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(回答先: 山口組のハロウィーンに夢中な子供たち、見守る神戸市民の複雑な心境 投稿者 うまき 日時 2019 年 1 月 14 日 09:13:25)
2019年1月14日 枝久保達也 :鉄道ジャーナリスト
悪趣味な地下鉄駅改修案に府民仰天、大阪メトロ迷走に批判殺到
昨年末、大阪メトロが発表した、駅のリニューアルデザイン案に、浪速っ子から大ブーイングが起きている。奇抜なデザインにも驚かされるが、すでに市営地下鉄時代に改装工事に着手している梅田駅、中津駅などのデザインを再変更するなど、経営判断の観点からも摩訶不思議である。(鉄道ジャーナリスト 枝久保達也)
「安っぽくて派手で悪趣味」
浪速っ子がNOを突きつけた
大阪メトロ心斎橋駅の改装案は大きく変更されました。
元はシックなイメージ(右下)だった大阪メトロ心斎橋駅の改装案だが、昨年末に発表された計画では一転。2万人もの反対署名が集まる騒動となった 拡大画像表示
年の瀬も押し迫った12月20日、大阪メトロが突如発表した計画は、府民だけでなく日本全体に大きな衝撃を与えた。
昨年4月に誕生した大阪メトロは、同年7月に発表した中期経営計画の中で「鉄道を核にした生活まちづくり企業」への変革を目標に掲げ、地下空間の価値最大化をうたっていた。今回の発表は「活力インフラプロジェクト」と題して、その具体ビジョンを示したもので、御堂筋線はビジネス、中央線はエンターテインメントの強化をテーマに地下空間の活用を進め、駅のデザインもそれぞれの特徴を出した「多様性」あるものに改装していくという内容だ。
しかし、人々に衝撃を与えたのは、交通局時代とは様変わりした積極的な経営姿勢ではなく、公表された各駅のデザインコンセプトとリニューアル後のイメージ図であった。
提示されたデザインコンセプトは、中津駅の「プレゼンテーション」や本町駅の「クロスオーバー・ポイント」などイメージを共有しにくいものや、淀屋橋駅の「歴史」や天王寺駅の「空」など漠然としたものが多く、完成イメージ図についても、心斎橋駅の「テキスタイル」や堺筋本町駅「船場町人文化」のように、ステレオタイプにまみれた意匠を壁や天井にベタベタと張り付けたような、むしろ「多様性」に反する空間になっていたのだから大騒ぎである。
立命館大学教授の岸政彦さんと作家の柴崎友香さんは、リニューアル案は「私たちが慣れ親しんだ、あのレトロな、かわいらしい、落ち着きのある大阪の地下鉄の駅とは懸け離れた、安っぽい、派手な、悪趣味な、そして駅のある場所とはむしろつながりの薄いデザイン」であるとして、インターネット上で反対署名を開始。12月22日から25日まで、わずか3日間で2万人近い署名が集まった。
批判の広がりに慌てた大阪メトロは、1週間後の12月27日に急きょコメントを発表。あくまで現段階のイメージであり、デザイン案を具体化していく過程で、利用者・地域の意見をふまえてブラッシュアップしていくとして、火消しに努めた。
5ヵ月前のイメージ図が一転
不可思議な軌道修正
とはいえ、これを額面通りに受け取ることは難しい。これまでの経緯を丹念に検証してみると、ブラッシュアップのための十分な時間があるようには見えないからだ。
まず、今回ブーイングの嵐だったデザイン案について、経緯を見てみよう。御堂筋線9駅、中央線6駅、計15駅のリニューアル計画は、そもそも昨年7月に発表された中期経営計画で公表されたものだ。ところが経営計画の説明資料に具体例として記載された新大阪、中津、心斎橋のコンセプトとイメージ図は、5ヵ月後の12月に「活力インフラプロジェクト」で示されたものとは異なっていた。
3駅の新旧計画を比較すると、新大阪は「近未来の大阪へ」から一文字消えて「近未来の大阪」になっただけだが、中津は「梅田の北の玄関口」が「プレゼンテーション」に、心斎橋は「おしゃれの発信地」が「テキスタイル」に変更されており、イメージ図も壁や天井の意匠が大きく描き換えられている。なぜ先行して発表された3駅の計画が、わずか5ヵ月で軌道修正されてしまったのだろうか。
大阪メトロの駅改装は、市営地下鉄時代に「グランドリニューアル」として着手された工事を引き継いで始まった。例えば梅田駅のリニューアルは、公募型プロポーザルにより事業者を広く募集し、『「日本の美、ほのぼの」LIGHT&SHADOW』をデザインコンセプトに着手したものだ。
ホーム部分の工事は2015年に完成、改札口周辺の工事も完了間近となっており、実際に7月の中期経営計画には梅田駅の改装は2018年度に完了すると記載されていた。
新大阪、中津、心斎橋についても市営地下鉄時代に着工済みで、おそらく先行して発表されていた3駅の完成イメージ図は、発注時に作られたものだろう。このうち、2019年度にリニューアルが完了する予定だった新大阪と中津の工事はかなり進んでおり、中津のホーム側壁に設置された化粧パネルは、旧イメージ図と同じ形状をしていることも確認できる。
経営判断は妥当なのか?
大阪メトロは情報開示すべき
ところが今回の計画で、3駅と完成済みの梅田に新たなコンセプトが付与され、デザインが変更されることになった。新計画の完成予定時期は、梅田が2020年度、新大阪が2021年度に延長されているが、いたずらに工期を延長すれば無駄な費用がかさむだけだから、少なくとも工事中の4駅については、利用者・地域の意見をふまえてブラッシュアップしていく時間的余裕が織り込まれているとは考えにくい。
ちなみに、東京メトロも銀座線の全面リニューアルを進めているが、この構想が初めて登場したのは2010年のこと。2012年12月からデザインコンペを実施し、2015年に着工し、2017年末に浅草から神田までの7駅が完成したが、全駅のリニューアル完成にはまだまだ時間を要する見込みだ。
銀座線の駅リニューアル計画は、浅草から表参道まで全18駅で総額400億円だから1駅あたり22億円、大阪メトロのリニューアル計画は計15駅で総額300億円だから1駅あたり20億円で、規模感は同等ということになる。これだけの大きな計画を6年間で完成させるのは、設計や発注、工事調整だけでも相当な苦労だ。その上、さらに利用者の理解や納得感を得るためにリソースを割く余裕はあるのだろうか。
実は、この課題を一挙に解決しうる「特効薬」が大阪メトロの中期経営計画には記されている。それが、車両・駅・地下街のリニューアルを統括するCDO(チーフ・デザイン・オフィサー)の存在である。上品なやり方とは言えないが、利用者の多数から支持を集めるCDOを任命することで、個々のデザインに批判があっても総論賛成とみなす方法はあり得るだろう。
ところが、今回の発表からはCDOの存在感が全く伝わってこない。そもそも統一的な意志も感じられない。それもそのはず、今回改めて大阪メトロに取材したところ、現在も大阪メトロのCDOは空席のままというからだ。大阪メトロは今回の発表を、中期経営計画の実現に向けた第一弾としているが、自ら掲げた方針から逸脱した形で計画を進めていることになる。
そもそも公募型プロポーザルを経てデザインコンセプトを策定した梅田駅を、「日本の美、ほのぼの」から「インフォメーション・ターミナル」という全く異なるコンセプトに変更の上、リニューアルから3年しか経過していないホームを再改修するという経営判断は妥当なものなのだろうか。
大阪メトロは中期経営計画で「上場企業と同水準の監査・内部統制の機能を確立」するとうたっているものの、いまだに中間決算の発表はされておらず、民営化以降公式webサイトから市営地下鉄時代の事業計画やプレスリリースは消えてしまった。市営事業でもなく上場企業でもない、宙ぶらりんの「民営化」によって説明責任が覆い隠されてしまっては本末転倒である。
こうした疑念を払拭するために、大阪メトロには、民営企業としてふさわしい積極的な情報公開を期待したい。
https://diamond.jp/articles/-/190728
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