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秘密主義だったアマゾンが公開したオフィスが衝撃的…礼拝室や搾乳室も完備
https://biz-journal.jp/2018/10/post_25271.html
2018.10.26 文=山口健太/ITジャーナリスト Business Journal
9月19日、アマゾンジャパンが目黒の新オフィスを報道関係者に公開した。その中身は世界最先端のグローバルIT企業にふさわしく、多様なワークスタイルに対応した仕掛けが満載されている。
アマゾンジャパンが目黒セントラルスクエアの新オフィスを公開
その一方で、これまで秘密主義を貫いてきたアマゾンがオフィスを公開したこと自体もサプライズといえる。いったいアマゾンの狙いはどこにあるのか。
■「熱帯雨林」を採り入れ、多様なワークスタイルに対応
これまでアマゾンの日本法人は、目黒雅叙園の敷地内にあるアルコタワーに拠点を置いていた。この旧オフィスはそのままに、新オフィスを目黒駅前の目黒セントラルスクエアに設置。このオフィス拡張に合わせて技術職など1000人を新たに雇用する計画だ。
目黒セントラルスクエアの新オフィスからの眺望
ビル自体は一般的な長方形のフロアだが、内装には流線形を採り入れており、堅苦しい印象はない。ソファやファミレスのような座席も多く、自宅にいるようにくつろげる空間を演出している。アマゾンの分析によれば、こうした空間が生産性を最大化するのだという。
フリーアドレスの座席も多数用意されている
オフィス内に目立つのが植物だ。2018年1月には米シアトルのアマゾン本社にも、熱帯雨林のように多彩な植物を採り入れた新社屋「The Spheres」がオープンした。同様に日本のオフィスにも600種類の植物を配置したという。
オフィス内には600種類の植物が配置されている
フリーアドレスの座席にはモニターが置かれており、ノートPCをつなぐことで広い画面で仕事の効率を上げている。面倒なのはケーブルやアダプタの管理だが、アマゾンはこれらの備品を自販機に常備しており、セルフで借りられる仕組みを採用する。海外から出張してきた社員も即座に仕事ができるというわけだ。
■秘密主義を脱したオープン化が狙いか
アマゾンの新オフィスには先進的な取り組みが多いとはいえ、他のIT企業と比べて大きな差はない。茶道やヨガなど社員の活動を支援する設備や、仮眠やマッサージの部屋も用意されており、日本の大企業より人間的な面もある。カフェテリアのメニューも、我々が日常的に食べているものと違いはない。
実のところ、アマゾンが見せてくれるのはパブリックな空間くらいだろうと筆者は予想していた。だが当日は実際に社員が勤務するフロアも公開され、自由に撮影することができた。これはアマゾンとしては異例の大盤振る舞いといえる。
なぜなら、かつてのアマゾンは秘密主義で知られてきたからだ。18年4月にはプライム会員が世界で1億人を突破したことを公開したものの、多くの数字は非公開のままで、成長のグラフは示しても縦軸はない。日本法人は16年に合同会社となり、決算公告の義務がなくなったことで売上や利益の実態も不明だ。
ここへきてアマゾンは、なぜオフィスを公開したのか。狙いのひとつは、多様な人材を獲得するためだろう。新オフィスには礼拝室や搾乳室、男女の区別なく使えるジェンダーフリーのシャワー室も用意しており、人種や国籍、性別にかかわらず活躍できる体制を整えた。
それに加えて、アマゾン自身がオープン化を模索している兆しもある。これまでアマゾンは「地球上で最もお客様を大切にする会社」を企業理念に、書籍のネット販売を皮切りにEコマースを拡大。実際に安くて早いアマゾンの便利さを享受している消費者は多いはずだ。
だが、風向きは変わりつつある。アマゾンはグーグルやアップル、フェイスブックと並び「GAFA」と呼ばれる巨大IT企業に成長。9月には時価総額が1兆ドルを超え、10月中旬現在もアップルに次ぐ世界第2位だ。創業者のジェフ・ベゾス氏はフォーブス誌の長者番付で1位となり、24年間首位だったビル・ゲイツ氏を抜き去った。
その結果、アマゾンは儲けすぎとのイメージが広まる一方で、労働環境の悪さや賃金の低さが露呈。日本銀行は、物価下落を引き起こしている原因として「アマゾン効果」と名指しし、世界各国が課税強化に向けて協調する動きも出てくるなど、日に日に風当たりは強くなっている。
これに対して9月14日には、ジェフ・ベゾス氏がホームレス支援や奨学金の基金を設立。日本法人のジャスパー・チャン社長も、子どもの貧困問題に取り組むNPOへの寄付を発表した。米国では11月から従業員の最低賃金を時給15ドルに引き上げるなど、社会的貢献のアピールを強めている。
NPO法人キッズドアへの寄付を発表するジャスパー・チャン社長(写真左)
こうした風向きの変化により、アマゾンが貫いてきた秘密主義はさらなる不利益を生み出しかねない。むしろ公開できる部分はオープンにしていくことで、世間の理解を得たほうがメリットになる可能性が高い。異例ともいえるオフィスの公開は、その方針転換の一端といえるのではないだろうか。
(文=山口健太/ITジャーナリスト)
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