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簡易宿泊所で火災 我々はどこで死を迎えればいいのか
http://tanakaryusaku.jp/2019/01/00019379
2019年1月4日 20:13 田中龍作ジャーナル 横浜市消防局が現場を訪れたが、表をチラッと見ただけで そそくさ と引き揚げて行った。=4日、横浜市中区寿町 撮影:田中龍作= けさ6時20分ごろ、横浜市中区寿町4丁目の簡易宿泊所「扇荘別館」5階の1室から出火した。横浜市消防局から消防車が出動し、火は8時30分ごろ鎮火したが、火元の部屋と廊下から男女2人が遺体で見つかった。 宿泊所の管理者によると、火元となった部屋の男性は車イスの高齢者(70代とみられる)で体の自由が利かない。男性のタバコが失火の原因ではないかと見られている。 廊下で倒れていたのは、男性を救出に行こうとした女性(70代とみられる)。男性の部屋の扉を開けたところを、煙に巻かれた。 寿町は若い頃、横浜港で荷役の運搬をしていた沖仲士が多い。山谷は建設現場だ。いずれも高度経済成長を支えた人々である。高齢となり身寄りもないことからドヤ街の簡易宿泊所で暮らすケースが一般的になっている。 今回、死亡した男性は高齢で体が不自由であったため生活保護を受給していた。簡易宿泊所は1泊1,500円くらいが中心。火事があった扇荘別館は1泊2,000円だ。 生活保護の適用基準が年々厳しくなり、支給額も減る一方だ。低賃金で持ち家を持てない今の現役世代は、年金も満足に受給できない。そうなると、老後はドヤ街の簡易宿泊所に寝泊まりする資金もない。政府は我々にどこで死を迎えろと言うのだろうか。 焼け出された居住者も車イス生活者だった。杖をつく人も少なくなかった。=4日、扇荘別館の玄関前 撮影:田中龍作= 〜終わり〜
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