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11月米雇用統計発表後にNYダウ急落
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2018年12月 8日 植草一秀の『知られざる真実』
12月7日のNY市場でNYダウが前日比558ドル下落した。 注目された11月雇用統計で雇用者増加数が15.5万人と10月の23.7万人から大幅に減少したことと、このなかかでFRB関係者から近い将来の利上げを支持するとの発言が示されたことが大きな背景になった。 週間の下落幅は3月以来の大幅なものになった。 11月20日に 拙著『日本を直撃する「複合崩壊」の正体』 https://amzn.to/2PPBhAE を上梓した。 私が執筆している会員制レポート 『金利・為替・株価特報』=TRIレポート http://www.uekusa-tri.co.jp/report/index.html の年次版シリーズの第7弾になる。 本書には日本株価が過去の株価変動のどの位置にあるかを記している。 株価警戒の根拠を明示している。 会員制レポート『金利・為替・株価特報』 2018年10月15日発行号(10月11日執筆) タイトルを 「長期上相場終局=波乱局面への移行可能性」 として、日経平均株価指数先物の「売り」を提唱し、相場の転換を示すとともに、その後の株価乱高下を予測してきた。 『日本を直撃する「複合崩壊」の正体』には、そのエッセンスを示す1枚のチャートを掲載している。 振り返れば、2018年全体が波乱相場への移行を示す変動を示してきた。 2018年版TRIレポート 『あなたの資産が倍になる』 https://amzn.to/2KFMa2N では、第1章「2018年の大波乱」として2018年金融市場の波乱を予測した。 2017年版TRIレポート 『反グローバリズム旋風で世界はこうなる』 https://amzn.to/2SjWWP0 サブタイトルを 「〜日経平均2万3000円、NYダウ2万ドル時代へ! 〜」 として、グローバルな株価急騰を予測したのに対し、2018年は波乱相場への移行を予測し、2019年では、より警戒的な見通しを示している。 安倍内閣が「数の力」だけを頼りに横暴極まる国会運営を続けているが、2019年には重要な国政選挙がある。 日本の暴政も重大な転換点を迎えることになるだろう。 「及ばざるは過ぎたるに勝れり」 という言葉がある。 なにごとも行き過ぎは失敗の原因になるのだ。 老子第44章に次の言葉がある。 「足るを知らば辱(はずか)しめられず、 止(とど)まるを知らば殆(あや)うからず、 以て長久(ちょうきゅう)なるべし。」 「足ることを知れば屈辱を受けず、止まることを知れば危険にさらされず、これをもって長生きできる」 というもの。 「足るを知ること」、そして「止まるを知ること」 という意味で「止足(しそく)の計」と呼ばれる。 トランプ大統領の行動にも「過剰」がある。そして、安倍首相の行動にも「過剰」がある。 安倍首相は国会における「数の力」を振りかざしているが、その「数の力」は主権者の国民の圧倒的支持に立脚していない。 主権者国民の4分の1の支持しか得ていないにもかかわらず、選挙制度の特性によって、たまたま7割の議席を占有しているに過ぎないのだ。 主権者国民の未来を左右する重大な問題を、国会審議を軽視して、「数の力」だけで押し通してよいわけがない。 必ず「暴政」のツケが回ることになる。 2018年から株式市場の基調に重大な変化が生じ、とりわけ10月以降に波乱局面が到来している三つの背景がある。 それは、1.米中貿易戦争、2.米国利上げ、3.日本増税 である。 安倍内閣は2019年に「愚策博覧会」を開催する方針を示している。 消費税率を10%に引き上げる方針を示しながら、一部品目の税率を8%とし、キャッシュレス決済での消費についてのみ、2019年10月から2020年6月までは実質的な税率を5%とし、2020年7月に一気に10%にし、さらにプレミアム商品券という名の「新たな利券」を販売するというもの。 安倍政治に反対する主権者が大同団結すると、安倍内閣は国政選挙で厳しい審判を受けることになるだろう。 |
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