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事件の深層! 積水ハウスはなぜ「地面師の嘘」を見抜けなかったのか 闇の犯行集団の恐ろしい正体
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/58828
2018.12.08 森 功 ジャーナリスト 現代ビジネス
不動産大手企業の積水ハウスが被害者となった前代未聞の「地面師事件」。12月には新たに容疑者の再逮捕が発表されるなど、いまだ事件の収束は見えない。不動産のプロであり、業界のリーダーでもある積水ハウスはなぜ、コロッとダマされたのか。このほど『地面師 他人の土地を売りとばす闇の詐欺集団』(講談社)を上梓したジャーナリストの森功氏が、取材で明らかになった事件の「知られざる深層」をレポートする。
地面師という闇の詐欺集団
他人の土地を自分のもののように偽って第三者に売り渡す詐欺師――。地面師という聞き慣れない言葉を大辞林はそう解説する。知能犯係の刑事たちは、地面師詐欺のことをニンベンと呼ぶ。偽物の「偽」から、捜査するときに用いる隠語として生まれた表現であり、犯人一味がニセ地主を仕立てることから、そう名付けられた。
昨今の不動産高騰に目を着けたそんな詐欺集団が東京や大阪の大都会で跳梁跋扈している。この数年、警視庁管内の詐欺被害だけでも50件はくだらないといわれており、捜査に大忙しだ。なかでも先頃摘発された「積水ハウス事件」は、取引総額70億円、55億5000万円という空前の被害額が評判になった。日本のハウスメーカー御三家の一角を占める巨大企業が造作なく騙された不動産詐欺である。
地面師たちは立地条件のいい住宅地や都心のマンション、ビル用地を狙う。ニセ地主を仕立て、もっぱら開発業者を騙して土地を売り払い何億、何十億円という代金を詐取する。なぜ日本を代表する大企業や不動産取引のプロが、詐欺被害に遭ってしまうのか。どうしてこんなにも事件が頻繁に起きているのか。誰もが抱く素朴な疑問について取材を始めたのが2016年だった。
積水ハウスが巨額地面師詐欺の被害に遭った五反田「海喜館」 撮影/濱崎慎治
取材を進めると、どの事件もまるで映画や芝居のような出来事が現実に起きている。犯行一味の頭目の描いたシナリオに沿って取引の交渉役や地主のなりすまし役が配置され、不動産のプロが罠に嵌められていく。まさに巧妙に仕組まれた犯行現場の光景が目の前に現れた。そこには、やはり理由があった。
五反田駅徒歩3分の超好立地
たとえば積水ハウス事件の舞台は、JR山手線五反田駅から徒歩3分の廃業旅館「海喜館」(うみきかん)の取引である。不動産業界にとって垂涎の立地条件である半面、怪しげなブローカーが持ちまわっている曰く付きの物件として知られてきた。積水ハウスの営業マンもそれくらいは承知だっただろう。が、営業部員に旅館の元女将が土地を売りたがっている、という話が持ち込まれると、マンション事業の担当部長が乗り気になった。他の大手不動産会社に聞くと、積水クラスの開発業者なら100億円未満の取引は部長決裁で進められるという。
ただし積水では、旅館跡地のマンションプロジェクトの報告が重役や社長にあげられ、社長自ら現場の元旅館視察に乗り出した。
「ぜひやりたい」
社長がそう営業部門に檄を飛ばし、担当常務がニセ地主たちとの売買交渉に立ち会った。そこでは何の疑問も抱かず、犯行グループに乗せられた。おまけに取引をふた月も前倒しし、70億円の取引総額のうち、いとも簡単に詐欺師たちへ63億円も払い込んだ。
あなたたちは、どちらの方ですか?
2017年6月1日、当の海喜館の門前でちょっとしたイザコザがあった。
通報を受けた警視庁大崎警察署の捜査員が現場に駆けつけ、そこにいた積水ハウス工務部の担当者2人にこう声をかけた。
「あなたたちは、どちらの方ですか」
警察官からいきなりそう誰何された積水ハウスの担当者たちにはまったく事情が呑み込めない。まさに面食らった。
工務部とは文字どおり、デベロッパーが建設工事にとりかかる前に現場の調査をし、資材を調達する先発隊だ。積水ハウスの工務部の社員も、そのために現場で作業をしようとしていたのだが、そこへ警察官が現れること自体、完全な想定外だった。
「ここは持ち主からうちが買いとったんです。それで、測量を始めたところですが……」
二人の工務部員のうちの一人が、警察官にそう説明した。すると、そこへ警察へ通報した当の弁護士が割って入った。
「あんた方、何を言っているんですか。私こそ持ち主の依頼でここへ来ています」
地面師詐欺が発覚し、立ち入り禁止となった海喜館 撮影/濱崎慎治
すでに旅館の土地建物の売買契約を済ませていたはずの積水側にとっては、まさに寝耳に水だ。
「何を言っているんだ。支払いも済ませているんだよ。何の権利があって邪魔するんだ」
だが、弁護士も負けていない。
「依頼人はこの旅館を売ってないんだから、測量なんか絶対にさせないよ」
この弁護士の依頼人は、旅館の持ち主の親族だったのだ。
なぜ積水ハウスは詐欺を見抜けなかったのか
この日を境に、積水ハウス社内でも「騙された」という共通認識を持つに至ったわけだが、詐欺に引っかかった積水ハウスの裏側をのぞくと、大手企業にありがちなサラリーマン組織の脆さが見え隠れする。本来、現場の営業部隊は、旨い話の裏に潜む危険を警戒し、仮に疑いがあれば、手を引かなれければならない。
実際、元旅館女将のなりすまし役は取引現場で生まれ年の干支を間違えてしまった。そんな不自然な様子に気付いた不動産会社の中には、地面師の仕業を疑い、取引を中断したところもあった。
しかし積水ハウスでは、部長どころか常務や社長が前のめりになって走り続けた。仮に計画にストップをかけ、他の業者に取引をさらわれると、現場の営業マンの責任問題に発展しかねない。地面師と呼ばれる詐欺師たちは、そうしたサラリーマンの心理を読み、ことを運んだ。
積水ハウス事件は氷山の一角だ
地面師はなにより相手の心理を読み、騙す術に長けている。事件では、精巧に作成された地主の元女将の偽造パスポートという武器が大きくものを言った。会社員として物証が整っていれば、取引を中断する理由はない。そんな心理が働いたのかもしれない。
事件は日本を代表する住宅建設会社の経営を揺らした。騙されたその責任をめぐり、会社のツートップが反目し、あげくにクーデター騒動に発展する。そのクーデターの詳細については、稿を改めて記したい。
地面師たちは文字どおり神出鬼没、変幻自在に動く。取材を続けると、想像以上に数多くの事件に出くわした。赤坂の駐車場を巡り、ホテルチェーンのアパグループから12億6000万円を騙し取ったグループは、他にも二つの事件に手を染め、被害総額は22億円にのぼる。
だがその実、地面師たちの犯行で警視庁が逮捕、起訴に漕ぎ着けた事件は、氷山の一角でしかない。むしろ摘発できず、捜査が難航しているケースは数限りない。まさしく闇の犯行集団という言葉がぴったりの詐欺師たちである。
#海喜館 これもそうかな。
— ショーター (@teritama19) 2018年12月8日
積水は一等地が手に入る、と担当者なり社内がわっしょいの雰囲気に包まれてて、ヤバイと気が付いても、今度は責任論の回避で取引を止めれんかったんやろな。
>>しかし積水ハウスでは、部長どころか常務や社長が前のめりになって走り続けた。https://t.co/lqgb1bTz1O
事件の深層! 積水ハウスはなぜ「地面師の嘘」を見抜けなかったのか | マネー現代
— 【募集中】高信ビル @田町駅 徒歩8分・三田駅 徒歩4分 港区 賃貸事務所 (@Takashin_Bldg) 2018年12月8日
-「#積水ハウス 事件」は、取引総額70億円、55億5000万円という空前の被害額が評判になった。日本のハウスメーカー御三家の一角を占める巨大企業が造作なく騙された不動産詐欺である。#地面師https://t.co/0JCKsSlveG
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