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日の丸自動車が知らないトランプのNAFTA見直し「もっと危うい裏事情」(ダイヤモンド・オンライン)
http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/342.html
投稿者 赤かぶ 日時 2018 年 8 月 31 日 15:23:25: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

日の丸自動車が知らないトランプのNAFTA見直し「もっと危うい裏事情」
https://diamond.jp/articles/-/178638
2018.8.31 鈴木貴博:百年コンサルティング代表 ダイヤモンド・オンライン


トランプ大統領がNAFTAの見直しを推し進めるなか、貿易上の不利益を被る日の丸自動車は戦々恐々だ。しかし、日本が危惧するよりもさらに危うい「2つのウラ」が今回の交渉には見える Photo by Keiko Hiromi


トランプのNAFTA見直し交渉で
日本が被る影響に「さらに悪い見通し」


 アメリカのトランプ大統領はメキシコとの二国間協議を妥結させ、北米自由貿易協定(NAFTA)の見直しをメキシコ政府にのませることに成功した。メキシコからアメリカへの自動車の輸入に関して、これまでアメリカ、カナダ、メキシコの3国での部品調達率が62.5%であれば関税はゼロだったが、今後その基準がアメリカとメキシコの2ヵ国で75%に引き上げられる。

 日本の自動車メーカーは北米市場で販売する自動車を、アメリカよりも賃金コストが低いメキシコやカナダで生産し、アメリカへ輸出してきた。NAFTA域内調達率は62.5%のハードルを越えているのでこれまでのルールでは関税はゼロだった。それが今のままでは、メキシコからアメリカへの輸出には関税がかかることになる。

 このまま事態が進むと、日本が危惧する最悪のシナリオにつながっていく可能性があるため、日本の自動車メーカーは警戒を強めている。そして、この話にはさらに「ウラ」がある。そのことも含め、NAFTA再交渉に関する動きはまったく楽観できないという情報を、私が考えられる範囲でお伝えしたい。

 日本の考えていた「最悪のシナリオ」とは、保護貿易政策を露骨に進めているトランプ大統領が、鉄鋼に続き自動車についても高い率の関税をかけるのではないかということだった。そうなると、北米市場で大きく稼いでいる日本の自動車メーカーは大きな打撃を受けることになる。前述したように、NAFTA加盟国であるカナダとメキシコには日本メーカーの生産拠点が多くあるが、そこでの生産にまで関税がかけられたら、日本メーカーは価格競争力を失ってしまう。

 日経新聞によれば、日本のシンクタンク各社はその影響が非常に大きいと試算している。みずほ総研は、20%の関税がかけられたら乗用車分で約8800億円、自動車部品では約4200億円のコスト負担増になると試算している。これがNAFTAを含めて20%の関税になると、大和総研によれば1.75兆円の負担増になるという。

 当然、そのコスト増は自動車に価格転嫁するしかないが、SMBC日興証券の分析によれば、その影響で日本の自動車輸出は20万台減少するという。

 この問題が今後さらに悪い方向に進むのではないかと筆者が考える理由は、2国間交渉がトランプ大統領の得意技だからだ。グローバルな枠組みではなく、1対1なら交渉力が強いアメリカの立場が生かせる。それも、トランプ氏の交渉は一番弱い部分から始めるという特徴がある。

 メキシコは7月に大統領選挙が行われ、12月に新しい大統領が就任することが決まったばかり。すでに退任が決まり政治的影響力が弱体化したニエト現大統領に、今回のようなアメリカにとって都合がいい条件をのますことは、トランプ大統領にとって最も簡単なことだったろう。

 そして、次はカナダだ。このNAFTA2国と交渉して外堀を埋めてしまったら、次は日本。これは自民党の総裁選が終わった後を見込んで行われる。総裁選の最中に交渉すると、安倍首相は国民の手前、抵抗せざるを得ない。日本との交渉は9月20日以降の方がやりやすいというわけだ。そして日本が陥落すれば、次はイギリス、最後にEUへと矛先が向かうだろう。

 日本はアメリカとの2国間交渉で、10月中に即行で決着を付けさせられる可能性が高い。理由は、11月にアメリカの中間選挙があるからだ。下馬評ではトランプ氏率いる共和党が大敗北を喫するかのように言われているが、もしこのタイミングでトランプ氏の保護貿易政策によってアメリカの製造業が息を吹き返したら、そのシナリオは崩れるだろう。

日の丸自動車はエンジンを
北米で生産するしかなくなる?


 さて、トランプ政権にとって今回のメキシコとの交渉結果には「2つのウラ」がある。1つは、アメリカとメキシコでの部品調達率75%という数字にその秘密がある。簡単に言えば70%なら達成できても75%という数字はちょうど日本企業には達成できない水準に設定されているということだ。

 1990年代の日米構造協議の際に、日本車は北米大陸で62.5%を生産しなければならないという条件を突き付けられた。その結果、アメリカ、メキシコ、カナダに次々と日本車工場が建てられたのだが、北米に進出した工場は自動車メーカーだけではない。日本の名だたる部品メーカーがすべて北米大陸に進出した。自動車部品も北米産でなければ、62.5%は達成できないからだ。

 私は当時、日本の自動車メーカーからの依頼で「どうすればこのハードルを乗り越えられるか」を検討していた経験がある。わかったことは、日本車にはどうしても日本で製造しなければ理想とする性能を実現できない高精度部品が2つあるということ。それがエンジンと変速機で、この2つで全コストの30%を占める。一方、それ以外の部品の大半は北米産にしなければ62.5%は超えられない。ということで、日本の完成車メーカーは部品メーカーに大挙し、アメリカへの移動を指示することになったのだ。

 つまり、今回75%にハードルが上げられたことで、いよいよエンジンをアメリカでつくらなければ、関税ゼロの目標には届かないことになった。簡単に言えば、「急には絶対に無理」な話であり、そのことはトランプ政権もわかっているはずだ。これが「1つ目のウラ」であり、アメリカの中間選挙どころか次の大統領選挙に至るまで、アメリカの自動車メーカーは日本車に対して絶対優位を得られる構図になる。

 しかしこのハードル、簡単にクリアする方法がないわけでもない。それは北米での生産を、ガソリン車から電気自動車へとシフトさせることである。車からエンジンがなくなれば、部品はすべて北米産でも日本車は生産できる。

日本を巻き添えにする
トランプの「本当の狙い」


 そうなると仮定した上で、「もう1つのウラ」を考えてみよう。日本メーカーが北米生産を電気自動車にシフトしても、さらに問題が出てくる。電気自動車を売ろうにも、当面のところアメリカ市場ではそのインフラが整備されないだろう。理由は、温暖化対策の枠組みであるパリ協定から、トランプ大統領が離脱を表明しているからだ。

 トランプ大統領は時代に逆行するように、高効率に石炭を燃焼させるクリーンコール技術を推奨している。炭鉱を抱える州の支持を受けて当選したからだ。同様に、シェールオイルの採掘規制も撤廃に向けて動いている。

 アメリカ合衆国の地図にプロットしてみれば、こうした構図はすぐにわかる。石炭の採掘が多い州、オイルビジネスが盛んな州、鉄鋼業が強い州、そして自動車産業が雇用を生んでいる州――。それらはすべて、2016年の大統領選挙でトランプ大統領に票を入れた州である。

 地球温暖化問題に敏感で電気自動車の導入を進めるカリフォルニア州、国際的な約束を重視するニューヨーク州やマサチューセッツ州のような州もあるが、そもそもそれらの州民はトランプ大統領には投票しない。

 結局のところ、トランプ大統領は中間選挙に向けて、アメリカの共和党支持者が一番反応するであろう産業に対して、得票に有効な保護貿易政策を打ち出すことに着手した。その第一手が、今回のメキシコ陥落だったというわけなのである。

 今後、自動車をはじめ日本の産業界は、こうしたアメリカの深謀遠慮を読み解きながら、難しい貿易交渉を続けていくことを余儀なくされるだろう。

(百年コンサルティング代表 鈴木貴博)


 

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コメント
1. 2018年8月31日 19:57:51 : d09awybmvs : 9XELq6f142c[31] 報告
隠し味 日本企業の 弱体化
2. 2018年9月01日 07:00:38 : 8tHrqcaWfU : LV_ym7Iy76w[22] 報告
東京目線でしか物事を見られないと、こういうタイトルを付けてしまう。
鳥取県のバス会社のことかと思ったよww
3. 2018年9月01日 11:20:54 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1411] 報告
米大統領、メキシコとの通商合意を議会に通知−カナダが望めば参加も
Andrew Mayeda、Josh Wingrove、Eric Martin
2018年8月31日 8:02 JST 更新日時 2018年9月1日 6:40 JST
カナダ外相:ウィン・ウィン・ウィンの合意は近いー5日に交渉再開
カナダ国民の利益にならない合意には調印しない−フリーランド外相
トランプ米大統領はメキシコと合意した通商協定を進める計画を表明し、カナダもこれに参加する可能性があると述べた。カナダとの交渉は期限の数時間前に合意を結ばずにいったん終了した。

  ホワイトハウスは31日に議会に対し、90日以内にメキシコと協定に調印する計画であり、カナダが「望めば」参加することになると通知した。4日間にわたってワシントンで行われた米国とカナダの集中協議は合意に至らずに終了。9月5日に再開される。ホワイトハウスは27日にメキシコとの間で成立した北米自由貿易協定(NAFTA)改定の暫定合意に、カナダも調印することを望んでいた。

  ワシントンで米通商代表部(USTR)と交渉にあたったカナダのフリーランド外相は、協議終了後に記者団に対し、「ウィン・ウィン・ウィンの合意が近いことが分かっている」と発言。カナダと米国はそれぞれの自動車セクターの労働者のために、より良い合意に到達しようとしていると述べた。「良好な進展があるが、まだやるべきことが残されている」と続けた。

  カナダ国民の利益にならない合意には調印しないと、フリーランド外相は言明した。

原題:U.S. Alerts Congress of Mexico Deal, Says Canada Can Join On (2)(抜粋)
Freeland Says Steel, Aluminum Tariffs Are Unrelated to Nafta(抜粋)


 

 



トランプ大統領就任委員会に外国資金、パッテン被告が有罪答弁
Andrew Harris、Andrew Martin、Tom Schoenberg
2018年9月1日 4:23 JST
トランプ大統領の元選対本部長、ポール・マナフォート被告の元同僚が外国代理人登録法(FARA)違反の罪を認め、トランプ大統領の就任式実行委員会に外国から資金が渡るのを手助けしたと証言した。

  サム・パッテン被告は31日、ウクライナの政党のために行ったロビー活動でFARAに基づいた登録を怠ったことを認め、検察に協力することに同意した。裁判所での有罪答弁で同被告が認め、訴追を免れた罪の中に、トランプ大統領の就任式実行委員会に「外国の資金」が支払われるように取り計らった罪があることが、検察によって開示された。

  裁判所に提出された文書によると、パッテン被告に仕事を依頼したウクライナ人顧客は、2017年1月のトランプ大統領就任式への出席を希望。米連邦選挙委員会の規則により大統領就任に際し外国人が資金的な寄与をすることが禁じられているため、同被告は規則をかいくぐろうと米国人個人を隠れみのに5万ドルでチケット4枚を購入。資金は同被告とコンスタンティン・キリムニク氏が共同経営する会社がまず立て替え、その後ウクライナ人顧客から払い戻されたという。キリムニク氏はマナフォート被告の元同僚で、ロシア軍情報機関と関係があるとされている。

原題:Patten Caused Foreign Money to Be Paid to Inaugural Committee(抜粋)


 

NY外為】ドルが上昇、貿易巡る緊張などで逃避需要高まる
Robert Fullem
2018年9月1日 4:46 JST 更新日時 2018年9月1日 6:40 JST
31日のニューヨーク外国為替市場ではドルが上昇。ブルームバーグのドル指数はこの日の高値からは上げをやや縮めたものの堅調を維持し、週間・月間でも値上がりとなった。米国とカナダの通商協議は、この日は合意が成立しないまま終了した。新興国市場のボラティリティーの高まりや貿易面での緊張で安全通貨が買われた一方、資源国通貨は下落した。

  ブルームバーグのドル指数は一時0.5%上昇。ドルは主要10通貨中スイス・フランを除く全てに対して上げた。

  米ドルはカナダ・ドルに対して上昇。北米自由貿易協定(NAFTA)改定を巡る米国とカナダの協議はこの日合意に至らず、協議は来週再開される見通しとなった。

  ニューヨーク時間午後4時59分現在、主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は前日比0.4%上昇。週間では0.2%、月間では0.7%それぞれ上げた。ドルはこの日、対ユーロで0.6%高の1ユーロ=1.1602ドル。対円では0.1%上昇の1ドル=111円03銭。米ドルはカナダ・ドルに対して0.4%高の1米ドル=1.3040カナダ・ドル。

  トランプ米大統領は前日、世界貿易機関(WTO)からの脱退を警告。これも背景にドルは堅調に推移した。トランプ大統領はこのほか、欧州連合(EU)が提示した自動車関税撤廃案について、「十分ではない」と述べた。

  ユーロは一時0.7%安と、2週間で最大の下げ。格付け会社フィッチはこの日、イタリアの格付け見通しを「ネガティブ」に引き下げた。格付けは「BBB」で据え置き。

欧州時間の取引
  欧州時間にはユーロが上昇。欧州中央銀行(ECB)の政策委員会メンバー、ノボトニー・オーストリア中銀総裁は、イタリア経済の弱さを理由に金融緩和の解除や利上げ開始を遅らせるべきではないとの考えを示した。

原題:Dollar Presses Forward as Trade Frictions Grow: Inside G-10(抜粋)
Euro Rises a Third Week as Swiss Franc Leads Gains: Inside G-10

(情報を追加し、更新します.)


 


米国株・国債・商品】S&P500横ばい、米加通商交渉を注視
Brendan Walsh
2018年9月1日 5:46 JST 更新日時 2018年9月1日 6:16 JST
週央に過去最高値更新したS&P500種、8月月間では3%高
米国とカナダの通商協議は物別れ、週明けに交渉再開へ
31日の米株式市場ではS&P500種株価指数とダウ工業株30種平均がほぼ横ばい。米国とカナダは合意なくこの日の通商協議を終えたが、週明けに協議を再開すると遅い時間に伝わった。米国債は遅い時間に伸び悩み、長期債は下落した。

米国株はまちまち、米とカナダの通商協議に注目−ナスダックは続伸
米国債は長期債が下落、10年債利回りは前日並みの2.86%
NY原油は反落、サウジ産油量引き上げ報道で−月間では上昇
NY金は小反発、月間ベースでは5カ月続落
  連休を控え、株式市場は薄商いとなった。米加の通商交渉が物別れに終わり協議が週明けに持ち越されたことを受け、自動車株が下げた。S&P500種は週間ベースで0.9%高、月間ベースでは3%高となった。

  S&P500種は前日比0.1%未満上げて2901.52、ナスダック総合指数は0.3%高の8109.54。ダウ平均は22.10ドル(0.1%)安の25964.82ドル。ニューヨーク時間午後4時50分現在、米10年債利回りは1ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)未満上げて2.86%。

  ニューヨーク原油先物市場ではウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)が反落。サウジアラビアの8月の産油量が7月に比べ増えたと伝わったのが背景。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物10月限は45セント(0.6%)安の1バレル=69.80ドルで終えた。ただ、イラン制裁で原油供給が引き締まるとの見方を受け、8月月間では上昇した。ロンドンICEの北海ブレント10月限の終値は35セント安い77.42ドル。

  ニューヨーク金先物相場は小反発。ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物12月限は0.1%高の1オンス=1206.70ドルで終了。ただ8月月間では2.2%安で、5カ月続落。過去5年で最長の下落局面。米国と諸外国の貿易摩擦を受けて金を敬遠し、ドルを買う動きが優勢となり、8月はドル指数が上昇した。

  今週半ばにはS&P500種が過去最高値を更新したが、ここ数営業日では慎重ムードが台頭した。貿易関係の悪化で世界経済が打撃を受ける可能性を、投資家は引き続き懸念している。トランプ米大統領は前日、欧州連合(EU)が提示した自動車関税撤廃案をはねつける意向を示した。

  米国債市場では、月末特有のポートフォリオ調整で長期物が需要を集める場面があった。米加合意の可能性が薄いとのカナダ当局者見解が伝わり、10年債利回りは一時2.829%を付けた。

原題:Trade Talks Weigh on U.S. Stocks as Dollar Gains: Markets Wrap(抜粋)
Treasuries Pare Gains and Curve Steepens Despite Month-End
Oil Posts Monthly Gain as Iranian Sanctions Stoke Supply Fears
Gold Posts Fifth Straight Monthly Drop as Dollar, Stocks Rally

(第6段落以降を追加し、更新します.)


WTO事務局長、米国が脱退なら米企業に大きな打撃と警告
Shawn Donnan
2018年9月1日 4:01 JST
トランプ米大統領が世界貿易機関(WTO)からの脱退を警告したことを巡り、WTOのアゼベド事務局長は、米国が脱退すれば、世界で事業を展開する米企業は大きな打撃を被るとの認識を示した。

  トランプ大統領は30日、大統領執務室でのブルームバーグ・ニュースとのインタビューで、「彼らが正しく振る舞わなければ、私はWTOから脱退するだろう」と発言。さらに、WTO設立協定は「通商協定としては過去最悪だ」と語った。


アゼベド事務局長写真:SeongJoon Cho / Bloomberg
  アゼベド事務局長は31日、ブルームバーグとのインタビューで、共通した不満に対応するため米国や他の加盟国と既に取り組んでいると説明。一方で、米国がWTOから脱退すれば、世界経済ならびに米国自身に大きな悪影響が及ぶと警告した。

  アゼベド事務局長は「このシナリオは誰にとってもプラスにならない」と言明。「米国は世界の貿易全体の約11%を占めている。よってWTOから脱退すればWTOには大きな打撃だ。ただ米国にとっても大きな打撃となる」と加えた。

原題:WTO Head Warns U.S. Exit Would Mean Chaos for American Business(抜粋)

 

8月の米ミシガン大学消費者マインド指数:7カ月ぶり低水準
Jeff Kearns
2018年8月31日 23:06 JST 更新日時 2018年9月1日 0:39 JST
8月の米ミシガン大学消費者マインド指数(確定値)は、1月以来の低水準に落ち込んだ。

ミシガン大学消費者マインド指数のハイライト(8月、確定値)
消費者マインド指数は96.2と、前月の97.9から低下し、7カ月ぶり低水準。ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想の中央値は95.5−速報値は95.3
現況指数は110.3に低下し、2016年11月以来の低水準(前月は114.4)−速報値は107.8
期待指数は87.1に低下、前月は87.3−速報値は87.3
  ミシガン大学の消費者調査ディレクター、リチャード・カーティン氏は「今回の消費者マインド指数は、米経済成長に関する最近の非常に明るい指標とは極めて対照的だ」と指摘。「最も低調だったのは、購買環境を巡る明るい見方が後退したことと関連している。これは主として、市場価格に対する明るい見方の後退や、度合いはより小さいが金利上昇も影響している」と分析した。

  1年先のインフレ期待は3%、前月は2.9%だった。5−10年先のインフレ期待は2.6%(前月2.4%)に上昇した。

  統計の詳細は表をご覧ください。

原題:Consumer Sentiment in U.S. Fell Less Than Forecast in August(抜粋)

(統計の詳細を追加し、更新します)

4. 2018年9月01日 19:52:47 : 5pYyeCd9nA : C_zQeGtrqAE[49] 報告
部品調達率75%で思い出した、豪州における部品調達率85%の歴史。

1970年代に急増した日本車の対豪州輸出に対し、当時保護貿易政策をとっていたオーストラリア連邦政府は、豪州現地生産しても85%の現地部品調達率を満たさなければ、57.5%の輸入関税を課すと通告してきた。

1970年代後半から80年代にかけて、日本メーカーは次々と豪州に現地生産進出した。トヨタは地場メーカーのAMI(アメリカのAMC車をつくっていた。)を買収し、日産はフォルクスワーゲン現地生産工場が撤退した後の工場施設を買収した。三菱自動車は、提携先の米クライスラーが本国の経営危機で撤退することになったため、三菱商事と共同で買収した。

トヨタが生産していたコロナは、ライバルのGMホールデン社からエンジンを購入して搭載していた。ホールデン・コモドアの2.85ℓ直列6気筒エンジンから2気筒を取り去った1.9ℓエンジンである。このエンジン、出力が低くて騒音も大きく、酷い出来のエンジンでした。

1980年代に入ってから各社ともエンジンの現地生産に踏み切り、85%の現地調達率を達成し、それ以降GMホールデンやフォードのシェアに食い込む健闘を見せたのである。

しかし豪州が貿易自由化を受け入れ、関税を撤廃したことから、輸入車に市場を奪われ、残った自動車メーカー5社の全てが撤退したのであるが、これは今回の話題とは違うので、この辺にしておきます。

●1980年代の豪州と違い、21世紀の今日では、わざわざエンジンや変速機の現地生産に踏み切るのは賢明ではない。それらは膨大な設備投資が必要だ。もう電気自動車の時代が来ているのに、エンジンの新規開発すら元は取れないではないか。だから現地生産なんて無理である。

トランプ政権は、この事情を知り尽くしているから、日本側を揺さぶる材料に事欠かない。日本メーカーは更なる苦境に追いやられるだろう。

5. 2018年9月03日 14:34:51 : mJ9TgNsRxk : Y@PB8mA62yk[152] 報告
自国の支持者たちを正当な理由で守ろうとするトランプはいいね。
汚いグローバリストたちも頭を抱えるだろう。

それにひきかえ「ケチって火炎瓶」は税金搾取と借金を国民にツケ
かえることしか出来ない無能戦争カルトだ。

戦争カルト退治が世界中で進行していて9月はイベントが目白押し
みたいで楽しみだ。

6. 2018年9月04日 11:22:42 : jXbiWWJBCA : zikAgAsyVVk[1417] 報告
NAFTAからNACTAで自動車業界激震
細川昌彦の「深層・世界のパワーゲーム」
「管理貿易」に突き進むトランプ政権の脅威

2018年9月4日(火)
細川 昌彦

北米自由貿易協定(NAFTA)の見直し交渉で、米国とメキシコが大筋合意した。この合意が、日本の自動車業界を激震させる可能性がある。あまり報じられていないが、合意内容に日本の自動車メーカーの身動きをとれなくする“毒まんじゅう”が仕込まれている。


トランプ大統領はメキシコに“毒まんじゅう”を食わせた?(写真:ロイター/アフロ)
レイムダックのメキシコを二国間で突く米国
 北米自由貿易協定(NAFTA)の見直しを巡る米・メキシコ、米・カナダ2国間協議に世界の目が注がれている。8月29日、米・メキシコは大筋合意し、その後、行われた米・カナダは農業分野などでの対立が解消されず、9月5日に再協議する。

 「これまでのNAFTAは米国の雇用を奪ってきたので見直す」

 
 NAFTAの見直しはトランプ大統領にとって大統領選での選挙公約であった。しかし、昨年からのメキシコ、カナダとの交渉は膠着状態に陥っていた。事態が動いたのは、7月のメキシコの大統領選だ。12 月に新大統領に交代するが、新大統領が現政権との協議結果を受け入れると表明したことで、米国はレイムダックになった現政権との協議を一挙に加速させた。ある意味、新旧大統領の「無責任が生んだ間隙」を突いた結果なのだ。

 
 メキシコにとってその代償は大きかった。

自動車産業の北米戦略、抜本見直し迫られる
 日本の自動車業界では、米・メキシコの間で大筋で妥結した中身に衝撃が走った。

 まず、北米域内で自動車関税ゼロにする適用条件として域内での部品調達比率が定められているが、これを現在の62.5%から75%に引き上げる。日本メーカーは現状では75%を達成していないので、対応が必要になる。

 
 そして米国製部材の調達を事実上増やすことにつながる、「賃金条項」も新たに盛り込んだ。部品の40〜45%について時給16ドル以上の地域での生産を義務付けるものだ。これは事実上、米国製部品の購入を強制する、悪名高い「バイ・アメリカン条項」に等しい。メキシコの労働コストの安さ(時給7ドル程度)を前提として生産体制を構築してきた、これまでの自動車産業の経営戦略の転換を迫るものだ。

 
 さらに、これはまだ公表されていないようだが、全体としての域内調達比率を満たすだけでは足りないようだ。部品の中でもエンジン、サスペンション、トランスミッション、バッテリーなど中核的な部品7品目については、それだけで75%の現地調達比率を定めているとの情報もある。これらの中核的な部品は日本から供給している日本メーカーにとって、対応の困難な深刻な問題だ。特に内製化していない部品は、部品メーカーが域内から供給しない限り、条件を満たせない。

 
 自動車メーカーはこれまでNAFTAを前提に、北米でのサプライチェーンを構築してきた。部品の品質、価格、納期などを緻密に検討して、部品の調達先を決めて作り上げてきたものだ。その前提条件が変更されるのだから、堪ったものではない。調達先の切り替えも簡単ではない。

 
 部材メーカーも自動車メーカーの調達方針を踏まえて、メキシコなどへの投資をしてきている。今回の見直しで、メキシコの工場ではなく、米国の工場からの供給に切り替えざるを得ないところも出てくるだろう。

 
 コスト高になってでも米国工場からの部品供給に切り替えるのか、中核部品を北米から供給できるような体制を組めるのか、それらの対応を諦めて2.5%の関税を支払うことを覚悟するのか、そうした選択の厳しい経営判断を迫られる。

 
 いずれにしても、今後のメキシコへの投資が冷え込むのは明らかで、メキシコが安易に妥協した代償は大きい。

“毒まんじゅう”を食べてしまったメキシコ
 しかし、当初公表されたこれらの条項だけではなかった。もっと衝撃的な内容が付属合意としてあったことが判明したのだ。それが「数量規制」という“毒まんじゅう”だ。

 当初、日本のメディアでは「最悪の事態を回避して安堵」といった、呑気なコメントもあったが、これでは本質が見えない。海外通信社の衝撃的な報道で、やっとその深刻な内容に気づいたようだ。

 
 かつて日本も80年代に締結した日米半導体協定においても、その付属文書で外国製半導体のシェアに関する数値目標を盛り込まされた。そしてその後、大きな禍根を残した苦い経験をしている。

 
 突かれたくない重要な内容は本体の合意には盛り込まないものだ。付属文書を見なければ本質はわからない。

 
 メキシコから米国への乗用車輸出数量が240万台を超えると、25%の関税が課されるというものだ。米国は現在通商拡大法232条に基づいて、自動車輸入への追加関税を検討しているが、この高関税を免れるために、数量規制を飲んだということだ。メキシコはこの“毒まんじゅう”を食べてしまった。

 
 数量規制は関税引き上げよりも自由貿易を歪める度合いが強いので、世界貿易機関(WTO)のルールで禁止されている。これは明らかに自由貿易の根幹を揺るがす大問題なのだ。

 
 かつて80年代の日米貿易摩擦において、鉄鋼の対米自主規制を行い、自動車でも米国は同様の自主規制を日本に対して要求していた。そしてこのような「管理貿易」には怖さがあった。日米半導体協定のように、一旦安易に譲歩すると、更に米国はカサにきて要求を強めてくる、という苦い経験をした。

   
 そして今、塗炭の苦しみを味わっているのが韓国だ。

 
 本年3月、米韓自由貿易協定(FTA)の見直し交渉が合意した。この中で、鉄鋼に関して、通商拡大法232条に基づく追加関税を免除されるのと引き換えに、米国への鉄鋼輸出の数量制限が盛り込まれた。

 
 当初、うまく交渉をして追加関税を免れたとされていたが、そこに大きな落とし穴があった。数量規制の運用が米国にいいようにやられて、韓国はがんじがらめにされて、悲惨な状況に追い込まれているのだ。

 
 「これでは追加関税をかけられていた方がマシだった」との声が聞こえるほどだ。

 「ミスター数量規制」によって「北米管理貿易協定(NACTA)」になった
 ライトハイザー米国通商代表は、80年代に日本に対して鉄鋼輸出自主規制を飲ませた成功体験を持つ。さらにトランプ政権下では拍車がかかり、通商拡大法232条による高関税を脅しに、数量規制に追い込む。鉄鋼問題で韓国に対して味を占めて、今回、メキシコに対して自動車の数量規制を飲ませたのだ。

 いわば彼は「ミスター数量規制」だ。

 
 さすがにメキシコのグアハルド経済大臣は当初受け入れなかったが、最後はレイムダック化した現大統領が安易に受け入れてしまったのだ。

 
 メキシコは「25%の追加関税を免れるための保険を得た」とその成果を説明するしかなかったが、これこそ米国の思うつぼだ。

 
 2017年のメキシコから米国への乗用車輸出が170万台なので、240 万台の数量規制ならば今後4割程度の増やす余地があると安易に考えたのだろう。

 
 しかしメキシコの対米輸出はここ5年を見ても、年平均1割は伸びている。今後も自動車メーカーの生産拡大計画があり、新協定が2020年から発効するとして、恐らく数年で240万台に達してしまう。

 
 しかも注意を要するのは総枠の数量だけでない。韓国は鉄鋼の数量規制を54品目ごとに規定されて「がんじがらめ」にされている。今後、明らかにされるであろう数量規制の中身も子細に見る必要がある。

 
 例えば、前述したように、自動車メーカーが「引き上げられた域内部品調達率や賃金条項を無理して満たすよりも、2.5%の関税を支払う方がコスト的によい」として選択したとしよう。ところが、そういう対応を抑制するために別途の仕組みも仕込まれているようだ。

 
 2.5%の関税支払いをして米国に輸出できる台数を百数十万台に制限して、これを超えると懲罰的な高関税がかかる、という仕組みだ。

 
 こうした管理貿易の仕組みを駆使して、企業の経営判断の自由度を「がんじがらめ」に縛り、米国での部品調達に巧妙に追い込んでいるのである。

 
 いずれにしても自動車産業はメキシコへの投資を抜本的に見直しすることを迫られそうだ。

 
 「北米自由貿易協定」は「北米管理貿易協定」になってしまった。NAFTA(North American Free Trade Agreement)ではなく、NACTA(Controlled Trade )だ。

カナダとの交渉を固唾を飲んで見守る日欧
 現在協議が継続中の米加間の交渉では、カナダの乳製品の扱いと米加間の紛争処理のあり方で対立が激しいが、自動車分野は大きな対立点になっていない、とメディアは伝えている。

 カナダについては、賃金が米国並みで、低賃金のメキシコとは賃金条項での立場が違うので、この点では対立点にならないのは確かだ。しかし表に出ていない数量規制については、その危険性をカナダは十分理解していることを期待したい。カナダがメキシコのように“毒まんじゅう”を食べないよう、日本、欧州は固唾を飲んで見守っている。

 
 トランプ大統領はカナダへの強硬姿勢を強め、NAFTA分裂や自動車の追加関税もちらつかせることによって脅して、カナダの譲歩を迫っている。しかし五大湖付近では日本メーカーも含めて自動車産業は、国境をまたいで一体化して生産している。仮にNAFTAを維持できない事態になれば、米加双方も、そしてそこに投資するメーカーも致命的打撃を受ける。

 
 米国議会の権限も無視できないことも忘れてはならない。NAFTA分裂の事態は、議会としても受け入れられないだろう。強硬姿勢はトランプ政権の焦りの裏返しでもある。

今後、欧州、日本に対しても数量規制要求へ
 鉄鋼で韓国に対して、自動車でメキシコに対して、米国は「高関税で脅して、数量規制を飲ませた。」これが米国の手法だ。

 米国は今後、欧州、日本に対しても、同様の手法でやってくるだろう。ハガティ駐日大使が自動車の数量規制に言及するのもそれと軌を一にするものだ(参照:メディアが報じない、日米通商協議の真相を読む)。9月の日米通商協議(FFR)、日米首脳会談での大きな焦点となるだろう。

 
 この問題は世界の通商秩序の根幹を揺るがすものだとの危機感が必要だ。部品調達率や賃金条項だけに目を奪われていてはいけない。自動車メーカーも「実害のない数量が確保できればよい」といった安易な考えは、将来に禍根を残すことを肝に銘ずるべきだろう。

 
 さらに考えなければならないのは、これを米国に許すと、将来、同様に巨大市場を有する中国も同じことをしてくることも覚悟しなければならないということだ。

 
 日欧は連携して、「毒まんじゅう」を阻止する戦いの胸突き八丁にさしかかっている。


このコラムについて
細川昌彦の「深層・世界のパワーゲーム」
経済産業省(旧通商産業省)で日米の通商交渉などを長らく担当してきた細川昌彦氏(中部大学特任教授、元・経済産業省中部経済産業局長)が、米国、中国、欧州、そして日本など世界の大国間で繰り広げられるパワーゲームの深層を読み解く。2017年2月から日経ビジネスオンラインの「ニュースを斬る」でトランプ外交などを中心に解説してきた人気コラムニスト。

 

淘汰目前、中国NEVメーカーに3つの試練
トレンド・ボックス
底力と経営革新が問われる

2018年9月4日(火)
湯 進


蔚来汽車のスマートカー(写真上)と量産モデルES8
 中国新興電気自動車(EV)メーカーの代表格である蔚来汽車が8月、ニューヨーク証券取引所への新規株式公開計画を発表。「中国のテスラ」になるという夢の実現に向けて一歩踏み出した。

 補助金政策を追い風にEVを中心とする中国の新エネルギー車(NEV)市場は急速に拡大し、多くの新興メーカーが続々とEV開発に乗り出している。一方、2019年から実施される罰則付きNEV生産義務、20年までに段階的に廃止される補助金制度などを勘案すれば、淘汰の波は眼前に迫りつつある。新興EVメーカーの生き残りをかけた競争は激しさを増すものと思われる。

50社超が新規参入
 中国政府は、地場自動車メーカーの内燃機関の技術開発がなかなか進まない中、国内の大気汚染の深刻化や原油の過度な輸入依存もあり、12年からNEV市場の育成に力を入れてきた。

 補助金制度、購入税免除、自動車ナンバープレート優先取得など一連の促進政策により、中国のNEV販売台数は13年の1.7万台から17年に77.7万台へと急速に増加。世界全体の5割強を占める規模にまで増加した。中国政府が示したNEV販売台数を25年に新車販売の20%にあたる700万台にする目標は、中国NEV市場の拡大を大いに期待させる。


出所:中国乗聨会の発表より作成
 中国地場自動車メーカーがNEV政策の波に乗り活気づく中、異業種からNEV市場に新規参入する動きも目立つ。

 18年6月末時点、中国にNEV関連メーカーは503社あり(累計登記ベース)、主要メーカーの投資計画をまとめると、20年のNEV生産能力は800万台に達する。これは市場需要の4倍にあたる規模だ。

 現在の中国NEV市場ではBYD汽車、北汽新能源、上汽乗用車など民族系3社が約5割のシェアを占める。既存の自動車勢力にITを駆使したスマートカー技術の蓄積は多くないものの、新たな製品価値を市場に浸透させれば、今まで参入できなかった自動車市場で競争力をもつ可能性がある。

 外資系企業は中国でNEVの本格的な生産を行っていない。高級車に特化するテスラを除くと、いずれもその販売台数は少ない。このため、新興EVメーカーの多くは、いつの日か「中国のテスラ」に化けるときが来る、と夢見ている。50社超の新興EVメーカーが続々と自社工場の建設に取り組む。

EV量産を進めるIT系3社
 豊富な資金力を持つ中国IT大手の百度、アリババ、テンセントの3社は、政府のNEV政策に投資意欲を刺激され、相次いで新興EVメーカーに出資した。

 蔚来汽車(テンセント出資)は6月、高級EV「ES8」の納車を開始。7月末までに1331台納車し、18年の販売目標を3万台に設定する。創業3年間の資金調達額は累計24億ドルに達したのに対し、累計損益は17億ドルの赤字であった。ニューヨーク証券取引所に上場できれば、蔚来汽車は最大18億米ドル(約2000億円)を調達。EVの生産・開発に投入する計画だ。

 小鵬汽車(アリババ出資)はこれまで15億ドル超を調達したが、来年さらに30億ドルを調達する予定。EV量産モデル「G3」を年内にも納車する。販売価格を蔚来汽車「ES8」の半額程度(20万〜28万元)に設定し、幅広い消費者をターゲットにする。

 上記2社がそれぞれ地場自動車メーカーのJAC汽車、鄭州海馬汽車に生産を委託したのに対し、威馬汽車(百度出資)は既存EVメーカーの買収により年産能力10万台の自社工場を稼動させ、EV量産モデル「EX5」の9月納車開始を目指す。

 新興EVメーカーは、エンジン車メーカーに伍する製品開発力を備え、コネクテッドカーの開発で他社と差別化を図る必要がある。資金調達力、製品開発力及び自社工場建設の進捗状況を考慮すれば、少なくとも現時点で大手IT企業の出資する上記3社は比較的生き残る可能性が高い。

 一方、3社以外に年内の完成車量産を計画する新興EVメーカーは5社にとどまる。これら新興EVメーカーにとっては、部品サプライチェーンの整備やものづくり力の向上が依然重要な課題となる。

中国EV生産・販売ライセンスを取得した8社と主要新興EV企業(万台)
EV生産・販売ライセンスを取得した企業 主要新興EVベンチャー
企業名 出資先 年産能力 企業名 出資先 年産能力
北京新能源 北京汽車 7 蔚来汽車 テンセント等 20
長江EV 五龍集団 5 小鵬汽車 アリババ等 20
前途汽車 長城華冠 5 威馬汽車 百度等 20
奇瑞新能源 奇瑞汽車 8.5 Dearcc汽車 ファンド 18
江鈴新能源 江鈴汽車 5 Byton汽車 一汽、CATL等 18
雲度新能源 福建汽車 5 奇点汽車 ファンド等 30
知豆電動汽車 新大洋集団 4 車和家汽車 ファンド 20
合衆新能源 桐郷合衆 5 零跑汽車 ファンド 30
出所:各種報道より作成
新興メーカーが直面する3つの試練
 今後中国の新興EVメーカーは、以下の3つの試練を乗り越えなければならない。

 1つ目の試練として挙げられるのは、中高級EV市場の形成に時間を要することだ。18年1〜6月のEV販売台数を見ると、航続距離300km以下の車種が全体の5割を占め、補助金控除後の小売価格10万元(約170万円)以下の車種は全体の45%を占めた。沿海部の大都市では、ナンバープレートの発給規制によるEV特需があり、短距離移動に適したコンパクトカーがEV市場の主流である。他方、内陸部の中小都市では、中古車を含む対エンジン車のコストパフォーマンスと利便性がEV購入の重要な条件となる。

 しかし18年6月末時点、全国のEV保有台数が162万台であったのに対し、充電スタンドの設置数は70万に過ぎない。さらにバッテリー測定体制の不備により、EV中古車取引価格が新車価格と大きく乖離していることが、一部の消費者がEVを敬遠する要因となっている。

 2つ目の試練は、政府が参入基準の引き上げや生産ライセンスの発給を通じ、新興EVメーカーの絞り込みを図ることだ。

 18年7月発表の「自動車産業投資管理規定(意見公募)」は、過剰投資を防ぐため、企業と地方政府の双方に厳しい基準を設けた。EV年産能力10万台以上、工場フル稼働までの株式譲渡ができない、企業所在地域のNEV保有率が全国平均を上回ること、などを主な参入条件に挙げる。18年8月末時点で、既にEV生産ライセンスを取得した15社(うちの8社が販売許可も取得)以外にも、ITベンチャーを含む新興メーカー数十社が懸命にEV開発を行う。しかしこうした新興メーカーが生産ライセンスを取得する目処は立っていない。

 3つ目の試練は、NEV補助金の廃止や外資規制の緩和により、今後し烈な市場競争が繰り広げられることだ。

 メーカー乱立による過剰投資や製品品質の低下が懸念されることから、中国政府は18年に航続距離300km以下のEVに対する補助金を前年比最大58%減額、支給期間を20年末とする方針を明らかにした。また今年NEV市場の外資出資比率規制が撤廃されることにより、すでに新規EV合弁事業を発表したフォードと衆泰汽車、日産・ルノーと東風汽車、BMWと長城汽車に加え、テスラも中国に年産50万台のEV新工場を建設する。21年以降、多くの外資系メーカーがEV市場に参入することから、市場競争は一層激しさを増し、新興EVメーカーに淘汰の波が押し寄せる可能性は高い。

 この先中国のNEV市場では、生存をかけた激しい戦いが展開されるものと予想される。すでに中国でEVを量産するフォルクスワーゲンは、25年に150万台のEV販売を計画する。GMは上海にEVバッテリーパック工場を設け、今後5年間で20車種のNEVを投入する予定だ。日本の自動車大手3社も一斉に中国での増産に向けた投資を表明し、激戦必至の中国NEV市場で態勢を整える。

 補助金制度の廃止やEV生産ライセンス規制の設定は、自国のNEV市場を育成しようとする中国政府にすれば、新興EVメーカーの存亡にタイムリミットを設ける試みといえる。筆者が6月小鵬汽車を訪ねた時、創業者の何小鵬氏は「20年に生き残っている新興EVメーカーは3社だけだ」と危機感を露わにした。

 今後新興EVメーカーには厳しい試練が待ち受ける。いかにものづくりの弱みをカバーしコネクテッドカーで競争優位に立てるか、今まさに新興EVメーカーの底力と経営革新が問われている。

湯進(たん・じん)氏
みずほ銀行国際営業部主任研究員・博士(経済学)

2008年入行時より国際営業部に所属。自動車・エレクトロニック産業を中心とした中国の産業経済についての調査業務を経て、中国地場自動車メーカーや当局とのネットワークを活用した日系自動車関連企業の中国ビジネス支援を実施しながら営業推進業務に従事。また継続的に中国自動車業界に関する情報のメディア発信も行っている。(関連情報はこちら)

直近の自動車関連レポート

日経産業新聞 「中国EV電池市場〜外資規制に緩和期待」(2018.6.25)
mizuho globalnews Vol.97「中国新エネルギー車市場の拡大とリチウムイオン電池メーカーの成長」(2018.6) みずほ銀行
週刊エコノミスト「中国が EV電池工場になる日」 (2018.5) 毎日新聞出版社
日経産業新聞 「中国の燃費・NEV規制」(2018.5.21)

このコラムについて
トレンド・ボックス
急速に変化を遂げる経済や社会、そして世界。目に見えるところ、また見えないところでどんな変化が起きているのでしょうか。そうした変化を敏感につかみ、日経ビジネス編集部のメンバーや専門家がスピーディーに情報を発信していきます。

7. 2018年9月04日 19:55:47 : wTqrxDwRMY : vEeN2335v8Q[966] 報告
 
 海水に浸かって 自動車が100台燃えた!!

 ===

 きっと その中に 日産の EVが あったのではなかろうか 

 漏電して 電池が高温になれば そりゃ〜〜 発火するだろうよ〜〜〜〜

 ===

 一旦火が出れば ガソリン車だって 燃え始めるんだから 全面 火の海になっちゃうよ〜〜
 

8. 2018年9月05日 00:43:38 : jXbiWWJBCA : zikAgAsyVVk[1436] 報告

「トランプ主義」日米FTAに足を踏み入るな

米加ぎくしゃく、NAFTA存続の危機

岡部直明「主役なき世界」を読む


2018年9月5日(水)
岡部 直明


米加関係は、NAFTA見直しをめぐって決定的に対立した。写真は2018年6月8日、カナダのシャルルボワでドナルド・トランプ米大統領と談笑するカナダのジャスティン・トルドー首相(写真=AP/アフロ)
 米国、カナダ、メキシコによる北米自由貿易協定(NAFTA)が存続の危機にさらされている。トランプ米大統領が提起したNAFTA見直しは、米墨間では合意したが、米加間では決着できなかった。米墨合意も数量規制の導入など「管理貿易」の色彩が濃くなった。

 9月中に米加合意が達成できないと、NAFTAは空中分解しかねない。NAFTAを前提に組み立てられた自動車などのサプライチェーン(供給網)も崩れてしまう。NAFTAの崩壊は米中、米欧、日米の貿易摩擦に波及する。トランプ第一主義が世界の自由貿易を危機に陥れようとしている。

カナダ離脱の危機
 深刻なのは、米国にとって最も近い同盟国であるカナダとの関係が、トランプ大統領の登場によって大きく揺らいでいることだ。米大リーグには、トロント・ブルージェイズが参加する。ニューヨークからシカゴに飛ぶより、トロントに行く方がずっと早い。ニューヨーカーにとって、カナダ国境にあるナイヤガラは最も手頃な行楽地だ。カナダの輸出の4分の3が米国向けであるように、貿易、投資の相互依存関係は極めて深い。

 そんな米加関係は、NAFTA見直しをめぐって決定的に対立した。トランプ大統領は「カナダをNAFTAにとどまらせることはない。公正な貿易ができないなら、NAFTAから出て行くことになる」とちらつかせている。米議会が米加墨3カ国の協定を維持するよう求めているのに対しては、「議会が干渉するなら、NAFTAを解消する」と息巻いている。

 トランプ大統領の圧力に、トルドー・カナダ首相も屈するわけにはいかない。米国は11月に中間選挙があるが、カナダも2019年に総選挙を控えている。トルドー政権の支持率が低下するなかで、乳製品など農産物問題で安易な妥協は許されない。

 そうでなくても、トランプ大統領とトルドー首相の関係はきしみ続けている。トランプ政権による鉄鋼、アルミニウムの追加関税発動に、カナダは即座に対抗措置を打ち出した。先の7カ国(G7)首脳会議では、議長国のカナダが苦心してまとめあげた首脳宣言を、トランプ大統領が「承認しない」とちゃぶ台返しを演じ、トルドー首相の面目を失わせた。

 仮に、米加間で9月中の合意が成立せず、NAFTAからカナダが離脱するという最悪の事態になれば、自動車の供給網は分断される。カナダを生産の拠点として米国に輸出する日本の自動車メーカーは、関税の復活で生産体制の大幅な見直しを迫られることになる。

米墨管理貿易協定に変質
 トランプ大統領は、就任早々から不法移民の流入を阻止するためだとして、メキシコとの国境に壁を建設する方針を打ち出すなど隣国メキシコに圧力を強めてきた。NAFTA見直しもその一環である。

 メキシコとの合意成立で、金融市場には安堵感が広がったが全くの見込み違いである。交渉は合意すればいいわけではない。その合意内容は自由貿易体制の将来にかかわる大きなリスクをはらんでいる。

 自由貿易体制の盟主であるべき米国が「米国第一主義」さらに「トランプ第一主義」に陥ったことをはっきり示している。

 米墨合意では、焦点の自動車貿易の関税をゼロにする条件として、部材の域内調達比率を現在の62.5%から75%に引き上げる。さらに、40−45%は時給16ドル(約1800円)以上の地域での生産を義務付ける「賃金条項」を導入する。米国からの部材調達をふやすのが狙いだ。

 これだけでも十分に「米国第一主義」「トランプ第一主義」だが、これに数量規制が加わった。米墨間で、乗用車の輸入量が一定水準を超えた場合に、最大25%の関税を適用することで合意した。2017年実績の4割増にあたる240万台を上限とする事実上の「数量規制」である。

 これは、「北米自由貿易協定」を「米墨管理貿易協定」に変質させるものだ。この数量規制は世界貿易機関(WTO)ルールから大きく外れる。

 メキシコのグアハルド経済相は、数量規制受け入れについて、メキシコからの輸出車に25%の高関税が一律適用されるのを避けるためだと説明しているが、トランプ政権の圧力の大きさを浮き彫りにしている。

北米を繁栄に導いたNAFTA
 1994年、クリントン米政権下で創設されたNAFTAは、北米に繁栄の時代を導いた。冷戦の終結で鮮明になったのは大欧州時代の到来だった。欧州連合(EU)は市場統合から単一通貨ユーロの創設と質的深化を遂げるとともに、旧東欧圏への東方拡大に動き出した。そのなかで、米国を軸とした北米3カ国の「市場統合」は時代の要請だった。NAFTAの創設には米議会内に異論もあったが、それは歴史の必然だった。

 NAFTAは北米に世界各国から投資を呼び込み、経済を活性化させた。カナダはG7の一員としての地位を固めた。メキシコは債務危機に苦しむ他の中南米諸国と一線を画した。NAFTAが創設された1994年に先進国クラブである経済協力開発機構(OECD)にメンバー入りしている。メキシコ財務相を務めたグリア事務総長はいまやOECDの顔になっている。

 メキシコはかつての資源国、債務危機国からNAFTAをてこに大きく前進した。筆者は1980年、大平正芳首相に同行して初めてメキシコを訪問した。それは第2次石油危機後の日本の「油ごい」外交だった。

 筆者が日本経済新聞社のニューヨーク支局長だった1986年当時、メキシコを訪問したのは、債務危機の取材のためだった。そして2004年に合意した日墨経済連携協定の取材で、再びメキシコを訪れた。メキシコはNAFTAを基盤に各国・地域と相次いで自由貿易協定(FTA)を締結していた。自動車など北米のサプライチェーンの拠点として発展した。NAFTAによって資源依存や債務危機から卒業できたのである。

 そして、何よりNAFTAは北米を核とするグローバル経済の拠点として、本家の米国経済の繁栄につながった。それは自由貿易の最先進国としての繁栄だった。

自動車摩擦打開へ日欧連携を
 NAFTAが自由貿易から管理貿易に変質し、空中分解する事態になれば、日欧など世界の自動車産業のサプライチェーンは分断される。供給網の見直しでコスト増や生産性低下も避けられなくなる。トランプ大統領がそれを承知でNAFTA見直しに踏み切ったのは、日欧との自動車摩擦が激化することを暗示している。

 日欧の基幹産業である自動車にトランプ発の貿易戦争が点火する事態になれば、世界貿易は縮小し、世界経済は停滞することになる。こうした危機は何としても防がなければならない。

 問題はどう危機を打開するかである。間違ってもNAFTA見直しの米墨合意を見習ってはならない。数量規制による「管理貿易」を安易に受け入れるのは危険極まりない。一見、摩擦回避のための「大人の解決」とみえるかもしれないが、自由貿易体制の将来に禍根を残すことになりかねない。

 危機的状況だからこそ、日欧は自由貿易体制の維持、強化で結束することが求められる。EUが提案している「自動車関税ゼロ」構想は、日米欧が受け入れられるはずだ。

 トランプ流保護主義に対抗して、日本とEUが経済連携協定で調印した意義は大きい。その成果を具現化するとともに、政治的意義をトランプ政権にアピールすることだ。

 合わせて、2国間の貿易赤字を「損失」と考えるトランプ大統領の思い込みを正す必要がある。日欧連携を軸に国際世論を巻き込むことが肝心だ。

日米FTA避け多国間主義貫け
 NAFTAが空中分解の危機にさらされているなかで、試されているのは日本の通商戦略である。北朝鮮問題があるからといって、何から何まで「トランプ追随」になるのは危険である。トランプ政権による鉄鋼、アルミニウムの追加関税に、対抗措置を講じなかった日本は甘くみられても仕方がない。

 NAFTAの見直しをトランプ大統領が提起したとき、日本は即座に懸念を表明すべきだった。日本の自動車の供給網が分断されるのを、ここまで座視してきたツケは重い。グローバル経済の相互依存が深まるなかでは、他地域の通商交渉にも、遠慮せず口出しするしかない。

TPP存続だけで満足してはいけない
 トランプ大統領が離脱を表明して崩壊寸前になった環太平洋経済連携協定(TPP)を11カ国だけで存続させた意味は大きい。日本の通商戦略の成功例だが、それに満足してはいけない。年内合意に向けて動き出している東アジア地域包括的経済連携(RCEP)との結合をめざすことこそ肝心だ。中国を含むRCEPとTPPが結合することになれば、多国間主義に背を向けるトランプ政権も無視できなくなるはずだ。TPP・RCEP連合に米国を誘い込めば、世界経済を揺るがす米中貿易戦争を緩和することもできる。

 間違っても、トランプ大統領が求める日米FTAに足を踏み入れてはならない。日米FTAに応じれば、トランプ政権の圧力に抗しきれなくなるだろう。日本の通商戦略がめざすべきは、2国間主義ではなく、あくまでWTOルールにもとづく多国間主義である。NAFTAをめぐる混迷がそれをはっきり示している。


このコラムについて
岡部直明「主役なき世界」を読む
 世界は、米国一極集中から主役なき多極化の時代へと動き出している。複雑化する世界を読み解き、さらには日本の針路について考察する。
 筆者は日本経済新聞社で、ブリュッセル特派員、ニューヨーク支局長、取締役論説主幹、専務執行役員主幹などを歴任した。
 現在はジャーナリスト/武蔵野大学国際総合研究所 フェロー。

9. 2018年9月05日 14:14:52 : wTqrxDwRMY : vEeN2335v8Q[971] 報告

 >トランプ大統領が離脱を表明して崩壊寸前になった環太平洋経済連携協定(TPP)を11カ国だけで存続させた意味は大きい。


 愛は TPPに 最初から 賛成していた!!! 

 ここの 阿修羅の ボンクラたちは TPPに 反対だったことを 

 覚えているのか?? 

 ===

 きっと もう 忘れてるよな〜〜

 

10. 2018年9月05日 14:19:54 : wTqrxDwRMY : vEeN2335v8Q[972] 報告

 TPPも 一帯一路 ユーロ も アメリカの覇権(横暴)を止めるための仕組みなのだ

 ===

 それが トランプの横暴 vs (TPPも 一帯一路 ユーロ) という構図になる

 ===

 それでも トランプは 反トランプ(反アメリカ覇権)を 壊すかもしれない

 ===

 愛が TPPとは アメリカの手を縛ることだと 言ったら

 阿修羅のボンクラは 日本がアメリカに侵食されると 騒いだものだ!!
 

 

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