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EU-ロシア関係を破壊するためのイギリス最後の浮かれ騒ぎ
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2018年3月29日 マスコミに載らない海外記事
Finian Cunningham
2018年3月27日
スプートニク
世界的な狂気が国際関係を乗っ取ってしまった。イギリス政府は何十もの国々を、ロシアに対するモンティー・パイソン風コメディー政治の道に導いている。
おかしいどころの話ではない。世界戦争は、こういう風にして引き起こされるのだ。
- 主として、今月始め、イギリスでの毒ガス攻撃とされるもので、ロシアに責任があるというイギリスの公式主張の強い要請で、100人以上のロシア外交官が、アメリカ合州国、カナダ、オーストラリアや、ヨーロッパ諸国から追放されつつある。
モスクワや、他の多くの独立した観察者たちが、現在まで、ロシア国家機関工作員が、3月4日、ソールズベリーで、元MI6二重スパイと彼の娘を暗殺する企てを実行したというイギリス政府の主張を裏付ける一片の証拠も、イギリス政府によって提示されていないことを指摘している。
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セルゲイ(66歳)と、33歳のユリア・スクリパリは、公園にいた間に神経ガス物質に曝され、健康を損ねた後、入院中だと報じられている。しかし彼らが被害を受けた正確な状況はわかっていない。ロシア国家としての有責性というイギリスの主張は、ただそれだけなのだ。裏付けのない主張だ。
ロシア国家の関与とされるつながりは、スクリパリが仕掛けられたとされる仮説的な毒物に関するイギリスによる公表されていない主張にたよるだけで、最善でも薄弱だ。
ところが、いかなる証拠も無しに、イギリスの人騒がせな憶測の山で、今や25以上の国々がロシアに懲罰を課し、今週、最大130人もの外交官を追放した。ロシアを罰する運動は、更なるエスカレートに向かっているように見える。テリーザ・メイ首相は更なる制裁措置が検討されていると語っている。アメリカとEUは、更なる経済制裁についても警告した。
ロンドンは、他の国々を反ロシア行動に駆り立てる自分の能力に、ほくそえんでいる。それもそのはずだ。イギリスが、どぎつい反ロシアのあてこすりだけを基に、第二次世界大戦以来最悪の外交危機の一つをあおり立てるのに成功したのは、うさんくさいとは言え、ちょっとした手柄だ。
連合から離脱する決定を巡る欧州連合との激しい論争で、イギリスが非常に苦しんでいることを考えると、これは一層驚嘆すべきことだ。
2016年に行われたBrexit国民投票で、1973年の加盟以来40年以上もたって、イギリスの欧州共同体加盟が終わることになった。離脱はEU内に実存的な不和を引き起こし、他の加盟諸国内部で、分離主義政治勢力の間に緊張を解き放った。イギリスが離脱すると豪語した後、EU幹部連中がプロック丸ごと崩壊しかねないと思い悩んだのは、さほど遠くない昔だ。
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だから、イギリス国政が欧州連合に与えた損害を考えれば、イギリスの依頼で、ロシアとの関係を更に悪化させるため、現在EUが結集しているのは、むしろ驚くべきことだ。
ヨーロッパの高度な民主主義とされるものが、ロシアに対し、とんでもない主張をするため法的基準を放棄したイギリスをやりたい放題にさせているのは信じられない。
とは言え、一方で我々は驚くべきではないのだ。第二次世界大戦以来、ヨーロッパに対するイギリスの歴史的役割は、ヨーロッパ諸国が決して社会主義政治を奉じたり、ロシアとの友好的関係を発展させたりしないようにさせる妨害者として機能することだった。
第二次世界大戦後、ヨーロッパ中で、社会主義を取り入れようとする強力な運動があった。国際資本主義の守護者としてのアメリカと、その常に親密な盟友イギリスにとって、これは受け入れがたいものだった。これが、ヨーロッパを英米支配下に置き続けるための防波堤として、アメリカが指揮する軍事同盟、北大西洋条約機構が1949年に設立された理由の一つだ。
NATO初代事務総長、イギリスのイスメイ男爵は、同盟の機能は"アメリカを参加させ、ドイツを押さえつけ、ロシアを締め出すことだ"と名言を述べた。
欧州連合と、その先駆、欧州経済共同体も、ソ連との自立した、友好的関係を確立させないようにするためのアメリカとイギリスにとってのヨーロッパ大陸支配のもう一つの道具だった。
EU設計者の一人、フランスのシャルル・ド・ゴール大統領は、イギリスが計画を狂わせるものとして機能することを正確に予想していたので、イギリスを初期の組織に受け入れることを望んではいなかった。ド・ゴールが、いかに正しかったことが。
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四十年のEU加盟中の大半、イギリスは厄介な参加者だった。貿易の恩恵を受けながら、同時に、イギリスの"特別な地位"を巡って、政治問題をかき立ててイギリスは他のヨーロッパ諸国と常にそりが合わないように見えた。
Brexit大混乱は、手に負えないイギリスが、他のヨーロッパ諸国に、何十年も、けちをつけ、ないがしろにしてきた結果なのだ。
扱いにくいメンバー、イギリスが荷物をまとめ、ブロックから出て行こうとしながら、暗殺のくわだてというとっぴな話で、EU-ロシア関係に、最後の蛮行を遺贈しようとしているのは皮肉なことだ。
最近のできごとで、ロシアに対するEU加盟諸国の "団結" を煽り、ボリス・ジョンソン外務大臣が重要な役割を演じたのは特に滑稽だ。新たなる "偉大さ"というイギリスの妄想を追求するため、ヨーロッパを尊大にお払い箱にしようとした、まさに同じジョンソンだ。Brexit離脱を巡る金銭的補償に関するEU主張に対する彼の傲慢な答えを想起願いたい。彼はヨーロッパ人に "あきらめろ"と勧告したのだ - つまり補償なしだ。
とりわけ、連中がヨーロッパ中に引き起こした集団狂気を巡り、イギリス指導部は自己満足で、ほくそえんでいるに違いない。
ワシントンからは、これ以上は期待できない。アメリカからの燃料輸出で、ロシア・ガスを、ヨーロッパ市場から追い出すという戦略目標を考えれば、ワシントンは、ロシアを悪者化して描き、弱体化する機会を喜んで活用するだけのことだ。
ロシアとヨーロッパ大陸の関係に、長期的な戦略上の問題を作り出す、イギリスの何の証拠もない途方もない話を真に受けるヨーロッパ諸国のだまされやすさには何とも当惑させられる。ヨーロッパの戦争と破壊の歴史や、不誠実なイギリスによるごまかしから、ヨーロッパ人は何も学んでいないのだろうか?
身の毛もよだつ記念日が重なっているのも驚くべきことだ。アメリカとイギリスが、百万人以上の死者をもたらし、中東全体を燃え上がらせた違法な対イラク戦争を、ウソに基づいて仕掛けてから、今月で15年目だ。ヨーロッパを難民危機に会わせることになった、シリアとリビアにおける政権転覆を狙った秘密の戦争を、主にアメリカとイギリスが仕掛けてから、今月で7年目でもある。ここ数十年で最悪の人間が引き起こした人道危機だと国連が表現したをサウジアラビアの対イエメン戦争をアメリカとイギリスが支援し始めてから今月で三年目だ。
こうしたアメリカ-イギリスの恐怖に対するあらゆる証拠は極めて明白だ。それにもかかわらず、高潔なヨーロッパ諸国は、こうした犯罪のかどで制裁を科していない。それどころではない。彼らは逆に、利己的なイギリスの確証のない発言だけをもとに、自国とロシアとの関係を悪化させて、自分の損になることをしようとしているのだ。
ヨーロッパ政治指導者連中は、茶番を見抜く道徳規範や知性を持ち合わせていないかも知れない。しかし普通のヨーロッパ諸国民は持ち合わせている。それが、腐敗したEU官僚連中がひどく困っている理由だ。無謀な指導者連中は、地政学的狙いを追求するために、人々の本当の要求を裏切っているのだ。大衆はこれほど醜悪な堕落を決して許すまい。
Finian Cunninghamが表明している見解、意見は筆者のものであり、必ずしもスプートニクのそれを反映しているものではない。
Finian Cunningham (1963年生まれ)は、国際問題について多く書いており、彼の記事は複数言語で刊行されている。彼は農芸化学修士で、ジャーナリズムに進むまでは、イギリス、ケンブリッジの英国王立化学協会の科学編集者として勤務。彼は音楽家で、作詞家でもある。彼は約20年間、The Mirror、Irish TimesやIndependentを含む主要マスコミで、編集者、筆者として働いた。
記事原文のurl:https://sputniknews.com/columnists/201803271062958511-britain-eu-russia-relations/
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