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3000万の老後資金が急減!生活レベルを落とせなかった夫婦の末路
https://diamond.jp/articles/-/179317
2018.9.10 横山光昭:家計再生コンサルタント ダイヤモンド・オンライン
老後資金を3000万円も
準備したのに…
定年退職を迎えた後、つまり老後をどのように暮らしていこうかと考える方は多いものです。退職金も昔に比べると減っているし、年金も先細りするという。そうした状況の中、老後資金が底をつかないようにするため、再雇用制度を利用したり再就職をしたりして、収入を得る暮らし方を選ぶ人が、非常に増えていると感じています。
定年に向けて大切なことは何か。現役時代に「蓄え」を作っておくことも大切ですが、子育てが終了した後、生活の“レベル”を落としておくということも大切なこと。意外とそこを見落としてしまう人が少なくありません。
再雇用制度を利用し、今も現役で仕事を続けているKさん(63歳)は退職時、2000万円の退職金をもらいました。その段階で1000万円近く貯蓄することもでき、合わせた老後資金は3000万円ほど準備できました。
ただ、住宅ローンが70歳まで残っているため、年金がもらえる65歳までの間を無職でいることはきついと感じ、再雇用制度を利用して働くことにしました。現役時代の収入もよかったのですが、再雇用でもかなりいい条件で働くことがき、収入は月の手取りで30万円ほどもらえました。
思っていたよりも収入がよく、やりくりすれば蓄えも少しは増えるだろう、できれば65歳になる前に住宅ローンは完済しておきたいとKさんは思っていました。ところがです。実際は、なかなか思うようにはいきませんでした。
再就職で30万円の収入があっても
老後資金が底をつく危険
Kさんには、長年連れ添っている妻(62歳)がいます。ずっと専業主婦で、生活費はKさんの収入だけでやってきました。子どもは2人いますが、いずれもすでに30代で独立しています。
子どもが小さく、教育費などがかかっていたころは、節約を意識してやりくりしていました。しかし、上の子どもが独立したらころから「こういうことにお金をかけられるようになった!」などと喜ぶことはあれど、支出を削るようなことはありませんでした。それは、下の子が独立した後も同じです。
こうして、家計は全体的に支出多めの“メタボ家計”になっていました。そして、そのまま定年を迎えてしまったのです。
再雇用で30万円の手取りがあるとはいえ、メタボ家計ではあっという間に使い切ってしまう金額です。というのも、現役時代に使っていた毎月の生活費は40万円ほどで、10万円足りない状況だったからです。
そのため、不足分は貯蓄から補填していました。Kさんは多少、危機感を持っていましたが、これまでも家計のことは妻に任せてきたし大丈夫だろうと思い、任せっきりにしていました。
ところがです。1年半ほど経過し、突然、妻から相談されました。
「貯蓄が減るのは嫌だったので年金を繰り上げ受給したんですが、それでもまだ貯蓄から補填しなくては生活できません。年金生活になると、老後資金はすぐに底をついてしまいます。どうすればいいでしょうか」
老後資金にと貯めていた貯蓄は1000万円ほど減り、残りは2000万円ほどになっていました。住宅ローンの早期完済を希望していましたが、残金の1000万円を支払ってしまえば、老後資金は1000万円しか残りません。
妻が年金をもらうようになって、貯蓄からの補填は月に5万円となりましたが、夫婦2人とも年金生活となると20万円の補填が必要になる見込みです。住宅ローンを完済してしまうと、老後資金は8年と持ちません。しかし、返さなくても毎月のローンの支払いが重くのしかかります。
こういうところから、Kさんは“老後破綻の危機”を感じたのです。
このようになってしまった原因は、収入の減少に合わせて、メタボ家計の改善を図らなかったこと。本当なら、子どもが独立した段階で少しずつ生活費を減らし、老後資金の蓄えに回すべきだったのです。支出が減少させる一方で貯蓄が増えれば、ゆっくりと貯蓄を取り崩しながら暮らすことができるのですから。
生活費をできるだけ削減し
貯蓄からの補塡を少なくすべし
限りのある老後資金は、計画的に大切に使わなくてはいけません。そのコツは、「貯蓄からの補填をできるだけ少なくする」ということ。65歳になると、金額に差はあれど年金を受け取ることができます。生活費は受け取った年金で賄うことをベースとし、月に補填する金額をできるだけ少なくすることで、老後資金を長持ちさせられるのです。
Kさん夫婦の場合、妻の年金を繰り上げ受給してしまったことも大きな失敗です。将来、夫婦がもらえるはずだった毎月の年金受給額から、妻がもらう分の一部が減ってしまうことになり、結果的に損してしまうからです。
生活レベルを落とせなかったKさん夫婦の老後はお先真っ暗。今できることは、できるだけ長く働くことと、今からでも生活費を圧縮し、少しでも蓄えを増やしていくことです。それでも、いずれ老後資金が底をついてしまったときには、子どもたちを頼り、迷惑をかけながら暮らしていくしかないのです。
できれば、こうした老後生活は送りたくないもの。「このままではまずい」と気づいた時から、生活の規模を縮小して貯蓄するなど、備えられられることに取り組んでほしいと思います。
(家計再生コンサルタント 横山光昭)
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