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毎月勤労統計で処分を急ぐ理由
http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/archives/53108386.html
2019年01月18日 在野のアナリスト
JAXAが小型ロケット・イプシロンの打ち上げに成功しました。低コスト化で費用は55億円、将来的に30億円程度をめざす、としますが、米国などでは航空機にロケットを搭載、空中で切り離して宇宙空間へと送る手法が、すでに運用を開始しています。今はまだ一般的なロケットより割高ですが、イーロン・マスク氏のスペースX社が第一段ブースターを地上に帰還させる技術を確立するのに躍起なように、使い捨てのブースターではなく、再利用して何度も打ち上げるブースターの開発がコストカットのカギです。日本はその点で出遅れており、既存技術のブラッシュアップが得意でも、いずれ壁に突き当たるのでしょう。 世耕経産相は、日立の英原発建設の凍結をうけても尚、原発輸出を諦めない意向を示し「日本の高い技術力を…」と用います。しかし日本の原発が劣っていることは、福島原発で示してしまった。古い原発とはいえ、その対策を全原発が必要としたこと。また福島原発事故を二度と起こさないための、新たな技術の開発ができていないなど、提案できるものがない。同じことが起こるかもしれない、だから原発は高コストになってしまうのです。事故を二度と起こさない、新たな仕組みを取り入れた原発を開発するのでなければ、日本の技術力などと言ってみたところで、誰にも信用してもらえない時代なのです。 毎月勤労統計の不正で、厚労次官を処分という話が昨日報じられました。まだ全容が解明されていないのに、しかも次官だけを処分して幕引きを図りたい、安倍政権の焦りと早期の終息という思惑が見え隠れします。しかし不正が始まった2004年当時、小泉政権ではプライマリーバランスの改善が喫緊の課題でした。つまり政府には毎月勤労統計を低く抑え、給付を減らしたい動機があった。しかも国際競争力の確保、というお題目で人件費削減を画策、非正規雇用の拡大を促していた時代でもあり、失業保険の拡大がみこまれた。さらに時期は微妙にズレますが、失業保険の給付が数ヶ月後からになったのも、確かこのころからです。つまり国を挙げて、雇用保険の給付を減らそうとしていた時期に不正がおこったのです。 2018年1月に数字を3倍した時期も、安倍首相が財界にむけて賃上げ3%の要請をしていたのに、結果がでていなかった時期と重なる。何とかして指標で結果をださなければいけなかった。特に厚労相は加藤氏、という安倍氏の側近。安倍氏と加藤氏は母親同士も仲が良く、ポスト安倍に加藤氏が急浮上したのも厚労相として結果をだしたから。結果とは即ち、3%の賃上げ達成です。つまり毎月勤労統計を操作する、政治的な動機は2004年、2018年ともにあるのです。これが厚労省だけの問題とはとても思えません。 「毎月勤労統計がおかしい」とは、昨年からずっと指摘されていたことです。しかし発覚は昨年12月末、しかも総務省からの指摘をうけて。安倍氏は昨年12月、経済団体のパーティーに出席しても賃上げ要請をしなかった。恐らく総務省の動きを事前に知り、安倍氏が賃上げ要請をできなくなっていたのではないか? 結局、昨年は不正をしなかったら賃金はマイナスで、安倍ノミクスの成果どころか失敗だったとされるのが必定。それを知り、安倍氏が賃金への注目を避けたかった事情も透けてみえるというものです。 しかも2004年といえば安倍氏が自民党幹事長時代。もし小泉政権で統計データの不正を政治的に行う動きがあったら、安倍氏の耳にも入っていたかもしれません。さらに2005年には安倍氏は官房長官に就任します。重要案件として引継ぎが行われたかもしれない。あくまでこれが政治案件だったら、という前提ですが、安倍氏が疑惑の最も深淵にいるといっても過言ではない。18年の動きなど、安倍氏と加藤氏の関係性、そして政権の態度からみても政治案件だった可能性が、極めて高いということも言えるのです。 政治は三流でも経済は一流。かつての日本はそう評されました。しかしその三流だったはずの政治に飲み込まれ、今や経済も三流。技術力など、どんどん諸外国に追い抜かれてしまっているのが現状です。誤った指標で行われた、誤った政策をふくめて来年度の予算案を修正し、閣議によって再決定されましたが、国民が支払わされることになった勉強代は高くつきそうです。むしろ、そうした三流の政治家をイプシロンに搭載して、宇宙空間に追放した方が最大のコストカットになるのかもしれませんね。 |
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