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半導体で米中が壮絶な報復合戦、日本の業界への影響は?(週刊ダイヤモンド)
http://www.asyura2.com/18/hasan129/msg/562.html
投稿者 赤かぶ 日時 2018 年 11 月 22 日 12:37:05: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

半導体で米中が壮絶な報復合戦、日本の業界への影響は?
https://diamond.jp/articles/-/185895
2018.11.22 週刊ダイヤモンド編集部 


Photo:PIXTA


週刊ダイヤモンド2018年11月24日号第1特集は「米中戦争 日系メーカー危険度ランキング」です。米中の技術覇権、軍事覇権を懸けた戦いは、長期戦になることが決定的です。日本企業にはどう影響するのでしょうか。半導体業界についてどのような影響が出ているか、特集で掲載した記事をダイヤモンド・オンラインで特別公開します。

 2025年までに、中国で製造する自動車に使う半導体の70%は、中国企業のものを採用しなさい──。

 今秋に入り、ある半導体業界のアナリストは、大手部品メーカーなどから立て続けに問い合わせを受けた。内容は共通しており、冒頭のような通達を近く中国政府が発表するという情報があり、その対処法を問うものだという。

 中国政府が15年に発表した技術ロードマップ「中国製造2025」では、半導体の自給率を20年に40%、25年に70%まで高めることが掲げられている。現在の自給率は10%台前半のため、相当野心的な目標だ。

 これまで中国は目標実現に向けて、自国企業の育成を重視するスタンスを取ってきた。とりわけ軸に据えられたのは、半導体メモリー会社である。

 1.5兆円規模の中国政府系ファンドから支援を受け、精華紫光集団傘下のYMTC、福建省晋華集成電路(JHICC)、RuiLiの3社が中国国内で工場を建設しており、国策でメモリー生産の準備を加速させている。

 冒頭の通達が仮に実現すれば、育成だけではなく、中国で活動する外国企業に圧力をかけることで、何が何でも目標を達成するという、中国の強圧路線への方針転換を示すものとなる。

 現時点で通達への“最適解”とされているのは、中国企業が51%、外国企業が49%を出資する合弁会社を設立すること。こうすれば中国企業と見なされるため、基準をクリアできるというわけだ。

 ルネサスエレクトロニクスをはじめとする中国国外の車載向け半導体メーカーは、合弁会社にどこまで技術を供与するか、苦悩しているのだという。

 ちなみに今回の通達騒動で株を上げたのが、ソフトバンクグループの孫正義会長兼社長である。というのも、グループ傘下の英半導体大手、アームは、今年6月の時点で中国子会社の持ち分の51%を約850億円で現地企業などに売却しているのだ。

 「孫さんはこうなることを知っていたのだろう。さすがだ」と業界で評判になっている。



 中国の育成から圧力への方針転換の背景にあるのは、今年に入ってからの、半導体の技術覇権をめぐる米中の衝突の激化である。

 先制パンチを放ったのは米国だ。今年4月、中国の通信機器大手中興通訊(ZTE)に対し、7年間の米企業との取引禁止という制裁を発動した。

 イランや北朝鮮に、ZTEが米国製の部品を使った通信機器を違法輸出した問題に絡み、17年3月の米商務省との合意に虚偽の説明があったことが制裁の理由だ。

 これでZTEは壊滅的な打撃を受けた。製品の心臓部には、米クアルコムや米インテルなどの半導体が使われていた。これが入手できなくなったため、ZTEは「米政府の制裁を受けて、主要事業の運営継続は不可能」と5月に発表するまでに追い込まれた。

 ただ、この制裁はクアルコムなどの米企業にとっても、取引先を失う痛手になる。7月、経営陣刷新や1億ドルの罰金支払いを条件に、ZTEへの制裁は解除された。

米国は輸出制限 中国は販売差し止め
激化する報復合戦


 中国は震撼した。通信機器で世界シェア4位の大手企業が、米国の胸三寸で破綻寸前に陥ることがあらわになったからだ。実際に、半導体世界シェア上位10社の過半は米国が占めている。

 供給の大部分を米企業に頼る状況は極めてまずい。半導体の内製化を早急に進めなければならないと、中国は身に染みたはずだ。

 とはいえ、中国も反撃に出る。7月、中国の裁判所が米メモリー大手、マイクロン・テクノロジーに対して、一部半導体製品の販売差し止めの仮処分を命令した。

 もともとマイクロンは、台湾の聯華電子(UMC)が半導体技術を盗み出してJHICCに渡したとして、17年12月に米カリフォルニア州の裁判所に提訴。これを受けてUMCは今年1月、マイクロンを特許侵害で中国の裁判所に逆提訴しており、仮処分はUMCの言い分を全面的に認めた形だ。

 さらに、クアルコムが16年10月にオランダのNXPと合意した440億ドルの買収計画について、つぶしにかかる。買収期限の7月25日までに中国当局が承認せず、クアルコムは買収断念の道を選ばざるを得なかった。



 米国もやり返す。10月30日、米商務省はJHICCを米国製品の輸出制限リストに加えた。米企業からの輸出に認可が必要となるが、原則不許可の方針とされ、事実上の禁輸措置である。

 こちらの制裁の主役となるのは半導体製造装置だ。アプライド・マテリアルズやKLAテンコールなど、米製造装置メーカーの装置がなければ、JHICCは半導体が作れず大打撃を受ける。

 今回の制裁について、ロス米商務長官は、「海外企業が米国の国家安全保障上の利益に反する活動に関わる場合、国家利益を守るため強力な対応を取る」と強調する。

 最先端の半導体は中国には作らせない。米企業の半導体を買え、と一歩も引かない米国は、さらなる制裁も辞さない構えだ。



 次なる制裁の有力候補は、マイクロンがUMCやJHICCと共に技術盗用の疑いで提訴したRuiLiである。中国製造2025の中心的な存在である中国国策メモリー3社のうち2社を、米国は本気でたたこうとしている。

 JHICCへの制裁に絡んで影響を受けそうなのが、日系の半導体製造装置メーカーだ。

 東京エレクトロンやSCREENホールディングス、ディスコをはじめ、日本には多段階に及ぶ半導体製造の工程で、世界シェアトップ級の装置を握る企業がひしめいている。

 今後、中国の半導体企業に対する制裁について、米国は経済産業省を通じて日系メーカーに歩調を合わせるよう迫ってくるというのが、業界に共通する見方である。



 当然ながら中国は製造装置を買わせるように求めてくるだろう。現実に、中国での製造装置の販売高は年々増え続けており、いまや世界で3番目の規模になった。

 ここにはインテルや韓国サムスン電子、台湾TSMCという半導体製造大手3強の中国工場での購入分が含まれているものの、中国企業が製造装置を買いあさる状況は当面継続する見込みだ。

 もしも中国側について製造装置を売りまくれば、日系メーカーは一時的な売り上げ増を見込めるだろう。ただ、中国企業に最先端の装置を渡すことは、技術流出のリスクを常にはらむ。

 加えて、中国半導体メーカーが大量の製品を市場に供給してしまえば、価格下落と半導体不況の到来という、業界にとって悪夢のようなシナリオが待ち構える。

 結局、中国の国策半導体バブルに乗るよりも、米国について技術の優位性を保ちながら供給過剰を回避するという、現実的なリスクヘッジ策を日本の製造装置各社は選ぶことになりそうだ。

(週刊ダイヤモンド編集部)



 

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コメント
1. 2018年11月22日 17:45:03 : KcXPJ0vY7E : R7UfxFCQOM8[4] 報告
韓国は? シェアトップは韓国企業のようだが。
2. 2018年11月22日 23:19:00 : ge2bgWoYw6 : FjOjyZrEn6Y[1] 報告
中国はアメリカから石油を一滴も輸入しないと発表した。イランとロシアが代わりに石油を供給するそうだ。

貿易戦争で中国が戦前の日本のように爆発する事は考えにくい。アメリカとの根競べに中国が負けるだろうか。今の財政的に困窮しているアメリカは昔の豊かなアメリカと同じ国ではない。明治維新以来日本は外交上何時も乗る側を間違えてきた。例えば日清日露戦争だが、英国の意向で始めた二つの戦争も中国との間で回復不能な深い怨念と膨大な犠牲の割には得る物が少なく、それゆえの欧米への深い怨念が仇となって後の敗戦の導火線となったのである。確かに勝ち戦は気持ち良かったのかも知れぬがその価値はあったのか。英国はアジアから遠く離れており、言わばヤクザが遠くの街で狼藉を働き地元に逃げ帰るようなもので、元からアジアに居る日本のように数千年培ってきた地元との和を壊されたのとは立場が違うのではあるまいか。英国との同盟のツケは戦後まで払い続けた膨大な借金に示されている。これほど高くついた同盟は日本の歴史上空前と言っていい。そしてナチス第三帝国との同盟は書くまでもないだろう。今のアメリカにくっ付いて行く事が本当に軍事上、あるいは経済上正しい事なのか。どうも日本国内からは突っ込んだ議論が聞こえないのだが。

3. 2021年9月10日 17:29:10 : fUUfgLB8gs : OVVZdk9QWXhBems=[4] 報告
ダイヤモンド半導体、直径2インチサイズ開発 佐賀大など
https://www.msn.com/ja-jp/news/techandscience/%E3%83%80%E3%82%A4%E3%83%A4%E3%83%A2%E3%83%B3%E3%83%89%E5%8D%8A%E5%B0%8E%E4%BD%93-%E7%9B%B4%E5%BE%84%EF%BC%92%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%81%E3%82%B5%E3%82%A4%E3%82%BA%E9%96%8B%E7%99%BA-%E4%BD%90%E8%B3%80%E5%A4%A7%E3%81%AA%E3%81%A9/ar-AAOhHKI?ocid=msedgntp

佐賀大理工学部の嘉数誠教授(60)=半導体工学=とアダマンド並木精密宝石(並木里也子社長、東京)は9日、共同研究している「ダイヤモンド半導体」で、実用化レベルで世界最大となる直径2インチ(約5センチ)サイズの開発に成功したと発表した。半導体メーカーの製造装置に対応でき、「企業の研究開発に拍車が掛かる」と期待を寄せる。

 シリコンが長く使われてきた半導体の基板素材では、シリコンカーバイトや窒化ガリウムなど新素材の開発や導入が進められている。そうした次世代半導体の中でもダイヤモンドは「究極の半導体」と呼ばれ、高出力や高周波に対応できる優れた特性を持つ。現在導入が進んでいる移動通信システム「5G」の次の「6G」携帯基地局や通信衛星、電気自動車などで使用される「パワー半導体」として期待されている。

 今年4月には1インチサイズで世界最高水準の高出力電力を制御できると発表していた。今回は基板を担当しているアダマンド並木精密宝石が、サファイアの上に人工ダイヤモンドの結晶を成長させる新たな方法を生み出し、2インチの製造に成功した。

 品質も向上し、4月発表時の2倍に相当する1平方センチ当たり345メガワット(約7万世帯の使用電力)を制御できるという。2025年には生産に必要な4インチサイズの開発を目指している。嘉数教授は「こちらは基礎研究で、実用化には実際に使用する企業の力がいる。パートナーを増やしてオールジャパンで取り組みたい」と話している。

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