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元日経新聞記者が指南。ネット株の信用取引で、大損をせず着実に利益を出していく方法とは!?
https://hbol.jp/175120
2018.09.23 三橋規宏 ハーバー・ビジネス・オンライン
信用取引は、委託保証金の3倍の取引が可能
元本割れすることなく、ローリスク・ミディアムリターンを狙って着実に利益を出していく“石橋を叩いて渡るネット株投資術”(石橋攻略)。今回は、信用取引においての「石橋攻略」について説明します。
信用取引に当たっては、証券会社に一定の保証金を支払わなくてはなりません。個人投資家が一定の金額を証券会社に振り込むことで、信用取引が可能になります。具体的には30万円預け入れることが取引所によって定められています。そのうえで証券会社に委託保証金(委託証拠金ともいう)を預ければ、保証金の約3倍の取引ができます。
たとえば100万円預ければ、約300万円相当の株が購入できます。少ない元手で大きな取引ができることが信用取引の魅力です。だが同時に大きなリスクも伴います。個人投資家が株で失敗するのはこのケースがほとんどです。
暴落すると必要になる、新たな保証金「追証」
保証金として証券会社に100万円預け、ある電子機器メーカーA社の株式を、時価800円で2000株購入したとします。買建玉(かいたてぎょく)といいます。
購入金額は160万円です。
この場合、保証金維持率(信用維持率)は62.5%(100万円÷160万円×100)になります。数日後にA社の株価が400円に暴落したとします。含み損が80万円に膨らみました。保証金の担保価値は20万円(100万円−80万円)に減価してしまいました。信用維持率は12.5%(20万円÷160万円)まで低下しています。
取引を継続するためには、追証(おいしょう=追加の保証金)が必要になります。通常取引では信用維持率は30%以上と決められています。最近、ネット証券会社の中には最低維持率を20%に引き下げるところが増えていますが、ここでは30%として計算しています。
160万円に対する保証金は48万円(160万円×30%)です。不足分の28万円(48万円−20万円)を新たに保証金として証券会社に振り込み、維持率を30%以上に引き上げなくてはなりません。
追証の振り込みか、損切返済かの選択
信用維持率と追証の関係
追証に追い込まれた場合、翌々営業日15時(証券会社によって異なる場合もある)までに以下の2つの方法で追証を解消しなければなりません。
1つ目は、追証を解消するため現金を証券会社に振り込むこと。2つ目は建玉(たてぎょく=未決済の銘柄のこと)の一部または全部を返済(損切り)することです。信用取引は少ない元金で大きな取引ができ、大きな儲けが期待できる一方で、リスクも大きく膨らむことになります。
「石橋攻略」では現物取引で相場観を磨く
100万円を証券会社に振り込み、株取引を始める場合、「石橋攻略」では、信用取引をやりません。現物取引1本に絞り込みます。先ほどの例でいえば、株価800円でA社の株を現物で最大1000株購入します。購入金額は80万円です。20万円の現金がまだ残っています。
慎重に取り組む場合は、500株・40万円の購入でも構いません。さて、A社の株価が400円に下落した場合、1000株の場合は、手持ちの株式の価値は40万円に減価します。信用取引と違って、現物取引では金利も付かないし、売却期限の制限もありません。再び株価が800円を越えるまでじっと待っていればよいわけです。
3月期決算や9月の中間配当をまたいで保有していれば、配当金も手にすることができます。お金を証券会社から借りるのではなく、自分のおカネの範囲での取引になるため、リターンはほどほど(ミディアムリターン)ですが、リスクは大幅に軽減できます。
「石橋攻略」はあくまで安全第一、リスク回避が前提です。信用取引を始めるためには、まず現物取引を重ねて、売買の相場観を身に付けることが基本です。このステップを無視して信用取引を始めると、9割以上の確率で失敗すると思います。
利益はほどほどに、損切りは少なく、が「石橋攻略」
繰り返しになりますが、株取引のポイントは、下がった段階で購入し、上がった段階で売却し、差益(売却益)を得ることです。手持ちの株が上昇トレンドにある場合でも一本調子で上がり続けることはありません。必ず下落する局面があります。その時にタイミングよく買いを入れることを「押し目買い」と言います。
押し目買いで購入した株式が上昇した時に売却し、利益を得ることを「利益確定」といいます。逆に買値より下落し、信用期間(6か月)が迫って損を覚悟で売却することを「損切り」といいます。もちろん、利益確定が多く、損切りが少なければそれにこしたことはありません。
市場に参加する人の中には強気の人、弱気の人、様子見の人など多様な人たちが参加しています。その人たちの市場観、別の言い方をすれば、市場参加者の気分次第で株価は上がったり下がったりします。
あなたは3つのケースのうち、どれを選択しますか?
たとえば、あなたが持っている株の価格が前日比で2〜3%も上昇する日が数日続いた場合、あなたはどのような判断をするでしょうか。あなたの中には3人の異なるあなたがいます。
1番目のあなたは、この辺がピークだと判断し、手持ちの株を売って利益を確定します。それからはしばらく市場の動きを観察し、次の手を考えます。これがもっとも堅実で確実な利益を得る方法です。
2番目のあなたは、山っ気があります。くせ球を投げるのが好きなあなたです。いったん利益を確定したあと、この局面でさらに儲ける方法はないかと考えます。マクロ経済指標やその会社の業績などを分析した結果、あなたは今がピークと考え「近い将来、株価は下落する」と判断して信用売りに踏み切ります。
3番目のあなたは超強気のあなたです。強気のあなたはこう考えます。「今の株価上昇はこの会社の業績回復に裏づけられているだけではなく、景気も回復基調にあり、市場の雰囲気も明るくなっている。まだまだ手持ちの株は上昇するのではないか」と判断します。
手持ちの株を今売るとこれから値上りで得られる利益(期待収益)を失うことになると皮算用して、あなたは手持ちの株を売らずにさらに持ち続ける判断をします。それだけではなく、さらに信用買いで持ち株を増やす選択をします。
「石橋攻略」は、欲張らずに損失を避けようとするあなたに最適な手法
3人のあなたのうち誰が得をし、誰が損をするか、今の時点ではまったくわかりません。将来のことは誰にもわかりません。市場の世界は一寸先が闇です。不透明感が大きいだけに強気の人、弱気の人、様子見の人などの思惑が錯綜しながら、株価が形成されていきます。
さて、もし近い将来株価が下がれば、1番目と2番目のあなたの選択は正解だったということになります。特に2番目のあなたは空売りを仕掛けており儲けは最大になります。一方、3番目のあなたは大損をします。
逆に株価が上昇を続ければ、3番目のあなたは大儲けできますが、2番目のあなたは大損をします。1番目のあなたは、持ち続ければさらに得られた利益は得られませんが、計画通りの利益はすでに得られているので満足です。「石橋攻略」は1番目のあなたのような、欲張らずできるだけ損失を避けようとする人に最適な手法なのです。
◆石橋叩きのネット株投資術 第14回
<文/三橋規宏>
みつはしただひろ●1940年生まれ。1964年慶応義塾大学経済学部卒、日本経済新聞社入社。ロンドン支局長、日経ビジネス編集長、科学技術部長、論説副主幹、千葉商科大学教授、同大学名誉教授、環境を考える経済人の会21事務局長等を歴任。主著は『新・日本経済入門』(日本経済新聞出版社)、『ゼミナール日本経済入門』(同)、『環境経済入門』(日経文庫)、『環境再生と日本経済』(岩波新書)、『サッチャリズム』(中央公論社)、『サステナビリティ経営』(講談社)など。
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