http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/547.html
Tweet |
(回答先: 女に政治や経営は任せられない 投稿者 中川隆 日時 2019 年 7 月 23 日 12:25:15)
大塚家具 久美子社長はどうやって老舗企業を潰したのか?
大塚家具、「残念な」久美子社長が危機脱出のネックに…ダメ企業がダメな本質的原因
http://biz-journal.jp/2017/05/post_19011.html
2017.05.09 構成=小野貴史/経済ジャーナリスト Business Journal
ここ数年、東芝やシャープなど日本を代表する企業の経営危機が立て続けに起こるなか、「プロ経営者」の存在が注目を浴びることが多くなった。そこで今回は、プロ経営者としてこれまで数多くの企業再建に携わり、4月に『残念な経営者 誇れる経営者』(ぱる出版)を上梓した山田修氏に、企業再生に必要な条件や具体的手法について話を聞いた。
――山田さんは本書で「9割の日本の社長は経営戦略を勘違いしている」と指摘されています。
山田修氏(以下、山田) 戦略的な思考とは、構造的に物事を見られるかどうかで、日本の経営者にはこれが欠けていることが多いのです。日本の経営者は創業社長、サラリーマン社長、プロ経営者に分けられますが、創業社長とサラリーマン社長が90%以上を占めています。
創業社長は情熱とエネルギーをもって遮二無二働き、直感勝負をします。構造的分析や戦略的立案などのアプローチではなく、エネルギーのままに突っ走って、成功と失敗に分かれてしまいます。戦略なき経営でも成功して、会社が成り立っている場合もあるのです。
一方、サラリーマン社長は出世の報酬として社長という職位に就くので、従来の経営を踏襲し、ほかのことはやらないのが基本的なパターンです。社長に指名してくれた先輩を裏切れないことも踏襲の理由で、しかも多くの場合、先輩は会長や顧問、相談役などに就いて影響力を発揮しています。従って戦略的な決断ができにくい環境にあるわけです。こうした意味で、「9割の日本の社長は経営戦略を勘違いしている」といえます。
――残りの1割は、どのような社長なのですか。
山田 1割もいませんが、プロ経営者です。たとえば、元LIXILグループ社長の藤森義明氏、資生堂社長の魚谷雅彦氏、カルビー会長の松本晃氏。それから私は必ずしもプロ経営者だとは思っていませんが、ローソン会長の玉塚元一氏(5月末で退任)も、世間ではプロ経営者として扱われています。要するに他の業種に移っても、それまで培ってきた本人が築いてきた実績の再現性を期待され、実際にうまく経営できる人で、外資系出身が多いですね。
どの業界に行っても状況分析ができて、こういう手段を打てばよいと判断できて、実績を上げるのがプロ経営者です。口はばったいのですが、私も外資系4社と日系2社で社長を務め、すべて異なる業種でした。私が社長を務めていた時代にプロ経営者という言葉はなく、私は「企業再生経営者」と呼ばれていました。
――Aという業界では実績を上げても、Bという業界では通用しなかったでは、プロ経営者とは呼べないわけですね。
山田 それからプロ経営者には重要な要素があります。それは資本家との関係で、プロ経営者は雇われ経営者なのです。藤森氏が退任したのは、LIXILグループの前身であるトステム創業家出身でLIXILグループ取締役会議長の潮田洋一郎氏の主導による人事です。
プロ経営者は高額な報酬のほかにストックオプションを与えられているので、株価を上げれば億単位の収入を手にできますが、株価を上げられなければ資本家から冷徹に退場を促されます。資本家とはドライな関係です。
■戦略セオリー
――山田さんがプロ経営者として持たれている、構造的分析と戦略的立案に関する独自のフレームワークについて教えてください。
山田 私には社長に就任した業界の知識も、会社の知識も、技術の専門知識もありませんが、経営のセオリーを知っています。そこで、まず幹部から平社員まで面談を行ってから、幹部一人ひとりに宿題を出しました。これから売上の上がる分野、商品、技術について理由も併せて、2〜3週間後に私と1対1でプレゼンテーションしてもらうのです。プレゼンを受けても、私には知識がないので、内容を理解できません。何を判断するのか。それは人物です。
立論に整合性が取れていて私がスーッと理解できるプレゼンをした人の評価はA、私が「ちょっと待ってくれ」と所々質問をはさんでギクシャクしてしまう人はB、私の質問に対して埒も明かない答えをした人はCと評価しました。Cの人は「今までこのようにやってきた」「この業界のやり方はこうだ」などと抗弁してくるものです。私は業界の素人ですが、プロ経営者には判断力があります。プレゼンを受けて幹部を判断しました。
――すると、A評価の幹部の案を採用し、C評価の幹部の案は却下するのですか。
山田 A評価の幹部が担いできたプロジェクトや商品・技術とか、推奨している技術なら良いのではないかと判断しました。フィリップスライティング(現日本フィリップス)の社長に就任したときには、150億円から半減していた年商を就任3年後に3倍に増大させましたが、これはと思う幹部が推奨してきた商品が6つあったので、6つ全部を拡販してみようじゃないかと判断して、戦略商品群と位置付けました。
すると6つのうち、自動車用ヘッドランプとポータブルプロジェクターの2つがものすごく走り出したので、2つを強化したら大ヒットして、年商3倍増に対して半分ぐらいに寄与しました。戦略上で大事なことは、状況はいつも動いているので、固定的でなく走りながら柔軟に考えることで、これは戦略セオリーとしても正しいのです。
私の場合、社長に就任した6社とも部下を連れていかず、1人で入社しました。その会社従来の土俵で、方法と組み合わせを変えることが戦略です。
■抵抗勢力の扱い方
――他の業界から来た社長には、抵抗勢力も出てくると思います。どんな業界でも、他の業界で実績を上げた人に対して「うちの業界を知らない」とか「この業界は甘くない」とか、そういう見方をする人は極めて多いですね。
山田 そうです。社長に着任したときに、部下から面と向かって、そう言われることは珍しくありません。私も何社かで経験しました。部長会で着任の挨拶をしたときに「社長、何々についてはご存じですか?」と抵抗勢力が業界知識を試してきたのです。私は「いえ、知りません。皆さんのほうが詳しいですよね」と。
相手は、その道数十年ですから、今から私が勉強しても対抗できません。専門知識で勝負するのではなく、専門知識は部下に任せて、それを判断するのが社長の仕事です。多くの場合、選択と集中が有効でした。
――抵抗勢力には、どのように対処したのですか。
山田 こんな出来事がありました。2人の副社長と管理本部長の3人が抵抗勢力だった米国系の会社では、3人に辞めてもらいました。副社長の1人が次は自分が社長になれると思っていたのですが、米国の本社はその副社長では力不足と判断して、外部から私を送り込んだのです。すると、この3人が私を着任させまいとして、本社に「山田じゃダメだ」と連絡したりしました。ところが、就業規則に厳密に照らし合わせて叩けば、たいていの経営幹部は何かしら違反を犯しているもので、現にその3人が重大な違反を犯している動かぬ証拠が見つかりました。
――金銭に関する違反ですか。
山田 そうです。そこで本社に「抵抗されているので着任できない。どうするのか?」と報告しました。本社は「就業規則違反のエビデンスもあるし、山田をサポートするから3人を解雇してくれ」と回答してきたので、解雇しました。3人が地位保全の仮処分を裁判所に申請したところ、労働裁判では会社側の敗訴が多いのに、証拠があったので会社側が勝訴したのです。
抵抗勢力への対処法は、こうした毅然とした方法もあれば、今までよりも処遇を良くするから安心してくださいと笑顔で対処する方法もあります。要するにアメとムチの使い分けです。
――外部からの経営者の招聘に対して、若い社員は期待することがあっても、幹部になると抵抗したがるのでしょうね。
山田 プロ経営者から見れば、この道数十年の人たちがやってきて、これだけひどい状況になってしまったんじゃないの? と。つまり、これまでのやり方が間違っていたのだから、別のやり方を探しましょうよと。これがプロ経営者の見方です。
――ところで、プロ経営者にとって最も大変な仕事はなんでしょうか。
山田 企業文化を変えることです。これは大変な仕事です。成功した例に稲盛和夫氏が日本航空の企業文化を変えたことが挙げられますが、稲盛氏はプロ経営者として禁じ手を使いました。それは社長在任中に無報酬だったことです。無報酬で懸命に働きかければ、社員はついてきます。しかし、仕事として経営を引き受けるのですから、普通は無報酬で働くわけはいきません。
――やはり無報酬は禁じ手ですか。
山田 それは禁じ手ですよ(笑)。
■大塚家具
――本書では、大塚家具にかなりのページを割いて取り上げています。山田さんが大塚家具の再建を依頼されたら、どんな手を打ちますか。
山田 大塚家具は価格のポジショニングを間違えて失敗しました。元会長の大塚勝久氏の時代には高価格帯で手厚い接客という整合性がありましたが、大塚久美子氏が社長になって中価格帯に切り替えて接客も担当制を廃止したら、富裕層に逃げられ、中間層も取り込めませんでした。課題は、価格のポジショニングとターゲット層をどう設定するかです。
中価格帯と低価格帯に移行すると、ニトリとイケアが待ち構えていますが、ニトリとイケアは製造小売業なので、流通小売りだけの大塚家具は構造的に勝負できません。そう考えると勝久氏の路線は悪くなかったのです。ところが店舗数が多すぎました。反面教師はカッシーナです。富裕層を対象にして日本に4店舗しか設けていません。大塚家具の店舗数は17店舗ですが、縮小均衡を図るべきです。店舗数を減らせば売り上げも減りますが、固定費を削減できて黒字に転換できる道が開けます。
じつは、3月24日の大塚家具の株主総会に出て今後の店舗展開について質問したら、久美子社長はスクラップ・アンド・ビルドによって、いくつかのジャンルの店を計60店舗出店する計画だと回答してきました。
一方で、久美子社長の業況説明では、固定経費で一番足を引っ張っているのは家賃だというのです。これだけでも戦略的に辻褄が合いません。もし私が経営会議に出席すれば「それはおかしいでしょう。売り上げが伴わなかったらどうするのか?」と質問しますが、答えられない経営者はバツ印です。大塚家具の場合、店舗数をカッシーナの倍の8店舗ぐらいに減らして、富裕層にターゲットを絞れば利益が出るようになると思います。
――その戦略を実施するには、久美子社長の存在がネックになりませんか。
山田 そうです。久美子社長には、経営者の資質がないのではないでしょうか。一昨年に勝久氏を放逐して全権を握り、初めてフリーハンドで経営に当たった最初の通期決算である2016年12月期に、売上高が前期比20%減の463億円、営業利益は前期に4億円でしたが、マイナス46億円に転落させてしまいました。社長としてダメでしょう。
――今後の大塚家具はどうなりそうでしょうか。
山田 ファンドの傘下に入って、ファンドがプロ経営者を送り込んで再建するか、あるいは経営悪化がさらに進行して転落していくか。どちらかになるのではないでしょうか。
■三越伊勢丹
――今年3月に社長が交代した三越伊勢丹ホールディングスは、どのような手段で再建すればよいと考えていますか。
山田 小売業界で最も業績が優れている大手はイオングループですが、イオングループの収益構造を見ると、小売りよりもテナントの賃料で収益を上げています。イオンモールをつくってテナント料を得るという安定した収益構造になって、いわば小売業からデベロッパーに転換したわけです。
同じように三越伊勢丹ホールディングスも事業構造を入れ替えて、デベロッパーやショッピングセンターへの転換を図るべきです。これができれば人件費など固定費を大幅に削減することも可能です。
――多くの社長人事を見て思うのは、社長に就任させる人材は育てるものではなく、見つけるものであることです。
山田 確かにそういう面はあると思いますが、それは日本のビジネススクールのあり方にも問題があります。アメリカと違って日本のビジネススクールはこれから経営者を目指す30歳前後の人たちを対象にしていますが、彼らが独立しても成功するかどうかはわかりません。この現状に対して、私が「リーダーズブートキャンプ」を主宰して取り組んでいるのは経営者の教育です。受講者には、一部上場企業の経営者や、受講を経てIPOを果たした経営者などもいます。
経営者の必須要件は、リーダーシップ、戦略策定力、マネジメント力の3つです。社長になるような人はリーダーシップを身に付けていますし、マネジメント力はルーティンワークが対象なので、これも修得しています。経営者が伸びるには戦略策定力を強化することで、MBA流を叩き込むことが有効です。
――いろいろとリアルなお話を聞かせていただきました。ありがとうございました。
▲△▽▼
2018年03月03日
大塚家具 資金ショートで存続危機か
新しいスタイルは高級家具を買う層には受け入れられず、安い家具が欲しい人はニトリに行く
引用:流通ニュースhttps://www.ryutsuu.biz/images/2017/03/20170303ootsuka-2.jpg
薄利多売路線が裏目
親子喧嘩で娘の久美子社長が経営権を握った大塚家具が、2年連続の赤字で倒産の危機にあると言われている。
赤字なのに無理をして配当を出していて、資金繰りが悪化してショートする恐れもあると報道されています。
2016年に45億円の赤字だったのに続き2017年は72億円の赤字になり、それまでに蓄えた潤沢な資金もなくなりつつある。
関係者によると毎月5億円が運転資金の赤字で消えていて、年間60億円になり計算は合う。
久美子社長は経営権争奪戦のとき、株主に1株80円の配当を約束して委任状を得て社長になった経緯があった。
配当金は40円に引き下げられたが、半分に減らしても配当金7億5000万円が大きな負担となっている。
2年前に340億円だった自己資本は176億円に半減し、3月下旬の株主総会まで持たないのではという声すら出ている。
ピーク時の2006年には売上高700億円で経常利益53億円だったが、2017年は売上高410億円で純損失72億円となった。
家具は回転の悪い商品で売れるまでに1年もかかり、仕入れと在庫、商品説明などに有形無形のコストがかかる。
父親の匠大塚は少数高級路線
父親で創業者の大塚勝久氏の伝統重視に対し、娘の久美子新社長は安い商品を大量に仕入れて回転を早くするプランを示した。
だが大塚家具は地価の高い地域に狭い店舗という高級家具に向いた店舗展開をしていたので、イケアやニトリのような広い敷地はなかった。
狭い店舗にどこにでもある安い商品を並べても品揃えが少なく、イケアやニトリほど安くもできなかった。
久美子社長が提示した経営プランは今までのところ行き詰っていて、父親の勝久氏が立ち上げた「匠大塚」より早く倒れる可能性も出てきた。
その匠大塚は経営状態はわからないものの、東京日本橋にオフィス、春日部に本店を構えて高級家具の販売をしている。
経営方針はかつての大塚家具より、より一層高級に振っていて、来店客1人に店員1人がつきっきりで応対する。
逆にずっと付いて来られると冷やかしでは入店しにくいので、入店するのは購入意思がある人だけになる。
入店するとアンケートの記入を求められ住所氏名を記入し、後日「案内状」が届けられるので、事実上の会員制に近い。
匠大塚のスタイルの方が、規模が小さくても少数の顧客を満足させ、一定の利益を上げるのに向いていると考えられる。
対する大塚家具は薄利多売にシフトした以上、数を売らねばどうにもならないが、その売上がむしろ以前より低下している。
売上が低下した上に利益率も低くなったので、非常に苦しい経営を強いられている。
http://www.thutmosev.com/archives/75130342.html
▲△▽▼
大塚家具、久美子社長の辞任拒否で再建計画進まず…辞任が条件の支援元候補と交渉難航
https://biz-journal.jp/2018/08/post_24439.html
2018.08.15 文=山田修/ビジネス評論家、経営コンサルタント Business Journal
大塚家具が8月14日に2018年12月期上期決算(1−6月期)を発表した。この決算に注記事項として「当社には継続企業の前提に関する重要な疑義を生じさせる事象または状況が存在しております」と明記された。
この「継続企業の前提に関する注記」を契機として、マスコミは一斉に大塚家具の経営問題を取り上げた。私も8月15日放送のテレビ番組『ワイド!スクランブル』(テレビ朝日)に出演して解説したが、3年連続の赤字決算を受け、大塚久美子社長の経営責任は免れない。
■倒産可能性のイエロー・カードが出た
同番組での解説コメントは以下のとおり。
――3年前の経営権争いの結果、娘の久美子社長が勝利して、父の大塚勝久氏は幹部を引き連れて新会社を設立しました。結果として大塚家具に何をもたらしたでしょうか?
山田 大塚家具にとっては何もいいことはありませんでした。まず、親子喧嘩によるイメージダウンがとても大きなホディブローとして残りました。次に、匠大塚を創業した勝久氏を慕って、大塚家具から多くの幹部や社員が移籍しました。これにより、大塚家具側の経営力、組織力は間違いなくダウンしました。移籍した社員たちに付いていた固定客も、大塚家具から離れて行ったと思われます。
それと直接的なことは、匠大塚は創業の翌年である2016年に埼玉県春日部市に匠大塚本店をオープンさせます。春日部は大塚家具の創業地で、大塚家具の大型旗艦店があったところです。この店に勝久氏は真っ向から競合をかけたわけです。
――どうなりましたか?
山田 この前、つまり2018年の5月のことですが、大塚家具は春日部店を閉鎖してしまいました。
――「業績の悪化で経営の先行きに不透明感が高まっている」として投資家に注意を促したというのはどういう意味ですか?
山田 これはずいぶん重大な指摘でして。わかりやすく言うと、「場合によってはつぶれる恐れがある」ということなので、この会社の株を買おうとしている人は気をつけなさい、ということです。
――そんなに見かけないことですね。
山田 はい。会社側としては好んでこんな注記を付けたいとは思わないわけです。その会社を監査している監査法人が、「その注記を付けないと監査を終了できない」と強行に出た場合のみ付く注記です。
――その会社があとになって倒産した場合、なんの注記もなければ今度は監査法人が責任を問われてしまうからですね。
山田 そのとおりです。いわば、監査法人からその企業の存続についてイエロー・カードが出たわけです。
■高級家具という企業イメージを毀損した久美子社長
――久美子社長体制になったのは2015年ですが、その年の業績は良かったわけですが。
山田 その年は、「感謝セール」を大々的にやった効果が出ました。しかし、大塚家具としてはセールなどやってはいけなかった、つまり禁じ手だったのです。
――というと?
山田 高級家具、それを扱う大塚家具自体が高級ブランドだったわけです。高級ブランドが安売りセールをしてはいけない。従来顧客は幻滅してしまいます。2016年からの売上急減は、2015年の反動と見ることができます。
――大塚家具はこれからどうしたらよいのでしょう? ニトリやイケアと競合するということは可能でしょうか?
山田 ニトリ、イケアと戦ってはいけません、勝つ見込みはありません。というのは、ニトリもイケアも自社でつくってそれを販売するという「製造小売」という業態です。一方、大塚家具は流通業で、「仕入れて売る」わけですから、ビジネス構造が違うわけです。
――久美子体制を続けていくとなると?
山田 独自路線で生き残るには、縮小均衡しかないでしょう。店舗数を減らす、あるいは大型店舗の床数を少なくするなどです。というのは、大塚家具で最大の出費項目は店舗の家賃だからです。
■経営権に固執する久美子社長、しかし業績を見れば
大塚家具は現在、複数社と支援を求めて交渉をしていると報じられているが、すでに提携関係があるティーケーピー(TKP)もその一社だ。TKPの主要事業は貸し会議室で、大塚家具の大型店舗の上層階を貸し会議室に転用するなどの協業が行われている。同社は大塚家具の株式の6%ほどをすでに保有していることから、支援元候補として取りざたされている。
TKPの場合で私が危惧するのは、その規模感だ。同社の年商は200億円台で、大塚家具の今年度予想の半分程度である。小が大を飲むということはないではないが、貸し会議室化によりどれだけ業績が好転するのか、私は大きな確信を持てない。
父である勝久氏が久美子社長のことを心配していて、「電話一本でもくれれば」としているそうだ。しかし、勝久氏のことを放逐した立場の久美子氏としては、一番お願いしたくないのが勝久氏だろう。それに匠大塚の側でも、企業としての大塚家具を救済するほどの企業ステージにはないはずだ。勝久氏の出番があるとすれば、大塚家具を救済した事業会社なりファンドから指名要請されて「雇われ経営者」として復帰する道筋しかありえないだろう。
問題はTKPの場合に限らず、他の支援元候補として報じられた企業が一様に久美子社長の退陣を条件としたのに、久美子社長がそれを頑なに拒んで案件が前に進まない、と報じられていることだ。
今回の決算での「継続企業の前提に関する注記」を持ち出すまでもなく、2015年の社長再着任以降の同社業績の急激な悪化は明らかで、現経営陣の経営責任はとても免れない。今の状態で久美子社長が退任してもよし、そうでなければ買収などで支援元になった企業やファンドが新社長を送り込む、あるいは外部から招聘する、このようなスキームを久美子社長が受け入れることが、社長をのぞくすべてのステークホルダーの望むところだろう。
今年度も引き続き大幅な営業赤字が予想されている。優良企業だった大塚家具の現預金は10億円強まで減ってしまって、今期の赤字によりマイナスに転換する。これは、現在は無借金経営の同社が金融機関からの融資に頼る普通の会社に成り下がることにほかならない。大塚家具にとっても、久美子社長にとっても、残された時間はいよいよ少なくなった。
▲△▽▼
支援企業が呆れる「大塚家具」かぐや姫 久美子社長の無理難題
8/17(金) 6:01配信 デイリー新潮
絶体絶命
5人の貴公子から言い寄られる『竹取物語』のかぐや姫は、相手に諦めさせようと、それぞれに無理難題を持ちかける。父娘の親子喧嘩から3年が経ち、身売り話が持ち上がる大塚家具の“かぐや姫”こと、大塚久美子社長(50)もまた、無理難題を吹っかけて、周囲を呆れさせているのだ。
.
その苦境について、経済部記者が解説する。
「久美子社長はお父さんの勝久前会長が進めていた高級家具路線を転換し、イケアやニトリとも競合する中価格路線を目指しました。ですが、昨年は最終損失が72億円という大赤字を叩きだし、今年も店舗売上で15から20%ほどのダウン。昨年以上に業績が悪化しています。仕事をすればするほど損している状況です」
3年前に100億円以上あったキャッシュはすでに10億円にまで減少。自主再建は困難で、支援先を探さざるを得ないのだ。実際、大塚家具の顧客の一人は、
「8月5日まで最大60%オフのセールのポスターが張られていた割には、店内は閑散としていて、客より店員の方が多かったですね。店員しかいないフロアーもあったくらいです」
店内を見れば、先の数字も納得できるというわけ。
.
東京湾に…
ところが、
「この状況でも、久美子社長は我儘を言っています」
と、先の記者。
「性格は父親と瓜二つで、一度決めたものは曲げない。以前から“自分の手で黒字化”と話していた通り、今回も、支援企業に増資を引き受けてもらうことによって、“真水”である資金を確保した上で、経営権を譲渡することは渋っているのです。昨年もある企業が援助に名乗りを上げたのですが、断っています」
彼女に振り回されたのは社員も一緒だ。
「一橋大学から銀行に就職した彼女はエリート意識が強い。ある幹部社員はミスを責められ“東京湾に沈めるわよ”と罵倒されていました。特におじさん社員が嫌いで、店長にねぎらいの言葉もかけません。現場の士気は下がるばかりで、“あの人はド素人だ”とこき下ろす社員もいましたね」(大塚家具関係者)
その癖、自身の周りは“お友達”で固めようとする。
「社員と話が合わないので、社外取締役に自身の知人を起用したり、幹部社員をヘッドハンティングしてきたこともありました。しかし、その幹部の多くは辞めてしまいました」(同)
さらに身内とも、
「お父さんとは絶縁状態で、相談している様子もありません」(同)
作中のかぐや姫は求婚を断り続け、月へ帰る。一方、こちらの姫が戻る場所はもうない。
「週刊新潮」2018年8月16・23日号 掲載
▲△▽▼
2018年08月21日
大塚家具 久美子社長はなぜうまくいかなかった?
久美子氏は優秀な部下ではあったがオーナー社長には向いていなかった
画像引用:https://s3-ap-northeast-1.amazonaws.com/storage.withnews.jp/2015/02/27/c/78/c78fb8f8-l.jpg
エリート社長が失敗する例
大塚家具は経営難から父親の勝久社長がしりぞき、親子対決の末に長女の久美子社長が経営権を握りました。
だが2018年に資金難が表面化して銀行からも融資を断られ、買収先を探しているといわれています。
久美子社長は決して放漫経営でも実績がなかったわけでもなく、成功が確実視されていたのにどうしてこうなったのでしょうか。
久美子社長は大卒後に邦銀の総合職を務めた後で大塚家具に入社し、10年間重役をを歴任したあとコンサルティング会社で独立しました。
5年後の2009年に復帰して代表取締役に就任し2015年に社長に就任、社長になるまで15年間大塚家具で重役を務めました。
重役としては極めて優秀で株主からの信頼も厚く、だからこそ勝久氏を退けて社長に就任できた。
久美子社長は2009年から2014年まで5年間、株主らに請われて大塚家具に復帰し社長に就任し、この時は不振だった業績を立て直した。
厳格な会員制の勝久氏に対し、久美子社長は気軽に入れる店を目指し、好評を得ていた。
最初は良かったが業績が悪化すると親子対立が表面化し、ついに勝久氏を追放して久美子体制になった。
エリート社員は社長に向かなかった
だが勝久氏がいなくなって、自身が社長に就任してみると一回目の社長就任時ほどうまく行かなかった。
一つは創業からの社員の多くが勝久氏について退社してしまい、人材不足に陥ってしまった。
残ったのは商品や家具についての知識に乏しい人が多く、外部からヘッドハンティングしたりした。
二つ目は久美子社長のカジュアル路線は勝久氏の高級路線と組み合わせて有効だったが、カジュアルだけでは機能しなかった。
「高級家具なのにカジュアルな雰囲気」なら支持されたが、ただカジュアルなだけではイケアやニトリと同じになってしまった。
久美子社長が掲げる低価格大量販売はモデルとして古くなっていたうえに、大塚家具には合っていなかった。
三つ目は久美子社長は社員や重役として優秀だったが、社長には向いていなかった。
報道では久美子氏はかんしゃくを起こしやすく、古参社員に怒鳴ったり口を極めて非難していた。
自身にエリート意識が強すぎて部下を圧迫してしまい、社内は戦々恐々としているとも報道されている。
http://www.thutmosev.com/archives/77267978.html
投稿コメント全ログ コメント即時配信 スレ建て依頼 削除コメント確認方法
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。