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仮想通貨ミステリー、巨額資金は永久凍結か喪失か
https://diamond.jp/articles/-/193449
2019.2.8 The Wall Street Journal ダイヤモンド・オンライン
Photo:PIXTA
カナダの大手仮想通貨取引所クアドリガCXは、1億4000万米ドル(約150億円)相当に上る顧客の仮想通貨にアクセスできなくなったと明らかにした。創業者で唯一の社員だったジェラルド・コットン氏(30)が、パスワードを誰にも明かさないまま急死したためだという。
だが、外部の調査会社2社は、クアドリガの取引記録を分析した結果、資金は引き出せない状況にあるのではなく、喪失している可能性があるとみている。クアドリガが顧客資金を他の仮想通貨取引所に移した形跡があるものの、その後はどうなったかは不明だという。
調査会社の分析結果は、クアドリガの主張に反論した格好で、不透明で予測不可能とされる仮想通貨業界の中でも、事件はさらに異例の展開をたどっている。
クアドリガはコットン氏が2013年12月に創業した。同社は1月15日、ウェブサイトで、コットン氏が昨年12月9日、孤児院の建設に取り組んでいたインドで、クローン病に絡む合併症のため死亡したと発表。その2週間後にノバスコシア州の裁判所に破産法の適用を申請した。
クアドリガによると、顧客口座の残高は合計2億5000万カナダドル(約210億円)。このうち現金は7000万カナダドルで、残る1億8000万カナダドル(1億4000万米ドル)の仮想通貨は、コットン氏のラップトップ内にある準備口座に保管されているとしている。
コットン氏の妻、ジェニファー・ロバートソン氏によると、コットン氏はノバスコシアの自宅から事業を営んでいた。業界内で「ホットウォレット」と呼ばれるネット環境下の稼働中の口座から、オフライン環境の「コールドウォレット」と呼ばれる準備口座に資金を移動できるのは、コットン氏だけだという。クアドリガはコットン氏のラップトップの暗号解除を試みたが、成功しなかったと説明している。
仮に口座にアクセスできない状態が続けば、顧客の資金は永久に凍結される可能性がある。
仮想通貨の世界では、クアドリガのようなケースを防ぐための指針や規制が存在しない。
だが一部の専門家は、クアドリガの対応を待たずに問題解決へと動いている。仮想通貨アナリストのジェームズ・エドワーズ氏は、ウェブサイト「ゼロナンセンス」で、クアドリガの取引記録に関する調査結果を公表。「特定可能なコールドウォレット内の資金はないもようだ」とし、巨額資金が保管されたウォレットをクアドリガが管理していた証拠は発見できなかったと指摘した。クアドリガはコメントを控えた。
エドワーズ氏はクアドリガの顧客50人以上から情報を収集。その上で、取引記録を解析し、クアドリガの資金の流れを追った。その結果、顧客とクアドリガの取引記録から、ホットウォレットの存在が明らかになったが、クアドリガが存在を主張しているコールドウォレットへの資金の動きは特定できなかったという。
コールドウォレットが存在するなら、ホットウォレットからの資金の出入りがいずれかの時点で表れるはずだとエドワーズ氏は説明する。
エドワーズ氏は主に、クアドリガのビットコイン保有を中心に調査した。別の分析会社エレメンタス・グループはイーサの保有を調べたが、エドワーズ氏と同じ結論に至ったとしている。
エレメンタスのマックス・ガルカ最高経営責任者(CEO)はウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)に対し、「コールドウォレットは存在していない可能性が極めて高い」と語った。資金の大半は、ビットフィネックス、ポロニエックス、シェイプシフトなど、他の取引所に移動しているもようだという。
クアドリガの主張に否定的な向きは、入手可能な取引記録が確実性をもたらすことはないと認めているものの、実際に資金が凍結された状態にあるのかどうかを調べる方策はあるとの指摘も出ている。仮想通貨の開発者、アモリ・セシェ氏は、クアドリガはコールドウォレットのアドレスを公表すべきと主張する。こうすることで、アクセスはできなくても、どの程度の仮想通貨が保管されているか確認することができるという。
(The Wall Street Journal/Paul Vigna)
仮想通貨ミステリー、巨額資金は永久凍結か喪失か
— ウォール・ストリート・ジャーナル日本版 (@WSJJapan) 2019年2月7日
カナダの取引所の創業者がパスワードを誰にも明かさないまま急死。約150億円相当の顧客資産にアクセスできなくなった #仮想通貨 #ビットコイン https://t.co/W084NvjDdS
— Tomoya (@Tomoya19830819M) 2019年2月8日
カナダの法律がどうなっているのか解らないが、こう言うのを認可していたことが問題だ。/仮想通貨ミステリー、巨額資金は永久凍結か喪失か https://t.co/RyusJSKJoC @WSJJapanより
— ジンベイ (@F_Jinbei) 2019年2月7日
「創業者で唯一の社員だったジェラルド・コットン氏(30)が、パスワードを誰にも明かさないまま急死」
— 元サカ (@SciCafeShizuoka) 2019年2月6日
ネット社会における埋蔵金、宝を積んだ沈没船、あるいはワンピース…
仮想通貨ミステリー、巨額資金は永久凍結か喪失か https://t.co/MVpXuCIPnX @WSJJapanより
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