http://www.asyura2.com/18/hasan129/msg/148.html
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(回答先: トランプ大統領、FRB利上げに「文句は言う」が… 日銀TB買入れ縮小加速の好機、短期金利急低下 円とフラン安全資産輝き 投稿者 うまき 日時 2018 年 10 月 24 日 20:53:10)
ほとんど増えていない個人消費、統計データで明らかに
訪日旅行者の消費額は急増中
2018.10.24(水) 花園 祐
日本の個人消費の実態は?(写真はイメージ)
(花園 佑:ジャーナリスト)
新聞や雑誌の経済記事はしばしば「個人消費の拡大を背景に・・・」「個人消費の冷え込みによって・・・」というように、景気動向の判断理由として個人消費の動向について言及します。しかし筆者は先日、ふと「今まで個人消費を示す統計データを見たことなんてあったっけ?」という疑問が浮かびました。マスコミの経済記事で、個人消費が前年比で何%増減したかというデータにはほとんどお目にかかったことがありません。
個人消費動向に関する統計は、もちろん世の中に存在しています。けれども、日本のマスコミがそれらをきちんと分析して報道することは稀なようです。
そこで今回は日本の個人消費の実態に迫るべく、政府や各業界団体が発表している売上統計データを調べてみました。
全体としては横ばいが続く
今回、個人消費動向を調べるにあたって参照したのは主に以下のデータです。
・経済産業省が発表している「商業動態統計」の小売業売上高(販売額)
・スーパーマーケット業界団体の日本チェーンストア協会(CS協会)、全国スーパーマーケット協会(SM協会)による調査統計
・コンビニ業界団体の日本フランチャイズチェーン協会(FC協会)による調査統計
・百貨店業界団体の日本百貨店協会(百貨店協会)による調査統計
まず、直近1年間における毎月の売上高変動率を見ていきましょう。
(なお、各協会が発表している前年同月比データには、当該月とその前年同月の売上高を単純に比較した「全店ベース」、比較期間中に開店・閉店した店舗を除外して比較した「既存店ベース」という2種類のデータが存在します。今回は市場全体の動向を探るという目的から、「全店ベース」の数値を引用することとしました。)
上の表を見ての通り、2018年7月に百貨店業界が−6.2%を記録したのを除き、全データの変動値はすべて5%未満と小幅な変動に留まっています。業界別ではコンビニ業界のみが年間を通してプラス成長を維持し、逆に百貨店業界はマイナス月が7カ月に及んでいます。
百貨店業界以外は、前年比がプラスの月がマイナス月を上回っていますが、前年比では全体として「横ばい」もしくは「微増」傾向だといえるでしょう。
続いて、過去3年間の年次ベースで見たのが下の表です。
(* 配信先のサイトでこの記事をお読みの方はこちらで本記事の図表をご覧いただけます。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/54435)
こちらを見ると、全データの変動値はどれも3%未満で、年ごとに増減を繰り替えしています。以上から言えることは、「日本の個人消費は増えてもいないが減ってもいない」、つまり横ばいの状況にあるようです。
訪日旅行消費額は6年間で5倍以上に
さて、国内の消費動向を観察するうえで筆者が注目しているのは、訪日外国人の影響です。近年、ますます重要度を高めている訪日外国人の貢献度合いについてみていきましょう。
ただし、直接その貢献度合いを測る指標は見当たりませんでした。そこで、ひとまず観光庁が発表している「訪日外国人消費動向調査」から訪日外国人の旅行消費額と旅行者数の推移を抜粋してみました。
上のグラフは2011〜2017年における訪日外国人の旅行消費額と旅行者数をまとめたものです。このグラフによると、2017年の訪日旅行消費額は4兆4162億円に達しており、その成長も2011年からわずか6年で5.4倍まで急増していることが分かります。
なお、先ほど取り上げた、経済産業省の「商業動態統計」における2017年の小売業売上高は14兆2514億円でした。調査方法や種類が異なるので、単純に訪日旅行消費額が日本の個人消費の約3分の1を占めているとは言い切れません。とはいえ、訪日外国人旅行消費が大きな影響を及ぼしていることは間違いないでしょう。
日本の家計消費支出は本当に横ばいなのか
前述の通り、政府、業界団体による調査では、日本の小売業売上高は横ばい傾向を示していました。それに対して、訪日外国人の消費総額は近年急増しており、年間では既に4兆円を突破しています。
ということは、「日本の個人消費は、日本人による支出が落ち込む中、訪日外国人消費が穴埋めすることで横ばいとなっている」のではないかという仮説が立てられます。
この仮説を検証するため、総務省統計局の家計調査報告を見てみました。同報告書の2017年における「総世帯」の消費支出をみると、2017年は名目0.4%増、実質0.2%減とほぼ横ばいでした。どうやら「日本人の支出が落ち込んでいる」というわけではないようです。
筆者としてはやや腑に落ちない結論ではありますが、訪日外国人の消費額が急増する中、日本の国内個人消費は横ばい状況にあるというのが日本の個人消費の実態のようです。
個人消費はなぜ増えない?
以上、日本の個人消費は現在横ばいであるという状況をお伝えしました。もちろん、落ち込んでいるよりはずっとマシなのですが、ここ数年、国内の個人消費はほとんど増加していないわけで、経済的にはあまりよろしくない状況と言えます。
なぜ増えないのかといえば、単純に賃金が向上していないということが最大の理由ではないかと思われます。
やや本題とはずれますが、先日報じられた、東京五輪のボランティア参加者への報酬について筆者は首をかしげざるを得ませんでした。報道によると、1人1日1000円のクオカードを配ることにしたそうです。しかし、もしもこれが1万円の現金であったら、下手な地域振興券などよりもずっと消費を促せたのではないかと思います。
またこの金額であれば、一般的なアルバイト業務の賃金とも競合する金額となります。事業者側としては、従業員を引き留めるために賃金の引上げ上げに迫られることとなり、結果的に全体賃金の底上げも促せたのではないでしょうか。
現在の日本政府の政策は、株価を上げることには熱心ですが、賃金の引き上げに関してはそれほどでもないように思えます。安倍政権は経済界に賃上げを要求していますが、本腰を入れているようには思えません。
今回見てきたように今の日本の個人消費は横ばい傾向が続いています。果たしてこのまま横ばいのままでいいのか、この点についてもっと広く議論が交わされるべきである、というのが今回の結論です。
ほとんど増えていない個人消費、統計データで明らかに
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1. 2時間
Hiro@Hiro35306230
ほとんど増えていない個人消費、統計データで明らかに jbpress.ismedia.jp/articles/-/544…当たり前。給料は上がらないのに物価は上がる。税金はあがる。 アベノミクス?企業の内部留保が増え金持ちを優遇しただけで庶民には影響はない。
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2. 3時間
vukingvineP_bot@vuking
収入が増えてなくて、貯金も使ってなかったら、そりゃ個人消費増えるわけないのでは?>ほとんど増えていない個人消費、統計データで明らかに jbpress.ismedia.jp/articles/-/544…via @JBpress
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3. 3時間
油腻谢顶腹凸書蜿f@atkio
RT @JBpress: [今日の注目記事] ほとんど増えていない個人消費、統計データで明らかに 訪日旅行者の消費額は急増中 《花園 祐》 jbpress.ismedia.jp/articles/-/544…
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JBpress@JBpress
[今日の注目記事] ほとんど増えていない個人消費、統計データで明らかに 訪日旅行者の消費額は急増中 《花園 祐》 jbpress.ismedia.jp/articles/-/544…
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5. 3時間
田代弘治/Kouji Tashiro@tashirokouji
人口減少、賃金の伸びの低下... #NewsPicks jbpress.ismedia.jp/articles/-/544…
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6. 4時間
bunbunbun@bunx3
ほとんど増えていない個人消費、統計データで明らかに jbpress.ismedia.jp/articles/-/544…@JBpressさんから
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October-moon@kumioctober
ほとんど増えていない個人消費、統計データで明らかに jbpress.ismedia.jp/articles/-/544…@JBpressより
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takaro@takaro
ほとんど増えていない個人消費、統計データで明らかに jbpress.ismedia.jp/articles/-/544…
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maruko@OMXvBzwpjtwcD1R
2件のコメント b.hatena.ne.jp/entry/jbpress.…“ほとんど増えていない個人消費、統計データで明らかに 訪日旅行者の消費額は急増中(1/4) | JBpress(日本ビジネスプレス)” (5 users) htn.to/XpufT2DfR
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10. 8時間
政治と経済の注目記事@pol_and_eco
ほとんど増えていない個人消費、統計データで明らかに 訪日旅行者の消費額は急増中(1/4) | JBpress(日本ビジネスプレス)jbpress.ismedia.jp/articles/-/544…
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11. 8時間
中野 人史(Hitosi Nakano)@nakanoTAT
ほとんど増えていない個人消費、統計データで明らかに #SmartNewsjbpress.ismedia.jp/articles/-/544…
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12. 9時間
sai@sai2mkc
ほとんど増えていない個人消費、統計データで明らかに jbpress.ismedia.jp/articles/-/544…@JBpressより
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13. 9時間
もなな🔥🚀 @monana3
jbpress.ismedia.jp/articles/-/544…手取り増えてないんだから伸びるわけない
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14. 9時間
motoji@motoji_etoile
これは消費財市場は全般で言えるね。「日本の個人消費は、日本人による支出が落ち込む中、訪日外国人消費が穴埋めすることで横ばいとなっている」。 >ほとんど増えていない個人消費、統計データで明らかに。 訪日旅行者の消費額が急増中 花園祐 jbpress.ismedia.jp/articles/-/544…
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15. 9時間
hisaki H@hisakx
ほとんど増えていない個人消費、統計データで明らかに 訪日旅行者の消費額は急増中 | JBpress(日本ビジネスプレス) jbpress.ismedia.jp/articles/-/544…
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16. 11時間
山崎かおり@livingdead616
ほとんど増えていない個人消費、統計データで明らかに #SmartNewsjbpress.ismedia.jp/articles/-/544…
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17. 11時間
yasudayasu@yasudayasu_t
"「今まで個人消費を示す統計データを見たことなんてあったっけ?」という疑問が浮かびました。マスコミの経済記事で、個人消費が前年比で何%増減したかというデータにはほとんどお目にかかったことがありません。" htn.to/6UQG46#抜粋引用 #ネタ
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18. 12時間
わろっく@warocktw
統計は嘘つかない RT ほとんど増えていない個人消費、統計データで明らかに jbpress.ismedia.jp/articles/-/544…
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19. 12時間
yutatera@yutanews
"ほとんど増えていない個人消費、統計データで明らかに訪日旅行者の消費額は急増中 - 経済観測" via JBpress(日本ビジネスプレス) 最新記事 ift.tt/2JdCQCl
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20. 13時間
白鳥くん(しらとりくん)@bandotaro_2nd
ほとんど増えていない個人消費、統計データで明らかに #SmartNews :原油価格高騰と増税で壊滅するか⁉️ jbpress.ismedia.jp/articles/-/544…
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21. 14時間
K-sOne@Karasas1135
ほとんど増えていない個人消費、統計データで明らかに - jbpress.ismedia.jp/articles/-/544…
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22. 14時間
yakamatubasi@@yakamatubasi
RT @JBpress: ほとんど増えていない個人消費、統計データで明らかに 訪日旅行者の消費額は急増中 《花園 祐》 #JBpress jbpress.ismedia.jp/articles/-/544…
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23. 14時間
テム@temuriya1
観光事業が基幹産業になってくんかな。 ほとんど増えていない個人消費、統計データで明らかに #SmartNewsjbpress.ismedia.jp/articles/-/544…
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24. 14時間
ヒデ@hide3ka3
ほとんど増えていない個人消費、統計データで明らかに 訪日旅行者の消費額は急増中 jbpress.ismedia.jp/articles/-/544…
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25. 14時間
ペポッチ@peponaaru
RT @JBpress: ほとんど増えていない個人消費、統計データで明らかに 訪日旅行者の消費額は急増中 《花園 祐》 #JBpress jbpress.ismedia.jp/articles/-/544…
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26. 14時間
tsuda@strategycolum
RT @JBpress: ほとんど増えていない個人消費、統計データで明らかに 訪日旅行者の消費額は急増中 《花園 祐》 #JBpress jbpress.ismedia.jp/articles/-/544…
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27. 15時間
えるしす@nadia_la_alwall
RT @JBpress: ほとんど増えていない個人消費、統計データで明らかに 訪日旅行者の消費額は急増中 《花園 祐》 #JBpress jbpress.ismedia.jp/articles/-/544…
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28. 15時間
JBpress@JBpress
ほとんど増えていない個人消費、統計データで明らかに 訪日旅行者の消費額は急増中 《花園 祐》 #JBpress jbpress.ismedia.jp/articles/-/544…
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29. 15時間
株式情報市場 @yuria2122
ほとんど増えていない個人消費、統計データで明らかに訪日旅行者の消費額は急増中 - 経済観測 ift.tt/2NWWYcU
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30. 15時間
Asterisk⭐News💫相互フォロー @populus1q3
ほとんど増えていない個人消費、統計データで明らかに訪日旅行者の消費額は急増中 - 経済観測 jbpress.ismedia.jp/articles/-/544…#政治経済 JBpress(日本ビジネスプレス)
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31. 15時間
aides@aides_public
ほとんど増えていない個人消費、統計データで明らかに 訪日旅行者の消費額は急増中(1/4) | JBpress(日本ビジネスプレス) jbpress.ismedia.jp/articles/-/544…
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• 日本経済は消費税10%に耐えられないかもしれない (2018.6.18 加谷 珪一)
• 深センの繁華街で納得、中国の消費が低迷する理由 (2018.7.24 姫田 小夏)
• アマゾン、米国Prime会員がまもなく1億人に (2018.10.19 小久保 重信)
• 「食」の異常価格、本当の原因は日本経済の弱体化だ (2018.4.23 加谷 珪一)
• 中国のEVシフトで世界の自動車部品業界が一変する日 (2018.10.10 花園 祐)
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/54435
韓国で批判沸騰する「雇用世襲」問題
公企業で家族親族を「特別採用」?
2018.10.24(水) 玉置 直司
電車とホームドアに挟まれ男性死亡 韓国
韓国ソウルで、地下鉄を利用する人々(2010年1月24日撮影、資料写真)。(c)AFP/JUNG YEON-JE
〔AFPBB News〕
韓国で最悪の雇用情勢が続く中で、正社員の子供や妻、親戚などを優先的に採用する「雇用世襲」とい
う造語が生まれ、世論の批判が沸騰している。
その実態を見ると、出口のない失業問題と、政府の「雇用拡大」政策に便乗する正社員や労組という悪
循環が垣間見える。
2018年10月、国会で始まった年1回の「国政監査」を機に、野党議員が入手した資料が発火点となっ
て世論が沸騰した。
ソウル市傘下で地下鉄8路線を管理・運行する「ソウル交通公社」での新規雇用実態調査だ。
8%が家族、親戚
それによると、2018年3月に「無期契約職」という、非正規職から「正規職」に転換した1285人中、
108人が正規職の社員の家族や親戚だったことが明らかになった。8.4%という比率だ。
あちこちに家族や親戚が入ってきたという、この数字そのものも、他の民間企業や公企業に比べて突出
して高い。
さらに問題となったのが、もともと「無期契約職」を募集した際、「そのうち正規職に転換できる」と
いう話がすでにあった疑惑が浮上している。
この正規職への転換を、強硬派で知られる労組が強く推進していたことも分かった。
つまり、「無期契約職」→「正規職」という、通常の採用方式とは異なるルートでの採用があったとい
うことだ。
労働問題に詳しい弁護士によると、「一般的に、正規職の公募入社試験を受けるのに比べ、非正規職か
ら正規職への転換の場合、事実上、無試験といって良いほど簡単な場合が多い」という。
人数は少なく見えるかもしれないが、「採用」「雇用」問題になると、韓国の世論は過敏に反応する。
何しろ、過去最悪とも言われる雇用情勢で、空前の就職難が続いているからだ。
最悪の雇用情勢で「採用」問題に敏感な社会
韓国では、一部大企業の業績は好調だが、雇用は増えない。青年層の実質的な失業率は20%を超え、
「大学は卒業したが職がない」ことが深刻な社会問題になっている。
就職に成功しても、民間企業の場合、いつリストラに遭うか分からない。だから、若者間で、「公務員
」や「公企業」への就職人気は日本では想像できないほど高い。
ソウル交通公社も、そんな人気会社の1つだ。平均賃金は7000万ウォン(1円=10ウォン)近く。定年
60歳が保証される。勤務先はソウルかその近郊だ。
安定した公企業、ソウル志向が高い若者の人気の的だ。
2018年の下期定期採用試験には、555人の募集に3万340人が応募した。
それほどの「夢の職場」に人知れず「正規職」になれるルートがあり、よりによって家族や親戚を正規
職にしていたとなれば、批判が沸騰するのも十分理解できる。
悲劇で始まった採用が…
ソウル交通公社が運営する地下鉄では、2016年春にソウル市内の駅でホームからの転落事故を防止す
るスクリーンドアの保守・修理(メンテナンス)にあたっていた若い作業員が死亡する事故が起きた。
この作業員が、厳しい労働環境で働く外注業者に所属していたこともあり、管理や労働実態を把握でき
ていないことへの批判が相次いだ。
そこで、保守作業など安全業務にかかわる部門を中心に、外注から「無期契約職」への転換を進めてい
た。
「無期契約職」とは、事実上、定年まで仕事ができる。これをさらに「正規職」に転換したのだ。
韓国メディアによると、無期契約職を採用した際、労組のナショナルセンターが「活動家」を送り込み
、正規職への転換を強く求めていたという。
人事の責任者の妻もこの制度を使って正規職になっていたことも明らかになった。
これでは、労使ぐるみで「抜け穴採用」をしていたことになってしまう。
正規職への転換は重点政策
非正規職を正規職に転換することは、文在寅(ムン・ジェイン=1953年生)政権が積極的に推進して
きた政策だ。
コスト負担増を嫌がる経営側を除けば、若者など国民の間にも、「正規職への転換」に対する反対はな
い。問題は、その採用方式が、きわめて不透明だある点だ。
ソウル交通公社の場合、労組が介入し、正規社員の家族や親戚が優先的に採用になっていたのではない
かという疑惑が強まり、強い批判が出ているのだ。
「文在寅大統領は選挙期間中から、正規職の増加を重要政策に掲げてきた。その趣旨は、質の高い雇用
を増やそうということで、これに反対する意見は少ない」
「問題は、大統領の指示を何が何でも守れとばかり、正規職の数を増やすことにだけ必死な経営陣と、
これに便乗した労組、さらに、家族や親戚を入社させようとした社員が出てしまったことだ」
韓国紙デスクは、こう話す。
苦労して難関を突破して正規職になった社員からの反発も強い。一部社員は、「不公正だ」として憲法
裁判所に「訴願」を出した。
人権が侵害された場合などに使う措置だが、それほど不公正な「迂回入社は許せない」だという意識が
あるのだ。
難関を突破して正規職になった社員から見れば、大学在学中も就職活動に一生懸命取り組み、塾にまで
通い、場合によっては浪人までした。誰かの口利きで迂回ルートで簡単に正規職になるなど許せないとい
うことか。
それほど、「雇用」を巡っては、ぎくしゃくした雰囲気が強いのだ。
問題は、この「雇用世襲」がソウル交通公社だけで起きたのではなさそうなことだ。
韓国メディアは、政府や地方自治体の公企業でも、不透明な採用、正規職転換があったと報じている。
文在寅大統領は2017年5月に就任すると、最初の外部訪問先として仁川国際空港を選んだ。
下請けや非正規職の労働者と面談し、「公企業では非正規職をゼロにする」とぶち上げた。
公企業の社長は、それまで「公企業だからといって放漫経営は許さない。税金を無駄遣いせず効率的な
経営をしろ」という強い圧迫を受けてきた。
雇用政策、趣旨はわかるが、思いもよらない現実に直前
ところが、政権が変わったとたんに「非正規職をなくせ」という指示が出た。
あわてて、正規職の拡大に乗り出したが、いろいろな問題が出ている。
「世襲雇用」もその大きな問題の1つだ。また、下請けの比率を下げるために下請け労働者を正規職の
社員として採用しようと動きもある。
だが、そうなると、下請け企業の経営者は、会社ごと失うことになり、「公企業に民業圧迫だ」という
悲鳴も聞こえる。
文在寅政権は、「雇用」を経済政策の最重要課題に掲げている。特に、「質の高い雇用の創出」を重視
している。
最低賃金の引き上げ、労働時間短縮もこの政策の一環だ。
どれも、総論では国民の支持を得ているが、実際の運用となると様々な課題に直面している。
最低賃金の大幅引き上げや、労働時間短縮で「質の高い雇用」を増やそうとしているが、中小、零細企
業の経営者はコスト増加に耐えられず、従業員数を減らすなど期待とは逆の動きも目立つ。
正規職への転換も、思いもよらない弊害が出てきた。
「雇用問題を労働政策だけで解決するのは難しい。結局、新しい成長産業が育って自然と雇用が拡大し
ないと、問題は解決しない」
「造船、自動車などこれまでの成長産業に勢いがない。今は市況が良い半導体や石油化学以外に、成長
セクターがないことが最大の問題だ」
韓国紙デスクは、短期間での雇用問題の改善に悲観的だ。
「雇用世襲」。何とも耳障りな造語が、連日メディアで大きく報道されるところに問題の深刻さがある
。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/54473
日本に照準を合わせる外資の「ハゲタカ」
悪役のイメージを払拭したPEファンド、企業統治改革などに商機
2018.10.24(水) Financial Times
(英フィナンシャル・タイムズ紙 2018年10月22日付)
死肉食べても食中毒にならないコンドルの謎、国際チームが解明
チェコの首都プラハの動物園で飼育されるコンドル(2014年6月21日撮影、資料写真)。(c)AFP/MICHAL CIZEK〔AFPBB News〕
2007年に日本で「ハゲタカ」がテレビドラマ化された時、このドラマは時代の強迫観念を完璧にとらえていた。
主役の「ハゲタカ」は外国のプライベートエクイティ(PE)会社を経営していた。彼の武器は、ウォール街の姑息な手段だった。その犠牲者は、日本株式会社だった。
それから10年あまり経ち、テレビ連続ドラマがリメークされた。だが、アベノミクスの時代にあって、トーンが変わった。
新しい「ハゲタカ」では、PEは良い勢力として描かれている。日本株式会社を、経営破綻や旧態依然とした経営、非友好的な買収提案から救い出すのだ。
この流れは、世界のバイアウト業界が日本に大胆な賭けをし始めた時期と重なった。
PEの経営者は今、コーポレートガバナンス(企業統治)改革の圧力が強まり、高齢化社会の現実に直面し、買収の成功例が一定数に達したおかげで、外国の略奪に対する日本の最悪の不安が和らいだと考えている。
日産自動車が部品子会社のカルソニックカンセイを米コールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)に43億ドルで売却した一件から米ベイン・キャピタルの率いる企業連合が東芝メモリを177億ドルで買収した一件まで、目を引く大型案件数件がおおむね世論の反発を招かずに行われた。
ベイン・キャピタルに至っては、当初は英WPPの売り手の意思に反することから「敵対的」と見なされたにもかかわらず、日本の広告代理店大手3位のアサツーDKの買収(総額12億ドル)を完了してみせた。
柱となっている信念は、往々にして経営の集中を欠く日本のコングロマリット(複合企業)はコーポレートガバナンス主導の圧力に屈して事業を分離・売却するだけでなく、経営陣がついに事業再編のプラスの側面を理解した、という考えだった。
「伝統的に、日本企業のトレンドは常に、規模が大きいほど良いというものだった。最高経営責任者(CEO)の仕事は、自分が経営責任を負うコングロマリットを成長させることだった」
KKRジャパンの平野博文代表はこう言う。
「それが徐々に変わりつつあり、企業が中核事業に集中するために規模を縮小する戦略的決断を下すトレンドが生まれる様子が見え始めている」
英調査会社プレキンによると、昨年、日本に事業を特化したPEファンドは過去最高の57億ドルを調達しており、同じ期間に地理的な事業領域に日本が含まれるファンドが216億ドルの資金を調達している。
いずれも前年実績の2倍を超える規模だという。
日本の銀行から提供される潤沢な低利融資を原動力として、2017年には総額245億ドルのバイアウトがあった。
それまでの5年間の合計をも上回る額で、多くの人が確かに心理的な転換点に達したと確信するのに十分な規模だった。
世界のPEが日本に振り向ける「ドライパウダー(手元資金)」の山を抱え、数々のバイアウト企業が初めて東京に事業所を構える準備を進めるなか、目下の重大な疑問は、ムードの変化が新たな買収ブームにつながるか否か、だ。
今年に入って買収件数が急減したほか、大規模資産の売却入札が何件かキャンセルされたことから、懸念も生じている。
「確かに日本人CEOの間で意識の変化が起きている」
英ペルミラ・アドバイザーズの日本代表を務める藤井良太郎氏はこう指摘しつつ、「だが、PEのディールの市場がまだ本格的に花開かない理由の一つは、日本企業が現在、かなり健全な状態にあることだ」と言う。
「多くの場合、買収対象となる資産が厳しい局面にある時にだけディールが出てくる。現時点では、経営者は交渉に入りながら、ディールが必要ではないために『そちらが良い価格を払えるのなら、考えてもいい』と言うことができる」
ある世界的なPE会社の日本代表は、日銀の金融政策の方向性をめぐる懸念が今の手詰まり状態を打開する可能性があると話している。
市場参加者は、日本の株価が日銀による年間6兆円の上場投資信託(ETF)買い入れによって支えられてきたことを知っている。
多くの日本企業はほかの市場と比べて割安に評価されているものの、量的緩和プログラムがまもなく段階的に打ち切られていくとの最近の観測から、一部企業はバリュエーション(価値評価)が下がり始める前に潜在的な事業売却について議論し始めるようになるかもしれない。
また、アナリストらによれば、強大な権力を持つ経団連でのトップ交代がさらなる追い風になっている。
今年の春に経団連新会長に就任するまで、中西宏明氏は日立製作所のトップだった。日立と言えば、非中核事業の売却で輝かしい先例を打ち立てた企業だ。
ジェフリーズ証券のズヘール・カーン調査部長は、中西氏の指揮下で、ガバナンス改革――および外資PE会社に代表されるような活動――に対する経団連の反対論が減退することに「慎重ながらも楽観論」を抱いていると話している人の一人だ。
日本でのPEの可能性を取り巻く楽観論から、米ブラックストーン・グループは今年、日本の既存の不動産投資事業にバイアウトチームを加えることにした。
やはり米国に本拠を構えるPE会社のアポロ・グローバル・マネジメントと2つの欧州ファンドも同じように東京オフィスを新設するために人材を採用している。
昨年、ブラックストーンの事業を立ち上げるためにベイン・キャピタルから引き抜かれた坂本篤彦氏は、ブラックストーン初の日本のバイアウト案件の成立が近いと話し、日本でのディールについて楽観する妥当な理由があると付け加える。
「明確なトレンドがある」と坂本氏。
「こうしたコングロマリットは事業売却の準備に時間をかけるもので、利害を評価するのに時として1年以上費やすが、一部は来年市場に出てくるのではないかと感じている」
日本経済の規模、そして株主還元がお粗末で愛されていない子会社群を抱えるコングロマリットの数を考えると、PEにとって大きなディールフローを生み出すには漸進的な変化があればいいと坂本氏は言う。
「日本企業の10%か20%が変われば、それだけで十分に大きく、息の長い効果が生まれる」
ハゲタカは期待感を抱きながら空を舞っている。
By Leo Lewis and Martin Arnold in Tokyo
c The Financial Times Limited 2017. All Rights Reserved. Please do not cut and
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