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ゴーン失脚で日産が仕掛ける「ルノー排除」の仰天策
https://diamond.jp/articles/-/186352
2018.11.22 週刊ダイヤモンド編集部 浅島亮子
20年近くの長きにわたって、仏ルノー・日産グループに君臨したカルロス・ゴーン氏。カリスマの退場はあっけなかった Photo by Kazutoshi Sumitomo
21世紀の自動車産業をけん引したカリスマ経営者は、あっけない退場を迎えた。有価証券報告書の虚偽記載など3つの不正の疑いをかけられて、カルロス・ゴーン氏が失脚したのだ。ゴーン氏を刺した日産経営陣は、次の一手に向けて動き始めている。(『週刊ダイヤモンド』編集部 浅島亮子)
CFOの交代が
ゴーン逮捕劇の起点
社長に引き上げてくれた恩人の首を差し出す心中は、いかばかりか。
11月19日、20年近くにわたって仏ルノー・日産自動車グループに君臨したカルロス・ゴーン氏が羽田空港に着陸するや否や、有価証券報告書の虚偽記載等の疑いで東京地検特捜部に逮捕された。
同日の緊急会見で、西川廣人・日産社長兼最高経営責任者(CEO)は「数ヵ月の内部調査を経て、容認できない重大な不正があり解任を決断した」と説明している。
すでに、異変は起きていた。5月18日に突如として、最高財務責任者(CFO)をジョセフ・ピーター氏から軽部博氏へ交代したのだ。ある日産幹部は、「ピーターの首を切ったのはゴーンさんだが、軽部さんがCFOに就いたことで内部調査を進めやすくなった」と言う。有報の虚偽記載は財務部門の関与なくして不可能であり、この幹部人事がゴーン逮捕劇の起点になったとみられている。
社内で内部調査の存在を知っていたのは、「社長を除けば、軽部CFO、山内康裕CCO(チーフ・コンペティティブ・オフィサー)、ハリナダ専務執行役員などに限られていた」(日産幹部)。西川社長らは超厳戒態勢を敷きつつ、水面下では当局と相談。周到な準備をして、ゴーン総帥を切り捨てる大きな賭けに出た。
現経営陣がゴーン失脚のクーデター計画を描いたと読めなくもないが、クーデターとするには現経営陣の責任放棄が過ぎるだろう。ゴーン氏らの不正を放置し続けた企業としての責任は重い。仮に、司法取引制度が適用されて日産幹部が刑事処分を免れたとしても、民事では株主代表訴訟が提起されるリスクは捨て切れない。
「何とか日産を守らねば」──。
西川社長による賭けの成果は、皮肉にも、ゴーン統率下ではバラバラだった日本人幹部の間に、妙な連帯感を生んでいることかもしれない。一枚岩の結束が、ポスト・ゴーン体制の原動力になりそうだ。
日産を配下にしたルノーとの
経営統合が仏政府の理想形
まず、向き合わねばならないのは、ルノーとのパートナーシップの再構築だろう。日産が経営危機に陥った経緯から、仏政府を親会社に持つルノーは日産株式の43.4%を保有している。近年、仏政府が国内産業保護を目的に、ルノーを通じて日産の経営支配を強める傾向にあった。
紆余曲折はあったが、仏政府の理想形はルノーと日産の経営統合だ。ちなみに、2014年に安定株主に2倍の議決権を与える「フロランジュ法」制定で仏政府による日産支配を迫ったのが、マクロン経済・産業・デジタル相(当時。現仏大統領)である。
ゴーン氏には、仏政府からルノーCEO職の解任圧力がかかっていたのだろう。「ここにきて、ゴーン氏が経営統合に関して玉虫色の発言をするようになり、日産の経営の独立性を最優先する西川社長のスタンスとの乖離が目立つようになっていた」(日産幹部)。
ゴーン氏失脚により、ゴーン氏が結節点となることで保っていたルノーと日産との均衡バランスは崩れるだろう。
だが、両社は調達、研究開発、生産など主軸機能の統合を進めており、「先に機能統合を進めることで実質的な経営統合に近づいていたのではないか」(同)といわれるぐらいの密接ぶりだ。今更、アライアンスを解消するのは現実的ではない。特に、ルノーの業績では、ルノーの税前利益に占める「日産からの持分利益(27億9100万ユーロ)」は46%に上り、ほぼ半分の利益を日産に依存している。
仏政府がルノーへの関与をさらに強めるのは必至。ティエリー・ボロレ・ルノー最高執行責任者(COO)が暫定CEOの座に就いたがマクロン大統領が新CEOを送り込む可能性も残されている。
日産の独立性を担保できる最適解は
ルノー株を25%以上買い増すこと
もっとも、日産にはアドバンテージがある。ゴーン氏逮捕のXデーを演出した西川社長には、ポスト・ゴーン体制で将来のアライアンスがどうあるべきなのか、じっくり戦略を組み立てる猶予があったからだ。突然、よりどころを失ったルノーとは訳が違う。
ルノーとの提携を維持しながら、日産の独立性を担保できる最適解とは何か。仏政府との攻防を経て、日産はルノー株式を現在の15%から25%以上に買い増すと、自動的にルノーが持つ日産株式の議決権が停止される権利を持っている。
だが、もっと確実に日産の地盤を固められる方策もある。「アライアンスで失った信頼は、アライアンスで取り返すという手段もある」(日産幹部)。例えば、戦略パートナーである中国・東風汽車や三菱自動車などの出資を仰ぐことで、ルノーが保有する日産株式のダイリューション(希薄化)を図れば、ルノー支配を排除できる一つの有効手段となるはずだ。
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