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高齢世帯、毎月5.4万円の赤字…50代の「お金の使い方」が老後難民化を防ぐ
https://biz-journal.jp/2019/01/post_26141.html
2019.01.06 構成=長井雄一朗/ライター Business Journal
定年後研究所の得丸英司所長
「人生100年時代」といわれる今、定年後の生き方にも注目が集まっている。定年を60歳とすると、公的年金が受給できる65歳までの5年間の収入をどう確保するかも大きな問題だ。そのためには「50代のうちから準備をしておいたほうがいい」と、一般社団法人定年後研究所の得丸英司所長は語る。
昨年6月、同研究所は、初の「定年後」に特化したコミュニティサイト「50's コミュニティ」をオープンさせた。超高齢社会の時代に、定年後の生き方はどうあるべきか。得丸所長に聞いた。
■定年のイメージを変える「定年3.0」の世界へ
――定年後研究所を設立した背景について教えてください。
得丸英司氏(以下、得丸) 50代以上の現役会社員の方々のお役に立ちたいという思いからです。50代にもなると、年齢を理由に出向や配置転換、役職定年などの経験を余儀なくされ、能力はあるのにモチベーションが低下する人も少なくありません。ニッセイ基礎研究所との共同試算では、50代会社員の生産性低下による経済的損失は約1.5兆円におよぶという結果が出ました。もはや企業や個人だけでなく、国全体の問題といえます。
――今の50代は一抹の不安を抱えて生活し、仕事をしています。
得丸 50歳から定年の60歳までの10年を、自分の力で走っていく「自走人生」の準備期間と位置付けます。残りの会社人生を全うしつつ、来たる「自走人生」のために、もうひとつの自分づくりを行ってほしいと思います。昭和の時代は「定年は人生のゴール」というイメージが強かったですが、それを「定年1.0」と名付けました。定年は55歳で、残りのごく短い人生は悠々自適でした。
しかし、平成になると超高齢社会が到来し、定年や年金受給開始の年齢も延びる方向に進むなど、「定年2.0」では老後の不安が増大しています。そして、2019年には新たな元号が制定されますが、「定年3.0」の世界では、定年は人生のゴールではなく、新たな自由な人生のスタートラインと位置付けます。
――具体的な活動としては、何がありますか。
得丸 自走人生の支援ツールとして、ポータルサイト「定年3.0」をオープンし、お金も含めて50代以降の生活についての情報共有を行っています。また、サイト内には「50's コミュニティ」というコミュニティを設けており、現在、約8000名の方が参加しています。年齢構成は主に50代が4割、40代が2割で、その他、幅広い年齢層の方が、日々さまざまなコメントをお寄せくださっています。
たとえば、定年後の生活について「楽しみにしています」という人は約4割で、「楽しみではない」が1割、残りの5割が「どちらでもない」と回答しています。「50's コミュニティ」は消費者コミュニティ事業を手がけるクオン社との取り組みですが、「定年後」というテーマに特化したコミュニティサイトはこれまでなく、初めての事例です。
また、10月には、新しいコミュニケーションスタイルを学ぶ診断型アプリ「コミスタ」の提供を始めました。ほかには、企業向けに「百年ライフプラン研修」を実施しており、“定年後難民”にならないための「100年マネープラン」などを提案しています。
■貯金1億円でも「不安で寝られない」
――得丸所長は、以前は日本生命保険に勤めていてファイナンシャル・プランナー(FP)でもいらっしゃいますね。
得丸 相談業務を行っていたとき、70代中盤のおばあちゃんが息子さんと一緒に相談に来たことがあります。内容は「貯金が減っていくので夜も寝られない」というものでした。そこで「失礼ですが、預金残高はおいくらですか」と聞いたところ、「およそ1億です」との答えでした。「70代中盤で1億円あれば使い切れないだろう」と思いますが、このとき私は「持っている金額が大きくても、減っていく不安はあるのだな」と思いました。内心、おばあちゃんに「もっと使いましょうよ。どうせ使い切れませんよ」と言いたかったですが、金融資産が減少していくにしたがって心理的不安が生まれるのです。
そういう意味では、定年後の再雇用は年金受給前に定期収入を確保することになり、退職金の目減りも防ぐことができるため、精神的な余裕にもつながります。いわば会社員の特典ともいえる制度です。
――研修プログラムの「100年マネープラン」というのは、どういう内容でしょうか。
得丸 プログラムの執筆・監修を行っているFPの浅井秀一氏は、「お金は使われて初めて価値が生まれる」と強調しています。たとえば、1万円を使って温泉宿で過ごすと、「大満足」という人がいる一方で「まったくダメだった」という人もいます。お金の役割や価値を見いだすのは自分自身なのです。そのため、いつどこでどのようにお金を使うのかをプランニングすることは非常に大事です。
30〜40代のマネープランはシンプルで、「とにかく貯めてください」という一点に尽きます。しかし、50代になると「自分の将来のためにどのように使うか」という観点が必要になってきます。
――65歳以降になると、年金収入が中心になりますが。
得丸 総務省の「家計調査年報(2017年)」によると、「高齢夫婦無職世帯」(夫65歳以上、妻60歳以上の夫婦のみ)の1カ月の収支は約5.4万円の赤字です。収入の多くは公的年金ですから、「年金収入だけでの生活は厳しい」という話は、これが根拠になっているのではないでしょうか。しかし、これはフローの部分だけを見ているにすぎず、ストックの部分を考えていません。簡単に言えば、フローとして毎月5.4万円の赤字があれば不安になるのは当たり前ですが、それ相応のストックがあれば問題ありません。
50代にアドバイスするとしたら、60歳で定年、つまり定期収入が終わりを迎えますが、その時点でマネープランを練る必要があります。老後のための貯金や退職金がいくらあるか、60歳からの収入はどのくらいになりそうか。「このままでは生活が厳しい」となれば、能力を磨いて収入を増やしたり固定支出を削ったりすることが必要です。自分のライフプランに合った個別の戦略が大切になってきます。
(構成=長井雄一朗/ライター)
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