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大塚家具 久美子社長はどうやって老舗企業を潰したのか?
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/547.html
投稿者 中川隆 日時 2019 年 7 月 23 日 14:07:26: 3bF/xW6Ehzs4I koaQ7Jey
 

(回答先: 女に政治や経営は任せられない 投稿者 中川隆 日時 2019 年 7 月 23 日 12:25:15)


大塚家具 久美子社長はどうやって老舗企業を潰したのか?

大塚家具、「残念な」久美子社長が危機脱出のネックに…ダメ企業がダメな本質的原因
http://biz-journal.jp/2017/05/post_19011.html

2017.05.09 構成=小野貴史/経済ジャーナリスト Business Journal

 ここ数年、東芝やシャープなど日本を代表する企業の経営危機が立て続けに起こるなか、「プロ経営者」の存在が注目を浴びることが多くなった。そこで今回は、プロ経営者としてこれまで数多くの企業再建に携わり、4月に『残念な経営者 誇れる経営者』(ぱる出版)を上梓した山田修氏に、企業再生に必要な条件や具体的手法について話を聞いた。

――山田さんは本書で「9割の日本の社長は経営戦略を勘違いしている」と指摘されています。

山田修氏(以下、山田) 戦略的な思考とは、構造的に物事を見られるかどうかで、日本の経営者にはこれが欠けていることが多いのです。日本の経営者は創業社長、サラリーマン社長、プロ経営者に分けられますが、創業社長とサラリーマン社長が90%以上を占めています。

 創業社長は情熱とエネルギーをもって遮二無二働き、直感勝負をします。構造的分析や戦略的立案などのアプローチではなく、エネルギーのままに突っ走って、成功と失敗に分かれてしまいます。戦略なき経営でも成功して、会社が成り立っている場合もあるのです。

 一方、サラリーマン社長は出世の報酬として社長という職位に就くので、従来の経営を踏襲し、ほかのことはやらないのが基本的なパターンです。社長に指名してくれた先輩を裏切れないことも踏襲の理由で、しかも多くの場合、先輩は会長や顧問、相談役などに就いて影響力を発揮しています。従って戦略的な決断ができにくい環境にあるわけです。こうした意味で、「9割の日本の社長は経営戦略を勘違いしている」といえます。

――残りの1割は、どのような社長なのですか。

山田 1割もいませんが、プロ経営者です。たとえば、元LIXILグループ社長の藤森義明氏、資生堂社長の魚谷雅彦氏、カルビー会長の松本晃氏。それから私は必ずしもプロ経営者だとは思っていませんが、ローソン会長の玉塚元一氏(5月末で退任)も、世間ではプロ経営者として扱われています。要するに他の業種に移っても、それまで培ってきた本人が築いてきた実績の再現性を期待され、実際にうまく経営できる人で、外資系出身が多いですね。

 どの業界に行っても状況分析ができて、こういう手段を打てばよいと判断できて、実績を上げるのがプロ経営者です。口はばったいのですが、私も外資系4社と日系2社で社長を務め、すべて異なる業種でした。私が社長を務めていた時代にプロ経営者という言葉はなく、私は「企業再生経営者」と呼ばれていました。

――Aという業界では実績を上げても、Bという業界では通用しなかったでは、プロ経営者とは呼べないわけですね。

山田 それからプロ経営者には重要な要素があります。それは資本家との関係で、プロ経営者は雇われ経営者なのです。藤森氏が退任したのは、LIXILグループの前身であるトステム創業家出身でLIXILグループ取締役会議長の潮田洋一郎氏の主導による人事です。
 
 プロ経営者は高額な報酬のほかにストックオプションを与えられているので、株価を上げれば億単位の収入を手にできますが、株価を上げられなければ資本家から冷徹に退場を促されます。資本家とはドライな関係です。

■戦略セオリー

――山田さんがプロ経営者として持たれている、構造的分析と戦略的立案に関する独自のフレームワークについて教えてください。

山田 私には社長に就任した業界の知識も、会社の知識も、技術の専門知識もありませんが、経営のセオリーを知っています。そこで、まず幹部から平社員まで面談を行ってから、幹部一人ひとりに宿題を出しました。これから売上の上がる分野、商品、技術について理由も併せて、2〜3週間後に私と1対1でプレゼンテーションしてもらうのです。プレゼンを受けても、私には知識がないので、内容を理解できません。何を判断するのか。それは人物です。

 立論に整合性が取れていて私がスーッと理解できるプレゼンをした人の評価はA、私が「ちょっと待ってくれ」と所々質問をはさんでギクシャクしてしまう人はB、私の質問に対して埒も明かない答えをした人はCと評価しました。Cの人は「今までこのようにやってきた」「この業界のやり方はこうだ」などと抗弁してくるものです。私は業界の素人ですが、プロ経営者には判断力があります。プレゼンを受けて幹部を判断しました。

――すると、A評価の幹部の案を採用し、C評価の幹部の案は却下するのですか。

山田 A評価の幹部が担いできたプロジェクトや商品・技術とか、推奨している技術なら良いのではないかと判断しました。フィリップスライティング(現日本フィリップス)の社長に就任したときには、150億円から半減していた年商を就任3年後に3倍に増大させましたが、これはと思う幹部が推奨してきた商品が6つあったので、6つ全部を拡販してみようじゃないかと判断して、戦略商品群と位置付けました。

 すると6つのうち、自動車用ヘッドランプとポータブルプロジェクターの2つがものすごく走り出したので、2つを強化したら大ヒットして、年商3倍増に対して半分ぐらいに寄与しました。戦略上で大事なことは、状況はいつも動いているので、固定的でなく走りながら柔軟に考えることで、これは戦略セオリーとしても正しいのです。

 私の場合、社長に就任した6社とも部下を連れていかず、1人で入社しました。その会社従来の土俵で、方法と組み合わせを変えることが戦略です。

■抵抗勢力の扱い方

――他の業界から来た社長には、抵抗勢力も出てくると思います。どんな業界でも、他の業界で実績を上げた人に対して「うちの業界を知らない」とか「この業界は甘くない」とか、そういう見方をする人は極めて多いですね。

山田 そうです。社長に着任したときに、部下から面と向かって、そう言われることは珍しくありません。私も何社かで経験しました。部長会で着任の挨拶をしたときに「社長、何々についてはご存じですか?」と抵抗勢力が業界知識を試してきたのです。私は「いえ、知りません。皆さんのほうが詳しいですよね」と。

 相手は、その道数十年ですから、今から私が勉強しても対抗できません。専門知識で勝負するのではなく、専門知識は部下に任せて、それを判断するのが社長の仕事です。多くの場合、選択と集中が有効でした。

――抵抗勢力には、どのように対処したのですか。

山田 こんな出来事がありました。2人の副社長と管理本部長の3人が抵抗勢力だった米国系の会社では、3人に辞めてもらいました。副社長の1人が次は自分が社長になれると思っていたのですが、米国の本社はその副社長では力不足と判断して、外部から私を送り込んだのです。すると、この3人が私を着任させまいとして、本社に「山田じゃダメだ」と連絡したりしました。ところが、就業規則に厳密に照らし合わせて叩けば、たいていの経営幹部は何かしら違反を犯しているもので、現にその3人が重大な違反を犯している動かぬ証拠が見つかりました。

――金銭に関する違反ですか。

山田 そうです。そこで本社に「抵抗されているので着任できない。どうするのか?」と報告しました。本社は「就業規則違反のエビデンスもあるし、山田をサポートするから3人を解雇してくれ」と回答してきたので、解雇しました。3人が地位保全の仮処分を裁判所に申請したところ、労働裁判では会社側の敗訴が多いのに、証拠があったので会社側が勝訴したのです。

 抵抗勢力への対処法は、こうした毅然とした方法もあれば、今までよりも処遇を良くするから安心してくださいと笑顔で対処する方法もあります。要するにアメとムチの使い分けです。

――外部からの経営者の招聘に対して、若い社員は期待することがあっても、幹部になると抵抗したがるのでしょうね。

山田 プロ経営者から見れば、この道数十年の人たちがやってきて、これだけひどい状況になってしまったんじゃないの? と。つまり、これまでのやり方が間違っていたのだから、別のやり方を探しましょうよと。これがプロ経営者の見方です。

――ところで、プロ経営者にとって最も大変な仕事はなんでしょうか。

山田 企業文化を変えることです。これは大変な仕事です。成功した例に稲盛和夫氏が日本航空の企業文化を変えたことが挙げられますが、稲盛氏はプロ経営者として禁じ手を使いました。それは社長在任中に無報酬だったことです。無報酬で懸命に働きかければ、社員はついてきます。しかし、仕事として経営を引き受けるのですから、普通は無報酬で働くわけはいきません。

――やはり無報酬は禁じ手ですか。

山田 それは禁じ手ですよ(笑)。

■大塚家具

――本書では、大塚家具にかなりのページを割いて取り上げています。山田さんが大塚家具の再建を依頼されたら、どんな手を打ちますか。

山田 大塚家具は価格のポジショニングを間違えて失敗しました。元会長の大塚勝久氏の時代には高価格帯で手厚い接客という整合性がありましたが、大塚久美子氏が社長になって中価格帯に切り替えて接客も担当制を廃止したら、富裕層に逃げられ、中間層も取り込めませんでした。課題は、価格のポジショニングとターゲット層をどう設定するかです。

 中価格帯と低価格帯に移行すると、ニトリとイケアが待ち構えていますが、ニトリとイケアは製造小売業なので、流通小売りだけの大塚家具は構造的に勝負できません。そう考えると勝久氏の路線は悪くなかったのです。ところが店舗数が多すぎました。反面教師はカッシーナです。富裕層を対象にして日本に4店舗しか設けていません。大塚家具の店舗数は17店舗ですが、縮小均衡を図るべきです。店舗数を減らせば売り上げも減りますが、固定費を削減できて黒字に転換できる道が開けます。

 じつは、3月24日の大塚家具の株主総会に出て今後の店舗展開について質問したら、久美子社長はスクラップ・アンド・ビルドによって、いくつかのジャンルの店を計60店舗出店する計画だと回答してきました。

 一方で、久美子社長の業況説明では、固定経費で一番足を引っ張っているのは家賃だというのです。これだけでも戦略的に辻褄が合いません。もし私が経営会議に出席すれば「それはおかしいでしょう。売り上げが伴わなかったらどうするのか?」と質問しますが、答えられない経営者はバツ印です。大塚家具の場合、店舗数をカッシーナの倍の8店舗ぐらいに減らして、富裕層にターゲットを絞れば利益が出るようになると思います。

――その戦略を実施するには、久美子社長の存在がネックになりませんか。

山田 そうです。久美子社長には、経営者の資質がないのではないでしょうか。一昨年に勝久氏を放逐して全権を握り、初めてフリーハンドで経営に当たった最初の通期決算である2016年12月期に、売上高が前期比20%減の463億円、営業利益は前期に4億円でしたが、マイナス46億円に転落させてしまいました。社長としてダメでしょう。

――今後の大塚家具はどうなりそうでしょうか。

山田 ファンドの傘下に入って、ファンドがプロ経営者を送り込んで再建するか、あるいは経営悪化がさらに進行して転落していくか。どちらかになるのではないでしょうか。

■三越伊勢丹

――今年3月に社長が交代した三越伊勢丹ホールディングスは、どのような手段で再建すればよいと考えていますか。

山田 小売業界で最も業績が優れている大手はイオングループですが、イオングループの収益構造を見ると、小売りよりもテナントの賃料で収益を上げています。イオンモールをつくってテナント料を得るという安定した収益構造になって、いわば小売業からデベロッパーに転換したわけです。

 同じように三越伊勢丹ホールディングスも事業構造を入れ替えて、デベロッパーやショッピングセンターへの転換を図るべきです。これができれば人件費など固定費を大幅に削減することも可能です。

――多くの社長人事を見て思うのは、社長に就任させる人材は育てるものではなく、見つけるものであることです。

山田 確かにそういう面はあると思いますが、それは日本のビジネススクールのあり方にも問題があります。アメリカと違って日本のビジネススクールはこれから経営者を目指す30歳前後の人たちを対象にしていますが、彼らが独立しても成功するかどうかはわかりません。この現状に対して、私が「リーダーズブートキャンプ」を主宰して取り組んでいるのは経営者の教育です。受講者には、一部上場企業の経営者や、受講を経てIPOを果たした経営者などもいます。

 経営者の必須要件は、リーダーシップ、戦略策定力、マネジメント力の3つです。社長になるような人はリーダーシップを身に付けていますし、マネジメント力はルーティンワークが対象なので、これも修得しています。経営者が伸びるには戦略策定力を強化することで、MBA流を叩き込むことが有効です。

――いろいろとリアルなお話を聞かせていただきました。ありがとうございました。

▲△▽▼

2018年03月03日
大塚家具 資金ショートで存続危機か


新しいスタイルは高級家具を買う層には受け入れられず、安い家具が欲しい人はニトリに行く
引用:流通ニュースhttps://www.ryutsuu.biz/images/2017/03/20170303ootsuka-2.jpg


薄利多売路線が裏目

親子喧嘩で娘の久美子社長が経営権を握った大塚家具が、2年連続の赤字で倒産の危機にあると言われている。

赤字なのに無理をして配当を出していて、資金繰りが悪化してショートする恐れもあると報道されています。

2016年に45億円の赤字だったのに続き2017年は72億円の赤字になり、それまでに蓄えた潤沢な資金もなくなりつつある。

関係者によると毎月5億円が運転資金の赤字で消えていて、年間60億円になり計算は合う。

久美子社長は経営権争奪戦のとき、株主に1株80円の配当を約束して委任状を得て社長になった経緯があった。

配当金は40円に引き下げられたが、半分に減らしても配当金7億5000万円が大きな負担となっている。


2年前に340億円だった自己資本は176億円に半減し、3月下旬の株主総会まで持たないのではという声すら出ている。

ピーク時の2006年には売上高700億円で経常利益53億円だったが、2017年は売上高410億円で純損失72億円となった。

家具は回転の悪い商品で売れるまでに1年もかかり、仕入れと在庫、商品説明などに有形無形のコストがかかる。


父親の匠大塚は少数高級路線

父親で創業者の大塚勝久氏の伝統重視に対し、娘の久美子新社長は安い商品を大量に仕入れて回転を早くするプランを示した。

だが大塚家具は地価の高い地域に狭い店舗という高級家具に向いた店舗展開をしていたので、イケアやニトリのような広い敷地はなかった。

狭い店舗にどこにでもある安い商品を並べても品揃えが少なく、イケアやニトリほど安くもできなかった。


久美子社長が提示した経営プランは今までのところ行き詰っていて、父親の勝久氏が立ち上げた「匠大塚」より早く倒れる可能性も出てきた。

その匠大塚は経営状態はわからないものの、東京日本橋にオフィス、春日部に本店を構えて高級家具の販売をしている。

経営方針はかつての大塚家具より、より一層高級に振っていて、来店客1人に店員1人がつきっきりで応対する。


逆にずっと付いて来られると冷やかしでは入店しにくいので、入店するのは購入意思がある人だけになる。

入店するとアンケートの記入を求められ住所氏名を記入し、後日「案内状」が届けられるので、事実上の会員制に近い。

匠大塚のスタイルの方が、規模が小さくても少数の顧客を満足させ、一定の利益を上げるのに向いていると考えられる。


対する大塚家具は薄利多売にシフトした以上、数を売らねばどうにもならないが、その売上がむしろ以前より低下している。

売上が低下した上に利益率も低くなったので、非常に苦しい経営を強いられている。
http://www.thutmosev.com/archives/75130342.html

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大塚家具、久美子社長の辞任拒否で再建計画進まず…辞任が条件の支援元候補と交渉難航
https://biz-journal.jp/2018/08/post_24439.html
2018.08.15 文=山田修/ビジネス評論家、経営コンサルタント Business Journal

 大塚家具が8月14日に2018年12月期上期決算(1−6月期)を発表した。この決算に注記事項として「当社には継続企業の前提に関する重要な疑義を生じさせる事象または状況が存在しております」と明記された。

 この「継続企業の前提に関する注記」を契機として、マスコミは一斉に大塚家具の経営問題を取り上げた。私も8月15日放送のテレビ番組『ワイド!スクランブル』(テレビ朝日)に出演して解説したが、3年連続の赤字決算を受け、大塚久美子社長の経営責任は免れない。

■倒産可能性のイエロー・カードが出た

 同番組での解説コメントは以下のとおり。

――3年前の経営権争いの結果、娘の久美子社長が勝利して、父の大塚勝久氏は幹部を引き連れて新会社を設立しました。結果として大塚家具に何をもたらしたでしょうか?

山田 大塚家具にとっては何もいいことはありませんでした。まず、親子喧嘩によるイメージダウンがとても大きなホディブローとして残りました。次に、匠大塚を創業した勝久氏を慕って、大塚家具から多くの幹部や社員が移籍しました。これにより、大塚家具側の経営力、組織力は間違いなくダウンしました。移籍した社員たちに付いていた固定客も、大塚家具から離れて行ったと思われます。

 それと直接的なことは、匠大塚は創業の翌年である2016年に埼玉県春日部市に匠大塚本店をオープンさせます。春日部は大塚家具の創業地で、大塚家具の大型旗艦店があったところです。この店に勝久氏は真っ向から競合をかけたわけです。

――どうなりましたか?

山田 この前、つまり2018年の5月のことですが、大塚家具は春日部店を閉鎖してしまいました。

――「業績の悪化で経営の先行きに不透明感が高まっている」として投資家に注意を促したというのはどういう意味ですか?

山田 これはずいぶん重大な指摘でして。わかりやすく言うと、「場合によってはつぶれる恐れがある」ということなので、この会社の株を買おうとしている人は気をつけなさい、ということです。

――そんなに見かけないことですね。

山田 はい。会社側としては好んでこんな注記を付けたいとは思わないわけです。その会社を監査している監査法人が、「その注記を付けないと監査を終了できない」と強行に出た場合のみ付く注記です。

――その会社があとになって倒産した場合、なんの注記もなければ今度は監査法人が責任を問われてしまうからですね。

山田 そのとおりです。いわば、監査法人からその企業の存続についてイエロー・カードが出たわけです。

■高級家具という企業イメージを毀損した久美子社長

――久美子社長体制になったのは2015年ですが、その年の業績は良かったわけですが。

山田 その年は、「感謝セール」を大々的にやった効果が出ました。しかし、大塚家具としてはセールなどやってはいけなかった、つまり禁じ手だったのです。

――というと?

山田 高級家具、それを扱う大塚家具自体が高級ブランドだったわけです。高級ブランドが安売りセールをしてはいけない。従来顧客は幻滅してしまいます。2016年からの売上急減は、2015年の反動と見ることができます。

――大塚家具はこれからどうしたらよいのでしょう? ニトリやイケアと競合するということは可能でしょうか?

山田 ニトリ、イケアと戦ってはいけません、勝つ見込みはありません。というのは、ニトリもイケアも自社でつくってそれを販売するという「製造小売」という業態です。一方、大塚家具は流通業で、「仕入れて売る」わけですから、ビジネス構造が違うわけです。

――久美子体制を続けていくとなると?

山田 独自路線で生き残るには、縮小均衡しかないでしょう。店舗数を減らす、あるいは大型店舗の床数を少なくするなどです。というのは、大塚家具で最大の出費項目は店舗の家賃だからです。

■経営権に固執する久美子社長、しかし業績を見れば

 大塚家具は現在、複数社と支援を求めて交渉をしていると報じられているが、すでに提携関係があるティーケーピー(TKP)もその一社だ。TKPの主要事業は貸し会議室で、大塚家具の大型店舗の上層階を貸し会議室に転用するなどの協業が行われている。同社は大塚家具の株式の6%ほどをすでに保有していることから、支援元候補として取りざたされている。

 TKPの場合で私が危惧するのは、その規模感だ。同社の年商は200億円台で、大塚家具の今年度予想の半分程度である。小が大を飲むということはないではないが、貸し会議室化によりどれだけ業績が好転するのか、私は大きな確信を持てない。

 父である勝久氏が久美子社長のことを心配していて、「電話一本でもくれれば」としているそうだ。しかし、勝久氏のことを放逐した立場の久美子氏としては、一番お願いしたくないのが勝久氏だろう。それに匠大塚の側でも、企業としての大塚家具を救済するほどの企業ステージにはないはずだ。勝久氏の出番があるとすれば、大塚家具を救済した事業会社なりファンドから指名要請されて「雇われ経営者」として復帰する道筋しかありえないだろう。

 問題はTKPの場合に限らず、他の支援元候補として報じられた企業が一様に久美子社長の退陣を条件としたのに、久美子社長がそれを頑なに拒んで案件が前に進まない、と報じられていることだ。

 今回の決算での「継続企業の前提に関する注記」を持ち出すまでもなく、2015年の社長再着任以降の同社業績の急激な悪化は明らかで、現経営陣の経営責任はとても免れない。今の状態で久美子社長が退任してもよし、そうでなければ買収などで支援元になった企業やファンドが新社長を送り込む、あるいは外部から招聘する、このようなスキームを久美子社長が受け入れることが、社長をのぞくすべてのステークホルダーの望むところだろう。

 今年度も引き続き大幅な営業赤字が予想されている。優良企業だった大塚家具の現預金は10億円強まで減ってしまって、今期の赤字によりマイナスに転換する。これは、現在は無借金経営の同社が金融機関からの融資に頼る普通の会社に成り下がることにほかならない。大塚家具にとっても、久美子社長にとっても、残された時間はいよいよ少なくなった。


▲△▽▼

支援企業が呆れる「大塚家具」かぐや姫 久美子社長の無理難題
8/17(金) 6:01配信 デイリー新潮

絶体絶命


 5人の貴公子から言い寄られる『竹取物語』のかぐや姫は、相手に諦めさせようと、それぞれに無理難題を持ちかける。父娘の親子喧嘩から3年が経ち、身売り話が持ち上がる大塚家具の“かぐや姫”こと、大塚久美子社長(50)もまた、無理難題を吹っかけて、周囲を呆れさせているのだ。
.

 その苦境について、経済部記者が解説する。

「久美子社長はお父さんの勝久前会長が進めていた高級家具路線を転換し、イケアやニトリとも競合する中価格路線を目指しました。ですが、昨年は最終損失が72億円という大赤字を叩きだし、今年も店舗売上で15から20%ほどのダウン。昨年以上に業績が悪化しています。仕事をすればするほど損している状況です」

 3年前に100億円以上あったキャッシュはすでに10億円にまで減少。自主再建は困難で、支援先を探さざるを得ないのだ。実際、大塚家具の顧客の一人は、

「8月5日まで最大60%オフのセールのポスターが張られていた割には、店内は閑散としていて、客より店員の方が多かったですね。店員しかいないフロアーもあったくらいです」

 店内を見れば、先の数字も納得できるというわけ。
.

東京湾に…

 ところが、

「この状況でも、久美子社長は我儘を言っています」

 と、先の記者。

「性格は父親と瓜二つで、一度決めたものは曲げない。以前から“自分の手で黒字化”と話していた通り、今回も、支援企業に増資を引き受けてもらうことによって、“真水”である資金を確保した上で、経営権を譲渡することは渋っているのです。昨年もある企業が援助に名乗りを上げたのですが、断っています」

 彼女に振り回されたのは社員も一緒だ。

「一橋大学から銀行に就職した彼女はエリート意識が強い。ある幹部社員はミスを責められ“東京湾に沈めるわよ”と罵倒されていました。特におじさん社員が嫌いで、店長にねぎらいの言葉もかけません。現場の士気は下がるばかりで、“あの人はド素人だ”とこき下ろす社員もいましたね」(大塚家具関係者)

 その癖、自身の周りは“お友達”で固めようとする。

「社員と話が合わないので、社外取締役に自身の知人を起用したり、幹部社員をヘッドハンティングしてきたこともありました。しかし、その幹部の多くは辞めてしまいました」(同)

 さらに身内とも、

「お父さんとは絶縁状態で、相談している様子もありません」(同)

 作中のかぐや姫は求婚を断り続け、月へ帰る。一方、こちらの姫が戻る場所はもうない。

「週刊新潮」2018年8月16・23日号 掲載


▲△▽▼

2018年08月21日
大塚家具 久美子社長はなぜうまくいかなかった?

久美子氏は優秀な部下ではあったがオーナー社長には向いていなかった


画像引用:https://s3-ap-northeast-1.amazonaws.com/storage.withnews.jp/2015/02/27/c/78/c78fb8f8-l.jpg

エリート社長が失敗する例

大塚家具は経営難から父親の勝久社長がしりぞき、親子対決の末に長女の久美子社長が経営権を握りました。

だが2018年に資金難が表面化して銀行からも融資を断られ、買収先を探しているといわれています。

久美子社長は決して放漫経営でも実績がなかったわけでもなく、成功が確実視されていたのにどうしてこうなったのでしょうか。


久美子社長は大卒後に邦銀の総合職を務めた後で大塚家具に入社し、10年間重役をを歴任したあとコンサルティング会社で独立しました。

5年後の2009年に復帰して代表取締役に就任し2015年に社長に就任、社長になるまで15年間大塚家具で重役を務めました。

重役としては極めて優秀で株主からの信頼も厚く、だからこそ勝久氏を退けて社長に就任できた。


久美子社長は2009年から2014年まで5年間、株主らに請われて大塚家具に復帰し社長に就任し、この時は不振だった業績を立て直した。

厳格な会員制の勝久氏に対し、久美子社長は気軽に入れる店を目指し、好評を得ていた。

最初は良かったが業績が悪化すると親子対立が表面化し、ついに勝久氏を追放して久美子体制になった。


エリート社員は社長に向かなかった

だが勝久氏がいなくなって、自身が社長に就任してみると一回目の社長就任時ほどうまく行かなかった。

一つは創業からの社員の多くが勝久氏について退社してしまい、人材不足に陥ってしまった。

残ったのは商品や家具についての知識に乏しい人が多く、外部からヘッドハンティングしたりした。


二つ目は久美子社長のカジュアル路線は勝久氏の高級路線と組み合わせて有効だったが、カジュアルだけでは機能しなかった。

「高級家具なのにカジュアルな雰囲気」なら支持されたが、ただカジュアルなだけではイケアやニトリと同じになってしまった。

久美子社長が掲げる低価格大量販売はモデルとして古くなっていたうえに、大塚家具には合っていなかった。


三つ目は久美子社長は社員や重役として優秀だったが、社長には向いていなかった。

報道では久美子氏はかんしゃくを起こしやすく、古参社員に怒鳴ったり口を極めて非難していた。

自身にエリート意識が強すぎて部下を圧迫してしまい、社内は戦々恐々としているとも報道されている。
http://www.thutmosev.com/archives/77267978.html

 

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コメント
1. 中川隆[-15245] koaQ7Jey 2019年11月28日 10:42:08 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-2323] 報告

毎月5億円が流出する大塚家具の超危機的状況 2019/11/28w

父勝久氏(左)と面会し、赤いバラを贈った大塚家具の大塚久美子社長(右)=2019年4月26日、東京都渋谷区© PRESIDENT Online

大塚家具が極度の不振から抜け出せずにいる。11月14日に発表された決算では、売上高が前年同期比23.2%と大きく落ち込んだ。店舗経営コンサルタントの佐藤昌司氏は「現預金の減少スピードが著しく、来年の春までに尽きる可能性がある。お家騒動から4年がたった今も悪化したイメージが回復せず、厳しい状況にある」と分析する——。

10月の既存店売上高は前年比23.5%減

大塚家具は11月14日、2019年1〜9月期の単独決算を発表した。売上高は前年同期比23.2%減の210億円、最終損益は30億6200万円の赤字(前年同期は30億5300万円の赤字)だった。売上高は大きく減り、最終赤字はわずかではあるが拡大した。1〜9月期における減収と最終赤字は5年連続となる。

既存店の不振は続いている。この1〜9月の既存店売上高は9月こそ前年を上回ったが、それ以外の月は全て前年割れだ。10月にいたっては前年同月比23.5%減と大幅なマイナスになっている。昨年の9月下旬から11月下旬にかけて実施した「在庫一掃セール」で前年の水準が高かったことと、今年10月の消費税増税前の駆け込み需要の反動という特殊な事情はあるが、これらを考慮しても厳しい状況にあることは明らかだ。

同社といえば、2014年に起きた大塚久美子社長と創業者で父親の大塚勝久氏による「お家騒動」が色濃く記憶されている。経営権を巡って争ったこの騒動が大きな要因となって、販売不振に陥った。それが今も尾を引いているわけだが、販売不振に加えて財務状況の悪化が大きな問題となっている。

現預金は100億円超から22億円に

特に問題なのが現預金の減少だ。今年9月末時点の現預金は昨年末から約10億円減って21億9000万円になった。勝久氏が大塚家具から去って久美子氏が全権を掌握した15年には100億円以上あったことを考えると、現在の水準は危機的と言えるだろう。

現預金は来年の春までに尽きる可能性がある。企業が営業活動で獲得した資金である「営業キャッシュフロー」は厳しい状況にあり、19年1〜6月期は29億円のマイナスだった。単純計算で毎月約5億円のキャッシュが営業活動で流出したことになる。販売不振がこのまま続き、土地など資産の売却や金融機関からの借り入れといった営業活動以外の面で資金を獲得できなければ、半年もたたずに現預金がなくなる可能性がある。

また、そうした資金確保が実現したとしても、結局のところやはり営業活動で資金を獲得する必要がある。そうでなければ、調達できたとしても資金は右から左に流れるだけだ。

今後は外商とネット通販に注力する方針

もちろん大塚家具は対策を何も講じていないわけではない。リストラを進めてコスト削減を図り、この面ではある程度成果を出している。ここからは売り上げを上げられるかが問われてくるが、施策として、国内では店舗販売は従来より縮小させる一方で、法人や個人の顧客を訪問して販売する「外商」とインターネット販売を強化して売り上げを向上させたい考えだ。また、提携企業への販売や海外市場の開拓にも力を入れていくという。

つまり、今後は国内の店舗の重要性は相対的に低下していく見込みだ。ただ、なくてはならない収益源であることに変わりはない。業績を改善させるには、店舗販売を伸ばす施策が欠かせない。

そこで特にネックとなるのが、現在の大塚家具のイメージだ。お家騒動により消費者の間に「骨肉の争いを繰り広げた会社の家具を部屋に置きたくない」といった同社に対するマイナスの感情が広まってしまい、イメージは大きく悪化した。それにより顧客が遠ざかり、業績が悪化していった。

イメージの悪化が業績下落につながった例は多数

ごく当たり前だが、企業のイメージの良しあしは販売に大きな影響を及ぼす。イメージ悪化で業績が悪化した企業は少なくない。例えば、居酒屋大手のワタミが典型例だ。同社は過酷な労働実態が問題になり、「ブラック企業」との批判を受けてイメージが悪化した。これが影響して客足が遠のくようになり、業績が悪化した。

ワタミは事態打開のため、イメージの悪い“わたみ”の名を冠した居酒屋「和民」「わたみん家」を“わたみ”の名を冠していない居酒屋「三代目鳥メロ」「ミライザカ」に転換していった。この“ワタミ隠し”が功を奏し、売り上げが上向くようになった。これはイメージの良しあしで売り上げが大きく変わった最たる例といえるだろう。

回転ずしチェーン大手のくら寿司と定食チェーン「大戸屋」を運営する大戸屋ホールディングスも、今年2月に「バイトテロ」に見舞われて以降、既存店売上高が苦戦するようになった。

こうした原理は当然、大塚家具にも作用する。もっとも、海外展開において国内でのイメージ悪化はほとんど関係がないし、国内でも法人営業であれば個人客ほどその影響は受けない。海外展開や法人営業を強化するのは、こうした事情もあるだろう。だが、国内の店舗販売を収益源として維持するためには、イメージを向上させる施策がやはり欠かせない。

「親子の和解」を試みるも失敗した

そのためにもっとも有効なのは、もちろん「親子の和解」だろう。それを意識してか、久美子社長は今春、新たに設立した業界団体「スローファニチャーの会」の名誉会長に就任するよう勝久氏に直接要請し、和解を試みている。2人の面会は4年ぶりで、注目が集まった。しかし、勝久氏はこの要請を断り、和解は幻に終わった。

ネット上では「勝久氏を名誉職に祭り上げようとした」「渋々和解を試みた」「業績回復のために父親を利用した」など、久美子氏に対して否定的な意見が多く飛び交った。勝久氏が要請を断ったのも、こうした久美子氏の狙いを嫌ってのことだろう。結果として世間に「茶番劇」を見せた形となり、イメージ回復どころか、さらなるイメージ悪化につながった印象さえある。

両者の間には、当人にしかわからない複雑な事情があるのだろう。だが、それは消費者には関係のない話だ。そういった私情を消費者が目にする場に持ち出して、経営にプラスに働くはずがない。大塚家具は消費者の気持ちを無視した経営を行っているといえるが、そうしたやり方で成功した企業を筆者は知らない。

大塚家具が復活を遂げるには、消費者が抱いている「骨肉の争いを繰り広げた企業」というイメージの払拭が必要だ。いずれにせよ抜本的な対策を講じる必要があるだろう。残された時間は少ない。
http://www.msn.com/ja-jp/news/money/%e6%af%8e%e6%9c%885%e5%84%84%e5%86%86%e3%81%8c%e6%b5%81%e5%87%ba%e3%81%99%e3%82%8b%e5%a4%a7%e5%a1%9a%e5%ae%b6%e5%85%b7%e3%81%ae%e8%b6%85%e5%8d%b1%e6%a9%9f%e7%9a%84%e7%8a%b6%e6%b3%81/ar-BBXrjaG?ocid=ientp

2. 中川隆[-15023] koaQ7Jey 2019年12月24日 12:47:31 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-2057] 報告
数字で見る大塚家具、企業価値は4年で6分の1に・・・久美子社長のスゴイ経営手腕
2019年12月24日掲載
https://www.dailyshincho.jp/article/2019/12241101/?all=1


 大塚家具がヤマダ電機傘下に入ったことは、デイリー新潮「大塚家具がヤマダ電機に身売り 久美子社長の会見に“社員と株主は気の毒”という声」(12月16日配信)で報じたとおりだ。子会社となっても、社長に居座る大塚久美子社長(51)の“実績”を、数字で振り返ってみよう。

 ***

 久美子社長が大塚家具の社長に昇進したのは2009年3月のことだ。1969年の創業以来、社長を務めてきた父・勝久氏(76)が会長に退き、彼女を引き上げたのだ。09年からの売上高、純利益、そして現預金の推移は以下の通りである(註・2019年の数値は第3四半期に発表された数値)。


数字で見る大塚家具(1) 売上高&純利益&現預金
https://www.dailyshincho.jp/article/2019/12241101/?photo=2

 09年から15年まで、売上高だけを見れば大きな変動はないと言っていいだろう。関係者が言う。

「先日の身売り会見でも、『私が大塚家具の社長を引き受けましてから、11年が経ちました』と久美子社長が話していたように、確かに09年に社長に就任しています。しかし、当時は会長に勝久氏がいて、経営全般に目を光らせていました。そのため、彼女が社長に就任してからも毎年500億円以上の売上がありました」

 会員制で高級家具に特化して会社を大きくしてきた父に対し、久美子社長は「大塚家具は高級家具だけを売っているのではない。会員制ビジネスを見直し、気軽に立ち寄ってもらえる店舗づくりをしていく」と、イケアやニトリを意識したやり方を展開しようとした。だが、それが原因で勝久氏と対立する。

「業績不振を理由に久美子社長は14年7月に解任され、勝久氏が社長に復帰します。彼女がやりかけた、“おしゃれなお店”もすべて閉店した。しかし、彼女はそれで納得する人ではなかった。15年1月の取締役会で、久美子の社長復帰・勝久の会長専任が決定されます。続く3月の株主総会では、父娘が経営権を巡って、株主の委任状の争奪戦、いわゆるプロキシーファイトに発展し、お家騒動、親子げんかと報じられたのはこの頃のことです。委任状の過半数を集めることに成功した久美子氏が勝利し、勝久会長は退任させられます。つまり、久美子社長が独り立ちし、完全に自分のやり方ができるようになったのが15年。ここから全店の模様替えやロゴマークの変更、中古家具の取り扱いも始めるなど、彼女のやりたかったことが前面に出てきます。やはり、この年がターニングポイントでしょうね」(同・関係者)

 15年は、親子げんかで世間を騒がせた“お詫びセール”が注目され、売上が上昇した。だが翌16年以降、売上は落ち続け、純利益も毎年赤字となっていく。現金も減る一方だ。

「16年以降、大塚家具は泥沼の経営状況が続きました。一度成功したセールが止められなくなり、儲けにも繋がらない。赤字は16年に45億円、17年に72億円、昨年は32億円、今年はまだ第3四半期(1〜9月)までしか発表されていませんが、すでに30億円の赤字です。売上高は210億円で、このままなら年末は260億円程度ではないでしょうか。となると、彼女は名実ともに実権を握ってから、売上をほぼ半減させたとみることができます」(同・関係者)


市場は久美子社長を歓迎した

 奇遇と言うべきか、当然なのか、半減させたのは従業員数にも当てはまる(註・2019年の従業員数は中期に報道されたもの、そのほかは未発表)。

「従業員は15年までは安定しており、大塚家具は大体1750人程度でした。しかし、16年に1662人、17年には1489人、昨年は1264人にまで減っています。そして今年は、6月の中間期の報道では約1080人でした。昨年末から6月までにおよそ180人、つまり1日1人が辞めていった計算になる。このままですと年末には900人前後となる計算です。従業員も半数にしてしまったわけです。そして従業員の平均年齢は上がっています。やはり若い人のほうが再就職もしやすいですからね。かわいそうなのが残った社員で、年収も減っているようです。店舗の売り場面積も従業員数に比例するように減っています」(同・関係者)

 となれば、当然、株価にも影響が出る。各年の最高値、最安値は以下の通り(註・2019年は暫定)。


数字で見る大塚家具(3) 株価
数字で見る大塚家具(3) 株価(他の写真を見る)

「やはり彼女が社長に復帰した15年がピークで、ここを境に落ちに転じます。15年の最高値2488円は3月3日で、取締役会で彼女の社長への返り咲きが決まった直後でした。当時の市場は、これほど彼女の復帰を歓迎していたわけです。株が下がり始めるのは16年の夏頃からでしょう。この頃はセールで\935(クミコ)価格などを打ち出していたわけですが、業績が悪化し、2度目の下方修正をしたときに株価が1000円を切るようになりました。“失望売り”とも、“株価までクミコになった”とも言われたものです。ただ今にして思えば、1000円を切ったぐらいでザワついた頃はまだよかった。以後は坂を転げ落ちるように、今年の最安値は10月の156円です。12月にヤマダ電機への身売りが発表され、2日連続ストップ高にもなりましたが、現在は232円(12月20日)です」(同・関係者)

300億円の企業価値が46億円に

 企業の価値を計ると言われる時価総額で見てみよう。株価は12月末の終値で算出している(註・2019年の数値は、身売り発表前日[12月11日]の終値162円。2020年の総発行数は、ヤマダ電機が実施する第三者割当増資[3000万株]などを含む最大値とした)。

「上場会社の社長の評価として、任期中に時価総額がどれくらい上がったかというのが、1つの評価指数となります。大塚家具の場合、勝久会長の下での久美子社長時代は200億円を下回る程度でした。ピークはやはり15年で、当時は300億円ぐらいの価値があったということになります。現在はヤマダ電機傘下となったことで、やや上がって60億円程度になっていますが、身売りが発表される直前の時価総額は46億円程度。つまり、彼女は大塚家具という会社の価値を250億円ほど下げたことになるわけです」(同・関係者)

 大塚家具の株は長年、1940万株で安定していた。しかし今年に入ってから中国のハイラインズに第三者割当増資を行うなどして2840万株に増えた。そして12月のヤマダ電機との提携により、同社が大塚の51%(およそ3000万株)を購入することになった。そのため、総発行数は年末までに、6746万株に倍増する。

「本業が鳴かず飛ばずで、株を発行することがあたかも本業のようになっている会社のことを、ネットでは“株券印刷会社”などと揶揄しています。そういう意味では、大塚家具も株券印刷会社のようですね。それにしても、彼女は既存の株主をどう考えているのでしょうか。持ち株の保有割合や議決権割合も希薄化していっているわけです。泣いている方もいると思いますけどね」(同・関係者)

 それでも久美子社長は社長を続投すると宣言している。

「これらの数字を見ても、彼女が社長として残る論拠となるものは見当たりません。それでも彼女は『やり遂げる』と言っています。売上が落ち続けた理由は、マスコミの報道による“ブランドイメージの毀損”と言い続けていますが、株価を見てもそれには当たらないことがわかります。むしろブランドを毀損したのは彼女自身としか考えられませんが」(同・関係者)

週刊新潮WEB取材班

3. 中川隆[-15022] koaQ7Jey 2019年12月24日 12:49:33 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-2056] 報告
大塚家具がヤマダ電機に身売り 久美子社長の会見に“社員と株主は気の毒”という声 2019年12月16日掲載
https://www.dailyshincho.jp/article/2019/12160601/?all=1

 とうとう身売りである。12月12日、大塚家具がヤマダ電機の子会社になることが発表された。デイリー新潮は「大塚家具、メーンバンクに見捨てられ年内がヤマ? 久美子社長はそれでも余裕」(9月30日配信)など、大塚久美子社長(51)では経営が成り立たないことをたびたび報じてきた。だが、関係者にとってはヤマダ電機がおよそ44億円を出資することとなって一安心……とはならなかった。彼女は子会社となってなお社長を続けると言うのだ。

 まずは12日、久美子社長とヤマダ電機の山田昇会長(76)が揃った記者会見より、久美子社長の挨拶を紹介しよう。

久美子社長:みなさま、本日は大変お忙しい中、お越しいただきまして誠にありがとうございました。さて、私が大塚家具の社長を引き受けましてから、11年が経ちました。その間、新しい時代、令和の時代にも通用する大塚家具のあり方を模索して参りました。大塚家具は、一人一人にとっての上質な暮らしを提供することをミッションにする、人の暮らしを豊かにする家具を提供するブランドでございます。この理念、DNAを継承し、時代に合った大塚家具にするために、あえて父の時代のやり方を変えなければならないこともありました。そのような観点から、今期までの抜本的な構造改革を行い、おかげさまで黒字まであと一歩というところまで来ることができました。そしてさらに新しい大塚家具を発展させるために、単に家具を提供するだけの企業ではなく、お客様の目線で生活提案ができるようにしたいと考え、ヤマダ電機様との提携を決めました。

――ここで、エッと思った方も少なくないのではないか。久美子社長が行ってきた“抜本的な改革”のおかげで、毎年数十億円もの赤字を出し、今年も11月14日に発表された第3四半期の決算で30億円もの赤字を計上している大塚家具である。ところが“黒字まであと一歩”と言うのだ。しかも、ヤマダ電機への身売りは、大塚家具の経営悪化のためではなく、あくまでお客のためだ、と言うわけである。彼女の発言はまだ続く。

久美子社長:2月の(ヤマダ電機との)業務提携発表以来、大塚家具からヤマダ電機様への人の派遣、商品の供給、そして7月には前橋におけるコラボ店舗の試みと、協業の実験を重ねてきました。そしてこの協業には、大きな可能性があると確信しております。ヤマダ電機と大塚家具が提携することで、家電・家具という枠を超えて、暮らしの新しい選び方を提案します。流通の都合ではなくお客様が選びやすい店作りを、一過性のファッションではなく心から愛せるお部屋作りを、暮らしを縦割りにしてきたこれまでの売り場をワンストップで買える場所に変え、広く多くの地域へ届けていきます。

――希望に満ちあふれた発言は、まるで新たな事業をスタートする新社長のようだ。

久美子社長:大塚家具の店舗においても、8Kテレビのようなハイスペック高級家電とラグジュアリーな家具を合わせて、トータルな空間提案ができるようになります。暮らしを縦割りにしてきたこれまでの売り場をワンストップで買える場所に変える。スタートは家電と家具という異なるジャンルですが、暮らしをトータルに提案するというゴールは同じです。今までのニッポンにない暮らしの新しい選び方を、ヤマダ電機様とご一緒に提供して参りたいと思います。ありがとうございました。

引き続き貢献

 言いも言ったり……と呆れるのは大塚家具の関係者だ。

「ここまで会社を駄目にしておいて、久美子社長から反省の弁は全くありませんでした。ヤマダ電機との資本提携を発表したリリース(「ヤマダ電機との資本提携契約の締結、第三者割当による新株式および新株予約権の発行 並びに主要株主、主要株主である筆頭株主及び親会社の移動に関するお知らせ」)を見ると、巷間言われていた通り、現金がなくなっていることがわかります。営業キャッシュ・フローは来年2月には1億4800万円になる計算で、翌月には資金が不足する可能性があるとまで書いてある。もはや倒産か身売りしかなかったんです。だからこそ、大塚家具の社員や株主たちは、久美子社長はここまで経営を悪化させた責任を取り、辞めざるを得ない、辞めるべきと、誰もが思っていたはずです。会見翌日の新聞を見てもそれがよくわかります」

 13日付の新聞各紙の見出しは以下の通り。

●「大塚家具、曲折の末 路線転換が裏目、資金繰り難航 久美子社長は続投 ヤマダ電機子会社に」(朝日新聞)
●「大塚家具 傘下入りで再生図る ヤマダ子会社に 久美子社長は続投」(読売新聞)
●「大塚家具を子会社化 ヤマダ電機 大塚社長は続投」(産経新聞)
●「大塚家具、ヤマダ子会社に 業績低迷、自力再建断念 久美子社長、続投表明」(毎日新聞)

 揃いも揃って「続投」の文字が並んでいる。

「“続投”がニュースになっていますね。質疑応答でも、『社長を続けるのか』『社長にとどまる理由は何か』などと質問が飛んでいましたが、のれんに腕押しでした。久美子社長は『引き続き頑張って貢献していきたい』と答えていました。まったく堪えていないどころか、これまで貢献してきたつもりのようです。自分だけが生き残れればいいという思いが透けて見える。大塚家具の株主はもちろん、株主でない人も、この会見を見て応援しようと思う人はいないのではないでしょうか。それが大塚家具のイメージの悪化、客離れにつながった最大の原因だと思います」(同・関係者)

 とはいえ、年商1兆6000億円(19年3月期)をほこるヤマダ電機の傘下となれば、さすがの大塚家具も変わるのではないか。

「確かにヤマダ電機は大きい会社です。しかし、前期の純利益は146億9200万円です。そこに赤字30億円の子会社は、けっこうなお荷物だと思いますよ」(同・関係者)


情にほだされた?

 なぜそこまでして、大塚家具を支えるのだろうか。

「日経新聞のコラム(12日付・電子版)にもありましたが、山田会長が情にほだされたのかもしれません。会長は久美子社長の父・勝久氏と同い年で、彼にも後継者と期待された娘がいました。しかし、02年、26歳で交通事故に遭い亡くなっています。生きていれば43歳、久美子社長を自分の娘と重ね合わせ、助けてやろうとしたのかもしれません。常識的に考えれば、とても出資しようとは思わないであろう会社なのですから、会長の鶴の一声で決まったのかもしれません。彼は最近あまり表に出ることのなかったのに、今回の会見にはわざわざ出てきた。これも久美子社長を応援したいという気持ちの表れでしょう」(同・関係者)

 会見でも父親のようだった。彼女の肩を持って、マスコミがネガティブな報道をしたことも売上減の一因であるような発言もしていた。

「彼女が父・勝久氏を追い出したときには、新たな女性経営者として持て囃されたんですけどね。マスコミが彼女の元から離れていったのは、言い訳ばかりで実行が伴わなかったからです。自分が完全に実権を握った15年以降、売上は下がり続けたのですから」(同・関係者)

 それでも山田氏は「チャンスを与える」と言っている。

「久美子社長ほど、チャンスを与えられながら、それを活かせなかった経営者も珍しいと思います。つまり、上場会社でありながら、創業者の娘というだけで、09年に社長となりました。それ以外に彼女が抜擢された理由は見当たりません。しかし、そのチャンスも実績が残せずに、14年に解任されます。翌年に返り咲き、株主総会でプロキシーファイトに勝ち、チャンスをくれた父を追い出して、やりたいようにやったものの失敗続き。TKPに出資してもらった10億円も、経営の立て直しには使わず株主への配当にしてしまった。何度となくチャンスを与えられながら、成果を全く残してません。今回の会見を見て、社員や株主が本当に気の毒だと思いました」(同・関係者)

 今回の資本提携のリリースには、出資金の使い途として、来年3月から22年12月にかけて、およそ3年で13億円を広告に使うとある。

「ブランドイメージが毀損したから、広告費をツッコんでイメージアップして、お客さんを呼ぼうというわけです。しかし、大塚家具、大塚久美子氏を知らない人はもはやいないのではないでしょうか。繰り返しになりますが、自分では全く責任を取らないし、非を認めようともしないという姿勢は、今回の会見でさらに強固なものになったかもしれません。お客さんにしてみれば、広告を出せば寄ってくると言われたら、バカにするなと思われかねません。そんなお金をかけなくても、イメージを変えたいなら、“ヤマダ家具”にしたほうが手っ取り早いですよ」(同・関係者)

 そもそも家具店と家電店のコラボに疑問もあるという。

「消費行動として家電店に行くのは、品揃えが豊富であり、値段も安いからです。そこで家具が一緒に買えたら便利だな、と思う人がどれだけいるのか……。山田会長はコラボ店に大塚家具を入れるようになって『以前は5万円の家具がなかなか売れなかったが、(大塚の)10万円や20万円と並ぶと、どんどん売れるようになった』と言っていたのも、なんだか大塚の家具はお客の目くらまし用に置かれているだけのように聞こえました」(同・関係者)

“黒字まであと一歩”と言っていた久美子社長に対して、「子会社としての利益は初年度は当てにしていないが、2年目以降は事業計画を立てていきたい」と言っていた山田氏との食い違いも気になるところだ。

 ともあれ、大塚家具は身売りしたことで、年内のヤマは乗り越えた。

「なかなか修正しなかった業績予想も、提携発表と同じ12日に、ようやく“未定”と発表しました。実質的な下方修正と見ていいでしょう。現金が入りますから、セールはなくし、通常モードに入ると思います。売上が毎月減っている現状がどう変化するのか、注目しています」(同・関係者)

週刊新潮WEB取材班

4. 中川隆[-12086] koaQ7Jey 2020年7月19日 09:08:02 : 4QXwIIK7dY : Z3YxRFBjTld1RTY=[4] 報告
大塚家具の看板が消滅する日 社長留任も崖っぷちの久美子氏
2020/07/19

大塚家具会長に就任するヤマダ電機の三嶋恒夫社長(左)と大塚久美子社長(時事通信フォト)© NEWSポストセブン 提供 大塚家具会長に就任するヤマダ電機の三嶋恒夫社長(左)と大塚久美子社長(時事通信フォト)

 ヤマダ電機傘下で経営再建に取り組んでいる大塚家具。だが、業績低迷に歯止めはかかっていない。経営主導権を巡る父娘の激しい“骨肉バトル”を繰り広げてから5年。大塚久美子社長は再び崖っぷちに立たされている。果たして、大塚家具はどうなってしまうのか。ジャーナリストの有森隆氏がレポートする。

 * * *

 ヤマダ電機による大塚家具の本格的な再生計画が始まった。

 7月30日、東京・江東区有明の東京ファッションタウンビルで第49回定時株主総会を開く大塚家具だが、2019年12月、大塚家具を子会社にしたヤマダ電機は社長の三嶋恒夫氏(60)を会長に送り込む。

 大塚家具社長の大塚久美子氏(52)は続投するものの、ヤマダからは取締役兼専務執行役員事業統括本部長の村澤圧司氏(58)、事業統括本部インテリア家電事業部長の名取曉弘氏(47)、経営企画室参事の清野大輔氏(45)が取締役として送り込まれる。

 大塚家具側は久美子氏の妹の夫である取締役専務執行役員流通本部長兼海外営業部管掌の佐野春夫氏(55)など3人が再任となる。ヤマダと大塚がそれぞれ4人、独立社外取締役の弁護士1人で取締役会(ボード)は構成される。社外取締役の陳海波氏(46)は退任する。

「陳氏は大塚家具の資本支援をとりまとめた人物。日中をつなぐネット通販、ハイラインズの社長です。中国大手の家具店、居然之家(イージーホーム)を呼び込む再建計画を立てた久美子は、『日本から一歩、歩みだす。中国の富裕層の取り込みを目指す』と大見得を切りました」(関係者)。

 しかし、再建計画は久美子氏の思惑通りにはいかなかった。

「陳氏は久美子氏の経営力を評価しておらず、『父・大塚勝久氏(77)との和解』を支援の条件としました。久美子氏は、自ら設立した業界団体の名誉会長に就任するよう勝久氏に説得しましたが、勝久氏は断った。これを口実に中国のファンドは出資を見送り、中国での展開も、通販サイトの利用も白紙に戻りました」(金融筋)

 振り返れば、大塚家具の父と娘の骨肉の争いは、連日、ワイドショーを賑わし、国民の好奇の目にさらされた。

 詳しい経緯は省くが、2015年3月の株主総会で父親に勝利し、「古い大塚家具ではダメだ」と声高に主張する久美子氏の改革は、結局、役員や従業員の支援を得られず頓挫。永年の宿痾(しゅくあ)だった赤字経営が一気に表面化した。

 父の勝久氏はすでに匠大塚というライバルの家具会社を立ち上げており、おいそれと大塚家具には戻れなかった。「久美子氏は勝久氏の手の内を読んで、一歩先を行った」(大塚父娘について詳しい関係者)と解説されている。

 そんなどん詰まりの窮状に陥った久美子氏に手を差し伸べたのが、ヤマダ電機の創業者で代表取締役会長兼取締役会議長の山田昇氏(77)だった。

「久美子氏は何度も山田氏に出資してくれと頼んでいたが、久美子氏がヤマダの子会社になる条件を呑まなかったため、なかなか話がまとまらなかったが、最後に折れた」(前出の関係者)

◆再建請負人はリフォーム事業の“切り込み隊長”

 ヤマダ電機が会長に送り込む三嶋恒夫氏は北陸が地盤の家電量販店「100満ボルト」を運営するサンキュー(福井市)の社長を務めていた。サンキューでリフォーム事業の切り込み隊長だったほか、サンキューを傘下に収めた家電量販店業界3位のエディオンでもリフォームを担当した。

 こうした住宅リフォーム事業の実績を買い、山田氏がスカウトし、2017年6月、執行役副社長にした。さらに、1年後の2018年6月、代表取締役社長兼代表執行役COO(最高執行責任者)に昇格し、異例の大抜擢と評された。

 創業者の山田氏は、「家電販売だけではジリ貧になる」との強い危機感を持っている。人口減少が続くなか、テレビなどの家電がどんどん売れる時代ではなくなった。インターネット通販のアマゾン・ドット・コムなど、強力なライバルも出現している。

 大量の仕入・大量販売を前提としたビジネスモデルを築いた山田氏は、その限界を強烈に意識している。「安いだけでは買わない」賢い消費者が主流になってきた。

 代わって山田氏が力を入れたのが住宅関連事業だ。2011年、注文住宅のエス・バイ・エル(現ヤマダ・エスバイエル)を買収した。

 2017年からは家電と住宅関連サービスの複合店「家電住まいる館」の出店を開始した。家電の売り場を縮小し、家具や住宅、リフォーム関連のスペースを拡大したのである。今では家電の売り場が店舗全体の半分しかない店もあるほどで、2020年3月末現在、「家電住まいる館」は109店にまで増えた。

 そんな「家電住まいる館」を担当したのが、ヤマダ入りしたばかりの三嶋氏だった。

◆家電と家具のコラボは相性良くない!?

 ヤマダによる大塚家具の再生計画は、家電と家具のコラボ展示から始まった。

 2月7日、ヤマダの旗艦店「LABI1日本総本店池袋」(東京・豊島区)、「LABI品川大井町」(東京・品川区)、「LABI1なんば」(大阪・浪速区)、「LABI LIFE SELECT千里」(大阪・豊中市)の4店舗をリニューアルオープンした。

 ソファやテーブル、椅子など大塚が扱う商品とヤマダの有機ELテレビや白物家電を組み合わせて展示。色合いを揃えるなどして実際に使用したらどうなるかを顧客がイメージできるようにした。

 池袋店の改装オープンは報道陣にも公開された。ゆっくりと店内を視察する会長の山田氏の後ろを、大塚家具社長の久美子氏がしずしずと歩む。大塚家具がヤマダの傘下に入ったことを象徴する光景だった。

 ヤマダ社長の三嶋氏は「単に家電を売るのではなく、テレビを楽しむために部屋をどう変えれば、より快適にできるかを提案する。大塚家具と協力して家電量販店の垣根を超えたい」と抱負を語る。

 その後、大塚家具は6月19日から全国7か所(有明、新宿、横浜みなとみらい、名古屋栄、大阪南港、神戸、福岡)のショールームで家電の展示販売を本格化した。

 各店舗のフロアでは、リビングやダイニング、寝室など暮らしのシーンごとに、家具やインテリアとマッチする家電を揃えている。テレビとソファ、ダイニングテーブルと冷蔵庫やスチームオープンレンジ、ベッドと空気清浄機といった組み合わせだ。デザインや色彩のトーンを上手に調和させている。

 当初は、3月の有明ショールームでの家電の展示販売を皮切りに、順次展開する計画だったが、新型コロナウイルスの影響で延期。緊急事態宣言の解除にタイミングを合わせ、7店舗一斉オープンとなった。三嶋氏が陣頭指揮を執る家具と家電のコラボ店への転換こそが、大塚家具の再生を左右することになる。

 小売業界にはこんなジンクスがある。「家具の家電はライバル。相容れない」(大百貨店の営業担当役員)。家具と家電はいずれも耐久消費財と区分されていて、購入頻度は低い。家具の良いものを買ったら、しばらく家電は買わない(買えない)、というのがサラリーマン家庭のサイフを握っている主婦の感覚なのだ。だから「家具と家電のコラボは砂上の楼閣」(前出の百貨店の営業担当役員)といわれている。

◆大塚久美子社長の“賞味期限”は、あと1年

 現状、大塚家具の業績は最悪だ。決算期の変更に伴う16か月変則決算の2020年4月期の単独決算は、最終損益が77億円の赤字だった。最終赤字は4期連続で赤字幅はどんどん広がっている。

 4か月も長い16か月もありながら売上高は348億円。12か月決算だった前期実績(2018年12月期、373億円)をも下回っている。新型コロナウイルスによる臨時休校や外出自粛要請で新学期の需要期にあたる3〜4月に客数が落ち込んだのが痛かった。

 同業他社と比べても大塚家具の落ち込みは際立つ。家具・ホームセンター大手の島忠の2020年8月期の売上高にあたる営業収益は、前期比3%増の1508億円、純利益は1%増の60億円を見込む。「家具を買い替える家庭が増えている」という“新常態”をうまく取り込み、数字として示した。

 絶好調なのは家具大手のニトリホールディングスだ。一時、全店の約2割にあたる110店で休業したが、2020年3〜5月期の連結決算の売上高1737億円、純利益255億円と過去最高となった。テレワークの広がりで仕事用の机や椅子が売れ、収納家具やキッチン用品も伸びた。

 似鳥昭雄会長(76)は決算会見で、「外食しなくなり、洋服も買わなくなった。そのお金が家の中で使われている」と分析した。家庭で豊かに暮らすために、使い古した家具とオサラバする人が増えているというのだ。

 緊急事態宣言で止まっていた人の動きが、解除を受けて徐々に戻りはじめているが、こうした消費を「リベンジ消費」と名付け、株式市場では盛り上がっている。コロナで外出を制限され、不要不急の買い物を我慢してきた人々の、新たな購買行動をリベンジと捉えている。

 大塚家具は、新たに家電の取り扱いを開始したことから、5月以降月次情報の開示をやめている。リベンジ消費の大波に、はたして乗れているのだろうか。

 山田会長は買収会見で、「ウチは結果主義。黒字にできるというからやらせる。(久美子社長に)1年任せる」と語った。久美子社長の賞味期限は、あと1年。2021年4月期に黒字転換できなければ、フェードアウトする運命にある。

 ヤマダ社内からは早くも「完全子会社(※2019年12月現在、51.3%の出資)にしたほうが合理的」という声が聞こえてくる。2012年に買収したベスト電器は完全子会社となり、上場廃止されている。

 上場廃止すれば、株価や株主への目配りをせずに、リストラを円滑に進めることができる。有価証券報告書の作成など上場を維持するために必要なコストも減らせる。

 このまま業績が上向かなければ、大塚家具の看板が消滅し、“ヤマダ家具”になる日は近そうだ。

https://www.msn.com/ja-jp/money/other/%e5%a4%a7%e5%a1%9a%e5%ae%b6%e5%85%b7%e3%81%ae%e7%9c%8b%e6%9d%bf%e3%81%8c%e6%b6%88%e6%bb%85%e3%81%99%e3%82%8b%e6%97%a5-%e7%a4%be%e9%95%b7%e7%95%99%e4%bb%bb%e3%82%82%e5%b4%96%e3%81%a3%e3%81%b7%e3%81%a1%e3%81%ae%e4%b9%85%e7%be%8e%e5%ad%90%e6%b0%8f/ar-BB16UxEY?ocid=ientp

5. 中川隆[-10271] koaQ7Jey 2020年11月02日 16:26:05 : 5KIfhlnuJY : UFhPRDFELnhqNkU=[27] 報告
大塚家具、久美子社長が辞任 株価はストップ高、今後はコンサルタントという悪い冗談
2020年11月2日掲載
https://www.dailyshincho.jp/article/2020/11020602/?all=1


 ついに大塚久美子社長(52)の名が、大塚家具経営陣の中から消える。10月28日、自ら12月1日付の辞任を申し入れ、取締役会が受理したのだ。その理由は、“過去の業績についての責任を明確にする”ためだという。ようやく、5期連続の赤字経営の責任を取る気になったかと思えば、さにあらず――。

 ***

 久美子社長の辞任が発表された28日、大塚家具は6月に公表するはずだった今期の業績予想も発表した。6月段階では、“新型コロナウイルス感染症のさらなる拡大や長期化への懸念”から合理的な算出が困難としていたためだ。

 これまでの業績を合わせると以下のようになる。

結局、赤字

大塚家具 業績の推移
https://www.dailyshincho.jp/article/2020/11020602/?photo=2

 今年4月期決算は77億円の赤字だった。これに比べれば、来年4月に予想される赤字は約29億円なので、確かに縮小されている。関係者が語る。

「それでも大赤字であることに変わりはありません。久美子社長の単独政権となった初年の15年12月決算こそ、かろうじて黒字でしたが、16年の決算以降、5期連続の赤字が決定的となったわけです。しかも今年4月期に比べ、売上高は落ちています。前期は16カ月決算という変則決算のため、今期を16カ月に換算すれば、400億円程度となり計算上は売上が伸びることになります。しかし、大塚家具の業績予想は期中に下方修正され、期末にさらに下回るということを繰り返してきました。来年以降、赤字幅が縮小される保証はありません」

“しくじり先生”として生きる?
 すでに大塚家具が上場廃止の猶予期間に入っていることは、デイリー新潮「大塚家具が上場廃止の猶予期間に突入 『久美子社長』が夢見るV字回復の見通し」(8月7日配信)で報じた。

「売上高がアップする要因として、ヤマダ電機とのコラボ店舗の拡大や新宿東口館の“大処分市”効果などを挙げています。しかし、予想売上高は18年12月決算より下回っているわけですし、“大処分市”は10月9日に始まったばかりのセールです。それらを加えても、まだ赤字です。さすがに親会社のヤマダ電機も、久美子社長の経営手腕に見切りをつけたというのが、本当のところでしょう」

 それでも業績予想は、こう結んでいる。

〈現在スピード感を以って取り組んでいる抜本的構造改革を期中に終える予定であり、来期黒字化に向けて道筋がつきつつあります〉

「彼女としては、最善策をとった上での勇退という形にしたつもりかもしれません。しかし、こうした前向きで強気の言葉に多くのスポンサーが翻弄されてきました。昨年12月にヤマダ傘下となった時には“黒字化まであと一歩”と言っていたわけですが、1年近く見守った結果がこれだった。大言壮語も、もはやここまで。今回、日経新聞まで、『2代目、現実直視できず 大塚家具社長辞任へ』(10月29日付電子版)と、辛辣に書いたほどです」

 一部抜粋すると、

〈赤字決算を発表する場でも経営不振についての総括や責任問題についてはあまり触れず、回復シナリオを説明しつづけた。「改革には時間がかかる」(16年の決算発表)、「残念な結果だが、今期はしっかりと立て直す」(17年の決算発表)、「黒字転換するのが自分の責務」(18年の決算発表)、「『攻め』に打って出る体制が整った。日本から一歩踏み出す」(19年の中国企業との業務提携・資本増強策発表後の会見)、「黒字化まであと一歩」(19年のヤマダホールディングス=HDとの資本業務提携の際)といった具合だ。どれも実現していない。(中略)ヤマダHDから更迭のプレッシャーを感じていたものの、自身のプライドが許さず、「辞任申し入れ」という形を取ったのかもしれない〉

 経営者として失格の烙印を押されたも同然である。実際、久美子社長退任が報じられるや、大塚株はストップ高に。

「結局、大塚株にとって彼女がお荷物になっていたことが証明されたわけです。彼女は株主利益を最優先とする“コーポレート・ガバナンス”を旗印に、父を追い出して経営を握りました。しかし、彼女こそがコーポレート・ガバナンスから外れていたわけです。5年も社長でいたために赤字経営が続き、株価は下がり続けた。あらためて株主や社員が気の毒ですね。今後はヤマダ電機の主導でどこまで回復できるか。すでに大塚家具という名を残す理由もなくなりました。看板は一新したほうがいいかもしれません」

父・勝久氏
父・勝久氏(他の写真を見る)

 それでも久美子社長は怯まない。

「自身のTwitterでは、〈私は今後も大塚家具を側面サポートしていきます〉と宣言しています。29日の『羽鳥慎一モーニングショー』(テレビ朝日)では、昨年3月から今年6月まで社外取締役を務めた、ハイラインズの陳海波社長が久美子社長の近況について答えていました。辞任発表した日に、彼女から電話があり、『コンサルタントをする、とか言ってました』と。現在、大塚家具に彼女のサポートを求める社員などいないでしょうし、彼女のコンサルを望む企業などあるはずはありません。『モーニングショー』のコメンテーター、高木美保さんが“しくじり先生”としてやっていけばいい、なんて言っていましたが、プライドの高い久美子社長にそれは無理です」

 彼女は今後どうするのだろう。

「結局、5年前に父・勝久氏が『ニトリさんとかイケアさんを意識してしまったら間違えます』と語っていた通りになってしまいました。彼女は、勝久氏が立ち上げた匠大塚に行くしかなくなるかもしれません。もちろん匠大塚の社員からの反発は小さくないでしょうが、父親にとって娘は可愛いはず。戻ってこいという気持ちもあるかもしれません。そもそも勝久氏が彼女を社長に抜擢したことから、お家騒動へと繋がったわけですし」

 行き場を失った“かぐや姫”が帰る場所とは?

週刊新潮WEB取材班


6. 中川隆[-10086] koaQ7Jey 2020年11月07日 18:29:13 : rBzhPMJiBc : eXgyN1czclhOai4=[38] 報告
デフレに飲み込まれた大塚家具の失敗 高級店のままが良かった
勝久氏が目指したのはロールスロイスやフェラーリ、久美子社長がやったのは軽自動車を大量に売るビジネス

引用:http://userdisk.webry.biglobe.ne.jp/030/794/39/N000/000/000/143697461531792642178_c78fb8f8-l.jpg

経営のプロなのになぜ失敗した?

大塚家具の大塚久美子社長は2020年10月に退任を発表したが、支援企業のヤマダ電機から強く要求されてのことだったとされている。

事実上のクビなわけで本人は続投を希望し、再建できると考えていたようです。

大塚久美子社長は大塚勝久先代社長の長女で、2015年に経営権を争った末に勝久氏を追放して経営権を握った。

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その後勝久氏は新会社の「匠大塚」を立ち上げ、注文生産とデザイン家具を販売し今も存続している。(未公開の為業績は不明)

久美子社長になった大塚家具はニトリやイケアを模倣した経営に転換するが、一度も業績が好転しないままヤマダ電機に買収され消滅した。

久美子社長は親のコネで社長になった無能な経営者に見えるが、そうではなく経営のプロであり社長に経営手腕を請われて経営を任された。


久美子社長の経歴を見ると、一橋大学経済学部を優秀な成績で卒業し、富士銀行で総合職を勤めた。

1994年に父が経営する大塚家具に入社し、経営企画部長、経理部長、営業管理部長、広報部長、商品本部長等を歴任した。

10年間重役をを歴任したあと自ら経営コンサルティング会社を設立し独立しました。


大塚家具の経営が傾いた5年後の2009年、株主らに請われて大塚家具に復帰し2014年まで5年間社長を務めた。

勝久社長で不振だった業績を立て直したことで株主らの信頼は絶対的なものとなったが、父娘の対立は決定的なものになった。


久美子社長が目指したのはニトリやイケアのように広い店舗で格安家具を大量に売るビジネスモデルだったが、これが大塚家具と合わなかった

勝久氏は家具のフェラーリを目指した

勝久氏の経営は「一見さんお断り」で会員登録しないと入店すらできず、逆に会員は客1人に店員がつきっきりで応対する。

言ってみれば家具界のフェラーリやロールスロイスみたいなもので、フェラーリが存続しているように悪いビジネスモデルではない。

だがバブル経済を経て大塚家具の主な顧客はバブル成金になり、バブル崩壊で大半は破産した。


デフレ不況を経た日本は二極化が進み、個人資産1500兆円以上を富裕層と呼ばれる人たちが保有している。

勝久氏の顧客だったバブル成金とデフレ富裕層は微妙に違っていたようで、マッチングの失敗だったと思われる。

新富裕層はIT企業家が代表例で、新しいものが好きで古臭いしきたりを嫌う傾向がある。


バブル成金は一戸建ての豪邸に住んでいたが、新富裕層は六本木ヒルズなどに住むので家具の種類も違ってくる。

おそらく中身は変えずにネット活用などでイメージ転換したら、家具のフェラーリになれたのかも知れません。

今までお金持ちにフェラーリを売る商売をしていたのに、久美子社長は軽自動車を大量販売するような事を始めた。


大塚家具は市街地の狭い店舗が多かったが、少数の富裕層が相手なので広い店舗は必要ありませんでした。

小さなショールームのような店舗で安売り家具を売った結果、客単価が絶望的に下がりすべての店舗が赤字転落した。

今まで店先で会員登録しないと入店できなかったのが、誰でも入店できるようになり少ない店員は客対応に追われるようになった。

以前の上客だった富裕層たちは店員の対応や品ぞろえに不満を持ち、大塚家具ではなくおやじの匠大塚などに流れた。

一度安売りに転換した店舗を元に戻すことはできず、5年で事実上消滅した。

2016年に45億円の赤字、2017年は72億円、20年は77億円の赤字と経営はなんら改善されていない。


結局久美子社長が最初に経営好転したのは「おやじの客」が利用したからで、久美子社長の客ではなかった。

久美子社長は経営のプロではあったが、客の心を掴むことはできなかった

http://www.thutmosev.com/archives/84308388.html

7. 2021年5月01日 14:55:22 : iFn8MDLkzI : MDE3MTROVWk5anc=[1007] 報告
22ニューノーマルの名無しさん2021/05/01(土) 13:40:47.79ID:7hOdICxR0> >23
久美子伝説 その1

久美子は一橋大学卒業後、大塚家具の主要取引銀行である富士銀行(現・みずほ銀行)に入社。
「得意先のお嬢さん」としての入社で、腫れ物を触るような扱いだった。
幸い美人だったし業務にあまり影響のない国際広報という部署へ回される。
3年で退社し、1994年に大塚家具へ入社。
色々な役職を歴任するが、どの部署でも評判はあまり良くなかったようだ。
2004年に大塚家具を一旦辞めて、広報やIRに関するコンサルタント会社を立ち上げる傍ら筑波大の法科大学院へ入学。
コンサル会社にありがちな中身のない会社で、経営実態もほとんどない。

2006年2月1日〜23日のあいだ大塚家具は自社株買いを行なった。
これは久美子が会長の勝久氏に強く進言したのを受けてのものだった。
名目は「乗っ取り防止」。
外資系ファンドなどが株を大量取得し、経営に口を出してくるのを防ぐのに持ち株を増やしておくべきだと強く主張する久美子。
大学で経営学を学んだ優秀な娘の言うことに従い、勝久氏は自社株15万7300株を買い増したのだ。
実際の指示は当時社長であった勝久氏が行なった。
続いて久美子は配当予想の修正を行うべきと進言する。
これが、久美子と外資系ファンドによって巧妙に仕組まれた罠であることにはこの時点では誰も気づいていなかった。
翌2007年、大塚家具はこの時の自社株買いの一部に関して証券監視委にインサイダー取引を指摘されることになる。
意図的に安値で買おうとした事実はなく、ただの法令錯誤であったと証券監視委も認め、約3000万円の課徴金納付命令の処分で済んでいる。
この処分を受けて久美子は
「社長自ら辞任すれば世間は大塚家具に対してクリーンな会社だというイメージを持ってくれる」
と強く主張し、勝久氏の社長辞任を強く迫る。
勝久氏はこの正論に抗えず、社長の座を降りることになる。
勝久氏が知らないところでインサイダー取引が行われたということで、久美子はコンプライアンス確立と同族経営脱却、及び相続対策を表向きの理由に別会社設立を勝久氏に訴える。
具体的には、資産管理会社の設立と社外取締役の受け入れ。
勝久氏は仕方なく了承し、久美子は大塚家具の持ち株会社「ききょう企画」を立ち上げ、自身がききょう企画の代表取締役に就任する。
ききょう企画は、大塚一族の持つ大塚家具の株式を買取り、代わりに社債を発行する仕組み。
勝久氏は130万株をききょう企画へ譲渡し、代わりに15億円分の社債(2013年4月までの期限付き)を受け取る。
(実はこれは筆頭株主であった勝久氏の持つ議決権を奪うのが真の目的だった。)
この時点でききょう企画が大塚家具の筆頭株主になっており、また久美子派の社外取締役が2人就任。久美子が社長になるための布石は着実に出来ていった。
ききょう企画の取締役として再び大塚家具に出入りするようになった久美子は
それまで年間700億あった売り上げをわずか1年で500億まで減少させた。
(のちに久美子はこの時の売り上げ減少を勝久のせいにし、2015年の株主総会で濡れ衣を着せる)

つづく

23ニューノーマルの名無しさん2021/05/01(土) 13:41:18.27ID:7hOdICxR0> >29
> >22

久美子伝説 その2

2009年に大塚家具の社長に久美子が就任。
(筆頭株主であるききょう企画の取締役代表は久美子なので、事実上の筆頭株主は久美子)
2013年頃から、久美子が安売り路線を提唱し始めるが、勝久氏それを認めず対立。
また勝久氏は、期限が切れた社債の換金もしくは株の返還をききょう企画(久美子)に迫るが、久美子は何だかんだと理由を付けて応じず、勝久氏はききょう企画を提訴(判決が出たのは2016年4月-勝久氏の完全勝訴)した。
上記のような出来事が重なり、勝久氏は2014年7月の取締役会で久美子を解任する。
久美子はマスメディアに積極的に自分有利な内部情報を虚実を混ぜてリークし、世間のイメージを味方に付ける作戦を展開する。
マスコミも親子喧嘩として面白おかしく取り上げた。
この間、勝久氏はマスメディアに一切情報発信していない。
ワイドショー化したら大塚家具のイメージダウンが避けられないことを深く理解していたからだ。
勝久が反論しないのをいい事に、久美子の作戦通り、「古い体質の老害 vs 革新的な美人経営者」の構図が出来上がっていく。
そして2015年3月の株主総会で役員は軒並み勝久氏に付くが、筆頭株主であるききょう企画(久美子)と大株主の外資系ファンド(ブランデス・インベストメント)が久美子派に付き、勝久氏は会社を追われることになる。
報道も軒並み久美子寄りで、勝久氏は老害扱いだった。
この社長交代劇による株価の急上昇でブランデス・インベストメントは10億以上の利益を得ている。
その後、大塚家具が創業者である勝久に対してした仕打ちはほとんど報じられることもなかった。
勝久氏の会社への立ち入りや私物の持ち出しも禁止。
勝久氏は会長室に置いてあった個人の実印や銀行印すら取りに行くことも許されなかったのである。

つづく

29ニューノーマルの名無しさん2021/05/01(土) 13:41:55.57ID:7hOdICxR0> >30
> >23
久美子伝説 その3

同年、勝久は急遽「匠大塚」を立ち上げた。
資本金はたった3000万。
大塚家具の商売を邪魔しない様に、個人向けではなく法人向けメインの事業にした。
久美子は優秀な社員を次々とリストラしたので、勝久はその社員達を全て受け入れる方針を打ち出す。
2016年の7月頃から黒字転換の見通しだったが、大塚家具からのリストラ社員が予想よりかなり多く
リストラ組をすべて受け入れるという方針のために資金繰りが難しくなり借入金が発生してしまう
だが2018年になってようやく黒字転換。
毎年100人、今までに300人の社員を受け入れている。

業績悪化するばかりの大塚家具側から勝久に「名誉職に復帰して欲しい」という打診が何度かあった。
親子喧嘩して父親を追い出したイメージを今更払拭したいという狙いだ。
久美子本人から言われたら勝久も考えたかもしれないが代理人から言われただけなので勝久は断っている。

大塚家具は180億もあった内部留保を僅か3年でほとんど使い切って身売り。
早い段階で勝久に相談するなり泣きつくなりしてれば何とかなったかもしれない。
勝久が赤字を出したとの、久美子発信の情報を信じ切ってるアホがいるが、決算書を読める人なら誰でもわかる。
大塚家具時代、勝久はただの一度も赤字を出していない。

つづく

30ニューノーマルの名無しさん2021/05/01(土) 13:42:17.92ID:7hOdICxR0> >31
> >29

久美子伝説 その4

前述したが、社債の償還に関しての訴訟でききょう企画は勝久氏に完全敗北した(2016年4月11日)。
ききょう企画に残された方法は3つあった。

1:大塚家具の株を勝久氏に返還する。
→勝久氏が再び筆頭株主になり経営に返り咲いてしまうので無理。
2:株を大塚家具に売り、現金を調達する。
→ききょう企画(久美子)が筆頭株主ではなくなってしまうので無理。
3:株を担保に借金をし、勝久氏に17億円(利息含む)を払う。

ききょう企画(久美子)は、3を選ぶしかなかった。
大塚家具株を担保に三井住友銀行から17億円を借り入れ、勝久氏に全額支払っている。
その後大塚家具が赤字続きでも通常の倍額の高配当を続けているのは、ききょう企画のためだ。
ききょう企画は大塚家具株の配当しか収入源がない会社なので、配当からしか借金を返す術がない。
久美子が大塚家具の社長であり続けるためには、ききょう企画が筆頭株主であり続ける必要がある。
そのためには、ききょう企画は大塚家具株を手放すわけにはいかない。
借り入れた17億の利子を払い続けないと、担保である大塚家具の株を差し押さえられてしまう。
そうなると議決権が分散し、久美子は社長でいられなくなる。

この経営センスの無さから見るに、大塚家具乗っ取りのスキームを考えたのは久美子ではないと思われる。
おそらくバックにいるハゲタカファンドに手玉に取られた結果だと思う。
そのブランデス・インベストメントも2018年秋に持ち株を全て手放した。
ヨドバシなどとの提携の噂を流し、少しでも株価を上げて売り抜けたかったが
予想以上に久美子が無能で、予想以上に社長の座への執着心が強いため、大塚家具浮上の目はないとついに見限ったのである。
久美子が初めてハゲタカに勝利した瞬間だった。

つづく

31ニューノーマルの名無しさん2021/05/01(土) 13:42:49.09ID:7hOdICxR0> >36
> >30
久美子伝説  その5

2018年末、ハゲタカにも匙を投げられた久美子に中国の家具大手「イージーホーム」から資本提携の話が舞い込む。
結局合意には至らず業務提携にとどまる。
2019年始、中国の通販大手「ハイランズ」と資本提携することで合意。
事実上、中国企業の乗っ取りだが、背に腹はかえられないところまで久美子は追い詰められていた。
ハイランズから出された出資条件の一つに、父・勝久との和解があった。
そして2019年3月3日、久美子が記者会見を開く。
久美子:「スピードを上げていく。スピードを100倍にする。父も載せてやってもいい。」
下り最速の久美子は更なるスピードを求めた。
翌3月4日、配送トラック40台購入を発表し世間の度肝抜く。

ハイランズとの資本提携によって、第三者割当増資で1940万株から4000万株に株式が増えた。
もはやききょう企画(久美子)は筆頭株主ではなく、株主総会で久美子が退任させられる可能性も出てきてしまった。
2019年3月19日
ハイランズの社長の陳氏の求めに応じて、久美子は自分を含め7人いた大塚家具取締役のうち5人を解雇。
全て自分で連れて来た取締役だった。
新取締役の一人はハイランズ社長であり、実質的には大塚家具のオーナーである陳氏だ。
陳氏は、これ以上赤字が続くなら久美子に退任してもらうと明言した。
だが常に予想の斜め下を行く久美子の反撃がここから始まることを知る者は、この時点では誰もいなかったのである。

そして平成も終わろうとしている2019年4月26日、
久美子は、大塚家具とは別に「伝統的な職人の技による家具の価値を伝えることを目的とした団体」を設立した。
そして設立にあたり、父・勝久氏に対して役職につかないかと依頼。
性格上、謝罪を口にすることはできない久美子にとって事実上の和解の申し入れである。
勝久は、心情的には応援するが経営的には関わることはできないとし、この怪しい団体への参加は丁重に断った。
経営者としては当然の判断である。

ハイランズとの資本提携で運転資金を得た久美子は、経営再建に向けて中国市場の開拓とネット通販事業を推し進めた。
2019年8月9日、大塚家具は1〜6月期決算を発表。
売上高は26.3%減。純損益は24億円の赤字である。
久美子は記者会見で言った。
「計画通り。」
そして、さらなる増資や借り入れを検討する考えを明らかにした。

ききょう企画(久美子)の持つ大塚家具株86万株は、勝久氏への返済額である17億円を借り入れるための担保になったと「まとめ その4」で前述したが、
久美子に返済能力がないと判断した三井住友銀行は、2019年8月までに86万株すべてを市場へ売却した事を明らかにした。
だが売却額では返済しきれず、久美子には未だ3億円の借金が残っている。
久美子がこの3年余りで溶かした額は300億円を優に超える。
大王製紙のギャンブル王子が溶かした84億円など取るに足らない。

つづく

36ニューノーマルの名無しさん2021/05/01(土) 13:43:42.62ID:7hOdICxR0
>31

久美子伝説 その6

2019年11月決算で、大塚家具の純損益は30億超。
8月からのたった3ヶ月で赤字は6億円も増えた。
毎月2億のペースで赤字を出し続けたことになる。
2019年12月、東証は大塚家具の株取引を一時停止。
大塚家具は第三者割当増資により一気に倍の株式を新規発行。
この新規発行株の全てをヤマダ電機が40億で取得。
大塚家具株の50%を保有することになり、大塚家具はヤマダ電機の完全子会社になった。
事実上の身売りだが、久美子は社長を続投する意向を示した。
2020年6月、ヤマダ電機傘下で経営再建中の大塚家具は家電の展示販売を全国7店舗で本格的に開始した。
家電と高級家具、インテリアを組み合わせて台所やリビング、寝室などを店内で再現。
新型コロナウイルスの感染拡大を受け在宅勤務をテーマにした売り場も設け、パソコンや業務用の椅子を販売する。
久美子は「家電の力を使って、もう一度お客さまを増やしたい」と語った。
なお、同日発表した2020年4月期決算は純損益が77億円の赤字であった。
久美子の伝説はまだ終わらない。

8. 中川隆[-13646] koaQ7Jey 2022年2月21日 19:29:27 : sbzBIVhtbk : RUFMQTQuT3hkRGc=[13] 報告
【ひろゆき】大塚家具"消滅"までの全てを語ります。ここまで無能な人は人生で初めて見ました。ヤマダ電機に吸収合併された大塚家具【 切り抜き 匠大塚 大塚勝久 IKEA ニトリ 論破 hiroyuki】
2022/02/16




0:00 大塚家具がヤマダ電機に吸収合併される
1:52 経営コンサルを始める大塚久美子
2:54 やる気のある無能が一番ヤバい
4:30 IKEAとニトリに対抗した結果
8:39 父親が娘に経営を任せた理由
11:21 無能な経営者を追い出せない理由

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