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スルガ銀行&TATERU事件、日本の不動産投資全体が縮小の動き…法律に欠陥(Business Journal)
http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/567.html
投稿者 赤かぶ 日時 2018 年 9 月 24 日 02:04:05: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

スルガ銀行&TATERU事件、日本の不動産投資全体が縮小の動き…法律に欠陥
https://biz-journal.jp/2018/09/post_24876.html
2018.09.24 文=小林紘士/不動産ジャーナリスト Business Journal




 スルガ銀行のシェアハウス融資資料改ざんを発端とした事件は、同行経営者の同族会社への異常な巨額融資が発覚し、同行経営トップの辞任にまで発展しているが、その後アパート投資分野の融資に関する影響は大きく、実務レベルでは不動産投資に対する他行の引き締めが非常に強くなっているという実感がある。

 そうした状況のなか、東証一部上場企業のTATERUでも、アパート販売において融資資料の改ざんが発覚し、不動産投資にさらに大きな影を落としている。同社に関する報道の内容は以下の通りとなっている。

 投資用アパートの企画などを手掛けるTATERUが、銀行から多額の融資を受けやすくするため、顧客の預金残高を改ざんしていたことが発覚した。

 顧客から相談を受けた弁護士によれば、TATERUの従業員は銀行の融資審査を通りやすくするために、顧客から預かった預金通帳の残高を、実際の約23万円から約623万円に改ざんして山口県内の銀行に提出したとのこと。不審に思った顧客が銀行に問い合わせたことで改ざんが発覚した。TATERUは改ざんの事実を認めた上で、「ほかに同様の改ざんが行われていたかについては、3カ月かけて引き続き調査していく」としている。その後、その顧客とは手付金の返還と、その同額の支払いをもって契約を解除したという。

 TATERUは、不動産特定共同事業法(以下、「不特法」)に基づく免許を持ち、不動産投資型クラウドファンディング「TATERU Funding」の企画・運営を行っている。このクラウドファンディングは、1口1万円から気軽に投資できることを謳い、累計募集金額ベースでこれまでおよそ38億円を募集してきた。現在は今回の問題の発覚を受けて、ファンド募集は停止している状況だ。

 なお、不特法とは、出資を受けて不動産の取引を行い、その収益を分配する事業の仕組みを定めた法律で、1994年に制定、2017年に一部改正が行われ、オンライン上で契約締結前交付書面や報告書等を交付できるようになり、これまでよりクラウドファンディングを活用しやすくなった。

 今回のTATERUの問題は、収益不動産を扱う金融機関への警戒をいっそう強め、融資環境がより厳しくなる可能性が高まったという点だけでなく、不特法を所管する国土交通省がその許認可に対する審査に影響を与え、同法の取得、活用を検討している事業者とっては許認可が厳しくなるのではないかという不安を抱かせたという点にも罪深いものがある。

■すでに投資した資金の行方

 さて、ここで消費者の目線に戻ってTATERUの問題を考えたい。

 今、同社の問題発覚で不安を感じているのは、同社から現物の不動産を購入した方と、問題発覚前に「TATERU Funding」に投資した方だろう。

 TATERUからアパートなどの不動産を購入した方の不安は2つ考えられる。ひとつは、購入した不動産に問題ないかという点だが、この点は先に破綻したスマートデイズのシェアハウスのように特殊な不動産かつサブリース契約でない限り、立地や建物に問題がなければ運営に問題はないように思われる。2つ目は、同社の物件を購入するにあたり、融資に際して不正がなかったか、もし不正があった場合はどうなるのかといった不安だ。こちらは同社の今後の調査にもよるところがあり、その結果次第では金融機関側が同社の取り扱いをすべて確認し、状況によっては新たな問題となる可能性がある。残念だが、この不安は残ってしまう。

 一方、「TATERU Funding」にすでに投資してしまった方が気になるのは、投資した資金が戻ってくるのかという点だろう。問題発覚後、TATERUの株価は続落し、連日のストップ安の後、4月頭には2500円ほどだった株価が300円台まで下がっているのだから、不安になるのも当然だろう。ただ、不特法に基づくファンドは、事業者が劣後部分(万一、ファンドの対象の価値が下がっても、投資家の投資資金が棄損しないように一定割合ファンド事業者が出資している部分)を持っており、その範囲内の価格で売却できれば、投資家の資金は維持され、元本がそのまま償還される。また、条件付きながら同社のファンドは途中解約できることにもなっているようだ。

 そこで、もう少し問題を限定すると、今回の件で物件の売却が難しくなり、劣後部分を超えた価格でしか売却できない場合と、途中解約が相次ぎ同社の資金が枯渇する場合が考えられる。物件によってリスク度合いが異なるため、ファンドの劣後部分の割合も物件によって異なるはずなので、投資した対象物件によっては投資家の元本割れの恐れもあるが、不動産市場自体が急激な悪化を見せなければ、劣後部分の範囲内で収まる可能性が高い。

 また、同社の資金は2018年6月期の第2四半期決算報告を見る限りでは、潤沢に現預金はあるようなので、よほどのことがなければ途中解約に応じられないほど資金が枯渇するということはないように思われる。

■不特法が内包する問題点

 投資にはなんらかのリスクがあるものだが、TATERU問題では、本来の投資で許容するべきリスクではなく、別にその問題の本質があるように思える。それが不特法にあるのではないかと筆者は考えている。というのも、不特法自体が問題を内在しているように思えるからだ。不特法は、投資家から集めた資金で取引した不動産の収益から配当を分配し、最後(ファンド解散時)には、取得した不動産に付加価値が付くなどして取引時点の価格以上になっていることが前提になっている。

 たとえば「TATERU Funding」なら、クラウドファンディングによって資金を集め、アパートを建設または既存物件を購入し、一定期間その賃料収入を配当し、最後にはその物件を売却してファンドで集めた資金の元本を償還するという仕組みになっている。特に、TATERUの場合には、ファンドに投資した方に現物の物件を紹介し、購入してもらうことで売却していたと思われ、ある意味ではファンドの投資家を集めつつ、同時にファンドの出口となる投資家を集めていたことになる。

 もしファンドの対象物件が建築費用または購入価格以下でしか売却できなかった場合、TATERUが負担しているファンドの劣後部分を超えるほど低い価値であれば、投資家の元本は減ってしまうことになる。不動産価格が上昇している局面であれば、建築や購入時よりも高く不動産を売却することが可能で、問題はない。一方、不動産価格が下がる局面になると、建設費用や購入費用を下回る価格でしか売却できない可能性があり、その場合は事業者(ファンド組成者)が負担を強いられる。少なくとも、その可能性が高くなる。

 今、業界も含めてオリンピック前後に不動産価格が下がると、まことしやかに囁かれているが、実際に不動産価格は高値水準のまま止まった感があり、そこにスルガ銀行などの問題が発生した。この問題が起こってから金融機関が不動産への融資を控える傾向が出始めており、さらに融資を引き締めると、そうした予想や噂が現実のものとなる可能性がある。

 今回のTATERUの問題の裏には、不特法が内在するファンド組成後、一定の収益の分配、そして不動産価値の増加が前提という仕組みのために、利益を求める企業としてはどうしても早く(遅くともファンドの期限内に)、そして高く(劣後部分が減らない価格で)売却する必要がある。ましてや不動産価格が高止まりしている今なら、上記のような予想や噂を現実に近いものとして、現場で受け止めていてもおかしくない。そのため、売却を急ぐあまり、今回の問題が起こったのではないかと筆者は考えている。

 不動産価格が下がる局面で、ファンドのような期限のある投資で(特に短い期間であればなおさら)、途中分配も元本償還もとなると、不動産投資型ファンドの運営は非常に難しい。しかし、不特法は右肩上がりの不動産市況を前提としているので、途中分配も元本償還も可能とする内容なのだ。

 少し前だが、不特法の認可に関する相談の段階で、宅地造成のような真の意味で付加価値が生まれる事業に対する出資(投資)を目的とした事業では、途中に分配する賃料などの原資がないので不特法に適さないと判断され、許可が下りないと専門家に聞いたことがある。

 年金の仕組みもそうだが、法律や社会制度の基本的な仕組みを右肩上がりの状況を前提にせず、経済状況が悪い時でも生きてくる法律や制度を設計してほしいと願うばかりである。

(文=小林紘士/不動産ジャーナリスト)


 

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コメント
1. 2018年9月24日 23:27:15 : 78q11c3Y8Q : QPvJ0S6tz98[2] 報告
仮想通貨を保管する「ウォレット」(専用口座)の無料アプリを配信「Ginco」(ギンコ)森川夢佑斗社長(25)
「預金や送金はブロックチェーンの技術があれば、銀行がなくても可能になります。為替業務やクレジットカードの決済も同じ」
https://bit.ly/2zqBUaB

銀行が縮小し…
「Ginco」が拡大すると。

2. 2018年9月24日 23:30:16 : bqSxumkiHM : ojact308L1k[396] 報告
高過ぎて 不審渦巻く 不動産

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