めていたことを示唆している電子メールの存在も知られている。 WikiLeaksによる電子メールの公開を民主党や有力メディアは「ロシアの陰謀」だと主張し、その内容に人々が目を向けないように大々的なキャンペーンを張っている。この主張が事実なら、その証拠をNSAは握っているはずで、FBIもすぐそれを手に入れることができる。そうした証拠が提示されていないのは、証拠がないからだろう。少なからぬ情報関係者は内部から漏れていると指摘している。 ところで、民主党がクリントンを候補者に選ぶ方向で動いていたことはDNC(民主党全国委員会)の委員長だったドンナ・ブラジルも認めている。彼女はWikiLeaksが公表した電子メールの内容を確認するために文書類を調査、DNC、ヒラリー勝利基金、アメリカのためのヒラリーという3者の間で結ばれた資金募集に関する合意を示す書類を発見したという。その書類にはヒラリーが民主党のファイナンス、戦略、そして全ての調達資金を管理することが定められていた。しかも、その合意が証明されたのは彼女が指名を受ける1年程前の2015年8月だ。 ヒラリーは投機家のジョージ・ソロスと緊密な関係にあり、その人脈はサウジアラビアのムハンマド・ビン・ナイェフにつながる。この人物は2015年4月に皇太子となったが、ヒラリーがアメリカ大統領に選ばれなかったこともあり、今年(17年)6月にそのポストから引きずり下ろされる。後任はムハンマド・ビン・サルマンだ。ビン・サルマンはイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフに近い。ソロスとネタニヤフとの関係は悪いと伝えられている。 今回、ミュラーが起訴したフリンは2012年7月24日から14年8月7日にかけてDIA(国防情報局)の局長を務めた人物。その間、2012年8月にDIAはシリア情勢に関する報告書をバラク・オバマ政権へ提出し、その中で反シリア政府軍の主力はサラフィ主義者、ムスリム同胞団、そしてアル・カイダ系武装集団のAQIだと指摘している。バラク・オバマ政権が主張するところの「穏健派」は事実上、存在しないというわけだ。 また、オバマ政権が「穏健派」に対する支援を止めなければ、シリアの東部(ハサカやデリゾール)にサラフィ主義者の支配国が作られる可能性があるとも警告していた。それはダーイッシュという形で現実のものになった。 このダーイッシュは2014年1月にイラクのファルージャで「イスラム首長国」の建国を宣言、6月にはイラクのファルージャやモスルを制圧している。その際にトヨタ製の真新しい小型トラック「ハイラックス」を連ねてパレード、その後継を撮影した写真が世界規模で流れ、多くの人に知られるようになる。 このとき、アメリカの軍や情報機関はスパイ衛星、偵察機、通信傍受、エージェントなどから情報を得ていたはずだが、反応しなかった。つまり、ダーイッシュの軍事侵攻を容認していた。パレードしている車列などは格好の攻撃目標だったはずだ。こうしたオバマ政権の姿勢にフリンは反発、政権の内部で対立が生じたようだ。そして8月にフリンは追い出される。退役後、フリン中将はアル・ジャジーラの番組に出演、ダーイッシュの勢力が拡大したのはオバマ政権が決めた政策によると語っているが、これは事実だ。 「ロシアゲート」では1799年に制定されたローガン法が重要な役割を果たした。民間人が外交へ介入することを禁じた法律だが、問題にされた時期、トランプが次期大統領になることは決まっていた。形式的には民間人だが、事実上、大統領としての準備を始めねばならないときの出来事。司法長官代理だったサリー・イェーツはフリンを「偽証トラップ」で引っかけるため、この法律を使ったようだ。 https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201712020001/ ▲△▽▼
2017.12.06 ヒラリーの電子メール問題を曖昧にし、トランプをロシア疑惑で攻撃していたFBI幹部捜査官の疑惑
FBIの幹部捜査官の疑惑が話題になっている。昨年はヒラリー・クリントンの電子メール問題の捜査を指揮、今年に入ってからロバート・ムラー特別検察官の元でロシア政府による大統領選挙への介入疑惑を調べ、8月にムラーのチームから離れたピーター・ストルゾクがその捜査官だ。恋愛関係にある同僚に対し、反トランプのメッセージを送っていたことが判明したことが理由だと言われている。 この人物の問題は公正な立場で捜査していなかったといるだけでなく、クリントンが公務の通信に個人用の電子メールを使い、しかも3万2000件近い電子メールを削除した件も問題視されている。ジェームズ・コミーFBI長官(当時)は彼女が機密情報の取り扱いに関する法規に違反した可能性を指摘、情報を「きわめて軽率(Extremely Careless)」に扱っていたとしていた。 この「きわめて軽率」は元々「非常に怠慢(Grossly Negligent)」だと表現されていたのだが、それをストルゾクが書き換えていたことが判明している。罰金、あるいは10年以下の懲役が科せられる行為について後者の表現は使われるようで、クリントンが刑務所行きになることを防ぐために書き換えた疑いが濃厚だ。 なお、コミーはFBI長官だった今年5月3日に宣誓の上で捜査を打ち切るように圧力を受けたことはないと証言しているが、その発言から5日後に彼は解任された。 民主党本部のサーバーをハッキングして入手したと思われる1万9252件の電子メールと8034件の添付ファイルをWikiLeaksは2016年7月22日に公表しているが、有力メディアはその中身を無視、ロシア政府によるハッキングだという宣伝を続けてきた。もし本当にロシア政府がハッキングしたならNSAが証拠を握っているはずで、新たな捜査は必要ない。捜査を演出するのは証拠がないからだ。NSAで通信傍受の仕組みを設計した人物を含め、内部で入手されたと断定する専門家は少なくない。電子メールをWikiLeaksへ渡した人物ではないかと言われているのがDNC(民主党全国委員会)のスタッフだったセス・リッチ。2016年7月10日に殺されている。 この殺人事件の捜査を担当したのはワシントンDC警察だが、リッチの両親が雇った元殺人課刑事の私立探偵リッチ・ウィーラーによると、捜査は途中で打ち切られている。その当時のワシントンDC警察長、キャシー・ラニエーは8月16日、9月で辞職してナショナル・フットボール・リーグの保安責任者に就任すると発表、実際に転職した。 ウィーラーがそうした話を記者にした直後、セス・リッチの遺族からウィーラーや話を伝えたFOXニュースへ抗議があり、ウォーラーは発言を撤回する。パストラム・グループの危機コンサルタント、ブラッド・バウマンが遺族のスポークスパーソンとして発表した。 WikiLeaksが公表したメールの中には、バーニー・サンダースが同党の大統領候補になることを妨害するよう民主党の幹部に求めるものがあり、サンダースの支持者を怒らせている。民主党幹部たちが2015年5月26日の時点でヒラリー・クリントンを候補者にすると決めていたことを示唆している電子メールの存在も知られている。 民主党がクリントンを候補者に選ぶ方向で動いていたことはDNCの委員長だったドンナ・ブラジルも認めている。彼女はWikiLeaksが公表した電子メールの内容を確認するために文書類を調査、DNC、ヒラリー勝利基金、アメリカのためのヒラリーという3者の間で結ばれた資金募集に関する合意を示す書類を発見したという。その書類にはヒラリーが民主党のファイナンス、戦略、そして全ての調達資金を管理することが定められていた。しかも、その合意は彼女が指名を受ける1年程前の2015年8月だ。 トランプのロシアゲートは根拠がなく、作り話の可能性が高いのだが、ここにきて新たなロシアゲートが浮上している。2013年にロシアのロスアトムが子会社を介して買収したウラニウム・ワンの問題だ。買収が承認された2010年当時の大統領はバラク・オバマ。ヒラリー・クリントンは承認を担当した国務長官で、FBI長官はロバート・ムラー。このとき、ロシア側からクリントンの基金へ寄付としてカネが渡った。証拠が示されることなく有力メディアが宣伝を展開しているトランプのケースとは違い、クリントンの件は根拠が示されている。 https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201712060000/ ▲△▽▼ 2017.12.18 米国で権力バランスに変化が起こっているのか、攻守逆転で露ゲートはFBIゲートになりつつある
アメリカの民主党が主張、有力メディアが広めてきた「ロシアゲート」は「FBIゲート」になりつつある。権力バランスに変化が起こっているようだ。ドナルド・トランプに対する敵視する立場から政治的に動いているFBI幹部の存在が明確になり、トランプの国家安全保障補佐官への就任が予定されていたマイケル・フリン元DIA局長に対して仕掛けられた罠を問題にする人もいる。 昨年(2016年)はヒラリー・クリントンの電子メール問題の捜査を指揮、今年に入ってからロバート・ムラー特別検察官の下でロシア政府による大統領選挙への介入疑惑を調べ、8月にムラーのチームから離れたピーター・ストルゾクは同僚に対して反トランプのメッセージを送っていたことが判明している。この人物に対し、昨年8月6日に「反乱」を促していたのがFBIのリサ・ペイジ。 この人物の問題は公正な立場で捜査していなかったといるだけでなく、クリントンが公務の通信に個人用の電子メールを使い、しかも3万2000件近い電子メールを削除した件も問題視されている。ジェームズ・コミーFBI長官(当時)は彼女が機密情報の取り扱いに関する法規に違反した可能性を指摘、情報を「きわめて軽率(Extremely Careless)」に扱っていたとしていた。 この「きわめて軽率」は元々「非常に怠慢(Grossly Negligent)」だと表現されていたのだが、それをストルゾクが書き換えていたことが判明している。罰金、あるいは10年以下の懲役が科せられる行為について後者の表現は使われるようで、クリントンが刑務所行きになることを防ぐために書き換えた疑いが濃厚だ。 ところで、トランプに対する攻撃は2016年から展開されているが、ロシアゲート事件の幕開けと言われているのは下院情報委員会におけるアダム・シッフ議員の声明。今年3月のことだ。2016年のアメリカ大統領選挙にロシアが介入した主張している。イギリスの対外情報機関MI6の「元」オフィサー、クリストファー・スティールの報告書に基づく主張だった。MI6時代、スティールはアレキサンダー・リトビネンコのケース・オフィサーだったとも言われている。当時、リトビネンコはMI6のために働いていた。 ちなみに、リトビネンコはソ連/ロシアの情報機関、KGB/FSBに所属していた人物。ボリス・エリツィン時代の終焉に伴い、2000年にイギリスへ渡っていた。彼を雇うことになるオリガルヒのボリス・ベレゾフスキーも2000年からロシアへ戻らず、2003年にはイギリスが政治亡命を認めた。リトビネンコは2006年11月に放射性物質のポロニウム210で毒殺されたとされている。 2016年1月20日付けテレグラフ紙によると、リトビネンコは死ぬ直前、ウラジミル・プーチンがウクライナの犯罪組織のボス、セミオン・モギレビッチと「良好な関係」で、このボスは「アル・カイダ」に武器を売っていたと主張している。 アル・カイダ系武装集団をシリアやリビアへの侵略にアメリカ、イスラエル、サウジアラビアの3国同盟が使ってきたことは本ブログでも繰り返し、指摘してきた。この武装集団の多くはサラフィ主義者(ワッハーブ派、タクフィール主義者)やムスリム同胞団。シリア政府の要請を受け、ロシア政府は2015年9月30日にシリアへ軍事介入し、こうした武装勢力を本当に攻撃、戦況は一変した。 ロシアより1年早くアメリカは勝手にシリアで軍事作戦を開始しているが、実際にはシリアのインフラを破壊し、住民を殺害するだけだったと言われている。そこで、アル・カイダ系武装集団やそこから派生したダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)はシリアで勢力を拡大していた。 2015年11月24日にトルコ軍のF-16戦闘機がロシア軍のSu-24を待ち伏せ攻撃で撃墜しているが、これはロシア軍による攻撃にブレーキをかけるためだった可能性が高い。ただ、ロシア軍機の撃墜をトルコ政府だけの判断で実行できるとは考え難く、撃墜の当日から翌日にかけてポール・セルバ米統合参謀本部副議長がトルコのアンカラを訪問してこともあり、アメリカ政府が許可していたと見る人は少なくない。 ロシア軍の空爆でアル・カイダ系武装勢力やダーイッシュが押されはじめ、アメリカ軍に対する視線は厳しくなる。そうした中、テレグラフ紙はロシアとアル・カイダを結びつける記事を掲載したわけだ。 ところで、MI6を離れたスティールはオービス・ビジネス・インテリジェンスなる会社を経営、この会社を雇ったのがフュージョン。この会社は情報戦を仕掛ける傭兵的な存在で、ウォール・ストリート・ジャーナル紙の記者や編集者だった3名によって設立された。 フュージョンを創設したひとりであるグレン・シンプソンによると、同社は2016年秋にネリー・オーなる人物にトランプの調査と分析を依頼している。2010年当時にCIAのオープン・ソース・ワークスで働き、その夫であるブルース・オーは司法省の幹部。この夫とシンプソンは2016年11月に会っている。その直後にブルースが司法省のポストを失いと、フュージョンはスティールと結びついた。 このフュージョンへトランプに関する調査を依頼、102万ドルを民主党の法律事務所であるパーキンス・コイが支払った。言うまでもなく、この法律事務所はヒラリー・クリントンと民主党のために働いていている。 アンドリュー・マッカビFBI副長官も注目されているひとり。妻のジル・マッカビは2015年3月にバージニア州上院議員選挙への出馬を表明、67万5000ドル以上をクリントンと親しいテリー・マコーリフなどから受け取っていた。 問題はその時の夫の立場。2015年当時、アンドリューはFBIのワシントンDC担当で、クリントンの電子メール捜査を指揮する立場にあったのだ。本来ならこの件を担当してはならなかった。 FBI関連で問題になっている人物がもうひとり存在する。特別検察官のロバート・ムラーだ。2001年9月4日から13年9月4日にかけてFBI長官を務めているが、長官就任から1週間後にニューヨークの世界貿易センターの3棟とバージニア州アーリントンにある国防総省の本部庁舎が攻撃されている。この事件の真相を上手に隠蔽したと陰口をたたかれているのだ。 9/11の直後、事前にFBIは攻撃に関する情報を入手していたと内部告発したFBIの翻訳官だったシベル・エドモンズはフェトフッラー・ギュレンについても事実を公表しようとした。 トルコでは1980年にCIAを後ろ盾とするクーデターがあり、軍事体制になった。この権力奪取を実行したのはトルコにおけるNATOの秘密部隊、カウンター・ゲリラ。このときにギュレンはクーデター派として台頭している。 それ以降、ギュレンはCIAの手先として活動、アメリカに「スリーパー」のネットワークを構築していた。ギュレンを守る中心人物は「元」CIA幹部のグラハム・フラー。その事実をエドモンズは明らかにしたのだが、そうしたことを口にするなと命じたのがFBI長官だったムラーにほかならない。 今でもCIAの保護下にあるギュレンは2016年7月15日のトルコにおけるクーデター未遂でも中心的な役割を果たしたとトルコ政府から批判されている。この武装蜂起はレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領がロシアへ接近する姿勢を見せた直後に引き起こされた。 TWITTER 楽天プロフィール 最終更新日 2017.12.18 13:04:19
2017.12.17
ジョージアの元大統領でオデッサ州知事も務めたサーカシビリがウクライナへ密入国した後、逮捕 カテゴリ:カテゴリ未分類
2014年2月22日にビクトル・ヤヌコビッチ大統領を排除したクーデターの後、ウクライナは破綻国家と化している。そのウクライナでジョージアの元大統領、ミハイル・サーカシビリが混乱に拍車をかけるような行動を展開している。 サーカシビリは2013年にジョージアを離れ、その直後に指名手配されたが、15年5月29日にペトロ・ポロシェンコ大統領からウクライナの市民権を与えられ、5月30日にオデッサ州の知事に任命され、12月4日にジョージアの国籍を失っている。 オデッサでは2014年5月2日に反クーデター派の住民がネオ・ナチのグループに虐殺されている。ネオ・ナチの後ろ盾はアメリカ/NATO。西側と連携したオリガルヒが資金を提供していた。 虐殺はその日の午前8時、「サッカー・ファン」を乗せた列車が到着したところから始まる。赤いテープを腕に巻いた一団がその「ファン」を広場へ誘導するのだが、そこではネオ・ナチのクーデターに対する抗議活動が行われていた。誘導した集団はUNA-UNSOだと言われている。 不穏な空気が漂う中、広場にいた反クーデター派の住民は労働組合会館の中へ誘導される。危険なので避難するようにと言われたようだが、実際は殺戮の現場を隠すことが目的だったと推測する人もいた。 外から建物の中へ火炎瓶が投げ込まれて火事になり、焼き殺された人は少なくない。建物へ向かって銃撃があり、内部でも殺戮が繰り広げられた。48名が殺され、約200名が負傷したと伝えられているが、これは確認された数字で、住民の証言によると、多くの人びとが地下室で惨殺され、犠牲者の数は120名から130名だろいう。虐殺の詳しい調査は現時点でも実施されていない。 虐殺の前、アメリカ政府の高官がキエフを訪れていた。まず4月12日にジョン・ブレナンCIA長官がキエフを極秘訪問、4月22日にはジョー・バイデン米副大統領もキエフを訪問し、それにタイミングを合わせるようにしてオデッサでの工作が話し合われている。 この会議に出席したのは大統領代行、内相代行、SBU(治安機関)長官代行、ネオ・ナチの中心的な存在だったアンドレイ・パルビー国家安全保障国防会議議長代行、そしてオブザーバーとしてドニエプロペトロフスクの知事になるイゴール・コロモイスキーだ。 コロモイスキーはウクライナのほか、イスラエルとキプロスの国籍を持ち、スイスをビジネスの基盤にしている。会議の10日後にオデッサで虐殺があったのだが、その数日前、パルビーは数十着の防弾チョッキをオデッサのネオ・ナチの下へ運んでいる。 ところで、ウクライナをクーデターは2013年11月、キエフのユーロマイダン(ユーロ広場、元の独立広場)で始まった。当初はカーニバル的な抗議活動で、混乱をEUは話し合いで解決しようとする。 そうした方針に怒ったのがアメリカのジェオフリー・パイアット大使やビクトリア・ヌランド国務次官補。このふたりが電話で話し合う音声が2014年2月4日にインターネット上にアップロードされている。 パイアットとヌランドは電話で次期政権の人事について話し合っていたのだが、その中でヌランドが強く推していた人物がアルセニー・ヤツェニュク。実際、クーデター後、首相に就任している。その会話の中でヌランド国務次官補はEUが話し合いで解決しようとしていることに怒り、EUに対して「くそくらえ(F*ck the EU)」と口にした。 その音声が公開された頃からキエフでは暴力が激しくなるが、その中心はネオ・ナチ。2月18日頃から棍棒、ナイフ、チェーンなどを手にしながら、石や火炎瓶を投げ、ピストルやライフルで銃撃を始めた。ネオ・ナチは広場へ2500丁以上の銃を持ち込んでいたとも言われている。 その当時、広場をコントロールしていたのはネオ・ナチの幹部として知られているアンドレイ・パルビー。この人物はソ連が消滅した1991年にオレフ・チャフニボクと「ウクライナ社会ナショナル党(後のスボボダ)」というネオ・ナチ系の政党を創設、クーデター後には国家安全保障国防会議(国防省や軍を統括する)の議長に就任、2014年8月までその職にあった。 ヤヌコビッチを暴力的に排除する切っ掛けになったのは広場における狙撃。治安部隊の隊員も抗議活動の参加者もターゲットになり、少なからぬ犠牲者が出た。 西側の政府やメディアはヤヌコビッチ政権側が狙撃していると宣伝したが、2月25日にキエフ入りしたエストニアのウルマス・パエト外相は事実が逆だと報告している。反大統領派で医師団のリーダー格だったオルガ・ボルゴメツなどから聞き取り調査をした結果だという。その結果を26日にEUの外務安全保障政策上級代表(外交部門の責任者)だったキャサリン・アシュトンへ電話で、狙撃手は反ヤヌコビッチ派の中にいると報告した。 「全ての証拠が示していることは、スナイパーに殺された人びと、つまり警官や街に出ていた人たち双方、そうした人びとを同じスナイパーが殺している。同じ筆跡、同じ銃弾。実際に何が起こったかを新連合(暫定政権)が調査したがらないほど、本当に当惑させるものだ。スナイパーの背後にいるのはヤヌコビッチでなく、新連合の誰かだというきわめて強い理解がある。」としている。 パエトはクーデター派が狙撃したとアシュトンへ知らせているのだが、この報告は無視された。先月、この報告を裏付けるドキュメントがイタリアで放送されている。(その1、その2)その中で自分たちが狙撃したする3人のジョージア人が登場、警官隊と抗議活動参加者、双方を手当たり次第に撃つよう命じられたとしている。 この3人は狙撃者の一部で、治安部隊のメンバーとしてジョージアから送り込まれたいう。また、彼らによると、キエフのクーデターはジョージアで実行された「バラ革命」と同じシナリオだった。狙撃の指揮者はアンドレイ・パルビーだとも語っているが、この人物が指揮していたことはクーデター直後から指摘されていた。ジョージアの狙撃者はウクライナ行きを命じたのはサーカシビリだとしているが、この人物は2013年11月17日に大統領を辞めているので、その前の決定だということになるだろう。 2016年11月にサーカシビリはオデッサ州知事を辞任、今年7月にウクライナ国籍を剥奪された。一旦出国したが、今年9月10日にバスを使ってポーランドからウクライナへ入った。12月5日に逮捕されたが、この時はサーカシビリ支持者が奪還に成功、8日に再び逮捕された。保釈されたのは11日のことだ。 TWITTER 楽天プロフィール
最終更新日 2017.12.17 19:27:33
2017.12.16
サウジから連れ出されたレバノン首相は新たなシリア侵略を仕掛ける役割を負わされている可能性 カテゴリ:カテゴリ未分類
サウジアラビアで大規模な粛清が始まった今年(2017年)11月4日、レバノンのサード・ハリリ首相が辞任を表明する録画映像をサウジアラビアのテレビが流したが、その表明は後に取り消された。粛清が始まった頃、ハリリとビジネスで緊密な関係にあったアブドゥル・アジズ・ビン・ファハド王子の死亡説も流れたが、サウジアラビア情報省はすぐに否定している。 軟禁状態だとされたハリリをサウジアラビアから連れ出したのはフランスのエマニュエル・マクロン大統領。招待という形でハリリはフランスを訪問した。家族同伴と伝えられているが、ふたりの子どもはサウジアラビアに残っている。人質だと言う人もいる。 マクロンは2006年から09年まで社会党に所属、その間、08年にロスチャイルド系投資銀行へ入り、200万ユーロという報酬を得ていたといわれている人物。つまり、ロスチャイルドの使用人。粛清を主導したと見られているモハメド・ビン・サルマン皇太子とも親しいと言われている。 今年9月にビン・サルマン皇太子はイスラエルを秘密裏に訪問していることから、今回の粛清はイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ政権と連携してのことだった可能性がある。また、粛清の直前、ドナルド・トランプの義理の息子にあたるユダヤ系のジャレッド・クシュナーがサウジアラビアを秘密裏に訪れていることも注目されている。 ところで、サード・ハリリの父親、ラフィク・ハリリは2005年2月に殺されている。この殺害事件を扱うために「レバノン特別法廷(STL)」が設置され、ヒズボラに所属するという4名が起訴されている。 この事件では早い段階から「シリア黒幕説」が流された。2005年10月に国連国際独立委員会のデトレフ・メーリス調査官は「シリアやレバノンの情報機関が殺害計画を知らなかったとは想像できない」と主張、「シリア犯行説」に基づく報告書を安保理に提出しているのだが、証拠は示されていない。メーリスはアメリカやイスラエルの「情報機関が殺害計画を知らなかったとは想像できない」とは考えなかったようだ。 メーリスの報告書では犯人像が明確にされていないうえ、暗殺に使われた三菱自動車製の白いバンは2004年に相模原で盗まれたのだが、そこからベイルートまで運ばれた経緯が調べられていないなど「欠陥」が当初から指摘されていた。 また、アーマド・アブアダスなる人物が「自爆攻撃を実行する」と宣言する様子を撮影したビデオがアルジャジーラで放送されたが、このビデオをメーリスは無視。また、ズヒル・イブン・モハメド・サイド・サディクなる人物は、アブアダスが途中で自爆攻撃を拒否したため、シリア当局に殺されたとしているのだが、ドイツのシュピーゲル誌は、サイド・サディクが有罪判決を受けた詐欺師だと指摘する。 しかも、この人物を連れてきたのがシリアのバシャール・アル・アサド政権に反対しているリファート・アル・アサド。サディクの兄弟によると、メーリスの報告書が出る前年の夏、サイドは電話で自分が「大金持ちになる」と話していたようだ。 もうひとりの重要証人、フッサム・タヘル・フッサムはシリア関与に関する証言を取り消している。レバノン当局の人間に誘拐され、拷問を受けたというのだ。その上で、シリア関与の証言をすれば130万ドルを提供すると持ちかけられたと話している。 メーリスの報告書が出された後、シリアやレバノンの軍幹部が容疑者扱いされるようになり、レバノン軍将官ら4人の身柄が拘束されたのだが、シュピーゲルの報道後、報告書の信頼度は大きく低下、シリアやレバノンを不安定化させたい勢力の意向に沿って作成されたと疑う人が増えた。2005年12月になるとメーリスは辞任せざるをえない状況に追い込まれ、翌月に辞めている。後に特別法廷は証拠不十分だとして4人の釈放を命じ、その代わりにヒズボラのメンバーが起訴されたわけである。 STLは2007年、国連の1757号決議に基づいて設置されたのだが、国連の下部機関というわけではなく、サウジアラビア、アメリカ、フランス、イギリス、レバノンが年間85億円程度だという運営資金を出していた。 この法廷が設置される前年、2006年7月から8月にかけてイスラエルはレバノンに軍事侵攻、ヒズボラと戦っている。その際、イスラエル海軍のコルベット艦がヒズボラの対艦ミサイルで損傷を受けたるなど予想外に苦戦した。イスラエルが単独で攻め込むことは難しい状況になったのだ。 一方でハリリ・グループは「未来運動」なる活動を開始、武装部隊(テロ部隊)を編成した。その部隊を財政的に支援してきたのがデイビッド・ウェルチ米国務省次官補を黒幕とする「ウェルチ・クラブ」なるプロジェクトだと言われている。 WikiLeaksが公表した外交文書によると、ロンドンを拠点とする反アサド派を2000年代の半ばからアメリカ政府は資金面などで支援、亡命シリア人のネットワークの「正義発展運動」も生み出した。 2007年3月5日付けのニューヨーカー誌に掲載された調査ジャーナリストのシーモア・ハーシュのレポートによると、アメリカ、イスラエル、サウジアラビアの三国同盟がシリア、イラン、そしてレバノンのヒズボラをターゲットにした秘密工作を開始している。 また、1991年に国防次官だったポール・ウォルフォウィッツがイラク、シリア、イランを殲滅すると語ったことは、2007年にウェズリー・クラーク元欧州連合軍(現在のNATO作戦連合軍)最高司令官が明らかにしている。(3月、10月) 2001年9月11日にニューヨークの世界貿易センターとバージニア州アーリントンにある国防総省本部庁舎(ペンタゴン)が攻撃されてから数週間後、ジョージ・W・ブッシュ政権はイラク、イラン、シリア、リビア、レバノン、ソマリア、スーダンを攻撃する計画をたてていたともクラークは語っている。 シリアの体制転覆は遅くとも1991年の段階でネオコンのスケジュールに入っていた。そうした状況の中、ラフィク・ハリリは暗殺された。アメリカはその責任をシリア政府になすりつけてアサド体制を倒そうとしたが、まだ倒されていない。 TWITTER 楽天プロフィール
最終更新日 2017.12.16 00:00:08
2017.12.15
トランプが米議会の決議に沿ってエルサレムをイスラエルの首都だとし、イスラム団結の切っ掛けに カテゴリ:カテゴリ未分類
ドナルド・トランプ大統領は12月6日の演説でエルサレムをイスラエルの首都だと認めた。それ以来、イスラム世界ではアメリカに対する批判が高まり、シスラム教徒が団結する雰囲気も出てきた。 しかし、この演説でパレスチナ人の状況が悪化したわけではない。これまでイスラエルはガザを繰り返し軍事侵攻、ヨルダン川西岸は入植で浸食されて収容所化が進んできた。そうしたパレスチナを世界の人々が思い出しただけのことだ。 本ブログでもすでに書いたことだが、アメリカには「1995年エルサレム大使館法」という法律がある。エルサレムをイスラエルの首都だと承認すべきで、1999年5月31日までにエルサレムにアメリカ大使館を設置すべきだという内容だ。 今年(2017年)6月5日に上院はその法律を再確認する決議を賛成90、棄権10で採択している。その流れの中でドナルド・トランプ大統領はエルサレムをイスラエルの首都だと認める演説をしたのである。トランプは議会を尊重したとも言えるのだ。アメリカがパレスチナ問題の仲介者になることは不可能だということでもある。 今回の演説までパレスチナは世界から見捨てられていたのだ。ヤセル・アラファトの死後、PLOはスポンサーのサウジアラビアの言いなりになるが、そのサウジアラビアはイスラエルと緊密な関係を築いている。そのPLOのライバルと見なされているハマス(イスラム抵抗運動)を育て上げたのもイスラエルだ。 アラファトが率いるPLOの影響力を低下させるため、イスラエルはムスリム同胞団の一員としてパレスチナで活動していたアーマド・ヤシンに目をつける。彼はガザにおける同胞団の責任者に選ばれ、シン・ベト(イスラエルの治安機関)の監視下、イスラム・センターを創設する。1976年にはイスラム協会を設立、このイスラム協会の軍事部門として1987年に登場してくるのがハマスだ。 アラファトはノルウェーのオスロでイスラエルのイツハク・ラビン政権と秘密裏に交渉、1993年9月に両者はアメリカのワシントンDCで「暫定自治原則宣言」(オスロ合意)に署名している。その後、クリントンはスキャンダル攻勢でホワイトハウスにおける影響力が低下、1995年11月にはラビンが暗殺される。 この暗殺から5年後、イスラエルの軍事強硬派、リクードのアリエル・シャロン党首が数百名の警察官を従えてエルサレムの神殿の丘を訪問、和平の雰囲気は吹き飛んでしまい、2004年にアラファトが死亡た。 その間、2001年9月11日にニューヨークの世界貿易センターとバージニア州アーリントンにある国防総省の本部庁舎(ペンタゴン)が攻撃されている。ジョージ・W・ブッシュ政権は詳しい調査をする前に「アル・カイダ」が実行したと断定、アメリカをはじめ西側世界では反イスラム感情が広がっていった。 トランプは中東におけるアメリカの存在をアピールすることも狙ったと見る人もいる。バラク・オバマ政権はシリアのバシャール・アル・アサド大統領を排除すると宣言、イスラエルやサウジアラビアなどと手を組み、サラフィ主義者(ワッハーブ派、タクフィール主義者)やムスリム同胞団を中心とする傭兵を送り込んだ。 アメリカ、イスラエル、サウジアラビアの三国同盟が使った傭兵にはアル・ヌスラ(アル・カイダ系)やダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)といったいくつかのタグが付けられていたが、所詮はタグに過ぎない。 ところが、この侵略戦争はロシアに阻止される。クルドへの切り替えも思惑通りには進まなかった。戦争が長引くにつれて侵略勢力は結束が緩み、すでにトルコやカタールは離脱してロシア、イラン、シリアのグループに接近している。2003年にアメリカ主導軍から先制攻撃を受けてサダム・フセイン体制を倒されたイラクもこのグループと手を組んでいる。アメリカの中東における影響力は急速に低下し、ロシアの存在感が強まった。トランプは世界の目をアメリカへ向けさせようとしたと考える人もいる。 TWITTER 楽天プロフィール
最終更新日 2017.12.15 10:13:44
2017.12.14
日米韓の好戦派が軍事的な緊張を高めようとし、ロシアと米国の国務長官は外交的な解決を目指す カテゴリ:カテゴリ未分類
アメリカ、日本、韓国の3カ国が朝鮮半島周辺で合同軍事演習を始めた12月11日、ロシア軍のワレリー・ゲラシモフ参謀総長は米日韓の軍事演習を軍事的な緊張を高めるものだと批判した。その翌日、12日にアメリカのレックス・ティラーソン国防長官は朝鮮と前提条件なしに対話する用意があると発言、その翌日にはロシアの軍事使節が朝鮮を訪れている。朝鮮が「火星15」と名づけられたICBMの発射実験を実施した11月29日にはロシアの議員団が朝鮮を訪問、また11月20日から6日間にわたって日本経済団体連合会、日本商工会議所、日中経済協会で構成される経済代表団約250名が中国を訪れていた。軍事的な緊張を高めようとする勢力と緩和させようとする勢力の対立が鮮明になっている。 東アジアでの経済発展を目指し、鉄道網やパイプラインの建設を計画している中国やロシアは軍事的な緊張を緩和させようとしているが、それを妨害しているのがアメリカ、日本、韓国の好戦派、そして朝鮮。本ブログでは何度か指摘しているが、朝鮮はアメリカや日本の好戦派にとって都合の良いタイミングで爆破やミサイル発射の実験を実施してきた。 アメリカの好戦派は朝鮮を利用して東アジアの軍事的な緊張を高めてきたが、そのターゲットは朝鮮でなく中国だろう。歴史的にアメリカ支配層は中国の制圧と略奪を目論んできたのだ。アングロ・サクソンというとらえ方をすれば、その歴史は19世紀までさかのぼることができる。 フランクリン・ルーズベルト大統領が急死してホワイトハウスがウォール街に奪還された後、アメリカは国民党を支援したが、その国民党と戦っていた解放軍が1949年1月に北京へ無血入城、5月には上海を支配下におき、10月には中華人民共和国が成立した。上海を拠点にしていたアメリカの極秘破壊工作機関OPCは日本へ移動、厚木基地を中心に活動することになる。 朝鮮戦争勃発の4カ月後、1950年10月にOPCはCIAへ吸収されて秘密工作部門の中核になり、中国南部へ侵攻する計画を立た。そこでラオスにいた国民党軍を再編成し、1951年4月にCIAの軍事顧問団は2000名の国民党軍を率いて中国へ軍事侵攻、片馬を占領した。そこで反撃にあい、追い出されている。1952年8月にも国民党軍は中国へ侵攻して約100キロメートルほど進んだが、やはり中国側の反撃で撃退されてしまった。 1953年にドワイト・アイゼンハワーが大統領に就任、国務長官はジョン・フォスター・ダレスになった。その年の7月に朝鮮戦争が休戦になるが、翌年の1月にダレス国務長官は国家安全保障会議でベトナムにおけるゲリラ戦の準備を提案している。それを受け、CIAはSMM(サイゴン軍事派遣団)を編成した。この段階でベトナムへの軍事介入が見通されている。ベトナムから軍隊を撤退させる決断をしていたジョン・F・ケネディ大統領が1963年11月に暗殺され、副大統領から昇格したリンドン・ジョンソンは本格的な軍事介入を始めた。 アメリカ人の中には「神の軍隊」であるアメリカ軍がベトナム戦争で苦戦していることに不満を抱く人が少なくなかったが、そうした時期に勃発したのが1967年6月の第3次中東戦争。この戦いで圧勝したイスラエルを新たな「神の軍隊」として崇める人もいたようである。 その後、デタント(緊張緩和)を目指したリチャード・ニクソンはウォーターゲート事件で1974年8月に失脚、副大統領からジェラルド・フォードが昇格して誕生した新政権ではポール・ニッツェやアルバート・ウールステッターがデタント派の粛清をしている。 ちなみに、ニッツェはナチスとの関係が疑われた元銀行家で、元トロツキストのウールステッターは核の専門家として国防総省系のシンクタンクRANDで働いていたことがある。シカゴ大学で教えた学生の中には後にネオコンの中心的グループに入るポール・ウォルフォウィッツも含まれていた。 粛清の中で最も重要な意味を持っていたと考えられているのは国防長官とCIA長官の交代。1975年11月に国防長官はジェームズ・シュレシンジャーからドナルド・ラムズフェルドへ、また76年1月にCIA長官はウィリアム・コルビーからジョージ・H・W・ブッシュへ交代している。 また、ネオコンの台頭も目立つ。例えば、ラムズフェルドはNATO大使から1974年9月に大統領主席補佐官へ、そして国防長官になったが、空いた首席補佐官のポストに収まったのがリチャード・チェイニーだ。 当時、CIA長官になったブッシュは「情報の素人」だとされたが、実際はエール大学でCIAにリクルートされた可能性が高く、ジョン・F・ケネディ大統領が暗殺された当時、ブッシュがCIAの幹部だったことはFBIの文書で確認されている。 ブッシュが長官になったCIAではソ連脅威論を宣伝するチームBが始動する。CIAの分析部門は事実を重視するため、チームBで好戦派に継ごうが良い偽情報を流すことになった。社会不安を高め、軍事力増強や治安体制の強化へつなげようとしたのである。 そのチームBを率いたハーバード大学のリチャード・パイプス教授はヘンリー・ジャクソンの事務所で顧問を務めていた人物。その事務所は後にネオコンと呼ばれる人々が育成のために送り込まれていた。また、Bチームのメンバーにはポール・ニッツェやポール・ウォルフォウィッツも含まれていた。 1991年12月にソ連が消滅した直後、92年2月に世界制覇プラン、いわゆるウォルフォウィッツ/ドクトリンを作成した中心人物がウォルフォウィッツ。そのプランに基づいて1995年2月にジョセフ・ナイ国防次官補が「東アジア戦略報告(ナイ・レポート)」を作成、公表している。それ以降、日本はアメリカの戦争マシーンに組み込まれていく。 そうした流れに逆らう鳩山由紀夫が2009年9月に内閣総理大臣となると、マスコミや検察から激しい攻撃を受けて潰されてしまい、10年6月に首相は鳩山から菅直人へ交代した。その年の9月に海上保安庁は「日中漁業協定」を無視して尖閣諸島の付近で操業中だった中国の漁船を取り締まり、田中角栄と周恩来が「棚上げ」で合意していた尖閣諸島の領有権問題に火がつけられた。 その結果、軍事的な緊張が高まり、経済面にも悪い影響が出ているのだが、それにも限界がある。今年、日本が大規模な経済代表団を中国へ派遣した理由のひとつはその辺にあるのだろう。アメリカの好戦派に従属して日本を破壊するのか、そうした事態を回避するために方針を転換するのか、日本の支配層は選択を迫られている。 TWITTER 楽天プロフィール
最終更新日 2017.12.14 11:49:07
2017.12.13
中国とロシアが軍事的にも強く結びつく中、米国が日本と韓国を従えて軍事演習を実施した背景 カテゴリ:カテゴリ未分類
アメリカ、日本、韓国は12月11日から合同軍事演習を実施した。アメリカから参加した2隻のイージス駆逐艦、「ステセム」と「ディケーター」を中心に、日本のイージス駆逐艦「ちょうかい」、韓国のイージス駆逐艦が参加している。東シナ海ではアメリカのB-B爆撃機やF-35戦闘機、F-18戦闘機、また日本から4機のF-15戦闘機が飛行したという。 この演習は朝鮮を想定しているとされているが、実際の相手は中国とロシアのはずである。アメリカと緊密な関係にあるイギリスでは1945年5月にドイツが降伏した直後にソ連を奇襲攻撃する計画を立て、アメリカは1949年に中華人民共和国が建国されてから中国への軍事侵攻を目論んできた。今もその延長線上にある。 イギリスの奇襲計画はウィンストン・チャーチル英首相がJPS(合同作戦本部)に命じて作成させたもので、「アンシンカブル作戦」と名づけられた。それによると、1945年7月1日に米英軍数十師団とドイツの10師団が「第3次世界大戦」を始める想定になっていたが、参謀本部に拒否されて実行されていない。日本が降伏する前にソ連を攻撃した場合、日本とソ連が手を組む可能性があると懸念する人もいたようだ。 この計画が流れた後、7月26日にチャーチルは退陣するのだが、日本が降伏して第2次世界大戦が終わった翌年、1946年の3月に彼はアメリカのミズーリ州で「バルト海のステッティンからアドリア海のトリエステに至まで鉄のカーテンが大陸を横切って降ろされている」と演説して「冷戦」の開幕を宣言している。 それだけでなく、1947年にチャーチルはスタイルス・ブリッジス米上院議員と会い、ソ連を核攻撃するようハリー・トルーマン大統領を説得して欲しいと頼んでいたと報道されている。チャーチルは執拗にソ連の破壊を目論んでいた。ドイツ軍の主力がソ連に攻め込んでいたとき、西側が手薄になっていたにもかかわらずチャーチルはドイツを攻撃させていない。 フランクリン・ルーズベルトが1945年4月に急死した後、副大統領から昇格したハリー・トルーマン大統領は1947年3月、世界的な規模でコミュニストを封じ込める政策、いわゆるトルーマン・ドクトリンを打ち出した。 ジョージ・ケナンがXという署名でソ連封じ込め政策に関する論文を発表したことも有名な話だが、これらは1904年にハルフォード・マッキンダーというイギリスの学者が発表した理論と合致する。イギリスは一貫してロシア制圧を目論んできた。 マッキンダーは世界を3つに分けて考えている。第1がヨーロッパ、アジア、アフリカの世界島、第2がイギリスや日本のような沖合諸島、そして第3が南北アメリカやオーストラリアのような遠方諸島だ。世界島の中心がハートランドで、具体的にはロシアを指し、そのロシアを支配するものが世界を支配するとしていた。そのロシアを締め上げるため、西ヨーロッパ、パレスチナ、サウジアラビア、インド、東南アジア諸国、朝鮮半島をつなぐ内部三日月帯を、その外側に外部三日月地帯をマッキンダーは想定している。日本は内部三日月帯の東端にあり、侵略の重要拠点であるのみならず、傭兵の調達地と認識されていた。 第2次世界大戦後、アメリカでは外交官や軍人の好戦的な勢力がソ連の打倒を目指す。例えば、トルーマン・ドクトリンが発表された2年後、アメリカの統合参謀本部はソ連の70都市へ133発の原爆を落とすという内容の研究報告を作成、1954年にアメリカのSAC(戦略空軍総司令部)はソ連を攻撃するための作戦を作り上げた。SACの作戦は600から750発の核爆弾をソ連に投下、約6000万人を殺すという内容で、この年の終わりにはヨーロッパへ核兵器を配備している。300発の核爆弾をソ連の100都市で使うという「ドロップショット作戦」が作成されたのは1957年初頭だ。 こうした動きの中、沖縄では1953年に布令109号「土地収用令」が公布/施行され、アメリカ軍は暴力的な土地接収を進める。1955年には本島面積の約13%が軍用地になったという。沖縄の軍事基地化はアメリカの世界戦略と結びついていると言えるだろう。 こうした軍事基地化が推進されていた当時、1955年から57年にかけて琉球民政長官を務めていたのがライマン・レムニッツァー。第2次世界大戦でイギリス軍のハロルド・アレグザンダー元帥に取り入り、アレン・ダレスを紹介されている。ダレスとレムニッツァーは大戦の終盤、ナチスの高官を保護する「サンライズ作戦」をルーズベルト大統領に無断で実施している。 レムニッツァーは琉球民政長官の後、ドワイト・アイゼンハワー政権時代の1960年から統合参謀本部議長に就任するが、次のケネディ大統領とは衝突、議長の再任が拒否されている。衝突の主な原因はソ連に対する先制核攻撃をめぐるものだった。 本ブログでは何度も書いてきたが、テキサス大学のジェームズ・ガルブレイス教授によると、レムニッツァーやカーティス・ルメイを含む好戦派は1963年の終わりにソ連を奇襲攻撃する予定だったという。その頃になればアメリカはICBMを配備でき、しかもソ連は配備が間に合わないと見ていたのだ。そのために偽旗作戦のノースウッズも作成されたのだが、1963年6月にケネディ大統領はアメリカン大学の学位授与式(卒業式)でソ連との平和共存を訴える。そして11月22日にテキサス州ダラスで暗殺された。その翌年、日本政府はルメイに対し、勲一等旭日大綬章を授与している。 これも繰り返し書いてきたが、「核の傘」とはアメリカの先制核攻撃の拠点になることを意味する。1991年12月にソ連が消滅した直後、ネオコンをはじめとする好戦派が作成した国防総省のDPG草稿、いわゆるウォルフォウィッツ・ドクトリンはソ連がアメリカの属国になったという前提で立てられた世界制覇プラン。21世紀に入るとロシアがウラジミル・プーチンの元で再独立に成功、国力を回復させたのだが、それでもアメリカ支配層の内部にはボリス・エリツィン時代のイメージが残っていたようで、例えば、キール・リーバーとダリル・プレスはフォーリン・アフェアーズ誌の2006年3/4月号に掲載された論文の中でロシアと中国の長距離核兵器をアメリカの先制第1撃で破壊できるようになると主張している。 その論文が出た2年後の2008年にアメリカ支配層の幻想を打ち破る出来事があった。その年の7月10日にアメリカのコンドリーサ・ライス国務長官はジョージア(グルジア)を訪問、8月7日にミヘイル・サーカシビリ大統領は分離独立派に対して対話を訴えてから8時間後の深夜に南オセチアを奇襲攻撃したのだ。 ジョージアは2001年以降、イスラエルの軍事会社から無人飛行機、暗視装置、対航空機装置、砲弾、ロケット、電子システムなどを含む武器/兵器の提供を受け、軍事訓練も受けていた。2008年1月から4月にかけてはアメリカの傭兵会社MPRIとアメリカン・システムズが元特殊部隊員を派遣している。つまり、アメリカやイスラエルは周到に準備した上でジョージアに南オセチアを奇襲攻撃させたのだ。圧勝する予定だったのだろうが、ロシア軍に粉砕されてしまった。この時点でアメリカ軍やイスラエル軍はロシア軍に通常戦で勝てないことが明らかになったと言える。その後、力の差が開いたことはシリアでの戦闘が示唆している。 それでもアメリカ支配層の一部はロシアと中国を制圧しようとしている。アメリカ経済は半世紀近く前に破綻、その後は資金のコロガシ、投機市場の肥大化で誤魔化してきたのだが、その仕組みが揺らいでいることが大きい。ドルが基軸通貨の地位から陥落しそうだなのだ。投機市場が縮小しはじめたなら大変な勢いで西側支配層の富は消えていく。ロシアと中国が健在である限り、そうした展開になってしまうだろう。来年、アングロ・シオニストの支配者たちはギャンブルに出る可能性がある。 TWITTER 楽天プロフィール
最終更新日 2017.12.13 18:40:51
2017.12.12
シリア侵略を継続するために米軍はシリア占領を続けようとしているが、露大統領は軍に帰還命令 カテゴリ:カテゴリ未分類
ロシアのウラジミル・プーチン大統領が12月11日に突如シリアのラタキアにあるフメイミム空軍基地を訪問、シリアのバシャール・アル・アサド大統領と会談した。その際、シリアに派遣されたロシア軍の主力を帰還させるよう国防相と参謀総長に命じたことを明らかにしている。ただ、フメイミム空軍基地とロシア海軍が使っているタルトゥース基地はこれまで通りだという。 軍に帰還を命じたのはダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)の殲滅に成功したからだとしているが、アル・カイダ系武装勢力と同じように、この戦闘部隊をアメリカ、イスラエル、サウジアラビアを中心とする侵略同盟は手先として使ってきた。 その同盟からトルコやカタールは離脱したが、中核の3カ国はシリア侵略を諦めていない。アメリカ軍はそうした武装集団の逃亡を助けてきた。幹部をヘリコプターで救出したと伝えられている。「新ダーイッシュ」を編成する準備はできているだろう。 アメリカ主導軍がイラクを先制攻撃した2年後、イギリスのロビン・クック元外相はガーディアン紙に寄稿した文章の中で、アル・カイダはCIAから軍事訓練を受けた「ムジャヒディン」のコンピュータ・ファイル、つまり傭兵の登録リストだと指摘した。1970年代の終盤にズビグネフ・ブレジンスキーが計画した秘密工作で戦闘集団が編成されて以来、そうした仕組みは維持されている。ちなみにアル・カイダはアラビア語でベースを意味し、データベースの訳語としても使われている。 アメリカ軍はロシア軍より1年前、2014年9月23日からシリア政府の承認を得ないまま軍事介入、トルコ政府によると、シリア北部に13基地をすでに建設済み。駐留している将兵は7000名に達するとする情報もある。 この軍事介入の口実としてアメリカ軍もダーイッシュ殲滅を掲げていた。ダーイッシュは2014年1月にイラクのファルージャでイスラム首長国の「建国」を宣言、6月にファルージャを制圧した。その際、トヨタ製の真新しい小型トラックのハイラックスを連ねたパレードを行い、その様子を撮影した写真が配信されたことも有名になった。8月にはジェームズ・フォーリーの首をダーイッシュが切ったとする映像が公開されている。 しかし、本当にダーイッシュをアメリカ政府が危険だと考えていたなら、ファルージャ制圧を黙認したはずはない。ハイラックスの車列は格好のターゲットだったはずだ。こうした行動をアメリカの軍や情報機関はスパイ衛星、偵察機、通信傍受、人から情報を把握していたはずだからだ。 アメリカは2014年9月、ダーイッシュの出現を口実にして連合軍を組織、アサド体制の打倒を目指す。連合軍に参加したのはサウジアラビア、カタール、バーレーン、アラブ首長国連合のペルシャ湾岸産油国、ヨルダン、トルコ、さらにイギリス、オーストラリア、オランダ、デンマーク、ベルギー、フランス、ドイツなどだ。 この連合軍は2014年9月23日に攻撃を始めるが、その様子を取材したCNNのアーワ・デイモンは翌朝、最初の攻撃で破壊されたビルはその15から20日前から蛻の殻だったと伝えている。その後、アル・ヌスラ(アル・カイダ系)やダーイッシュはシリアで勢力を拡大していくが、その理由は連合軍が本気で攻撃していなかったからにほかならない。その後、アル・カイダ系武装集団やダーイッシュは支配地を拡大、アメリカ主導軍はインフラを破壊、住民の犠牲が増えていく。 このようにダーイッシュが売り出される2年前、2012年8月にアメリカ軍の情報機関DIAは反シリア政府軍について、その主力はサラフィ主義者、ムスリム同胞団、そしてアル・カイダ系武装集団だと指摘、バラク・オバマ政権が宣伝していた「穏健派」は存在しないとする報告書をホワイトハウスへ提出している。しかも、その中で東部シリア(ハサカやデリゾール)にサラフィ主義者の支配国が作られる可能性があるとも警告されていた。つまり、ダーイッシュの出現を見通していたのだ。当然、バラク・オバマ大統領もわかっていただろう。 そうした経緯があったこともあり、2014年にダーイッシュが登場するとオバマ政権の内部で激しい対立が起こり、その年の8月にマイケル・フリンDIA局長は解任されている。ファルージャやモスルをダーイッシュに支配させることはオバマ政権の主流派が望んでいたことだと言えるだろう。その翌月、マーティン・デンプシー統合参謀本部議長(当時)はアラブの主要同盟国がダーイッシュに資金を提供していると議会で証言している。 退役から1年後の2015年8月にフリン元DIA局長はアル・ジャジーラの番組へ出演、ダーイッシュの出現が見通されていたにもかかわらず阻止できなかった理由を問われ、自分たちの任務は提出される情報の正確さをできるだけ高めることにあると答えている。その情報に基づいて政策を決定するのは大統領の仕事だということであり、ダーイッシュの勢力が拡大したのはオバマ政権が決めた政策によるというわけだ。 ロシア軍主力の撤退はシリアへ居座ろうとしているアメリカ軍への圧力という側面もあるだろうが、一旦占領した場所からアメリカ軍は引き揚げようとしない。実際、シリアでもそうした発言をしている。11月にはロシア軍を挑発して軍事的な緊張を高めようとしていたが、緊張が高まる前にロシア政府は主力の帰還を命じてしまった。 このままアメリカ軍が居座ろうとすれば自分たちが単なる侵略軍に過ぎないことを明らかにすることになる。それでも日本などはアメリカを侵略者だとは認めようとしないかもしれないが、世界の目は違う。 https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201712110000/ ▲△▽▼
FBIと連邦検察、クリントン財団を捜査 汚職疑惑で 1/6(土) 10:49配信 CNN.co.jp FBIがクリントン財団に関連する汚職容疑で捜査を進めていることがわかった
(CNN) クリントン元米大統領や夫人のヒラリー元国務長官が運営する慈善団体「クリントン財団」をめぐり、連邦捜査局(FBI)や連邦検察が汚職疑惑の捜査を加速させていることが6日までに分かった。この問題について報告を受けた米当局者が明らかにした。
ヒラリー氏の国務長官在任中に献金への見返りとして、不適切な形での便宜供与や同氏への特別なアクセスが約束されていなかったか調べを進めている。また、非課税ファンドの不適切な利用がなかったかも捜査している。 同当局者によれば、捜査はアーカンソー州にあるFBI支局が主導、同州の連邦検察事務所が監督している。 FBIによる初期捜査は2016年の大統領前に行われていたが、当時は証拠不十分と判断していた。ただ、司法省はFBIに捜査の継続を認め、新たな証拠が見つかればしてさらに追及を強める方針だった。 今回の捜査のきっかけとなった新証拠の有無やその内容は不明。 司法省は進行中の捜査の有無について確認も否定もしないとの方針を理由に、CNNのコメント要請に応じなかった。アーカンソー州の連邦検察事務所もコメントしなかった。 クリントン財団の代理人は一連の疑惑の内容に関し、証拠が示されていないと主張。「クリントン財団はこれまで何度も政治的な思惑に基づく疑惑にさらされてきたが、そのたびにこうした疑惑が誤りであることが証明されている」などと述べた。 司法省が沈黙を続ける一方、トランプ大統領は引き続きヒラリー氏の捜査を要求している。共和党内では一部の議員がトランプ氏を後押しする一方、トランプ氏が司法省の捜査の独立に関する慣例を守っていないと懸念する声も上がってきた。 当時アラバマ上院議員だったセッションズ司法長官は選挙期間中、ヒラリー氏が国務長官としての高い地位を利用して外国政府から財団への献金などを「ゆすり取っていた」と主張。ヒラリー氏の広報担当者は汚職疑惑を否定していた。 ▲△▽▼ 新聞や放送といった既存の巨大メディアがプロパガンダ機関化していると指摘され始めてから久しい。本ブログではしつこく書いているが、アメリカでは第2次世界大戦が終わった直後から情報を統制する目的のプロジェクト、モッキンバード(今回はこれについての説明を割愛する)が実行された。 西側の「公式情報」を流す役割を負っているのは西側の有力メディア。アメリカでは遠距離通信法が1996年に制定され、巨大資本によるメディア支配が進んだ。
この当時に大統領を務めていたビル・クリントンはイギリスへの留学経験がある。ジョン・F・ケネディ大統領の顧問だったリチャード・グッドウィンによると、 クリントンはイギリスへ留学してした頃にCIAから雇われ、留学生仲間を監視していた経歴の持ち主である。 (Robin Ramsay, “Politics & Paranoia”, Picnic, 2008) https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201801050000/ ▲△▽▼
2018.01.10 アメリカ支配層の内紛(その1)
アメリカの好戦派が1992年2月、ソ連が消滅した直後に打ち出した世界制覇プランは同国を含む西側の支配層を束ね、ロシアや中国にも大きな影響力を及ぼしていた。そのプランに基づいてユーゴスラビアなど旧ソ連圏を解体して支配、イラク、シリア、リビアなどの国々を侵略し、破壊と殺戮を繰り広げたわけだが、シリアでバシャール・アル・アサド政権を倒して傀儡体制を築くという目論見に失敗、戦争が長引くにつれて離反する国が増えたうえ、アメリカの支配層内で対立が深刻化したと言えるだろう。 2016年のアメリカ大統領選挙でヒラリー・クリントンを勝たせることが内定したとする噂が流れたのは2015年6月のことだった。この月の11日から14日かけてオーストリアで開かれたビルダーバーグ・グループの会合にジム・メッシナというヒラリー・クリントンの旧友が出席していたからだ。 ビルダーバーグ・グループはオランダの王子だったベルンハルトとポーランド人のユセフ・レッティンゲルによって創設された団体。レッティンゲルの案にベルンハルトが共鳴したようだ。レッティンゲルはウラジスラフ・シコルスキー将軍の側近だった人物で、第2次世界大戦の前からヨーロッパをイエズス会の指導の下で統一しようと活動していた。 1939年9月にドイツ軍がポーランドへ軍事侵攻した当時、ポーランド軍将兵の多くはシコルスキー将軍に忠誠を誓っていた。そのシコルスキーはイギリスの援助を受け、ロンドンで亡命政府を作っている。(Christopher Simpson, “The Splendid Blond Beast”, Common Courage Press, 1995) レッティンゲルとベルンハルトが結びついたのは1952年のこと。ふたりの活動はドワイト・アイゼンハワーがアメリカ大統領になってから軌道に乗る。1950年から53年にかけてCIA長官を務めたウォルター・ベデル・スミスはベルンハルトの友人だった。 スミスを介してふたりは心理戦の専門家であり、フォーチュン誌やLIFE誌の発行人でジョン・F・ケネディ大統領暗殺を撮影したフィルムを隠したことでも知られているC・D・ジャクソンと知り合い、ジャクソンの紹介でジョン・S・コールマンという人物と知り合う。コールマンは後にビルダーバーグ・グループのアメリカにおける責任者になった。そのほかアメリカ側の中心メンバーはCFR(外交問題評議会)と重なり、ジョン・フォスター・ダレスやヘンリー・キッシンジャーも含まれる。 ビルダーバーグ・グループには上部組織が存在した。ヨーロッパの統合を目指し、アレン・ダレスなどアメリカのエリートがウィンストン・チャーチルの協力を受けて設立したACUE(ヨーロッパ連合に関するアメリカ委員会)。このACUEで委員長を務めたウィリアム・ドノバンは戦時情報機関OSSの長官で、アレン・ダレスの友人。ふたりはウォール街の弁護士だ。 次期アメリカ大統領はヒラリー・クリントンだという流れに変化が現れたのは2016年2月10日のことだった。ヘンリー・キッシンジャーがロシアを訪問してウラジミル・プーチン露大統領と会談、22日にはシリアで停戦の合意が成立したのだ。 そして2016年にWikiLeaksはヒラリー・クリントンらの電子メールを公表するのだが、その中にはバーニー・サンダースが同党の大統領候補になることを妨害するよう民主党の幹部に求めるものがあり、サンダースの支持者を怒らせることになった。民主党幹部たちが2015年5月26日の時点でヒラリー・クリントンを候補者にすると決めていたことを示唆する電子メールもある。 民主党がクリントンを候補者に選ぶ方向で動いていたことはDNCの委員長だったドンナ・ブラジルも認めている。彼女はWikiLeaksが公表した電子メールの内容を確認するために文書類を調査、DNC、ヒラリー勝利基金、アメリカのためのヒラリーという3者の間で結ばれた資金募集に関する合意を示す書類を発見したという。その書類にはヒラリーが民主党のファイナンス、戦略、そして全ての調達資金を管理することが定められていた。その合意は彼女が指名を受ける1年程前の2015年8月になされた。 この問題ではクリントンによる電子メールの扱い方や削除が問題になった。彼女は公務の通信に個人用の電子メールを使い、3万2000件近い電子メールを削除していたのだ。ジェームズ・コミーFBI長官(当時)は彼女が機密情報の取り扱いに関する法規に違反した可能性を指摘、情報を「きわめて軽率(Extremely Careless)」に扱っていたとしていた。 この「きわめて軽率」は元々「非常に怠慢(Grossly Negligent)」だと表現されていたのだが、それをFBIのピーター・ストルゾクが書き換えていた。後者の表現は、罰金、あるいは10年以下の懲役が科せられる行為について使われるという。クリントンが刑務所行きになることを防ぐために書き換えた疑いがもたれている。 削除されたメールを含め、NSAは遣り取りされた全ての電子メールを記録しているはずで、FBIがその気になれば入手できるとNSAの不正を内部告発したウィリアム・ビニーは指摘する。ロシア政府がハッキングしたという主張が事実なら、その証拠をNSAは握っていることも確実だ。それを出せないと言うことは、証拠がない、つまりハッキング話が嘘だと言うことを示している。 調査ジャーナリストのシーモア・ハーシュが民主党全国委員会(DNC)から漏れた電子メールについて電話で語った音声がインターネット上で公開されている。彼はワシントンDC警察やFBIの報告書を見たとしたうえで、電子メールをWikiLeaksへ渡したのはDNCのコンピュータ担当スタッフだったセス・リッチだとしている。また、その漏洩した電子メールはロシア政府がハッキングしたとする偽情報を流し、ロシアとアメリカとの関係悪化を目論んだのはCIA長官だったジョン・ブレナンだとも語っている。 同じ趣旨のことはリッチの両親が雇った元殺人課刑事の私立探偵リッチ・ウィーラーも主張していた。この探偵はセスがWikiLeaksと連絡を取り合い、DNC幹部の間で2015年1月から16年5月までの期間に遣り取りされた4万4053通の電子メールと1万7761通の添付ファイルがセスからWikiLeaksへ渡されているとしていた。 WikiLeaksのジュリアン・アッサンジはリッチについてDNCの電子メールを提供した人物だと示唆、射殺事件に関する情報提供者に2万ドルを提供するとツイッターに書き込んでいる。また、WikiLeaksはハーシュの発言をツイッターで紹介した。 ダナ・ローラバッカー下院議員によると、昨年8月に同議員はロンドンのエクアドル大使館でWikiLeaksのジュリアン・アッサンジと会談、リークされた電子メールの情報源がロシアでないことを示す決定的な情報を提供する容易があると聞かされる。アッサンジ逮捕を諦めることが条件だったようだ。 この情報をローラバッカー議員はジョン・ケリー大統領首席補佐官に伝えたのだが、この情報はトランプ大統領へは知らされなかった。「ロシアゲート」の幻影を維持しようとしている人間はトランプ政権の内部にもいる。 https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201801100000/ ▲△▽▼
アメリカ支配層の内紛(その2) 支配層の間では2015年5月頃、次期大統領をヒラリー・クリントンにすることが内定していた可能性が高いのだが、16年に入ると状況に変化が生じる。2月にヘンリー・キッシンジャーのロシア訪問は象徴的な出来事だったが、民主党の内部でも流れが変化していた。バーニー・サンダースを支持する声が高まり、有力メディアからの逆風に遭遇する。
クリントンとサンダースは国内問題で対立していた。クリントンはジョージ・ソロスやリン・フォレスター・ド・ロスチャイルドのような富豪を後ろ盾とし、ロッキード・マーチンという戦争ビジネスの代理人とも言われ、巨大金融資本とも結びついているのに対し、サンダースは金融改革を打ち出し、社会的な弱者を救済する政策を掲げていた。 国際問題では軍事力の行使に消極的で、ロシアとの関係を悪化させる政策にも反対。ドナルド・トランプもロシアとの関係修復を訴えていたが、イスラエルとの関係ではトランプやクリントンと違い、一線を画す姿勢を見せていた。民主党と共和党の大統領候補のうちで、イスラエル・ロビーであるAIPACからの招待を断ったのはサンダースだけだ。ただ、そのサンダースでも昨年(2017年)6月にアメリカ上院で行われたエルサレムをイスラエルの首都と認めてアメリカ大使館をそこへ建設するべきだとする採決で賛成している。 そのサンダースを民主党の幹部や有力メディアは攻撃することになった。WikiLeaksが明らかにした電子メールでもそうしたDNC(民主党全国委員会)の幹部によるサンダース潰しの動きがわかる。 結局、民主党の候補者選びでサンダースを離脱させることにDNCは成功するが、その前にトランプが立ち塞がり、大方の予想を翻してトランプが勝利する。WikiLeaksなどによって明らかにされたクリントンの電子メールでDNCの不公正な動きを知ったサンダース支持者が離れたことも無視できない。 明らかにされた電子メールがクリントン陣営にダメージを与えたことは間違いない。その内容がダメージの原因だが、DNCや有力メディアは内容を問題にせず、ロシア政府がハッキングしてWikiLeaksに流したと叫び始め、ロシアゲートなる幻影を流し始めた。冷戦時代の洗脳が今でも効力があるようで、西側にはロシア嫌いが多く、この幻影に飛びついた人は少なくない。 しかし、本ブログでは何度も書いているように、その主張が事実なら証拠をNSAは握っているはずで、FBIもすぐそれを手に入れることができる。そうした証拠が提示されていないのは、証拠がないからだとしか考えられない。少なからぬ情報関係者は技術的な分析から、電子メールは内部から漏れていると指摘している。 ロシアゲートに国家機関が介入する切っ掛けは、アダム・シッフ下院議員が昨年(2017年)3月に下院情報委員会で行ったアメリカ大統領選挙にロシアが介入したという発言。同議員の主張はクリストファー・スティールという元イギリス情報機関員の報告書に基づいているのだが、FBIのチームはシッフ発言の5カ月前、2016年10月にスティールと会うためにヨーロッパへ出向いたとされている。 スティールはイギリスの対外情報機関MI6のオフィサーだった人物で、MI6のために働いていたアレキサンダー・リトビネンコのケース・オフィサーだったとも言われている。情報機関を離れてからはオービス・ビジネス・インテリジェンスという民間情報会社を経営している。このスティールが作成した報告書は伝聞情報や噂話をつまみ食いした代物で、信頼度は低い。 フリンに対し、ロシア政府の高官と接触するように支持したのはトランプの義理の息子、ジャレッド・クシュナーだと伝えられている。この人物はイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフサウジアラビアのモハメド・ビン・サルマン皇太子と親しい。 フリンがロシア政府高官と接触した目的は、2016年12月23日に予定されていたイスラエルのヨルダン川西岸などへの違法入植を非難する国連安全保障理事会の決議について話し合うことにあったという。なお、この決議は賛成13カ国、棄権1カ国で採択されている。勿論、棄権したのはアメリカ。 この報道が正しいなら、イスラエルを支援するというクシュナーの政策に基づいてロシア政府の高官と接触したことになる。つまり、ロシアゲートではなくイスラエルゲートだ。ただ、イスラエルを支持するという政策は民主党を含め、アメリカ議会の圧倒的多数が支持している。 「ミフスド教授」は「プーチンの姪」とパパドプロスの会談をアレンジしてくれただとする記事をニューヨーク・タイムズ紙が12月30日に載せた。大統領選挙でトランプの政治顧問を務めていたパパドプロスは2016年5月、ロンドンのバーでオーストラリアの外交官に対し、モスクワはヒラリー・クリントンのキャンペーンにダメージを与える目的で盗み出されたと思われる数千件の電子メールを持っていると聞いたと話したとしている。それを知ったFBIが7月に捜査を始めたというわけだ。 パパドプロスによると、彼にその話をした「ミフスド教授」は「プーチンの姪」とパパドプロスの会談をアレンジしてくれたというのだが、第2次世界大戦の最中、子どもだったプーチンの兄弟はレニングラードで死亡しているため、姪はいない。この「教授」はかなり如何わしいということだ。 ちなみに、プーチンの兄弟が死んだ当時のレニングラードはドイツ軍とフィンランド軍に攻撃されていた。29カ月間包囲され、約70万人が餓死したという。プーチンが戦争回避に努める理由のひとつはこの体験にあるとも言われている。 パパドプロスがFBIに協力しはじめたのは昨年(2017年)10月の前半で、そのひとつの結果としてFBIのチームがスティールとあったという筋書きだ。その直前、トランプのキャンペーンで幹部だったポール・マナフォートがビジネス仲間と一緒にマネー・ロンダリングなどの容疑で起訴されていた。 勿論、この起訴で「ロシアゲート」の捜査が進展したなどということはない。この容疑はロシア疑惑と無関係だが、パパドプロスとFBIとの取り引きに関係していると考える人はいる。 FBIの上層部には反トランプ派がいた。司法長官代理を務めたサリー・イェーツもそのひとりで、トランプ大統領の中東旅行禁止に反対している。そのイェーツの発言を電子メールで賞賛していたアンドリュー・ワイツマンはムラー特別検察官の側近だ。 トランプは安全保障分野をマイケル・フリン中将を据えた。DIAはフリンが局長を務めていた2012年8月、反シリア政府軍の主力はサラフィ主義者、ムスリム同胞団、そしてアル・カイダ系武装集団のAQI(アル・ヌスラの実態は同じだとしている)で、バラク・オバマ政権が「穏健派」に対する軍事支援を継続したなら、東部シリア(ハサカやデリゾール)にサラフィ主義者の支配国が作られる可能性があるとも警告している。 いうまでもなく、サラフィ主義者の支配国はダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)という形で現実になった。退役後、アル・ジャジーラの番組に出演したフリンはこの報告について質問され、ダーイッシュの勢力が拡大したのはオバマ政権が決めた政策によると明言しているが、その通りだ。 バラク・オバマ政権はリビアやシリアを侵略、ウクライナでクーデターを実行するために偽情報を流し、サラフィ主義者やイスラム同胞団を中心とするスンニ派武装勢力、あるいはネオ・ナチを傭兵として使い、他国を侵略、破壊と殺戮をもたらしたが、その実態をフリンは熟知している。 そのフリンをイェーツは事情聴取した。その段階でマイケル・フリン中将とセルゲイ・キスリャク駐米露大使との会話をNSAが盗聴した記録をFBIは持っていた。後にFBIはフリンを偽証したと主張、フリンもそれを認めるが、中身は問題にされていない。記録と証言との間に違いがあるというだけのことだ。 https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201801110000/ ▲△▽▼
ビル・クリントンはイギリスへの留学経験がある。ジョン・F・ケネディ大統領の顧問だったリチャード・グッドウィンによると、 クリントンはイギリスへ留学してした頃にCIAから雇われ、留学生仲間を監視していた経歴の持ち主である。 (Robin Ramsay, “Politics & Paranoia”, Picnic, 2008) https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201801050000/
セシル・ローズ(Cecil Rhodes)は帝国主義者の代表格で、「ローズ奨学金」の創設者としても有名である。
Bill Clinton 2Robert Reich 2Strobe Talbot 1George Stephanopoulos 2 (左: ビル・クリントン / ロバート・ライシュ / ストローブ・タルボット / 右: ジョージ・ステファノポロス) ちなみに、「ローズ奨学金」を得て英国に留学した有名人は結構いて、ビル・クリントン大統領がまず挙げられよう。 彼と同期の1968年組には、後に労働長官となったロバート・ライシュ(Robert Reich)教授や、ロシアの専門家で国務次官となったストローブ・タルボット(Strobe Talbot)がいる。 クリントンの選挙スタッフになったジョージ・ステファノポロス(George Stehanopolos)もローズ奨学金をもらっていた。 意外なんだけど、MSNBCで番組ホストを務める極左分子のレイチェル・マドー(Rachel Maddow)も奨学生であった。 その他、国連大使になったスーザン・ライス(Susan Rice)、大統領選に名乗りを上げた陸軍大将のウェスリー・クラーク(Wesley Clark)、ハーバード大学教授で日本でも人気者になったマイケル・サンデル(Michael Sandel)、日本通で『アトランティック』誌の編集長になったジェイムズ・ファローズ(James Fallows)などもローズ奨学金を得て留学している。 Susan Rice 1James Fallows 2Rachel Maddow 2Michael Sandel 1 (左: スーザン・ライス / ジェイムズ・ファローズ / レイチェル・マドー / 右: マイケル・サンデル) http://kurokiyorikage.doorblog.jp/archives/68694002.html ▲△▽▼
2018.01.12 アメリカ支配層の内紛(その3) 2015年の段階ではヒラリー・クリントンが次期大統領(2017年〜21年)に内定したと言われていたが、16年の2月にはその流れに変化が見られた。そうした中、クリントン関連の電子メールが明らかにされ、その中にはリビアやシリアに対する侵略工作や民主党幹部の不公正な動きなどに関する情報が含まれていた。 この問題ではクリントンが機密情報の取り扱いに関する法規に違反した疑いも浮上する。彼女は公務の通信に個人用の電子メールを使い、しかも3万2000件近い電子メールを削除していたのだ。これについて、FBI長官だったジェームズ・コミーは彼女が情報を「きわめて軽率(Extremely Careless)」に扱っていたとしていた。 しかし、当初の表現は「きわめて軽率」でなく、「非常に怠慢(Grossly Negligent)」だった。それをFBIのピーター・ストルゾクが書き換えていたのだ。後者は罰金、あるいは10年以下の懲役が科せられる行為について使われる表現で、クリントンが刑務所行きになることを防ぐために書き換えた疑いがもたれている。このストルゾクは恋愛関係にある同僚に対し、反トランプのメッセージを送っていたとも報道されている。 また司法長官代理を務めたサリー・イェーツはトランプ大統領の中東旅行禁止に反対、そのイェーツの発言を電子メールで賞賛していたアンドリュー・ワイツマンはムラー特別検察官の側近。ストルゾクも昨年8月までロバート・ムラー特別検察官の元でロシア政府による大統領選挙への介入疑惑を調べていた。本ブログでは何度か指摘しているが、ロシア政府がアメリカの有力メディアや民主党が言うように大統領選挙に介入したなら、NSAが証拠を握っているはずで、特別検察官を任命する意味はない。 アンドリュー・マッカビFBI副長官もヒラリー・クリントンとの関係が注目されているひとり。妻のジル・マッカビは2015年3月にバージニア州上院議員選挙への出馬を表明、67万5000ドル以上をクリントンと親しいテリー・マコーリフなどから受け取っていたのだが、その時、アンドリューはFBIのワシントンDC担当。つまりクリントンの電子メール捜査を指揮する立場にあったのだ。 特別検察官のロバート・ムラーも問題視されている。2001年9月4日から13年9月4日にかけてFBI長官を務めている人物だが、長官就任から1週間後にニューヨークの世界貿易センターの3棟とバージニア州アーリントンにある国防総省の本部庁舎が攻撃(9/11)されている。この事件の真相を上手に隠蔽したと陰口をたたかれているのだ。 9/11の直後、事前にFBIは攻撃に関する情報を入手していたと内部告発したFBIの翻訳官だったシベル・エドモンズはフェトフッラー・ギュレンについても事実を公表しようとした。このギュレンもアメリカ支配層の内紛で重要な意味を持っている。 2016年6月下旬にレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領はロシアのウラジミル・プーチン大統領に対し、15年11月24日のトルコ軍機によるロシア軍機の撃墜を謝罪してロシアへ接近した。トルコでエルドアン政権の打倒を目的とした武装蜂起が引き起こされるのは2016年7月15日のことだ。これは政府側の反撃で失敗に終わるが、その直前にロシアからクーデター計画に関する情報がトルコ政府へ伝えられたとも言われている。 このクーデター計画の背後にはアメリカでCIAに保護されているフェトフッラー・ギュレンがいて、アメリカ中央軍のジョセフ・ボーテル司令官やジョン・キャンベルISAF司令官が関係しているとトルコ政府は主張している。 ギュレンのグループが登場してくるのは1980年。この年にトルコではCIAを後ろ盾とするクーデターがあり、軍事体制へ移行した。この権力奪取はNATOの秘密部隊、カウンター・ゲリラが実行したが、ギュレンもクーデター派に加わっていた。 それ以降、ギュレンはCIAの手先として活動、アメリカに「スリーパー」のネットワークを構築してきたと言われている。ギュレンとそのグループを守る中心人物は元CIA幹部のグラハム・フラー。この人物の娘が結婚した相手の甥ふたりは2013年のボストン・マラソンにおける爆破事件で容疑者とされ、兄は射殺された。弟は重傷を負い、外で証言できない状態だ。1980年代にフラーはズビグネフ・ブレジンスキーの作戦に基づき、アフガニスタンでスンニ派武装勢力を動かしていた。 その事実をFBIの翻訳官だったシベル・エドモンズが公表しようとしたところ、FBI長官だったロバート・ムラーが発言を禁止、エドモンズは解雇されてしまう。エドモンズは、9月11日の攻撃を事前にFBIは知っていたと内部告発したことでも知られている。 エドモンズによると、ギュレンがマネーロンダリングを行い、テロ関連の活動をしていることをFBIは20年ほど前から知っていたが、黙認してきた。ギュレンは資金が潤沢で、アメリカに140以上の学校網を作り上げている。 アメリカ支配層との関係が悪化したエルドアンはギュレンに関する情報を入手しようと考え、アメリカの会社に調査を依頼している。その会社を経営していたのがマイケル・T・フリン中将と息子のマイケル・G・フリン。中将はバラク・オバマ政権がアル・カイダ系武装勢力を操り、ダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)を生み育てたことを熟知しているが、それだけでなくアメリカにおけるCIAの「テロリスト網構築」にも足を踏み入れようとしていた。 9/11の調査を妨害して真相を隠蔽したと言われるムラー特別検察官はギュレンの問題も封印しようとしてきた。トランプ大統領の義理の息子であるジャレッド・クシュナー、その父親であるチャールズ・クシュナーの親子はイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相やサウジアラビアのモハンマド・ビン・サルマン皇太子と緊密な関係にある。トランプと激しく対立してきたヒラリー・クリントンの後ろ盾には投機家のジョージ・ソロスやサウジアラビアのムハンマド・ビン・ナーイフ前皇太子、バンダル・ビン・スルタン(アメリカ駐在大使や総合情報庁長官を歴任)、さらに巨大金融資本や戦争ビジネスが含まれている。 https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201801120000/ ▲△▽▼ 2018.01.13 アメリカ支配層の内紛(その4) 1970年代の終盤、ジミー・カーター大統領の国家安全保障補佐官だったズビグネフ・ブレジンスキーがアフガニスタンを不安定化するための戦闘集団を編成、秘密工作を始めて以来、アメリカはイスラエルやサウジアラビアと戦略的な同盟関係にある。 CIAと密接な関係にあると言われているブレジンスキーはデイビッド・ロックフェラーと親しく、このふたりに目をかけられて大統領になったのがカーター。つまり、カーター政権では大統領より国家安全保障補佐官の方が格上だった。 ちなみに、デイビッドの兄であるネルソン・ロックフェラーと親しいことで知られているのがヘンリー・キッシンジャー。ネルソンはCIAの秘密活動を統括する工作調整会議の議長を経験した人物で、またキッシンジャーは破壊(テロ)工作を目的とする秘密機関OPCに所属していたことがある。つまりキッシンジャーとブレジンスキーは背景が似ている。 キッシンジャーは1943年2月にアメリカ陸軍へ入り、その翌年には第84歩兵師団の訓練施設があったルイジアナ州キャンプ・クレイボーンへ配属、そこで知り合ったフリッツ・クレーマーに見いだされて出世街道を歩き始める。 クレーマーの紹介で第82歩兵師団の司令官を務めていたアレキサンダー・ボーリング中将の通訳兼ドライバーとなったキッシンジャーは後にアメリカ陸軍の情報分隊(後の対敵諜報部/CIC)へ配属され、第2次世界大戦にはOSSで破壊工作を指揮していたアレン・ダレスに目をつけられる。 大戦中、西ヨーロッパでドイツと戦っていたレジスタンスはコミュニストの影響力が強く、それに対抗する目的で米英はゲリラ戦を目的としてジェドバラなる戦闘集団を編成、その人脈は戦争が終わってからOPCの中核メンバーになる。その創設を控えた1947年秋からキッシンジャーは新組織のためにハーバード大学で外国人学生を秘密裏にリクルート、本人もOPCの仕事をするようになったのだ。 1950年にキッシンジャーはアレン・ダレスの作戦調査室でコンサルタントとして働くようになるが、その一方で1951年から71年にかけて「ハーバード国際セミナー」の責任者を務めている。1953年に中曽根康弘が参加したセミナーだ。 セミナーに参加する3年前、中曽根はスイスで開かれたMRA(道徳再武装運動)の世界大会へ出席しているが、この団体はアメリカの「疑似宗教団体」で、CIAと結びついていると言われている。MRAと結びついてから中曽根は出世していく。日本人としては岸信介や三井高維もMRAに参加していた。(グレン・デイビス、ジョン・G・ロバーツ著、森山尚美訳『軍隊なき占領』新潮社、1996年) アメリカ、イスラエル、サウジアラビアの三国同盟が誕生する上で重要な出来事が1975年3月にサウジアラビアで引き起こされている。アメリカ支配層とは一線を画していたファイサル国王が執務室で甥のファイサル・ビン・ムサイドに射殺されたのだ。 ジャーナリストのアラン・ハートによると、クウェートのアブドル・ムタレブ・カジミ石油相の随行員として現場にいたビン・ムサイドはアメリカで活動していたモサド(イスラエルの情報機関)のエージェントに操られていたという。ギャンブルで負けて借金を抱えていたビン・ムサイドに魅力的な女性を近づけ、借金を清算した上で麻薬漬けにし、ベッドを伴にしたりして操り人形にしてしまったというのだ。(Alan Hart, “Zionism Volume Three,” World Focus Publishing, 2005) ファイサル国王が殺される7カ月前、アメリカではリチャード・ニクソン大統領がウォーターゲート事件で辞任している。ニクソンには赤狩り、闇資金、あるいはベトナム戦争の和平遅延工作など良くない話がついて回るが、その一方でデタント(緊張緩和)を目指し、中国を訪問して友好関係を結ぼうと試み、そしてイスラエル軍が占領地から撤退することを求めた国連安保理の242号決議に基づいていパレスチナ問題を解決しようとしていた大統領でもある。 この決議ではパレスチナ人の権利が正当に認められていないとする意見があるが、占領地を手放すことを認めないイスラエルからみるとニクソンは許しがたい存在だった。ニクソンはバーノン・ウォルタースCIA副長官にPLOと交渉させたが、イスラエルに対しては和平に応じて占領地から撤退するように求めている。1974年6月のことだ。交渉の仲介役はファイサル国王だった。 8月に入るとニクソンはイスラエルから長期にわたる軍事支援を求められたが、これを断り、包括的和平に応じるまでイスラエルへの全ての武器供与を中止するつもりだと同月6日、キッシンジャーに話している。ニクソンが大統領を辞任すると演説したのはその2日後のことだ。(ウォーターゲート事件とCIAとの関係は本ブログでも何度か触れたことがあり、今回は割愛する。) ファイサルの後を継いだハリド国王は政治に熱心とは言えず、健康上の問題もあり、その時代から親米派で有名なファハド・ビン・アブドル・アジズが第一副首相として統治している。1982年から2005年までファハドは国王としてサウジアラビアに君臨した。 1983年から2005年まで駐米大使を務めたバンダル・ビン・スルタンはブッシュ家と親しいことで知られ、バンダル・ブッシュと呼ばれるほどだ。2005年から15年までは国家安全保障会議の事務局長を務め、12年から14年までは総合情報庁(サウジアラビアの情報機関)の長官だった。 調査ジャーナリストのシーモア・ハーシュは2007年3月5日付けニューヨーカー誌で、アメリカ、イスラエル、サウジアラビアがシリア、イラン、そしてレバノンのヒズボラに対する秘密工作を開始した書いている。 ハーシュによると、工作の中心にはリチャード・チェイニー米副大統領、ネオコン/シオニストのエリオット・エイブラムズ国家安全保障問題担当次席補佐官、ザルメイ・ハリルザド、そしてバンダル・ビン・スルタンだという。サラフィ主義者(ワッハーブ派、タクフィール主義者)を中心とする戦闘員を使ってターゲット国を侵略する工作で、2011年春に顕在化した。(侵略について今回は立ち入らない。) 金融資本/CIAと密接な関係にあるブッシュ家と親しいバンダル・ビン・スルタンだが、昨年(2017年)11月4日から始まったサウジアラビアの大粛清では拘束されたと伝えられている。粛清したのは国王の息子であるモハンマド・ビン・サルマン皇太子だが、独力で実行したわけではない。 この皇太子は昨年9月にイスラエルを極秘訪問、10月25日から28日にかけてはドナルド・トランプ大統領の義理の息子にあたるジャレッド・クシュナーがサウジアラビアを極秘訪問したと伝えられている。 クシュナー親子はイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフに近く、ネタニヤフと緊密な関係にある富豪のシェルドン・アデルソンは大統領選挙でドナルド・トランプ陣営に対する最大のスポンサーだった。その関係からトランプ大統領はビン・サルマンとにつながる。ネタニヤフ首相の父親はウラジミール・ジャボチンスキーの秘書を務めていた人物だ。 それに対し、前皇太子のムハンマド・ビン・ナーイフはヒラリー・クリントンに近い。当初の予想ではクリントンが大統領になると見られていたことからビン・ナーイフが皇太子になったが、実際はトランプだったので交代になったと見る人もいる。 モハンマド・ビン・サルマン皇太子の人脈もムハンマド・ビン・ナーイフ前皇太子の人脈も破壊と殺戮によって自分たちのプランを実現しようとしてきた。似たもの同士とも言えるが、最終目標が違うように見える。前者は大イスラエルを実現すること、後者はロシア(ハートランド)を制圧して世界制覇を実現することが目標なのではないだろうか? https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201801130000/ ▲△▽▼ 2018.01.14 アメリカ支配層の内紛(その5:米支配層が食い物にしてきたハイチ)
ドナルド・トランプ大統領がDACA(the Deferred Action for Childhood Arrivals)の会議でハイチ、エルサルバドル、アフリカ諸国を愚弄したと報道されている。アメリカでは子ども時代に不法入国した外国人の強制国外退去を延期、就労許可を与えているのだが、トランプは大統領に就任した直後、この措置を撤廃すると表明、それに対して議会は修正を加えた上で存続しようとしていた。この問題を話し合った席でトランプの問題発言が飛び出したというのだが、大統領はこの発言を否定している。 大統領はハイチからの不法移民を特に問題だとしている。この国では2010年に大きな地震があり、アメリカ政府は約1万人の軍隊を派遣した。その際に多くの人がアメリカへ不法入国、それに対して6万人近くへ強制退去させない処置をとってきた。トランプ大統領はその措置を止めるとしている。 地震が起こった当時、アメリカの国務長官はヒラリー・クリントン。つまり災害対策の政府における責任者はクリントンで、USAID(形式上、国務省の管轄下にあるが、実際はCIAの資金を流すルート)の資金を監督する立場にあった。国連特使には夫のビル・クリントンが就任している。ビルはクリントン-ブッシュ基金やクリントン財団の理事長で、ハイチ再建暫定委員会の共同委員長でもあった。 ハイチには限らないのだが、クリントン財団は「慈善事業」を名目にして多額の寄付を集めている。ハイチの場合、60億ドルから140億ドルを財団は集めたと見られているが、その内容は明らかにされていない。私腹を肥やしている疑いが濃厚なのだ。しかも、国際規模でチャリティーを行うために必要な正規の手続きを踏んでいないという。法律的に問題を抱えているわけだ。2016年の大統領選挙でヒラリー・クリントンが勝てば、バラク・オバマが大統領の間に恩赦を与える手はずになっていたが、トランプが勝ったため、シナリオに狂いが生じたようだ。 ハイチには金鉱脈があって潜在的に豊かな国なのだが、今は貧しい国と見なされているいる。資源の開発が進まず、失業率は70%を超すという。ヒラリーの弟、トニー・ローダムは金の利権に食い込んでいるようだが、大多数の庶民はその恩恵に浴していない。今後の見通しも暗い。そうした状況を作り出した責任の大半はフランスとアメリカにある。 1492年にクリストファー・コロンブスが西インド諸島にやって来た当時にはモンゴロイド系の人々が住んでいたハイチだが、その後スペインが植民地化、1697年にはフランス領になる。そのフランスはアフリカで多くの人を拉致し、奴隷として連れてきた。 そのフランスで1789年に革命があり、92年には王権が停止されて共和制が宣言されている。こうした動きはハイチにも波及し、トーサン・ルーベルテュールが率いる奴隷が蜂起した。 それに対し、アメリカの初代国務長官で第3代大統領でもあるトーマス・ジェファーソンは奴隷の蜂起がアメリカへ波及することを恐れ、「ブリュメール18日」(1799年11月9日)のクーデターで実権を握ったナポレオン・ボナパルトと手を組んで独立を妨害した。ナポレオンはハイチに軍事介入し、奸計を使ってルーベルテュールを拘束、ヨーロッパに連行したのだ。ルーベルテュールはそこで獄死している。 その後、独立運動はジャン・ジャック・デサリーヌが引き継ぎ、1804年に独立を宣言したが、その際に逆襲を恐れてヨーロッパ系の支配者たちを殺害、1806年にはデサリーヌ自身が暗殺された。なお、アメリカがハイチを承認したのは1862年、エイブラハム・リンカーン政権のときである。 ウィリアム・マッキンリー大統領が暗殺された後、副大統領から昇格して大統領となったシオドア・ルーズベルトは海兵隊を1915年にハイチへ軍事侵攻させて占領、この状態はニューディール派のフランクリン・ルーズベルトが大統領に就任する1934年まで続いた。 1957年にフランソワ・デュバリエが実権を握ると、彼は秘密警察を使った恐怖政治でハイチを支配、71年からは息子のジャン・クロード・デュバリエが独裁者として君臨した。このデュバリエ体制は1986年まで続いている。この体制をアメリカ支配層は容認している。 アメリカ支配層を震撼させる事態が生じたのは1990年のこと。解放の神学を唱え、アメリカによる軍事独裁体制を使ったラテン・アメリカ支配に反対するジャン・ベルトランド・アリスティド神父が大統領選挙で当選したのである。その翌年には軍事クーデターが試みられているが、その背後では、アメリカの情報機関が介在していたとも言われている。ちなみに、このときのアメリカ大統領はジョージ・H・W・ブッシュ。 1993年に大統領となったビル・クリントンは翌年、ハイチに軍隊を入れる動きを見せ、そこでハイチの軍部は政権を放棄した。ところが、2000年の大統領選でアリスティド神父が復活、再びクーデターが実行されてアリスティド政権は倒された。このときのアメリカ大統領はジョージ・W・ブッシュ、つまりH・Wの息子だ。 ヒラリー・クリントンは投機家のジョージ・ソロスやリン・フォレスター・ド・ロスチャイルドのような富豪のほか、ロッキード・マーチンの代理人とも言われるほど戦争ビジネスに近く、ウォール街やコンピュータ産業とも結びついているが、そうした勢力の思惑だけでなく、クリントンの個人的な事情からトランプを大統領の座から引きずり下ろさなければならない事情があると言えるだろう。 https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201801140000/ ▲△▽▼ 2018.01.15 アメリカ支配層の内紛(その6:ウラニウム・ワン) ビル・クリントン元大統領とヒラリー・クリントン元国務長官の夫妻がクリントン財団を利用して不正蓄財している疑惑があることは前回のブログで書いたとおり。この財団が設立された1997年にはクリントン政権の国務長官が戦争に消極的だったクリストファー・ウォーレンから好戦的なマデリーン・オルブライトに交代している。この人事を大統領に働きかけたのはヒラリー・クリントンだという。この政権ではネオコンのビクトリア・ヌランドが国務副長官首席補佐官を務めているが、この人物を政権に引き込んだのもヒラリーだったと言われている。この当時、クリントン夫妻は夫ビルのスキャンダルに対する弁護費用が嵩み、破産寸前だと噂されていたが、その後、そうした話はでなくなった。 1998年の秋にオルブライトはユーゴスラビア空爆を支持すると表明、その年の10月にビル・クリントン大統領はリチャード・ホルブルックをセルビアに派遣し、コソボから軍隊を引き揚げなければセルビアを空爆するとスロボダン・ミロシェビッチ大統領を脅し挙げた。屈辱的な和平の条件だが、ミロシェビッチは受け入れ、10月の終わりに撤退計画を発表している。 この合意を崩しにかかったのおが西側の好戦派を後ろ盾とするKLA(コソボ解放軍。UCKとも表記)。1996年2月にコソボ北部へ逃れていたセルビア人難民を襲撃することから活動を始めた武装勢力だ。決して親セルビアとは言えないヘンリー・キッシンジャーでさえ、1998年10月から99年2月までの期間で、停戦違反の80%はKLAによるものだと語っている。(David N. Gibbs, “First Do No Harm”, Vanderbilt University Press, 2009) 他国を侵略したわけでもないユーゴスラビアを空爆するため、アメリカは作り話を流している。その一例は、ウィリアム・ウォーカーなる人物が1999年1月に始めた虐殺話。コソボにあるユーゴスラビアの警察署で45名が殺されたというものだ。 しかし、実際は警察側とKLAとの戦闘だった。その様子はAPのテレビ・クルーが撮影していただけでなく、現場にはウォーカーのスタッフもいた。つまり間違いで偽情報を流したわけではない。 これだけ図々しく嘘をつけるウォーカーはエル・サルバドル駐在大使だった当時、つまり1989年にアメリカの手先である軍事政権が行ったカトリックの司祭6名とハウスキーパーやその娘が殺害された際、その調査を妨害している。 殺害の様子を目撃した隣人のルチア・バレッラ・デ・セルナをカトリック教会側は安全のために国外へ脱出させる。この脱出にはフランス外務省が協力していたが、そうした動きを察知したウォーカーたちは目撃者に接触し、証言内容を変えなければエルサルバドルに送り返すと脅したと伝えられている。 詳細は割愛するが、ユーゴスラビアを先制攻撃して体制を倒して傀儡政権を樹立させる目的でアメリカは大々的なプロパガンダを展開した。その手先として有力メディアだけでなく広告会社が使われている。 クリントン政権の終盤、1999年にはトルコからアメリカへフェトフッラー・ギュレンが逃げ込んでいる。1980年にトルコではCIAを後ろ盾とする軍事クーデターがあったが、この武装蜂起にギュレンも参加していた。この権力奪取はNATOの秘密部隊、カウンター・ゲリラが実行したもので、CIAの破壊工作部門が黒幕だ。それ以降、ギュレンはCIAの手先として活動、アメリカにスリーパーのネットワークを構築してきたと言われている。 ギュレンとそのグループを守る中心人物は元CIA幹部のグラハム・フラー。この人物の娘が結婚した相手の甥ふたりは2013年のボストン・マラソンにおける爆破事件で容疑者とされている。1980年代にフラーはズビグネフ・ブレジンスキーの作戦に基づき、アフガニスタンでスンニ派武装勢力を動かしていた。こうした背景があるため、CIAがギュレンを守っても不思議ではないが、FBIもギュレンの暗部に触れることを許さない。 ところで、クリントン財団が注目される切っ掛けになったのが2010年1月12日にハイチで起こった巨大地震。10万人とも32万人とも言われる人が死亡したと言われ、相当数の人がアメリカへ流れ込んでいる。その一方、財団には支援金が集まったのだが、その処理が不透明で、どの程度がハイチの人々へ渡されたか不明。そこで財団に疑惑の目が向けられたわけだ。 クリントン夫妻には、ウラニウムと金を採掘しているカナダの会社、ウラニウム・ワンの買収に関わる疑惑も存在する。2013年にロシアの会社ロサトムが子会社のARMZを通じてウラニウム・ワンを13億ドルで買収したのだが、この買収でキックバックなど不正な資金の遣り取りが疑われ、上院司法委員会でも調査が進んでいるのだ。キックバックの一部はクリントン財団へ流れているとも伝えられている。ビル・クリントンはモスクワにおける講演で50万ドルを受け取った。ロサトムに買収された当時のウラニウム・ワン会長のイラン・テルファーからは財団へ235万ドルが寄付されている。 この件では、会計の透明性と外国政府の賄賂に関する法律であるFCPA(外国不正行為法)の違反が指摘されている。この取り引きに疑惑はないと有力メディアは主張しているが、バラク・オバマ大統領が買収を許可する前の段階でFBIはキックバックなど不正行為の証拠をつかんでいると伝えられている。ロシアの核関連産業へ潜り込んでいるFBIのスパイからそうした情報を得ていたというのだ。ところが、情報源に対し、ロレッタ・リンチ司法長官(2015年4月から17年1月まで)は口外を禁止する。次の司法長官、ジェフ・セッションズもウラニウム・ワンと買収など違法行為とは無関係だと主張していたが、これは崩れてきている。 1980年代もそうだったが、支配層の内部で対立が激しくなると暴露合戦が始まり、通常は封印されている違法行為が明るみに出たりする。今、アメリカではそうした展開になっているようだ。 https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201801150000/ ▲△▽▼ 2018.01.16 アメリカ支配層の内紛(その7:私的な情報機関)
ドナルド・トランプ大統領は自国の情報機関や治安機関を信用していないようで、私的な情報機関を設置しようとしていると伝えられている。本ブログでも書いたように、その中心は1997年に傭兵会社のブラックウォーター(2009年にXE、11年にアカデミへ名称変更)を創設したエリック・プリンスだという。 この人物は海軍の特殊部隊SEAL出身で、熱心なキリスト教原理主義者。今は未公開株を取り引きするフロンティア・リソース・グループを経営、軍事的サービスを提供するフロンティア・サービス・グループの会長を務めている。プリンスの姉、ベッツィ・デボスはトランプ政権で教育長官を務め、夫のディック・デボスは「アムウェイ」の創設者。また副大統領のマイク・ペンスは親友のひとりだという。 大統領選でロシアとの関係修復を訴えていたトランプは支配層の好戦派、つまり1992年2月にポール・ウォルフォウィッツ国防次官(当時)を中心に作成された国防総省のDPG草案(通称、ウォルフォウィッツ・ドクトリン)に賛同している勢力から激しく攻撃された。これは1991年12月にソ連が消滅、アメリカが唯一の超大国になったと認識して作られた世界制覇プランだ。 冷戦の終結で世界が平和になると考えた人は冷戦の本質を見間違っていたと言えるだろう。ライバルだったソ連が消えたことにより、西側、特に米英の支配層は民主主義者を装う必要がなくなり、侵略戦争を公然とはじめた。それが西側支配層の正体だったのだ。実際、アメリカが1950年代からソ連や中国に対する先制核攻撃を計画していたことも明確になっている。好戦派が攻撃のチャンスだと考えていたのは1963年の後半だが、この計画を潰そうとしたジョン・F・ケネディ大統領は1963年11月に暗殺された。(この辺の詳しい話は本ブログで何度か書いているので、今回は割愛する) ウォルフォウィッツ・ドクトリンに従い、1995年2月にジョセフ・ナイ国防次官補は「東アジア戦略報告(ナイ・レポート)」を作成、日本をアメリカの戦争マシーンへ組み込む作業が本格化した。この報告書が発表されるより前の細川護熙政権、あるいは2009年から10年にかけての鳩山由紀夫政権はプランすると考えられたようで、潰されている。冷戦後における日本の政治、経済、軍事、安全保障をこのドクトリン抜きに考えることはできない。これに触れない議論は意味がないとも言える。 好戦派が担いでいた候補者がヒラリー・クリントン。上院議員時代にはロッキード・マーチンの代理人と呼ばれるほど戦争ビジネスに近く、国務長官時代に投機家のジョージ・ソロスの指示に従って政策を決めていたほか、リン・フォレスター・ド・ロスチャイルド(エベリン・ド・ロスチャイルドの妻)と頻繁に連絡を取り合っていることも漏洩した電子メールで判明している。つまり巨大金融資本ともつながっているのだ。 クリントンを公然と支援していたCIAの幹部だった人物もいる。マイク・モレルがその人だ。2011年7月から9月、また12年11月から13年3月までCIA長官代理を務めている。なお、2010年5月から13年4月まで副長官。CIAから離れたのはクリントンを支援するためだった。 2011年春、アメリカ、イスラエル、サウジアラビアの三国同盟を中心とする勢力はリビアとシリアに対する侵略を始める。その主体はサラフィ主義者(ワッハーブ派、タクフィール主義者)やムスリム同胞団で編成された傭兵部隊、つまりアル・カイダ系武装勢力だ。 リビアでは2011年10月にムアンマル・アル・カダフィ体制が倒されたが、そのときにアル・カイダ系武装勢力とNATO軍との連携が明確になった。リビアから戦闘員や兵器がシリアへ運ばれたことも露見している。 そこでバラク・オバマ政権は「穏健派」を支援すると主張するのだが、それを否定したのがマイケル・フリン中将が局長を務めていたDIA。この情報機関は2012年8月にシリア情勢に関する文書を作成、オバマ政権へ提出しているが、その中でシリアにおける反乱の主力をサラフ主義者、ムスリム同胞団、そしてAQI(アル・カイダ系武装集団)だと指摘している。こうした武装勢力が西側、湾岸諸国、そしてトルコから支援を受けていることも明らかにしている。つまり、オバマ大統領が言うところの穏健派は過激派だということ。DIAはアメリカ政府が方針を変えなければシリア東部にサラフ主義の支配地が作られると予測していたが、これは2014年にダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)という形で現実になった。トランプは当初、このフリンを国家安全保障補佐官に選んだわけだ。 クリントンの暗部を暴く電子メールがWikiLeaksなどが公表すると、ロシア政府にハッキングされたというキャンペーンが民主党や有力メディアによって始められる。それにCIAやFBIが協力しているが、そうしたハッキングがあったわけではない。 NSAの通信傍受システムを設計する一方、情報機関の不正を内部告発したウィリアム・ビニーも指摘しているように、NSAは全ての電子メールを記録している。削除されたメールを含め、FBIが要請すればNSAは電子メールを渡すことが可能だ。ロシア政府がハッキングしたという主張が事実なら、その証拠をNSAは握っているということで、それを出せないと言うことは証拠がない、つまりハッキング話が嘘だと言うことを意味する。 ダナ・ローラバッカー下院議員によると、昨年8月に同議員はロンドンのエクアドル大使館でWikiLeaksのジュリアン・アッサンジと会談、リークされた電子メールの情報源がロシアでないことを示す決定的な情報を提供する容易があると聞かされた。 この情報をローラバッカー議員はジョン・ケリー大統領首席補佐官に伝えたのだが、この情報はトランプ大統領へは知らされていない。「ロシアゲート」の幻影を維持しようとしている人間はトランプ政権の内部にもいる。 2017年4月6日、アメリカ海軍の駆逐艦、ポーターとロスから巡航ミサイル(トマホーク)59機がシリアのシャイラット空軍基地に向けて発射され、少なくとも数機は目標へ到達したという。その2日前、4月4日に政府軍が化学兵器を使用、その報復だということだったが、その主張には根拠がない。そもそもシリア政府軍は化学兵器を2013年に廃棄、現在、そうした兵器を保有しているのはアメリカが支援してきた反シリア政府軍だ。その後、その主張を否定する調査結果も出ている。 ジャーナリストのロバート・パリーによると、4月6日の早朝にマイク・ポンペオCIA長官はドナルド・トランプ大統領に対し、シリア政府側は化学兵器を使用していないと説明している。空爆の前、アメリカ側へ通告があり、アメリカ軍もCIAも状況を詳しく知っていた。 6月25日にはジャーナリストのシーモア・ハーシュも同じ内容の記事をドイツのメディアに書いている。ハーシュによると、4月4日に聖戦主義者の幹部が会議を開くという情報をつかんだロシアとシリアは攻撃計画を立て、その内容をアメリカ側へ伝えている。CIAにも直接、ロシアから攻撃に関する情報が伝えられていた。その情報が何者かによって現地のアル・カイダ系武装集団へ伝えられたと推測する人もいる。 現在のホワイトハウスは、大統領がCIAやFBIを信用できないと考えても仕方のない状況にある。現在、特別検察官を務めているロバート・ムラーは好戦派の暗部を隠蔽してきた人物。ジョン・ブレナン前CIA長官とジェームズ・クラッパー元国家情報長官は昨年7月21日にアスペン治安フォーラムでCNNのウルフ・ブリッツァーと対談、もしトランプ政権がムラーを解任したなら官僚は大統領の命令を無視するべきだとしていた。 歴史的に見て、イギリスやアメリカの情報機関、つまりMI6やCIAが金融機関と関係が深いことは本ブログでの何度か書いた。クリントンにはそうした勢力が付いていたのだが、トランプの背後ではイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相の人脈(モサドも含む)が動き始めている。そしてエリック・プリンス。しかも、デビッド・ペトレイアス元CIA長官の弟子と言われるH. R. マクマスターがトランプ政権で国家安全保障補佐官を務めている。シリアやリビアに対する侵略が始まった当時のCIA長官がペトレイアスであり、国務長官がクリントン。権力抗争が収まる気配は感じられない。
TWITTER 楽天プロフィール 最終更新日 2018.01.16 15:41:48
2018.01.15
戦争で金儲けしようと考える企業は多そうだが、それを可能にする仕組みを守ることも戦争の目的 カテゴリ:カテゴリ未分類
兵器産業や傭兵会社にとって戦争はビジネスチャンスにほかならず、そうした企業に融資したり投資している金融機関にとっても同じことが言えるだろう。国の機関では軍、情報機関、治安機関の権益が拡大する。アメリカが戦争を続ける理由をここに求める人がいても不思議ではない。 しかし、戦場になった国では破壊と殺戮が繰り広げられて悲惨なことになる。軍需産業が「死の商人」と呼ばれるのはそのためだ。それに対し、そうした企業を儲けさせる、つまり戦費を負担する庶民は困窮、国は疲弊して衰退する。 アメリカが戦争を続けられるのは、世界が不換紙幣であるドルを基軸通貨として受け入れてきたからだ。アメリカ支配層は必要なだけドルを発行できる。が、勿論、発行されたドルを放置しておけばハイパーインフレになってしまう。 本ブログでは何度も書いてきたが、アメリカ経済は1970年頃までに破綻している。そこで1971年にリチャード・ニクソン大統領はドルと金の交換を停止すると発表した。ドルを兌換紙幣から不換紙幣に切り替えたわけだ。1973年から世界の主要国は変動相場制へ移行する。 そうした状況でドルの貨幣価値を維持するための仕組みが考えられている。そのひとつがペトロダラー。つまり産油国に対して石油取引の決済をドルで行うように求め、世界がドルを集める環境を作った。集まったドルはアメリカの財務省証券を買ったり、1970年代にロンドンのシティを中心に整備されたオフショア市場へ沈めたり、金融規制の大幅な緩和で準備された投機市場へ流れ込んでいく。投機市場はバブルになり、相場は暴騰、評価益で巨大資本や富豪たちの資産は飛躍的に膨らむ。その資産力は支配力につながった。 日本にもペトロダラーと同じ仕組みが存在しているように見える。企業がアメリカで売った商品の代価として受け取ったドルを日本はアメリカへ還流させなければならないが、企業は利益を確保したい。そこで日本政府は庶民のカネでドルを買い、アメリカへ還流させてきた。もし日本政府が保有するアメリカの財務省証券を売却したなら、その責任者は社会的な地位、資産、収入を失うことになるだろう。いや、そうなる前に処分されるに違いない。 この仕組みは世界がドルを基軸通貨として認め、投機市場へ資金が流入し続けることが前提になっている。ドルが基軸通貨の地位から陥落、相場が天井を打つと加速度的にアメリカの支配体制は崩壊していく。 アメリカの傀儡である安倍晋三首相は黒田東彦日銀総裁と組んで「量的・質的金融緩和」を実施してきたが、それによって流れ出た資金も投機市場へ向かう。そうした道筋ができあがっているわけで、安倍や黒田もその程度のことは認識しているだろう。投機市場の縮小を防ぐため、ETF(上場投資信託)やGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)も利用されている。こうした政策で彼らが日本経済を回復させようとしているわけではない。アメリカの支配システムを支えようとしているのだ。 資金の流れ以上に深刻な問題がドルの立場。すでにロシアや中国を中心としてドル決済を放棄する動きが広がっているのだ。つまり、ドルが基軸通貨の地位から陥落しそうになっている。中国が創設したAIIB(アジアインフラ投資銀行)やNDB(新開発銀行)、あるいは推進中のプロジェクト「一帯一路(シルク・ロード経済ベルトと21世紀海のシルク・ロード)」は不気味だろう。 アメリカやイギリスは遅くとも20世紀の初頭から世界制覇、つまり世界帝国の建設を目指すプロジェクトが存在する。ユーラシア大陸の沿岸を支配し、その三日月帯でロシアを締め上げ、最終的には制圧しようとしている。その三日月帯の東端部に中国、朝鮮半島、そして日本がある。ジョージ・ケナンにしろ、ズビグネフ・ブレジンスキーにしろ、そのベースにはこの戦略があった。 アメリカが戦争をカネ儲けのために使っていることは事実だろうが、それは短期的な目的にすぎない。米英支配層には中期的、そして長期的なプランがある。その中長期的なプランを支えている仕組みが今、揺らいでいるのだ。その原因である中国やロシアを制圧、あるいは破壊しない限り、米英中心の支配システムは崩壊するだろう。世界規模で軍事的な緊張が高まり、ロシアとの関係改善を訴えたドナルド・トランプが有力メディアから激しく攻撃された理由はそこにある。 https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201801160000/ ▲△▽▼ 2018.01.19 クリントンを勝たせるため、FBIがFISAを悪用してトランプ周辺の情報を集め、利用していた可能性 ヒラリー・クリントンを担いでいた勢力がFISA(外国情報監視法)を不正に利用していたとする4ページの覚書がアメリカの支配層を揺さぶることになるかもしれない。その覚書を見た議員の中にはウォーターゲート事件以上の権力乱用だとし、文書の秘密指定を解除して速やかに公開すべきだとする人もいる。 本ブログでは繰り返し書いてきたが、2016年の大統領選挙でドナルド・トランプを勝たせるためにロシア政府が介入したとする「ロシアゲート」は事実に基づかず、作り話の可能性がきわめて高い。トランプを敵視するFBI幹部が政治的に動き、国家安全保障補佐官への就任が予定されていたマイケル・フリン元DIA局長に対して罠を仕掛けたことなどが明らかになっている。 2016年から民主党や有力メディアはトランプとロシアとの関係を宣伝していたが、当局が表立って動き始めたのは昨年(2017年)3月に下院情報委員会でアダム・シッフ議員が大統領選挙にロシアが介入したとする声明を発表してから。その声明の根拠はイギリスの対外情報機関MI6のオフィサーだったクリストファー・スティールの報告書だった。この報告書の信頼度がきわめて低いことはすでに判明している。そのスティールと会うため、FBIのチームはシッフ発言の5カ月前にヨーロッパへ出向いたともされている。 ロシアという「外国勢力」を巻き込むことでトランプは「外国勢力のエージェント」だという容疑が生じ、監視や捜索の対象になった。そうした手段で情報を収集するためにはFISC(外国情報裁判所)の許可が必要だが、ここはフリーパスに近い。そこで、FBIやCIAはトランプ陣営の情報を自由に入手できるようになり、その情報をクリントンを勝たせるために使ったようだ。 すでにFBIはスキャンダルまみれになっているが、今回の覚書で情報機関や治安機関はさらに厳しい状況に追い詰められる可能性がある。 https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201801190001/ ▲△▽▼
1992年2月にネオコンの中心グループに所属するポール・ウォルフォウィッツ国防次官(当時)を中心として国防総省のDPG草案が作成される。ソ連消滅でアメリカが唯一の超大国になったと認識、アメリカに屈服しきっていない国々を制圧して世界制覇を実現するというプランを作成した。これがいわゆるウォルフォウィッツ・ドクトリンである。 ソ連を消滅させ、ロシアを属国化したアメリカの支配層が中国に目を向けるのは必然。そこで東アジア重視を打ち出し、潜在的なライバルが実際のライバルへ成長することを防ぐために潰そうとする。 そうした潜在的なライバルが出現する可能性がある地域としてヨーロッパ、東アジア、中東、南西アジア、旧ソ連圏が挙げられ、ラテン・アメリカ、オセアニア、サハラ以南のアフリカにもアメリカの利権があるとしている。目的を達成するため、アメリカは単独行動を辞さない、つまり国連を軽視するとも宣言している。 1990年代に入ると有力メディアは戦争熱を煽るが、93年に大統領となったビル・クリントンは戦争を始めない。メディアがターゲットにした国はユーゴスラビアだ。
その扇動に乗らないクリントン大統領はスキャンダル攻勢で苦しめられ、第2期目には戦争へと舵を切る。 その象徴的な出来事が1997年の国務長官交代だった。戦争に消極的なクリストファー・ウォーレンから好戦的なマデリーン・オルブライトへ交代したのだ。オルブライトはヒラリー・クリントンと親しく、ズビグネフ・ブレジンスキーの教え子。オルブライトの教え子の中にはスーザン・ライスも含まれている。なお、コンドリーザ・ライスはオルブライトの父親の教え子だ。 https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201801230000/ ▲△▽▼ 2018.01.24 ロシアゲートが作り話だということをFBI幹部が認めている電子メールを米下院司法委員会が入手
2016年のアメリカ大統領選にロシア政府が介入したと同国の民主党や有力メディアは主張してきた。いわゆるロシアゲートだ。その疑惑を調査するとして司法省はロバート・ムラー元FBI長官を特別検察官に任命した。2017年5月17日のことである。 しかし、そうした疑惑が事実ならその証拠を電子情報機関のNSAが持っているはずで、特別検察官を任命するまでもない。FBIはNSAにそのデータを提出するように求めれば良いだけのこと。それができないということはこの疑惑がインチだということを示している。 ムラーのチームに所属していたピーター・ストルゾクは同僚のリサ・ペイジと電子メールの遣り取りをしているが、その中でストルゾクは自分自身がドナルド・トランプを嫌っていることを明らかにしている。2016年8月6日にペイジは「反乱」を促していた。 このふたりがやりとりしていた電子メールのうち、2016年12月14日から17年5月17日までの期間のものが行方不明になっていた。勿論、行方不明になったというストルゾクとペイジの電子メールもNSAはそのコピーを保有している。 ここにきて話題になっているのは2017年5月19日付けの通信文。ストルゾクはペイジに対し、ふたりには勝ち目がないと書いている。つまりロシアゲートは作り話だということを認めている。そこで、ストルゾクはムラーのチームに入ることを嫌がっていた。 ストルゾクはヒラリー・クリントンの電子メールに関する捜査も担当していた。2016年7月にWikiLeaksは民主党全国委員会(DNC)を中心に遣り取りされていた電子メールを公表する。その中にはバーニー・サンダースが同党の大統領候補になることを妨害するよう民主党の幹部に求めるものがあり、サンダースの支持者を怒らせることになった。民主党幹部たちが2015年5月26日の時点でヒラリー・クリントンを候補者にすると決めていたことを示唆する電子メールもある。 民主党の候補者選びが公正でなかったことを示すもので大きな問題なのだが、民主党や有力メディアは「ロシアがハッキングした」という宣伝を始める。これは嘘だが、その嘘を流し、ロシアとアメリカとの関係悪化を目論んだのはCIA長官だったジョン・ブレナンだと調査ジャーナリストのシーモア・ハーシュは語っている。ワシントンDC警察やFBIの報告書を見たとした上で、電子メールをWikiLeaksへ渡したのはDNCのコンピュータ担当スタッフだったセス・リッチだともいう。 WikiLeaksの流した電子メールは外部からのハッキングでなく内部で入手されたと語る専門家がいる。そのひとりがNSAの不正を内部告発したウィリアム・ビニー。NSA史上、最高の分析官のひとりと言われている人物だ。 民主党がクリントンを候補者に選ぶ方向で動いていたことはDNCの委員長だったドンナ・ブラジルも認めている。彼女はWikiLeaksが公表した電子メールの内容を確認するために文書類を調査、DNC、ヒラリー勝利基金、アメリカのためのヒラリーという3者の間で結ばれた資金募集に関する合意を示す書類を発見したという。その書類にはヒラリーが民主党のファイナンス、戦略、そして全ての調達資金を管理することが定められていた。その合意は彼女が指名を受ける1年程前の2015年8月になされた。 この問題ではクリントンによる電子メールの扱い方や削除が問題になった。彼女は公務の通信に個人用の電子メールを使い、3万2000件近い電子メールを削除していたのだ。ジェームズ・コミーFBI長官(当時)は彼女が機密情報の取り扱いに関する法規に違反した可能性を指摘、情報を「きわめて軽率(Extremely Careless)」に扱っていたとしていた。 この「きわめて軽率」は元々「非常に怠慢(Grossly Negligent)」だと表現されていたのだが、それをFBIのピーター・ストルゾクが書き換えていた。後者の表現は、罰金、あるいは10年以下の懲役が科せられる行為について使われるという。クリントンが刑務所行きになることを防ぐために書き換えた疑いがもたれている。 ヒラリー・クリントンの電子メールに関するFBIの捜査を司法省の監察局は2017年1月から調査、その過程でストルゾクとペイジとの間で交わされた数千件の通信を発見する。2015年8月15日から16年12月1日のもので、そのうち375件が下院司法委員会へ渡された。 行方不明のものは含まれていないが、NSAはコピーを保有している。NSAも支配システムの一部であり、そのシステムを動かしている権力者の意向に沿って活動する。つまり、権力者のプランにとって邪魔な存在を監視、そうした人々を脅す材料を集めることが主な任務であり、権力者にとって都合の悪い情報は隠す。そうしたシステムから情報が漏れてくるのは権力抗争が起こっているときだ。今、アメリカでは支配層の内部で抗争が起こっている。 https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201801240002/ ▲△▽▼ 2018.01.25 トランプを大統領の座から引きずり下ろそうとしていた司法省とFBIが一転して窮地に(その1) FBIの幹部だったピーター・ストルゾクが親しい友人のリサ・ペイジへ出した電子メールが司法省とFBIを揺るがしている。1月23日には上院国土安全保障委員会のロン・ジョンソン委員長が司法省とFBIの幹部が大統領選で当選したドナルド・トランプを引きずり下ろすための秘密会議を開いていたとテレビ番組の中で語っている。 NSA史上最高の分析官のひとりと言われ、NSAの不正を内部告発したことでも知られているウィリアム・ビニーも指摘しているが、司法省やFBIが有力メディアとタッグを組んで進めてきた「ロシアゲート」が事実ならNSAから通信の傍受記録を取り寄せるだけで決着が付く。特別検察官を任命する必要はないということだ。特別検察官を任命したということはロシアゲートがインチキであることを示しているとも言える。いずれにしろ、ロシアゲートが作り話だということは最初から明白だった。 トランプ陣営への攻撃で最初のターゲットは国家安全保障補佐官に内定していたマイケル・フリン中将。この人物は2012年7月から14年8月まで軍の情報機関であるDIA(国防情報局)の局長を務めていた。その間、2012年8月にDIAは「穏健派支援」を進めるバラク・オバマ大統領に対し、反シリア政府軍の主力はサラフィ主義者、ムスリム同胞団、そしてアル・カイダ系武装集団であり、そうした支援を続ければ東部シリア(ハサカやデリゾール)にサラフィ主義者の支配国が作られる可能性があると警告している。 その警告は2014年に現実となった。この年の1月にダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)はイラクのファルージャでイスラム首長国の「建国」を宣言、6月にファルージャを制圧したのだ。 その際、トヨタ製の真新しい小型トラックのハイラックスを連ねたパレードを行い、その様子を撮影した写真が配信されたことも有名になったが、そうした行動をアメリカの軍や情報機関はスパイ衛星、偵察機、通信傍受、人から情報を把握していたはず。ハイラックスの車列は格好のターゲットだが、アメリカ側は何もしていない。8月にはジェームズ・フォーリーの首をダーイッシュが切ったとする映像が公開され、ダーイッシュの凶暴さが伝えられた。 その凶暴な武装集団を殲滅するという口実でアメリカは突如、動き始める。配下の国々を引き連れ、2014年9月23日にシリアを攻撃しはじめたのだが、その様子を取材したCNNのアーワ・デイモンは翌朝、最初の攻撃で破壊されたビルはその15から20日前から蛻の殻だったと伝えている。ダーイッシュはアメリカがシリアへ軍事侵攻する口実に使われたということだろう。 その後、アル・ヌスラ(アル・カイダ系)やダーイッシュはシリアで勢力を拡大していくが、その理由は連合軍が本気で攻撃していなかったからにほかならない。その後、アル・カイダ系武装集団やダーイッシュは支配地を拡大、アメリカ主導軍はインフラを破壊、住民の犠牲が増えていく。つまり、DIAの警告通りになった。こうした展開の中、2014年8月にフリンDIA局長は解任される。 退役から1年後の2015年8月、フリン中将はアル・ジャジーラの番組へ出演、ダーイッシュの出現が見通されていたにもかかわらず阻止できなかった理由を問われる。それに対し、自分たちの任務は提出される情報の正確さをできるだけ高めることにあり、その情報に基づいて政策を決定するのは大統領の仕事だと答えた。ダーイッシュの勢力が拡大したのはオバマ政権が決めた政策によるというわけだ。 https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201801250001/ 2018.01.25 トランプを大統領の座から引きずり下ろそうとしていた司法省とFBIが一転して窮地に(その2) アメリカとダーイッシュとの関係を指摘した人物はマイケル・フリン中将以外にもいる。例えば、空軍のトーマス・マッキナニー中将は2014年9月、アメリカがダーイッシュを作る手助けしたとテレビで語った。またマーティン・デンプシー統合参謀本部議長(当時)はアラブの主要同盟国がダーイッシュに資金を提供していると議会で発言、10月にはジョー・バイデン米副大統領がハーバーバード大学で中東におけるアメリカの主要な同盟国がダーイッシュの背後にいると語っている。2015年にはウェズリー・クラーク元欧州連合軍最高司令官もアメリカの友好国と同盟国がダーイッシュを作り上げたと述べた。 ダーイッシュはアル・カイダ系武装集団から派生したのだが、そのアル・カイダとはロビン・クック元英外相が指摘したように、CIAから軍事訓練を受けた「ムジャヒディン」のコンピュータ・ファイル。こうした訓練は1970年代の終盤にジミー・カーター政権の大統領補佐官だったズビグネフ・ブレジンスキーが考えた戦略に基づいて始められた。 CIAをはじめとするアメリカの好戦派とアル・カイダ系武装集団/ダーイッシュの関係をフリンは熟知、しかも背後にはDIAが存在している。こうした人物が国家安全保障補佐官に就任することは侵略戦争を推進している勢力にとって余りにもリスクが大きい。そうしたことから最初にフリンがターゲットになったのだろう。 こうした攻撃を続けてきた反トランプ陣営は現在、逆襲されている。タイミング的には、トランプ大統領が12月6日にエルサレムをイスラエルの首都だと認め、アメリカ大使館をそのエルサレムに建設する方針を示してからだ。 この決定を撤回するべきだとする決議案が国連総会で12月21日に賛成128カ国、反対9カ国、棄権35カ国で採択されているが、アメリカの状況は全く違う。この国には「1995年エルサレム大使館法」という法律があり、エルサレムをイスラエルの首都だと承認し、99年5月31日までにエルサレムにアメリカ大使館を設置すべきだとしている。 しかも、昨年(2017年)6月5日に上院はその法律を再確認する決議を賛成90、棄権10で採択している。アメリカとはそういう国であり、パレスチナ問題を公正な立場で仲裁することなど不可能な立場にある。エルサレムをめぐる問題の責任をトランプ個人に負わせるのは正しくない。 イスラエルのロビー団体であるAIPACがアメリカで大きな影響力を持っていることは広く知られている。有力メディアに大統領候補として取り上げられていたトランプ、ヒラリー・クリントン、バーニー・サンダースのうち、トランプとクリントンはAIPACの会合でイスラエルを支持している。サンダースはこの団体の招待を断ったが、エルサレムをイスラエルの首都だと承認し、アメリカ大使館を設置すべきだとする法律を再確認する決議には賛成している。 一般にユダヤ系富豪からの寄付はクリントンが多かったと言われているが、トランプも多い。タイムズ・オブ・イスラエル紙によると、クリントンの高額寄付者の上位5位まではユダヤ系、トランプの場合は上位2位までがユダヤ系で、トランプもイスラエルの影響を受けていると言える。 クリントンの上位5位までの寄付者は、ドナルド・サスマン(2080万ドル)、JBとマリー・カトリン・プリッツカー(1500万ドル)、ハイムとチェリル・サバン(1250万ドル)、ジョージ・ソロス(1180万ドル)、そしてS・ダニエル・エイブラハム(960万ドル)で、いずれもユダヤ系。そのほかフィルムメーカーのスティーブン・スピルバーグ、ファッション・デザイナーのラルフ・ローレン、Facebookのダスティン・モスコビッツなども高額寄付者だ。それに対し、トランプに対する最大の寄付者はカジノ経営者のシェルドン・アデルソン。第2位はロシア系ユダヤ移民の息子であるバーナード・マーカスである。 アデルソンは日本でカジノを経営させろと要求している人物だが、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相と親しいことでも知られている。ネタニヤフの友人のひとり、チャールズ・クシュナーはトランプとビジネス上のつながりがあり、その息子であるジャレド・クシュナーの結婚相手はトランプの娘イワンカであり、サウジアラビアのモハマド・ビン・サルマン皇太子とも親しい。勿論、この人脈はエルサレムをイスラエルの首都とすることに賛成だ。 ネタニヤフの父であるベンシオンはウラジミル・ジャボチンスキーの秘書だった人物。ジャボチンスキーは大イスラエルを主張する修正シオニストの祖であり、ハガナ(後のイスラエル軍)を創設した人物でもある。この一派は軍だけでなく情報機関とも関係が深いのだが、イスラエルの電子情報機関8200部隊はアメリカの情報機関とも深く関係、NSAが集めた情報も入手できると言われている。ストルゾクからペイジへの電子メールだけでなく、ヒラリー・クリントンの通信も把握しているだろう。 https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201801250002/ 2018.01.26 トランプを大統領の座から引きずり下ろそうとしていた司法省とFBIが一転して窮地に(その3)
ドナルド・トランプもヒラリー・クリントンも親イスラエル派であることに変わりはないが、背景の色合いは違う。トランプがウラジミル・ジャボチンスキーからベンヤミン・ネタニヤフ首相につながる流れであるのに対し、クリントンにはジョージ・ソロスやリン・フォレスター・ド・ロスチャイルドのように著名な富豪がついている。上院議員時代からクリントンはロッキード・マーチンのような戦争ビジネスの代弁者としても知られ、大統領選ではマイク・モレル元CIA副長官も公然と支援していた。 モレルは2016年8月8日、テレビのインタビューでロシア人とイラン人に代償を払わせるべきだと語り、司会者からロシア人とイラン人を殺すと言うことかと問われるとその通りだと答えている。その後、同年11月にアメリカの領事館で副領事の死体が発見され、12月にはアンカラでトルコ駐在大使が射殺され、ロシア外務省ラテン・アメリカ局の幹部がモスクワの自宅でやはり射殺されている。翌年1月になるとギリシャでロシア領事が死亡し、インド駐在大使が心臓発作で死亡した。2月には国連大使が急死、心臓発作だと言われている。外交官ではないが、2015年11月にはロシアの放送局RTを創設した人物がワシントンDCで死亡、16年12月にはKGB/FSBの元幹部の死体が自家用車内で発見された。また、2016年9月にはウラジミル・プーチンの公用車がモスクワで暴走車に激突され、大統領専属の運転手が死亡している。 モレルが言うところの代償とは、アメリカの中東支配戦略をロシアが崩壊させ、そのロシアにイランが協力したことに対する償いを意味している。本ブログでは何度も指摘していることだが、アメリカ、イスラエル、サウジアラビアの三国同盟を中心とする勢力はリビアやシリアの自立した体制を倒すため、サラフィ主義者(ワッハーブ派、タクフィール主義者)やムスリム同胞団を中心にした傭兵部隊を送り込んだ。 これは1970年代の終盤、ジミー・カーター政権で大統領補佐官を務めたズビグネフ・ブレジンスキーの戦術を踏襲したもの。ブレジンスキーはイスラム武装勢力を編成し、ソ連をアフガニスタンへ誘い込んで戦わせるという計画を立て、そうした秘密工作をカーター大統領は1979年7月に承認している。 その2カ月後、アメリカに留学、コロンビア大学などで学んだ経験のあるハフィズラ・アミンがモハメド・タラキ首相を暗殺して実権を握るが、クーデターの直前にアミンが首都のカブールでCIAの工作員と会っていたとする説も流れている。 アミンが最初にコロンビア大学へ入ったのは1957年。一旦アフガニスタンへ戻った後、1962年には博士号を取得するため、同大学の大学院で学び始めている。ブレジンスキーがコロンビア大学で教鞭を執り始めたのは1959年のことだ。 ブレジンスキーの思惑通り、ソ連の機甲部隊がアフガニスタンへ軍事侵攻したのは1979年12月のこと。アミンは暗殺され、バブラク・カルマルが新たな大統領になる。 1979年7月上旬にエルサレムで「国際テロリズム」に関する会議が開かれている。参加したのはアメリカとイスラエルで情報機関に関係していた人々。イスラエル側からは軍の情報機関で長官を務めた4名を含む多くの軍や情報機関の関係者、アメリカからの参加者にはジョージ・H・W・ブッシュ元CIA長官(後の大統領)やレイ・クライン元CIA副長官が含まれていた。会議の参加者は「テロの黒幕」はソ連だと主張、そこから反ソ連キャンペーンが始まる。 本ブログでは繰り返し書いてきたが、この当時、アフガニスタンでCIAはイスラエルやサウジアラビアのほか、パキスタンなどの協力を受けて傭兵部隊を組織している。CIAの訓練を受けた戦闘員の登録リストがアル・カイダ。アメリカやイスラエルはソ連を「テロの黒幕」だと宣伝する一方、テロリストを養成していたわけだ。 なお、エルサレムでの会議を主催した「ヨナタン研究所」はベンシオン・ネタニヤフによって創設されたシンクタンク。名称のヨナタンはベンシオンの息子、ベンヤミンの兄にあたるヨナタン・ネタニヤフに由来する。ヨナタンは1976年にウガンダのエンテベを襲撃したイスラエルの部隊を率いていた人物で、そのときに死亡している。 ヒラリー・クリントンを支える人脈にはブッシュ一族もつながっているが、その一族のひとりであるジョージ・H・W・ブッシュがネタニヤフと関係の深いシンクタンクが主催した会議に参加していた。両グループは1980年代にイラクのサダム・フセインをめぐって対立するような時もあるが、手を組む時もあるわけだ。同床異夢とも言えるだろう。 トランプは逆襲に転じる過程で政策を変更している。エルサレムをイスラエルの首都だと認めたのは周辺の人脈を見れば必然であり、これはアメリカ政界の総意でもある。大統領選の際にはロシアとの関係修復を訴えていたが、それは影を潜め、ウォルフォウィッツ・ドクトリンに基づく世界制覇プランに従っているように見える。アメリカの巨大資本との関係を改善しようとすれば、TPP(環太平洋連携協定)、TTIP(環大西洋貿易投資協定)、TiSA(新サービス貿易協定)の復活もありえるだろう。 ドルが基軸通貨の地位から陥落すればアメリカ中心の支配システムは崩壊、その後の世界は多極化するか巨大資本が国家を支配するシステムになるかだと見られている。後者はファシズムと言い換えることもできるが、そのためにはTPP、TTIP、TiSAを成立させ、ISDS条項によって巨大企業のカネ儲けを阻むような法律や規制を政府や議会が作れないようなシステムを築く必要がある。そうなれば健康、労働、環境など人びとの健康や生活を守ることは困難。すべて巨大資本の「御慈悲」にすがるしかない。 多極化を推進しているのはロシアや中国を中心とする勢力で、巨大資本はロシアや中国を屈服させるか破壊するしかない。これはクリントン陣営の政策でもあり、だからこそトランプのロシアとの関係修復を激しく攻撃したのだ。その点でトランプは妥協した可能性がある。(了) https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201801260000/ ▲△▽▼
2018.01.26 破滅への道から抜け出せないアメリカとその巻き添えになる世界の悲劇(その1:投票操作) アメリカでは2000年の大統領選挙で投票操作が指摘されている。例えば、勝利者を最終的に決めたフロリダ州での投票では怪しげなブラック・リストの存在や正体不明の「選挙監視員」による投票妨害があった。有権者に関する怪しげなブラックリストが作られ、正体不明の「選挙監視員」が徘徊、投票を妨害する行為があった。旧式の機械やバタフライ型投票用紙で投票が正確にカウントされていない可能性が指摘され、出口調査と公式発表との差も疑惑を呼んだ。ジョージ・W・ブッシュ候補の当選を確定させたのは、12月に連邦最高裁が出した判決によってである。 2016年の大統領選挙でも事前に投票マシーンへの信頼度が揺らいでいた。2000年の選挙でブッシュを担いでいた勢力の中心にはネオコンがいたが、今回の占拠で彼らはヒラリー・クリントンの周辺に集まっていた。2015年6月の段階でクリントンを勝たせることが内定したとする噂が流れたが、その理由は同月の11日から14日かけてオーストリアで開かれたビルダーバーグ・グループの会合にジム・メッシナというヒラリー・クリントンの旧友が出席していたからだ。ビルダーバーグ・グループについて本ブログでは何度か説明しているので今回は触れないが、欧米支配層が築いているネットワークを構成する機関のひとつだとは指摘しておく。 こうしたことから、大統領選の前からクリントンを当選させるために投票数が操作されるのではないかと噂された。投票のコンピュータ化が進んだことから操作は2000年より簡単になっていたことは事実で、DESI(ダイボルド・エレクション・システムズ/現在の社名はプレミア・エレクション・ソリューションズ)の機械が実際の投票数と違う数字を集計結果として表示することを大学などの研究者が指摘されている。ハート・インターシビックという会社とミット・ロムニー家との関係も明らかにされた。(例えば、ココ、ココ、ココ、ココ) 2016年にはWikiLeaksがヒラリー・クリントンらの電子メールを公表、その中にはバーニー・サンダースが同党の大統領候補になることを妨害するよう民主党の幹部に求めるものがあり、サンダースの支持者を怒らせることになった。民主党幹部たちが2015年5月26日の時点でヒラリー・クリントンを候補者にすると決めていたことを示唆する電子メールもある。 民主党がクリントンを候補者に選ぶ方向で動いていたことはDNCの委員長だったドンナ・ブラジルも認めている。彼女はWikiLeaksが公表した電子メールの内容を確認するために文書類を調査、DNC、ヒラリー勝利基金、アメリカのためのヒラリーという3者の間で結ばれた資金募集に関する合意を示す書類を発見したという。その書類にはヒラリーが民主党のファイナンス、戦略、そして全ての調達資金を管理することが定められていた。その合意は彼女が指名を受ける1年程前の2015年8月になされた。 こうしたクリントンを当選させる流れに変化が生じていることを暗示するような出来事があり、話題になっている。2016年2月10日にヘンリー・キッシンジャーがロシアを訪問し、ウラジミル・プーチン露大統領と会談して22日にはシリアで停戦の合意が成立したのだ。 https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201801260001/ 2018.01.27 破滅への道から抜け出せないアメリカとその巻き添えになる世界の悲劇(その2:シリア侵略)
2011年3月からアメリカ、イスラエル、サウジアラビアぼ三国同盟を中心とする勢力がシリアへの侵略戦争を始めたことは本ブログで何度も指摘してきた。2003年3月のイラク、2011年2月のリビアに続く侵略で、サラフィ主義者(ワッハーブ派、タクフィール主義者)やムスリム同胞団を中心とする傭兵部隊がその先陣を切った。そうした傭兵の登録リストがアル・カイダだということも本ブログでは繰り返し書いてきた。
当初、アメリカを中心とする西側の政府や有力メディアは「独裁者による民主化運動の弾圧」という構図で宣伝したが、宣伝の裏側が明らかになって説得力をなくす。2012年には住民虐殺が伝えられ、西側はシリア政府の責任を押しつけるが、実際はサラフィ主義者など外国人傭兵だということが判明する。現地を調査した東方カトリックのフランス人司教もその事実をローマ教皇庁の通信社を通じて報告している。 「もし、全ての人が真実を語るならば、シリアに平和をもたらすことができる。1年にわたる戦闘の後、西側メディアの押しつける偽情報が描く情景は地上の真実と全く違っている。」とその司教は書いている。 これは現在でも通用する話。2012年8月にはアメリカ軍の情報機関DIAがシリアで政府軍と戦っている戦闘集団について、その中心はサラフィ主義者、ムスリム同胞団、そしてアル・カイダ系武装集団のAQI(DIAはアル・ヌスラと実態は同じだとしている)だと指摘した。バラク・オバマ大統領が言う「穏健派」は事実上、存在しないということだ。オバマ政権が進める政策は東部シリア(ハサカやデリゾール)にサラフィ主義者の支配国を作ることになるとも警告していた。この当時のDIA局長がマイケル・フリン中将だ。 その警告は2014年にダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)の台頭という形で現実になる。1月にファルージャで彼らは「イスラム首長国」の建国を宣言、6月にはモスルを制圧している。その際にトヨタ製の真新しい小型トラックのハイラックスを連ねた「パレード」を行い、その様子を撮影した写真が配信されたことも有名になったが、パレードを含め、ダーイッシュの行動をアメリカの軍や情報機関はスパイ衛星、偵察機、通信傍受、人から情報を把握していたはず。ところが静観していた。 その間、オバマ政権の中でフリンはダーイッシュ派を使っているグループと対立、2014年8月にDIA局長を辞めさせられている。退役後、この問題をアル・ジャジーラの番組で問われたフリン中将は、ダーイッシュの勢力が拡大したのはオバマ政権が決めた政策によると語っている。 売り出されたダーイッシュは人質の首を切り落とすパフォーマンスをするなど残虐さを前面に出し、そのダーイッシュと戦うと称してシリア政府の承諾を得ないまま空爆を始める。その空爆のターゲットがダーイッシュやアル・カイダ系武装集団出なかったことも本ブログでは書いてきた。 https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201801270000/ ▲△▽▼
2018.01.31 マッケイブFBI副長官の辞任はFISAメモを読んだレイFBI長官の意向だという情報が流れている アンドリュー・マッケイブFBI副長官が辞任したと報道されている。この人物は2015年7月、FBIワシントン支局の支局長だったときにヒラリー・クリントンの電子メールに関する捜査を担当、2016年2月からFBI副長官を務めている。2017年5月から8月までは長官代理だった。ジャーナリストのサラ・カーターによると、クリストファー・レイFBI長官は4ページのFISA(外国情報監視法)メモを読んでショックを受け、マッケイブに辞任を求めたという。マッケイブは司法省監察局の調査対象になっているとも伝えられている。 クリントンの電子メールに関する捜査を始める4カ月前、アンドリュー・マッケイブの妻であるジル・マッケイブはバージニア州上院議員選挙への出馬を表明、選挙資金として67万5000ドルをバージニア州のテリー・マコーリフ知事から受け取っている。同知事は1996年にビル・クリントン再選委員会の委員長、2001年から5年まではDNC(民主党全国委員会)の委員長を務めている。こうした関係がある以上、マッケイブはクリントンの電子メールに関する捜査の責任者として不適切だと言える。 ところで、FISAメモの存在を広めたのはロン・ジョンソン上院議員。国土安全保障政府活動委員会の委員長を務め、FBI幹部のピーター・ストルゾクが同僚のリサ・ペイジへ送った電子メールの文章を読み、その内容にあきれたとしている。ロシア政府が2016年のアメリカ大統領選挙に介入したという話は根拠がないことを認めているのだという。 このメモが公表されれば、ドナルド・トランプ大統領に対する民主党や有力メディアは大きなダメージを受ける。ロシアゲート騒動が収まるだけでなく、FBIの幹部は権力の乱用で責任を追及されることになる可能性が高い。が、今のところ共和党は公表する動きを見せていない。民主党のサーバーをロシアがハッキングしたという嘘を同党や有力メディアは広めてきたが、こうした嘘でロシアとアメリカとの関係悪化を目論んだのはCIA長官だったジョン・ブレナンだと調査ジャーナリストのシーモア・ハーシュは語っている。 WikiLeaksの流した電子メールは外部からのハッキングでなく内部で入手されたと語る専門家がいる。そのひとりがNSA史上最高の分析官のひとりと言われている内部告発者のウィリアム・ビニーだ。 民主党がクリントンを候補者に選ぶ方向で動いていたことはDNCの委員長だったドンナ・ブラジルも認めている。彼女はWikiLeaksが公表した電子メールの内容を確認するために文書類を調査、DNC、ヒラリー勝利基金、アメリカのためのヒラリーという3者の間で結ばれた資金募集に関する合意を示す書類を発見したという。 FISAメモの中身が伝えられている通りなら、責任を問われるのはマッケイブやのストルゾクに留まらず、CIAへも飛び火するだろう。アメリカ支配層を支える重要な柱である治安機関や情報機関を揺るがすことになる。議員に対する脅しもあるだろう。 https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201801310000/ ▲△▽▼
アメリカでは大統領選の前年、2015年の6月にはヒラリー・クリントンが次期大統領だとする噂が流れましたが、実際にはドナルド・トランプが選ばれています。それに対し、民主党やアメリカの有力メディアはロシアのウラジミル・プーチン大統領がトランプを勝たせるために大統領選挙へ介入したと根拠なしに主張、2017年3月には下院情報委員会でアダム・シッフ議員がこの問題に関する声明を発表、5月にはロバート・ムラー元FBI長官が特別検察官に任命されてトランプを追い詰める動きが本格化します。 ところが、ここにきてムラー、司法省、FBIの不正行為を指摘する情報が流れはじめました。2015年7月にFBIがクリントンの電子メールに関する捜査を始めた際、その責任者になったのはFBIワシントン支局のアンディ・マッケイブ支局長でしたが、この人物がクリントンと関係の深いバージニア州知事とつながっていることが明らかにされます。
この知事は1996年にビル・クリントン再選委員会の委員長を務め、2001年から05年にかけては民主党全国委員会の委員長、そして08年にはヒラリー・クリントンの選挙キャンペーンにも参加しているのですが、この人物からアンディの妻、ジルへ州上院議員選挙のための資金67万5000ドルが渡っていたのです。 2017年1月に司法長官代理を務めたサリー・イェーツはトランプの政策に反対、その発言をムラーの側近として知られるアンドリュー・ワイツマンは電子メールで賞賛していました。トランプ大統領が国家安全保障補佐官に選んだマイケル・フリン中将を罠にかけ、不正な行為をしていないにもかかわらず、形式的な偽証をさせています。 シッフ下院議員の声明はクリストファー・スティールという元MI6(イギリスの対外情報機関)オフィサーが作成した報告書に基づいていますが、その情報の信頼度が低いことはスティールも認めています。そのスティールを雇ったのはフュージョンGPSという会社で、この会社を雇ったのはクリントンの選挙キャンペーンと民主党全国委員会の顧問弁護士を務めるマーク・エリアスでした。 スティールの前にフュージョンは同じ仕事をネリー・オーに依頼しています。この人物はCIAの仕事をした経験があるうえ、その夫は司法省幹部のブルース・オーでした。2016年の大統領選挙が終わって間もなく、ブルースはスティールやフュージョンのグレン・シンプソンと会っていますが、投票前の10月にFBIのチームがスティールと会うため、ヨーロッパへ出向いたとされています。 ここにきて注目されているのは、デビン・ニューネス下院情報委員会委員長のスタッフが作成した4ページの調査結果に関するメモ。政治的な目的、あるいは怪しげな情報に基づいてFISA(外国情報監視法)の令状を取っている可能性があると指摘しているようです。 遅くとも2015年6月にクリントンは次期大統領に選ばれたと見られていますが、実際はトランプが勝ちました。途中で流れが変化したのです。ビルダーバーグ・グループと深い関係にあるヘンリー・キッシンジャーが2016年2月10日にロシアを訪問、ウラジミル・プーチン露大統領と会談したのを見て流れの変化を感じた人は少なくありませんでした。 2015年にバラク・オバマ大統領は戦争へ向かって舵を切った可能性があります。シリアの反政府軍に穏健派はいないとした上、ダーイッシュ的な勢力の出現を警告していたフリンはダーイッシュが売り出された2014年の8月にDIA局長を解任されていますが、2015年2月に国防長官がチャック・ヘイゲルからアシュトン・カーター、統合参謀本部議長がマーティン・デンプシーからジョセフ・ダンフォードへ交代になっています。シリアとの戦争に消極的なふたりが好戦派のふたりに替わったのです。 デンプシーが退任した3日後、プーチン露大統領は国連で演説しています。演説、暴力、貧困、そして社会的惨事を招き、人権を気にかけず、うぬぼれや自分は特別で何をしても許されるという信念に基づく政策が推進されていると批判したのですが、その言葉が向けられた相手はアメリカでした。その2日後、ロシア軍はシリア政府の要請に基づいてアル・カイダ系武装勢力やダーイッシュに対する空爆を開始、カスピ海の艦船から26基の巡航ミサイルを発射、約1500キロメートル離れた場所にあるターゲットに2.5メートル以内の誤差で全て命中させています。アメリカに対し、戦争を始めるとどうなるかを示したと言えるでしょう。 この時期を考えると、このロシア軍による攻撃がアメリカ支配層の内部に影響を及ぼし、クリントンを次期大統領にするという流れを変えた可能性があります。この見方が正しいならば、ロシアはアメリカの大統領選挙に介入したと言えるでしょうが、これは中東における破壊と殺戮を広げないことが目的です。だからこそ、戦乱を広げたいと考えていた人たちは怒りました。 アメリカ支配層の内部抗争と国際情勢は密接に結びついています。 https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201802020000/ ▲△▽▼ クリントン夫妻の友人47人が不可解な死を遂げていた! 自殺から飛行機事故、銃撃まで…!2016.06.08 http://tocana.jp/i/2016/06/post_9975_entry.html
夫は第42代米国大統領ビル・クリントンで、自身も米国初の女性大統領を狙うヒラリー・クリントン。昨今、彼女の名前をメディアで見聞きしない日はない。しかしビルとヒラリーの周囲には、どす黒い疑惑が渦巻いていた――!?
クリントン夫妻の周りに「不自然な死」が多いことをご存じだろうか? 実は最近になって、複数の海外メディアがこの疑惑を報じていて、その数何と47人。「クリントン夫妻の友人たちは、変な死に方をする癖をお持ちのようだ」と皮肉られている。その中でも特に有名な10人を紹介したい。 ■ジェームス・マクドゥガル:1998年/心臓発作
clintonfriends1.JPG 「Before it's News」の記事より マクドゥガルはアーカンソー時代、クリントン夫妻の不動産ビジネスのパートナーであった。しかしこのビジネスには不正があり、後に社名を取って「ホワイトウォーター疑惑」と呼ばれるようになった。マクドゥガルはこの不正を訴追され、3年半の懲役刑を受けて服役中に持病の心臓発作を起こした。彼が発作を起こした時、除細動器が刑務所に常設されていたが使用されず、時間のかかる遠方の福祉病院に運ばれた。彼はクリントン夫妻を訴追しようとしたスター検察官側の最重要証人として裁判に出廷予定であったが、彼の死により訴追は困難となった。 ■メアリー・マホニー:1997年/射殺
clintonfriends2.JPG 「Before it's News」の記事より マホニー(当時25歳)はホワイトハウスの元インターン。彼女はビル・クリントンを罷免しようとするスター検察官の証人として、ホワイトハウスで受けた性的嫌がらせを証言する予定であった。 マホニーは当時スターバックスで副店長として働いていたが、閉店直後に同僚2人と共に「処刑スタイル」で何者かに銃で殺害された。店には4000ドル(約44万円)もの現金が残され、何ひとつ盗まれていなかった。出入り口の鍵はきちんとしまっており、無理やり押し入った形跡もなかった。銃には消音装置が付けられていたらしく、人通りの多い場所にもかかわらず音や叫び声を聞いた者もいなかった。 ■ヴィンス・フォスター:1993年/ピストル自殺 clintonfriends3.JPG 「Before it's News」の記事より フォスターはアーカンソー州出身でビル・クリントンの幼なじみ。弁護士として勤務したローズ法律事務所でヒラリーと同僚になり、ビルの大統領就任に際して次席法律顧問に招かれた。ヒラリーのさまざまな疑惑処理に関わっていたフォスターは議会で追及され、ヒラリーに不利な証言を行う予定であったが、1993年7月公園でピストル自殺を遂げた。 彼は奇妙なメモ、「ホワイトウォーターは“ウジ(worms)”の詰まった缶であり、絶対に開けてはならない」と書き残した。またメディアは、目撃者が現場でピストルを見ていないこと、フォスターの受信記録など関連資料が全て消されていたこと、ヒラリーがフォスターのオフィスにある文書類を廃棄するよう命じたことを疑惑として報じている。検視官も退官後、「自殺と考えるには疑問点が多かった」と語っている。 ■ロン・ブラウン:1996年/飛行機事故
clintonfriends4.JPG 「Before it's News」の記事より ブラウンはクリントン大統領の下で商務長官を務めていた。彼が空軍機でクロアチアに向かう最中、飛行機が航路を誤り山に衝突し死亡した。当時ブラウンは、クリントン大統領と共に巨大コングロマリットのエンロン社との不正取引を疑われていた。事故前にブラウンは「検察と取引することを決心した」と話しており、またCIAが反対する政策を推し進めることによって、CIAとも敵対していた。彼はクリントン政権にとって影の部分を「知り過ぎた男」であった。 ブラウンの遺体は綿密に調べられたが、病理医は銃弾による傷に似た穴が頭蓋骨にあったと報告している。また調査によれば事故前に、飛行機のナビゲーション機器が空港から盗まれており、パイロットが偽の機器を使い意図的にコースオフして事故を起こしたという推測を呼び起こした。そして事故の3日後、ナビゲーション機器の取り扱い責任者が空港で頭を撃ち死亡した。これは「自殺」として処理され、事故調査官は彼への訊問の機会を永久に失った。 ■ビクター・レイザー・U:1992年/飛行機事故
ビクター・レイザー・Uとその22歳の息子、モンゴメリー・レイザーはビル・クリントンの資金調達組織の中心メンバーであったが、アラスカで自家用機が墜落し死亡した。 ■ポール・タリー:1992年/病死
clintonfriends5.JPG 「Before it's News」の記事より 米民主党全国委員会会長、かつビル・クリントンの優れた戦略ディレクターであったタリーは、アーカンソー州のホテルで死体となり発見された。彼の死因は、48歳という若さにもかかわらず心臓発作であった。 ■エド・ウィリー:1993年/ピストル自殺
ウィリーもビル・クリントンの資金調達組織のメンバーであったが、バージニアの森で頭を撃ち死亡した。警察はこれを自殺と発表。しかしウィリーの妻であるキャスリーンはインタビューで、クリントン夫妻が夫の死に関係していると思うかと聞かれ、「明らかな疑いを持っています」と答えている。 ウィリーは大統領選挙戦の最中、現金の詰まったブリーフケースを持ち歩いており、それは「不正な」金だった疑いが濃い。さらにウィリーは左利きなのに、検視報告書では右手を使い引き金を引いたことになっていた。これは前述のフォスターの「自殺」時にも見られた奇妙な現象である。 ■ジェリー・パークス:1993年/射殺
clintonfriends6.JPG 「Before it's News」の記事より パークスはビル・クリントンのセキュリティ・チームの責任者であった。パークスはヴィンス・フォスターが「自殺」したニュースを聞いた時に、真っ青になって「私も死んだ人間だ」とつぶやき、その後彼は何かに怯え銃を常に携帯していた。そしてビル・クリントンと彼の周りの人々は「家の大掃除中」で、リストの次は自分だと話していたという。 93年、彼はリトルロックの交差点を運転中に銃撃を受けた。彼を射撃した2人組は非常に落ち着いた様子で彼を射殺し、闇に消えた。彼の息子は父親がビル・クリントンに関する書類を集めており、その情報を公にすると脅していたと話した。そしてその書類は彼の死後、家から忽然と消えていた。 ■ジェイムス・バンチ:不明年/ピストル自殺
バンチはヴィンス・フォスターと全く同じ状況でピストルを使い自殺した。彼はテキサス州とアーカンソー州の売春組織を訪れた影響力のある人々の名前を書いた「ブラック ブック」を持っており、その中にはビル・クリントンの名前があったと噂された。その「ブラック ブック」は数人が現物を見たにもかかわらず、彼の死後紛失した。彼の死は何故か数年間は公表されなかった。 ■ジョン・ウィルソン:1993年/首つり自殺
clintonfriends7.JPG 「Before it's News」の記事より ワシントン評議会元メンバーのウィルソンは、1993年に自宅で首つり自殺をした。ウィルソンは、いわゆる「ホワイトウォーター疑惑」と呼ばれるクリントン夫妻と自殺したマクドゥガルの不動産取引に関して、情報を持っていると主張していたという。ウィルソンはワシントンで20年の経験を持つベテラン政治家で、彼の自殺は人々に衝撃を与えた。 この他にもクリントンの4人のボディガードをはじめ、多くの人間が1993年から数年間に「自殺」、「飛行機事故」、「自動車事故」、「銃撃(犯人不詳)」によって死亡している。特にホワイトウォーター疑惑に関しては、少なくとも3人が「自殺」している。これらの人々の死は、偶然にしてはあまりにもタイミングがよく、また人数が多すぎる。真相解明がなされる日は、果たして来るのだろうか。 (文=三橋ココ)
参考:「Before it's News」、「Snopes.com」、「The Patriot Post」ほか ▲△▽▼ 2018.08.03 米露首脳会談 この会談に何らかの成果を期待することはできないと開催前に言われていました。実際、何らかの重要な合意に達することはなかったのですが、プーチン露大統領はショッキングなことを口にしました。2016年のアメリカ大統領選挙で、ロシアで指名手配になっている人物から4億ドルの献金がヒラリー・クリントン陣営へあったと明言したのです。 その直後、タス通信は4億ドルでなく40万ドルだったと「訂正」しました。勿論、プーチンが言い間違えた可能性はありますが、百戦錬磨の政治家がこれほど重要な数字を間違える確率は小さいのではないでしょうか?
その献金を出した人物としてウィリアム・ブラウダーという人物の名前が挙がっています。シカゴでアメリカ人として生まれ、ボリス・エリツィン時代にロシアで巨万の富を築いた人物で、一種のオリガルヒです。
エリツィン時代のロシアでは腐敗したクレムリンの住人と組んだ一部の人々が国民の資産を略奪して巨万の富を築いています。勿論、その背後にいた西側の富豪たちも大儲けしました。ソ連消滅からエリツィン時代まで腐敗の中心にいたのがCIAとKGBの大物たちだったとも言われています。
ソ連が消滅する直前、ゴスバンク(旧ソ連の国立中央銀行)に保管されている金塊2000トンから3000トンが400トンに減っていると発表されましたが、これはそうした米露の腐敗勢力が盗んだ可能性が高く、その勢力の中にブラウダーも含まれていたと考えられています。
ブラウダーも金塊の処分に加担しただけでなく、個人的に脱税していたと見られています。そのブラウダーの会計責任者でマネーロンダリングを行っていた疑いが濃厚な人物がセルゲイ・マグニツキー。心臓が悪く、ロシア当局の取調を受けている最中に死亡しました。それを根拠にアメリカでは反ロシア法(マグニツキー法)を成立させたのですが、もしマグニツキーがマネーロンダリングの実態を証言したなら、アメリカだけでなくロシアも大騒動になり、ロシアの「第五列」が壊滅する可能性もあったでしょう。 https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201808030000/
▲△▽▼
2018.10.14 アメリカの軍事基地化するギリシャはイスラエルの天然ガス利権の真ん中に https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201810140000/ ギリシャのアレクシス・チプラス政権は自国をアメリカの軍事的な属国にしようとしている。すでにアメリカやイスラエルとEMA(東地中海同盟)を結び、今年(2018年)春からギリシャのラリサ空軍基地はアメリカ軍のUAV(無人機)、MQ-9リーパー(死に神。プレデターBとも呼ばれる)の拠点として運用されているが、カルパトス島にアメリカ軍とギリシャ軍の基地を建設、アメリカ軍のF22戦闘機の拠点にしようと計画しているという。この島はエーゲ海のデデカネス諸島に属し、ロードス島とクレタ島の中間にある。 軍事的なつながりだけでなく、チプラス政権はギリシャの東北部、トルコとの国境に近いアレクサンドルポリをイスラエルから天然ガスを運ぶためのハブ基地にしようと目論んでいるようだ。
イスラエルの沖で天然ガス田に関する調査が始まったのは2001年。その8年後には地中海の東側、リビア、エジプト、パレスチナ(ガザ)、イスラエル、レバノン、シリア、トルコ、ギリシャを含む地域に天然ガス田が発見された。
この調査に関わった会社のひとつがノーブル・エナジーで、ビル・クリントン元米大統領は同社のロビイストだった。2016年の大統領選挙でこの会社はヒラリー・クリントンに多額の寄付をしていたとされている。
ノーブル・エナジーは2010年、イスラエル北部で推定埋蔵量約4500億立方メートルの大規模ガス田を発見したと発表したが、USGS(アメリカ地質調査所)の推定によると、エジプトからギリシャにかけての海域には9兆8000億立方メートルの天然ガスと34億バーレルの原油が眠っている。
ヒラリー・クリントンをジョージ・ソロスが操っていることは2016年に漏れた電子メールで明らかになったが、そのソロスはロスチャイルド金融資本と結びついている。イギリスのロスチャイルドを率いているジェイコブ・ロスチャイルドが戦略顧問として名を連ねている会社、ジェニー社は、イスラエルが不法占拠しているシリア領のゴラン高原で石油開発を目論んでいることも知られている。
こうしたことを念頭において、ギリシャの出来事を振り返ってみよう。第2次世界大戦や軍事クーデターで破壊されたギリシャだが、地獄への門を通ったのは2001年。通貨をドラクマからユーロへ切り替えたのだ。
こうしたことはギリシャの財政状況から本来はできないことだったが、その道へ誘い込んだのが。ゴールドマン・サックス。財政状況の悪さを隠す手法をギリシャ政府に教え、債務を膨らませたのだ。CDS(クレジット・デフォルト・スワップ)などを使い、国民に事態を隠しながら借金を急増させ、投機集団からカネを受け取る代償として公共部門の収入を差し出すということが行われていたという。借金漬けにした後、「格付け会社」がギリシャ国債の格付けを引き下げて混乱は始まった。ヤミ金の手口にほかならない。
そうした操作が続けられていたであろう2002年から05年にかけてゴールドマン・サックスの副会長を務めていたマリオ・ドラギは06年にイタリア銀行総裁、そして11年にはECB(欧州中央銀行)総裁に就任する。ECBが欧州委員会やIMFと組織する「トロイカ」がギリシャへの「支援』内容を決めてきた。
その「支援」とは危機の尻拭いを庶民に押しつけ、債権者、つまり欧米の巨大金融資本を助けるというもの。緊縮財政だ。
ギリシャに対するESM(欧州安定メカニズム)の第3次金融支援が終了し、8年間におよぶ支援を脱却したのだと報道されたが、予定通り進んでも債務の返済にはあと半世紀は必要だとされている。
「支援」の過程で経済は4分の1に縮小、若者や専門技術を持つ人びとを中心に約40万人のギリシャ人が国外へ移住、メンテナンスを放棄したことからインフラを含む700億ユーロ相当の資産が失われた。ギリシャ危機が終わったのではなく、ギリシャという国が終わったのだと言う人は少なくない。
西側支配層が目論んでいることを理解していたギリシャ人は「支援」を拒否、2015年1月に行われた総選挙では反緊縮を公約に掲げたシリザ(急進左翼進歩連合)に勝たせ、7月の国民投票では61%以上がトロイカの要求を拒否した。トロイカの要求に従うと年金や賃金がさらに減額され、社会保障の水準も低下し続け、失業者を増やして問題を深刻化させると考えたからだ。
選挙で勝ったシリザはアレクシス・チプラス政権を成立させるが、それに対してアメリカのバラク・オバマ政権は2015年3月にビクトリア・ヌランド国務次官補を派遣する。この人物はチプラス首相に対し、NATOの結束を乱したり、ドイツやトロイカに対して債務不履行を宣言するなと警告、さらにクーデターや暗殺を示唆したとも言われている。イギリスのサンデー・タイムズ紙は7月5日、軍も加わったネメシス(復讐の女神)という暗号名の秘密作戦が用意されていると伝えていた。
ギリシャ政府にはもうひとつの選択肢があった。ロシアのサンクトペテルブルクで開かれた国際経済フォーラムでチプラス首相はロシアのウラジミル・プーチン大統領と会談、天然ガス輸送用のパイプライン、トルコ・ストリームの建設に絡んで50億ドルを前払いすると提案されているのだ。
結局、チプラス政権はギリシャ国民を裏切り、欧米支配層の利益へ奉仕することになった。ギリシャは現在、イスラエルが支配しようとしている天然ガス利権の真ん中にいる。その利権が庶民のために使われることはないだろう。
▲△▽▼
サウジもトルコもアメリカも支配層の手は血まみれ(その2) https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201810260000/ 2018.10.26 櫻井ジャーナル ヒラリー・クリントンは上院議員時代から軍需産業のロッキード・マーチンと近く、巨大金融資本ともつながっている。 投機家のジョージ・ソロスから指示を受けていることは外部へ漏れた電子メールで判明している。 ソロスは金融帝国とも言うべきロスチャイルドと関係が深い。 ロビン・クック元英外相が2005年7月8日付けガーディアン紙で書いたように、アル・カイダとはCIAに雇われ、訓練を受けた数千人におよぶムジャヒディンのコンピュータ・ファイル。アラビア語でアル・カイダはデータベースの意味でも使われる。この仕組みは1970年代の終盤、ジミー・カーター政権の国家安全補佐官だったズビグネフ・ブレジンスキーによって作り上げられた。アフガニスタンへソ連軍を誘い込み、戦わせることが目的だった。2014年に入ると西側はダーイッシュ(IS、ISIS、ISIL、イスラム国とも表記)を売り出すが、この武装グループも構図は基本的に同じだ。
アメリカなどがシリアへ送り込んだ武装勢力はシリア国内に基盤はなく、主要な兵站線はトルコから伸びていた。そうした物資輸送の証拠をつかんだセレナ・シムをトルコの情報機関MITは恫喝、その直後の「自動車事故」だった。この武器を含む物資の輸送を指揮していたのはそのMITである。 シムが証拠をつかむ前、2014年1月にトルコのウブラフム・アイドゥン憲兵少将、ハムザ・ジェレポグル憲兵中将、ブルハネトゥン・ジュハングログル憲兵大佐が摘発している。この情報がシムへも流れていたはずだが、シムが死亡した翌月に摘発の責任者が逮捕されてしまう。この摘発をトルコのジュムフリイェト紙は2015年5月に報道、同紙の編集者が同年11月26日に逮捕され、ジャン・ドゥンダル編集長とアンカラ支局長のエルデム・ギュルは「国家機密」を漏らしたという理由で懲役5年以上の判決が言い渡されている。 ところで、ジャマル・カショーギを殺害する相談をアメリカの情報機関は傍受していたとも伝えられている。つまりカショーギが危険な状態にあることを事前に知っていたが、それを本人に伝えていなかった可能性が高い。 しかし、アメリカの情報機関がカショーギを敵視していたとは言えないだろう。この人物は若い頃からサウジアラビアやアメリカの情報機関、つまりGIP(総合情報庁)やCIA(中央情報局)のエージェントとして活動してきたのだ。また、ムスリム同胞団のメンバーとして知られている。 ジャマル・カショーギの伯父、アドナン・カショーギはロッキード事件でも登場したサウジアラビアの富豪。アドナンもGIPやCIAと緊密な関係にあった。アドナンの父親はサウジアラビア国王だったイブン・サウドの主治医で、甥にあたるドディ・ファイードはウェールズ公妃ダイアナの恋人として有名だ。ファイードとダイアナは1997年8月31日に自動車事故で死亡した。ファイードとジャマルは従兄弟ということになる。 モハンマド・ビン・サルマンが皇太子になったのは2017年6月。その前の皇太子はホマメド・ビン・ナイェフだった。この交代には2016年のアメリカ大統領選挙が影響したと言われている。つまり、ビン・ナイェフはヒラリー・クリントンの当選を前提にして皇太子となったのだが、実際はドナルド・トランプになり、トランプに近いビン・サルマンへ入れ替えられたというわけだ。 ヒラリー・クリントンは上院議員時代から軍需産業のロッキード・マーチンと近く、巨大金融資本ともつながっている。投機家のジョージ・ソロスから指示を受けていることは外部へ漏れた電子メールで判明している。ソロスは金融帝国とも言うべきロスチャイルドと関係が深い。一方、トランプに対する最大のスポンサーはカジノ経営者のシェルドン・アデルソン。このアデルソンはイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相と緊密な関係にある。クリントン/ビン・ナイェフとトランプ/ビン・サルマンはいずれもシオニスト人脈に属しているが、派閥は違うということだ。 経済政策の面ではビン・サルマンとネオコンに大差はない。ビン・サルマンは副皇太子時代から経済面では新自由主義に毒され、コンサルタント会社マッキンゼーの提案に基づいて「ビジョン2030」を作成ていた。私有化を推進し、弱者を切り捨て、また石油産業への依存を弱めて国をヘッジファンド化しようとしていたのだ。( ▲△▽▼
2018.11.01 サウジアラビアで現国王の弟がイギリスから帰国、皇太子を交代させるとの噂 サウジアラビア国王の弟、アーマド・ビン・アブドルアジズがイギリスから帰国した。モハンマド・ビン・サルマン皇太子を公然と批判している人物で、帰国前に他の王族と会談し、アメリカやイギリスの情報機関から安全を保証されたと伝えられている。 昨年(2017年)6月から皇太子を務めているビン・サルマンはドナルド・トランプ米大統領やイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相と近い人物。前皇太子のムハンマド・ビン・ナーイフはヒラリー・クリントンと近かった。この皇太子交代はアメリカの政治状況が反映されていると言える。
ヒラリーは上院議員時代からロッキード・マーティンなど軍需産業、あるいは巨大金融資本を後ろだとし、投機家のジョージ・ソロスから政策面で指示を受けていたことが漏洩した電子メールで判明している。このソロスはロスチャイルド金融資本と結びついている人物で、ロシア/ソ連制圧の切り込み隊長的な存在だ。ビン・ナーイフの後ろ盾もヒラリーと基本的に同じで、CIAとも関係が深いと言われている。
そのビン・ナーイフをビン・サルマンは軟禁していたと言われているが、その後、昨年11月にビン・サルマン皇太子は大規模な粛清を実施、王族、閣僚や元閣僚、軍人などサルマン皇太子のライバルやその支持者と目される人々が拘束された。その前、サウジアラビア国内で戦闘があったと言われ、クーデターが噂されていた。ビン・ナーイフの拘束はCIAを怒らせたとも言われている。
そうした中、昨年10月に皇太子の父親でもあるサルマン国王はロシアを訪問、防空システムS-400の購入で合意したという。これはアメリカ支配層を怒らせることになった。アメリカの軍需産業がTHAADを買わせようとしていたということだけでなく、サルマン国王/ビン・サルマン皇太子がアメリカ離れしようとしているように見えることも原因だろう。
バラク・オバマ政権が仕掛けたシリアのバシャール・アル・アサド政権を倒す工作が失敗、すでにトルコやカタールは侵略グループから離脱していたが、サウジアラビアがアメリカ離れを始めるとドルを基軸とするアメリカの支配システムが大きく揺らぐ。トランプ政権は中国に経済戦争を仕掛けているが、カタールは天然ガスを中国へ人民元で売る動きを見せ、その中国はアメリカがやはり経済戦争を仕掛けているイランからエネルギー資源を輸入し続けようとしている。アメリカ支配層は攻撃しているつもりで自分の足下を崩し始めたと言えるだろう。
第2次世界大戦後、アメリカはヨーロッパを支配する仕組みとしてNATOを作り上げた。それを理解していたフランスのシャルル・ド・ゴールは1966年にフランス軍はNATOの軍事機構から離脱、翌年にはSHAPE(欧州連合軍最高司令部)をパリから追い出した。NATO加盟国には「テロ」を目的とする秘密部隊が存在することは本ブログでも繰り返し書いてきた。そのネットワークを背後から操っているのがアメリカとイギリスの情報機関。このネットワークはジョン・F・ケネディ大統領暗殺やド・ゴール暗殺未遂に関係したと疑われている。
昨年5月にトランプ大統領はサウジアラビアやイスラエルを訪れたが、その目的のひとつはNATOをモデルにした組織を中東で作る準備をすることにあったとも言われている。中東を支配する新たな仕組みの構築だ。
ジョージ・W・ブッシュ政権によるイラクへの先制攻撃、バラク・オバマ政権によるジハード傭兵を使ったリビアやシリアの体制転覆工作、そしてトランプ政権による中東版NATO案。中東のエネルギー資源を支配することが大きな目的なのだろうが、その結果、中東の権力バランスは崩れ、アメリカの支配システムが揺らいでいる。ビン・サルマンを排除してもこの状況は基本的に変化しないだろう。 https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201811010000/
▲△▽▼ 2018.11.09 中間選挙後に激しくなりそうな米国の権力抗争で事実は重視されない(その1)
アメリカでは民主党や有力メディアがドナルド・トランプを失脚させようと必死で、今回の中間選挙でも争点はトランプだった。反トランプ勢力が目的達成のために叫び続けているのは「ロシアゲート」。2016年のアメリカ大統領選挙にロシア政府が介入したという主張だが、そうした疑惑の存在を裏付ける事実は示されてこなかった。「我々を信じろ」というばかりだ。 本ブログでは繰り返し書いてきたが、2016年2月まで、この大統領選挙でヒラリー・クリントンが当選することは確実視されていた。2015年6月にオーストリアで開かれたビルダーバーグ・グループの会合にジム・メッシナというヒラリー・クリントンの旧友が出席していたからだ。
欧米エリート層の利害調整機関と見られているビルダーバーグ・グループの生みの親と言われているユセフ・レッティンゲルはヨーロッパをイエズス会の指導の下で統一しようと考え、第2次世界大戦の前から活動していた人物。イギリスの対外情報機関MI6のエージェントでもあり、大戦中はロンドンへ亡命していたポーランドのブワディスラフ・シコルスキー将軍の側近を務めた。
シコルスキーはコミュニストを敵視、イギリス政府の支援を受けて亡命政府を名乗っていた。レッティンゲルは1952年、オランダ王室のベルンハルトへ接近する。このベルンハルトが所有、オランダのアルンヘム近くにあるビルダーバーグ・ホテルで、ある集団が1954年5月に第1回目の会議を開き、コミュニズムやソ連に関する問題などを討議した。その開催場所の名称からこの集まりはビルダーバーグ・グループと呼ばれるようになる。グループの初代会長はこのホテルのオーナーであるベルンハルト王子で、1976年にロッキード事件で辞任するまでその座にあった。
レッティンゲルはヨーロッパ統一運動を指導していたひとり。その運動へはACUE(ヨーロッパ連合に関するアメリカ委員会)から資金が流れていた。ACUEはアレン・ダレスをはじめとするアメリカのエリートがイギリスのウィンストン・チャーチルからの協力を受け、1948年に設立された組織。ウォール街の弁護士でOSSの長官を務めたウィリアム・ドノバンが会長に就任している。副委員長は戦中から戦後にかけて、OSSとCIAで破壊工作を指揮したアレン・ダレスだ。このACUEへはアメリカの富豪たちから資金が提供されていた。
ビルダーバーグ・グループ、あるいはその背後に存在する富豪層は現在でも支配的な立場にあり、そのグループに親友が招かれたヒラリー・クリントンは次期アメリカ大統領に内定したと考えられたのだ。しかも、彼女はズビグネフ・ブレジンスキーの教え子であるマデリーン・オルブライトやネオコンのビクトリア・ヌランドと親しいと言われている。ヒラリーとビルの政治的な立場を同じだと考えるべきではないだろう。
ところが、2016年2月10日にヘンリー・キッシンジャーがロシアを訪問してウラジミル・プーチン大統領と会談、22日にシリアで停戦の合意が成立する。キッシンジャーはアメリカの破壊工作機関OPC(後にCIAの秘密工作部門の中枢になる)に所属したことがあり、ビルダーバーグ・グループで中心的な役割をはたしてきたひとり。ネルソン・ロックフェラーと親しかったことでも知られている。ビルダーバーグ・グループのアメリカ側の中心メンバーはロックフェラー色の濃いCFR(外交問題評議会)と結びついている。
支配層の内部でヒラリー・クリントン離れが起こった一因は、おそらく、2014年のウクライナにおけるクーデターだろう。ネオコン人脈がネオ・ナチを使い、合法政権を倒したのだが、戦略的に重要なクリミアの制圧に失敗してロシアへ追いやることになり、ウクライナ東部のドンバスでは戦闘が続いている。それ以上に大きかったのは、こうしたアメリカ側の手口を見たことで中国がロシアへ急接近、この2カ国が戦略的な同盟関係に入ってしまったことだ。キッシンジャーは米中の関係回復を演出した当時も中国とソ連/ロシアを対立させようとしてきた。
ウクライナのクーデターはロスチャイルド資本の存在を浮かび上がらせることになった。イスラエルの介入も指摘されている。この勢力とキッシンジャーの後ろ盾と対立が始まった可能性もある。そうした利害の衝突を調整する役割を担ってきたのがビルダーバーグ・グループだとも言われているが、その調整はまだうまくいっていないようだ。(つづく) https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201811080000/
2018.11.09 中間選挙後に激しくなりそうな米国の権力抗争で事実は重視されない(その2) 本ブログでは繰り返し説明してきたように、「ロシアゲート」に根拠はない。アメリカの電子情報機関NSAで最高の分析官のひとりと言われ、NSAの不正を内部告発したことでも知られているウィリアム・ビニーも指摘しているが、「ロシアゲート」が事実ならNSAから通信の傍受記録を取り寄せるだけで決着が付く。特別検察官を任命する必要はないということだ。特別検察官を任命したということはロシアゲートがインチキであることを示しているとも言える。この作り話はトランプを攻撃するだけでなく、2016年に発覚したヒラリー・クリントン陣営のスキャンダルを隠蔽するためにも使われている。
バラク・オバマ政権はジハード傭兵を使ってシリアやリビアを侵略、政権を転覆させて傀儡体制を築こうとした。リビアの政権転覆は成功したが、シリアはロシア政府が阻止する。アメリカ支配層はロシアの再属国化を目論んでいることもあり、ロシアとの関係を悪化させていった。
ネオコンをはじめとするアメリカ支配層の基本戦術は「脅して屈服させる」だが、ロシアも中国も屈しない。そこで脅しをエスカレートさせるのだが、その先には全面核戦争が待ち受けている。そうした道をヒラリー・クリントンも歩もうとしていた。それに反対、ロシアとの関係修復を訴えたのがトランプだ。
現在、アメリカでロバート・マラー特別検察官がロシアゲート疑惑を調べている。このマラーは2001年9月4日から13年9月4日かけてFBI長官を務めた。ニューヨークの世界貿易センターとバージニア州アーリントンにある国防総省の本部庁舎(ペンタゴン)が攻撃されたのはFBI長官就任の1週間後。この攻撃では詳しい調査が行われていないが、この事件の真相を隠蔽したとマラーは批判されている。
特別検察官の任命への道を切り開く動きは2017年3月から始まる。アメリカ下院情報委員会でアダム・シッフ議員がロシア政府による選挙介入を主張する声明を出したのが始まりだ。その根拠になったのは「元MI6」のクリストファー・スティールが作成した報告書なのだが、根拠薄弱だということはスティール自身も認めている。
スティールに調査を依頼したのはフュージョンなる会社で、そのフュージョンを雇ったマーク・エリアス弁護士はヒラリー・クリントン陣営や民主党全国委員会の法律顧問を務めていた。
フュージョンを創設したひとりであるグレン・シンプソンによると、同社は2016年秋にネリー・オーなる人物にドナルド・トランプの調査と分析を依頼している。その夫であるブルース・オーは司法省の幹部で、このオーとシンプソンは2016年11月に会っている。その直後にブルースは司法省のポストを失い、フュージョンはスティールに調査を依頼することになる。
こうした根拠のない話でターゲットを有罪にする手段がアメリカでは整備されている。司法取引だ。誰かを無関係の事件、場合によってはでっち上げで逮捕し、目的を達成するために偽証を強いるのだ。つまり、無実でも有罪にすることは難しくない。それがアメリカにおける「法の支配」だ。(つづく) https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201811090000/
2018.11.10 中間選挙後に激しくなりそうな米国の権力抗争で事実は重視されない(その3)
支配層のうち反トランプ派は有力メディアを支配しているが、そのひとつがCNN。このテレビ局のジム・アコスタは11月8日開かれた記者会見でトランプ大統領と言い合いになった。その際、記者からスタッフの女性がマイクを取ろうとしたのだが、記者はその手を払いのけようとした。映像を見る限り反射的だが、それを巡って新たな対立が始まったようだ。
世界貿易センターとペンタゴンが攻撃される直前、CNNの支配層への従属度は格段に高まる。1999年にアメリカ陸軍の第4心理作戦群の隊員が2週間ほどCNNの本部で活動していているのだ。アメリカ軍の広報官トーマス・コリンズ少佐によると、派遣された軍人はCNNの社員と同じように働き、ニュースにも携わったという。(Trouw, 21 February 2000)
その前年、1998年にも重要な出来事があった。アメリカ軍のMACV・SOG(ベトナム軍事援助司令部・調査偵察グループ)が1970年にインドシナで逃亡兵をサリンで殺害したとCNNは報じたのだ。その作戦名はテイルウィンド(追い風)。
ベトナム戦争では指揮系統が違うふたつの戦闘集団が存在していた。正規軍とCIA/特殊部隊だ。後者はアメリカの侵略に抵抗する動きを潰すため、住民皆殺し作戦のフェニックス・プログラムを実行している。共同体を破壊しようとしたとも考えられている。
この作戦を指揮したひとり、ウィリアム・コルビーはCIA長官時代にフランク・チャーチ上院議員が委員長を務める「情報活動に関する政府による作戦を調査する特別委員会」の公聴会で「1968年8月から1971年5月までの間にフェニックス・プログラムで2万0587名のベトナム人が殺され、そのほかに2万8978名が投獄された」と証言した。ウィリアム・カリー中尉に率いられた部隊が1968年3月にソンミ村(ミ・ライ)の住民を虐殺した事件もその作戦の一環だったとみられている。
この虐殺が広く知られるようになったのは1969年11月になってから。事件に関するシーモア・ハーシュの記事が報道されたのだが、アメリカ軍に従軍していた記者やカメラマンは虐殺の直後からその事実を知っていたにもかかわらず報道されていない。「正規のルート」では情報が流れなかった。 1970年7月から74年7月まで統合参謀本部の議長を務めたトーマス・ムーラー提督もこうした秘密工作を知りうる立場にあったひとり。CNNのサリン報道で最も重要な証人はこのムーラー提督だ。同提督の部下がサリンが使用される事実を確認したという。
この報道をしたCNNは軍人組織だけでなくライバルの有力メディアからも激しく攻撃された。CNNの経営陣は、報道内容のチェックを弁護士のフロイド・エイブラムズに依頼し、1カ月にも満たない短期間で報告書を作成させている。報告書の結論は報道内容を否定するものだったのだが、引用に不正確な部分があり、慎重に調べたとは到底言えない代物だ。
例えば、エイブラムズは報告書の中でムーラー提督を認知症の老人であるかのように表現しているのだが、報告書が作成された当時でもゴルフ場で普通にブレーし、別の事件で記者会見に登場するほどの健康体だった。番組を担当したプロデューサーのエイプリル・オリバーによると、放送では示されなかった重要な情報をCNNは隠しているという。(筆者に対するApril Oliverの回答)。
結局、番組を担当したふたりのプロデューサー、ジャック・スミスとエイプリル・オリバーは報道を事実だ主張し続けたため、解雇されてしまう。担当プロデューサーが事実だと強い姿勢で臨んでいた以上、徹底した調査をするべきだったのだが、CNNは不自然な形で幕引きを図った。
ジョージ・W・ブッシュ政権は2003年3月、統合参謀本部内の反対意見を押し切るかたちでイラクを先制攻撃したが、その際に使われた口実が大量破壊兵器。この話は嘘だったのだが、その嘘の中でイギリスのトニー・ブレア政権はイラクが45分で大量破壊兵器を使用できると主張している。
開戦の2カ月後、BBCのアンドリュー・ギリガンはラジオ番組で「45分話」を主張する「9月文書」は粉飾されていると語り、さらにサンデー・オン・メール紙でアラステアー・キャンベル首席補佐官が情報機関の反対を押し切ってこの話を挿入したとも主張している。ギリガンの情報源だったイギリス国防省の生物兵器担当者、デイビッド・ケリーは7月15日に外務特別委員会へ呼び出された2日後に変死する。ケリーは政府の嘘に憤っていた。その後、2004年10月に「45分話」が嘘だということを外務大臣のジャック・ストローは認めた。
ギリガンの報道にブレア政権は怒り、BBCの執行役員会会長と会長が辞任に追い込まれた。ギリガンもBBCを追い出される。この後、この放送局はプロパガンダ色が強まり、リビアやシリアへの軍事侵略を始めてからは偽情報を流し続けている。
第2次世界大戦の直後に始まったモッキンバードは報道を統制することが目的だったが、それでも間隙を縫って事実を報道することは可能だった。1970年代の後半から報道統制は強化され、巨大資本によるメディア支配も進んだ。そして9/11の前後から米英の報道統制は質的に変化、今では有力メディアの伝える話から事実を見つけ出すことが難しいほどだ。その有力メディアを無批判に信じることも犯罪的だと言えるだろう。(了) https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201811090001/
|