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べネズエラの「インフレ率1000万%」を人はなぜ信じるのか?
フェイクニュースはこうして広まり、定着し、真実となる
2018/10/24
風樹茂 (作家、国際コンサルタント)
御託が神託になるとき
私は目を疑った。南米の産油国ベネズエラのインフレ率は、年内に100万%に達する――。そんな記事が今年7月末、日本の新聞各紙に踊った。国際通貨基金(IMF)の予測だという。根拠は全く示されていない。私にいわせれば、フェイク・流言飛語の類である。
(siraanamwong/Gettyimages)
ところがまるでそれが正しいかのように国内外の主要なマスコミが引用している。
何度も引用していた日本経済新聞の記事の一部(2018/7/26付朝刊)は次のとおり。
ベネズエラ100万%インフレの脅威(上)
ハイパーインフレにより、年内にも物価上昇率が年率100万%に達することが予想される南米ベネズエラ。国際通貨基金(IMF)は第1次世界大戦後のドイツなど歴史上の事例になぞらえて「経済と社会の危機」と評した。世界有数の産油国は今、貨幣経済崩壊の瀬戸際に立つ。
また最近でさえ東洋経済オンラインでハーバード大学教授のケネス・ロゴス氏(IMFの元チーフエコノミスト)がまるでそれが正しいかのように引用している(2018/09/30)
地獄のようなベネズエラに翻弄される周辺国、インフレ率はなんと100万%に達する見通し
政権は国内に世界有数の石油資源を持ちながら、それによってもたらされた富を浪費した。ベネズエラの国家収入は急減し、インフレ率は100万%に達する見通しだ。本来なら豊かでいられたはずの国で、何百万もの国民が飢餓に苦しんでいる。
他にロイター、bloomberg、三菱UFJリサーチ&コンサルティングなど夥しい内外の報道、研究機関や学者がIMFの発表に飛び付き、記事にしたのである。
ところが、10月10日には100万%どころか、来年のインフレ率は1000万%というIMFの見通しが各紙に掲載された。
ベネズエラ、来年の物価上昇率は1000万%に=IMF見通し(朝日新聞デジタル)
[9日 ロイター] - 国際通貨基金(IMF)は9日公表した最新の世界経済見通しで、ベネズエラの来年の物価上昇率が1000万%に達し、現代史における最悪クラスのハイパーインフレーションが一段と加速するとの見方を示した。
今年の物価上昇率予想も、7月時点の100万%から137万%に引き上げた。ベネズエラ経済は、2014年の原油価格急落で補助金や価格統制などを特徴とする社会主義体制を維持できなくなり、悪化の一途をたどってきた。IMFは7月、同国のハイパーインフレーションを1923年のドイツや2000年代のジンバブエに匹敵する深刻さだと指摘している。
思い出すのは、ナチスドイツの天才デマゴーグ パウル・ヨーゼフ・ゲッベルスの言葉である。
「十分に大きな嘘を頻繁に繰り返せば、人々は最後にはその嘘を信じるだろう」
ゲッペルスの予言のように、「ベネズエラのインフレ率100万%、1000万%」が世界中に広まり、事実として定着したようである。けれども、このIMFの予測はインフレバスケットに何を入れているのか全く不明である。だが、人は世銀だとかIMFだとかの権威ありそうな機関の御託を神託として受け取る。
なお、誤解してもらいたくないが、記事を書いた記者や掲載したマスコミを非難するのが意図ではない。人間の陥りやすい陥穽の例として上げ、権威を信じることの危うさに警鐘を鳴らしたいのである。
経済学者のインフレ予測はあてにならない
筆者がベネズエラに滞在していた2016年当時、トウモロコシの粉1s当たりの値段は1年間で19ボリバルから177ボリバル、闇価格では1500ボリバルまで上がり、鶏肉も1s当たり65ボリバルが850ボリバル、闇価格では3000ボリバル以上となった。
その当時からインフレ率は1000%を越えていた。だが多くの海外の経済学者はこの国のインフレ率を100〜200%としていた。
とりわけ、ハイパーインフレにかかわる経済学者のインフレ予測などあたるわけもない。その実情を経験したものにしか分からない倒錯した世界であり、たとえばハイパーインフレとは外貨を持つ人間には、往々にして超物価安のことなのだ。私はインフレ率2万%のボリビア(85年〜86年)、5000%のアルゼンチン(88年)、1000%のブラジル(88年)に滞在していた。私の経験即からすると、ベネズエラのハイパーインフレは本来ボリビアと同じ2万%程度(最高でも10万%)の中に収まるはずだ。
そこで現地にさっそく(7月に)IMFの予測インフレ率100万%について生の声を聞いてみると、「途方もない数値なので話題にもならない」とのことである。
このIMFの予測には別の意図があったに違いない。
IMFの裏の意図は何か? なぜこの時期に八百大(代)言を放ったのか?
これも前出のゲッぺルスの言葉を引用するとより理解しやすいだろう。
「プロパガンダの秘訣とは、狙った人物を、本人がそれとはまったく気づかぬようにして、プロパガンダの理念にたっぷりと浸らせることである。いうまでもなくプロパガンダには目的がある。しかしこの目的は抜け目なく覆い隠されていなければならない。その目的を達成すべき相手が、それとまったく気づかないほどに」
ではIMFの目的は何か。ひとつは、世間の注目を浴びることである。1万や10万ではいけない。100万、1000万という途方もない数値なのだ。マスコミならず経済学者も飛びついてくる。それは大成功した。
ふたつめは、この発表が世界に広まることによる効果である。折しもベネズエラは8月20日にデノミ(通貨単位の5ケタ切り下げ)を計画していた。時にデノミがインフレを収める方策のひとつとして成功することがある。私が滞在していたボリビアの場合はそうだった。1987年に100万分の1のデノミを実行し、他の政策と相まってではあるが、その後ハイパーインフレは収まった。
IMFはベネズエラのデノミを成功させまいと先手を打ったのだ! 世界中にインフレ率100万%が広まれば、今もほとんどない海外の投資意欲は一層低下するし、対ドルの現地通貨価値は一層下落する。インフレとは人々の期待値により左右される。デノミを実施しても効果はなく、インフレ率はそのままか、あるいはさらに上昇する。
では、デノミの前後でインフレはどうなったのだろうか?
ベネズエラ議会の発表
ベネズエラには議会がふたつある。政府の傀儡となっている憲法制定議会と、投票により選ばれた議会(野党が牛耳っている)である。
後者は中央銀行にかわり、インフレ率を独自に発表している。この7月には、年間インフレ(昨年6月〜今年6月)は「4万6000%になった、年末までに10万%となる」と予測していた。ところが、9月には、前月8月の月間インフレを223・1%、年間(昨年8月〜今年8月)は、20万%であったと発表し、議長のラファエル・グスマンは「これはお前の仕業だ。ニコラス(大統領のこと)、お前の作りだしたひどい災厄だ」と非難した。
ところが、10月8日の発表では、年間(昨年9月〜昨年9月)のインフレを48万8865%、年末まではなんと400万%超えを予測している。
そして、その翌日、IMFは負けじと来年のインフレは1000万%と発表したのである。まさに、7月以降はIMFとベネズエラ議会が呼応するように次々と高いインフレ数値を発表している。これでは世間のインフレ期待が一層高まり、デノミなど焼け石に水だ。
実際、現在、現地通貨の下落率よりもインフレ率のほうが高い状況となり、ドル建てで物価は日本と同程度かそれ以上、給与は日本の500分の1のようなありさまとなっているという。外貨を持たない人間には暮らせる世界ではない。
ではなぜ、IMFはこのような発表をするのだろうか?
政権交代を望むアメリカの怒り
ベネズエラの原油埋蔵量は世界一だといわれている。もともとベネズエラの原油はエクソンモービルをはじめとする欧米企業が採掘し、プラントを建設・運営していた。ところが、チャべス政権以降の一層の国営化で、彼らは撤退した。たとえば私が携わっていたのは、オリノコ重油を精製するための新規プラントだが、そこにある旧プラントは以前欧米の資本が入っていた。新規の事業に携わったのは、中国と韓国の企業、そして日本企業が彼らのお目付け役として参入した。
アメリカの裏庭といわれる地域の産油国が超反米なのである。今はシェールオイルがあるので、かつてほどの価値はないとはいえ、ジオポリテックスの観点からベネズエラを反米に追いやったのは、アメリカの失態といえよう。
さて、どうする。
思い出すのは、コカイン密売の国家として、パナマにアメリカ軍が進攻し、大統領のノリエガを麻薬密輸の罪でアメリカに収監した事件(1989年〜90)である。以前のようにベネズエラに侵攻し、親米政権を打ち立てたいのが本音だろう。
けれども状況は違う。南米諸国は、ベネズエラの独裁を非難しているが、アメリカの侵攻には大反発をする。しかも、ベネズラの原油は中国の担保に入っているし、武器は戦闘機のスホイを初めロシア製品を購入している。私のマンションの部屋の以前の住民はスホイの技術者だった。
トランプ政権は、すべての選択肢があるとして、武力攻撃を口先で仄めかすが、実現は不可能であろう。そこで口撃である。
IMFはアメリカ合衆国の首都ワシントンD.C.に位置し、アメリカの意向が強い組織で、議決権も15%以上を持つ。2位〜3位を占める日本、中国はそれぞれ6%ほどである。今回のインフレ率の発表もアメリカ政府の意を受けているか、担当者が忖度していると考えて間違いない。新たなショック療法といえる。究極の目標は政権の崩壊、親米政権の誕生にある。ところがどれほど経済が悪化し、国民が国を去ろうとも、ベネズエラの現政権はしぶとく倒れない。なぜか?
ナルコエスタード
ベネズエラは、原油価格に左右されるモノカルチャー経済の国である。現在原油はバレル70ドル前後と上昇気流にある。だがこの産油国にその恩恵はない。2006年当時、原油生産量世界5位〜6位だったが、現在は10位以内にも入らない。原油プラントは老朽化し、石油公社はひどい赤字体質で生産量は激減。しかも、石油公社の部長レベルでさえ、現地通貨払いの月給は5ドル相当ほどである。社員はスズメの涙のような退職手当をもらわずに、黙って国を次々と出て行く。
普通なら政府は倒れそうだ。けれども、コカイン利権を持つコカイン国家ベネズエラは、ハイパーインフレぐらいでは倒れない。南米のコカインの大半がベネズエラを経由して欧米に向かうのだから。
象徴的な事件がある。2015年、マドゥロ大統領の甥2人は、コロンビア革命軍(FARC )から購入した800キロのコカインをニューヨークに密輸しようとした罪でアメリカに収監された。米国麻薬捜査官(DEA)のおとり捜査にひっかかったのである。その後、証言者2人、甥2人におとり捜査者(Informante CS-1と呼ばれる)を紹介した者、そしておとり捜査者(CS-1)自身、時を待たずして次々と何者かに暗殺されている。
このコカイン売買を指揮していたのはシリア・レバノン系の現副大統領ターレク・エル・アイサミといわれる。彼はアラグア州の知事(2012〜16)時代に民間のカルテル複数を排除して一本化。州の犯罪を深化させ、殺人率を142(件/10万人)にまで高め、スパやディスコ(名前はTokio)まである極楽刑務所を作り、刑務所の中から囚人が戒厳令を出せるまでにした。
私が以前住んでいたカラボボ州周辺では彼とその取り巻きのアラブ系の人間が利権を欲しいままにしていると聞く。同地にあるPEQUIVEN(石油化学系公社)の肥料工場で精製される尿素やアンモニアは、実は農業のためよりもコカインペースト生成のためにコロンビア、ブラジルなどに輸出されている(報道関係消息筋)。
そもそも最大のカルテル・ロス・ソ―レス(Los Soles)を率いるのは、憲法制定議会議長ディオスダド・カベリョだという。それが現地では周知の事実となっている。
原油の精製プラントには一兆円規模の投資が必要だが、コカイン商売には微小の資金で十分だ。利益率は数100倍である。現地でキロ10万円が、日本では5000万円に跳ね上がる。世界には民主主義、社会主義、ファシズム国家があるが、もうひとつコカイン国家が存在する。中南米ではNarco Estadoと呼ばれる。
IMFはベネズエラに毒蛾を放った
IMFの悪意を潜ませたこのようなインフレ率の発表は、もちろんベネズエラの経済の改善にはつながらないし、悪化を狙ったものである。すると、外貨を持たない一般のベネズエラ人はどうなるのか。生活が一層困窮することは明らかであろう。
IMFは反省というものを知らない。もともとベネズエラがこのような苦境に陥る土壌を作ったのは、IMFなのである。
以下は、日本で唯一の国際協力専門誌『国際開発ジャーナル』(10月号)「解「国」新書 混迷極めるベネズエラ」に掲載された私の拙文の一部からのほぼ引用である。
1980年代半ば過ぎ、私は首都カラカスにいた。地下鉄サバナ・グランデ駅のプロムナードに建ち並ぶショーウィンドーには贅沢品が陳列され、カフェテリアでは優雅にチェスを楽しむ人々がいた。当時のインフレ率は30%ほど。世界有数の埋蔵量を誇る原油の収益を財源に輸入品の価格を抑えるための補助金が出ており、物価はまだ安かった。58年から続く2大政党による民主的な政治体制の下、社会も安定していた。南米一豊かで治安も良かった。
だが、86年の「逆オイルショック」により、原油価格は暴落。IMFは、緊縮財政のためのショック療法を当時成立したばかりの第2次カルロス・アンドレス・ペレス・ロドリゲス政権に強いた。さらに、補助金の撤廃も要請した。物価の急騰を予測した商人は物を出し惜しみ、主食であるアレパ(トウモロコシから作ったパン)や衣類など、あらゆる商品が町中から消えた。スラムに住む人々は生存の危機に直面したが、ガソリン価格はリッター5円から2倍に引き上げられるなど、緊縮財政の影響は続いた。
そして1989年2月26日夜、スラムの住民はカラカス市内の商店を襲い、略奪行為を繰り返した。政府は軍を投入し、約300人の住民を殺害。世に言う「カラカッソ」(カラカス大暴動)である。同じ年、ドイツでベルリンの壁が壊され、国際社会では社会主義の退潮が決定付けられた。だがベネズエラの人々には、米国流の新自由主義がもたらす悲惨な現実の方が、よほどリアルに感じたことだろう。
こうして、チャべス大統領の時代(1999年2月〜2013年3月)とそれを引き継ぐマドゥ―ロ政権(2013年4月〜)の土壌が整えられたのである。
さて、昔は表参道のようなに輝いていたサバナ・グランデは今どうなったのか? 街はすすけ、街路にサイレンの音が鳴り響き、人々は命あってのものだねとばかり足早に家路につく。ドミノやチェスに興じる人はめったに見ない。
1988年当時は、IMFの担当者はこのような状況を作るために緊縮財政を求めたわけではなかったであろう。当時流行っていたショック療法をパターナリズムから施しただけである。たんに無知だったのだ。ベネズエラの国内事情など知らないし、知ろうともしないのだから、提示する政策の結果はサイコロを振るようなものである。ベネズエラに限らず、世界にはこのような例がたくさんあるに違いない。
ある事象の歴史的経緯や背景を知らなくては、権威あると思われている機関や人の言葉に専門家やマスコミでさえころりと騙されてしまう。こうして、フェイクニュースは瞬く間に広まり、事実として世間に定着するのである。
味をしめたIMFは来年度のベネズエラのインフレを年率1000万%と予測したが、これはもうはしゃぎすぎだろう。
http://wedge.ismedia.jp/articles/print/14299
現地から報告!デノミから1ヶ月経過のベネズエラの現状はどうなのか?
2018.10.12 ベネズエラ
お世話になっております。BAN(@banlife19)です。
2018年8月20日にベネズエラではデノミが実施されました。
5桁の切り下げで100,000の表記が1になり紙幣を新たに発行されて大混乱。
とニュースでは報道されていましたが実際にはそれほど混乱していません。
そしてそのデノミから1ヶ月以上経過した今の状況をお伝えさせて頂きます。
【関連記事】【日本経済】日本のニュースでは報じられないベネズエラの真実【新聞】
目次
インフレの状況
相変わらず凄い勢いでインフレが起きており、最近では午前とから午後にかけて値段が上がっているという事態も起きています。
ただし以前の様なボリバルの下落は少し落ち着いている状況なのである一定の金額まで上がったらインフレは止まることも考えられます。
外貨で考えると今の物価は2年前の水準に戻りつつあります。実際にデノミ前はありえないくらいの価格だったので今の方が適正だと思われます。
さらに給料も59倍に跳ね上がった事により少しだけですが人々の生活は楽になった様に思えます。
【関連記事】【最低賃金アップ】3日後に最低賃金5900%上昇を決めたベネズエラで起きた事【ハイパーインフレ】
紙幣の状況
一部のニュースではデノミにより紙幣不足だと言われていましたが、実際にはデノミが行われる前から紙幣不足でした。
実際に現金は流通しておらず大抵の店がカード払い、もしくは口座送金での支払いです。
デノミ後に首都のカラカスに旅行した感想としては首都では現金は特に不足しておらず、私が住む地方都市では現金を入手する事が難しい状況でした。
バスなど現金払いでなければ受け付けてくれない場所もあり、どうしても現金が欲しい場合は6倍のお金を口座送金で支払い業者から購入します。
当初は銀行の窓口で100ボリバル、ATMで10ボリバルが引き出し上限だったので、銀行の窓口まで数時間の列、ATMでも2時間以上待っている人が多数いました。
しかし現状は引き出し上限も上がり安易に現金が手に入る様になってきました。
また一部の噂では今まで現金を大量に購入していたコロンビアの国境の街でボリバルの需要が減った事により、現金が地方都市でも手に入る様になったと言われています。
デノミ前との変化点
給料が上がった事により人件費が払えず多くの店舗が閉店しました。
そして閉店しなかったお店ではインフレが加速してここ1ヶ月で値段が3?4倍になりました。
それでも給料が59倍になったので何とか生きていく事は可能ですが少しも楽観的なニュースはありません。
ベネズエラが発行する仮想通貨のペトロも実装され、役所の支払いがペトロで表記されたり各種銀行で手続きをすれば購入できる仕組みが整ってきました。
ただ実際にはペトロでなければ支払えない訳ではなく1ペトロ=3,800ボリバルの支払いになるだけなので、今のところ価格の表記がペトロになっているだけです
ベネズエラが抱える爆弾
先ほどボリバルの下落は落ち着いていると言いましたが、実はそれには1つの大きな理由があります。
デノミが実施されてからボリバルはデノミ前同様に下落を続けていました。
しかしベネズエラ政府がある強硬手段をとったのです。
それは「IPアドレスによる国外から国内バンクへのアクセス禁止」というなんとも窮屈な施策でした。
これにより国外にいる富裕層や経営者がベネズエラの銀行に送金されるボリバルを換金できず、ボリバルの価値の下落は一時的に落ち着き1ドル110?120ボリバル前後を行き来している状態が1ヶ月で近く続きました。
ただしこのボリバル下落の施策もVPNを使いIPアドレスの場所をベネズエラにすれば突破されてしまうので、それに気付かれるのも時間の問題だと思われます。
そしてここ1週間またボリバルの下落が加速して、1ドル120ボリバルが140ボリバルまで下がりました。
今まで無理やり押さえ付けてボリバルの下落を抑制していたのがついにたがが外れたのでしょうか。
このペースでいけば今月中に1ドル300(デノミ前で3000万)ボリバルも現実的な数字かもしれません。
まとめ
デノミ後に政府が締め付けを行いボリバル安になっていませんでした。
しかし無理のある締め付けだった為に、そのツケである爆弾が今にも破裂しそうになっています。
デノミによりボリバル安を食い止め、ベネズエラでの主流通貨をペトロにしたかった打算は丸見えですが余りにも現実離れな計画でした。
それによりデノミの効果はほぼない状態でペトロという仮想通貨を発行するタイミングになってしまいました。
https://banlife19.com/venezuela-devaluation-month/
ベネズエラ、デノミ後も通貨安続く 前日比9%下落
中南米
2018/8/22 7:08
【サンパウロ=外山尚之】ベネズエラ政府が20日に通貨の単位を5ケタ切り下げるデノミ(通貨単位の切り下げ)を実施した後も、通貨安は止まらない。21日午後5時(日本時間22日午前6時)時点で、新通貨ボリバルソベラノ(Bs)の市中レートは対ドルで前日比9%下落した。仮想通貨とのペッグ制で通貨の信認回復を狙うというマドゥロ政権のもくろみは外れた形だ。
デノミ後も流通するのは小額紙幣が大半(21日、カラカス)=AP
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デノミ後も流通するのは小額紙幣が大半(21日、カラカス)=AP
一般市民が利用する闇市場での実勢レートをまとめるドラールトゥデイによると、デノミ直後に1ドル=59.21Bsだった為替相場は21日午後には1ドル=65.18Bsと9%下落した。中央銀行は21日、通貨をデノミ前の水準から95%以上切り下げた1ドル=60Bsとする新たな公式レートを発表したが、早くも実態と乖離(かいり)しつつある。
新紙幣はいまだに市民に行き渡っていない。21日時点でも、多くのATMでは10Bs札(約17円)までしか引き出せず、引き出し上限額が設定されているという。銀行は高額紙幣も流通させていると主張するが、入手できる国民は限られているようだ。
ベネズエラの国産仮想通貨「ペトロ」とBsとのペッグ(連動)も効果は出ていない。米国は制裁の一環としてペトロの取引を禁じているため、世界中の主要な仮想通貨交換業者は取り扱っておらず、取引実態はない。
ベネズエラの有力経済団体フェデカマラは20日、ペトロについて「世界中から認められていない」として、ペッグ制を「深刻な過ちだ」と指摘した。フェデカマラはデノミや最低賃金を約35倍に引き上げる一連の政策で、2018年末までに2万人の失業者が新たに生まれると試算している。
野党支持者は21日、マドゥロ政権に対抗してゼネストを実施。政権が企業に対しゼネストに参加しないよう締め付けたにもかかわらず、首都カラカスでは6割近い商店が店を閉じた。バスや地下鉄など公共交通機関も一部で運休したという。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO34436100S8A820C1000000/?n_cid=SPTMG002
ベネズエラ、19年にもインフレ率1000万%に IMF推計
中南米
2018/10/9 11:19
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【サンパウロ=外山尚之】国際通貨基金(IMF)は9日、経済混乱が続く南米ベネズエラのインフレ率が2019年中に年率1000万%に達するとの予測を発表した。マドゥロ政権の経済運営は破綻状態となり、ハイパーインフレに歯止めがかからない状況が続く。困窮した人々が難民として周辺国に流出する状況が深刻化しそうだ。
このたび改定した世界経済見通しの中で明らかにした。IMFは7月、18年中にもインフレ率が100万%に達するとの見通しを発表していた。野党議員が多数を占めるベネズエラ議会の調査では、9月の時点でインフレ率は年率48万8865%だった。月間のインフレ率は前月比233%と、8月から10ポイント上昇。IMFは年内にも137万%になると試算する。
マドゥロ大統領は8月20日に通貨の単位を5ケタ切り下げるデノミ(通貨単位の切り下げ)を実施したが、インフレ対策としての効果は出ていない。一般市民が利用する闇市場での実勢レートをまとめるドラールトゥデイによると、デノミにより導入された新通貨ボリバルソベラノ(Bs)は8日時点で1ドル=103Bsと、デノミ前から対ドルで4割価値が下落した。
マドゥロ政権は中国やロシアの支援で経済を立て直すとしているが、米国の経済制裁で外貨や物資の不足が深刻化する中、インフレが収まる気配はない。IMFは2018年のベネズエラの経済成長率がマイナス18%に達すると予測している。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO36247180Z01C18A0EAF000/
ベネズエラ、インフレ率48万%に
中南米
2018/10/9 10:01
【サンパウロ=外山尚之】南米ベネズエラの議会は8日、9月の物価上昇率が年率48万8865%だったと発表した。月間の物価上昇率も前月比233%と、8月から10ポイント上昇。ハイパーインフレに歯止めがかからない状況が続いている。
マドゥロ大統領は8月20日に通貨の単位を5ケタ切り下げるデノミ(通貨単位の切り下げ)を実施したが、インフレ対策としての効果は出ていない。一般市民が利用する闇市場での実勢レートをまとめるドラールトゥデイによると、デノミにより導入された新通貨ボリバルソベラノ(Bs)は8日時点で1ドル=103Bsと、デノミ前から対ドルで4割価値が下落している。
ベネズエラの中央銀行は物価上昇率など政権に不利な数字の公表をやめており、現在は野党議員が多数を占める議会が独自調査で集計している。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO36245690Z01C18A0EAF000/?n_cid=SPTMG002
ベネズエラの嘘のような本当の話
2018.07.04 ベネズエラ
ベネズエラ在住。BAN(@banlife19)です。
ベネズエラと聞いて何を思い浮かべますか?
私は2年前までベネズエラという国の存在すら知りませんでした。
世界一周中にキューバで出会った旅人から「ベネズエラ物価安いんですオススメですよ」と
勧められてはじめてベネズエラという国を認識しました。
最近ではベネズエラ首都の地下鉄乗車が無料に、物資不足で切符作れずというニュースや、
「世界で最も危険な国」、2年連続でベネズエラ 米調査というニュースが話題になりました。
そんなベネズエラの嘘の様な本当の話。
目次
貨幣価格が日々下落する!?
今にはじまった話ではないがベネズエラでは自国の通貨が信用されていない。
実際に現在ベネズエラの通貨であるボリバルと外貨は国境付近の街か個人のやり取りでしか両替できない。
クレジットカードも外貨からボリバルなら使えるがボリバルから外貨は使えない。
理由としては公式レートと闇レート(実効レート)が剥離しているからだ。
具体的には公式レートでは1ドル115,000ボリバルとされている、
しかし闇レートでは1ドル3,400,000ボリバルとされている。
その差約30倍だ。
しかもこの闇レートは固定ではないので数時間ごとに変動する。
MonitorDolarVeというツイッターのアカウントから確認できるが、
ここ1ヶ月以上毎日右肩上がりに変動している。
ボリバル安ドル高だ。
5月下旬の時点では1ドル辺り1,000,000だったのが今では3,400,000。
たった1ヶ月半でドルの価値が3.4倍になった。
正確にいうとボリバルの価値が約30%になった。
徐々に金の価値が減少する恐怖。
ガソリン代が超絶安い!?
日本では昨今ガソリン代が150円を超えたと話題になっているが、
ベネズエラではガソリン代を気にする人は誰もいない。
その理由としてはベネズエラは原油の埋蔵量が世界一だからだ。
国内生産できるのでガソリン価格があり得ないくらいに安い。
ベネズエラのガソリン代
ガソリンの価格は53リットルで320ボリバルだ。
闇レートでは1ドルが3,400,000ボリバル。
1ドルを110円で換算したとして、
110円(1ドル)?3,400,000ボリバル??320ボリバル=0.0104円
53リットルのガソリン代が0,0104円、つまり1リットル辺り0.0002円になる。
逆に150円だと750,000リットルになる。
1リットル10キロ走る車があったとしたら150円で7,500,000キロ走る事が可能だ。
150円で地球を187周できる恐怖。
賃金は上がってるのに下がっている!?
数年前の賃金は9万円前後だった。
それが2年前の時点では3,000円まで下がっていた。
そしてここ数ヶ月最低賃金の額は2度上がった。
しかしボリバルの価値が下がっている事により実際の価値が下がった。
数ヶ月前は月数百円だった最低賃金が今月の段階では
100円を切るか切らないかまで下がってしまった。
ちなみに最低賃金が基本的な賃金なので
特殊な職業以外はみんな最低賃金でフルタイムを働いている。
真面目に働いても生きていけない恐怖。
超絶ハイパーインフレ!?
毎月インフレ率を更新しており、
今年の1月の年間インフレ率は2626%とまだまだ可愛いものだった。
2月になり6147%とかなり跳ね上がり、3月は少し上昇したものの8878%で、
4月でついに5桁の13779%まで上がり、5月では24,571%という理解不能な数字を叩き出した。
カチャパ値段表インフレ前
2017年3月に撮影したプライスボード。
カチャパ値段表インフレ後
2018年の4月に撮影したプライスボード。
値段が枠に収まらずはみ出ている。
食べ物の価格が100倍から300倍の間で変動している。
たった1年の間にここまで値段が変動するのは異常としか言えない。
1年で物価が100倍になる恐怖。
新しい紙幣刷り過ぎ!?
元々は最高額面100だった紙幣も1年半の間で2度刷りなおしている。
しかも紙幣を新しくするときの手段が下手くそ過ぎる。
最初に紙幣を刷りなおした際は額面100ボリバルの最高紙幣を
72時間後には使えなくすると言い出した。
これにはベネズエラ国民も大パニック。
デモにまで発展した。
その結果使用期限を1週間伸ばす事になり、
1ヶ月伸ばす事になり、半年伸ばす事になり、
2年経った今では使えなくなる話自体がうやむやになった。
ボリバル3種類の紙幣
左から100ボリバル、20,000ボリバル、100,000ボリバル。
ハイパーインフレ対策で2度も刷りなおしているが焼け石に水。
現在は市場に紙幣(現金)が出回っておらず国民はカード決済か口座送金でどうにかしている。
酔っ払った時に100か10万か区別がつかなくなる恐怖。
他にも物々交換の話や軍人による恐喝、
警察のやる気のなさや医者の横暴などなどありますがそれはまた別の機会に。
https://banlife19.com/amazing-ve/
2018.07.26 ベネズエラ
【ベネズエラ在住者の視点】ベネズエラのインフレ率は100万%に達するのか!?
ベネズエラ在住。BAN(@banlife19)です。
先日、国際通貨基金(IMF)はベネズエラのインフレ率について、
2018年末までに100万%に達するとの予測を発表した。
それに便乗して日本の多くのメディアは
「ベネズエラのインフレ率100万%」と報道している。
しかしそのメディアの中で
実際にベネズエラに在住している人はいるのだろうか。
記事を読む限りでは
ベネズエラに在住している人の存在が確認できない。
またどのメディアもほぼ同じで、
「IMFが予測したからベネズエラやばいらしいよ」という内容だ。
実際に4月末から生活している私の見解を述べたい。
【関連記事】ベネズエラの嘘のような本当の話
目次
インフレ率とは
去年に比べてどれくらいインフレになったかをあらわした指数。
去年100円で買えていたものが、
今年110円になっていたらインフレ率は10%。
ベネズエラは今年5月のインフレ率が24,571%だった。
昨年の5月に100ボリバル(ベネズエラの通貨)で買えていたものが、
今年の5月には24,571ボリバルになっていたという計算だ。
身近なもので例えるなら、
160円で買える自動販売機のお茶が1年後には
39,313円になっているという計算だ。
国際通貨基金(IMF)の予測「100万%」は的確なのか?
多くの専門家が様々な角度から検証した結果であり、
高卒で経済のことを理解していない私に比べたら雲泥の差だろう。
いや、雲泥どころか「神とうんこ」くらいの開きがあるのかもしれない。
しかし私は100万%予測には懐疑的だ。
インフレ率100万%に達しない理由
2年前から1年以上ベネズエラで生活して感じたのは、
闇両替のレートとインフレ率はほぼ比例しているということだ。
私は外貨を現地の通貨ボリバルに両替して生活しており、
支払っている外貨の価値はそれほど変化がない。
闇両替のレートが上がることにより物価が上昇する。
私が考えるにベネズエラはほぼ輸入で賄っているので、
闇両替のレートが上がることにより仕入れ値が増え、
その分商品の値段が上がる仕組みだ。
逆をいえば闇両替の値段が上がらなければ、
商品の値段も上がらない。
闇両替レートとインフレ率
ここでベネズエラの今年のインフレ率と闇レートを見ていきたい。
闇レートは全て1ドル辺りの金額、
()内はインフレ率を掛けた数字だ。
1月:2,626%
2017年1月31日 3,541(92,986)
2018年1月31日 310,428
2月:6,147%
2017年2月28日 4,329(266,103)
2018年2月28日 217,909
3月:8,878%
2017年3月31日 3,451(306,379)
2018年3月31日 235,998
4月:13,779%
2017年4月30日 4,283(590,154)
2018年4月30日 623,765
5月:24,571%
2017年5月31日 6,081(1,494,162)
2018年5月31日 1,143,564
1月を除けばインフレ率と闇レートの数字は近い。
6月以降はインフレ率は出ていないので、
予想インフレ率を書いていく。
2017年6月30日 7,873
2018年6月30日 3,405,751
6月予想インフレ率:43,258%
2017年7月31日 10,389
2018年7月26日 3,527,060
7月予想インフレ率:33,949%
8月以降は2017年の闇レートの金額のみ。
2017年8月31日 17,662
2017年9月30日 29,146
2017年10月31日 41,243
2017年11月30日 96,794
2017年12月31日 111,413
闇両替のレートに関して
数字だけ見ていくと闇両替のレートが
月で2倍、3倍と増えていっている様に思えるが理由がある。
昨年末から今年にかけてはデモが徒労に終わった影響。
4月から5月にかけては多くの難民の影響。
5月以降に関してはマドゥロ大統領再選の影響。
大統領選挙の直前から7月の初旬までは、
ほぼ毎日1ドル辺り10万ボリバルずつ下落していた。
そしてここ今月の初旬からは原油価格の高騰により、
ボリバルの下落がおさまりつつある。
年内に100万%のインフレが起こる可能性
闇両替のレートとインフレ率の相関性は間違いなくある。
それは実際にベネズエラに住んでいるから分かることだ。
では100万%のインフレが起こるためには
闇両替のレートがいくらになれば現実的なのだろうか。
8月の場合は昨年が17,662なので、
1億7662万(176,620,000)前後の必要がある。
9月なら昨年が29,146なので、
2億9146万(291,460,000)前後の必要がある。
10月なら昨年が41,243なので、
4億1243万(412,430,000)前後の必要がある。
11月なら昨年が96,794なので、
9億6794万(967,940,000)前後の必要がある。
2017年12月31日 111,413なので、
11億1413万(1,114,130,000)前後の必要がある。
7月26日現在の闇両替レートが350万なので、
毎月3倍で12月か、毎月4倍で11月にインフレ100万%になりうる。
不安材料
現在のベネズエラ国内の材料では
インフレ率100万%に達することはまずないと言って間違いない。
8月20日に実施される予定のデノミ(通貨を5桁削除)に伴う新紙幣発行も、
現金を持っている人が少ない現状を考えればそれほどダメージがない様に感じる。
ただもし仮にIMFの予測が的中するとしたら、
他国の経済制裁から発展する可能性はあるのかもしれない。
ベネズエラはすでにインフレ率200万%に達している!?
インフレ率は1年間の対比なので
インフレ率とは呼ばないのかもしれないが
ベネズエラはすでにインフレが200万%に達している。
2015年1月1日 173
2018年7月26日 3,527,060
約3年半と比べると1ボリバルの価値が、
20,231分の1になっている。
つまりパーセンテージに直すと
200万%以上のインフレに達している。
https://banlife19.com/venezuela-milion/
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