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逮捕されたカリスマ、ゴーン会長の経営手腕と関係者が語る実態
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20181120-00024008-forbes-bus_all
Forbes JAPAN 11/20(火) 17:00配信
カルロス・ゴーン(Photo by Vincent Isore/IP3/Getty Images)
日産自動車の最高経営責任者(CEO)を昨年退き、現在は同社と仏ルノー、三菱自動車3社の会長を兼務するカルロス・ゴーン(64)が11月19日、金融商品取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)の疑いで東京地検特捜部に逮捕された。日産の資金を私的に流用していた疑いも指摘されている。
複雑な企業構造のトップを務めてきたゴーンについて、米オートトレーダー・グループのディレクター、ミシェル・クレブスは、「日産の社内でもずっと以前から、ゴーンが得る報酬は批判と嫉妬の対象となってきた」と語る。
「日本人の幹部にも従業員にも、それほどの収入を得ている人はいない…日産の業績が好調でなければ、恐らくこの問題は見過ごされていただろう」
一方、現在も日産と取引があることから匿名を条件にコメントした同社の元従業員は、日産の日本人の管理職たちがゴーンを標的にし、当局に情報を提供したのではないかと推測している。彼らが「ゴーンの支配下から抜け出すことを切望していた」ためだという。
「日本人たちは決して、ゴーンをトップに迎えることを歓迎していたわけではない。だが、経営危機に陥っていた日産は受け入れるしかなかった。ただし、それも20年近く前の話だ。現在の日産は好調だ。上級幹部の多くが、さらには日本の政府職員の一部も、ゴーンをバックミラー越しに見たいと思っている」
米自動車研究センターの名誉会長であり、自動メーカーのCEOの多くに助言してきたデービッド・コールはゴーンについて、「彼は経営において、チームのコーチではなく臣下に対する王のような態度を取る」と述べている。
「彼はおよそ20年にわたって、非常に複雑で政治的な人間関係と事業を巧みに操ってきた」
周囲からは批判も─
評価された経営手腕
ゴーンの経営手腕は高く評価されてきた。日産では過去の管理職たちにはできなかった人員削減を行い、工場を閉鎖し、会社を変えた。
同社には、無駄を省き、非効率性をなくすためには社内に政治的、または個人的な結びつきがない外部の人材が必要だと考える人たちがいた。そして、抜本的なリストラを困難にしている日本の社会的慣習に抵抗するには、外国人が適していると考えられた。
ルノーと日産という大手自動車会社2社の経営を混乱なく同時に行ってきたゴーンの経営手腕は、ビジネススクールでも研究されてきた。BMWによるローバー、ダイムラーによるクライスラー、そしてフォードによるジャガーとボルボの買収の失敗とは対照的だと評価されている。
日本政府も奨励した三菱自動車の買収によって成立した3社連合の販売台数は今年、1100万台を超える見通しだ。米ゼネラルモーターズ(GM)、独フォルクスワーゲン(VW)VWグループ、そしてトヨタ以上の販売台数となる。
周囲からは「反感」
ゴーンは長年、複雑な形で報酬を得てきた。ルノーと日産、三菱自動車のそれぞれから給料が支払われている。ルノーから得る報酬については、仏政府も問題視してきた。
日産からの収入は、日本の自動車メーカーの幹部らの大半の報酬を大きく上回り、ゴーンは日産の関係者だけでなく、国内の自動車各社の幹部たちからも反感を持たれてきたという。日本政府に対してゴーン以上の強い影響力がある業界幹部でも、ゴーンほどの報酬は得ていなかった。
ゴーンの元妻、リタ・ゴーンは19日、自身のSNSアカウントに次のようなコメントを投稿した。
「全てのナルシシスト、偽善者たち。彼らは実際には持ち合わせない道徳観と価値観があるふりをしている。閉ざしたドアの向こう側で、彼らはうそをつき、侮辱し、批判し、見下し、暴言を吐いている…他人には従うべき数多くの規則を設ける一方で、自分たちは全く規則に従わない。そして、人に説き勧めることの一つも、自分では実行しない」
ゴーンと共に逮捕された日産の代表取締役グレッグ・ケリーの今後は、日仏両国の警察、そして議会の手中にある。
David Kiley
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