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狙われる退職金! “投資に向いていない人“の「3条件」
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190131-00010000-voice-bus_all
PHP Online 衆知(Voice) 1/31(木) 11:49配信
「今は投資をすべきではない」と主張する荻原博子氏は、それでも投資をしたい人に向けて「3つの条件」を提示している
<<生活資金、老後資金を貯蓄するためには投資すべきと喧伝されるなか、経済ジャーナリストの荻原博子氏はその風潮に対して「今は投資すべきではない」と真っ向から反論する。
しかしながら、荻原氏は投資そのものを全面的に否定しているわけではない。投資をには、ある「条件」が必要で、それを満たさない人はすぐに手を引くべきと主張している。「それでも投資をしたい人」に求められる要素とは?>>
※本稿は『Voice』2018年5月号、荻原博子氏の「あなたのお金が危ない」を一部、抜粋したものです
簡単にお金を預けてはいけない
「借金をしてでも、いまのうちに投資をすべきだと勧められたのですが、本当でしょうか?」
先日、あるインターネット番組の生放送に出演したとき、視聴者から寄せられた質問です。私は「少なくとも、日銀がデフレ脱却を宣言してからにすべきでしょう。投資はそれからでも十分に間に合います」とお答えしました。
放送中に同様の質問が何回も寄せられ、同じ説明を繰り返すことになりました。それほど関心が強いテーマなのだと思います。
ではなぜ、まだ投資に踏み切ってはいけないのか。
1つの理由としていま、マイナス金利政策をはじめとする日本銀行の金融政策で、メガバンクや生命保険会社、証券会社などの金融機関が運用難に陥り、収益が悪化していることが挙げられます。
2012年に第二次安倍内閣が発足して以降、一般企業の内部留保(企業の純利益から、税金や配当金などの社外流出分を差し引いた残り)は4年間で100兆円も増加しました。
各企業は今後も積み上げた内部留保を抱え込むと見られており、融資のチャンスをうかがう金融機関が付け入る隙はありません。
そこで窮地に陥った彼らが狙いを定めたのが、いま本稿を読んでいるあなたのような個人のお金です。
各金融機関はなりふり構わず、利ザヤの稼げるカードローンや、手数料が確実に入る投資商品の販売額を増やそうとしています。収益改善のために、あの手この手で個人の将来不安を煽って「いま投資してお金を増やさないと老後の資金がもちませんよ」と勧誘しているのです。
とくにターゲットにされているのが、働き盛りのビジネスパーソンと、多くの退職金をもらった高齢者です。皆さんのなかにも最近、金融機関から投資の誘いの電話が増えた気がする、と感じている方は少なくないかもしれません。
焦燥感に駆られて「投資をしないとまずいのかな」と考える方が増えていますが、そう簡単にお金を預けないほうがよいでしょう。
金融機関が個人投資家に仕掛ける嘘
私は、投資を全否定するつもりはありません。ただし、次の3つの条件が揃っていない方は、いますぐ手を引くべきだと考えています。
まずは、時間です。ITの進化により、株式相場はいまや1秒間にとてつもない回数の取引を行なっています。絶えず変動する相場の動きをチェックするだけの時間のゆとりがなければ、投資を成功させるのは不可能です。
コンピューターのスピード感についていけない方は、そもそも勝負の土俵にすら立てない。この点は高齢者の方は注意が必要でしょう。
二つ目が、お金です。投資とは、資金力のある人が圧倒的に有利な仕組みになっています。
たとえばAさんが200万円、Bさんが100万円のお金をもっていて、2人とも100万円の株を購入したとします。その株価が150万円に上がったならば、ともに50万円ずつ儲かります。
しかし問題は、株が50万円に値下がりしたときです。Aさんは残りの100万円であと2株を購入できますが、Bさんは指を咥えているほかありません。
すると、Aさんは仮にその株が75万円まで持ち直せば25万円の利益を得ることができます(最初の1株分で25万円の損ですが、次の2株で25万円×2=50万円の利益が出たためです)。他方、Bさんは25万円の損失です。
この例1つで、資金の多寡が投資の世界ではきわめて重要な要素であることがおわかりいただけるでしょう。
3つ目が、情報です。常識的に考えて、金融機関や機関投資家以外の個人によい情報が入ってくる可能性はきわめて低い。だからこそ多くの人が専門家にすがろうとするのですが、それはカモがネギを背負って鍋に飛び込むようなもの。
一般の個人投資家にアドバイスをする証券会社や銀行の人は肩書こそ「ファイナンシャルプランナー」ですが、彼らも一セールスマンです。彼らが勧めるのは、結局のところ自分が受け取るマージンの割合がよい商品。まずは自分自身が儲けないといけないわけですから、当然です。
また金融機関は、個人投資家にきわめて巧妙な「罠」を仕掛けてきます。いま流行りの外貨建て生命保険では、たとえば「日本の銀行ではほとんど利息が付きませんが、この商品ならば運用利回り3%以上です」などという売り文句が用いられます。
たしかに「日本の銀行ではほとんど利息が付かない」ことと「この商品ならば運用利回り3%以上」であることは真実です。でもじつはこれ、前者は預金の話をしているのに対して、後者は生命保険の話をしているのです。
両方ともフレーズ自体は真実なので騙されやすいのですが、無関係の預金の話を交ぜているわけです。さらにいえば、外貨建て生命保険は手数料が高い商品です。
一見、真実らしく聞こえる言葉の裏に「嘘」が含まれることは、よくある話です。
以上のように、「時間」「お金」「情報」の投資をする際に必要な条件を見ると、まず働き盛りのビジネスパーソンには、時間がないことがわかるはずです。お金だって、十分に貯まっていない。
一方、高齢者は時間とお金があっても、良質な情報を収集する方法が少ない。老いも若きもコロッと金融機関に騙されてしまう可能性があります。投資を検討している方はいま一度、「時間」「お金」「情報」が自分にあるか、振り返ってみてはいかがでしょうか。
リスクの少ない「ちょい投資」
「それでも、投資をしたい」という方がいるかもしれません。とくに、時間とお金がある高齢者の方が投資を考えるのは不思議なことではありません。
そうした方に、私が勧めているのが「ちょい投資」です。「ちょい投資」とは、自分がもつ資産のなかから今後、必要になりそうな分のお金を除き、残りを投資に充てるというものです。
たとえば老後資金が2000万円あるならば、1500万円は介護や医療のために残しておき、500万円は投資用口座に入れて別枠で保有する。金融商品を買って資金が増えればいうことはありませんし、資金が底を突けば潔くやめる。
これなら現時点での自分の損得も明快で、老後生活が脅かされるリスクもありません。
程よく投資を行なうことは、高齢者にとって頭の体操にもなります。好きなことで頭を活性化させることは、老後を愉しむ1つの大切な方法だと思います。
ただし、絶対に慎まないといけないのが「儲けよう」と考えること。つい欲を出してしまうと、投資用口座が底を突いたとき、生活資金に手を出してしまうかもしれません。
私は著書『投資なんか、おやめなさい』(新潮新書)で、「投資に向かない10のタイプ」を紹介しました。
そもそも性格によって投資に向かない人がいて、「みんなが投資しているから」という他力本願の人や「世の中を斜めに見るのは苦手」という素直な人は、ずる賢さが必要な投資の世界に立ち入るべきではありません。
金銭の勘定を「電卓で計算するのが苦手」という人も投資に不向きです。不思議なことに、お金の話を考えるとき、電卓を使わない方が多いのです。
たとえば保険の営業担当者が自宅や勤め先を訪ねてきて、さまざまな資料を前に仕組みを説明された経験は、誰しもがあるはずです。そのとき、どれだけの方が傍らに電卓を置いているでしょうか。
支払う額と受け取る額を計算しなければ、自分にとって得な話か、損な話かを判断できるわけがありません。
いまやスマホにも電卓機能が装備されているにもかかわらず、自分の手で計算しないで相手の話を鵜呑みにしている。私にいわせれば、そうした人こそが、金融機関にとっての「カモ」です。
いずれにせよ重要なのは、「わからないことには手を出さない」こと。自分の守備範囲外に飛び出てしまうから、その世界のプロに騙されてしまうのです。
よく「投資って難しいですね」といわれますが、難しく感じるのは、往々にしてその人に基本となる知識がないか、苦手分野であるかのいずれかです。
投資の世界に飛び込むだけの知識と適性があるか、投資を検討している方はいま一度、胸に手を当てて意識すべきことです。
荻原博子(経済ジャーナリスト)
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