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コラム2018年11月3日 / 08:20 / 2日前
富の集中がもたらす「本当の格差」
Edward Hadas
4 分で読む
[ロンドン 31日 ロイターBreakingviews] - スーパーリッチ階級のライフスタイルをのぞき見る「ウェルス・ポルノ」は、普段は思慮深い人の心も狂わせる。
数十億ドル、数兆ドルに上る富の描写に目を奪われ、過剰なまでに贅沢な浪費の物語に夢中になってしまうのは世の常だ。だが、超富裕層の台頭について、本当に重要なことは、胸がときめくような贅沢ではなく、富の集中が社会に与える影響だ。
ミリオネアやビリオネアが抱える資産の世界的傾向に関するレポートは、こうした話に熱中する人々にとっては格好のテキストだ。今はそんなレポートの「旬」と言える。スイスの2大銀行が先日、本格的な調査結果を発表。UBSは純資産10億ドル(約1120億円)以上、クレディスイスは純資産100万ドル以上の富裕層についての調査だ。
出てくる数字だけでも印象的だ。
UBSの試算によれば、純資産10億ドル以上を保有する個人は、世界で2158人存在しており、彼らの資産総額は8兆9000億ドルに達する。クレディスイスは、世界の資産総額は317兆ドルと、2000年の117兆ドルから増加しており、2007年以降、資産全体の約85%を最も富裕な上位10%が占めている、と指摘している。
こうした数字は幻想をさらにかき立てる。超富裕層(HNWI)向けの商品を扱う者はビジネスをなんとか成功させようと夢見るだろうし、経済的公正さを支持する者は憤怒を駆り立てるだろう。
だが、こうした富裕層に興味津々の人たちは冷静になるべきだ。
理由は2つある。第1に、こうした資産の大半は、かなり仮想的なものだ。クレディスイスは住宅や金融資産の価格上昇を「現実的な」プラスとして描写しているが、これは真実を歪めている。現在価格で現金化できるのは、一握りの人々だけだ。売り手が多すぎれば、あらゆる金融資産の価格は(そしてすべての富裕層の純資産は)下落する。
第2に、先進諸国においては、地道に中流層であることに比べて、富裕層であることの物質面での優位は非常に小さい。大量生産、福祉国家、ユニバーサルサービスの義務付けによって、誰もが同じ道路、電力、電話などを利用することができる。誰が運転する車でも同じ速度制限を守らなければならない。米国におけるいくつかの例外を除いて、医療はユニバーサルサービスに近づいている。人口の上位4分の3は、快適でそこそこの広さのある住宅で暮らしている。
もちろん、郊外の標準的な集合住宅に比べれば、富裕層の豪邸やペントハウスは贅沢だ。個人所有の島やプライベートビーチといった不動産は、市街地にある観光客向けの2つ星ホテルに比べれば、もちろん居心地が良かろう。だが、現実的な快適度の差はかなり小さい。今日の中流層が「大変」快適な生活を送っているのに比べて、超富裕層は「ものすごく」快適な生活を送っているという程度だ。
この程度の違いになぜ人々の関心が集まるのか。それを最も的確に説明しているのは、精神分析学の開拓者であるジークムント・フロイトが「小さな差異のナルシシズム」と呼んだ分析だろう。
人間は、より眺めのいいオーシャンビューの部屋、より大きなダイヤモンド、あるいは何であれ社会的地位の高さを示すあれこれがもたらす、客観的には価値の上積みが微々たるからこそ、ナルシズムを刺激され興奮するというものだ。
巨額の資産があれば、なるほど、そうしたステータスシンボルを買うことはできる。だがこうした社会的なシンボリズム(象徴主義)は、経済的にはほとんど意味がない。ほぼすべての人が多くのモノを所有している国では、より多くを所有する喜びと、より少なく所有することの不満は、宝石やランボルギーニの金銭的な価値ではなく、もっぱら文化的な価値観によって決まってくるのだ。
だが、巨額の資産があれば、通常のブルジョワジーには手の届かない大切なものを手に入れることができるかもしれない。それは「影響力」だ。
金融資産、親からの遺産、エリートとしての教育、そして報酬をほとんど、あるいはまったくもらえないような仕事を引き受ける余裕があることで、恵まれた富裕層は、社会的な優先順位を設定し、倫理的な問題に関する合意形成を主導し、メディアを構築するという点で、桁違いの権威を手に入れている。
こうした社会形成における常人離れした力は、超富裕層とそれ以外の人々のあいだに、消費面における差異よりも、はるかに大きな格差を生み出している。
富裕層の文化的な影響力は、彼らの政治力と切り離すことが難しい。民主的な社会では、富裕層は資金と時間、スキルを提供することによって望ましい政策を「買える」ことが多い。
独裁体制下では、富裕層と権力者は非常に緊密に結合しており、ほとんど見分けがつかないほどだ。
富がもたらす以上3つの優位性、「ステータス」と「影響力」そして「権力」は好ましくないものと判断されるかもしれないが、UBS、クレディスイスの調査に見られる数値とはほとんど何の関係もない。富裕層の社会的な権威は、資産価格の上昇によって増すことはほとんどないし、市場が暴落してもほとんど傷つかないためだ。
富がもたらす特権に、市場価格よりもはるかに大きな影響を与えるのは「時間」だ。富によるパワーを特に増大させるのが「相続」だ。富裕層の子どもは、人々のリーダーになるように育てられ、十分な時間と磨かれたスキル、豊富な人脈を、慈善活動や政治キャンペーンに投じることができる。労せずして手に入れた社会的ステータスが、彼らにさらなる影響力を与える。
富によるパワーがひどく偏っている状況、それも相続によって継承されている状況下において民主主義を健全に保つことは容易ではない。20世紀前半、富裕エリート層による支配を抑制したいという願いが、多くの国で累進的な税制、つまり所得や相続財産が多ければ多いほど税率を上げるという発想につながった。
だがここ20─30年、政治的な流れは、特に富裕層への課税を軽減する方向で進んでいる。これによって利益を得た層は、この流れが続くよう、自らの影響力と権力を駆使している。このトレンドは、富のパワーをさらに定着させ、非エリート層の声を抑え込む傾向を示すだろう。
民主的な政府が直面している問題は富のパワーだけではないが、この問題は恐らく多くの有権者の離反を招いている。特に相続税率の引き上げは、正真正銘のポピュリスト的方向に向かう動きを抑える有効な手立てになろう。だが、そのような革命は起きそうにない。
それが起きるのを待つ中で、1つ確実なことがある。現在のような環境は、UBSやクレディスイスなどが手掛ける資産運用ビジネス、そして富裕層を熱烈に支持する業界全般にとって、好都合だということだ。
*筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。(翻訳:エァクレーレン)
https://jp.reuters.com/article/global-billionaires-breakingviews-idJPKCN1N710T
コラム2018年11月4日 / 07:55 / 14時間前更新
巨額マネー動かす資産運用者、意外な「最初の仕事」
Chris Taylor
3 分で読む
[ニューヨーク 31日 ロイター] - 人は誰しもお金を管理している。たとえそれが、ほんのわずかな額であったとしても。中には、仕事で驚くほど巨額の資金を動かしている人も少数ながらいる。
例えば、米資産運用大手バンガード・グループのロドニー・コメジス氏は3.1兆ドル(約349兆円)を管理している。それを上回る規模の国内総生産(GDP)を有する国は世界にわずか4カ国しかない。
だが、そもそもどのようにキャリアをスタートしてそのような巨額の富を管理する道に足を踏み入れたのだろうか。業界で名をはせる投資管理者数人に、キャリアの始まりについて話を聞いた。それは、ウォール街の重役室からははるか遠い場所で始まっていた。
●ロドニー・コメジス氏
バンガード株式インデックス運用グループのグローバルヘッド
最初の仕事:原子力潜水艦の下級士官
相当な量の訓練を積んだ。最初の1年半は、学校で原子核理論を学び、それから陸上にある基地で原子炉を稼動させる訓練を行った。その後、潜水艦の学校で潜水艦の操縦方法を学んだ。
そしてようやく私は米海軍の潜水艦「アーチャーフィッシュ」に配属された。いったん搭乗すれば、何カ月も海の中だ。その間、世界から遮断される。
キャリアの面では、2つのことが求められていた。1つは、他の人たちを率いること。もう1つは任務をこなすことだ。私は原子炉化学を管理する7人から成るチームを率いるのを手助けすると同時に、航行中に原子炉に異常がないか監視する任務を負っていた。
皆が考えているよりも潜水艦は大きいため、閉所恐怖症にはならなかった。3階建てで、工場で働いているような感じだった。通信手段は限られており、家族からのメッセージを50字以内で受け取ることしか許されなかった。幸いなことに、映画「レッド・オクトーバーを追え!」や「クリムゾン・タイド」のような危機に遭遇することはなかった。
潜水艦に乗っていた当時に学んだことが3つある。
1つ目は、素晴らしいリーダーシップだ。2つ目は人間関係。潜水艦では皆とうまくやっていかなければならない。そして3つ目に、潜水艦を動かす上で、問題を整理し解決するという技術的な側面を学んだ。要するに、魚雷を搭載した10億ドルの潜水艦の中枢を任されているわけだ。これは、22歳の若者にとっては大きな責任だ。
●オマル・アギラール氏
チャールズ・シュワブ・インベストメント・マネジメントの株式最高投資責任者(CIO)
最初の仕事:フォルクスワーゲン「ビートル」の修理
私はメキシコ市で育った。高校生のころ、カネのなかった私はどうにかして自分の車が欲しかった。友人たちは皆、車をもつようになっていて、彼らのことがうらやましかった。自分もクールな人間になりたかった。
メキシコ市は当時、独自動車大手フォルクスワーゲンのコンパクトカー「ビートル」の大きな拠点となっていた。メキシコはビートル世界生産のかなりの割合を占め、それは国内市場向けだった。ビートルはどこにでもあった。
ある人が私に、何台かの古いビートルの修理を手伝ってくれたら、1台くれると言ってきた。それでやる気になって、私は約1年間、修理工として働き、ルーフから水漏れがする20年もののビートルを手に入れた。
当時はユーチューブでやり方を習うわけにもいかず、すべては先輩の修理工から学ばなくてはならなかった。とても数学的で、異なったあらゆるエンジン部品を理解し、それらが全体としてどう機能するかを学ぶことができた。
私が得た最大の収穫は「トライアル・アンド・エラー(試行錯誤)」だろう。何かにトライしたとき、それはうまくいくかもしれないし、失敗するかもしれない。だがどちらにせよ、学ぶことがある。そして、次のチャレンジへと進むことができる。
私はかなり優れた直感力を養うことができた。もし今、1968年製のビートルをくれたなら、私は多分修理できるだろう。だが、テスラのようにすべてが電子化されている場合は、どこから手をつけたらいいのかすら分からないだろう。まったく見当がつかない。
●ラモナ・ペルサウド氏
フィデリティ・インベストメンツのポートフォリオマネジャー
最初の仕事:電話係
私は初め、住んでいた(ニューヨーク市)クイーンズ地区の近所にあるドライクリーニング店で働きたいと思っていた。14歳になったばかりで、自分でお金を稼ぎたかった。だが私の両親は、学校がすべてと考える典型的な移民の親だった。だから、その願いはかなわなかった。
モルガン・スタンレーで職を得たのは、私が大学3年生のときだった。電話係を必要としていて、時給は10ドルだった。1996年当時、それはかなり良い時給に思えた。仕事中に勉強しながら、教科書代も稼げて、私はこの仕事を気に入っていた。
働くうちに、社員が取引の決済をすべて書面で行っていることに気づいた。エンジニアリング専攻の学生として、私は、利用しやすくミスも減らせる応用ソフトウエアを使った書類のデジタル化を提案した。コード化できると思ったのだ。上司はやってみろと言い、それが私にとって金融サービスの世界に入るきっかけとなった。
移民の親は、子どもの仕事に口を出すことで知られる。私の父親は、私がエンジニアになることを切に望んでいた。だが予期せぬ展開こそが人生を面白くさせるものだ。投資は私の脳を喜ばせている。何年も父親を説得しようと試みたが、亡くなる直前でも、私をいぶかしむように見ていた。
*筆者はロイターのコントリビューターで、個人的見解に基づいて書かれています。
外為フォーラムコラム2018年11月4日 / 07:59 / 14時間前更新
ビットコイン誕生10年の「教訓」
Tom Buerkle
2 分で読む
[ニューヨーク 31日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 仮想通貨ビットコインの短い歴史は、経験よりも期待が勝っていることを示している。このデジタルマネーは、手痛い低迷の中で、誕生から10年を迎えた。
詐欺や規制強化により、ライバル仮想通貨の発行は枯渇し、基盤となるブロックチェーン技術もまだ圧倒的な魅力をもつ応用プログラムを生み出してはいない。「サトシ・ナカモト」と称するビットコインの発明者が思い描いたような革命には程遠い状況にある。
10年前の10月31日、ビットコインに関する論文を公開したナカモト氏は女性なのか男性なのか、あるいはグループなのか、その正体は謎に包まれたままだが、銀行や政府を介さずに安全に送金する方法を提供したいと考えた。
粋を集めた最新技術、金融危機後のエスタブリッシュメント(既存勢力)に対する不信感、そしてデジタル通貨で金持ちになるという夢はあらがうことのできない魅力があった。
ビットコイン価格は昨年20倍に跳ね上がり、開発者はわずか1年半の間に、仮想通貨(トークン)を発行して資金を調達する「イニシャル・コイン・オファリング(ICO)」を通じて200億ドル(約2.3兆円)近くを集めた。彼らは、競合する仮想通貨から安全な通信システム、予測市場に至るまで、あらゆることの構築を目指していた。
だが、それは出来過ぎた話だ。
サイバーセキュリティー会社の米カーボンブラックは6月、わずか半年間のうちに11億ドル相当の仮想通貨がハッカーによって盗まれたと推定した。数多くのトークンが消え、詐欺や間違った考え、ずさんな運営の犠牲となった。
中国は今年、取引を承認し新たな通貨単位を決める仮想通貨の採掘者(マイナー)とオフショア取引への取り締まりを強化。昨年にはすでに国内取引を禁止している。米証券取引委員会(SEC)はいくつかのビットコインETF(上場投資信託)の申請を却下し、大半のICOは有価証券関連法の監視下にあるべきとしている。
ビットコイン価格は昨年12月のピークから68%下落している。取引処理速度の遅さと、マイナーは多大な労力を必要とすることから、投機的な投資手段の域を出ない可能性は高い。ICOブームは収束し、ブロックチェーン技術の普及も限定的だ。
それとは対照的に、英科学者ティム・バーナーズ・リー氏が開発したワールド・ワイド・ウェブ(WWW)は、誕生から10年の段階でインターネットサービスのAOLがメディア大手タイム・ワーナーと合併。当時創立6年だったネット通販アマゾン・ドット・コム(AMZN.O)は30億ドル近くを売り上げている。
それでも、ナカモト氏の夢は生き続ける。
セコイア・キャピタルやアンドリーセン・ホロウィッツのようなベンチャーキャピタルが、ブロックチェーン開発者の資金調達源として急速にICOに取って代わりつつある。また、投資信託フィデリティは、機関投資家向けに仮想通貨取引や管理サービスを提供するための子会社を設立している。
一方、米サンフランシスコに拠点を置き、仮想通貨の取引所を運営するコインベースは今週、3億ドルを調達し、同社の価値は80億ドル近くに達した。
Amazon.com Inc
1665.53
AMZN.ONASDAQ
+0.00(+0.00%)
AMZN.O
だが、こうした投資が実を結ぶのを目にするには、さらに10年を要するかもしれない。
*筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。
https://jp.reuters.com/article/money-managers-first-jobs-idJPKCN1N70OH
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