安倍首相は地銀統合促進へ、独禁法適用の在り方を検討 延広絵美、広川高史 2018年10月5日 14:07 JST 更新日時 2018年10月5日 17:20 JST 地銀協は政府による地銀特有の事情考慮した指針策定を要望 ふくおかF、十八銀統合は公取の手続き難航、2年遅れで実現安倍首相 Photographer: Akio Kon/Bloomberg 安倍晋三首相は5日、官邸で開いた未来投資会議の会合で「地方銀行等の地方基盤企業の統合、強化、生産性向上を図るため、独占禁止法の適用の在り方を検討する」と語った。 金融庁の有識者会議は4月、地銀の統合審査にあたっては金融庁と公正取引委員会が連携して審査するのが望ましいとする報告書を公表。両機関が別の法律に基づき審査している現状を改め、総合的な競争政策の在り方を検討すべきだと提言した。全国地方銀行協会(地銀協)の柴戸隆成会長(福岡銀行頭取)は、6月の会見で政府が主導して地銀特有の事情を考慮した指針を作ってほしいと要望していた。 ふくおかフィナンシャルグループ(福岡市)と十八銀行(長崎市)は経営統合を検討していたが、公取委が長崎県内の合算シェアが7割超に達することなどを問題視したことから手続きに時間がかかり、今年8月に承認が得られた経緯がある。来年4月に当初計画より2年遅れで実現する。 未来投資会議の資料では、成長戦略の柱の一つとして「地方施策の強化」を明記。独禁法を巡る問題も検討事項として盛り込まれた。年末までに中間的な報告をまとめ、3年間の工程表を含む実行計画を来年夏に決定する方針だ。 菅義偉官房長官は5日午後の記者会見で、地方では人口減少を背景に不可欠なサービスの確保が困難になっているとし、「各地域の金融機関が将来にわたって健全性を維持して地域の企業や住民に適切な金融サービスを提供することができるよう、今後、未来投資会議の場などを通じて検討を進めていきたい」と語った。 (第4、5段落を追加します.) 米中貿易摩擦、増えるハイテク企業の犠牲 モバイル・ワールド・コングレス(MWC)でレノボのVRヘッドセットを試す訪問者(2月、バルセロナ) By Jacky Wong 2018 年 10 月 6 日 10:47 JST 更新
――WSJの人気コラム「ハード・オン・ザ・ストリート」 *** 世界の二大経済大国の間で貿易摩擦が激化する中、とりわけハイテク業界で犠牲が増えている。まだそうしていなければ、投資家はリスクを織り込み始める必要がある。 新たな犠牲となっているのは中国の聯想集団(レノボグループ)だ。同社株は5日に一時、23%安まで売り込まれた。中国がひそかに超小型チップをパソコンに埋め込み、米ハイテク企業のサプライチェーン(供給網)を標的にハッキング攻撃を仕掛けたとのブルームバーグ・ビジネスウィーク誌の報道が嫌気された。 レノボはこの報道で触れられていない。だが投資家は、米政府がさらに態度を硬化すれば、同社が大きな損失を被るとの不安にかられている。中国によるサイバー窃盗の疑いや、強制的な技術移転を巡る米政府の懸念はすでに頂点に達しつつある。以前までの順調な対米関係も追い風に、レノボは世界2位のPCメーカーに成長した。同社はIBMのPC・サーバー事業を買収し、グーグルからスマートフォン事業のモトローラも買収した。現在は売上高の3分の1を米州で稼ぐ一方、中国の比率は4分の1にとどまっている。 ただ、この日の市場の反応は過剰だった可能性がある。レノボに不正行為があったとの非難や、レノボや他の中国ハイテク企業に制裁が科される兆しは一切見当たらない。それでも、米中が手を結ぶかわりに敵対的な姿勢を強める中、こうした企業は影響を免れない。中国の通信機器大手、中興通訊(ZTE)は今年、イランと北朝鮮に対する制裁に違反したことを巡り、米政府が米企業から中国企業への部品販売を禁じ、破綻寸前に追い込まれた。 米企業も苦境に陥っている。レノボやZTEのサプライヤーである半導体大手クアルコムは、440億ドル(約5兆円)でオランダのNXPセミコンダクターズを買収する計画だったが、中国の独占禁止法当局が何カ月も承認を引き延ばし、計画を断念せざるを得なくなった。 各社は長期的な事業運営方法を見直す必要があるかもしれない。中国は長年、主要な製品組み立て地点として、世界のハイテク供給網で鍵を握る役割を果たしてきた。供給網の解体は一夜で起こるものではないが、今後は新たな工場の建設地や供給業者の選択を熟考する必要があるだろう。アップルはスマホ製品の大半を中国で製造し、売上高の5分の1を同国で稼ぐが、こうした米ハイテク大手は米中が互いに不信感を募らせる中で影響を被りやすくなる恐れがある。 株価バリュエーションにこれら全てを織り込むのは極めて難しい。短期的には、ハイテクセクターの値動きは一段と大きくなりそうだ。レノボは5日の取引でやや持ち直したものの、終値は前日比15%安となった。投資家は米中との関係が深いハイテク銘柄について、株価から貿易摩擦の影響を割り引くことを考慮し始める必要がある。問題はすぐには解消しそうにないからだ。 自動車業界、北米への工場移転を加速か 新協定妥結で NAFTAに替わる新協定妥結で外資系自動車メーカーは北米への工場移転を検討(写真はVWのメキシコ工場) By Chester Dawson and William Boston 2018 年 10 月 6 日 06:44 JST 更新
米国、カナダ、メキシコが新たな貿易協定を巡り合意したため、外資系自動車メーカーが北米に一層多くの工場を移転させることを検討している。 1994年に発効した北米自由貿易協定(NAFTA)に代わる新協定の妥結から数日後、外資系メーカー数社の幹部はサプライチェーン(供給網)を見直し、車部材の製造工程を米国、カナダ、メキシコの北米自由貿易協定(NAFTA)加盟国に移すことを検討していると表明した。 ドイツの高級車大手BMWのハラルト・クリューガー最高経営責任者(CEO)は今週のパリ自動車ショーの際、記者団に「米国市場向けの生産をさらに米国内へシフトする」と話した。BMWは既に多くの部品を北米で調達しているが、新貿易協定で投資のシフトに弾みがつくとの見方を示した。 ドイツのダイムラーのディーター・ツェッチェCEOも同じイベントで、新協定によって一層多くのエンジン製造工程の米国移設を余儀なくされる可能性があると語った。同社はアラバマ州タスカルーサの工場で乗用車やスポーツタイプ多目的車(SUV)を組み立ている。 この基本合意は、協定加盟国の間で車の関税をゼロにする条件として、車両価格の75%以上を北米域内で調達するよう自動車メーカーに義務付ける。現在、この比率は62.5%だ。また車両の40?45%を賃金が時給16ドル(約1800円)以上の地域で生産する必要がある。この条項は、さらに多くの工程を米国に仕向け、米製造業界の雇用を拡大することを狙ったものだ。 ルノー・日産・三菱連合を率いるカルロス・ゴーン氏は、北米の新貿易協定が米国とメキシコへのグループの投資を後押しすると述べたものの、具体的計画は示さなかった。ホンダと独フォルクスワーゲン(VW)は別途、新協定が事業活動に及ぼし得る影響をまだ調査していると述べた。 エンジンとトランスミッションを日本に頼るマツダは、メキシコでコンパクトカー「Mazda3」を組み立てている。現地調達比率が引き上げられれば、基準を守りにくいだろう。 マツダの丸本明社長は、現地調達が75%に達していないため、NAFTA地域で生産しなければならない部品が増えると話した。
EU、貿易交渉巡りトランプ氏に警告 「圧力は通用せず」 ホワイトハウスで声明を発表するユンケル欧州委員長(左)とトランプ大統領(7月25日) By Emre Peker 2018 年 10 月 6 日 03:06 JST
【ブリュッセル】欧州当局者は5日、ドナルド・トランプ米大統領は北米自由貿易協定(NAFTA)改定で圧力を強める戦術を使ったが、欧州連合(EU)との貿易交渉にそうした戦術は通用しないとけん制した。EUはその規模と貿易の実力によって、米国と対等な立場にあると主張した。 EUの域内総生産(GDP)は総額15兆4000億ユーロ(約2000兆円)と、米国の19兆4000万ドルに比べさほど変わらず、対EU貿易赤字を削減しようとするトランプ氏の圧力にもほぼ持ちこたえてきた。 欧州当局者は、米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)について、欧州への輸出向けに北米でも生産している欧州の企業に打撃になるとの見方を示している。新たな協定はトランプ氏の対EU交渉アプローチを探る手掛かりになるとみられており、米通商代表部(USTR)のロバート・ライトハイザー代表はNAFTA改定について、米政府の通商政策における「パラダイムシフトのモデル」だと強調した。 米国とEUの財・サービス貿易は年間1兆ドルに上る。 トランプ氏は7月25日、欧州委員会のユンケル委員長と貿易関係強化という共通目標の宣言で合意したが、進展具合は心もとない。両氏は自動車以外の業界の関税引き下げ、複数の業界の規制緩和、EUによる米国産大豆と液化天然ガス(LNG)輸入の拡大を目指すことで合意した。 セシリア・マルムストローム欧州委員(通商担当)は、「われわれの状況は全く異なる。(北米3カ国は)協定を更新し、近代化している。われわれは協定を持たない」と指摘している。
新NAFTAが見本、米国が狙う日欧との貿易協定 フォルクスワーゲンの自動車工場(メキシコ・プエブラ) By Jacob M. Schlesinger and Josh Zumbrun 2018 年 10 月 5 日 17:47 JST 【ワシントン】米トランプ政権は他国との通商交渉で攻勢を強めようとしている。カナダおよびメキシコとの新協定をひな型に、外国為替や労働市場から貿易相手国の対中ビジネスのあり方まで全てに関する規則を見直す構えだ。 米通商代表部(USTR)のロバート・ライトハイザー代表は新たな北米自由貿易協定(NAFTA)での合意を、貿易相手国にとって厳しいメッセージとなる政策の「パラダイムシフトのモデル」と呼んだ。貿易相手国はそうした新しいアプローチがもたらす激しい交渉に向けて準備を進めている。 米国は、自国政府が創設に貢献した世界貿易機関(WTO)と衝突することをさほど気に掛けなくなりそうだ。その代わり、世界貿易をゆがめている国々(当局者らの言う「非市場」経済国)に諸協定をもって挑むことに力を入れるだろう。 それに米政府は、貿易協定が米企業向けの世界的なサプライチェーンを育む方法だとは考えなくなるだろう。それよりも、製造業の米国回帰をさらに促すべく、米国へのモノの輸入の基準を厳しくすることを優先するとみられる。 根底にある理念は、ドナルド・トランプ大統領自身が今週NAFTA改定合意を発表した際に述べたのと同じ。貿易相手国は「われわれとビジネスをすることを特権」とみなすべきだというものだ。知的財産の保護から賃金引き上げに至るまで、米国の規則や基準を受け入れるか否かで同国市場へのアクセスが決まる傾向は一段と強まるだろう。 米政権は、「米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)」と銘打つ新協定を他の貿易相手国に適用する戦略の詳細を依然詰めている。次の大きな試金石は、最近新たな貿易協定についてトランプ政権との協議に入った日本と欧州連合(EU)だろう。そして近く協議に入るとみられる英国とフィリピンだ。 トランプ政権が新NAFTAの条件を他国との協定に盛り込めるかどうかは分からない。ホワイトハウスは、カナダとメキシコに対しては異例の交渉力を得ていた。いつしか両国が頼るようになっていた25年来の協定を解体するとの脅しが効いたのだ。 EUと日本には同様の対米貿易協定は存在せず、そのため両国とも失うものは比較的少ない。来年には日本とEUの自由貿易協定、およびトランプ氏の決定を受けて米国が離脱し11カ国が署名した環太平洋経済連携協定(TPP)が発効する。両者は、それぞれが参加する自由貿易圏の拡大によって米国の輸出企業を不利な立場に追いやり、対米交渉で優位に立てるとみている。 EUの元経済アドバイザーで現在はシンクタンクのブリューゲル(ブリュッセル)所属のアンドレ・サピール氏は「米国は力ずくの戦略に出ている」と指摘。「欧州が同様の協定を望むとは思わない。バランスのとれた協定を求めるだろう」と述べた。 関係者らによると、欧州とアジアの当局者らはここ数日、新NAFTAの34章、付属文書4点、サイドレター12通を精査し、今後問題になりそうな項目がないかを調べている。 トランプ政権が安全保障の名のもとに25%の自動車関税をちらつかせてきたことから、日本とドイツはそれに代わり得る輸出割当枠に備えている。両国の対米自動車輸出はカナダやメキシコに次いで多い。 カナダとメキシコがそうしたペナルティーをかわすべく受け入れた数量制限は、1980年代に米国が日本政府から引き出した「輸出自主規制」を思い出させる。その後WTOが創設され、数量制限を禁じた。 日本は「為替操作」国を罰することを狙った新NAFTAの条項も懸念している。貿易協定にこうした条項が盛り込まれるのは初めてだ。米国は日本が輸出振興のために外為市場をゆがめているとしてたびたび日本を非難。日本政府はそうした訴えに基づく貿易上のペナルティーを求める米国の要求をずっと受け流してきた。 米当局者はカナダおよびメキシコとの新貿易協定を以下のような形で今後の交渉相手国に適用する可能性がある。 EU ―米国は考えられる25%の「安全保障」関税の一環として自動車に割当枠を設ける可能性がある。 ―米国の安全基準さえ満たしていれば米国車を輸出できる。―米国は政府調達への新たなアクセスを提供しない。 英国 ―英国による中国との自由貿易協定が制限される可能性がある。 ―米国に輸入される英国車(2017年は計100億ドル)に対する割当枠の可能性。 日本 ―米国は考えられる25%の「安全保障」関税の一環として自動車に割当枠を設ける可能性がある。 ―米国の安全基準さえ満たしていれば米国車を輸出できる。 ―「為替操作」とされる行為に対するペナルティーの可能性。 フィリピン ―労働者の権利を向上させるための厳しい要件。 ―フィリピンによる中国との自由貿易協定が制限される可能性がある。 ―企業による新興国投資の確実性と意欲を高めてきた「投資家対国家間の紛争解決(ISDS)条項」の制限。 関連記事 「米国第一主義」の限界、新NAFTAが示す 【社説】NAFTA妥結、収穫は惨事の回避 【オピニオン】トランプ氏の商才、貿易協定で勝利呼ぶ NAFTA改定、日欧自動車メーカーへの影響は
中国、サイバーセキュリティー規制強化 外国企業の懸念強まる 中国当局は新たなサイバーセキュリティ規制によって企業の機密情報にアクセスする権限を手にする By Shan Li 2018 年 10 月 6 日 00:44 JST 【北京】中国は新たなサイバーセキュリティー規制によって、企業のIT(情報技術)を精査し、機密情報へアクセスするといった圧倒的権限を国内当局に与える。外国企業は中国での事業運営を巡る懸念を深める可能性が高い。 公安部が先月30日に発表したところでは、11月1日以降、中国警察は企業の施設点検やネットワークへのアクセスを通じ、セキュリティー上の抜け穴がないか確認する権限を持つ。当局には「国家安全保障や治安、社会的秩序を脅かしかねない」情報をコピーし、記録を点検する権限も与えられる。 さらに、中国政府や銀行・IT業界へ供給されるハイテク製品のセキュリティーチェックのほか、中国国内でのデータ保管が義務付けられる。 外国企業は規制を批判。IT機器の安全性証明を理由に、政府がソースコードなど企業秘密の開示を強いるために規制を利用し、国内企業へ情報を漏えいする可能性があると指摘している。 コラム2018年10月6日 / 08:54 / 9時間前更新 コラム:中国テンセント音楽部門、米IPOに潜む「異音」 Jennifer Saba 2 分で読む [ニューヨーク 2日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 中国インターネット大手、騰訊(テンセント)(0700.HK)のオンライン音楽事業であるテンセント・ミュージック・エンターテインメント・グループ(TME)が、米当局に新規株式公開(IPO)を申請した。 この一報は耳に心地良く響く。第1にTMEは既に黒字化している。しかしよく耳を澄ますと「調子外れの音」も聞こえてくる。 TMEはスウェーデンの音楽配信大手スポティファイ(SPOT.N)と、の比較を免れないだろう。同社は4月に上場し、規模は320億ドル。しかしTMEの方が勝っている点は多い。1─6月の売上高は前年同期から倍増して13億ドルに達し、昨年の粗利益率はスポティファイの21%に対して35%だ。 その上、TMEは黒字化している。国際的なレーベルとの間で、より有利な契約を結べる点も強みだ。例えば、海賊版が横行するこの業界において、テンセントはレーベルの知的財産の監視を支援することができる。 ただ、心もとない点もある。 TMEはオンライン・カラオケから仮想ギフト、広告まで、幅広いサービスで稼いでいるが、売上高の内訳を極めて大ざっぱにしか開示していない。登録サービスが総売上高に占める割合は14%にとどまる。メディアにお金を払う習慣がない中国においては無理もない。 さらにやっかいなのは、TMEが月間ユニーク・ユーザー数を中国の総人口の60%弱に相当する8億人と発表していることだ。この数字はどうも信用できない。複数のアカウントを持っていたり、複数の端末からアクセスするユーザーを二重に算入している可能性がある。 同社自体、この数字に「現実に、あるいは認識上の不正確性」があるかもしれないと警告している。ユーザー数が予想外に動くと、株価を揺さぶることはツイッターが証明済みだ。 比較可能な企業を見つけるのは難しい。スポティファイの売り上げは大半が登録サービスによるもので、手数料に頼るテンセント・ミュージックよりも予見性が高い半面、レーベルに譲歩せざるを得ず、赤字となっている。 テンセント・ミュージックの上期の売上高は13億ドルなので、年商を30億ドルと仮定しよう。スポティファイの株式時価総額は売上高の4倍なので、この数字を当てはめるとテンセントの企業価値は120億ドルとなる。 保守的な数字かもしれないが、IPOは手堅く見積もるに限る。 ●背景となるニュース ・テンセント・ミュージック・エンターテインメント・グループ(TME)は2日、米証券取引委員会(SEC)にIPOを申請した。 ・申請書類によると、1─6月の売上高は13億ドル、利益は2億6300万ドル。 ・TMEの親会社はテンセント。 Tencent Holdings Ltd 305.0 0700.HKHONG KONG STOCK -3.40(-1.10%) 0700.HK 0700.HKSPOT.N *筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。 https://jp.reuters.com/article/tencent-music-ipo-breakingviews-idJPKCN1MD0UR コラム2018年10月4日 / 11:30 / 1日前 コラム:英国のブレグジット騒動、大荒れの終幕に突入 Peter Apps 3 分で読む [2日 ロイター] - もし英国が本当に土壇場で欧州連合(EU)離脱の合意を勝ち取りたいのなら、ハント外相は、EUを旧ソ連と比べるべきではなかった。 メイ首相率いる与党保守党の大会で、英国との関係改善に努力しないEUを旧ソ連に例えて批判したハント外相の発言は、案の定、他のEU加盟国の指導者から大きな反発を招いた。そして、恐らくそれこそが外相の意図したところだ。 ハント外相は、次期党首候補の1人とみられている。 ボリス・ジョンソン前外相やトランプ米大統領のように、ハント外相は、過激な発言をすれば関心が集まり、たとえ政府としてやらなければいけないことの実現が困難になったとしても、党内から一定の支持を集められると計算したように見受けられる。 この秋、西側政治のどこに目を向けても、個人や党派の利益のために意図的に政策遂行を妨げている野心的な政治家の姿が目に付く。 ドイツやオーストリア、スウェーデンでの極右の台頭にしてもそうだし、イタリアの難民問題を巡る政治駆け引き、そしてももちろん、米議会においてもその現象が見られる。 こうした政治家は、恐怖や怒り、そして何よりも分断を「武器」にして危機や対立をあおれば、狭いながらも強力な支持を党派や有権者から得て、新たな権力や権威を手にできると考えているのだろう。 問題は、こうしたことに巧みな手腕を持つ政治家がほとんどいないということだ。 政治ニュースや地政学の大渦や、ライバルの陰謀を乗り切らなければならないということは、目論見通りには物事が進まないことを意味する。そして、英国のEU離脱(ブレグジット)ほど、それが真実なことはない。英国は「合意なき離脱」という、さらなる不安定さを招く結末に向かって、後戻りのできない道を突き進みつつあるようだ。 ほんの数週間前まで、ブレグジットは、メイ首相が閣僚と7月に公式別荘「チェッカーズ」でまとめた妥協案に基づく、比較的穏健なイベントとなるように思われていた。 だがその計画はいまや、保守党の大半から拒否され、先月オーストリアのザルツブルグで開かれたEU首脳会議でも否定された。 メイ首相と保守党は今週、合意なき離脱の可能性も含め、より厳しいブレグジットに向かおうとしているようだ。 国境や市場、物流の分断をもたらすそのシナリオは、すでに英国は深刻な経済的打撃を与えている。ある報告書によると、週5億ポンド(約740億円)相当の経済的活動が英国から失われている。だが不確実性があまりに高いため、損害額は劇的に拡大する可能性がある。 今後1年で、欧州統合に懐疑的な保守政権が英国で誕生し、減税や歳出削減でシンガポールのような回避地を目指そうとする可能性は十分にある。また、解散総選挙によって野党労働党が政権を奪還し、富裕層や大企業向けの増税や、大規模公共投資という正反対の政策に踏み切る可能性もある。 EU離脱を巡る国民投票の再実施を求める声も高まっているが、それがどのように実現され得るかについては全く不明瞭だ。 一部には、無秩序な「合意なき」ブレグジットと、ノルウェーやスイスのようにEU域外から緊密な関係を維持する穏健な離脱のいずれかを選択する国民投票を求める声が上がっている。また、離脱を取りやめてEUに残る選択肢も投票用紙に記載すべきとの主張もある。 しかし、投票を繰り返すことなく、これら3つの選択肢をどう有権者に提示できるか、現実的な提案はほとんどない。このような不確実性が高まっているときに、意見の一致をみることは一層困難だろう。 いまやこの問題が、英国の評判だけでなく、国民の生活もむしばみ始めていることは、驚くに値しない。 筆者の世話をする介護者の1人が先月突然辞めたため、いつもの介護機関に電話して代わりの派遣を頼んだ。だが返事は「誰もいない」というものだった。12年前負傷して身体の自由が利かなくなって以来、筆者を支えてくれた若い外国人労働者は、もうやって来ないのだ。 結局、代わりの人を個人的に見つけたが、この構図はすでに、ビジネスや農業、サービス業にヘルスケアなど、経済の大部分を揺さぶりつつある。 ジャビド英内相は2日、離脱後の移民政策について最新のアウトラインを公表し、高スキル労働者を優先する方針を示した。だが、経済の大部分を支えている低スキル労働者をどうするかについては何も発表がない。ここでも、短期的な政治的思惑が政策を動かしているようだ。 こうしたすべてが、どの程度危険なのかは、評価方法によって違ってくる。 極右政党が勢力を拡大し、多文化で開かれた社会の最も基礎的要件を防衛することにさえ苦戦する主流政党に取って代わろうとしている他の欧州諸国と比べると、予見不能な部分が大きいとはいえ、英国で起きていることは警戒度は低いという見方もできる。 そんな事態を英国が回避できたのは、強固な2大政党制のおかげだ。だが米国の例でも分かるように、このシステムにおける政治闘争からは予測もできない事態が飛び出すこともある。 米国では少なくとも、次回選挙の日程が決まっている。英国には、そのような透明性はない。政権が倒れたときに選挙が実施される。そして、メイ首相の保守党が昨年の総選挙(これも失敗に終わった短慮の1つだ)で議会の過半数を失ったため、これはいつでも起こり得る。 希望が持てるとすれば、短期的な問題が何であれ、ブレグジットを巡る一連の騒動で両党の政治が活性化し、英国が本当に重要な問題に集中できるようになることだろう。 だがそこに至るには、大荒れの道のりとなりそうだ。 *筆者はロイターのコラムニスト。元ロイターの防衛担当記者で、現在はシンクタンク「Project for Study of the 21st Century(PS21)」を立ち上げ、理事を務める。 https://jp.reuters.com/article/apps-brexit-idJPKCN1ME04H インド、ロシアから地対空ミサイル購入 米制裁除外を期待 首脳会談に臨んだロシアのプーチン大統領とインドのモディ首相(4日) By Rajesh Roy 2018 年 10 月 6 日 01:52 JST
【ニューデリー】インドはロシアからの地対空ミサイル購入で合意した。米国は制裁も辞さない姿勢を見せていたが、これを振り切った格好だ。 ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は年次の2国間協議のためにインドを訪問。これに合わせて5日、50億ドル(約5700億円)相当のミサイルシステム購入契約が交わされた。プーチン首相とインドのナレンドラ・モディ首相は共同記者会見で合意に触れなかったものの、共同声明で合意に言及した。 インド外務省が発表した声明は「両国は『S400』長距離地対空ミサイルシステムをインドへ供給する契約の締結を歓迎する」とした。 インド政府関係者によると、向こう2年でシステムのうち5基を導入する予定。合意からは、インドがロシアとの関係を改善し、武器供給元を分散させようとする取り組みがうかがわれる。 米政府はロシアによる選挙介入の試みに報復するため、ロシア防衛業界と大型取引をする国に対して制裁を科す構えを示していた。インドは米国が東南アジアの地政学的バランスを達成する上でますます重要な役割を担っていることから、制裁の適用除外を期待している。 ただ、インドを除外すれば、米政府のロシアに対する厳しい対応について本気度が疑われかねない。米国は先月、中国がロシアから「スホイ25」戦闘機とS400ミサイルを購入したことを受け、共産党中央軍事委員会装備発展部を制裁対象に指定していた。
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