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アルゼンチンの政策金利は60%に 新興国通貨下落の日本円への影響は(マネーポスト)
http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/360.html
投稿者 赤かぶ 日時 2018 年 9 月 03 日 21:43:05: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

アルゼンチンの政策金利は60%に 新興国通貨下落の日本円への影響は
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180903-00000006-moneypost-bus_all
マネーポストWEB 9/3(月) 20:00配信


政策金利引き上げでアルゼンチン・ペソを防衛することができるか(写真:アフロ)


 8月末の海外市場では、新興国通貨が大きく下落した。アルゼンチン・ペソが、対ドルで急落し、最安値を更新したことで、アルゼンチン中央銀行は、政策金利を45%から60%に引き上げた。

 アルゼンチン国内のインフレ率を抑えると同時に、通貨アルゼンチン・ペソの防衛を計る目的での利上げと思量できる。

 つまり、政策金利を引き上げることで、「米ドル買い/アルゼンチン・ペソ売り」を抑制し、市場参加者の気持ちを「米ドル売り/アルゼンチン・ペソ買い」に向けることが、その意図と考える。

 政策金利を45%から60%に引き上げたということは、15%の利上げだ。もちろん、大幅な利上げであることは言うまでもない。しかし、この金利政策で、通貨アルゼンチン・ペソを防衛できるかは懐疑的だ。

 いや、もっとはっきり言うならば、政策金利が60%の国に誰も投資をしようとは思わないだろうから、通貨防衛は難しいのではないか。60%の政策金利は、やはり異常だ。マーケットは、アルゼンチンに投資すること自体を避ける方向に向かうだろう。

 新興国通貨の下落で、メキシコ・ペソや、南アフリカ・ランド、トルコ・リラの下落も目立っている。

 そして、新興国通貨の下落は、豪ドルの下落にも波及している。豪ドルは、メジャーカレンシーに分類されることが多いのだが、米ドル、ユーロ、日本円、英ポンドなどと比較すると、新興国通貨に近い性質がある、ということだ。

 トルコ・リラが大きく急落した8月中旬に、それを契機に「安全な避難通貨としての日本円」に資金(資本)が流入する可能性がある、と予想したが、8月末の海外市場では、まさにそういった値動きが顕在化した。

 8月末の海外市場では、ドル/円が、111円台後半から111.00円割れ(110円台後半)に急落したのだが、「安全な避難通貨としての日本円」が注目されたことが、その理由だろう。

 つまり、新興国通貨の下落が日本円の買いに波及し、その結果として、ユーロ/円などのクロス円も下落したと判断できる。

 新興国通貨の下落は、簡単に収まる一時的な問題ではないだろう。さらに新興国通貨に売り圧力がかかるならば、ユーロ/円やクロス円の下落に波及するのではないか、と予想される。

(2018年09月03日東京時間12:00記述)

◆松田哲(まつだ・さとし):三菱信託銀行、フランス・パリバ銀行、クレディ・スイス銀行などを経て、オーストラリア・コモンウェルス銀行のチーフ・ディーラーとして活躍。現在は松田トラスト&インベストメント代表取締役として外国為替や投資全般のコンサルティング業務を行う。HPは「松田哲のFXディーラー物語」(http://matsudasatoshi.com/)。メールマガジン「松田哲の独断と偏見の為替相場」も発信中。


 

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コメント
1. 2018年9月04日 07:40:37 : ioi7C6Azq2 : xSYYRQ2mbpA[65] 報告
好調な米国経済の陰で、中国、オーストリアも含めた新興国がどうして経済不振になり始めたのか。


http://blog.livedoor.jp/sobata2005/archives/52105396.html?1535960772#comments
局所的ではあるが、一部の新興国の経済成長が止まるくらいの流動性逼迫が起こった。

たとえ、それが、紙のような価値の輸出品であるとしても、ドル紙幣を信用通貨として、米国以外の国家が受け入れて、経済活動に使用した時点で、米国は経済的価値を創造することができた。この点で、米国は勝利し、この事実が立派な経済理論だ。

米国の勝利=バブルは株や不動産の資産価格にすでに反映されている。

新興国の経済不振と、金利の高止まりによって、転換点を迎えた米国の住宅投資の不振。米国経済は外堀を埋められながら、経済成長を享受することはできなくなった。しかし、勝利が大きかった分だけ、世界を道ずれにする米国経済の崩壊は来年に持ち越しだ。
Posted by 星野 at 2018年09月03日 16:46

2. 2018年9月04日 09:05:40 : jXbiWWJBCA : zikAgAsyVVk[1408] 報告

世界(〜米国)がデフレから脱却すれば、必然的に、金利は上昇し

資金還流から経常収支赤字の対外債務国の経済は悪化する

そんなことは過去の経験から明らかだったのだから


アルゼンチンやトルコ、さらにはベネズエラなど、経済原理を無視した

ポピュリズム愚民国家がひどい状況になるのは、完全に自業自得であるが


まともな国であれば対処できたし、実際、多くのアジア諸国は備えていた


しかしトランプの米国を典型とする自国第一の保護主義(貿易戦争)政策は、事前の想定を

上回るダメージを生み出したとも言える


ベネズエラ政府の暗号通貨に実態なし、大統領発言と矛盾
Mike Orcutt

2018年09月03日 07時11分更新
記事提供:MIT Technology Review


ベネズエラのニコラス・マドゥロ大統領は、2月に発売開始した、埋蔵原油に裏付けされた政府発行の暗号通貨「ペトロ(petro)」の売上がすでに33億ドルに到達し、ペトロが輸入品の支払いに使用されていると主張する。しかし、 ロイター通信の調査によると、大統領の主張を裏付ける証拠は一切見つからず、ペトロは実際に使える暗号通貨ですらないことが分かった。

ロイター通信は、暗号通貨や油田査定の専門家と4カ月間にわたる調査を実施し、ベネズエラの石油備蓄用地を訪ねたり、ブロックチェーン取引を分析したりした。その結果、ペトロを販売する取引所は1カ所も無く、ペトロを使用可能な店も無かった。ペトロを扱うとされていたネム(NEM)のブロックチェーン上でも、ペトロが発行されたことを示す記録は無かった。

ペトロ・プロジェクトに携わるウグベル・ロア大臣は、ロイター通信に対し、「誰もまだペトロを使用できる人はいませんし、何らかのリソースを受け取った人もいません」と認めている。ロア大臣によると、ベネズエラはまだ独自のブロックチェーン技術を開発中であり、ペトロの購入者は、暗号通貨を受け取る代わりに、将来の暗号通貨を予約した状態になっているのだという。

この話は本当かもしれない。しかし、ペトロがすでに代金の支払いに使用されていると主張するマデュロ大統領の話とは矛盾する。また、ロア大臣のコメントは、大統領による「給料や年金、ベネズエラの法定通貨ボリバルの為替レートは、現在、ペトロと連動している」という最近の発表を一層、ややこしくしている。

【この記事をMITテクノロジーレビューで読む】
https://www.technologyreview.jp/nl/venezuelas-new-cryptocurrency-doesnt-seem-to-exist/

 
2018年9月3日 風間真治
経済危機が止まらない南米ベネズエラの
水面下で広がる仮想通貨の波

カリブ海に浮かぶ小国・ドミニカ共和国に住み、中南米の新興国を舞台に貿易事業を展開する風間真治さん。今回は、通貨単位を10万分の1に切り下げるデノミを実施した南米ベネズエラでの「仮想通貨DASHカンファレンス」のレポートです。
 経済危機がますます加速する、南米ベネズエラでは今、国民たちの海外流出が止まりません。
 
 私が住むドミニカ共和国の首都サントドミンゴは、ベネズエラから飛行機でわずか1時間半。ベネズエラ人は90日未満であればビザ免除で入国できるという協定もあって、日に日にベネズエラ人が増加しており、石を投げればベネズエラ人にあたる、と思うくらい、ベネズエラからの入国者が街に溢れています。
 
 ベネズエラからドミニカ共和国への入国は、90日未満の滞在ではビザは免除されるものの、移住となると居住権を取得する必要があるので、多くのベネズエラ人がビザ免除で入国して、90日を過ぎた後もそのまま不法滞在していると思われます。
 ベネズエラではハイパーインフレ解消の目処は立っておらず、今月に入りついにデノミ(通貨単位の切り下げ)が行なわれ、通貨の価値は10万分の1に切り下げられました。その影響で、銀行口座にボリバル通貨を持っていた人たちは、一瞬にして自分の財産を失うことになったのです。
 
 更に、多くの失業者をうみ出し始めたことで周辺の国々も警戒感を強めており、特に元々移住者が多い、コロンビアやドミニカ共和国、エクアドル、ペルー、チリといった国々では、ベネズエラからの入国者についてはハードルを高めるだろうと予想されています。
 
 実際、先月、私は仕事の関係で、ベネズエラ人を一人ドミニカ共和国に受け入れる予定でしたが、入国時にそのベネズエラ人が所有していた米ドルがわずかしかないという理由で、空港のイミグレーションで監禁されてしまい、次の日まで出してもらえないということがありました。最終的には入国は認められましたが、監禁されている間、ご飯も食べさせてもらえず、水も飲ませてもらえずということで、空港から出てきた時は若干衰弱していて心配しました。私もイミグレーション長官との折衝に立ち回らなければならず、大変苦労しました。
 充分な米ドルを所有してドミニカ共和国に入国できるベネズエラ人など、今どき、ほぼ存在しないのはドミニカ共和国のイミグレーションも十分承知しているはずなのですが、それぐらいベネズエラからの入国者の増加に頭を痛めていて、対策をし始めたということだと思います。
 今回、最低賃金の改正も行なわれ、8月20日からの改正法で、最低賃金は1億8000万ボリバル(約1900円)から1800ボリバルソベラノ(約3300円)になりました。これと同時に、ベネズエラ政府が定めたのは、国がICOで発行した仮想通貨ペトロに裏付けされたデノミ後の新紙幣の発行です。
 1ペトロは現在の原油価格に相当する60米ドルに換算されますが、これが新紙幣になると、3600ボリバルソベラノにあたります。つまり、新紙幣のボリバルソベラノの価値は、1ペトロとペッグされているという状況です。1ペトロが金のように普遍的な価値を持つためには信用が大事になりますが、現状では1ペトロを所有していればオイルと交換が可能ということで、その価値を担保しているかたちです。
 こうした状況下で、特に昨年から続くベネズエラ国内での仮想通貨の広がりは、ますます勢いづいています。
 これまでもレポートしたとおり、私は現在ベネズエラでいくつかのビジネスを展開しており、そのすべての支払いを仮想通貨で送っています。それは、国際送金などができず、仮想通貨での支払い以外、替わるものがないからで、逆に言えば仮想通貨で支払いができる人だけが取引の対象となっているということです。
 ベネズエラ政府は今年に入って、ペトロという国独自の通貨を発行しましたが、ベネズエラ国内でペトロに期待している人たちはほとんどいません。むしろ多くの人は長らく続いている政府の稚拙な舵取りに失望しており、ベネズエラ国民が現在、望んでいるのは政府に管理されない通貨と、それらが現実の生活でより多く使われること。ベネズエラ人たちは政府がコロントロールすることに対して懐疑的な目を通り越して、期待すら抱かなくなっているといえます。
 ビットコインをはじめとした仮想通貨の取引量は、世界的にみると、一時のバブル時期に比べて低迷しているなかで、ベネズエラではビットコイン通貨の値段が下がろうと上がろうと、全体の取引高がいまだに多く、また特筆すべきは仮想通貨での実質社会での使用が増えてきており、世界でも類を見ない仮想通貨のユースケース大国となっている点です。
「DASHベネズエラ」カンファレンスに参加して
 そのベネズエラの仮想通貨コミュニティの中でも圧倒的な存在感を示すのが、リーダーのエウヘニア女史率いる「DASHベネズエラ」というコミュニティで、毎月一度、首都のカラカスでカンファレンスを開催しています。今回は、そのカンファレンスに参加して目にし、耳にした様子をレポートしたいと思います。
DASHベネズエラのボードメンバーとリーダーのエウヘニア女史(左から3番目、左から2番目が筆者)。
 カンファレンスは首都カラカスのホテルの広間で行なわれました。そこで、DASH ベネズエラの発起人でありリーダーでもあるエウヘニアさんとボードメンバー10人ほどとともに、話をする機会がありました。
 
 リーダーのエウヘニアさんは、ベネズエラだけでなく中南米全体の仮想通貨界においてもキーパーソンの一人といえる有名な方ですが、日本人の私の興味に、とても丁寧に対応してくれました。
 
 話を聞いて驚いたのは、DASHベネズエラがスタートしたのが2017年9月からで、まだ数カ月しか経っていないにもかかわらず、多くのコミュニティを形成していることです。エウヘニアさんは現在、自らの仕事を中断して、ベネズエラ国内のDASHの普及に専心しています。当初は毎月のカンファレンスは20人ほどの集まりでしたが、今では2000人規模に急成長を遂げています。
 今回カンファレンスに参加し、彼女がもつカリスマ性が、こうした活動に影響を及ぼしていることを強く感じました。私も仕事上、多くの中南米人と対峙してきた経験がありますが、彼女と話していてその独特のオーラというか、自然体で話す雰囲気が印象的でした。
「DASH」という仮想通貨は、ベネズエラ国内で現在、タクシー、レストラン、美容院、バイク店舗など全部で約200店舗が決済手段として導入しています。短期間でこれだけ店舗を増やしてきたことは驚くべきことですがさらにコミュニティは2018年末までに1000店舗導入を目標に掲げていたのですが大きく前倒しする形ですでに8月現在でこの1000店舗の数字をスピード達成しており、またさらにこの増加数は日を追うごとに増えているという状況で止まるところを知りません。
 BITCOIN日本語情報サイトのデータによると、世界最多の仮想通貨のコミュニティがあるといわれている日本で、2018年8月10日現在のビットコインの対応店舗数が実店舗ベースで259店舗ですので、いかにベネズエラ国内でのDASH対応店舗が広がっているか分かるかと思います。
 ベネズエラでは深刻なハイパーインフレのため、ベネズエラ滞在中にもっとも困るのが外食です。というのも、まずベネズエラ国内で現金が手にはいりません。また、公定レートと闇レートが20倍近く離れており、物価が闇レートを基準に決まっています。そのため、クレジットカードを使用して支払いをしようとすると、小さなサンドウィッチが2万円とかしてしまうひどい状況です。
 
 そこで、助かるのが、このDASH対応のレストランなどです。ベネズエラに来る数日前から知り合いに、「いざという時のために、ベネズエラの入国前に、携帯のウォレットにDASH通貨をいくらか入れておいたほうがいい」とアドバイスをされていたのですが、今回、エウヘニアさんとカラカス市内にあるレストランで昼食を共にさせていただく機会がありDASHで支払いをしましたが、物価を気にせず安い値段で支払いをして、美味しい昼食を食べることができました。
エウヘニアさんとレストランで昼食を食べDASH通貨で支払いました。
独自の活動資金システムが機能
 ところで、急成長を遂げている「DASHベネズエラ」の毎月の活動資金には、独自のシステムが機能しています。
 
 グローバルなDASHコミュニティでは、DASHの普及に寄与するなんらかの活動を提案し、それが「マスターノード」と呼ばれる運営者たちの投票によって有益とみなされた場合には、コミュニティの中で活動資金が送られる仕組が採用されています。
 
 DASHベネズエラには、毎月100DASH(2018年5月現在の価値で3万〜4万米ドルほど)が活動予算として配給されており、この資金を利用して、カンファレンスの運営や店舗設置の営業活動などを賄っています。
 
 ちなみに世界にはDASHが設置する「DASH大使館」と呼ばれるものを設置している国もあります。これらの大使館には、その国におけるDASH通貨の普及を目的としたエージェントのような人がおり、彼らが予算の範囲で毎月、その国でDASH通貨の宣伝活動をしたり、またDASH通貨の使い方や質問に答える活動をしています。これらも、先に紹介したマスターノードによって、予算が割り当てられており、世界にはこのようなDASHの活動を支えている大使館がいくつかあったりもします。
 この話を聞いて、こうした運営システムは、中南米では通貨の普及に比較的適したやり方ではないか、という印象をもちました。通貨というのはそもそも、その通貨の経済圏での「共同幻想」ともいえます。通貨=お金に何か実質的な価値があるわけではなく、そこの国なり地域に属している人が「価値がある」と思い込むことで成り立っています。そしてその通貨を何らかの活動により受け取った人が、次に何かを買いたい時に、「おそらく受け取ってもらえるはず」と信じることができるというのが大事なのです。
 
 DASHコミュニティが持つ予算配分の仕組は、カトリックの普及活動にとても似ています。どちらも同じ、なにかを信じるコミュニティを作るからです。バチカン市国にはカトリック教会の本拠地があり、そこでは国家予算なども決められていて、毎年各国にあるカトリック教会からの募金などで歳入があり、また普及活動などの活動予算配分などが決められて、各国の教会が普及に役立てています。
 
 中南米ではコロンブスの時代からカトリックがこうしたシステムを普及させてきた歴史があり、カトリックの国が多いことからも、DASHとの相性も良さそうだと勝手ながら思ってしまいました。
 
 また、ベネズエラのような一つの国家も「共同幻想」であり、国家という目に見えるものが存在するわけではありません。その国に所属する一人ひとりが「自分たちがこの国に所属している」と思い込むことで国が成立しているのであって、それらの共同幻想を成立させるために、国は様々な努力をしているといえます。その本来は目に見えて存在しない「国家」を思い込ませるために、役立っているもののひとつが国家が発行する通貨ではないでしょうか。
 
 だから国家にとって「通貨」というものの信用性を保つことはとても大事であり、一方では我々が何を信用して通貨とするかも、決めるのはそこの国で生活している一般市民のオプションなのです。ベネズエラ国家が発行したボリバル通貨が国の中で信頼されずに、価値が暴落したのは良い例です。
コミュニティのサービス事業
 DASHベネズエラのコミュニティの中には、この予算制度を使って、様々なDASHサービス事業を立ち上げた起業家もいるといいます。ここから雇用も生み出しているのですが、たとえば以下のようなものがあります。
●DASH HELP:ベネズエラ、コロンビアなど中南米の数カ国で、DASHを使用するにあたっての質問や困ったときのヘルプセンターとしての役割を担う
●DASH YOUTH:ベネズエラ国内における主に10代のティーンエイジャー向けの仮想通貨育成事業を、大学などのキャンパスを中心に行う
●CRIPTO LUGARES : ベネズエラ国内におけるDASHの使用設置店舗を携帯のアプリ上で紹介する
●DASH MAERCHANT:ベネズエラ国内におけるDASHで買える商品、サービスを増やす
●CRIPTO LIFEX :ベネズエラ国内で法定通貨とDASH通貨の購入や売却を担うマーケットサイトを運営
DASH HELPのメンバー。DASH通貨のヘルプセンターにて【撮影/風間真治】
DASH YOUTHのメンバーたちと、カラカス市内のボリバル大学構内にて。
参加者は2000人! DASHの無料配布が大人気
 当日のカンファレンスは、早朝から長蛇の列ができていました。当日来た人にはまずスマートフォンで「DASHウォレット」と呼ばれる携帯財布の作り方をレクチャーされ、その後、全員に米ドルにして約12ドル(約2600円)分のDASHが配布されます。
 
 これは、午後に行なわれる、DASHで買い物体験ができる「DASHシティ」と呼ばれるイベントのために、無償で配っているものですが、現在のベネズエラでは、平均給料が米ドルにして月間2ドル(約220円)弱ほどとなっており、多くのベネズエラ人にとって米ドル換算で12ドルもの通貨DASHをもらえるというのはかなり魅力的です。
 
 DASHシティでの買い物体験がインセンティブとなって、来場している人たちも多いのかなと思いますが、それにしても、午前のカンファレンスと午後のアクティビティを含めて、合計2000人以上もの人が訪れるという熱気ぶりに、このDASHコミュニティの盛り上がりを実感しました。
ホテルで行われたDASHベネズエラのカンファレンス、早朝から長蛇の列【撮影/風間真治】
来場した人全員にDASH通貨が無償で配られた【撮影/風間真治】
 午前のカンファレンスは、500人ほど入るカンファレンスルームで行なわれましたが、ここでは仮想通貨全般の基本的な知識のレクチャーやDASHの歴史などが紹介されていました。仮想通貨のレクチャーでは、「公開鍵」や「秘密鍵」の仕組みなど、重要な技術的知識の説明がある一方、「なぜ今のベネズエラでDASHを使うべきか」という問いに対して、「決済時間がわずか1秒であること」など、便利さを強調していた印象がありました。
 その後は、DASHベネズエラとしての取組みやベネズエラのDASH提携企業や提携店舗の紹介、今後の展望、DASHヘルプセンターの説明など、DASH通貨を使ううえでの様々なサービスを紹介し、充実した内容でした。
 
 実際に私がDASHで支払いをした際も、スマートフォン端末で1秒で処理され、すごく快適でした。この1秒で処理されるという要素は、今後仮想通貨が実際に利用されるかどうかにとって、とても重要な要素だと思います。ちなみに、ビットコインはまだまだ支払いの処理が20分ほどかかるケースがあるため、今後の技術が進むことをこちらも期待したいです。
カンファレンスの様子【撮影/風間真治】
 午前のカンファレンスの後で、特別ということで参加させていただいたのが、ベネズエラ全土に20カ所あるコミュニティの代表者会議です。この日は地区別の代表者、責任者が全員集まり、2018年末までの具体的な目標を話し合っていました。
 
 主なところでは、年末までに1000カ所のDASH通貨決済店舗を設置すること、35社の戦略的提携企業を実現すること、ベネズエラ以外にもDASHベネズエラのコミュニティをあと2カ国広げること(1カ国はお隣のコロンビアですでに実現)、DASHコミュニティの提携企業から輸出事業で持続的に外貨獲得を入手できるような企業を育てること、今後少しずつ自分たちで活動予算を獲得できるような仕組をつくっていくこと、など。利益をあげる仕組については、DASHベネズエラの知名度を使い、ベネズエラの大手企業と提携して宣伝費用を徴収するなど、すでにいくつか実現しています。
 
 話合いはすべて、代表者の投票制で決められており、想像以上に組織化されているのと、今年の目標達成のための予算を獲得するために、クラウドファウンディングで資金を集めていることにも驚きました。
DASHベネズエラの地区別代表会議の様子【撮影/風間真治】
DASH シティでDASHの買い物体験
 午後は、ホテルの貸し切りスペースにDASH決済を採用している店舗の方たちが出店し、そこで昼食を買ったり商品を買える、「DASHシティ」(DASH通貨の街)が作られていました。入場時に配られたDASHを利用して、ここで買い物体験をしてもらうという試みで、これが大好評。17時過ぎぐらいになると、人が通れないほど混み合い、夜まで盛り上がっていました。
 
 ここでの支払いはすべて、スマートフォンので「DASHウォレット」からQRコードをかざして支払いをするものです。現在ベネズエラが国家として発行しているペトロ通貨も、QRコードで支払いをするシステムが提案されているため、ベネズエラの人たちがこの方法に慣れていくと、すぐに定着するのではないかとも感じました。
「DASHシティ」と呼ばれる仮想通貨の街を再現【撮影/風間真治】
支払いはスマートフォンからDASHで行なう【撮影/風間真治】
 なお、DASH決済が利用できるレストランやタクシー会社などの情報は、ベネズエラのスタートアップ会社「CRYPTO LUGARES」のアプリで得ることができますので、ベネズエラを訪れる際は一度見ておくと便利かなと思います。なお、このCRYPTO LUGARESはDASHコミュニティから予算を獲得して起業したメンバーが経営しているサービスサイトです。
DASH をモチーフにした商品も
 ベネズエラでは最近、「DASH」のマークが入ったクリプト商品がでてきています。「クリプト」というのは仮想通貨の英語、クリプトカーレンシーの「クリプト」のことで、要は仮想通貨をモチーフにした商品です。クリプトシャンプーやクリプトキーホルダーなど様々。今回の「DASHシティ」でもクリプト商品が販売されていましたが、これらも人気を博していて、現在のベネズエラの仮想通貨の人気を象徴しているように感じました。
DASHのマークが入ったクリプトシャンプーも好評【撮影/風間真治】
(文・撮影/風間真治)
著者紹介:風間真治(かざま・しんじ)
商社の海外営業、中南米のドミニカ共和国駐在を経て独立。現在はカリブ海に浮かぶドミニカ共和国に住みながら、主に中南米諸国でこれから経済が成長していくような国々を頻繁に回り、未知なる客先を訪ね歩いては様々な新規事業の開拓に取り組む日々。中南米ではいくつかの国に会社を作り、貿易事業、港湾の通関業、不動産事業、インターネット事業、中古車販売業などを手がける。

3. 2018年9月04日 09:13:38 : jXbiWWJBCA : zikAgAsyVVk[1409] 報告

#緊縮策に切り替え、IMF支援を要請したアルゼンチンは、まともな方向に向かいつつあるようだが

現実を無視した愚かな左翼政権を選んだベネズエラの結末は、かっての旧ソ連同様の国家崩壊

そして周辺諸国への混乱の輸出は、内戦状態に匹敵する


 

 

ベネズエラ、経済危機で難民大量流出
Viewpoint-2018/08/29
反米左派マドゥロ政権下で経済崩壊の危機に直面している南米ベネズエラ。食料や ... 1998年から続くベネズエラの反米左派政権は、ウゴ・チャベス前大統領(2013年3月がんで死去)が提唱した「21世紀型社会主義の実現」を目指してきた。

ベネズエラで止まらない危機の連鎖 首都カラカスの断水で病院の手術が ...
Newsweekjapan-2018/08/15
ハイパーインフレ、不足する医療物資、スーパーの棚は空っぽ――国民の苦難が続くベネズエラの首都カラカスで、水不足がさらに追い討ちをかけて ... ロイター通信によると、医療器具が洗えない病院では手術を延期せざるを得ない、と伝えた。 


ベネズエラの妊婦がブラジルに殺到、病院はてんてこ舞いに
ロイター-2018/08/22
ボアビスタ(ブラジル) 22日 ロイター] - 経済困窮と政治混迷に悩むベネズエラから、妊婦が出国し、出産のためブラジルに ... 市内の病院には長い列ができ、これほど多数の医療処置の必要な人に対応できるだけの設備がない」と語った。


経済苦境深まるベネズエラ、市民がブラジルに逃避 国境キャンプ攻撃も
BBCニュース-2018/08/20
経済危機が深刻化するベネズエラから、隣国ブラジルに逃避する市民が増えている。ブラジル軍の報道 ... 国境を越えてブラジルに入ったベネズエラ市民の多くは空腹を訴え、母国では医療サービスが受けられないと話した。 ブラジル軍による ...
住民がベネズエラ人移住者追放 国境市のパカライマで=ロライマ州
サンパウロ新聞-2018/08/21


ペルー、国境に非常事態宣言 疫病感染のベネズエラ人が大量流入?
Newsweekjapan-2018/08/29
ペルーは28日、経済危機と飢餓から逃れてくるベネズエラ人の流入が止まらない問題を受け、北の国境について公衆衛生 ... ペルーの保健当局は先にも、大半の流入者は母国で基礎的な医薬品と医療にアクセスできておらず、流入した人々 ...
ペルーが北部国境に非常事態宣言、ベネズエラ人の大量流入受け
Reuters Japan-2018/08/28

経済危機のベネズエラ、通貨を10万分の1に切り下げ
CNN Japan-2018/08/21
(CNN) 経済危機に直面するベネズエラで20日、通貨ボリバルを10万分の1に切り下げるデノミネーションが実施された。 ... ベネズエラでは最近、食料不足や医療事情の悪化、インフレ、政治危機などから逃れようと、多数の国民が近隣国へ ...
ベネズエラで新紙幣配布も…
テレビ東京-2018/08/22
 


CNN Japan
ブラジル国内のベネズエラ人は3万800人=3年前の1千人が30倍に
ニッケイ新聞-2018/08/29
ロライマ州の知事のスエリー・カンポス氏は22日、国境を越えてパカライマ市に入ってくるベネズエラ人は1日800人に上り、州内の学校に在籍中のベネズエラ人子弟は1484人に上り、同州の医療機関で診察や検査などを受けた人の数は ...
ブラジル、ベネズエラ国境へ軍隊派遣 移民の大量流入に危機感
CNN Japan-2018/08/29

ベネズエラ難民巡り国際会議 9月開催
日本経済新聞-2018/08/24
【サンパウロ=外山尚之】経済が崩壊状態のベネズエラから難民の流出が続き、国際社会が対応に追われている。南米エクアドル政府は難民問題に対応するため、9月17〜18日に中南米諸国が集まる会議を開く。国連難民高等弁務官事務 ...

経済危機のベネズエラで230万人が国外に脱出 医薬品不足も深刻
livedoor-2018/08/19
国連は14日、6月の時点でおよそ230万人のベネズエラ人が、危機に直面した母国から主にコロンビア、エクアドル、 ... ドゥジャリク事務総長報道官は、ベネズエラ国内の基礎的な医薬品や医療用品の深刻な不足が「病院の品質の急激な悪化 ...

キューバ最大の外貨獲得源「医師・看護師派遣」の闇が問題化
ハーバー・ビジネス・オンライン-2018/08/28
ところが、派遣された医師や看護師ら医療団は、キューバ政府が派遣前に約束したこととは全く異なる厳しい現状に直面し、その結果、その職務を放棄して米国に移住するという現象が起きているのである。これが特に顕著なのはベネズエラに ...

4. 2018年9月04日 10:34:15 : jXbiWWJBCA : zikAgAsyVVk[1411] 報告

2018年9月4日 / 05:37 / 5時間前更新
アルゼンチン、緊縮財政策を発表 輸出品課税や歳出カットなど
1 分で読む

[ブエノスアイレス 3日 ロイター] - アルゼンチンのマクリ大統領は3日、大豆輸出に対する新たな課税や歳出の大幅カットなどを含む緊急の経済対策を発表した。国際通貨基金(IMF)の500億ドルに上る融資プログラムを加速させるため、来年度予算の均衡化を目指す。

それによると、来年度の財政赤字縮小分のうち約半分は歳出カットで実現。また歳入増については、ほぼすべてを輸出品への課税で賄う。一次産品の輸出には1ドル当たり4ペソ、その他の輸出品については1ドル当たり3ペソを課すという。

マクリ大統領は新税について「より質の高い雇用を生み出す輸出拡大という、われわれが育成したいことに反する」と認めた上で、緊急の対策だとし、経済が安定を取り戻せば廃止すると明言した。

アルゼンチンは大豆かすと大豆油の輸出世界トップで、大豆とトウモロコシの出荷でも世界有数。農家や輸出業者は為替相場の動向から売り時をはかるため、新税導入でアルゼンチンからの穀物出荷が遅延する可能性もある。

ドゥホブネ財務相は4日、ワシントンでIMF高官と会い、6月に合意した融資実行を加速させるために協議する。

またドゥホブネ氏は、今年のアルゼンチン経済は予想されていた1%のマイナス成長を上回る悪化になるとの見通しを示した。

政府はこのほか、子ども向け福祉など社会保障制度の強化、閣僚ポストの縮小(現行の19から10に)、インフラ開発向けの来年度歳出を27%減らす方針を示した。

ドゥホブネ氏によると、こうした措置で基礎的財政収支(プライマリーバランス)対GDP比1%の黒字化が2020年度までに実現できるという。

あるトレーダーは、新たな財政目標の実現に懐疑的な見方を示したほか、アナリストの反応もまちまち。予想より小規模だったとの声や、来年に政治的混乱が拡大するとの懸念もある。

ただ、EFトムセンのフェデリコ・トムセン氏は「こうした数字を悲観的に見てもデフォルト(債務不履行)についての話はばかげている」と述べた。

 


 

 
通貨下落、世界の景気に暗雲 アルゼンチンは必死の声明
ワシントン=青山直篤2018年9月3日07時02分
写真・図版
新興国通貨が下落している

 新興国通貨の下落が目立っている。利上げが続く米国へ新興国から資金が引き揚げられ、アルゼンチンやトルコは通貨危機の様相だ。トランプ米政権の保護主義も世界中で摩擦を引き起こし、堅調な世界の景気に暗雲がたちこめつつある。

 アルゼンチンの中央銀行は8月30日、政策金利を年45%から60%に引き上げた。それでも通貨ペソは一時1ドル=42ペソ周辺と過去最低水準に下落し、8月の下落率は30%超、年初からでは50%超に達した。その後1ドル=37ペソほどまで持ち直したが不安定な値動きが続く。

 マクリ政権は併せて財政健全化も進めて「ペソ売り」を止めようと必死だ。国際通貨基金(IMF)のライス報道官は31日の声明で「アルゼンチンはIMF資金の完全な支援を受け、同国当局の強い決意で現在の難局を乗り切ると確信している」と強調した。今月4日にはIMFのラガルド専務理事とドゥホブネ財務相が会談する。

 背景には米国の利上げがある。米連邦準備制度理事会(FRB)は2015年末に利上げに転じ、金融緩和の出口に向かう。景気過熱を抑えるため、今年はすでに2回の利上げを行い、年内あと2回の見込みだ。

 金融緩和下では低金利の米国から新興国へ投資資金が向かったが、今は金利が上がる米国へ新興国から資金が流出している。01年に財政破綻(はたん)し信用力が低いアルゼンチンは特に影響を受けやすい。

 トランプ米政権の強硬な外交・通商政策も新興国不安に拍車をかける。トルコがテロ支援などの罪で米国人牧師を拘束していることに反発し、8月、トルコへの関税を引き上げた。トルコ経済への不安は高まり、通貨リラは急落。利上げを拒もうとしたエルドアン大統領の姿勢も拍車をかけた。8月の下落率は30%超、年初来では40%超だ。トルコ向け融資が多い欧州の金融機関への不安も出ている。

 米政権の保護主義政策は世界の貿易を縮小させかねず、中国との対立は出口が見えない。人民元相場は対ドルで下落傾向で、貿易摩擦でさらに中国経済の不安が高まれば、世界の景気にブレーキがかかる。

 新興国通貨安はまだ深刻な悪影響には至らず、急激な円高にもなっていない。しかし世界経済への「危険信号」で、「金融危機の本質は、本当にコントロール可能かは誰にも分からないことだ」(プリンストン大のアラン・クルーガー教授)と、今後を懸念する声も目立ち始めている。(ワシントン=青山直篤)

 
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2018年9月4日 / 00:46 / 10時間前更新
トルコ中銀が次回会合での利上げ示唆、インフレ高進受け
1 分で読む

[イスタンブール 3日 ロイター] - トルコ中央銀行は3日、物価安定への「重大なリスク」に対応する考えを示した。この日発表された8月消費者物価指数(CPI)が約15年ぶりの高い伸びになったことを受けたもので、金融市場の沈静化を図る狙い。

中銀は今月13日に政策決定会合を開くが、今回のコメントは利上げ実施を示したものとみられる。通貨危機の中、脆弱な物価見通しを浮き彫りにした形だ。トルコリラは対ドルで年初から約40%下落しており、食料品から燃料までさまざまな製品コストが跳ね上がっている。

8月CPIは前年比17.9%上昇となり、市場予想を上回った。

この統計が発表された直後、中銀はコメントを発表。「インフレ見通しに関する最近の動向は、物価安定への重大なリスクを示している。中銀は物価安定を支援するために必要な対応を取る方針だ」とし、「金融スタンスは最近の動向を踏まえ、9月の金融政策委員会で調整される」との見解を明らかにした。

投資家にとって大きな疑問は、中銀がインフレ抑制に十分な利上げを実施できるのかという点だ。7月の会合では、予想に反して金利を据え置き、リラ急落につながった。前回の利上げは6月会合で、政策金利である1週間物レポレートを1.25%ポイント引き上げ17.75%とした。

ラポバンクのストラテジストは「適切な利上げが求められており、利上げをすると宣言したことにより、中銀は次回会合で期待を上回るバーを引き上げてしまったかもしれない」と述べた。

中銀のコメントを受け、リラTRYTOM=D3は直ちにこの日の下げ幅を縮めた。1132GMT(日本時間午後8時32分)時点で、1%安の1ドル=6.6100リラ。

 

 

苦境の新興国市場、アルゼンチンとトルコ主導で急ピッチな展開へ
Netty Ismail、Lilian Karunungan、Justin Villamil
2018年9月4日 6:22 JST
• トルコ中銀は金融政策スタンスを来週調整すると発表
• アルゼンチン大統領:均衡予算を前倒しで実現へ
今週の新興国市場は急ピッチな相場展開となりそうだ。トルコとアルゼンチンが先月売り込まれた通貨のてこ入れに動いているためだ。
  トルコの中央銀行は3日、インフレが8月に2003年以来の高水準に加速したことから、金融政策スタンスを来週調整すると発表。アルゼンチンのマクリ大統領は、増税と歳出削減を通じて均衡予算を1年前倒しで実現させると表明した。
  SMBC日興キャピタル・マーケットのエグゼクティブディレクター、オクサナ・ラインハルト氏は、「トルコとアルゼンチンは無視できない2つの重要な問題だ。アルゼンチンは幅広く安定してきたトルコよりもっと大きな原動力になる可能性がある」と予想した。
  アルゼンチン株主導で世界の株式と新興国通貨は3日、軒並み下落し、米国の祝日にもかかわらず投資家に息つく暇も与えなかった。SEBのチーフ新興市場ストラテジスト、ペール・ハマールンド氏によると、財新伝媒が発表した中国の8月の新製造業購買担当者指数(PMI)が予想よりやや大きく低下したことは、同国経済の失速が続いていることを示唆し、新興国資産への投資意欲をそいでいるという。

原題:Embattled Emerging Markets Will Take Cues From Argentina, Turkey(抜粋)
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イラン通貨、急落−米制裁再開控え原油輸出が落ち込む
Arsalan Shahla、Ladane Nasseri
2018年9月4日 9:58 JST
• テヘラン商業地区の両替所でリアルは対ドルで約9%下落
• 両替商は店舗閉鎖、当局の通貨防衛能力巡る懸念広がる
イランの通貨リアルは3日の取引で急落。米国による制裁再開を控え、当局は通貨防衛に無力かもしれないとの懸念が広がり、一部の両替商は店舗を閉鎖した。
  テヘラン商業地区の両替所で、リアルは対ドルで1ドル=11万8000−12万1000リアルと、2日から約9%下落。両替所が立ち並ぶフェルドーシ通り近辺では6業者がドルの売買をしていないとの掲示を出している。

  リアルの対ドルでの下げは8月初旬以降で最も大きい。米制裁再開を数週間後に控え、イランの8月の原油輸出が約2年半ぶり低水準に落ち込んだ。2015年の核合意から米国が離脱したことで危機感が広がる中、ロウハニ大統領はすでに物価上昇を巡る不満の高まりに見舞われており、リアル安でロウハニ政権に対する圧力がさらに強まる公算が大きい。
原題:Iran Rial Resumes Drop as Oil Sales Sink Ahead of Sanctions (1)(抜粋)
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ブレント原油が約2カ月ぶりの高値−イラン輸出が16年以来の低水準
Amy Stillman
2018年9月4日 6:38 JST
• イラン8月の原油とコンデンセート輸出は日量210万バレル弱に減少
• 米制裁の全面的発効を控えバイヤーがイランからの調達減らす
3日のロンドン市場で、北海ブレント原油先物相場が約2カ月ぶりの高値となった。イランの原油輸出急減が背景。米国の対イラン制裁の全面的な発効を数週間後に控え、アジアのバイヤーがイランからの調達を減らしている。
  ブレント原油先物は前週末比0.7%高。ブルームバーグ集計のデータによると、イラン産の原油およびコンデンセート(超軽質原油)の輸出量は8月に日量210万バレル弱と、2016年3月以来の低水準に落ち込んだ。一方、トレーダーは予想される供給ギャップをサウジアラビアやロシアの生産が穴埋めする兆候を探している。8月にはロシアの生産が旧ソ連崩壊後の最高水準付近にあり、石油輸出国機構(OPEC)の生産も今年最高の水準に膨らんだ。
  PVMオイル・アソシエーツのアナリスト、スティーブン・ブレノック氏はリポートで、「強気のセンチメントを支えているのは、ますます相場に有利な供給見通しだ。イランの原油輸出の下振れによるところが大きい」と指摘した。
  ロンドンにあるICEフューチャーズ・ヨーロッパのブレント原油先物11月限は前週末比51セント高の78.15ドルと、7月10日以来の高値で終了した。

原題:Brent Crude Nears Two-Month High as Iran Ships Least Since 2016(抜粋)
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5. 2018年9月04日 12:38:36 : 0CejVRban6 : urcdmA9xc1s[9657] 報告
世界で最も急速に経済成長を遂げているのは、引き続きインド

インド経済は、2018年4月〜6月期に8%以上成長。好調な製造業が、世界で6番目の経済大国の2年以上にわたる急速な成長を後押しした。
他(中国)に比べて、トランプ氏の貿易戦争の懸念にさらされていないことが理由
https://goo.gl/NWcA8P

アジアの時代ですね。

6. 2018年9月04日 16:20:24 : jXbiWWJBCA : zikAgAsyVVk[1427] 報告
新興国市場は見た目ほど割安ではない
今は無邪気な逆張り投資家の出番ではない

トルコとアルゼンチンの通貨は今年、対ドルで半値付近にまで下げた(写真はイスタンブールの観光名所、8月20日) PHOTO: LEFTERIS PITARAKIS/ASSOCIATED PRESS
By
James Mackintosh
2018 年 9 月 4 日 14:59 JST
――筆者のジェームズ・マッキントッシュはWSJ市場担当シニアコラムニスト
***
 通貨は急落、政策はめちゃくちゃ。新聞は国際通貨基金(IMF)による過去最大規模の救済を大々的に報じている。新興国市場はますます混迷を深めているようだ。
 新興国市場の株価は先進諸国の株価、特に値が張る米国の株式市場と比べると大幅に割安に見える。では新聞の見出しに目をつぶり、胸やけを無視して新興国市場の株を買うべきタイミングなのだろうか。
 率直に言って答えはノーだ。そうした純粋な逆張り戦略が妥当なときもあるが、今はそうではない。確かに今後12カ月の予想株価収益率(PER)で見ると、米国株は17倍近いのにMSCIエマージング・マーケット・インデックスは11倍しかない。トルコとアルゼンチンの通貨が対ドルで年初からおよそ半値まで下落した結果、経済が比較的安定しているインドやインドネシアのような国の通貨まで下げている。しかも最大の新興国市場である中国は弱気相場に戻っており、中国株を多く組み入れている新興国市場の株価指数も下げている。
 とはいえ、新興国市場の株価は昨年の上昇分をすっかり失ったわけではなく、主要債券指数も昨年の利益が帳消しになったわけでもない。ましてや本当に割安と言える価格まで下落してもいない。過去の水準と比較すると、バリュエーションではそれほど割安感はない。それどころか指数が割安に見えるのは、先進国でも買いたいという人が少ないセクターのウエートが高いからでしかない。

新興国の株は割安ではない
先進諸国と比較した場合に新興国の株価指数が割安に見えるのは不人気セクターのウエートが高いため
予想PERを先進国と比較した場合の割安度

Source: FTSE Russell*Emerging sectors reweighted to match FTSE Worldweights

 一番理解されていないのは最後に挙げた点ではないだろうか。先進国と比べると、新興国市場には銀行や素材メーカーが多く、これらのセクターは流行の先端を行くセクターより低いバリュエーションで取引されている。FTSEラッセルでグローバルマーケットリサーチ部門のトップを務めるフィリップ・ロウラー氏によると、セクターのウエートを先進国の水準に合わせて調整すると、新興国市場の株価指数の予想PERはFTSEワールド・インデックスと同水準になるという。
 混乱に乗じて新興国市場の上場投資信託を割安価格で買い、台頭しつつある中産階級に投資したいという向きはがっかりすることになるだろう。時価総額が10億ドルを超える新興国市場株で最も割安な株式25%のうち半分近くが金融セクターで、ギリシャやトルコ、中国の銀行が多く含まれる。残りも多くが低成長の公益企業かロシアの石油企業だ。株価純資産倍率(PBR)で見てバリュエーションが低いこれらの株式のうち、消費者関連セクターの銘柄は8%にすぎず、医療セクターの銘柄は一つもない。
 新興国の中でも最も株価の高い市場はそれとはかなり様相が異なり、消費者関連や医療セクターに属する株が半分を占める。この2つのセクターは米国を除く先進国と比べると割高だ。時価総額が圧倒的に高いのは中国の主要ハイテク株で、これらの株も今年に入ってから大きく下げたにもかかわらず割高だ。

株価の下落新興国市場の株価は下落している ものの昨年初頭に比べると依然高い

Source: Thomson Reuters

 ベアリングスでマクロ経済と地政学に関するリスクを担当するクリストファー・スマート氏は「新興国株価指数のPERを見ると判断を誤る」と指摘する。「新興国市場の指数は新たに登場した中産階級を反映する以上に、テクノロジーやコモディティ(商品)の世界的なサイクルを大きく反映している」
 新興国市場に割安な資産がそれほど多くないとなれば、特に大きな打撃を受けた国で機会を探るという考え方もある。問題はトルコもアルゼンチンも、多額のドル建て債務を抱えていることだ。通貨を切り下げれば輸入が多すぎて輸出が少なすぎるという問題には対処しやすくなるが、アルゼンチン政府とトルコの銀行にとって債務の返済は一層困難になる。
 債務不履行(デフォルト)なしでこうした問題を解決できると思うなら、多くのトルコの銀行株が簿価の半値を下回る水準で取引されていることを知るべきだ。ドル建ての4年債の利回りは20%を超えている。アルゼンチンのドル建て100年債の利回りは10%を上回っており、デフォルトが起きないとは言えない。
 近年の歴史が示すように、大幅な通貨切り下げ後に株を買えば成功するケースが多かった。1994年のメキシコ通貨危機(テキーラ危機)のあとも、1998年のロシアのデフォルトのあとも、2001年のアルゼンチンのデフォルトのあとでさえそうだった。しかし成功するかどうかはタイミング次第で、タイミングは運によるところが大きい。デフォルト直後の2002年初頭にアルゼンチンの株式をドル資金で買った投資家は半年以内に投資資金の半分を失ったが、7月まで待った投資家のドル資金はその後の1年半で3倍になった。
 最近の歴史には誤解を招きかねないところもある。過去の大幅な通貨切り下げは、固定為替相場制が廃止された際に行われたケースがほとんどだ。したがってアルゼンチンやトルコの通貨のように変動相場制を採用する通貨が大きく下げた例は極めて少なく、参考にならない。政治が及ぼす影響を予想するのは難しいが、資本統制は完全に説明がつく。その場合、利益を手にするのは難しくなるだろう。
 今の新興国市場では、資産が安い場合はそれなりの理由があって安いことを投資家は認めるべきだ。真剣に分析してその理由に納得できないということももちろんあるだろう。しかし今は無邪気な逆張り投資家の出番ではない。
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7. 2018年9月04日 19:03:02 : d09awybmvs : 9XELq6f142c[109] 報告
大揺れが 走る地球の 反対で
8. 2018年9月05日 07:46:24 : jXbiWWJBCA : zikAgAsyVVk[1440] 報告
2018年9月5日 / 04:09 / 4時間前更新
米、アルゼンチンとIMFの支援前倒し巡る協議を支援=トランプ大統領
1 分で読む

[ワシントン 4日 ロイター] - トランプ米大統領は4日、米国が「試練の時にある」アルゼンチンをサポートし、融資の早期獲得を巡る国際通貨基金(IMF)との協議を支えていく考えを表明した。

トランプ大統領は声明で、アルゼンチンのマクリ大統領と電話で会談したことを明らかにし、「マクリ大統領のリーダーシップに信頼を置いており、経済問題対処に向け金融・財政政策の強化を目指す、IMFとの協議を強く支えていく」と述べた。


 

 


アルゼンチン通貨危機、市場がこれほど心配する理由 財政赤字、インフレ高進、迫り来る景気後退・・・IMF救済の行方
2018.9.5(水) Financial Times
(英フィナンシャル・タイムズ紙 2018年9月1/2日付)

通貨ペソ急落のアルゼンチン、緊急利上げで政策金利60%に
アルゼンチンの首都ブエノスアイレスの外貨両替所前の、為替レートを表示する電光掲示板(2018年8月29日撮影)。(c)EITAN ABRAMOVICH / AFP〔AFPBB News〕

 アルゼンチンの通貨危機は、改革を進める同国政府を大混乱に陥れ、投資家の不安をあおり、国際通貨基金(IMF)の記録を破る500億ドル規模の救済に疑問を投げかけた。

 アルゼンチンの通貨ペソは2日間急落した後、8月31日に安定したが、重要な疑問にはまだ答えが出ていない。

投資家が最も心配していることは何か?
 最大の懸念材料は、大統領選挙を来年に控え、アルゼンチンが迫り来る景気後退とインフレ高進の舵取りをしながら、今後数年間の資金需要を満たしていけるかどうかだ。

 調査会社オックスフォード・エコノミクスは、2018年の残り数か月と2019年の資金需要が総額770億ドルにのぼると試算している。もっと景気がいい時期でさえ、調達が難しい数字だ。

 アルゼンチンの公的債務全体の8割近くが米ドル建てのため、ペソが弱くなると、ドルでの債務返済が難しくなる。

 8月29日の7%安に続き、30日に下げ幅が2ケタに達したペソ安により、アルゼンチンの債務負担は大きく膨らんだ。

 現在の相場水準では、政府債務は今年、アルゼンチンの国内総生産(GDP)の90%に達する可能性がある。

 その結果、アルゼンチンの債務デフォルトに対して保険をかけるコストが急騰し、投資家が今アルゼンチンのことを、すでに一部デフォルトしたベネズエラに次いでリスクが高い国と見なしていることを示唆している。

金利60%でペソ急落を食い止められるか?
 8月30日には、中央銀行が政策金利を史上最高の60%に引き上げたにもかかわらずペソが急落したが、金融政策の引き締めは間違いなく相場を支える助けになる。

 中銀が示唆したように、少なくとも12月まで金利をこれだけの高水準に据え置くことは、ペソの下支えに対するコミットメントを表しているからだ。

 投資家が心配しているのは、中銀は自分の役目を果たしたが、ペソ安を食い止められるかどうかは結局、いかにして財政赤字を削減し、2019年までに赤字をGDP比1.3%に抑えるIMF目標を達成するか、政府が詳細を説明することにかかっていることだ。

 政府はこれまでに、エネルギー補助金を削減し、公的部門の賃金をカットする措置などを表明しているが、アルゼンチン政府がどれほど劇的に支出を削減し、こうした対策が確実に引き起こす政治的抵抗を乗り越えていくかは不確かだ。

アルゼンチン国民はどう思っているのか?
 今年5月下旬にペソ急落が始まって以来、国民は次第に神経をとがらせていった。今では、かつてないほど不安を募らせている。

 経済的に不安定だった長い歴史のおかげで、伝統的にドルで貯蓄する国として、ドル相場はおそらくアルゼンチン国民にとって最も重要な経済的変数だ。

 実際、為替相場はアルゼンチン政府と経済全般に対する信認の有用な代理指標になっている。

 このため8月末のペソ急落は、IMFの支援を受けた救済パッケージに対する楽観論が乏しいことを示唆している。

 忌み嫌われているIMFが前回、アルゼンチン救済に関与した際の暗い記憶を考えると特にそうだ。あの当時は、2001年にアルゼンチン経済が崩壊して終わった。

 現在、政府に忠実な支持者と対抗勢力の間に戦線が引かれつつあり、前者がマウリシオ・マクリ大統領を支持してツイッター上でのキャンペーンを後押しする一方、後者が政府の危機対応を激しく批判している。

マクリ大統領の再選の見込みはどうなる?
 政治の世界では1年は長い。アルゼンチンでは特にそうだ。

 大統領選挙が来年10月27日まで予定されていないことから、様々な問題が片づくまで、あえて先行きを予想しようとする人は少ない。

 最も重要なのは、クリスティナ・フェルナンデス・デ・キルチネル前大統領が最近収賄スキャンダルに見舞われたことから、同氏が次の大統領選に出馬するかどうかだ(世論調査では、たとえ出馬してもマクリ氏が楽に下すと見られている)。

 それでも為替レートのボラティリティー(変動)が、選挙まで十分な時間を残してアルゼンチンが景気後退から抜け出す可能性や、しぶとく高止まりするインフレ率を抑え込む当局の試みにとって悪い知らせであることは明白だ。

 再選を目指す現職者としては、スタグフレーション期に選挙戦に入りたいわけがない。

IMFは救済プログラムの見返りに何を要求するか?
 IMFのクリスティーヌ・ラガルド専務理事は8月29日、IMFのスタッフは「金融・財政政策の強化と社会で最も脆弱な人々を支援する努力の強化」を通じて救済計画を「修正」するためにアルゼンチン政府と協力していると述べた。

 しかし、実際問題としてこれが意味することは曖昧だ。

 一方では、強力な金融・財政政策への言及は、IMFがインフレを抑制するためのさらなる利上げや、公共財政に対する信用を取り戻し、借り入れニーズを削減するための大胆な予算削減を求めることを示唆している。

 これらは、かなりオーソドックスなIMFの処方箋だ。

 アルゼンチンのニコラス・ドゥホブネ経済相は、今年の財政赤字に対する政府の「シーリング(上限)」はGDP比1.3%だと述べているが、一部のアナリストは、IMFは計画よりも早く赤字を解消するためのもっと大がかりな対策を要求するかもしれないと話している。

 だが、IMFはラガルド氏の指揮下で、緊縮財政を押しつける無慈悲な機関というイメージを和らげようとしてきた。

 「最も脆弱な人たちを支援する努力」の必要性を認める言葉は、アルゼンチンの貧困層を傷つけることで、救済プログラムがマクリ氏の政府への支持を損なわないようIMFが必死になっていることを浮き彫りにしている。

 このためIMFは予算について、さらなる規律を求めてくる公算が大きいが、喫緊の厳しい歳出削減を要求することはないだろう。

アルゼンチンで起きることはアルゼンチンにとどまるか?
 アルゼンチンは今年に入ってIMFのプログラムに入ったが、同国の窮状は最近、トルコの金融危機によって引き起こされた混乱のせいで悪化した。

 トルコリラの暴落は8月に新興国全体に波及し、アルゼンチンに新たな圧力をかけた。

 トルコリラとアルゼンチンペソは毎日のように入れ替わりに、今年最も下げの大きい主要通貨になっている(8月30日にはアルゼンチンが再びトルコを抜いた)。

 トルコとアルゼンチンは最も脆い国かもしれないが、世界の金融政策の地殻変動によって打撃を受けかねないのは両国だけではない。

 米連邦準備理事会(FRB)は今年、あと2回利上げする計画で、バランスシートを縮小し続けている。一方、欧州中央銀行(ECB)は2018年末までに量的緩和プログラムを終了する。

 トルコとアルゼンチンの窮状は、危機後の超低金利政策という強壮剤から世界経済を脱却させるプロセスが、多くの人の予想よりも難しいことを示唆しているのかもしれない。

By Robin Wigglesworth and Colby Smith in New York and Benedict Mander in Buenos Aires

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石油離れ、トランプ氏の牽制……試練の産油国
World Now
2018.09.05
イラン・テヘランで自動車用のシートを製造する地元メーカー、ハディド・モブタケラン社。長年の経済制裁のなかで、検査機器や金型を自作する技術を磨いた
イラン・テヘランで自動車用のシートを製造する地元メーカー、ハディド・モブタケラン社。長年の経済制裁のなかで、検査機器や金型を自作する技術を磨いた
イランとサウジアラビアという中東の2大産油国のあつれきは、世界経済をも激しく揺さぶっている。そこに「石油の時代」の終わりの足音も重なり、産油国は岐路に立たされている。
「石油離れ」への不安隠さないサウジ
「原油価格が高すぎる。良くない!」

米大統領のトランプはこの数カ月、こんなツイートを繰り返している。シェールオイルで世界最大の産油国になった米国だが、なお大きな影響力を持つ石油輸出国機構(OPEC)を牽制したものだ。

原油価格は5月、米国のイラン制裁による供給不足の懸念などで、1バレル=70ドルを超す3年半ぶりの高値に跳ね上がった。一方、イランは「米国による政治的緊張のせいだ」と反発してきた。

こうしたなか、OPECは6月下旬、原油価格を下支えしてきたこれまでの協調減産を緩める形で原油の増産を決めた。

「我々は石油の需要を失ったり、石油離れを招いたりしたくない。米大統領のツイートは、それを計る指標の一つだ」

サウジのエネルギー産業鉱物資源相ハリド・ファリハは決定後の会見で、トランプの意向を考慮したことを認める一方、原油が高くなりすぎることによる「石油離れ」への不安も吐露した。

中東の新しい地図_石油の時代_2
記者会見するサウジアラビアのエネルギー産業鉱物資源相ハリド・ファリハ=ウィーンのOPEC本部
背景には、「石油の時代」がいつまでも安泰ではない、との危機感がある。

石油消費の6割を占める運輸部門で、電気自動車(EV)の技術革新が急速に進む。温暖化対策のパリ協定を背景に、英仏が2040年までにガソリン車の新車販売を禁止する方針を発表し、中国やインドなど新興国も、EVシフトを加速させている。

その結果、いずれ埋蔵量が枯渇するという従来の「ピーク論」に代わり、需要のほうが先に頭打ちになるという新「ピーク論」が台頭した。ピークを迎える時期をめぐり、早ければ「2030年代後半」(OPEC、英BP)などの分析も相次ぐ。

「石器時代が終わったのは、石がなくなったからではない」。技術革新による新時代の到来を予見したサウジ元石油相の警句が現実味を増している。

迫られる国内改革
「石油の時代」を謳歌してきた中東の産油国はどうなるのか。

日本エネルギー経済研究所は、需要が減って原油価格が下がると、中東の純輸出額は2050年に1兆6000億ドル(約180兆円)減る、とはじく。その通りになれば、名目GDPの13%が消えてしまう計算だ。

主な産油国は脱石油を目指した改革計画を打ち出している。特に世界が注目するのが、サウジの皇太子ムハンマドがまとめた「ビジョン2030」だ。

石油以外の政府収入を6倍にするなどの数値目標を並べ、原資として世界最大の国営石油会社サウジアラムコの株を一部上場する計画をぶちあげた。石油収入を国民に分配するだけでは体制を維持できないとの危機感が透けるが、実現には懐疑的な見方も強まっている。

一方、イランは突然の逆風にさらされている。

もともとほかの産油国と比べると、エネルギー輸出への依存度は低い。工業品、農産品ともに国内生産が進み、とりわけ自動車は昨年だけで約150万台を生産し、基幹産業に育った。

中東の新しい地図_石油の時代_5
自動車用のシートを製造する地元メーカー、ハディド・モブタケラン社。検査機器や金型を自作し、欧州への販路を開いている=テヘラン
だが、トランプ政権による圧力で外資の撤退表明が相次ぎ、8月には自動車産業などを狙った制裁が復活。11月には本丸の原油取引も対象になる。

すでに通貨リアルの下落とドル高、物価高が市民生活を直撃している。テヘランの生地店主チャルチ・ホセインプール(33)は「マイカーを売らざるを得ない」とため息をついた。「シリアやイラクもいいが、まずは自国の貧しい人を助けるべきだ」。批判の矛先は現体制にも向き始めている。

筆者
村山祐介
村山祐介
朝日新聞GLOBE編集部員
1971年生まれ。アメリカ総局員、ドバイ支局長を経てGLOBE記者。GLOBE186号で特集した「巡礼」が趣味で、銭湯とジョギングも毎週欠かせません。バックパッカーで貧乏旅行をしつつ、電子機器には散財するガジェットおたくでもあります。


 


原油価格が年末にかけて一段と上昇するワケ
1バレル=65ドル以下には下がりにくい?
江守 哲 : エモリキャピタルマネジメント代表取締役 2018年09月04日

アメリカ・テキサス州の原油掘削地域。増産できているはずなのに、 なぜ原油価格は下がりにくいのか(写真:Nick Oxford/ロイター/アフロ)
原油相場が、再び上昇し始めている。これまでは、OPEC(石油輸出国機構)による増産懸念を背景に上値が重かった。だが、ニューヨークのWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)原油先物価格は1バレル=65ドルを底値に切り返しの動きに入りつつある。

なぜ原油価格は下がりにくいのか
筆者は本欄の「OPEC増産でも原油価格が下がりにくい理由」(6月28日配信)で、「これまで割安に放置されてきたWTI原油は65ドルを底値にさらに水準を切り上げやすい環境になっている」「65ドル以下では、どの産油国も厳しい状況に追い込まれる」とし、65ドルが底値になると明確に指摘してきた。

結果的に、やはり今回も65ドルを底値に切り返しており、見立てどおりに推移している。結局のところ、原油などのコモディティの価格はファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)の動向に左右される。生産者が生産を継続できない価格水準は続かず、いずれ採算レベルにまで戻すのが常識的な動きである。

この「採算レベル」を考えるときに重要なことは、現在の生産コストだけでなく、将来の生産拡大や新規開発に必要な価格水準を考慮することである。現在稼働している石油鉱区では、生産コストが65ドルを超えるようなところはむしろ少数である。しかし、今後生産を拡大しようとすれば、そのコストは65ドルを超える水準にまで上がっているということである。

昨年末にアメリカのダラス地区連銀が同国のシェールオイル企業に対して実施した、「石油掘削リグ稼働数が拡大する原油価格水準」についての調査によると、60ドル以下では7.2%のみが「稼働可能」と答えている。

つまり、シェール企業の92.8%が稼働に必要な原油価格の水準を61ドル以上と答えていたのである。さらに、51.2%以上のシェール企業が、66ドル以上の原油価格が必要と回答していた。

こうした調査をみれば、少なくとも、将来の増産に向けては、最低でも61ドル以上、できれば65ドル以上の原油価格の水準が必要だったことがわかる。また、最近の調査では、さらにコストが上がっているようである。

上がる賃金と物流コスト、生産効率も低下
同国のカンザスシティ地区連銀が7月に実施した、管轄地域のシェール企業が掘削の拡大に必要と考える原油価格の水準は、すでに69ドルにまで上がっているようだ。半年前の調査では62ドルだったことから、この半年で7ドルも上昇したことになる。

コスト上昇の背景には、労働者の確保や賃金の上昇があるとみられている。また、主要シェール鉱区から原油を送り出すパイプラインの能力にも限界がきており、石油掘削リグ稼働数が頭打ちになっていることも、生産量の伸び悩みにつながっているようである。事実、直近のリグ稼働数は860基前後で頭打ちである。

問題はそれだけではない。シェール生産地域の生産量の動向を見ると、現在生産量が伸びているのは、テキサス州とニューメキシコ州にかかるパーミアン地区のみである。この地域での産油量が急増したことで、シェールオイルの生産量が急拡大したのだが、ここで2つの問題が起きている。

ひとつは、リグ当たりの産油量の低下である。つまり、生産効率が明らかに鈍化しているのである。これは、生産コストの上昇につながることになる。もうひとつは、これまでの産油量の増加で輸送力が追いつかなくなっている点である。

パーミアン地区の8月の生産量は日量340万バレルで、この1年で約4割増加している。しかし、この地域からの輸送能力は日量350万程度であり、ほぼ限界だ。

新しいパイプラインの稼働は2019年の予定であり、それまでは輸送にも限界がある。こうした状況もあり、国際エネルギー機関(IEA)は、今年のアメリカ・シェール企業の生産コストは前年比11%増加すると予測している。また、米エネルギー情報局(EIA)も、2018年の同国の原油生産量の見通しを前年比14%増に下方修正している。

これらの主要機関も、ようやくコスト増の現実に目を向け始めたといえるだろう。実際には、アメリカの産油量は増えている。しかし、想定よりその伸びが鈍化すれば、市場はこれを強気材料ととらえるのが常識なのだ。

さらに、IEAは、世界の原油市場について、「旺盛な需要と一部産油国の生産に関する不透明感から、年末にかけて需給がタイト化する可能性がある」との見通しを示している。IEAのファティ・ビロル事務局長は、「原油市場が年末にかけて引き締まるとの懸念は確実にある」とし、「非常に旺盛な需要の伸びが引き締まりを招く可能性があることや、ベネズエラの生産が崩壊していることも大きな問題」と指摘している。

さらに「ベネズエラの生産は過去2年のうちに半減しており、中東を含む産油国にも生産の脆弱性が見られる」としており、需給がさらに引き締まる可能性があるとみられている。アメリカがイランへの経済制裁を行うこともさらなる市場への原油供給が減少する要因だ。

2020年前半にかけて再度「1バレル=100ドル時代」も
これらの状況を受けて、原油価格が高騰するリスクがあると考えたアメリカのトランプ政権は、戦略石油備蓄(SPR)の放出を表明した。しかし、これもさほど効果はないだろう。

というのも、SPRの放出は、将来の買い材料だからである。最近はアメリカの生産量が増加しており、SPRの重要性は以前ほどではなくなっているものの、結局、放出された分はいずれ穴埋めされるからだ。これが将来の買い材料となるわけである。さらに、シェールオイルの増産が想定ほど伸びなければ、11月6日の中間選挙を前に、原油価格の抑制に失敗する可能性もありそうだ。

新興国などを中心に、世界的に景気はやや鈍化の傾向を見せ始めているが、アメリカの景気は絶好調である。これを反映してか、同国内の石油製品需要は最新週で日量2213万バレルとなり、ほぼ過去最高水準に達している。

これにより、石油製品需要に対する在庫は16日分と、原油価格が147ドルを付けた2008年とほぼ同じ水準である。同国内の石油需給は歴史的な逼迫状況にあるわけだ。原油価格が高くて当たり前なのである。

米中貿易問題やイラン経済制裁の行方など、不透明要因は多いが、それでも世界の石油需要は確実に増加し、生産量は高コストから伸び悩んでいくだろう。

実は、原油高は世界最大の産油国になったアメリカにとってもよい状況であるといえる。筆者は、米国株のピークを2019年後半とみているが、直近の過去の米国株とWTI原油のピークを付ける「タイムラグ」はおおむね6カ月から9カ月である。したがって、WTI原油が真のピークを付けるのはまだ先ということになる。WTI原油は年内に80ドル近くまで上昇するだろう。そのうえで、2019年後半から2020年前半ごろに100ドルまで上昇していても驚いてはいけない。





なぜ主要3通貨はあまり動かなくなったのか
新興国通貨がもっぱら下がっている
唐鎌 大輔 : みずほ銀行 チーフマーケット・エコノミスト 2018年09月05日

主要3通貨はあまり動かなくなっている(写真:ロイター/Jason Lee)
トルコ中央銀行は9月13日の政策決定会合で「政策スタンスを調整する」との声明を出した。結局、いくら意地を張ったところで通貨急落に対する手段はいくつもあるわけではない。最も根本的な手段としては「利上げ」、市場心理安定のためには「IMF(国際通貨基金)への支援要請」、対米緊張緩和のためには「アメリカ人牧師の解放」などが期待されていたが、通貨危機に対処するには「まず利上げをしたうえで次に何ができるか」を考えることが多い。

今回の声明は利上げを示唆したものと考えられるが、声明によりトルコリラが急騰するような動きは見られていない。事の発端が対米関係のこじれにあるため、利上げのみでは不安の解消には至らないということなのだろう。

新興国通貨が忌避され、ドルは昨年の下落から回復
新興国から資金が流出する事は、それがショックに発展するかどうかは脇において、避けがたいものがある。主要通貨の名目実効為替相場(2国間でなく複数の通貨の中での相対的な位置を示す)の動きを見ると分かるが、昨年こそドルが全面安となり相応の調整が進んだものの、今年に入りその調整分はすべて取り戻してしまった。

通貨別に見れば、対ドルで年初来の上昇を実現しているのは円とメキシコペソだけであり、そのほかの通貨は基本的にすべて下落している。ドル相場が調整(下落)しない理由は、米国への資本流入が旺盛であるという事に尽きるが、こうした資本の出どころが新興国となっているのが現状であり、そのあおりを最も派手に食らって、資本流出が続ているのがトルコやアルゼンチンという整理になる。

両国ほど危うい新興国は少ないにしても、FRB(米国連邦準備制度理事会)が世界の資本コストであるアメリカのFF金利(フェデラルファンド・レート、政策金利)を引き上げており、FRBのバランスシート縮小も始まっている以上、今後「相対的にリスクの高い資産市場」からは資金が抜けていくしかない。それが新興国市場や社債市場なのであり、たとえば後者について言えば、クレジットスプレッドの拡大は年初から米国でも始まっている。

この際、「相対的にリスクの高い資産市場」としてユーロや円といった主要通貨は対象になっていないことも注目したい。年初来でドルは独歩高となっているが、かといってユーロや円が下落しているわけではない。たとえば、ユーロは確かに対ドルで年初来3%下落したが(7月27日時点)、名目実効為替相場はむしろ上昇した。なぜか。もちろん、「対ドルでのユーロ売り」を超える「対他通貨でのユーロ買い」のインパクトが勝ったからである。


ユーロの名目実効為替相場についてその寄与度を通貨別に要因分解してみると、確かに最大のシェアを占めるドル(米国)に対してユーロは下落している。ここに限ればマイナス0.4%ポイントのユーロ名目実効為替相場の押し下げが確認できる。

だが一方、トルコや東欧通貨などに対してユーロは大きく上昇したため、名目実効為替相場全体で見れば上昇という結果に落ち着いている。

とりわけ対トルコリラの上昇だけでプラス0.6%ポイントと対ドルでの下落を補って余りある状況であり、「新興国からの資本流出によって主要通貨が支えられた」という典型的な構図に仕上がっていると言える。経常黒字を大きく抱える一部のアジア通貨など例外もあるが、現在の為替市場は新興国通貨を忌避し、先進国通貨にシフトする傾向がはっきり出ているように見受けられる。

また、こうした状況が最近、為替市場で膠着が騒がれる理由の1つなのだろう。多くの市場参加者が注目する「先進国 vs. 先進国」の通貨ペアでは方向感が出ない一方、「先進国 vs. 新興国」の通貨ペアでは偏った取引が続けられている。新興国通貨に売りが集中することで、先進国通貨同士の強弱関係が定まりにくくなっている市場環境があると推測される。

もちろん、アメリカ経済が低インフレ・高成長というゴルディロックス状態を続けているのでボラティリティが上がらないという本質的な事もあるだろう。だが、ドル円やユーロドルといったメジャーペアよりも、「新興国の苦境」の方がどうしても耳目を集めやすい環境になっている事が大きい。そして「新興国の苦境」はFRBが利上げを続け、米国と新興国の金利差が詰まる限りにおいて継続する可能性が高い。

現状は2006年や2007年前半に似ている?
問題はこの状況を横目にFRBがいつまで正常化プロセスを続けられるかだろう。米国内のインフレ圧力が看過できないほど大きなものであれば海外経済環境に配慮することなく正常化プロセスを続けることになる。だが、現実はそれほど差し迫った状況にもない。FRBの政策運営が方向転換する契機としてはアメリカ実体経済の失速を予想するのが筋だが、このままいけば新興国市場の混乱となるかもしれない。

主要通貨ペアに方向感が出るのはFRBの政策運営が方向転換する時と考えられる。具体的には「次の一手」が利上げではないという状況になった時、というのが筆者の基本認識である。これまでは米国内外の経済情勢が米国の金利上昇に対して踏ん張りを見せてきたため、混乱は発生していない。しかし、既に一部の国々がこれに耐えられなくなってきている。現在の状況は「大いなる安定」が称賛され、その後の苛烈な調整局面へ入っていった2006〜2007年前半の状況に似ている印象も受ける。

※本記事は個人的見解であり、所属組織とは無関係です

9. 2018年9月05日 21:44:43 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1443] 報告

新興市場資産売り、どこまで行くか−モルガンSは「弱気」維持
Tracy Alloway、Adam Haigh
2018年9月5日 16:47 JST
• 数年にわたり積み増したポジション、投資家に減らす余地がある
• 株および先進国通貨建て債からも投資引き揚げの余地
新興市場資産には一段の下落余地がある。ここ数年人気だったポジションを投資家があまり減らしていないからだ−。
  こうした理由などを背景に、モルガン・スタンレーのジェームズ・ロード氏は新興国・地域の資産に対して弱気を維持している。MSCI新興市場通貨指数は1年ぶり安値を更新、5日には売りが株式にも広がった。
  ロード氏らモルガン・スタンレーのストラテジストは4日のリポートで「クレジット、金利、為替のいずれについても弱気の見方を維持している」とし、投資家の注目がますます集まると考えられるインドネシアとマレーシアを含む変動高めのハイベータ国の大半について、ショート(売り持ち)ポジションを組んでいると記した。
  また、JPモルガン・チェースの分析によれば、投資家は新興市場国の現地通貨建て債券の保有は総じて減らしているが、株とドルその他の先進国市場通貨建て債からはまだ投資引き揚げの余地がある。
  ニコラオス・パニギルゾグロウ氏らアナリストは8月31日のリポートで「最近の新興市場資産の調整は現地通貨建て債ファンドの売りが主因だったようだ」とし、8月の「急激な」ポジション解消は恐らく「降参」に値したと記述。一方、株式ファンドは「降参には程遠い」ため、9月に入って米中貿易摩擦が悪化した場合に影響を受けやすいだろうと指摘した。

原題:Emerging-Market Slump Spurs Rush to Gauge How Much Worse It Gets(抜粋)

 

 


新興国市場】売りさらに強まる−危機波及リスク、無視できず
Bloomberg News
2018年9月5日 2:40 JST 更新日時 2018年9月5日 7:36 JST
• 南ア・ランド急落、GDP発表でリセッション入り確認
• MSCI新興国通貨指数、2017年5月以来の低水準に

Customers purchase snacks from a mobile stall on Eminonu Square in Istanbul, Turkey,.
Photographer: Ismail Ferdous/Bloomberg
新興国市場資産の売りが一段と強まった。南アフリカ共和国がリセッション(景気後退)入りしたことに加え、トルコやアルゼンチンと同様にインドネシアも通貨急落に見舞われ、危機の波及リスクは無視できないほど大きいとの懸念が高まった。
  MSCI新興国通貨指数の下げはこの6営業日で5回目。この1年余りの最低水準で引けた。南アが4日発表した4−6月(第2四半期)国内総生産(GDP)統計によれば、同国経済は2四半期連続のマイナス成長となった。通貨ランドはこれを受けて急落し、新興国通貨全般を押し下げた。
  トルコ・リラも安い。同国中央銀行は来週に会合を開くが、投資家を安心させるだけの十分な対応を取れないとの懸念は消えない。アルゼンチン・ペソは最安値を更新。インドネシア・ルピアは、同国中銀が通貨防衛策の強化を明らかにしたにもかかわらず、約20年ぶりの安値に沈んだ。
  トランプ米大統領は2000億ドル(約22兆3000億円)相当の中国製品に対する関税措置を、6日にも発表する可能性がある。ブルームバーグ・ドル・スポット指数はこうした中で4営業日続伸した。
  ソシエテ・ジェネラルのグローバルストラテジスト、キット・ジャックス氏はドル上昇は不戦勝だと分析する。「ドル上昇を確信させる理由はあまり見いだせないが、他の通貨については不安にさせられる材料が数多くある」と指摘した。

• 新興国市場株の指標であるMSCI新興市場指数は0.7%安
• MSCI新興市場通貨指数は0.5%安
• アルゼンチン・ペソは過去最安値を更新
• メキシコ・ペソは1.1%安
• 南ア・ランドは3.2%安。4−6月GDPは前期比年率0.7%減。09年以来のリセッション入り
• トルコ・リラは0.7%安
• ロシア・ルーブルは下げをほぼ埋めた。ロシア中銀総裁が来週会合での利上げの可能性に言及し、14年以来となる利上げに近づいたことが寄与
• インドネシア・ルピアは6日続落し、20年ぶり安値に沈んだ
• インド・ルピーの1カ月物ノンデリバラブル・フォワード(NDF)は一時0.8%高の1ドル=72.03ルピーと最高値を記録
原題:Emerging-Market Contagion Fear Sparks Deepening Rout: Inside EM(抜粋)


 


 


新興市場混乱、通貨から株に感染拡大−インドネシア株は3.1%安
Bloomberg News
2018年9月5日 12:13 JST 更新日時 2018年9月5日 13:14 JST
• MSCIアジア太平洋指数は1%安、フィリピンは1.7%安
• 経済成長や対外収支の弱さなど悪いニュースに市場反応−深谷氏
アジア時間5日の取引で、新興市場の混乱は通貨から株へと広がった。資金コストが上昇し、高い経済成長に業績を後押しされてきた新興国企業の足かせになるとの懸念が拡大している。
  MSCIアジア太平洋指数は香港時間午前11時46分(日本時間午後0時46分)現在、1%安。インドネシア株は3.1%下落、フィリピンは1.7%安となっている。ドルに対してアジア金融危機以来の安値を4日に更新したインドネシア・ルピアはほぼ変わらず。
  持続的なドル高で、新興市場国の政府や企業がドル建てで受けた融資の利払い・返済負担は重くなる。4日発表された8月の米ISM製造業景況指数は14年ぶり高水準で、米追加利上げの可能性がますます高まった。  
 
  FPG証券の深谷幸司社長は新興市場資産について、下降トレンドに歯止めがかかる気配がないと述べた。投資家は選別を強めており、経済成長や対外収支の弱さ、高インフレなど悪いニュースが出た国の通貨はより激しい売りを浴びると指摘した。
  4日発表の指標によれば、南アフリカ共和国経済はリセッション(景気後退)に陥り、前日の統計ではトルコのインフレが加速した。
  MSCI新興市場通貨指数も下落。このまま終了すれば1年余りで最安値となる。

原題:Emerging-Market Contagion Fears Rotate From Currencies to Stocks(抜粋)


 


 

新興市場通貨のボラティリティー高まる、感染止まらず
Liz Capo McCormick
2018年9月5日 12:31 JST

  新興市場通貨は一息つくことも許されない。そして、オプショントレーダーらはこの状況が変わるとはみていない。新興市場国通貨とG7通貨の予想変動率を比較したJPモルガン・チェースの指数は2009年1月以来の高水準にあり、新興市場通貨のボラティリティーの高さを示している。MSCI新興市場通貨指数は過去6営業日のうち5日で下落。混乱がトルコとアルゼンチン、南アフリカ共和国から他の国・地域へと拡散していることは明らかだ。
原題:EM Currency Volatility Surges Versus G-7 Amid Contagion: Chart(抜粋)

 

 

2018年9月5日 / 18:25 / 14分前更新
焦点:金融危機のトルコ、エルドアン強権体制は「毒の杯」か
2 分で読む

[イスタンブール 4日 ロイター] - 15年にわたりトルコの実権を握ってきたエルドアン大統領は、6月の選挙によってだれのチェックも受けない強権体制を確立した。しかしトランプ米大統領との対立をきっかけにトルコリラの急落に見舞われた今、危機を打開するための選択肢は乏しい。

6月選挙後の新制度では首相職が廃止され、エルドアン氏が閣僚などの任命権を掌握しただけでなく、司法や議会にも超越する立場を確保した。しかし独力で国を支配する道を選んだエルドアン氏は、だれの助けも借りずに危機に立ち向かう必要があり、強権体制は「毒の杯」と化す恐れもある。

<対外債務>

投資家は以前から、トルコのインフレ高騰と経常収支赤字の拡大を懸念していた。そこに突如持ち上がったのが米国人牧師の拘束問題を巡るエルドアン氏とトランプ氏の対立だ。トランプ氏はトルコ製の鉄鋼とアルミニウムの関税を2倍に引き上げ、トルコリラは8月だけで25%も下落した。

エルドアン氏にとって喫緊の課題は資金の確保となる。

JPモルガンによると、2019年7月までに償還期限を迎えるトルコの対外債務は1790億ドルで、うち1460億ドルはトルコの銀行を中心とする民間部門の債務。銀行は海外から資金を借りるが、収入は主にリラで稼いでいるため、リラの急落によって返済負担が急増している。

<選択肢>

目下の注目点は、エルドアン氏が今月の国連総会などの機会を利用し、トランプ氏と和解するかどうかだ。

与党・公正発展党(AKP)に近い筋は、エルドアン氏が和解に動く可能性はあり、その場合、拘束している米国人牧師アンドルー・ブランソン氏が「表層的だが重要な切り札」になると言う。

同筋はまた、トルコが再び欧州連合(EU)にすり寄ると予想。政権内では、エルドアン氏が今月訪問するドイツが、EUによるトルコ財政支援の旗振り役を務めてくれるとの期待が強いという。

トルコは長年EU加盟交渉を続けてきたが、交渉は今、風前の灯の状態だ。

EUから支援が得られたとしても、それだけでは十分ではないだろう。トルコと最も親密なカタールは150億ドルの支援を約束しているが、これも焼け石に水だ。

同筋は「国民は徐々に貧乏になっているため、経済は大きな懸案事項だ」と指摘。「わが国はここ何年も建設以外の投資を行っていないが、ビルは食べられない」と嘆く。

インフレは急騰しており、中央銀行は、来週にリラの急落に歯止めを掛けるための利上げをすると示唆している。しかし金利を毛嫌いするエルドアン氏は利上げがインフレの元凶との考えの持ち主であるため、利上げがあるとしても「遅すぎて小幅すぎる」結果になりそうだ。

こうなると、トルコが国際通貨基金(IMF)に支援を仰ぐ可能性が高まる。しかし政府は、国家主権を明け渡すことになるとしてその可能性を排除してきた。

アルバイラク財務相は2日ロイターに対し、「私はIMFを必要としていない」と述べた。

前出の関係筋は「われわれは選挙戦のスローガンでたびたびIMFを罵倒し、IMFの重荷から抜け出したことを誇ってきた」だけに「IMFへの支援要請は非常にハードルが高い」と言う。トルコはAKPが政権を握る直前の2000─01年の金融危機後、IMFの支援を受けた。

ただこの筋は、エルドアン大統領は国民に状況を説明するのが上手なうえ、メディアをほぼ完全に掌握していると付け加えた。

一方、AKPの選挙戦責任者を務めたムスタファ・セントプ氏は、他の新興国市場に比べてトルコ経済は良好だとし「トルコが債務返済資金の手当てに困るとは思っていない」と話している。

(Samia Nakhoul記者 Dominic Evans記者)


 

 

2018年9月5日 / 15:00 / 4時間前更新
焦点:幻の仮想通貨「ペトロ」、消えたベネズエラの救世主
Brian Ellsworth
4 分で読む


[アタピリレ(ベネズエラ) 30日 ロイター] - ベネズエラのマドゥロ大統領によると、辺境の地にある人口1300人のこの集落は、仮想通貨技術の最先端を走っている。同国中部のサバンナにあるアタピリレは、この一帯で唯一の村だ。当局は、周辺に約50億バレルの石油が眠ると主張する。
ここに埋蔵されているとされる原油は、マドゥロ大統領が2月に打ち出した仮想通貨「ペトロ」の裏付けとなっている。大統領は8月、ペトロは経済危機のベネズエラ再建に向けた礎になると語った。
しかしアタピリレの住民は、政府が油田を開発しようとしているのを見たことがないと話す。苦境にあえぐ自分たちの村が、金融革命の最前線にいるとも感じていない。
「ペトロの気配は全く感じられない」と、主婦のイグダリア・ディアスさんは言う。彼女は壊れそうな学校や未整備の道路、頻発する停電や慢性的な食糧不足について痛烈な批判を始めた。
ロイターは4カ月間にわたり、仮想通貨や油田査定の専門家10人以上に取材し、政府が原油が眠ると言う場所に足を運び、ペトロの電子取引記録を調査した。明らかになったのは、仮想通貨ペトロの存在を確認するのは困難ということだった。
ペトロの取引が活発に行われているという証拠はほとんど見当たらなかった。主要な仮想通貨取引所では売買されておらず、ペトロによる支払いを受け付ける店もなかった。
わずかながら、仮想通貨の交流サイトで自分たちの取引経験を投稿するペトロの所有者を見つけた。投稿者の1人は「詐欺だ」と不満を書き込んでいた。ロイターの問いかけに応じた別の投稿者は、問題なくトークン(仮想通貨)を受け取ることができたと回答し、ベネズエラに対する米国の制裁と「ひどい報道」が、ペトロの取引に打撃を与えたと非難した。

<食い違う大統領と担当大臣>
ベネズエラの政府首脳の発言には食い違いがみられる。マドゥロ大統領はすでにペトロで33億ドル(約3650億円)を調達し、通貨は輸入品の支払いにも使われていると話す。一方、計画に携わるウグベル・ロア大学教育・科学技術相はロイターの取材に、ペトロに必要な技術はまだ開発途中だと明らかにした。「まだ誰もペトロを使えていない」と語った。
大統領は8月、給料や年金、通貨ボリバル相場をペトロに固定させると発表し、混乱に拍車をかけた。「実際に取り引きされていないトークンと価格や交換レートを連動させることなどできない。実際にいくらで取引されているのか、知る由もないからだ」と、コンピューターが専門の科学者で、ペトロの動向を注視する仮想通貨コンサルタントのアレハンドロ・マチャード氏は言う。
政府はペトロの価値をベネズエラ産の原油1バレル当たりの価格(現在は約66ドル)に固定し、アタピリレ周辺の原油で裏付けると約束した。トランプ米大統領は3月、米国民がペトロを買ったり使ったりすることを禁じた。
ペトロが多額の外貨をもたらしているとするマドゥロ大統領の主張に、アナリストは懐疑的だ。政府は仮想通貨の新規発行(ICO)でいくら調達したのか、十分な記録を明らかにしていないと彼らは指摘する。
「低調な取引状況を考えれば、確かに通常のICOではないようだ」と語るのは、ロンドンを拠点とするブロックチェーン分析会社エリプティックの共同創設者トム・ロビンソン氏。「ペトロが発行されたという証拠を得られていない。取引所で活発に売買されているという証拠もない」と、同氏は話す。
<「現時点で詐欺」>
アタピリレ周辺で石油開発の動きが確認されることもほとんどなかった。見つけた掘削リグは小さく、何年も前に導入された古いものだった。一部は放棄され、雑草に覆われていた。
石油相を務めたラファエル・ラミレス氏は8月19日、ベネズエラの分析サイトに投稿し、開発には最低200億ドルの投資が必要と試算した。問題を抱えるベネズエラ国営石油公社に、そんな資金はない。
ビットコインやイーサリアムといった名の知れた仮想通貨とは違い、ペトロの所有者を見つけるのは困難だ。
「ビットコイントーク」と呼ばれる仮想通貨の交流サイトでは今年初め、熱心なトレーダーたちがペトロに関する投稿を始めた。初期の盛り上がりは徐々に低下、参加者の一部は情報不足やコインがなかなか入手できないと不平を漏らしていた。別の投稿者は送金や売買ができないと不満を口にしていた。
「現時点で言えば詐欺。良い投資になるかどうかは時がたてば分かる」と、「クリプトバイアグラ」と名乗る参加者は6月25日に投稿している。
一方、ロイターの問いかけに唯一応じた投稿者は、ペトロ取引の経験について「かなりうまくいった」と回答した。彼はペトロの不調について、米国が購入を禁じたことや、否定的な報道のせいだと非難した。「ロイターは誠実な報道機関とは思わない」と付け加えた。
<油田開発の投資計画なし>
ベネズエラは、同国経済の中核である石油でペトロを裏付けることで、小規模ながらも増え続ける仮想通貨の発行体の仲間入りをした。こうした発行体は、仮想通貨の価値を実際の商品と連動させている。
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英王立造幣局は昨年、金を担保とする仮想通貨「ロイヤル・ミント・ゴールド」を発表した。ダイヤモンドを裏付けとする仮想通貨もある。
ペトロとの大きな違いは、すぐに取引可能な有形資産を担保にしている点だ。マドゥロ大統領がペトロの裏付けとする埋蔵原油は、アタピリレ周辺にあるアヤクーチョ第1鉱区の地下深くに今も眠っている。
ベネズエラ政府は、「独立した国際認定機関」のお墨付きを得たとして、同鉱区に53億バレルの原油が埋蔵されていると主張する。埋蔵量はさておき、ここには道路やパイプライン、発電施設など掘削に必要なインフラが整っていないと、米ライス大学で中南米のエネルギー政策を教えるフランシスコ・モナルディ氏は指摘する。「この地域に投資する計画は存在しない」と、ベネズエラ出身の同氏は語る。
<忘れられた村人>
私たちは忘れられた存在──。アタピリレの住民はそう話す。かつて雇用を生み出していた養魚場は廃墟と化し、診療所には医者もいなければ稼動する救急車もない。
ほこりが舞い立つ路上では、たくさんの人が列をなしていた。村から60キロ北にある重要な石油拠点エルティグレに向かう唯一の公共交通機関、中国製のバスを待っていた。
教師のローザ・アルバレスさんは、自分のクラスの半数程度が学校に来なくなったと話す。国による支援の給食がなくなり、生徒たちの空腹を満たすことができなくなったためだという。
当局は彼女の不満を無視する一方で、教育省から新たな指示が来た。ベネズエラの新しい仮想通貨の美徳について、生徒に教えろというものだった。
「ペトロがどういうものか、誰も私に教えてくれない。どうやって子どもたちに説明すればいいのだろう」
(翻訳:伊藤典子 編集:久保信博)


 


 
米株式相場の調整予想は「誤りだった」:ウォール街の弱気派筆頭
Lu Wang
2018年9月5日 10:05 JST
• モルガンSのウィルソン氏は7月に2月よりひどい急落を予想
• 相場上昇を受けて調整予想を撤回したが、依然として慎重姿勢崩さず

モルガン・スタンレーの米国株担当チーフストラテジスト、マイク・ウィルソン氏は週末の顧客向けリポートで、米株式相場が2月よりもひどい急落に見舞われる可能性があると7月に予想したのは「誤りだった」と認めた。S&P500種株価指数は過去2カ月に6.7%上昇した。

マイク・ウィルソン氏
写真家:Christopher Goodney / Bloomberg
  ウィルソン氏は相場調整の予想を撤回したものの、先行きには依然として慎重で、多くの投資家が考えるほど広範囲にわたる相場上昇ではないと指摘。自身の予想は時期尚早だった可能性もあるが、正しくないのと「結局は同じになる」と付け加えた。
  米株式相場は国際的な通商摩擦や金利上昇、新興国市場資産の不振をよそに、とどまることのない上昇を見せており、ウィルソン氏らウォール街のストラテジストはその勢いに降参している。S&P500種株価指数は8月に月間ベースで5カ月連続の上昇となり、2900ポイントの大台に初めて乗せた。
  こうした持続的な株高を受け、ここ1カ月に少なくとも2人のストラテジストが相場予想を上方修正した。ウィーデンのマイケル・パーブス氏とバークレイズのマネーシュ・デシュパンデ氏はいずれもS&P500種の年末予想を3000に引き上げた。ウィルソン氏は年末予想を見直すかどうか言及を避けた。同氏の予想は2750で、ブルームバーグの追跡対象ストラテジストでは最低。同氏の予想通りになるには5.2%下落する必要がある。


原題:Wall Street’s Top Stock Bear Issues Mea Culpa on Correction Call(抜粋)

 


 


ドル「過大評価」でも、売るべきか買うべきかでウォール街の意見二分
Katherine Greifeld
2018年9月5日 11:51 JST
• UBSセキュリティーズはユーロ反発の条件整いつつあるとみる
• ソシエテは新興市場資産売りと欧州リスク背景にドル一段高見込む
従来からの尺度に従えば、ドルはますます過大評価されている。ではドルをどうするかというと、ウォール街のアナリストらの意見は分かれている。
  ドルは急伸しており、国際通貨基金(IMF)のデータによれば7月時点で、実効為替レートの10年平均を11%強上回る水準。為替の組み合わせで最も取引が多いユーロ・ドルは現在、経済協力開発機構(OECD)が算出した購買力平価(PPP)より約15%低い。一方、連邦準備制度の貿易加重ベースのドル指数は2002年に記録した過去最高値まで4%弱の水準まで上昇した。
  USBセキュリティーズにとって、最近のドル高はドルを売るべき根拠の1つだ。しかしソシエテ・ジェネラルは、ドル需要の急拡大は米国以外がいかに危険性の高い世界になったかを示す証拠だと指摘する。ソシエテのグローバルストラテジスト、キット・ジャックス氏は、イタリアの政治リスクが高まり、英国が欧州連合(EU)離脱交渉の決裂に備える中で新興市場資産が売りを浴びる現状では、ドル以外の保有を考える理由はほとんどないと説明した。
  同氏はドル以外は「一段とネガティブだ。米国は比較的安定している。しかし市場にとっては難しい状況だ。買いたいものが既に高価だからだ」と述べた。
  UBSセキュリティーズのグローバル新興市場株戦略責任者、ジェフリー・デニス氏は異なる見方をする。米中貿易摩擦は質への逃避でドルに資産をシフトさせる動きを後押しするが、関税賦課がさらにエスカレートすればドル相場を圧迫するとみる。さらに、イタリア関連リスクを市場は高く見積もりすぎてユーロが割安になっているため、ユーロが今後反発する条件は整いつつあると分析した。
  ソシエテのジャックス氏は「ドルは割高だ」と認めるものの、デニス氏の意見に同意しない。為替市場は通貨のバリュエーション不均衡に反応するものだが、世界情勢の現状による影響の方が大きいとして、米利上げに他の金融当局が追随するまで、ドルを投資家が遠ざける可能性は低いと述べた。

原題:Wall Street Analysts Split on How to Trade ‘Overvalued’ Dollar(抜粋)


 


 
「予測不能な」イタリア国債、ドイツの資産運用会社が保有減らす
Dirk Gojny
2018年9月5日 14:11 JST
• イタリア国債についてはより慎重になった−シューベルト氏
• イタリア国債は多くの外国人が保有、混乱悪化なら世界市場に衝撃も
市場は不確実性を好まない。これは昔から言われていることだ。ドイツの資産運用会社、バーブルク・インベストはこの言葉に従い、イタリア国債を売った。
  同社は最近数週間にイタリア国債の保有を減らし、配分をアンダーウエートとしている。運用者のアンドレア・シューベルト氏が明らかにした。政治が主たる材料となる市場で、イタリア国債への投資は現時点で「予測不能」だからだという。
  「ユーロ圏国債セクターで投資機会を探るに当たって、イタリア国債についてはより慎重になった」と同氏は述べた。
  イタリアの新政権が9月に公表する予算で赤字が欧州連合(EU)規則の上限である国内総生産(GDP)の3%を上回るとの懸念を背景にイタリア債は売られ、2年債利回りは8月に70ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)余り上昇した。
  シューベルト氏は、イタリアをユーロ圏にとどめるためEUは譲歩する用意があるとみている。イタリアはユーロ圏にとって重要な国であり、2兆3000億ユーロ(約300兆円)の債務は救済するには大き過ぎるからだ。イタリア国債は多くの外国人投資家が保有しており、同国の政治混乱が悪化すれば世界の市場に衝撃を与えかねないとも同氏は指摘した。

原題:‘Unpredictable’ Italian Bonds Prompt Warburg to Reduce Holdings(抜粋)

 

2018年9月5日 / 15:40 / 3時間前更新
ドル111円半ば、1週間ぶり高値
2 分で読む

[東京 5日 ロイター] - 午後3時のドル/円は、前日NY市場の午後5時時点とほぼ変わらずの111円半ば。海外市場でドルが買われた流れを引き継ぎ、一時111.71円と8月30日以来、約1週間ぶり高値を更新した。

東京市場の午前の取引でドルは一段高となった。実需の売買が集中する5・10日で、仲値公示と前後して買いの勢いが強まったという。そうした売買が一巡した午後には111円半ばへ反落した。

主要通貨の中で動きが目立ったのはオーストラリアドル。第2・四半期の実質国内総生産(GDP)が前年比3.4%増と予想の2.8%増を大きく上回り、6年ぶり高水準となったことが手掛かり。

発表を受けて豪ドルは対米ドルAUD=D3で0.71米ドル後半から0.72米ドル前半へ、対円AUDJPY=Rでも80円前半から半ばへ一時上昇した。

しかし買いが一巡すると、豪ドルは0.71米ドル後半、80円前半へじりじりと反落した。「低い賃金の伸び、伸び悩む物価、住宅価格の下落という3つの懸念が、まだしばらく金融政策正常化の妨げとなる」(外銀)という。

きょうの海外市場で注目を集めているのが、米国と北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉を再開するカナダドル。同国のトルドー首相は「条件の悪いNAFTAであれば、離脱するほうが良い」としており、市場では「中国やトルコなど、トランプ米大統領とあつれきが生じる国の通貨は下落しやすい」(トレーダー)と下落予想が浮上している。

カナダ国内ではカナダ銀行(中銀)が政策金利を発表する。今回は据え置き予想が大勢だが、前月発表の7月消費者物価指数(CPI)が6年10カ月ぶりの大幅な伸びとなったほか、第2・四半期の国内総生産(GDP)も前期比年率2.9%増と1年ぶりの高成長となっただけに、市場では、声明を通じて10月利上げの可能性を見極めたいとする声が出ている。

ドル/円JPY=  ユーロ/ドルEUR=  ユーロ/円EURJPY=

午後3時現在 111.48/50 1.1590/94 129.24/28

午前9時現在 111.46/48 1.1585/89 129.14/18

NY午後5時 111.44/47 1.1581/83 129.07/11

為替マーケットチーム

 


325回 スイスフラン高と近づく米中間選挙【大橋ひろこのなるほど!わかる!初めてのFX】
有事、あるいはリスク回避相場に買われるとされるスイスフランが強含んでいます。EUとのブレグジット合意が難航する英国ポンドに対しては4月から、欧州通貨ユーロに対しても5月からスイスフラン高がトレンドとなっていますが、8月中旬からは足下で独歩高となっている米ドルに対してもスイスフラン高が進行しており、8月最終週は、米ドルの上昇を上回る最強通貨に躍り出ています。

ジャクソンホールシンポジウムでパウエルFRB議長が「物価上昇率は2%を超えて過熱するリスクはみえない」と発言してから、米長期金利は上値が抑制されてしまった印象ですが、 前回8月29日のコラムで指摘した「米国債の先物市場の過去最大規模の売り越しポジション」に変化が現れました。最新の米10年国債先物市場のヘッジファンドら投機筋のポジションは、過去最大にまで膨れ上がっていた70万枚の売り越しが、わずか1週間で17万枚も減少し53万枚程度となっています。金利は想定していたようには上がらないとみて、買い戻しに動いたことがうかがえる事象です。債券の買い戻しですから、債券価格は上昇しますが、利回りには下押し圧力となりますので、この流れが継続していくようなら米国金利上昇はしばらく期待できないということになります。

米国金利上昇が抑制的となるなら、これまで独り勝ちだった米ドル高に修正が入る可能性に対処しなくてはならない、という警戒が出てきたことが、スイスフラン高につながっているのかもしれません。ブレグジット合意で不安定なポンドや、トルコ向け債権のエクスポージャーが大きい欧州も、トルコリラ下落の底が見えない中では積極的に買いたくない、と考える投資家らによるスイスフラン買いでしょうか。リスク警戒が高まると日本円も買われるのが教科書的値動きですが、日銀が日本国債の長期金利をゼロ近傍に固定する緩和政策を継続している中において、積極的に円も買いにくいのが実情です。

また、市場の一部には「現代版プラザ合意」の噂が広がっています。米中貿易戦争では落としどころが見えない中、中国は人民元安を誘導しているように見え、トランプ大統領は中国とEUは為替操作していると繰り返し不快感を表しています。中国国営の新華社通信は1985年の「プラザ合意」で米国側の要求を受け入れた日本が経済的苦境に陥ったことを忘れるべきではないとする記事を配信しており、プラザ合意で苦しんだ日本に学べ、と警鐘を鳴らしています。こうした背景から、中国が人民元の切り上げに応じるのではないかとの観測が散見されるようになってきているのです。8月末、トランプ大統領は、政権が各国の為替操作の有無をどう決定するか検討していると述べており、にわかに10月の為替報告書にも注目が高まってきました。米国はこれまでも中国が為替を操作していると繰り返し主張してきましたが、公式には認定していません。トランプ大統領は「われわれはその方式を極めて精力的に検討している」と述べており、これまでとは違う方式での認定の可能性もあることを匂わせています。中国が人民元安を放置するようなら、為替報告書公表時期にはその可能性の高まりに警戒が強まることが想定されます。

中間選挙を控え、トランプ政権はこれまでの成果を強調してPRするだけでなく、懸念事項があれば是正に動く可能性は否定できず、足下で大きく上昇し始めたスイスフランはこうした懸念によるヘッジなのではないかと考えています。

コラム執筆:大橋ひろこ

フリーアナウンサー。マーケット関連、特にデリバティブ関連に造詣が深い。コモディティやFXなどの経済番組のレギュラーを務める傍ら、自身のトレード記録もメディアを通じて赤裸々に公開中。


 

豪州:4−6月成長率、約6年ぶりの高い伸び−予想上回る
Michael Heath
2018年9月5日 11:03 JST 更新日時 2018年9月5日 12:54 JST
GDPは前年比3.4%増、12年以来の高水準−予想2.9%増
家計支出は0.7%増、家計の貯蓄率は1%に低下
オーストラリア経済は4−6月(第2四半期)に予想を上回る成長を遂げた。家計が貯蓄を支出に回したことが寄与した。住宅価格下落や弱い賃金の伸びはそれほど響かなかった。

  豪統計局が5日発表した4−6月期の国内総生産(GDP)は前期比0.9%増となり、伸び率は予想の0.7%を上回った。1−3月(第1四半期)は同1.1%増に上方修正された。4−6月GDPは前年同期比で3.4%増と、2012年7−9月(第3四半期)以来の高水準。予想は2.9%増だった。

  キャピタル・エコノミクスの豪州担当チーフエコノミスト、ポール・デールズ氏は「豪中銀は良好な景気動向を想定」しており、今回の統計を受けて利上げを急ぐ可能性は低いとしながらも、「市場は20年のいずれかの時点まで利上げはないとの見方を考え直し始める可能性がある」と述べた。

  家計支出は前期比0.7%増加し、GDP成長率への寄与度は0.4ポイント。家計の貯蓄率は1%と、1−3月期の1.6%(改定値)から低下した。

  豪ドルは上昇し、シドニー時間午後0時28分(日本時間午前11時28分)時点で1豪ドル=0.7213米ドルとなった。統計発表前は0.7189米ドルだった。  

原題:Australia’s Economy Expands at the Fastest Pace in Six Years (1)(抜粋)

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