「米国第一」が19年株式市場で再び勝利する道−資産運用大手3社 Adam Haigh 2018年10月10日 15:46 JST • フィデリティとヌビーン、JPモルガン・アセットは米国株に傾斜 • 力強い利益成長と経済モメンタムでアウトパフォームへ−ヌビーン 米国株は他国の株式に比べて割高感が一層高まっているように見えるかもしれないが、一部の大手資産運用会社は企業の利益成長や好調な経済を背景に米国株のアウトパフォーマンスが来年まで続くとみる。 計3兆ドル(約339兆円)余りの資産を運用する大手3社は、いわゆる「米国第一」の戦略を貫く。 ヌビーンは米国以外の先進国株式への資産配分を縮小。JPモルガン・アセット・マネジメントは米国株優先の世界株式配分に戻し、フィデリティ・インターナショナルは引き続き米テクノロジー株が相場をけん引すると予想する。 S&P500種株価指数は今年ここまで、米国株を除く世界株式の指標に対し16ポイント余りアウトパフォーム。来る米国の決算発表シーズンは、なぜ米国株が魅力的であり続けるのかを再び証明する可能性がある。トランプ米大統領の減税策が後押しする同国経済は失業率が約50年ぶりの低水準で、米国企業は激化する米中貿易戦争の痛みをさほど感じていない。 ヌビーンでマルチアセットソリューションの共同最高投資責任者(CIO)を務めるフランク・ファンエテン氏は今週のリポートで、「来年にかけて、相対的に力強い利益成長と経済のモメンタムを背景に米国株は他の先進国株をアウトパフォームし続けるとわれわれは考えている」と指摘した。同社の運用資産は9730億ドル。 フィデリティによれば、利益モメンタムは19年に大きく鈍化するものの、減税が来年末にかけて引き続き株式相場上昇の支援材料になり得る。同社はまた、潤沢なキャッシュフローや自社株買い、企業買収の後押しを受けて米企業の利益成長ペースは他国を上回るともみている。 同社のアセットマネジメント担当世界責任者、バート・グルニエ氏は今週のリポートで、「力強い業績や堅固な経済成長、設備投資の持ち直しから、米国の最近のアウトパフォーマンスはしばらく続くとみている」と述べ、「一部大型テクノロジー株が市場をけん引する状況に劇的変化が訪れるとは予想しない」と説明した。同社の顧客資産は4155億ドル。 「米国のリーダーシップは持続し得る」と語るのは、JPモルガン・アセットのグローバルマーケットストラテジスト、ケリー・クレイグ氏だ。「バリュエーションは若干高くなったものの、米国のリターンが最も大きくなるとわれわれは予想している」とし、その理由に企業業績の強さを挙げた。同社の運用資産は1兆6800億ドル。 原題:Giant Funds Bet on ‘America First’ to Win Again in 2019 Markets(抜粋) 米生産者物価指数:9月は前月比0.2%上昇−市場予想と一致 Jeff Kearns 2018年10月10日 21:34 JST 米労働省が10日発表した9月の生産者物価指数(PPI)は前月比0.2%上昇。ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想の中央値も0.2%上昇だった。前月は0.1%低下。 統計の詳細は表をご覧ください。 原題:U.S. Producer Prices Increase for First Time in Three Months(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2018-10-10/PGDC736JIJUO01?srnd=cojp-v2 米長期金利上昇、おびえる株式投資家の杞憂 問題は株式市場をけん引してきたFANG銘柄 米国株の広範な上昇はFANG銘柄がけん引してきた PHOTO: JASON ALDEN/BLOOMBERG NEWS By James Mackintosh 2018 年 10 月 10 日 10:58 JST 更新 ――筆者のジェームズ・マッキントッシュはWSJ市場担当シニアコラムニスト *** 「債券利回りの上昇」には「株式市場の刺客」に似た響きがある。株の投資家にとって朗報なのは、株式市場全般は大丈夫とも考えられることだ。問題は株式指数の上昇を主導してきたFANGなどの銘柄にある。 米国債の利回り上昇は加速してきたが、それは悪性の上昇だ。景気が上向き金利が上昇するとの予想ではなく、不透明感の増幅が主因なのだから。株式投資家にとっては幸いなことに、トラブルはおおむね変革的なハイテク大手に限られており、広範な現象ではない。 債券利回りの上昇は急速であり、犠牲を生んでいる。今年10年物米国債を保有していた投資家は、先週末までに5.8%を失ったことになる(利息の再投資を含む)。 このことは先週まで、S&P500種株価指数には問題ではなかった。だが直近の債券利回り上昇(2016年の選挙以降の4日間で最大)は株の打撃になった。一部の臆測に反して、景気改善と金利上昇が原因ではなかったからだ。 債券利回り上昇はほぼ全面的にタームプレミアム(期間に伴う上乗せ金利)の上昇によるものだった(量的緩和後のゆがんだ債券市場にあってタームプレミアムは現在マイナスだが、マイナス幅が縮小した)。 債券投資家は自身の立ち位置が不透明になっているため、より高いタームプレミアムを要求している。インフレの動向は不透明。ハードデータは物価が制御されていることを示しているが、ちまたの事例は生産のボトルネックや労働力不足を示している。景気循環は終盤に差し掛かり、次の景気後退の時期を巡る議論が活発だ。連邦準備制度理事会(FRB)のジェローム・パウエル議長はFRBにはほとんど将来が分からないことを強調してきた。 10年物米国債の利回り7年ぶりの高水準まで上昇 Source: Refinitiv 確かに、株価はやや下落し、最も上昇していたグロース株は大幅に下がっている。アマゾン・ドット・コムでさえ8日には晩夏の高値を約10%下回り、魅惑的なネットフリックスに至ってはわずか4日間の下落幅が10%を超えた。 懸念すべき理由は3つある。まず、フェイスブック、アマゾン、ネットフリックス、グーグルの親会社アルファベット、マイクロソフトなど、FANGやFAAMGに含まれる銘柄はあまりに高く上昇し、今では急落が予想されている。こうした銘柄は強いファンダメンタルズ(基礎的条件)に押し上げられた。遠い将来の利益が、利回りの低い債券に比べて魅力的に見えたことも追い風だった。そうした騰勢が利回り上昇で失われれば、利益確定の売りを受けた下方スパイラルに反転しかねない。 懸念すべき2つ目の理由は、タームプレミアムの上昇が続けばFANGなどの銘柄の低迷が続くとみられること。タームプレミアムがFRBの利上げ開始直前に当たる3年前の水準に戻っただけで、10年債の利回りは3.75%に押し上げられる。かつて通常とされていた水準に戻れば、4%を優に超えるだろう。将来の利益を現在価値に割り引く際に高めの金利で計算するとその価値は低下し、急成長中の企業はそうでない企業よりも大きな打撃を受ける。そうした企業の利益は、遠い将来の割合が高い(会社によっては全てだ)からだ。 3つ目の懸念は、株式市場が既に不健全な様相を呈していたこと。9月初め以来、中小銘柄は悲惨な状況にあり、銀行株は急落している。いずれも経済の見通しに対する信頼感の欠如を示唆する。市場全体は、高成長部門の比較的少ない大型株が下支えしていたため、それらがつまずけば見通しは厳しい。 米バリュー株とグロース株のパフォーマンス Source: Refinitiv こうした主張には説得力があるが、私はこれが本格的な調整というよりは、行き過ぎた上昇株から割安な一部出遅れ銘柄への単なるローテーションになると期待している。今年は割安な「バリュー」株と割高なグロース株のギャップが大きい。MSCI指数の9月末時点の上昇率は、米バリュー株の1.6%に対し、グロース株は16.5%だった。 バリュー株への回帰は、米経済の将来が一握りの企業だけにかかっているのではないとの認識を示す歓迎すべき動きだろう。タームプレミアムが上昇し、不透明性が増幅した直近の顕著な例でも、株は大丈夫だった。2013年の「テーパー・タントラム」(量的緩和縮小の示唆が市場に与えた動揺)ではタームプレミアムと利回りが最近よりも大幅かつ急速に上昇したが、米株は1カ月足らずで下落分を取り戻したのだ。 今回もそうなるという保証はないし、企業は同年に比べて負債も評価額も大きい。だがどう考えても、債券利回りについてパニックに陥るには早すぎる。 関連記事 • 米国債の利回り急騰、3.5%が株式市場の転換点か • 中間選挙、どちらが勝っても株価に追い風 • 秋の暴落は本当か、株式市場と季節の関係を解く
花形運用者も強いドルに勝てず−現地通貨建て債券ファンド受難の時代 Patrick Winters、Nishant Kumar 2018年10月10日 15:04 JST • マクナマラ氏は過去10年にわたり同種ファンドの95%を上回る成績 • 米金利上昇、貿易紛争、ドル高で投資家が新興市場離れ ポール・マクナマラ氏ほど輝かしい実績を誇る債券運用者はそういない。同氏の新興市場ファンドは過去10年にわたり同種ファンドの95%を上回る成績を上げてきた。 しかしそれでもこの頃は資金流出が避けられず、同氏のマルチボンド・ローカル・エマージング・ボンド・ファンドからは3月以降に約6億ドル(約680億円)が引き揚げられた。 マクナマラ氏は2000年からこのファンドを運用し、スイスの運用会社、GAMホールディングで最大のファンドの一つに育て上げた。しかし米金利上昇と貿易紛争が新興市場資産の妙味を薄れさせドルを押し上げる中で、同氏のファンドのように現地通貨建て新興市場債に投資するファンドは最悪の状況に直面した。 「ドルが強い環境下でわれわれにできることはあまりない。基本的に現金保有を増やすだけだ」とマクナマラ氏はインタビューで述べた。「強いドルに対してアウトパフォームすると思える新興市場通貨などない。現時点でこれは不愉快なほど明白だ」と語った。 モーニングスターによると、同氏のファンドは今年、ドル建てで9%余りのマイナス。2017年はプラス15%、16年はプラス11%だった。 原題:GAM’s Other Bond Star Feels Dollar Pain as $600 Million Gone (1)(抜粋) 最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2018-10-10/PGDAOL6JIJUO01
米金融株は債券利回り上昇でも買われず、米株強気派に不吉な兆候 Cormac Mullen 2018年10月10日 13:18 JST • これまで見られた金融株と金利の正の相関が失われた • 相関が失われた後、株式相場が下落する傾向あるとサンダイヤル 米国の金融株は国債のイールドカーブのスティープ化をプラス材料として生かせず、同じく金利に敏感な公益事業セクターに騰落率で後れを取っている。これは米株強気派にとって不吉な兆候だ。 米10年債利回りが8月24日から今月9日までに0.4ポイント上昇し、2年債とのスプレッドが0.13ポイント拡大する中、金融株は0.4%下落。対照的に公益株は1.6%上昇した。S&P500株価指数はこの間に約0.2%上げている。 懸念されるのは、金融株が公益株に後れを取った後、必ず株式市場全体が弱気相場になるとのサンダイヤル・キャピタル・リサーチのジェーソン・ゲッフェルト社長の指摘だ。同氏は最近のリポートで、「公益株に対する金融株の割合と金利の間には極めて強い正の相関がある。しかしこの相関はこの数か月失われている」と述べ、過去に相関が失われたケースでは「ほとんどが1カ月後にS&P500のリターンが低下した」と説明した。 ゲッフェルト氏によると、10年債利回りが過去6カ月で上位10%にあり、金融株の公益株に対する比率が下位10%にあった場合、S&P500はその後1カ月に1.6%下げていた(中間値)。S&P500が上げたのは約3分の1だけだったという。 金利上昇はこれまでは銀行の収益に寄与してきたが、現在は米金融機関が予想を裏切るローンの伸びやモーゲージ事業の苦戦、海外事業への懸念に対処する中での金利上昇となった。 原題:U.S. Financials Aren’t Rising With Yields, in an Ominous Omen(抜粋) https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2018-10-10/PGD6H06JTSE901?srnd=cojp-v2
仮想通貨業界は「内部崩壊の瀬戸際」−調査会社が警告 Olga Kharif 2018年10月10日 2:40 JST • 取引件数と取引額が大幅減、従来なら好条件でも上昇せず • 7−9月の取引額は前期比47%減の見込み−ジュニパー 英調査会社のジュニパーリサーチは、仮想通貨業界を巡る多くの指標は市場の内部崩壊を示唆していると警告した。 ジュニパーの調査によると、規模最大の仮想通貨であるビットコインの1日当たり平均取引件数は、2017年終盤の約36万件から今年9月には23万件程度に急減。同期間に取引額は37億ドル(約4180億円)強から6億7000万ドル弱へと大きく落ち込んだ。 市場全体も同様に急速に縮小している。仮想通貨全体の取引額は17年通年で1兆7000億ドル弱だったのが、18年1−3月だけで1兆4000億ドルをやや上回る水準に達した。だが4−6月には取引額が75%減少し、仮想通貨全体の時価総額は3550億ドルを割り込んだ。 ジュニパーはリポートで、「7月初めから8月半ばまでの取引活動に基づき、7−9月の仮想通貨取引額が前期比でさらに47%減少した」との見積もりを示した。 米中の貿易摩擦や英国の欧州連合(EU)を巡る混乱といった、従来の金融システムに代わる仮想通貨の利点が注目されそうな状況でも、相場は上昇しなかったと指摘。「ビットコイン固有のバリュエーションと、多くの交換業者による業務慣行を巡る懸念を踏まえると、手短に言って業界は内部崩壊の瀬戸際にあるとの感触を得ている」と結論づけた。 原題:Crypto Industry Is on ‘Brink of an Implosion,’ Juniper Warns(抜粋) 最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2018-10-09/PGC8DH6JTSEC01?srnd=cojp-v2
英経済、7−9月は16年末以来の高成長遂げた公算−8月は低調 David Goodman 2018年10月10日 18:15 JST • 8月GDPは前月比変わらず、エコノミスト予想は0.1%増 • 7−9月成長率、9月が前月変わらずでも0.6%に 英国経済は8月が低調だったが、7−9月(第3四半期)はほぼ2年ぶりの高成長を遂げた公算が大きい。 政府統計局(ONS)が10日発表した6−8月の国内総生産(GDP)は前の3カ月に比べ0.7%拡大した。 8月単月では、GDPは前月から変わらず、エコノミスト予想の0.1%増を下回った。ただ、9月が前月比変わらずでも7−9月の成長率は0.6%と、4−6月の0.4%から加速し、2016年末以来の高成長となる。 GDP発表後のポンド相場はほぼ変わらず。ロンドン時間午前9時37分(日本時間午後5時37分)時点では1ポンド=1.3154ドルで取引された。 原題:U.K. Economy Set for Best Quarter Since 2016 Despite Flat August(抜粋) https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2018-10-10/PGDL446JTSEE01?srnd=cojp-v2
中国:システム上重要な金融機関のルール拡大を計画−関係者 Bloomberg News 2018年10月10日 17:14 JST • 中国当局はSIFIと見なす企業数を増やす方針 • 債務拡大の中で危機防止に向けた取り組み強めることを示す 中国当局はシステム上重要な金融機関(SIFI)と見なす企業数を増やす方針だ。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。中国の債務が前例のない水準に膨らむ中で、危機防止に向けた取り組みを強化していることを示している。 非公開情報だとして匿名を条件に話した関係者によると、中国人民銀行(中央銀行)を中心とする監督当局はまず、SIFI候補として同国の大手銀行と保険会社、証券会社50社以上を残す方針だ。 SIFIの指定を受けた金融機関は追加の資本要件を満たす必要があり、レバレッジやリスクエクスポージャー、情報開示に関する一段のルールにも直面する可能性があるという。当局は現在、銀行20行前後をシステム上重要と見なしていると関係者の1人が述べた。 人民銀にファクスでコメントを求めたが、今のところ返信はない。 原題:China Is Said to Plan Major Expansion of Too-Big-to-Fail Rules(抜粋) https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2018-10-10/PGDIJP6TTDU201?srnd=cojp-v2 中国ハッキング用チップで新たな証拠、米通信大手のネットワークでも Jordan Robertson、Michael Riley 2018年10月10日 3:08 JST スーパーマイクロ製サーバーが異常な通信、8月に除去−専門家 スーパーマイクロ:顧客から発見の報告ない、製品の完全性を重視 米大手通信会社のネットワークで、スーパーマイクロ・コンピューターが供給したハードウエアの中にハッキングを可能にするチップが見つかり、8月に除去されたと、この通信会社から委託を受けたセキュリティー専門家が明らかにした。米国向けに生産されたテクノロジー部品が中国で不正に手を加えられたことを示す新たな証拠となる。 ブルームバーグ・ビジネスウィークは今月、スーパーマイクロの中国下請け業者が2015年までの2年間、中国情報当局の指示により、サーバー向けマザーボードに問題のチップを埋め込んでいたと報じている。通信会社から委託されたヨッシ・アップルバウム氏はこのほど、チップ発見に関する文書や分析、その他の証拠を提供した。 ヨッシ・アップルバウム氏Bloomberg アップルバウム氏はかつてイスラエル軍情報機関のテクノロジー部隊に所属、現在は米メリーランド州に本拠を構えるセピオ・システムズの共同最高経営責任者(CEO)を務める。同社はハードウエアのセキュリティーを専門とし、通信会社の大型データセンター数カ所の調査に起用された。アップルバウム氏は顧客と秘密保持契約を結んでいるため、ブルームバーグは問題が見つかった企業の名称を明かさない方針。
アップルバウム氏によると、スーパーマイクロ製サーバーで異常な通信が見つかり、サーバーを綿密に調査した結果、ネットワークケーブルをコンピューターに接続するサーバーのイーサネットコネクタに問題のチップが埋め込まれているのを発見した。 同氏は別の複数企業が中国の下請け業者を使って製造したハードウエアの中にも、同じように手が加えられているのを見たことがあるとし、スーパーマイクロの製品だけではないと述べた。「スーパーマイクロは犠牲者だ。どの企業もそうだ」と同氏は語った。ハッキング用チップを仕込むことができる中国国内のサプライチェーンは数え切れないほどあり、発生カ所を特定するのはほぼ不可能な点が懸念だと指摘。「中国のサプライチェーンはそこが問題だ」と続けた。 スーパーマイクロは「弊社は製造プロセスを通じて製品の完全性に注意を払っており、サプライチェーンのセキュリティーは業界にとって重要なテーマだ。未承認の部品について弊社は情報を得ておらず、顧客からもそのような部品が見つかったとの通知はない。ブルームバーグは限定的な情報しか提供せず、文書の提示もなく、新たな疑惑に回答するまで半日しか時間の猶予がなかったことに弊社は困惑している」と文書で回答した。 ブルームバーグニュースはスーパーマイクロに対し、米東部時間8日午前9時23分に今回の記事についてコメントを要請。24時間内の回答を求めた。ワシントンの中国大使館にも同日にコメントを求めたが、返答はない。 ブルームバーグ・ビジネスウィークがハッキング疑惑を伝えた4日、スーパーマイクロの株価は07年の上場以来最大となる41%の下げを記録。9日には一時27%下げている。 原題:Evidence of Hacked Supermicro Hardware Found in U.S. Telecom(抜粋) https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2018-10-09/PGCCIQ6S972A01 WSJオピニオン】米副大統領の「第2次冷戦」宣言 反中国の大規模キャンペーンを始めたトランプ政権 ハドソン研究所で演説するペンス副大統領(4日) ハドソン研究所で演説するペンス副大統領(4日) PHOTO: JOSHUA ROBERTS/BLOOMBERG NEWS By Walter Russell Mead 2018 年 10 月 10 日 08:21 JST ――筆者のウォルター・ラッセル・ミードは「グローバルビュー」欄担当コラムニスト *** 先週、誰も気づかないうちに「第2次冷戦」が始まったのだろうか。米最高裁判事に指名されたブレット・カバノー氏の承認を巡る論争が大詰めを迎えていた頃、多くの米国人が見逃したのは、米中関係にとって1971年のヘンリー・キッシンジャー大統領補佐官の訪中以来、最大の転機になると思われる瞬間だ。 トランプ政権の対中政策がついに姿を現した。それは壮大なものだ。マイク・ペンス副大統領は先週、保守系シンクタンクのハドソン研究所(筆者はそこのフェローを務める)で行った演説の中で、そのアプローチの概略を示した。同氏は中国が「政府ぐるみで」米国への対抗心を燃やしていると非難し、トランプ政権は同じやり方で反撃すると宣言した。また中国政府によるチベット族やウイグル族への弾圧、ハイテク分野の覇権を目指す「中国製造2025(メード・イン・チャイナ2025)」、習近平国家主席の「一帯一路」構想を通じた「債務外交」にも矛先を向けた。まるでロナルド・レーガン元大統領がソ連に対して行ってもおかしくないような演説に思われた。習氏よ、この壁を壊しなさい!といわんばかりだった。さらにペンス氏は、中国による軍事的・経済的・政治的・イデオロギー的な侵略(と米政権が見なすもの)に立ち向かうべく、政府全体にまたがる統合的な戦略の詳細を語った。 ペンス氏の演説と同じ週に、米海軍の計画がメディアに漏らされた。中国が実効支配する南シナ海の海域周辺において米軍艦のパトロールを強化するというものだ。さらに、北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉で最近合意された「米国・メキシコ・カナダ協定」の中に、加盟国と中国が貿易協定を結ぶのを阻止する条項が盛り込まれていることが明らかになった。米政権は、他の貿易協定にも同様の条項を盛り込みたいとの意向を示している。また先週、連邦議会は建設法案を承認した。中国がアフリカ・アジアで進める一帯一路構想に対抗し、600億ドル(約6兆7000億円)の開発融資を行うことを目的としている。最後に、ホワイトハウスが公表したある報告書は、万一紛争によって外国のサプライチェーンが分断された場合、米軍の能力に与える危険に焦点を当てたものだった。 上記のどれか1つだけでも、通常時ならば大見出しで報じる価値がある。だがトランプ時代には、これら全てを合わせてもほとんど話題にならない。だがこれは、米国の外交政策の大きな転換だ。中国がこれに反応し、また新たな米中の対立関係に対して他の国々が自国のアプローチを策定するのに伴い、新たな国際社会の現実が形成されてゆくだろう。米国の長年の同盟国の多くは通商政策や他の問題でトランプ政権に反発している。ロシア・北朝鮮・イランは軒並み、米国の目標をくじくことを狙っている。こうした中、米政府に代償を払わせる機会をうかがう中国は支援を得られるかもしれない。 中国に直接的または間接的に関わる米企業は、米国の戦略が実行されれば、難題に直面する可能性がある。米大統領は、国家安全保障に関連する貿易や投資の問題について幅広い権限を与えられている。ドナルド・トランプ氏は既にこの権限を利用して関税を課すと脅したり、実際に発動したりし、ペンス氏はもっと高率の関税を課す用意があると警告した。サプライチェーンの脆弱(ぜいじゃく)性を指摘したホワイトハウスの報告書は、新たにより広範な制限を課すための根拠となる可能性がある。 企業と投資家は依然、中国に立ち向かうトランプ政権の決意や、米中間の緊張の高まりがもたらし得る経済混乱の度合いを過小評価しているかもしれない。現在の米政策を動かしている筋金入りの対中強硬派や貿易強硬派にとって、国家安全保障は経済摩擦よりも重要であり、米経済界からの抗議の声の多くは聞き流されてしまう可能性がある。米中両国は少しでも相手より優位に立とうとし、迅速かつ予測不能で破壊的な動きをする可能性が高い。ウォール街はさらなる衝撃に備えて気を引き締めるべきだ。 国内政治の観点からは、対決姿勢の強いこの新政策は幅広く支持を集める公算が大きい。トランプ氏のポピュリズムの支持者は米国の雇用が「盗まれた」ことに憤慨し、人権や宗教の自由の擁護団体は、中国国内の厳しい弾圧や外国の独裁政権に対する支援をますます問題視している。外交政策のエスタブリッシュメント(既成勢力)はトランプ氏のやり方に反対するかもしれないが、中国により強硬な姿勢を取る必要がある点はおおむね認めている。一方で企業の反応は分かれるだろう。米中関係が悪化すれば危うい立場になる企業もあれば、知的財産権の侵害や中国市場へのアクセスを制限されていることに憤慨し、政府補助金を受け取る中国企業との競争に懸念を抱く企業もある。 トランプ氏がロシアのウラジーミル・プーチン大統領に甘すぎるとうれしそうに批判してきた民主党は、なぜ対ロシアでは強硬姿勢を取るのが愛国的な義務で、対中国では強硬路線が誤りなのかを説明するのに苦慮するだろう。米中対決の経済的・政治的コストが上昇すれば状況は変わるかもしれないが、少なくとも最初の段階では新たな対中政策はほとんど反対に遭っていない。 NAFTA見直し交渉の妥結、最高裁の勢力図を塗り替える新判事承認、それに新たな冷戦の開始という3つを同じ週に実現させたことは、偉業である。トランプ氏の率いる米国が偉大さへの道を歩んでいるにせよ、そうでないにせよ、どこかに向かっていることは確かだ。そしてそのペースは加速している。 関連記事 米中の貿易摩擦、経済冷戦の様相に近づく 米副大統領の中国痛烈批判が示すもの 米国にとって負けが許されない貿易戦争
[18初期非表示理由]:担当:要点がまとまってない長文orスレ違いの長文多数により全部処理
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