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AIは金持ちだけが使えるツール、2030年の格差社会に残る職業は(ダイヤモンド・オンライン)
http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/528.html
投稿者 赤かぶ 日時 2018 年 9 月 20 日 21:38:05: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

AIは金持ちだけが使えるツール、2030年の格差社会に残る職業は
https://diamond.jp/articles/-/180131
2018.9.20 竹内一正:経営コンサルタント  ダイヤモンド・オンライン


労働集約的な仕事はAIに仕事を奪われます Photo:PIXTA

今ある仕事の大部分が、2030年にはAIに置き換わるといわれている。果たして、あと十数年後に私たちが直面する日本ではどのような世界が広がっているのか。『物語でわかる AI時代の仕事図鑑』の著者であり、経営コンサルタントの竹内一正氏が、AIによって加速する格差社会の現実と2030年のAI社会になっても生き残るための原則を語る。

「インターネットは貧乏人のツール。AIは金持ちだけのツール」

 ハーバード大学で金のない学生のザッカーバーグが立ち上げたフェイスブックが大成功したのは、タダ同然で使えるインターネットという“ふ化器”があったからだ。ツイッターにしても同様である。インターネットは貧乏人を成功に導くツールであり、今でもその神通力は健在だ。

 しかし、AIは違う。

 AIはタダでは使えない。AIに入力する膨大なデータを集めるにも金がかかる。その上、データ量が多ければ多いほどAIは力を発揮するが、より多くのデータを集めるにも、より多くの金がなくてはならない。しかも、AIが力を発揮するには高性能なコンピューティング能力が必要となり、それにも金がかかる。

 AIは金持ちをより金持ちにする性質を持っている。一方、AIの恩恵に浴せない中小零細企業や個人事業主、資金のない個人はAI格差の谷に落ち込んでいく。

「インターネットは貧乏人のツールだったが、AIは金持ちだけのツールだ」

 これはあるAI研究者の言葉だ。

 日本政府は「日本に格差はない」と大本営発表みたいなことを言うが、日本で格差は拡大していることは事実だ。そして2030年に向けてAIによって格差はさらに広がっていく。

AIは、常に正しい答えを出せるわけではない

 AIに関する本は既に多く出ているが、AIはそれだけが単独で私たちの前にポンと出現するわけではないことに注意が必要だ。企業の都合や、社会の受け入れる力と綱引きをしながら浸透していく。その時、仕事を奪われると考える人たちは抵抗するだろうし、全ての問題が解決できると過大評価してしまう社長は先走るに違いない。

 そして、AIは常に正しいわけではない。そのことを世間が知るきっかけは、NHKが2018年3月に放送した『AIに聞いてみた どうすんのよ!? ニッポン』というマツコ・デラックスと有働由美子アナが出演した番組だ。

 パターン認識で700万を超えるデータをAIが解析という触れ込みの番組の中で、「仕事の効率を上げたいなら?」という質問に対し、NHKのAIは「11時間54分以上働く」と驚きの回答を出した。多くの視聴者は思わず「???」となっただろう。

 なぜNHKのAIはそんなバカげた結論を出したのか。

 AIに入力したデータには「健康に関するデータは入っていなかった」という言い訳的な説明が番組中になされるに至ると、多くの視聴者があきれた。労働者にとって、健康に働くことは極めて重要なことだ。ところがそれが抜け落ちていたとは…。

 番組に対し「そんな重要なデータを入力しないでどうする!」という批判が寄せられたのは当然だ。当時の安倍政権は、長時間労働を問題視しているというポーズを取りながら、残業代ゼロでタダ働きを助長する「働き方改革」の法案を通そうとしていた時だった。

 NHKが政権の意向を忖度したかどうかはわからないが、わかっていることは、どんな高度な性能を持つAIでも、必要なデータを入力しなければ間違った結果しか出せないことだ。AIは入力するデータ次第で結果が変わるということを視聴者に知らしめたことが、この番組の最大の功労だったろう。

今のAIはまだ、物事を理解して判断できない

 では、今のAIはどんなレベルなのだろう?

 ここで、インターネットを生んだ米国の研究機関DARPAのAI研究者の意見を紹介しよう。AIのレベルには3つの波があるらしい。

 第1の波は「手作りの知識」、つまり人間が一つひとつ知識をAIに教え込むレベルだ。ロジスティックス(物流)のプログラムやチェスなどはこれに当たる。

 第2の波は「統計的な学習」で、大量のデータからAIは学んでいく。現在のAIの主流で、音声認識、顔認識など膨大な学習データを統計的に処理し、AIは結果を導き出す。しかし、決して物事を理解し、判断しているのではない。さらに、AIが出した結論の理由が説明できない「AIのブラックボックス化」という問題を有している。

 そして、第3の波が「文脈の理解」だ。物事の文脈を理解し、いわば、常識を持つAIである。そして、AIが自ら出した結論の理由を説明できる。ただし、第3の波はまだ来ていない。私たちは今、第2の波の中であり、2030年になっても第3の波は来ていないだろう。

2030年に訪れる「AI社会」の姿とは?

 2030年の社会を想像する前に、まず、過去に例を探っておこう。パソコンが企業で普及しだした1995年頃のサラリーマン諸氏の様子から学び取ることは多い。

 パソコン普及期の第1段階では、パソコンが使えない部課長は、部下に命じて資料や企画書を作成させていた。PCで何ができて何ができないかは社長も部課長もわかっていなかった。

 第2段階になると、部下たちから白い目で見ら続けていたPC音痴の部課長は、いやいやながらPCの使い方を自分で学び始める。

 第3段階では、部課長も社長も自分でPCを使うのが当たり前になる。この頃になってやっとPCでできることとできないことの境界線が幹部社員にもわかるようになった。

 AI時代も似たような道筋をたどるだろう。PCを早く習得したビジネスマンの方が先に生産性が上がったように、AIの使い方を早く学んだ方がビジネス戦線で勝利を得る確率は高くなる。

 今後2030年に向けて、日本社会の道路や上下水道などインフラは急速な老朽化に直面するが、国にも自治体にも予算的な余裕はなく、修理は手つかずになっていく。2030年の日本の空には宅配ドローンが飛び、スマホは第5世代移動体通信で今より格段に速くなり、あるレベルの自動運転車(ただし、レベル4までで、完全自動運転は日本では出遅れる。詳しくは別の機会に説明しよう)が公道を走るだろう。しかし、その道路は陥没が至る所で発生し、老朽化で通行止めになっている橋も少なくなく、水道管の破裂も珍しくない、そんなアンバランスな社会となっている。

 社会全体が“均衡ある成長”を遂げることは無理になるのが、2030年の日本の姿だ。

AI時代に食える仕事、食えない仕事

 自動車は便利を提供したが、交通事故という負の側面ももたらした。全てのテクノロジーには光と影がある。

 そして、AIは今ある仕事を奪っていくが、新しい仕事も作り出す。ただし、AIは10個の仕事を奪う一方で、新しい仕事は2個しか生み出さないといった具合だ。

 定量的に考えれば、AIにより雇用の絶対数は減り、“雇用収縮”が生じることは明らかだ。とりわけ雇用の多くを占めてきた労働集約型の仕事こそAIの得意技のひとつであることを忘れてはいけない。
 
 2030年の日本では、データ・サイエンティスト、ドローンやセンサー技術者は引っ張りだこになり、環境や次世代エネルギーに関するデバイス開発者は引く手あまたとなる。自動運転に関するプログラマーもウエアラブルPC開発者も、そしてAIなどの技術を社会問題と融合させて解決策を生み出す社会科学系の研究者も脚光を浴びる。

 つまり、新たな価値を生み出す仕事はAIに奪われない。もちろん、AIのプログラマーも重要な役割を果たす。医療では手術支援ロボット「ダヴィンチ」の普及が進むが、高度な手技を持つ脳神経外科医などはAIに置き換えられない。

 しかし、このような仕事に就ける能力を持つ人は多くはない。

 一方で、労働集約型のコールセンターはAI化でオペレーターの省人化が進み、製造現場の直接作業者も同じ波をかぶる。銀行マンはあこがれの仕事から、やりたくない仕事に転落する。

 薬剤師は仕事の大半がAIに奪われやすく、司法書士、行政書士、社会保険労務士も同様だ。弁護士も例外になりえず、プログラマーでさえ凡庸なレベルではAIに仕事を奪われる。

 非正規雇用は今後も増えるだろうが、AI化はその後押しをしてしまう。

AIの弱点を知れば、未来は明るい

 しかし、AIを過剰に恐れたり、イメージに振り回されたりしてはいけない。なにより、AIの弱点を知ることは大切だ。

 AIは、入力されたデータが正しいかどうかを判断する能力を持ち合わせていないことはNHKの番組ネタで既に言及した通りだ。その結果、入力データを恣意的に選択して、AIから利用者が希望する結果を引き出すことも起こりうる。この度、出版した『物語でわかる AI時代の仕事図鑑』で登場するエリート銀行マンが、頭取によるAI悪用事件に巻き込まれる姿はまさにそれだ(詳しくは本書を読んでいただきたい)。

 近年、上司が指示を出さなければ動けない“指示待ち社員”が問題となっているが、AIは断トツの指示待ち社員でもある。誰かがデータを集め入力しないとAIは役に立たない。AIは自分でデータを探し出して考えることはまだできないし、2030年でも無理だろう。

 そして、AIにできることには限界がある。上梓した本書の物語には女性漁師が登場する。彼女は苦労の末にAIセンサーを使い、定置網漁での漁獲高をアップさせ年収を上げることに成功した。しかし、喜んだのもつかの間で、資源としての魚の量そのものを増やす力はAIにはなかったことに気づく。漁業のルールは水産庁といった規制官庁によって決められていて、規制の存在が、AIの問題解決能力以上の支配力を持っているからだ。AIの限界を知った女性漁師はある行動に出るのだが…。

 今から12年先の2030年は、高齢化と非正規雇用が増加し、老朽化した社会インフラの下で、資金力のある企業を中心にAI化が嫌でも進行し、さまざまな格差が広がっていく。

 そんな時代を生きるにはどんなことを考え、行動すべきか?

 AIの波は避けられない。だからこそ、今までのやり方にしがみつかないこと。AI化から目を背けないことが肝要となる。なにより、AIは万能ではない。弱点もたくさんある。まずは、AIにできることできないことを客観的に理解すること。そして、これまでの働き方に縛られず、新たな働き方を積極的に求めて行動することができれば、AI時代をたくましく生き抜く可能性が高くなる。

 変化に適応できた種のみが生き残るという原則は、2030年のAI時代でも有効だ。

(経営コンサルタント 竹内一正)

        
        竹内一正さんの新刊『物語でわかる AI時代の仕事図鑑



 

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コメント
1. 2018年9月21日 16:05:57 : J6ThIEvUPQ : 3_q6hn3wxq0[1] 報告
入力がなければ出力がないのはAIも人間も同じ。

つまり勉強しつづけなければ馬鹿のままなのはAIも人間も同じ。

常に勉強し続けても世の中の事象すべてを勉強することは不可能なので

常に間違いを犯す。

それが有限な存在である人間とAIだ。

間違っているのはAIを神か何かと勘違いして

AIが出す答えはいつも正しいと思い込むAI信仰だ。

だからたとえAIに任せたからと言って

株や証券取引で失敗しない暴落しないという事はない。

それは優れた証券マンなら暴落させないなどという戯言と同じだ。

暴落させたほうが儲かるならすぐれたAIなら暴落させるほうを選ぶのだ。

人間に近付けば近付くほど人間と同様の誤りを犯す

それがAIだ。

2. 2018年9月21日 19:07:48 : g9YgfJLXBA : MnkuK1V@QWE[4] 報告
人間が合成の誤謬が避けられないように、AIも合成の誤謬は原理的に避けようがない。

AIは、それがいかに優れているように見えても、万能機ではないのだ。

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