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米政権はイランの現体制を転覆、カルト化しているMEKの新体制樹立を目論む
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201807050000/
2018.07.06 櫻井ジャーナル
アメリカのドナルド・トランプ大統領はイランの石油輸出を阻止し、同国の経済を破綻させ、社会を不安定化、体制転覆へ導こうとしている。昨年(2017年)、ジョン・ボルトンは2019年にイランはMEK(ムジャヒディン・ハルク)が支配するようになると語っている。言うまでもなく、このボルトンは今年4月から国家安全保障補佐官だ。
MEKはかつてマルクス主義に影響を受けたイスラム勢力だったが、1979年にイランでイスラム革命が成功するとイラクへ逃れ、それまでのイデオロギーを放棄、カルト化して禁欲や睡眠制限などが強制され、既婚者は離婚させられるようになった。1970年代までのMEKとは別組織だと考えた方が良い。
イスラエルは2007年からイランで科学者を暗殺しているが、その手先として活動していたのもMEK。調査ジャーナリストのシーモア・ハーシュによると、アメリカのJSOC(統合特殊作戦コマンド)は2005年からアメリカのネバダでMEKを訓練、アメリカの特殊部隊も07年にはイラク南部からイランへ侵入し、秘密工作をはじめているという。イランにはMEKのほか、スンニ派の武装組織、ジュンダラー(アラーの兵士)やクルドの分離独立派がアメリカやイスラエルの手先になっている。
これは1953年にクーデターでイランのムハマド・モサデク政権を倒したときと同じ手口だ。その当時、イランの石油利権はイギリス支配層が握っていた。略奪のために作られた会社がAIOCだ。
イギリスに限らないが、「北」の富は「南」からの略奪で成り立っている。「南」が真に自立したなら、「北」のシステムは維持できない。イラン人から見ると、自分たちはイギリスに略奪されているわけで、そうした状況をモサデク政権は変えようとする。そして石油関連の施設を国有化することにする。
それに対し、イギリス/AIOCは石油の生産と輸送を止めることで対抗した。イランの1日当たり石油生産量は1950年の66万6000バーレルから52年には2万バーレルへ急減した。イラン政府はオープン・マーケットで売却しようとしたが失敗、イタリア石油公団(AGIP)のエンリコ・マッティ総裁に売ることでまとまりかけたが、AIOCの圧力で成立しなかった。そこでモサデク政権はソ連に接触する。
現在、トランプ政権はイラン産原油の顧客国に対し、輸入を止めるように脅している。それだけだと相場が高騰、アメリカ国内が不安定化する可能性が高いため、サウジアラビアに増産を強要しているという。サウジアラビア支配層の基盤は脆弱で、現在はペトロダラーの仕組みを維持する代償として支配層の地位と収入が保証されている。増産に応じないとサウジアラビア支配層に対する保護を止めるとトランプ大統領は脅しているという。
現在のイランはすでにロシアと緊密な関係にある。中国がトランプの脅しに屈するとも思えない。トランプ米大統領は7月16日にウラジミル・プーチン露大統領とヘルシンキで会談するという。会談のテーマはシリアやウクライナの情勢、そして米ロ関係だと伝えられているが、イラン問題も議題に上る可能性が高い。
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