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浜矩子氏が警鐘「2019年は『通貨』の真価が問われる年に」
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/245449
2019/01/13 日刊ゲンダイ
写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ
2019年は正月早々、金融市場は大荒れで、一時1ドル=104円まで円高が急伸しました。まさに今年は「通貨」の真価が問われる年になるのではないかとみています。
「ユーロ」は今年が生誕20周年ですが、成熟した大人の通貨になったといえるのかどうか。「ドル」は戦後しばらく世界の基軸通貨という位置づけでしたが、その実力は地に落ちました。トランプ大統領のような人物が政策責任者である国の通貨を果たして信用していいのかどうか、ということです。現状のドル安はその表れでしょう。「人民元」はその名前とは裏腹に、人民のための通貨ではない。そして「円」は、消去法で安全通貨とされるものの、本当にそんな実力があるのかどうか。世界をぐるりと見渡してみても、「これだ」と安心できる通貨がない状況は、いまだかつてないほど深刻です。
通貨は、いつ通貨になるのか、なぜ通貨なのか――。それを解き明かそうと、新著「『通貨』の正体」(集英社新書 今月17日発売)を書きました。結論を言えば、全ての通貨は「仮想通貨」なのです。かつて小判は通貨でしたが、今では骨董品です。通貨は、人がそれを「通貨」だと「思う」から、通貨として通用する。ビットコインのような暗号通貨を「仮想通貨」と呼ぶのは誤りで、あれはむしろ「仮装通貨」と呼んだ方がいい。そう考えると、今ある主要通貨の中で、どの通貨が一番先に通貨でなくなるのか。今年はそんな競争の幕開けの年だとも言えます。
面白いのは、そんな状況下で、最も頼りなさげな「円」が、「比較的安全な」という枕ことばを付けられ、当たり前のように買われていることです。日本政府が経済規模の2倍強という財政赤字を抱えているのにもかかわらずなのですが、実はこれ、そんなにおかしなことではありません。日本は世界最大の債権国であり、個人の金融資産の規模も最大。社会インフラも整った先進経済国です。問題なのは政治部門における台所事情の酷さだけであり、政府のだらしなさを民間経済が驚くべき力で吸収している。
だから、円が「比較的安全な通貨」というのはそう外れてはいません。基軸通貨不在の現代で、円は結果的に「隠れ基軸通貨」という位置づけになっているのです。
円は頼りにはならないけれど、流動性の規模が大きいがゆえに、世界を振り回す力も持っています。1997年のアジア通貨危機も2008年のリーマン・ショックも、元をたどると震源地は日本なのです。超低金利政策の日本から、余り金がものすごい勢いで世界に出稼ぎに行き、高金利を求め動いたことが危機を招いた。アジアの新興国に金が集まりすぎ、インフレを起こし、そこから逃げ出した結果が通貨危機につながったのです。サブプライムローンの証券商品に群がったのも、ゼロ金利の日本から逃げ出したジャパンマネーでした。
■年初の超円高の幕開けは示唆的
一方で、基軸通貨を目指したユーロは想定とは逆方向に向かっています。通貨統合で経済の実体がひとつになるはずが、むしろ通貨を共有することで南北間の経済格差が広がり、政治的にもバラバラになった。求心力を強めるはずの単一通貨が、雲散の力学をもたらしてしまったのです。
世界の通貨模様は実に倒錯した状況になってきています。年初の超円高の幕開けは示唆的。グローバル経済の怪しげな雲行きの中で、この通貨模様がどう落ち着いていくのか。一段と強い関心と緊張感を持って見守っていかなければならない一年が始まりました。
(浜矩子/同志社大教授)
浜矩子氏が警鐘「2019年は『通貨』の真価が問われる年に」 https://t.co/wUygo2pnm0 #日刊ゲンダイDIGITAL
— a.kimitoki@自殺する前に君の可能性を読め (@kimitoki) 2019年1月13日
日本のデフォルト、というのもおつだよ〜〜
『日本は世界最大の債権国……問題なのは政治部門における台所事情の酷さだけであり、政府のだらしなさを民間経済が驚くべき力で吸収している。』
— 青乃瀬 海 (@aonose_kai) 2019年1月13日
“民間経済”⇒はっきり云って,これ“庶民の善意”です。
それを政府・与党(自公維)と財界が食いものにして居る。https://t.co/CBRMXp5PXV
★浜矩子氏が警鐘「2019年は『通貨』の真価が問われる年に」−(日刊ゲンダイ) 2019年は正月早々、金融市場は大荒れで、 一時1ドル=104円まで円高が急伸しました。 (cont) https://t.co/KDIxKqyfvt
— 市村 悦延 (@hellotomhanks) 2019年1月13日
浜矩子氏が警鐘「2019年は「通貨」の真価が問われる年に」世界の通貨模様は実に倒錯した状況になってきています。年初の超円高の幕開けは示唆的。怪しげなグローバル経済をしっかり監視していく必要がある。 - 北海道は素敵です!! - Yahoo!ブログ https://t.co/ylSAN6zwMI
— 松本 美紀子 (@yuuta24mikiko) 2019年1月13日
日刊ゲンダイ|浜矩子氏が警鐘「2019年は『通貨』の真価が問われる年に」https://t.co/ignb5iMeKJ
— 吉川 幸男 (@FP_Yoshikawa) 2019年1月13日
『…年初の超円高の幕開けは…グローバル経済の怪しげな雲行きの中で、この通貨模様がどう落ち着いていくのか。一段と強い関心と緊張感を持って見守っていかなければならない一年が始まりました。』
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