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トランプ大統領、FRB利上げに「文句は言う」が… 日銀TB買入れ縮小加速の好機、短期金利急低下 円とフラン安全資産輝き
http://www.asyura2.com/18/hasan129/msg/147.html
投稿者 うまき 日時 2018 年 10 月 24 日 20:53:10: ufjzQf6660gRM gqSC3IKr
 

(回答先: 中国最大級ファンド、保有株を売却の用意「世界の相場はピーク」 個人投資家は押し目買い、プロは売越し 永久に急成長は不可能 投稿者 うまき 日時 2018 年 10 月 24 日 20:45:39)

トランプ大統領、FRB利上げに「文句は言う」が…
上野泰也のエコノミック・ソナー
政策運営へは介入しない米国、人事に介入する日本

2018年10月23日(火)
上野 泰也


10月10日、トランプ米大統領がペンシルバニア州で応援演説。記者団を前にFRBを批判した(写真=ロイター/アフロ)
 政府の意向に沿った金融政策が実施できるよう、政府サイドが人事権を大いに活用してきた先進国はどこだろうか。答えは日本である。リフレ派のブレーンの意見などを踏まえつつ、安倍首相自らが日銀の「レジームチェンジ」を主導。任期満了を待たず退任した白川方明氏の後任の総裁に、インフレ目標導入を財務官僚時代から主張していた黒田東彦氏を起用したほか、副総裁にはリフレ派の学者である岩田規久男氏を抜擢した。

 その後、黒田総裁は再任、岩田氏の後任は同じリフレ派の学者である若田部昌澄氏になった。政策委員の後任人事では、異次元緩和に反対姿勢の人物は起用されず、賛成派か中間派のみが並ぶ陣容になっている。

 実は、これと対照的なのが米国である。トランプ大統領はパウエルFRB(連邦準備理事会)議長が主導している緩やかな利上げ路線に、公然とクレームをつけている。だが、空席のFRB副議長やFRB理事を指名する際には、人事権を活用してFRBをハト派(利上げに慎重で利下げに前向きな意見の持ち主)で埋め尽くそうとするような動きは、全く見せなかった。そうしたFRB人事は80年代のレーガン大統領(当時)とは全く異なるやり方だとして、驚きをもって受け止める向きも少なくない。以下のような人事があった。

女性比率の高さに意外感
2月3日で任期が満了したイエレン氏の後任のFRB議長には、イエレン氏の下で緩やかな利上げ路線を支持してきたパウエルFRB理事が昇格。政策運営の継続性・安定性がアピールされた。

新設のFRB副議長(金融規制担当)には、クオールズ氏が起用された。ブッシュ(子)政権で財務次官を務めた経験がある、金融業界の規制問題に詳しい実務家である。

17年10月16日付で退任したフィッシャーFRB副議長の後任には、クラリダ氏が起用され、上院の承認手続きを経て今年9月17日に就任した。コロンビア大学教授、大手運用会社のグローバル戦略アドバイザーなどを務めてきた著名エコノミストである。

FRB理事(議長・副議長兼務の理事を含めて定員7人)の空席3人には、@カーネギーメロン大学教授で、量的緩和に否定的な主張を展開したことがあるため、市場にはタカ派とみなす向きもあるグッドフレンド氏、Aカンザス州銀行監督当局のボウマン氏(女性)、B元FRB金融安定部門トップのリャン氏(女性)が指名されており、いずれも上院の承認手続き終了待ちの状態である。
 この3人がそのまま承認されると、FRB理事7人のうち、ボウマン氏、リャン氏に現任のブレイナード理事を加えた3人が女性になり、イエレン議長在任中よりも「女性比率」はアップする。女性蔑視のきらいがあるとされるトランプ大統領の下で、そうした状況が視野に入るとは、筆者には正直、想像できなかった。

 FRBに空席が多数あったにもかかわらず、なぜ人事権を通じてトランプ大統領はFRBへの影響力を増そうとしなかったのだろうか。

 ただ単に大統領の職務がきわめて多忙で、そこまで気を回す余裕がないだけなのか。それとも、トランプ氏は内心では中央銀行マンの専門性や中央銀行の独立性といったコンセプトに対し、それなりの敬意を抱いているのだろうか。

 そうした疑問へのはっきりした答えが出てこない中、中間選挙まで1カ月を切ったタイミングでの米国株急落に直面したトランプ大統領は10月9日から11日にかけて、3日連続でFRBの利上げ路線を公然と批判して見せた。

 10月9日にホワイトハウスで大統領が記者団に述べたのは、以下の内容である(和訳は筆者)。

「私は彼らがしていることを好まない」
 「私は低い金利を望んでいる。FRBは自らが必要と考えることをしているが、私は彼らがしていることを好まない。それは、インフレが実際抑制されており、良いことがたくさん起きているからだ」
「私はそんなに速く(利上げを)進めるのが必要だとは思わない(I just don’t think it’s necessary to go as fast.)」「加えて、非常に重要視して私が考えているのは、われわれが作り出している(経済の)数字は記録的だということだ」 「ほんの少しにせよ、それが減速するのを私は望まない。とりわけインフレの問題がない時には」

 上記の大統領の発言は、利上げをこれ以上してくれるなという要請ではなく、利上げが必要だとFRBが考えていることを十分認識した上で、利上げのペースに不満を述べたものだと受け止めることもできる内容である。大統領はさらに、利上げの問題でパウエルFRB議長と個人的に協議してはいないことを明らかにした上で、「私は関与せずにいることを好む(I like to stay uninvolved.)」と述べた。

 ここで話が終わっていれば話は一区切りだったのだが、翌日以降もトランプ大統領のFRB批判が連発された。

 10日には、米国株の急落は長く待ち望まれていた調整だとしながらも、「FRBが行っていることに私は本当に同意していない」「FRBはクレイジーなことをやったと私は思う(I think the Fed has gone crazy.)」と述べた。

 11日には、「FRBのせいで、高い金利を払っている。FRBは大きな過ちを犯しており、これほどまでに積極的でないことを望む」とフォックス&フレンズのインタビューで述べたほか、米国株の下落について「FRBの利上げによるものだと思う」という認識を記者団に対してホワイトハウスで表明。「FRBは制御不能」「過度な引き締め路線は誤り」などと批判。もっとも、パウエルFRB議長を解任する意向はなく、単に失望しているだけだとした。

 その後16日には、自分の「最大の脅威」はFRBであると、トランプ大統領はFOXニュースのインタビューで発言。この時も、利上げのペースが速すぎるとして不満を示したが、FRBは独立しているのでパウエル議長とこの問題に関して話はしていないと強調した。

確かに一線は越えていないが
 こうしたトランプ大統領による連日のFRB批判について、クドローNEC(国家経済会議)委員長は、「大統領はFRBの独立性を尊重しており、FRBに具体的な政策を求めたり、指図したりしたことは一度もない」「大統領が心配しているのは金融当局の行動ペースが速すぎる可能性であり、そうなれば回復の障害になりかねない」などと述べて、一生懸命擁護している。

 たしかに、トランプ大統領はFRBの利上げペースが自分の考えより速いことへの不満を繰り返し表明しつつも、人事権などを用いての政策運営自体への具体的な介入は行っておらず、「一線は越えていない」と言える。11月6日の中間選挙に向けて、株価下落が共和党の議席数に悪影響を及ぼすのではという大統領の焦りが、FRB批判連発という形で表に出ているとみられる。

 米国における政府と中央銀行の関係は、日本のそれ(安倍首相と日銀のケース)とは明らかに異なる。どちらが最終的に良好な結果につながるのだろうか。金融市場発の危機再来の有無や財政規律の問題を含め、後年になってから「歴史の審判」が下るのだろう。


このコラムについて
上野泰也のエコノミック・ソナー
景気の流れが今後、どう変わっていくのか?先行きを占うのはなかなか難しい。だが、予兆はどこかに必ず現れてくるもの。その小さな変化を見逃さず、確かな情報をキャッチし、いかに分析して将来に備えるか?著名エコノミストの上野泰也氏が独自の視点と勘所を披露しながら、経済の行く末を読み解いていく。

https://business.nikkeibp.co.jp/atcl/opinion/15/248790/101800162/

 

日銀TB買入れ縮小加速の好機、短期金利急低下で広がる声
船曳三郎、Chikako Mogi
2018年10月24日 7:00 JST
• 日銀保有は市中発行残高の1割強、7割程度の海外勢と差が拡大
• TB市場への関わりを最小限にする良いチャンス−セントラル短資
日本銀行は一昨年に長短金利操作を導入して以来、量的緩和策の一環である短期国債(TB)の買い入れを徐々に減らしてきた。海外投資家の需要増加を受けて、今月に入り短期金利が急低下しており、日銀がさらに買い入れ残高を縮小することでTB市場での存在感が一段と薄まるとの見方が広がっている。
  日銀は10月からTBオペの買い入れ額を週1000億円と、異次元緩和下の最小規模に抑えている。長短金利操作導入前は週1兆〜3兆円規模だった。TB3カ月物利回りがマイナス0.3%台と政策金利のマイナス0.1%を大幅に下回っていることが買い入れ縮小の背景。海外投資家はドルを元手に円を調達する際、スワップ取引を使うと、ドル需要の強さからプレミアム(上乗せ金利)を得られるため、TBを大幅なマイナス金利下でも購入している。
  セントラル短資総合企画部の佐藤健司係長は、「日銀としてもオペを突然やめられないが、続けている姿勢を示す程度で、オペの有無はあまり影響しなくなった」と指摘。「フェードアウトしたい日銀には好都合で、TB市場への関わりを最小限にする良いチャンス」とみる。

  2016年9月の長短金利操作導入で金融調節目標が量から金利に変わって以来、TBオペは残高縮小が続いており、同年8月に付けたピーク45.1兆円に対し、今月10日時点で13.3兆円。市中発行残高に占める割合は4割程度から1割強まで低下し、7割程度まで膨らむ海外投資家との差が鮮明になっている。
  メリルリンチ日本証券の大崎秀一チーフ金利ストラテジストは、「金利を低く抑えている外国人の買いに任せて日銀は買わなくていい。緩和効果は十分だ」と言う。
日銀のTB買い入れ減少が鮮明
日銀の占める割合は1割程度に

Source:東短リサーチ
  日銀はこれまでTB買いオペを3カ月物入札の翌営業日に実施してきたが、今月から入札の2営業日後に後ずれさせた。東短リサーチの久保田和明研究員は、「市場で発行されたものは市場で吸収してくれというメッセージだ。オペの実施を織り込んでほしくないのだろう」と分析する。
金利を上げる方向
  足元で海外勢が円を有利に調達できる背景には、年末に向けたドル需要の高まりという季節要因があり、その影響がはく落すればTB3カ月物利回りは上昇する可能性が高い。メリル日本証の大崎氏は、「3カ月物利回りがマイナス0.1%を上回ることがあっても、長期金利を振り回すようなことでもない限り、慌てて抑えるようなことはしないだろう。日銀も買わないで済むなら買いたくない」とみる。
  日銀は長期金利の許容変動幅を拡大した7月末の金融政策決定会合で、日銀当座預金のマイナス金利が適用される政策金利残高を縮小し、マイナス金利政策の効果を減じる方向の決定を行った。
  SMBC日興証券の竹山聡一金利ストラテジストは、「日銀のやっていることは金利を上げる方向。TBオペの縮小もその一環だが、外国人のマーケットになってしまっているため、日銀が買い入れを減らしてもなかなか金利を上げられなくなっている」と指摘する。
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https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2018-10-23/PGTOP56KLVR401


 

トップニュース2018年10月24日 / 13:45 / 2時間前更新
焦点:円とスイスフラン、「安全資産」の輝き取り戻すか
3 分で読む

[ロンドン 23日 ロイター] - 世界的な株価の不安定化や最近の米国株のボラティリティ上昇は、市場全般が動揺した場合の逃避先を熱心に探している投資家にとって一種の警戒信号となっている。

資金の逃げ場として伝統的に挙げられるのは、米国債や金、ロンドンの不動産などだ。通貨で言えばドル、スイスフラン、円が該当する。

ただここ数カ月を見ると、不思議なことにこれらの多くは安全資産という評判通りの動きをしていない。貿易摩擦や米国株のボラティリティ上昇、イタリアの財政運営を巡る懸念が生じていても、円は対ドルで3月以降7%下落している。

スイスフランはユーロに対して今年全体では2%上昇しているとはいえ、9月初めからはイタリアと欧州連合(EU)の財政政策に関する対立があるにもかかわらず、下げ歩調が続く。

ドイツと米国の国債は価格の割高感が広がり、インフレに強いとみなされてきた金は年初来で5%下落している。

唯一ドルだけが、世界で最も流動性の高い通貨という立場や力強い米経済と金利上昇の恩恵に浴し、値動きが堅調だ。

<期待通りの働き>

それでも多くの市場関係者は、さらに大幅な株価下落や、特に米国について深刻な成長下振れ懸念が出てくれば、伝統的な安全資産だけが妥当なヘッジ先とみなされるようになると考えている。

他の全ての資産が値下がりする中でも円とスイスフランは上昇する、というのが投資家の見立てだ。

3510億ポンド(4640億ドル)を運用するM&Gインベストメンツのリテール債券事業責任者ジム・リービス氏は「もし相当切実なリスク・オフ・イベントが発生し、米国株もしくは欧州銀行株が10%下がるようなら、安全資産へのヘッジ投資が起きるだろう」と述べた。

市場のボラティリティが跳ね上がったり投資家が株を投げ売りする局面で円が想定通り安全資産として機能するという証拠は、今月も確認できた。10日に米国株が1日として2月以降で最大の下げを記録した際には、円が強含んだからだ。

ブルーベイ・アセット・マネジメントのポートフォリオマネジャー、カスパー・ヘンセ氏は、株価の調整に対する安上がりのヘッジになるとしてここ数日で円を買ったと表明。「(万が一のときには)日本の資金は海外から本国に逆流し、それが円を押し上げるはずだ」と話した。

<円とフランの強み>

ヘッジ先として円とフランには魅力がある。日本とスイスはともに巨額の経常黒字を抱え、対外資産も潤沢だ。世界的に資産が下がる局面では、日本とスイスの投資家は資金を還流させて、それぞれの通貨が上昇する。

スイスの経常黒字の対国内総生産(GDP)比は10%近い。日本も昨年の経常黒字はおよそ1840億ドルで、GDPの4%に達した。

また日本は世界最大の債権国で、昨年末の対外純資産額は328兆円(2兆9200億ドル)。スイスも世界有数の債権国として知られる。

さらに両国は豊富な外貨準備を保有し、政治システムは安定的で、円とフランには市場の混乱時に投資家が求める流動性もある。

ラボバンクのストラテジスト、ジェーン・フォーリー氏は「何かものすごい地政学イベントや、米国の成長見通しを暗転させる材料があれば、買われるのは円とフランになる」と言い切った。

では両通貨はなぜ今年はさえない動きをしているのだろうか。

第1には、全般的に考えるとまだ事態が落ち着いていることが反映されている公算が大きい。何といっても世界の経済成長率は3.5%強で、企業の増益率は2桁で推移しており、政治情勢や通商問題を巡る不安を相殺している。

第2に、円やフランなどの低金利通貨で資金を調達して高利回り資産を買う「キャリートレード」が、今の局面では以前ほど重要な存在でなくなっていることがある。

最後に、通貨のボラティリティがなお相対的に低く、2015─17年の3割強程度の水準にとどまっている点が影響している。そのためイタリアの財政問題など政治情勢への懸念が高まっても、円とフランの需要が抑えられてきた。

ソシエテ・ジェネラルの通貨ストラテジスト、アルビン・タン氏は「円といわゆるリスクオフは直線的な関係にない。円は急激なボラティリティ上昇により大きく反応する」と説明した。

だとすれば投資家が抱くのは、何をきっかけに、いつ安全資産買いを促すムードが生まれるか、との疑問だ。

大方の市場関係者は、米国株が持続的に10─15%値下がりして長きにわたる強気相場の終えんが示唆され、その場合恐らく米国と世界の先行きの経済成長に対する不安が同時に高まることで、安全資産に資金が向かうとの見方で一致する。

ウッドマン・アセット・マネジメントのグローバル・マクロ・ストラテジスト、ベルント・ベルク氏は「世界的な成長懸念を理由にリスク回避の動きが出てくれば、スイスフランや特に円などの典型的な安全資産が大きく値上がりする」とみている。

(Tommy Wilkes、Tom Finn記者)
https://jp.reuters.com/article/yen-currency-safe-analysis-idJPKCN1MY0B4


 
 

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コメント
1. 2018年10月24日 20:54:04 : ZzavsvoOaU : Pa801KbHuOM[67] 報告
トランプ氏、FRBは「米経済に最大のリスク」

トランプ氏はパウエル議長が「利上げを楽しんでいるように見える」と語った
PHOTO: T.J. KIRKPATRICK FOR THE WALL ST

Michael C. Bender, Rebecca Ballhaus, Peter Nicholas and Alex Leary
2018 年 10 月 24 日 11:43 JST 更新

 【ワシントン】ドナルド・トランプ米大統領は23日、米連邦準備制度理事会(FRB)のジェローム・パウエル議長は米国の経済成長を脅かしており、利上げを楽しんでいるように見えると指摘し、同議長への批判を強めた。ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)のインタビューで語った。

 トランプ氏は、FRBが経済政策の立案で長らく独立性を享受してきたことを認めながらも、利下げを望むという直接的なメッセージをパウエル氏に意図的に送っていることを明確にした。

 トランプ氏は「私が何か素晴らしいことをするたびに彼は金利を引き上げる」とし、「(パウエル氏は)あたかも利上げを楽しんでいるように見える」と述べた。トランプ氏から詳しい説明はなかった。FRBの報道官はコメントを控えた。

 トランプ氏は、パウエル氏を指名したことを後悔しているかどうかについて「判断するのは早すぎるが、そうかもしれない」と述べた。

 またトランプ氏は、オバマ前政権下での経済成長は低金利によって持ち上げられたものだと強調。その上で、足元の経済に対する最大のリスクは何かとの質問には、「FRB」だと答えた。

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 「私にとってFRBは最大のリスクだ。金利はあまりに速く引き上げられていると思う」。トランプ氏はこう言うと机の上の赤いボタンを押し、冷えたコーラを持ってくるよう求めた。

 トランプ氏は金利上昇が債務を増大させ、経済成長を押し下げると指摘。FRBは「理論上」独立した存在であるべきだが、自身の直感では金利引き上げは急すぎるとの認識を示した。

 どのような状況になったらパウエル氏を解任するのかとの質問には口ごもり、「分からない」と答えた。「私はこう言っているだけだ。オバマはゼロ金利だった。だからFRBには大いに不満だ」

 金利上昇について語るトランプ氏は「どうやって(前政権の実績と)競争しろと言うのか。オバマはゼロ金利だった。これはとても重要だから覚えておいて欲しい」と繰り返した。

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安倍首相が消費増税の影響回避へ、施策を総動員
広川高史、Isabel Reynolds
2018年10月24日 14:02 JST 更新日時 2018年10月24日 14:55 JST
日米TAG交渉、「双方に利益が得られる」結果を出す
外国人労働者受け入れ拡大へ、入管難民法改正に意欲

安倍首相 Photographer: Akio Kon/Bloomberg
安倍晋三首相は24日午後の衆院本会議で所信表明演説を行い、来年10月からの消費増税が「経済に影響を及ぼさないよう、あらゆる施策を総動員する」との考えを示した。

  10%への消費税率引き上げは当初、2015年10月に予定していたが、景気悪化を懸念した安倍政権は2回にわたって延期した。首相は15日の臨時閣議で来年10月からの実施を明言したが、野党第1党の立憲民主党の枝野幸男代表は反対する方針だ。

  米国との物品貿易協定(TAG)交渉については「双方に利益が得られるような結果を出す」方針を強調した。欧州連合(EU)との経済連携協定(EPA)の早期発効や、外国人労働者の受け入れを拡大するための入管難民法改正にも意欲を示した。

  このほか、所信表明演説のポイントは以下の通り。

来年10月から幼児教育を無償化
防災・減災、国土強靱(きょうじん)化対策を年内に取りまとめ、3年間で集中実施
65歳以上への継続雇用の引き上げ、中途採用・キャリア採用の拡大に向けて検討
全ての世代が安心できる社会保障制度へ、今後3年かけて改革
モノのインターネット(IoT)、ロボット、人工知能、ビッグデータなどの活用阻む規制や制度を大胆に改革
日中関係を新たな段階へと押し上げる
東アジア地域包括的経済連携(RCEP)交渉を早期に妥結
憲法審査会に政党が具体的な憲法改正案を示すことで国民の理解を深める努力を重ねていく
(衆院本会議での演説終了を受け、時制を更新します.)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2018-10-24/PH1OMF6JTSEA01


 


2. 2018年10月24日 21:09:43 : ZzavsvoOaU : Pa801KbHuOM[69] 報告
コラム2018年10月24日 / 15:10 / 31分前更新
コラム:米国のサウジ武器売却、「中止なら雇用喪失」は本当か
Gina Chon
2 分で読む

[ワシントン 23日 ロイター BREAKINGVIEWS] - トランプ米大統領のサウジアラビア向けの武器売却契約は、実際のところ、大統領が見込むような雇用創出効果はない。

トランプ氏は、100万人の雇用が脅かされるとして、武器売却中止によるサウジへの制裁を避けるよう議会に求めている。ただ、武器売却はロッキード・マーチン(LMT.N)など米航空防衛機器大手の利ざやを押し上げるかもしれないが、雇用にはあまり寄与しないだろう。

サウジの反体制派記者ジャマル・カショギ氏の死亡事件を巡り、米国では同国に対する制裁を求める議員が増えている。トルコのイスタンブールにあるサウジ総領事館で殴り合いになって同記者が死亡したというサウジ政府の説明に、米議員は納得していない。

上院外交委員会の委員長を務めるボブ・コーカー議員(共和党)は21日、CNNに対し、サウジは「信頼性を失った」と語った。

トランプ氏は昨年、大統領として初の外遊でサウジへの武器売却契約を発表して以来、大々的にこのディールを宣伝してきた。今年3月、サウジのムハンマド皇太子が訪米した際には、トランプ大統領は同契約により4万人分の雇用が生まれると語った。

しかしサウジへの強硬姿勢を求める声が高まるにつれ、トランプ氏はその数をつり上げていき、今月に入り45万人としていた雇用数は19日には100万人に急増している。

だが外国への武器売却により恩恵を受けるのは、主に米国防総省の仕様に合わせて武器を開発する請負業者だ。

ロッキードは昨年、サウジが約280億ドル(約3.1兆円)相当の防空システムやミサイル防衛システム、戦闘艦や戦術航空機を購入する意向だと明らかにした。その大部分は、ロッキード社製の高高度防衛ミサイル(THAAD)に関わるものだ。

これら製品の大半は、米軍や他の顧客向けにすでに製造されている。つまりそれは、サウジの注文によって増加が見込まれるのは生産であり、雇用ではない。THAADの売り上げによって、ロッキードのミサイル・射撃統制部門の今年1─9月の営業利益率は、過去最高の14.4%にまで上昇した。

サウジとの契約がどうなろうと、実質的に雇用が増減することはないと防衛アナリスト2人は指摘する。ロッキードは昨年、サウジとの契約が完全に履行されれば、向こう30年にわたり、米国内で約1万8000人の雇用を支えることになると明らかにした。

現時点で、ロッキードは約200億ドル相当のサウジ向けの売却が終了したことを米議会に通知している。これは同社の取引がほぼ最終段階にあることを意味する。残りの契約が前進したとしても、雇用には大きな変化はないだろう。

Lockheed Martin Corp
321.35
LMT.NNEW YORK STOCK EXCHANGE
-5.43(-1.66%)
LMT.N
LMT.N
*筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。
https://jp.reuters.com/article/column-us-saudi-arms-deal-job-idJPKCN1MY0JO


 

OPECは「極力大量に生産する態勢」−サウジ石油相
Javier Blas、Vivian Nereim、Mohammed Aly Sergie
2018年10月24日 1:51 JST

Saudi Energy and Oil Minister Khalid al-Falih Photographer: FAYEZ NURELDINE/AFP
石油輸出国機構(OPEC)および同盟国は、需要に対応し供給不足を埋め合わせるために「極力大量に生産する態勢」だと、サウジアラビアのエネルギー相が述べた。主要産油国が原油価格の上昇に歯止めをかけようと取り組んでいることが、これまで以上に強く示された。

  ファリハ・エネルギー産業鉱物資源相はリヤドで開かれた投資会議で、サウジはすでに原油生産を過去最高に近い日量1070万バレルに引き上げており、イランのエネルギー業界に対する米国の制裁で生じる供給不足分を埋め合わせるため、追加の増産を行うことも可能だと述べた。トランプ米大統領は、来月の制裁発動による原油価格押し上げ効果を緩和する上でサウジが協力することを期待している。


23日、フューチャー・インベストメント・イニシアチブに出席したサウジのファリハ・エネルギー相Fayez Nureldine / AFP via Getty Images
  「われわれは具体化した需要を全て満たす」とファリハ氏は述べた。サウジ反体制派ジャーナリスト、ジャマル・カショギ氏の殺害事件を巡ってサウジ政府への逆風が強い中、この投資会議「フューチャー・インベストメント・イニシアチブ」は影が薄くなっている。

  サウジとロシアが原油生産量をさらに増やす方針を示し、米国の在庫が増える中、ロンドンICEの北海ブレント原油先物は10月3日に付けた直近の高値から約10%下落している。

  ファリハ氏は、石油・ガス業界には「大規模な投資資金の流れ」が戻っており、それが北海や一部OPEC加盟国での減少分補てんを支える新たな供給をもたらすと述べた。それでも、需要と供給の両方の観点から、来年の見通しは「かなり予測不可能だ」と述べた。

原題:OPEC’s in ‘Produce as Much as You Can Mode,’ Al-Falih Says (1)(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2018-10-23/PH2619SYF01T01?srnd=cojp-v2


 

トルコ大統領の記者殺害巡る直言、世界秩序の変化を浮き彫りに
Marc Champion
2018年10月24日 10:46 JST
トランプ大統領はエルドアン大統領ほど厳しい批判せず
価値の共有に基づいた外交政策で米国の優位薄らぐ
米紙ワシントン・ポストのコラムニスト、ジャマル・カショギ氏がトルコ・イスタンブールのサウジアラビア総領事館内で失踪して3週間。カショギ氏殺害を裏付ける証拠が増えていることで国際世論の怒りを明確に言い表したのは自由主義世界のリーダーではなく、トルコ大統領だった。

  トルコのエルドアン大統領は23日、同国議会で与党議員に対し、このように残酷な襲撃の真の立案者を隠ぺいすれば、「人間の良心を侮辱することになる」と語った。その上で同大統領はカショギ氏の家族のために正義と十分な調査を訴えた。

  これに対し、トランプ米大統領はエルドアン大統領ほど明確に批判しておらず、エルドアン大統領の演説について「サウジアラビアに非常に厳しかった」と述べている。こうした2人の対照的な姿勢は冷戦後の世界秩序の変化を如実に示している。米国が価値の共有に基づいた外交政策を推し進めるのに伴い、世界における米国の優位性は薄らいでいる。

  米国務省のキャリア外交官として大使などを務めたチャールズ・リース氏は「世界中で結果を出す米国の役割が1990年代から縮小したことは確かだ」とした上で、「中国の台頭やロシアのウクライナ侵攻、ロシアの欧州政治への介入を見れば分かる」と説明した。

原題:Turkish Outrage Over Khashoggi Hints at Changing World Order (1)(抜粋)https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2018-10-24/PH2WOG6JIJVJ01?srnd=cojp-v2

 
メイ英首相、反対派の抑え利かず−閣僚ら7人の反旗で閣議大荒れ
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ハント外相が反対を主導し、ジャビッド内相やゴーブ環境相も同調
首相は国内でかつてない危険な状態に置かれていると専門家は指摘

メイ英首相 Photographer: Jasper Juinen/Bloomberg
メイ英首相が23日開いた閣議は、欧州連合(EU)と離脱交渉で合意を目指す首相案を巡り閣僚らがあからさまに衝突する荒れ模様の展開となり、反対勢力に対する首相の抑えが利かない状態となった。

  事情に詳しい複数の関係者によれば、閣議では離脱に積極的な7人の閣僚らが、英国が無期限にEUの関税同盟にとどまることを可能にする首相案に公然と反対し、メイ首相は怒りを込めた鋭い視線で反応した。一方、首相が歩み寄ることができない限り、英国は合意がないまま無秩序にEUから離脱することになると反撃を開始する閣僚らもいた。

  ハント外相が首相案への攻撃を主導し、ジャビッド内相やゴーブ環境・食料・農村相、レッドソム下院院内総務らも同調したという。

  ユーラシア・グループのマネジングディレクター、ムシュタバ・ラーマン氏は「メイ首相は国内でかつてない危険な状況に置かれている。欧州懐疑派の議員らが、与党保守党党首としてのメイ氏の資質を問う信任投票をすぐに推し進めるとの観測が強い」と指摘した。

原題:U.K. Cabinet Is Said to Be at War Over May’s Brexit Plan (1)(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2018-10-23/PH2QLY6TTDSJ01?srnd=cojp-v2


 


中国は新ゲーム認可の特別プロセス停止、最後の手段閉ざす
中村友治、Lulu Yilun Chen
2018年10月24日 11:40 JST 更新日時 2018年10月24日 12:52 JST
特別プロセスは「グリーンチャンネル」として一般的に知られる
一部のアナリストは9月までに認可凍結が終わると見込んでいた

Photographer: Shiho Fukada/Bloomberg
中国当局は暫定的な認可プロセスを通じたゲームライセンスの発行を終了した。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。世界最大のゲーム市場で、新たなタイトルを出す残る最後の公式手段を閉ざすことになる。

  非公開情報だとして匿名を条件に話した関係者によると、「グリーンチャンネル」として一般的に知られるプロセスによるゲームライセンスの発行はもはや行われていない。中国政府が今年に入り暴力やギャンブル、センシティブなテーマに関連していないかを審査する方法を見直すと決めたことを受け、8月にはこの認可メカニズムが導入されていた。

  380億ドル(約4兆2700億円)規模の中国ゲーム市場での新たな規制は、テンセント・ホールディングス(騰訊)やネットイーズなどゲーム企業の時価総額を脅かすほか、ゲーム業界を規制する中国共産党の長期的な方針を巡る不透明感も強まる。オンラインやモバイル、コンソール型ゲームに影響した前回の制限では中国のゲームメーカーだけでなく、カプコンやネクソン、コナミホールディングスの株価も軒並み下げた。

  一部のアナリストは9月までにゲーム認可の凍結が終わると見込み、グリーンチャンネルはそれまでゲーム業界を支える一時的な解決策とみていた。

  関係者によると、グリーンチャンネル経由の認可は今月時点で完全にストップした。同チャンネルは公式な認可プロセスの前に、ゲームへのユーザーの反応を試す余地をゲームメーカーに与える役割を担っていた。実際には、ライセンス凍結を受けて一部のメーカーにゲームタイトルで稼ぐ限られた手段を提供していた。

  ゲーム業界ではこうした逆風を受けて代替策を探る動きも出ている。認可凍結で中国のゲーム企業が自社のライセンスを最大50万元(約811万円)で売るグレーマーケットも出現していると関係者の1人が話した。最近になって価格が約20万−30万元に下落しており、近く認可が再開されると一部が見込んでいたことを示していると語った。

  中国の担当政府機関にファクスでコメントを求めたが、今のところ返信はない。テンセントの広報担当者に電話と電子メールでコメントを求めたが、返答はなかった。

  24日の日本株市場では午後に入りゲームソフト関連銘柄の一角が下げ幅を広げ、ネクソンが一時6.8%安の1268円と9月13日以来、およそ1カ月半ぶりの安値を付け、カプコンも4.2%安の2536円まで売られた。

Game Freeze
Number of mobile games distributed on Tencent WeChat drops


Source: App Annie, Jefferies, Tencent

原題:China Said to Halt Special Approval Process for New Games(抜粋)

(文末に日本のゲームソフト株の値動きを追記.)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2018-10-24/PH2X1G6JIJUX01


 

 
日本生命、新規資金6000億円の一部を日本国債に投資
伊藤小巻
2018年10月24日 15:00 JST
• 国内債券の残高は「横ばい〜増加」、オープン外債は「増加」
• ヘッジ外債「横ばい〜減少」、ヘッジコスト上昇で社債などへ
日本生命保険は今年度下期(10月ー2019年3月)の運用計画で、新規資金6000億円の一部を日本国債に投資する予定だ。予定利率の引き下げで国債でも運用できる資金ができたことや、為替リスクのヘッジコスト上昇で代替だったヘッジ付き外国債券での運用が難しいことが背景となっている。
  秋山直紀財務企画部長は24日の記者説明で、国内債券は「為替ヘッジコスト控除後の外国債券との比較優位性を勘案しながら投資を進める」と述べた。国内の長期金利の水準は「積極的に投資する金利水準にはない」と指摘し、超長期債利回りは1%以上が必要という。ヘッジコストの上昇、海外金利の上昇といった環境変化があり「相対感で配分調整をする」として、国内債の残高は「横ばい〜増加」を計画する。
  上期は国内債券の残高を1兆700億円増やし、そのうち7割程度が日本国債だった。超長期債利回りは必要とする1%を超えなかったが、「通年で1兆円を超える増加資金がある。なかには予定利率を下げており、1%なくても投資できる部分がある」と話した。
  ヘッジ外債は「横ばい」から「減少」の計画。米ドルのヘッジコスト上昇が見込まれる中、ソブリン債を売却しスプレッド収益が獲得できる社債やプロジェクトファイナンスに入れ替える計画。オープン外債は「増加」の予定。ヘッジ外債とオープン外債は為替や金利水準に応じて、機動的に為替リスクをコントロールし配分調整する。
  上期はヘッジ外債の残高を2100億円圧縮し、オープン外債を2600億円積み増した。「一定程度、米金利が上がったこともありオープン外債に投資した。今後も円高に振れた局面で投資したい」と述べ、1ドル=110円を割れたら検討するという。
  内外株式については、個別銘柄ごとに成長性や株主還元の状況に着目し、中長期的にポートフォリオの収益性向上の観点から取り組み「増加」を計画。上期は国内株の残高はマスミューチュアル生命への投資を含め1800億円、外株は200億円それぞれ増えた。
  一般貸付は企業の資金需要に応じつつ、金利水準などの条件面を勘案し貸し出すが、残高は「減少」を見込む。再生可能エネルギーなどのインフラ事業や企業の海外展開支援などの成長分野への貸し付けにも積極的に取り組む。上期は残高が300億円減った。不動産については、リニューアルを中心に投資しつつ、新規優良物件の取得にも柔軟に対応し「横ばい」を維持する。
【2018年度下期の運用計画一覧】
単位:
億円 国内債 外債 ヘッジ
外債 オープン
外債 国内株 外国株 新規
成長
日本 横ばい〜
増加 −− 横ばい〜
減少 増加 内外株
で増加 内外株
で増加 増加
三井 横ばい 増加 100
程度 増加 横ばい −− 100
程度
富国 横ばい 横ばい 横ばい 横ばい ▲100 300 −−
【2018年度下期金融環境見通し一覧】
国内金利
(%) 米国金利
(%) 日経平均
(円) ダウ
(ドル) ドル円
(円) ユーロ円
(円)
日本 ▲0.20~0.20(0.10) 2.7~3.7
(3.20) 21000~26000
(24000) 23000~28000
(26000) 104~124
(114) 125~145
(135)
三井 ▲0.10~0.20
(0.10) 2.8~3.6
(3.2) 24000~
25300(24600) 24200~
27800(26500) 106~116
(111) 122~137
(130)
富国 ▲0.10~0.20
(0.15) 2.7~3.5
(3.3) 20000~
26000(24000) 23000~
28000(26500) 100~118
(113) 120~140
(132)
※日本生命は年度末レンジ(年度末見通し)
※三井生命は18年度末見込み(中心)
※富国生命は18年度下期の想定レンジ(年度末)
最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
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https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2018-10-24/PH2WDM6JIJUP01

3. 2018年10月24日 21:31:44 : ZzavsvoOaU : Pa801KbHuOM[70] 報告
FRBの経済予測、現実になれば株価低迷も
FRBは2019年末までにさらに4回の利上げを見込む
By Justin Lahart
2018 年 10 月 24 日 09:59 JST

――WSJの人気コラム「ハード・オン・ザ・ストリート」

 ***

 連邦準備制度理事会(FRB)が経済を読み誤ったら何が起きるか。投資家はよく不安に駆られる。だが彼らはおそらく、FRBの経済予測が正しかった場合に何が起きるかを心配すべきだ。

 FRBは既に利上げしており、経済が好調な上に失業率が3.7%とあって、追加利上げは既定路線のように思われる。この状況は2つの明らかなリスクをもたらす。1つはFRB当局者の現在の引き締めペース――1回おきの連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げ――が経済の耐えられる水準を超えるリスク。もう1つは、引き締めのスピード不足で景気が過熱しかねないリスクだ。いずれのケースでも、最終的には低迷に行き着く。

 当然、FRB当局者は正しいバランスを取りたいだろう。実現するにはどうすればいいと彼らは考えているのか。それはFRB当局者の経済予測に表れているため、投資家はそれが的中した場合に株価がどうなるかを考えるべきだ。

 FRB当局者は2019年末までにさらに4回の利上げを見込んでいる。景気は減速し、同年10-12月期(第4四半期)の国内総生産(GDP)成長率は2.5%になるとの見通しだ。失業率は3.5%、インフレ率は2%と予想している。

 この想定での企業の見通しはどうか。企業の需要増大が景気に近いペースだとすると、インフレ率を含めた19年10-12月期の増収率は4.5%程度だろう。そうなると、利益の伸びを加速させるには利益率を拡大する以外に方法がない。

 これは悪い賭けに思える。今年の減税の効果を加味しても、S&P500指数構成企業の利益率は歴史的に見てかなり高い。それに失業率が3.5%では、労働コストを抑えること、ましてや削減することは、相当難しい。

 だがウォール街のアナリストの収益予想はFRBと一致している。レフィニティブがまとめた予想では、19年10-12月期の増益率は11.6%だ。S&P500指数の予想株価収益率(PER)が16倍と、株のバリュエーションが比較的高いことから判断すると、投資家の利益予想も楽観的なようだ。

 一方、金利先物市場を見ると、投資家はFRBの追加利上げが4回ではなく3回だと見込んでいるようだ。そのため利益予想が高いらしいだけでなく、金利予想もFRBの予想に比べて低い。FRBの経済予測が正しければ、株式市場にとってかなり悪い事態になりかねない。

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米企業の増収ペース減速、業績腰折れに懸念

 

米国債、外国人の保有比率が縮小 財政赤字拡大を懸念

発行済み米国債の外国人の保有比率は全体の41%と、15年ぶりの水準に落ち込んだPHOTO: MANDEL NGAN/AGENCE FRANCE-PRESSE/GETTY IMAGES
By
Daniel Kruger and
Ira Iosebashvili
2018 年 10 月 24 日 07:20 JST
 海外の投資家や中央銀行、トレーダーらが米国債投資を縮小しており、金融・経済の中心である15兆ドル(約1700兆円)の米国債相場が転機を迎えている可能性がある。
 米財務省の統計によると、外国人は1-8月に米国債の購入を780億ドル増やした。増加幅は前年同期のおよそ半分の水準にとどまり、発行額全体に占める比率も下がった。背景には、トランプ政権が財政赤字補てんのため、国債の発行額を増額していることがある。


外国人の米国債保有比率

Source: U.S. Treasury Department

 発行済み米国債の外国人の保有比率は全体の41%と、15年ぶりの水準に落ち込んだ。2013年は50%だった。
 極めて流動性の高い、安全資産としての米国債の地位が大きく揺らぐ兆候はまだ出ていない。だが、外国人の買いが鈍っていることを受けて、米10年債利回りは足元3.15%まで跳ね上がり、株価急落の引き金となった。
 TDセキュリティーズの為替戦略部門北米責任者、マーク・マコーミック氏は「米国債利回りの上昇は、健全な経済成長ではなく、リスクプレミアムを反映している」とし、「投資家はドルの価値保存能力を不安視している」と語る。
 投資家が最も懸念しているは財政赤字だ。トランプ政権の巨額減税と財政刺激策を背景に、米国の財政赤字は6年ぶりの水準まで膨らんでいる。格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスは米財政赤字が国内総生産(GDP)比で現在の4%未満から2028年には8%まで拡大し、財政状況がさらに悪化すると予想している。
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日米欧で異なる金融緩和からの出口戦略(大前研一)

米中間選挙 失業率低下の追い風
 アメリカのアマゾンドットコムは2日、国内の従業員の最低賃金を、時給15ドル、約1700円に引き上げると発表しました。これは、連邦政府が定める最低賃金7.25ドルの2倍以上に当たりますが、急成長を続けるアマゾンに対しては、利益を従業員や社会に還元していない、倉庫での労働環境が劣悪などの批判が高まっていました。
 アマゾンがいきなりこのようなことをやると、いろいろな人に迷惑がかかることになります。アメリカの最低賃金またはそれ以下で働く労働者数の推移を見ると、実際に数百万人が最低賃金以下で働いていることがわかります。ただ、最低賃金の2倍でやるというアマゾンは儲けすぎという批判で、これまでかなり安く倉庫などで使っていた人たちの賃金をいきなり15ドルに引き上げるとなると、今度はウォルマートで働く人がいなくなってしまいます。

 アメリカの労働者の時給の中央値を見ると、確かに15ドル近辺には来ていますが、その下には7.25ドルというところが最低賃金であり、その最低賃金を堂々と使っている企業が多くあるわけです。
 一方、主な著名企業の社員の給料中央値を見ると、Facebookはなんと20万ドル以上です。これが中央値なのです。グーグルのalphabet、Netflixなども、中央値が数千万円です。これに対してアマゾンは、物流などで働いている人が多いので賃金の中央値もうんと低いわけで、コカコーラよりも低くなっています。Facebook、alphabetなどは、何億円と稼いでる人がかなりいて、その賃金中央値が何千万円となっている、このことを知っておくのも良いことだと思います。

 アメリカ労働省が5日発表した9月の雇用統計は、失業率が3.7%と、前の月に比べ0.2ポイント改善し、48年9ヶ月ぶりの水準となりました。また非農業部門の雇用者数も、13万4000人増加していて、11月の中間選挙で共和党とトランプ政権の追い風になりそうです。
 失業率がこれだけ下がっていると、中間選挙あるいはアメリカの選挙で、政権政党は負けないのです。従来の歴史が正しければ、この状況でトランプ大統領にとっては負ける理由は全くありません。ただ彼は、他のいたるところでドブ板を踏み外しているので、今回の結果がどうなるかはよくわかりません。ただ実際には、対前月比で雇用者数は増加が長く続いているわけです。したがって失業率も3.7%となっているのです。48年ぶりと言いますが、私が記憶している限りではこのレベルの失業率になったことはなかったのです。

 トランプ大統領は依然として間違ったことを言っています。中国が雇用を奪ったと、雇用を奪われた側に立って言っていますが、そんな事はないのです。たとえ、中国に行った会社がアメリカに戻ってきてやろうと言ったとしても、この失業率では中国から事業を戻せないのは明らかです。こうしたまともな議論をアメリカでやる人がいないということが大きな問題です。しかも、今の政権における多くの有力者が、中国が雇用を奪った、われわれはこの雇用をアメリカに戻さなければならない、などと言っているわけです。しかし中国に雇用を奪われた人が一体どこにいるのでしょうか。
 したがって、間違ったレトリックで国民感情だけを煽っている、要するにこれはテレビプロデューサーのやり方です。そうしたトランプの欺瞞というものが、ここにはっきりと現れているわけです。世の中は少し不安や行き過ぎを感じているので、株も何もかも、落ちやすい状況になっているわけです。
世界の金融緩和に対する出口戦略
 10日のアメリカ株式市場で、ダウ工業株30種平均が前日比831ドル安い、2万5598ドルで取引を終えました。アメリカ長期金利の上昇や、アメリカと中国の貿易戦争への懸念が背景にありますが、これを受けて11日の日経平均株価も大幅に下落、下げ幅は一時1000円を超え、約1ヶ月ぶりに1万3000円を割り込みました。

 トランプ大統領はFRBを非難しています。パウエルは何をやっているのか、クレイジーだというふうに言っています。しかし、クレイジーなのはトランプ大統領の方なのです。トランプ大統領はパウエル議長に対し、金利を上げてきたから株が暴落したと言っているわけですが、そうではなく、トランプ大統領自身が中央銀行に余計な干渉をし、政権内で対立や矛盾が起こり得る、もしかしたらパウエル議長をクビにするかもしれないということから、この暴落が起こっているわけなのです。トランプ大統領は原因を知りたければ鏡の中を見てごらんと言われるわけです。これは今アメリカで流行っていて、海外の人が何か問題を言い、トランプよ、原因を知りたければ鏡をのぞいてごらん、そこにその原因があるという風刺です。
 FRBが上げてきている政策金利ですが、この失業率であれば、こうした形で金利を上げていってもほとんど問題はなく、またそうしないとハイパーインフレになってしまうのです。非常にインフレを導きやすい状況なので、パウエル議長はそれを見ながら政策金利を上げていかないと、むしろ大変なことになるのです。中央銀行の総裁らしい動きをしているわけです。仮にイエレン氏が続けていたとしても、同じようなことをやっていたと思います。パウエル議長は、引き続き政権が何を言おうとも、自分たちの判断でやるのでご安心を、と言っているわけですが、トランプ大統領は何もわかっていないのに騒ぎ立てるという特徴があるようです。
 一方、ECBは出口に向かっていて、これから金利を上げると言っています。また、日本はマイナス金利がようやく0に張り付いてきたわけですが、これを上げていくときには、日本の場合はたるみっぱなしになっているので、出口戦略は非常に難しいと思います。アメリカは首尾よく、たるんだ後にこのように金利を上げてきていて、それでも失業率が低いので大きなマイナスの影響は出てきていないという、ある意味うらやましい状況になっているわけです。
【講師紹介】
ビジネス・ブレークスルー大学
株式・資産形成実践講座 学長
大前 研一
10月21日撮影のコンテンツを一部抜粋してご紹介しております。
 

https://asset.ohmae.ac.jp/mailmagazine/backnumber/20181023_1/


 


寄稿】彼らがトランプ氏を憎む本当の理由
トランプ大統領(写真)の何が気に入らないのかを問うことはまさに、米国のどこが気に入らないかを問うことだ
トランプ大統領(写真)の何が気に入らないのかを問うことはまさに、米国のどこが気に入らないかを問うことだ PHOTO: JIM WATSON/AFP/GETTY IMAGES
By David Gelernter
2018 年 10 月 24 日 09:25 JST

――筆者のデービッド・ゲランター氏はイエール大学のコンピューターサイエンス学の教授で、テクノロジー企業ディタッチの主任科学者。最新の著書は「Tides of Mind(仮訳:思考の流れ)」

***

 米国の大型選挙はどれも興味深いが、来月の中間選挙が特に興味深いのには理由がある。ほとんどのコメンテーターは指摘し忘れているが、その理由とは民主党には主張すべき争点がないことである。経済は好調で、国際的にも米国は強い立場にある。外交面ではぎりぎりのところでマキャベリが5世紀前に王子たちに授けたアドバイス「愛されようとするな。恐れられることを求めよ」を思い出したところだ。

 善良な左派にしてみれば、オバマ政権時代との違いがありすぎて見るに堪えないに違いない。ブレット・カバナー氏の連邦最高裁判事承認をめぐる争いは、ダッシュボードでガソリン切れを知らせる赤い点滅ライトのように、将来の世代にとって民主党の知性の破綻を示す出来事になるだろう。左派は打ちのめされている。

 同じようなことは1980年代にも1990年代にも2000年代初めにもあったが、金融危機が自由主義を破滅の道から救った。左派は今、ロバート・モラー特別検察官がスーパーマンに変身し、助けに来てくれることを祈っている。

 しかし今のところ、左派のテーマは「トランプ氏が憎い」ということだけだ。この憎しみは大いに参考になる。左派にとってドナルド・トランプ氏の何が気に入らないのかを問うことはまさに、彼らにとって米国のどこが気に入らないかを問うことだからだ。それが意味するところは重要で、痛ましくもある。

 だからといって左派の誰もが米国を憎んでいるわけではない。しかし筆者が知る左派の人々は、トランプ氏の下品さ、争いから引き下がろうとしないところ、遠慮のなさ、米国は特に優れた国であると疑うことなく信じているところ、知識人への不信、単純でうまく行くアイデアを好むところ、男女の性別が変更可能なものであるのを信じないところを目の敵にしている。何より厄介なのはトランプ氏には仕事を成し遂げる以外のイデオロギーがないことだ。トランプ氏の目標は目の前の仕事を成し遂げること、あれこれと指示を受けないこと、それ以外では人生を楽しむことである。要するにトランプ氏は典型的な米国人なのだ。米国人の典型としては行き過ぎているが、それはトランプ氏には自分でつくった制約以外に自らのやり方を束縛する制約がないからだ。

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 トランプ氏に制約がないのは、トランプ氏が今も昔も超がつくほどの大金持ちだからで、しかも他の金持ちとは違い、豊かさを満喫していて、申し訳なく思う必要をこれまで一度も感じたことがないからだ。トランプ氏が本音を自分の胸にしまっておこうと思ったことはないのは、その必要がなかったからだ。男性として当たり前の傾向を持っていることに戸惑いを感じるようにもならなかった。トランプ氏は女性に対してひどい扱いをしたことがあり、この点について国民は、右派にしろ左派にしろ、ジョン・F・ケネディ元大統領やビル・クリントン元大統領を恥ずかしく思ったのと同じくらいトランプ氏を恥ずかしく思っている。

 しかし有権者としての筆者の仕事は米国のために最善を尽くす候補者を選ぶことだ。トランプ氏が何の制約もない平均的な米国人の下品な部分を世間に発信していることは残念に思う。この下品さは大統領にふさわしいものではなく、他国が持つ米国のイメージにも悪影響を及ぼす。その一方で、トランプ氏の敵の多くは他人にどう思われるかを気にしすぎている。筆者自身はフランスやドイツ、日本が得ている尊敬は素晴らしいとは思うが、尊敬されるかどうかが気がかりで眠れないというわけではない。

 トランプ氏を毛嫌いする国民と受け入れている国民――トランプ氏が大好きな人であろうと、大目に見ているだけの人であろうと――の違いは結局、典型的な米国人――農業従事者、工場労働者、自動車修理工、機械工、商店の店主、事務員、ソフトウエアのエンジニア、歩兵、トラックの運転手、主婦――に対する考え方の違いである。筆者が知る左派の知識人が言うには、こうした人達が気に入らないのは保守的な共和党支持者が多いからだそうだ。

 ヒラリー・クリントン氏とバラク・オバマ氏は彼らの真の罪業を承知している。両氏は腹立たしい銃や忌まわしい教会について、そうした人々のあきれるような現状を知っている。こうした人々には他人に関心を持ってもらうようにするための金も、一生消えることのない不満もない。これといったツイッターのフォロワーもいない。ダボス会議には関心がなく、テレビで見るのはFOXニュースだ。こうした人々の中で最も賢い人ですら、(民主党上院院内総務の)チャック・シューマー氏のようなまばゆいばかりの才能を持たない。ミシェル・オバマ氏のような人材がいないのは言うまでもない。実際のところ、彼らは羊のように愚かだ。

 トランプ氏を見ると、平均的な米国人がどういうものかを考えずにはいられない。平均的な米国人とは平均的な米国人男性でもなく、平均的な白人の米国人でもない。2020年になればトランプ氏に投票する女性や黒人の多さに知識人があ然とすることは今から分かっている。トランプ氏は政治の勢力図を塗り替えて、「あらゆるタイプのありふれた平均的な米国人VS特別な米国人」といった構図をつくり上げるかもしれない。

 多くの左派系の知識人はテクノロジーのおかげで昔ながらのトラック運転手のような人々の生活を支える仕事が必要なくなると考えているが、見当外れもいいところだ。インターネットを使って食料や衣料を運んだり、妻や恋人、子どもを抱きしめたり、親友の隣にただ静かに座ったりすることなどできない。おそらくそれは誰が見ても分かることだが、知識人であるということは、見れば分かることなど何もないということだ。トランプ氏は天才でもなんでもない。しかし見れば分かることを身につけて、あとは常識があれば、勝負があったも同然だ(学問は素晴らしいが、典型的な現代の知識人は政治によって自らの知識の価値を下げていて、破綻した左派のうわごとで自らの教育を変質させたことに誇りを持っている)。

 ここである一つの重要な疑問が浮かび上がる。今は憤然と否定されるだろうが、長い目で見た場合、歴史家は見過ごさないだろうその疑問とは、ドナルド・トランプ氏を憎み、平均的な米国人を憎まないなどということは可能なのか、ということだ。

 確かにトランプ氏は「のびのびとした」平均的な米国人だ。トランプ氏には、ツイッターへの投稿では子どものように自分を抑えることができなかったり、子どものいじめのようにやり返したりするところがあり、トランプ氏のそういうところが嫌いだけれども、そうした傾向のない平均的な米国人を憎くは思わない、ということがあってもおかしくはない(この2つの傾向について、トランプ氏は以前よりましになってはいる)。全部をひっくるめてトランプ氏が嫌いということもあるかもしれない。筆者も友人としてトランプ氏を選ぼうとは思わないし、それは向こうも同じだろう。しかし筆者には、左派の人々が往々にして、単純かつ無条件の憎しみを抱き、彼ら――神よ、トランプ氏を憎む人を許したまえ――はその憎しみを誇りに思っているように見える。それは残念なことであり、不快でさえある。それはトランプ氏を憎む人々が実際に、平均的な米国人――男性であっても女性であっても、白人でも黒人でも――を憎んでいることと同じだと筆者は考える。そうした人間はたいてい、米国も憎んでいる。

 もちろんトランプ氏は平均的な米国人を面白おかしく演じているだけで、平均的な米国人そのものではない。トランプ氏を受け入れないのは問題ない。しかし心底憎んでいる場合はそれが表に現れる。ロナルド・レーガン氏が大統領に選出されたとき、多くの米国人は映画スターが大統領になるなんて、と恥ずかしく思っていた。しかしレーガン氏が選んだ米国の新たな方向は全体としては大成功で、レーガン氏は偉大な大統領になった。どうやらこの国は素人――弁護士や官僚だけではなく普通の国民――が動かすように出来ていたようだ。

 トランプ氏に投票した人や、トランプ氏が応援する候補者に来月投票する人々は米国のイメージではなく、米国そのものを心配している。トランプ氏が国民の尊敬に値するのは米国人が尊敬に値する存在だからだ。これまでに米国を偉大な国に押し上げ、今後さらに偉大な国にしていくのはテレビ局のコメンテーターや社会主義者の高校教師、著名な教授といった気取ったエキストラではなく、普通の人々である。

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米ワシントンで演説するミッチェル国務次官補(10月18日)
米ワシントンで演説するミッチェル国務次官補(10月18日) PHOTO: ATLANTIC COUNCIL
By Walter Russell Mead
2018 年 10 月 24 日 10:41 JST

――筆者のウォルター・ラッセル・ミードは「グローバルビュー」欄担当コラムニスト

***

 サウジアラビア人記者ジャマル・カショギ氏の殺害をめぐるドラマに世界中が立ちすくむなか、米トランプ政権は先週、米国の外交政策にとって冷戦終結後で最もドラマチックな方針転換のいくつかを断固として推し進めた。

 ドナルド・トランプ米大統領の外交政策は、決して孤立主義ではない。それは野心的で、干渉主義的で、グローバルなものだ。修正主義の3大国(中国、ロシア、イラン)の扉を少なくとも当面はこじ開けられないことを約2年かけて見極めたうえ、同政権はこれら全ての国と一気に対決する準備を進めている。

 何よりも、これは中国との競争が激化することを意味する。マイク・ペンス副大統領が2週間前、中国を封じ込める米国の広範な戦略を明らかにする演説を行ってから、トランプ政権は歩みを止めていない。貿易戦争はエスカレートしている。トランプ氏は国際郵便のルールを定めた万国郵便条約から脱退すると発表した。同氏の考えでは、中国の郵便事業者が不公正に恩恵を受けているためだ。さらにマイク・ポンペオ国務長官はパナマを訪問し、同国の指導者は中国の「債務のわな」に陥らないよう警戒すべきだと忠告した。

 政権批判者の一部にとって恐らくもっと意外なのは、トランプ政権が次第にロシアへの強硬姿勢を強めていることだ。トランプ氏はロシアが中距離核戦力(INF)全廃条約に違反していることを理由に、米国は同条約から離脱すると表明した。その同じ週に、米国の空母がほぼ30年ぶりにロシアの北極圏に入った。一方で、A・ウェス・ミッチェル国務次官補(欧州・ユーラシア担当)は18日、シンクタンク「大西洋評議会」で舌鋒(ぜっぽう)鋭い演説を行い、米ロ競争新時代についてこう語った。

 「バルト海からアドリア海まで、バルカン半島全域からコーカサスにかけて、米国のライバル勢力は政治的、軍事的、商業的な影響力を拡大している。ロシアはジョージアやウクライナへの侵攻に続き、またしてもこの地域の軍事的要因となっている。ロシアは国境をはるかに超えた中欧諸国において、巧みなエネルギー戦術や買収、宣伝を駆使し、西側諸国を内側から弱体化させ、米国との絆を妨げようとしている」とミッチェル氏は述べた。さらに「ウクライナ、ジョージア、そしてベラルーシまでもが」「ロシアの新帝国主義に対する防護壁」の働きをしていると称賛し、米国がそれらの国々の独立と主権への支援を強化する方針を示唆した。

 トランプ政権は、米国とサウジの関係に波乱が起きてもひるむことなく対イランで攻勢を強めている。スティーブン・ムニューシン財務長官は、イランを孤立させるべく米・サウジの経済行動を調整するため、サウジの首都リヤドを訪問。米国は予定通り11月5日に最も強力な対イラン経済制裁を再開することにしている。

 敵国との対決を覚悟した国は、普通は同盟国との関係を強化しようとするものだ。しかしトランプ政権のアプローチは異なる。ミッチェル氏は名指しこそしなかったものの、ドイツがロシアやイランとの関係を維持していることを厳しく非難した。「米国が支援する国々が、米国のライバルをほう助しないことをわれわれは期待する。米国がロシアから西欧を防衛している時に西欧はロシアへのエネルギー依存をこれ以上深めてはならない。また欧州を脅かす弾道ミサイルを開発しているイランとの関係で恩恵を受けてはならない」

 だがミッチェル氏は同時に、米国が欧州への関与を深めることを示唆した。これはドイツ政府も歓迎するはずだ。「中欧における米国に最も近い同盟国の多くは、汚職や国有企業のネットワークを持っており、それは中国やロシアを利する不正の温床となる」と同氏は述べた。米国と欧州連合(EU)が協力し、中・東欧諸国で民主主義を安定させる取り組みを進めれば、旧来の大西洋にまたがる同盟が息を吹き返すかもしれない。

 トランプ氏の野心的な外交政策が明らかになるにつれ、より内向きで、世界への関与を抑えた米国を目指すジェファーソン流の現実主義者の期待感は次第に薄れている。米国の国外での軍事関与を後退させるのではなく、トランプ氏はむしろ強化している。海外民間投資公社(OPIC)を廃止せず、トランプ氏はそれを拡大してきた。カショギ氏の事件に当初態度を保留したことで米政権は広く非難を浴びたが、中国政府がウイグル族やチベット族、キリスト教徒を弾圧していると批判するなど、人権問題は米政府の政策課題に戻りつつある。

 トランプ政権は、多額の資金を要する、リスクの高い野心的な外交政策の下に、深く分断された国民を結束させ、決意の固いライバル国の目的を阻止することができるのか。そしてその戦略は機能するのか。

 懐疑的な声もある。ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は今月、イランと取引した欧州企業に罰を科すとトランプ政権が警告したことについて、米国の力への過信に基づく「とんでもない戦略ミス」だと断じた。自らが「非常に強く安定しているため、負の結果は起こらないと考える」場合に、「帝国はこういうミスを犯しがちだ。だがそれは違う。(負の結果は)遅かれ早かれやって来る」とプーチン氏は言った。

 その可能性はあるだろう。トランプ大統領の並外れた外交政策が、勝利に終わるのか、涙に暮れて終わるのか、その中間で終わるのか、われわれは事前に知ることができない。ただ、同氏は米国の政治を覆したのと同じくらい徹底的かつ破壊的に、国際システムを覆すという決意が固いように思われる。

筆者の過去のコラム
正義感に駆られてサウジを見捨てるな
米副大統領の「第2次冷戦」宣言
トランプ氏の商才、貿易協定で勝利呼ぶ
危険すぎる中国の帝国主義

 


WSJ社説】核軍縮条約離脱が正しい理由
ロシアが違反し続けてきた条約を拒絶するトランプ氏は正しい
ロシアの戦術ミサイル「イスカンダルM」
2018 年 10 月 24 日 10:38 JST

 ドナルド・トランプ米大統領は、1987年に結ばれた中距離核戦力(INF)全廃条約からの離脱を検討していることを明らかにした。ロシアが過去10年にわたって同条約に違反していることは誰もが認めている。しかし、どういうわけか、今回の行動は無謀なものだとの声もある。無謀なのはトランプ大統領なのだろうか。どんな違反があろうとも条約は神聖なものだという教義的な核軍縮が好みなら、それもいいだろう。

 INF条約は射程500〜5500キロの地上発射型の弾道・巡航ミサイルを禁止するもので、冷戦末期の産物だ。ロナルド・レーガン米大統領(当時)と北大西洋条約機構(NATO)は1980年代初頭、ソ連によるミサイル配備に対抗すべく、欧州に中距離ミサイルを配備した。その後何年にもわたる厳しい交渉の末、ミハイル・ゴルバチョフ書記長(当時)は、米側が提示した条件で双方のミサイルを撤去するという穏当なINF条約に合意。同条約は外交の勝利と称えられた。

 しかし、その後の数年に起きたワルシャワ条約機構とソ連の崩壊により、核軍縮の重要性は薄れた。これが重要な点だ。世界をより平和にしたのは軍縮ではなく、ソ連の崩壊だったのだ。軍縮は良好な関係にある国々の間では機能しやすいが、信頼できない敵同士の場合は失敗に終わる。

 ロシアのウラジーミル・プーチン大統領の場合はどうだろう。プーチン氏は2000年代半ばから新たな中距離巡航ミサイルを開発してきた。米国は、ロシアが2008年に新型ミサイルの最初の試験を行ったとみている。しかし当時のオバマ政権は、2010年にロシアとの間で結ばれた新戦略兵器削減条約(新START)について上院が審議、批准した際、この情報を隠していた。

 オバマ政権はこの事実を2014年になって初めて公表。その後、国務省は毎年ロシアが条約に違反していることを報告している。ロシアは2016年後半に新たなミサイルの配備を開始した。これはロシアが実験していた新たな大陸間弾道ミサイルに追加するものだが、射程がINF規定の上限5500キロをわずかに上回ることから、同条約を順守しているとみなされる可能性がある。

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 問題はこうした状況について、米国が何かしらの行動を取ったかどうかにあった。ロシアの違反行為で事を荒立てず、相手が条約を順守するよう舞台裏で働き掛けるというのが外交的な願望だが、これは明らかにうまくいかなかった。プーチン氏は新型ミサイルをロシアの力として誇示し、紛争時に欧州に対して影響力を及ぼすことを望んでいた。米国と欧州が見ぬふりをする時、プーチン氏がミサイル開発を断念することなどあるだろうか。

 トランプ大統領は、条約を守らなければ代償が生じることになると示すいつもの流儀でこの「幻想」を破壊した。同条約からの離脱により、米国はロシアの脅威に対抗可能な射程を持つミサイルを開発できる。その結果、欧州地域において相互抑止力という要素を回復することになる。またプーチン氏に対し、トランプ大統領に新条約署名を迫るために別の条約の不履行を利用するのは不可能であることも示す。それはまさに、7月のヘルシンキでの米ロ首脳会談でロシア側が期待を表明したものだった。

 INF離脱は、世界で他の核危機が生まれている現実を認識するものでもある。INF当事国ではない中国は独自で中距離ミサイルを開発し、米海軍の作戦展開や太平洋拠点にとって脅威となっている。米国しか履行していない30年来の条約を守るために、中国に対して手を縛られた状態でいるべきではない。

 違反行為に何もしなければ新たな軍縮合意の合理性を損なうことは軍縮交渉担当者なら理解しているという見方もあるだろう。オバマ政権が最終的にロシアのINF違反を公表した理由の一つは、イランが核合意に違反している場合には、それを深刻に受け止めることを上院に示すためだった。トランプ氏はINFから離脱することで、イランと北朝鮮に対し、似ているがもっと強いシグナルを送ろうとしている。

 だが、トランプ氏の判断に対する反応は、あえて核の現実を認めた同氏を責めるものとなっている。欧州委員会は「世界は、誰の利益にもならないばかりか、一層の不安定をもたらしかねない新たな軍備拡張競争を必要としていない」との声明を出した。だが、この不安定さはプーチン氏がもたらしているのであり、新たな「軍備拡張競争」は、欧米諸国が競争を選ばないことだけで止まるものではない。

 少なくとも、英国は毅然とした態度を示した。ギャビン・ウィリアムソン国防相は「違反したのはロシアであり、態度を正すべきはロシア側だ」と指摘した。

 上院民主党もトランプ氏を批判しているが、彼らは2年間にわたって大統領がプーチン氏の秘密工作員だと主張しているお偉方だ。繰り返しになるが、トランプ氏はロシアの好戦的な態度に対し、バラク・オバマ氏より厳しい政策を採用しようとしているだけのように思える。

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4. 2018年10月24日 22:00:00 : ZzavsvoOaU : Pa801KbHuOM[74] 報告
2018年10月24日 倉都康行 :RPテック(リサーチアンドプライシングテクノロジー)株式会社代表取締役
米中新冷戦、貿易は米有利でも世界に「反ドル意識」強まる可能性
米中覇権戦争
Photo:PIXTA
 2018年のグローバル経済の景色が、世界同時好況に沸いた2017年から一変したことは、2月に続いて10月にも「世界同時株安」が到来した事実に象徴的に示されている。

 2回とも、引き金は米国長期金利の上昇とされているが、今回の株価急落には米中貿易戦争の長期化がもたらす世界経済の成長鈍化、企業業績のピーク感、景気後退局面の前倒しなどへの懸念が不安材料として加わっていることを十分に認識しておくべきだろう。

 米中対立が貿易戦争から通貨戦争、そして覇権戦争の様相になっており、「新冷戦」が、世界経済や国際通貨の「秩序」を大きく変える潜在力を持っている。

18年は「米中覇権戦争元年」
2回の同時株安は不安を象徴
 今回の株価急落の要因をくまなく探そうとすれば、原油価格の上昇機運や新興国市場不安など、さまざまな要因が挙げられようが、投資家が不安視する本命が、長期金利上昇と米中覇権争い本格化の二本立てであることは明白だ。

 もっとも、米国のインフレ期待は依然として限定的であり、米連邦準備制度理事会(FRB)が利上げ方針を変えないにしても、長期金利がこのまま3.5%に向かって急上昇することは想定しづらい。

 世界経済と資本市場にとって決定的に重要なのは、やはり米中関係である、といっても過言ではない。

 周知の通り、米国は3月に各国に対する鉄鋼・アルミ関税の引き上げを発表した後、中国に対する強硬な方針を段階的に打ち出してきた。

 7月には340億ドル、8月には160億ドル、そして9月には2000億ドルの対中輸入品への関税引き上げを発表し、今後は9月の第3弾制裁で10%とした税率を25%へ引き上げることも検討している。

 さらにトランプ大統領は、第4弾として2670億ドルの輸入品の関税引き上げまでも視野に入れている。

 中国はそれぞれの関税引き上げに対して報復措置を採ってきたが、対米輸入品がそれほど多くないことから、対抗手段には限界がある。

 米国はその優位性を利用して、知財保護や市場開放などへの圧力を強めているが、中国も簡単には屈しない。米国の中間選挙の動向を見据えつつ、長期戦を覚悟し、減税・補助金や金融緩和などの経済対策で景気を支える姿勢を見せている。

 だが両国の対立を単に貿易戦争という経済的文脈で眺めるのは近視眼的だ。

 今後の米中関係は、軍事・政治・経済・金融を巡る「21世紀の覇権争い」が始まったという長期的観点で捉えねばならないだろう。

 つまり2017年が「世界同時好況」であったとすれば、2018年は「米中覇権戦争元年」と名付けてもいいかもしれない。世界は大きな変曲点を迎えている。

短期で「劣勢」の中国は
主要国との連携重視に
 市場はこの米中対立の行方を「米国優勢・中国不利」と見ている。

 10月上旬まではそうした投資家心理が米国株高・中国株低迷というコントラストに反映されていた。

 為替市場でも、好調な米国経済と失速懸念が強まった中国経済を背景にドル高・人民元安のトレンドが継続し、中国では2015年や2016年に続く「資本流出懸念」もささやかれている。

 中国政府は、輸出産業に有利になるように、市場不安が起きない程度の緩やかな元安を望んでいると見られる。金融政策に関しても、従来のように米国の利上げに対応して政策金利を引き上げることは見送られている。

 中国人民銀行は「ドル売り・人民元買い」の為替介入を行っているが、それは急速な人民元下落を阻止しようとするスピード調整の域を出るものではない。

 こうした動きに対して、トランプ大統領は依然として「中国が人民元安を意図的に操作している」と批判し続けているが、3月以降の人民元安はホワイトハウスが仕掛けた貿易戦争によるものだ。ドル高は米国の自業自得とも言える。

 ちなみに同大統領は原油高に関しても「OPECが主犯だ」と非難しているが、市場が材料視しているのは米国によるイラン制裁強化であって、これもまた同じことが言える。

 こうしたドル高・人民元安の余波は、他の新興国の通貨安や円安、ユーロ安などの流れを呼んでいる。

 特に新興国通貨に関しては、年初から下落基調にあったアルゼンチンペソ、米国との緊張で急落したトルコリラに加え、大統領選を控えたブラジルレアルや、経常収支不安のインドルピー、インドネシアルピアなどの下落を誘っており、各国では通貨のみならず国債や株も下落する不安定な地合いが続いてきた。

 そして米国の関税引き上げが輸入コストに跳ね返り、賃金水準や原油価格の上昇とともにインフレ率上昇を引き起こすと見て、長期金利が上昇した、という側面もある。

 これが景気の先行き不透明感との相乗効果で、今年2度目となる株価急落を引き起こした。

 結局は株価急落の主犯もトランプ大統領と言えるかもしれない。

 もっとも、中国が貿易戦争で短期的に劣勢であることは否めない。

 非関税障壁の導入や米国金融機関の対中進出制限なども想定されるが、その報復措置には限界がある。

 一方で、米国のペンス副大統領は、10月上旬のハドソン研究所での講演で、歴代米政権の中国戦略を失敗と断定し、同国を「パートナー」ではなく「敵」と見なすという、事実上の「新冷戦宣言」を行っている。

 この状況では、中国も安易に妥協策を持ち出せないだろう。目立っているのが、対米関係悪化のヘッジだ。

 中国は軍事や貿易などでロシアとの協調関係を意識的に打ち出しているほか、米国との関係が冷却化している欧州との連携も深めている。そして、日本に対する外交姿勢も急変させて友好関係を演出し始めるなど、躍起となっている。

 経済戦略でも、「一帯一路プロジェクト」を通じてアジア、中東、欧州そしてアフリカへと「札束外交」を積極化させてきたが、多くの事業が行き詰まるなど苦戦を強いられている。

 米国との覇権争いには、主要国とのより強靭な基盤作りが必要との認識に変化してきたようにも思われる。

米国の高圧的な交渉姿勢が
「ドル離れ」強める可能性
 中国の「変化」は苦し紛れの選択にも見えるが、一方で、関税引き上げや経済制裁など米国の強引な交渉手法に不満を抱く国が増えているのは事実である。

 米国シンクタンクのピュー・リサーチ・センターが25ヵ国を対象に行った意識調査によれば、トランプ大統領を信任するとの回答は27%にとどまり、70%が不信任を突き付けている。

 米国に対する好意的な見方は50%で反米派の43%を上回ってはいるものの、「米国が他国の利益を考慮して行動しているか」との質問には、70%が「NO」と回答し、「YES」の28%を圧倒している。

 反トランプ意識が強まる中で、米国から強い圧力を受けた国々が「非ドル化」という文脈で結束する可能性が、全くないわけではない。

 つまり、米国の「中国封じ込め」は逆に「米国の孤立」を生み、中期的にドルの基軸性を脅かす契機になり得る、ということでもある。

 もちろんドルは、今なお事実上の世界通貨だ。10年前のリーマン・ブラザーズ破綻が引き起こした金融危機の際には、ドルに対する不信感が強まったこともあったが、ドルの支配力は依然として健在だ。

 世界貿易における決済取引では40%を占め、国際資本市場でのローンはドル建てが56%、外貨準備でのドルのシェアは63%と、それぞれで二番手のユーロを大きく引き離し、円やユーロそして国際化を進める人民元など足元にも及ばない。

 だが、NAFTA再交渉や対イラン制裁あるいは対トルコ制裁といった、トランプ政権が次々に打ち出す「ドルの威を借りた」高圧的交渉や経済制裁行為は、グローバルな規模で着実に「反ドル意識」を高めている。

 米中貿易戦争が覇権争いへと展開されていく中での通貨戦争が、中国や世界の「反ドル意識」に火を付けるとしても不思議ではない。

 具体的には、中国はロシアとの間で貿易決済の「非ドル化」を主要テーマの一つに掲げており、北朝鮮との関係修復は、韓国を「非ドル決済圏」に引き寄せる契機になり得る。

 一方でEUは、米国がイランを「SWIFT」と呼ばれる決済システムから排除しようとしているのに対抗して「非ドル決済システム」構築への検討を始めている。

 同盟国でありながら経済制裁の対象とされたトルコも、ドル依存のリスクを感じたことだろう。

 最近のトルコでのジャーナリスト殺害事件を契機に、サウジアラビアと米国との同盟にヒビ割れが生じる可能性もある。非現実的ではあるが、サウジのドル離れといった思惑が強まれば、金融市場に対する影響力は小さくない。

米中「新冷戦」は
システム変化を生む潜在力
 オバマ政権下で財務長官を務めたジェイコブ・ルー氏は、2016年の講演で、米国による制裁の乱用がもたらすリスクに言及している。

「米国が不適切な理由で制裁を科していると他国が感じるようになれば、彼らが米国とのビジネスやドルでの取引を回避する方法を模索し始めたとしても無理はない」と。

 こうしたドル離れが数年で起きるとは思わないが、10年後やあるいは20年後に、金融史家が「トランプ大統領がドル信認低下の引き金を自ら引いてしまった」と判断することも有り得るだろう。

 現在のドル高が「戦後最後のドル高局面」となっても不思議ではない。

 我々は現在の国際通貨体制が永遠に続くものと思いがちだが、システムの構造は気付かぬうちに変化していることもある。

 米ソ間の冷戦はドル一強への基盤を作ったが、米中の「新冷戦」はその姿を大きく変形させる潜在力を持っている。

 いま日本では、米国との通商交渉で為替条項を求められていることに関心が寄せられている。それは確かに目先の重要な問題だが、現在の円安水準がいつまでも続くと考えているとすれば、問題意識が甘過ぎる。

 むしろ米中覇権争いに付随する通貨戦争が、長期的に日本経済や日本円そして金融政策にどんな影響力を及ぼすのか、想像力をフル回転させるべき時期が近づいているように思われる。

(RPテック〈リサーチアンドプライシングテクノロジー〉株式会社代表取締役 倉都康行)
https://diamond.jp/articles/-/183058

5. 2018年10月24日 23:45:15 : jXbiWWJBCA : zikAgAsyVVk[1511] 報告
外為フォーラムコラム2018年10月24日 / 18:36 / 5時間前更新
コラム:「年末円安」のアノマリーは繰り返されるか=佐々木融氏
佐々木融 JPモルガン・チェース銀行 市場調査本部長
3 分で読む

[東京 24日] - 10日発生した米株価急落に伴う市場の混乱は、ボラティリティー・インデックス(恐怖指数、VIX指数)が急騰した今年2月の株価急落との類似性が指摘されている。たとえば、いずれも米10年債金利がそれまでのピークを越えて上昇後、しばらくして発生した。

2月の混乱は1週間(5営業日)で終了。終値ベースでみると米株価指数は1週間で9%弱下落し、その後の2週間強で下落分のほとんどを取り戻した。最初の2営業日で24ポイント急騰したVIX指数も、株価が戻す中で反落した。

一方、今回の動揺は2月のときよりも長い。この原稿を執筆している23日時点でもまだ収束しておらず、およそ2週間続いている。しかし、米株の下落幅は5%弱と、2月に比べて半分程度にとどまっている。VIX指数の上昇も、2月に比べて半分程度だ。米10年債金利は2月も10月もやや大きめに低下したが、すぐに反転上昇し、どちらも大きな動きにはつながっていない。

JPモルガンの米国株式ストラテジストによると、システムトレードを行っている市場参加者のテクニカルな売りは、19日までに80%程度が終了。一方、7─9月期における米企業決算の1株利益(EPS)は前年同期比25%増の42ドルと、市場予想の40.5ドル(同21%増)を上回る見通しである。

JPモルガンは、好決算と直近の株価下落を受けて、S&P500種銘柄による自社株買いが増加する可能性があると予想している。今年の自社株買いはこれまで8000億ドル(約90兆円)程度とみていたが、現在は9000億ドルから1兆ドルに上方修正した。米株は反発に向かう可能性が高い。

<年末に向けた相場展開は>

こうした中で、為替相場は年末に向けてどう動く可能性があるだろうか。2月の混乱時には円が主要通貨と主要新興国通貨の中で最強、ドルが2番目に強く、いずれも名目実効レートベースで1.5%程度上昇した。今回の局面では新興国通貨の一部で強さが目立ち、円もドルも全体的に中位のパフォーマンスにとどまり、名目実効レートベースでの上昇もさほど大きくない。

通貨先物を扱うシカゴマーカンタイル取引所のIMMで、円は2月も10月もほぼ同程度の売り持ちだったことを考慮すると、今回は円の買い戻し圧力が弱いのが印象的だ。実需の円売りフローが大きいと見るべきなのだろう。

そもそもここ数年、10─12月期はドル高・円安が目立つ。ドルは、名目実効レートベースでこの時期、2011年から16年まで6年連続で上昇(昨年は下落)している。一方、同ベースの円は12年から17年までの6年間のうち、5回下落している。しかも円の下落幅の平均は、ドルの上昇幅の平均より倍以上大きい。この結果、ドル円相場は12年から17年まで6年連続で10─12月期に上昇している。

<米中間選挙に注目>

目先の為替相場にとって最大の注目は、11月6日に迫った米中間選挙だろう。下院で民主党が過半数を奪還するとの見方がコンセンサスとなっているため、結果が予想通りとなれば、影響は限定的かもしれない。

しかし、上下両院で共和党が過半数を維持するような事態になれば、トランプ政権による追加減税に対して期待が高まる。米経済が「一人勝ち」との見方が強まり、さらにドルが買われやすくなるかもしれない。ただ、IMMを通じた投機筋のドル買い持ちは、ドルがピークアウトした16年12月末と同程度にまで積み上がっている。ドルが一段と大きく上昇するためのハードルは低くない。

エネルギーや食品価格を除いた先進国のコアCPI(消費者物価指数)の伸び率は足元で大きく鈍化している。JPモルガンのエコノミスト・チームによると、9月までの3カ月間の伸びは年率プラス0.7%と、5年ぶりの低水準となっている。米国のコアCPIも7月ごろをピークに伸びが鈍化傾向にあるが、米国は長短名目金利が上昇しており、実質金利が比較的大きく上昇している。

米国の政策金利からコアCPIの伸び率を引いたベースでみた実質金利は、08年2月以来10年半ぶりにプラス圏に入りかけている。一方、日本ではコアインフレ率がいくぶん上昇基調に入りながら、名目金利はほとんど変化しておらず、実質金利は低下基調にある。

結果として、日米の実質政策金利差は15年3月以来の水準まで拡大している。今後も米国ではインフレ率が落ち着く中で金利が上昇を続け、日本ではインフレ率が底堅く推移するようであれば、一段と日米の実質金利差が拡大し、ドル円を押し上げる可能性が出てくる。

(本コラムは、ロイター日本語ニュースサイトの外国為替フォーラムに掲載されたものです。筆者の個人的見解に基づいて書かれています。

佐々木融氏(写真は筆者提供)
*佐々木融氏は、JPモルガン・チェース銀行の市場調査本部長で、マネジング・ディレクター。1992年上智大学卒業後、日本銀行入行。調査統計局、国際局為替課、ニューヨーク事務所などを経て、2003年4月にJPモルガン・チェース銀行に入行。著書に「インフレで私たちの収入は本当に増えるのか?」「弱い日本の強い円」など。


ビジネス2018年10月24日 / 19:06 / 4時間前更新
焦点:安倍首相の訪中、日中関係緊密化の節目に 気になる米の反応
2 分で読む

[東京 24日 ロイター] - 7年ぶりとなる25日からの安倍晋三首相の訪中は、「冷たい関係」が続いていた日中外交にとって、大きな転換点になる可能性がある。失効していた通貨スワップ協定の再開を含めた経済関係の緊密化だけでなく、文化・芸術など幅広い分野における交流の強化も狙っている。ただ、米中間の貿易摩擦が激化する中で、日中の接近を米国がどのように受け止めるのか不透明感もあり、「安倍外交」の真価が問われる局面と言えそうだ。

<元首級の接遇で熱烈歓迎>

安倍首相は25、26日の2回にわたって李克強首相と会談。26日には習近平国家主席との首脳会談も行われる。

その間、25日には日中平和友好条約締結40周年イベントに参加。26日は李首相との会談後に共同会見が予定され、午後は北京大学も訪問する。

また、中国側は25日夜に李克強首相主催の非公式晩餐会、26日昼に李克強首相夫妻主催の昼食会、同日夜に習近平国家主席夫妻主催の夕食会と、元首級の接遇となっている。ある政府関係者は、中国側の対日接近を典型的に示す日程と指摘する。

この背景について、複数の政府・与党関係者は、トランプ米政権が中国からの輸入品に高関税をかけ、この影響で中国経済にスローダウンの兆しが見えており、米側をけん制する意味で、米国の同盟国である日本に接近してきているとの見方を示している。

<目玉はスワップ協定の再開>

今回の訪中で行われる一連の会談では、日本の尖閣諸島国有化を受けた日中の関係悪化で失効していた通貨交換(スワップ)協定の再開、第三国でのインフラ整備での協力、イノベーションや知的財産保護を巡る協力、中国の大国化で形骸化していた対中ODA(政府開発援助)の廃止などで合意する見通し。

パンダの新規貸与や、日本の東北地方産を中心とした食品に対する中国の輸入規制緩和についても、何らかの議論が進むことを日本側は期待している。

北朝鮮情勢についても、韓国を含む半島全体の非核化を望む中国と、北朝鮮のみの非核化を優先する日本で立場は異なるものの、朝鮮半島の緊張緩和で情報交換する意向だ。

李首相は5月の来日時に「ともに自由貿易を擁護したい」と発言し、管理貿易の手法で保護主義を進める米国をけん制した。今回も同様の主張を繰り返す可能性があり、日本側も「反保護主義でなく自由貿易擁護ならば、米国をあまり刺激しないのではないか」(関係官庁)と期待する。

もっとも対中強硬姿勢を強める米国は、日中接近を注視し続け、複数の政府・与党関係者によると、通貨スワップ再開についても非公式に不快感が示されたという。

また、通貨スワップを巡っては「与党内の反中派から根強い反対論があった」(政府・与党関係者)とされ、西村康稔官房副長官は11━12日のツイッターで、中国国内において金融システムに関連して不具合が生じた場合、邦銀の人民元調達を助けることが目的だと説明。金融危機時の中国救済措置ではないとの見解を示した。財務省や外務省も「邦銀のための措置」と、繰り返し説明している。

<気になる米国の反応>

ただ、日本にとって日中首脳会談後の米国の反応は気になるところだ。米国はメキシコ・カナダと北米自由貿易協定(NAFTA)に代わって「米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)」を締結。

その中の32条10項では、市場経済でない国との自由貿易協議を望む参加国は、協議開始の3カ月前に他の2カ国に通知することを義務付けると明記されている。

通商交渉の専門家によると、この条項は事実上、中国排除のための条項と読むことができるという。

米国のロス商務長官はロイターとの5日のインタビューで、日本や欧州連合(EU)などとの通商協定で、同種の条項が盛り込まれる可能性に言及している。

こうした中で、日中両首脳による友好関係の強化が、米国にとって「抜け駆け」と映るのかどうか。

日本政府にとって、中国との友好ムードの盛り上がりを手放しで喜べない側面があるのも事実のようだ。

6. 2018年10月24日 23:49:59 : jXbiWWJBCA : zikAgAsyVVk[1512] 報告
トランプ氏:パウエル氏のFRB議長指名を「多分」後悔−WSJ
Mike Dorning
2018年10月24日 9:02 JST 更新日時 2018年10月24日 12:03 JST
どのような状況で議長を解任するかとの問いに「分からない」
パウエル氏はまるで利上げするのがうれしいかのようだと大統領
トランプ米大統領がパウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長への批判をエスカレートさせている。大統領はパウエル氏をFRB議長に指名したことを「多分」後悔していると述べたが、どういった状況となればパウエル氏を解任するかとの問いには「分からない」と答えた。

  トランプ氏は23日の米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)とのインタビューで、連邦準備制度が独立機関であることを承知しているとした上で、自分はより低い金利を望んでいるとパウエル議長に意図的に直接のメッセージを送ったと説明した。


トランプ大統領とパウエルFRB議長(2017年11月2日)フォトグラファー:Olivier Douliery / Bloomberg
  大統領はまた、パウエル議長は「まるで利上げするのがうれしそうに見える」と発言。今の段階で言うのは「時期尚早だが、多分」パウエル氏の指名を後悔していると述べた。

  どうような状況でパウエル議長を解任するかとの問いには「分からない」と述べた。今月11日には同じ質問に対して「彼を解任するつもりはない」と答えていた。

  連邦準備制度を規定する法律は、理事は「正当な理由があれば大統領によって解任され得る」としているが、具体的な理由は定めていない。

原題:Trump Says He ‘Maybe’ Regrets Picking Fed’s Powell, WSJ Reports(抜粋)

(大統領の発言内容を追加して更新します.)

ロンドン外為】ポンド下落、6週間ぶり安値−首相交代リスク続く
Charlotte Ryan
2018年10月24日 21:28 JST
メイ首相と保守党議員の24日会合に注目集まる
首相交代劇ならポンドはさらに1−2%下落も−ノムラ
24日のロンドン外国為替市場では、ポンドが6週間ぶりの安値に下落。英国が合意なき欧州連合(EU)離脱に至るとの不安や、メイ英首相が退陣に追い込まれるリスクが続いていることが意識された。

  ポンドは今週に入ってからの下げを拡大している。メイ首相は24日に保守党の会合で、EU離脱計画への不満をあらわにする同党議員らと向かい合う。一方、欧州議会ではトゥスクEU大統領(常任議長)がアイルランドと英国領北アイルランドに審査を伴う国境が設置されるのを回避できる保証はないと語った。


  ポンドは一時0.6%安の1ポンド=1.2900ドルと、9月10日以来の安値を付けた。ロンドン時間午前11時52分時点では1.2916ドル。ノムラのストラテジスト、ジョーダン・ロチェスター氏は、首相交代劇に至ればポンドはさらに1ー2%下落する可能性があるとみている。

原題:Pound Declines to Six-Week Low as May Set to Face Brexit Critics(抜粋)



ユーロ圏:10月の総合PMI、低下−世界貿易巡る懸念響く
Piotr Skolimowski
2018年10月24日 17:54 JST
総合PMI速報値は52.7、9月は54.1だった
ブルームバーグ調査に参加したエコノミスト全員の見通しを下回った
ユーロ圏の成長の勢いが10−12月(第4四半期)に入り鈍化した。世界貿易を巡る懸念拡大が製造業に響いている。

  IHSマークイットが24日発表した10月のユーロ圏総合購買担当者指数(PMI)速報値は52.7と、9月の54.1から低下した。ブルームバーグ調査に参加したエコノミスト全員の見通しを下回った。

  10月の製造業PMI速報値は52.1と、前月の53.2から低下した。サービス業PMI速報値は53.3に低下した。9月は54.7だった。


原題:Trade Woes Set Up Euro-Area Economy for Disappointing Year-End(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2018-10-24/PH3HHZ6S972O01?srnd=cojp-v2

東京外為市場ニュース2018年10月24日 / 23:06 / 40分前更新
BRIEF-9月の米新築1戸建て住宅販売、前月比-5.5%=商務省
1 分で読む

[24日 ロイター] -

* 9月の米新築1戸建て住宅販売、年率553,000戸(予想:625,000戸)=商務省

* 9月の米新築1戸建て住宅販売、前月比-5.5%=商務省

BRIEF-カナダ中銀、政策金利を1.50%から1.75%に引き上げ
1 分で読む

[24日 ロイター] -

* カナダ中銀、政策金利を1.50%から1.75%に引き上げ

東京外為市場ニュース2018年10月24日 / 22:56 / 1時間前更新
BRIEF-10月の米製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値は55.9(予想:55.5)=マークイット
1 分で読む

[24日 ロイター] -

* 10月の米製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値は55.9(予想:55.5)=マークイット


東京外為市場ニュース2018年10月24日 / 22:56 / 1時間前更新
BRIEF-10月の米サービスPMI速報値は54.7=マークイット
1 分で読む

[24日 ロイター] -

* x10月の米総合購買担当者景気指数(PMI)速報値は54.8=マークイット

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