#敵の力を見誤り、無知で、傲慢で、現実が見えない政治指導者を選ぶと、国民生活は破綻し、最悪、国家は自滅へと向かうが それもまた必然か
トルコリラがじり安、対円は15円台後半=ロンドン為替 配信日時 2018年8月13日(月)20:51:00 掲載日時 2018年8月13日(月)21:01:00 ロンドン昼過ぎの時間帯、NY勢の参加を控えてトルコリラが再び軟調な動きになっている。リラ円は16円を下回っており、15.75近辺へとじり安の動き。東京早朝につけた最安値15.5510レベルに再び接近してきている。 TRY/JPY 15.7223 USD/TRY 7.0175 リラを見捨てたトルコ国民−愛国心にも限界、外貨売りに応じず Firat Kozok 2018年8月13日 13:27 JST 大統領が最初に呼び掛けて以降、リラの価値はほぼ半分に減った 娘婿アルバイラク氏の財務相起用が「危険な状態招いた」との見方も エルドアン大統領が政権を握るトルコにおいてさえ、愛国心には限界があるようだ。
イスタンブールのグランバザールで外貨の両替を行う利用客写真家:Ismail Ferdous / Bloomberg 市場の暴落に直面するトルコの政策担当者が取り得るさまざまな選択肢についてエコノミストは臆測を巡らせているが、トルコ国民はあたかもボクシングで選手にタオルを投げるセコンドのように自国通貨リラの敗北を認めつつある。
エルドアン大統領は、リラ相場の支援のため、まとまった額の外貨をリラと交換するよう繰り返し市民らに求めたが、その声は無視されている。そのような懇願に聞き従った人々は必ず財産を失うというのが過去の教訓だ。イスタンブールの商業資本の中心で、大統領への信認と支持が損なわれる兆しが表れている。 退職生活を送るセビン・テムールさん(58)は「大統領を尊敬してはいるが、彼が呼び掛けたからといって私は保有する金や外貨を売ることはできない。食べたい物も切り詰めて蓄えたのだから」と語った。エルドアン大統領が2016年12月に最初の呼び掛けを行って以降、リラのパフォーマンスは世界の通貨で最悪となっており、対ドルおよびユーロで価値がほぼ半分に減った。 「ドルを買わなかったことを後悔している。自分がばかのように思える」と話す店主のブレント・ウジュランさん(36)は、エルドアン大統領が娘婿のアルバイラク氏を財務相に起用した政権の人事に言及し、「経験が豊富な人材が数多くいたにもかかわらず、経済全体の運営を娘婿に任せたことが危険な状態を招いた」と嘆いた。 原題:Losing Faith Fast, Istanbul Merchants Throw in Towel on the Lira(抜粋)
トルコ大統領、利上げに否定的 リラ一時最安値 2018/8/13 1:50 (2018/8/13 10:50更新)日本経済新聞 電子版 【イスタンブール=佐野彰洋】トルコのエルドアン大統領は12日の演説で、急落した通貨リラの相場安定のために不可欠とみられる政策金利の引き上げに否定的な考えを示した。「自分が生きている限り、金利のわなには落ちない」と語った。トルコの債券や株式から一段の資金流出を招く恐れがあり、欧州や他の新興国への影響も懸念される。 12日、トルコ北東部トラブゾンで演説したエルドアン大統領=ロイター リラは10日に一時前日比約2割急落し、12日深夜(日本時間13日早朝)の海外市場でも一時1ドル=7.2リラ台となって最安値を更新した。急落は米国との対立が原因だが、エルドアン氏は演説で「政治的陰謀」「降伏はしない」と語り、強硬姿勢を崩していない。 トルコ中銀は景気を冷やす金融引き締めを嫌うエルドアン氏の圧力下にある。リラ安の影響でインフレ率が16%近くに達しており、市場関係者はそろって現在17.75%の政策金利を引き上げる必要性を指摘している。中銀は前々回、6月の金融政策決定会合での利上げを最後に金利を据え置いている。 エルドアン氏は演説で「政治的主権を放棄しろというのか」と述べ、国際通貨基金(IMF)に支援を仰ぐ選択肢も退けた。 トランプ米政権は2016年のクーデター未遂事件に関与したとしてトルコで拘束中の米国人牧師アンドルー・ブランソン氏の解放を求め、1日以降、トルコ閣僚を対象とする経済制裁や関税倍増で圧力を高めている。 エルドアン氏は「テロ組織とつながりのある牧師と引き換えに(人口)8100万人のトルコを犠牲にするのか」と猛反発。トランプ政権が8日を最終期限に定め、ブランソン氏解放を迫っていたことも明らかにした。 リラ急落を受け、アルバイラク財務相は地元紙に企業支援などで「月曜朝から必要な措置を講じる」と語った。トルコ政府が預金封鎖に乗り出すとの観測もあったが、同氏は否定。大統領府も否定コメントを出した。 銀行監督当局はトルコの銀行が海外の投資家と行う、為替スワップ、スポット、先物取引の取引量を制限すると発表した。これらの発言や発表を受け、トルコ時間13日未明、リラは1ドル=6.6リラ台に回復した。 エルドアン氏は12日の演説で「ドル買いのために銀行に急ぐな」と述べ、ドル確保に動く企業経営者らをけん制した。「プランB」といった表現で強制的な措置の導入を示唆したことが、政府が預金封鎖やリラへの強制的な両替に乗り出すとの観測を強めた可能性もある。 関連記事 トルコショック、円高呼ぶ (2018/8/13 12:39) [有料会員限定] 「トルコ・ショック」の衝撃度 欧州への波及焦点 (2018/8/11 8:36) [有料会員限定] トルコ、実体経済は安定 外貨頼みに弱み (2018/8/11 19:19) トルコリラ急落があおる新興国不安 (2018/8/11 5:26) [有料会員限定] 東京外為市場ニュース2018年8月13日 / 21:59 / 1時間前更新 トルコ、「2023年目標」の投資加速 経済への攻撃続く=大統領 1 分で読む [イスタンブール 13日 ロイター] - トルコのエルドアン大統領は13日、経済への攻撃に対応するため、「2023年目標」達成に向けた投資計画を加速すると表明した。この計画は大規模な建設プロジェクトから成り、トルコ経済を世界トップ10に押し上げることを目標としている。 エルドアン大統領はトルコ大使らを前に、トルコが新たな同盟関係の模索を強化しており、ロシアとの関係を前進させていると述べた。 さらに、中国の経済目標とトルコの目標を共に進めることが新たな協力の機会につながっていると述べた。 また、トルコ経済への攻撃は今後も続く見込みだが、トルコリラは間もなく「合理的な水準」に回復するとの見方を示した。リラはこの日、一時1ドル=7リラ台に下落し、最安値を更新した。 トルコ経済に関する誤った報道の拡散は国家への背信であり、このところの米国の対応はトルコに対する裏切り行為だと批判した。
トルコのエルドアン大統領、対米で強気姿勢崩さず−金融危機が世界に波及する恐れ Constantine Courcoulas、Benjamin Harvey、Onur Ant、Inci Ozbek 2018年8月13日 1:41 JST • NATO同盟国と牧師を引き換えにする米国の対応は恥ずべきだと演説 • 教科書のような危機、デフォルトや銀行破綻の可能性に備えを−BBH Photographer: Ismail Ferdous/Bloomberg トルコと米国の緊張が高まっている中で、トルコのエルドアン大統領が強気な姿勢を軟化させる兆しは全く見られない。投資家はトルコが本格的な金融危機に陥ることを懸念しており、この混乱がどこまで波及するかが大きな問題となってきた。 エルドアン大統領は11日、黒海に面するオルドゥでの集会で「米国に告ぐ。これは恥ずべきことだ。戦略的な北大西洋条約機構(NATO)同盟国を牧師1人と引き換えにしているのだ」と述べ、米国人牧師がトルコで拘束されていることを受けて米国が制裁を決定したことに言及した。さらに「脅しでトルコ国民をおとなしくさせることはできない」と述べた。 10日の金融市場でトルコ・リラは対ドルで急落。混乱が欧州や他の新興国市場にも影響を及ぼすとの懸念が広がった。 turkish lira spot Bloomberg 事情に詳しい関係者4人によると、トルコの銀行監督当局は一部の市中銀行に対して混乱の潜在的な影響を調べるよう求め、11日にこれら銀行との会合を予定していた。ただ当局は同日の会合予定はなく、検討作業も通常業務にすぎないと述べた。 ブラウン・ブラザーズ・ハリマン(BBH)のストラテジスト、ウィン・シン氏(ニューヨーク在勤)は「政策の失敗により債務と流動性の危機へと化している、教科書に出てくるような通貨危機だ」と指摘。「このままいけば、市場はトルコ経済のハードランディングと企業の外貨建て債務に関するデフォルト、銀行破綻の可能性に備える必要がある」と述べた。 トルコ危機波及への懸念が強まり、投資家の間ではリスクの高い資産を敬遠する動きが広がっている。10日には米国債や独国債が上昇する一方で、南ア・ランドやアルゼンチン・ペソなどは売られ、株式相場も世界的に下落。トルコの銀行への欧州のエクスポージャーへの警戒感から、ユーロも対ドルで一時1.2%下げ、約1年ぶりの安値を付けた。 原題:Erdogan Defiant While Turkey Slips Toward Financial Crisis (1)(抜粋) トルコ政策決定のまひ状態に収束の兆し見えず−市場の混乱継続か Benjamin Harvey、Onur Ant 2018年8月13日 6:42 JST • トルコ当局は利上げを実施しても新たな米制裁で相殺されると懸念 • エルドアン大統領は対米対決姿勢を崩していない トルコの金融市場の混乱は今週も続く見込みだ。政策決定のまひ状態が進む中、米国との対決姿勢には軟化の兆しが見られない。 エルドアン大統領は12日の演説で、米国と金融市場の通説に挑む姿勢を変えなかった。トルコと米国の当局者らは、トルコ・リラが1カ月で25%下落する事態を招いた混乱を収束させる手段を有しているものの、それを使おうとする意思を欠いている。 トルコ中銀と財務省には、エルドアン大統領に権力を集中させる新たな憲法秩序と米制裁の圧力がかかっており、同国市場に大打撃を与えた2001年の金融危機以来最悪の混乱状態をほとんど傍観するだけにとどまっている。01年の危機は国際通貨基金(IMF)の救済につながり、エルドアン氏の権力掌握への道を開くこととなった。 投資家はリラ相場下支えのためトルコ中銀の抜本的な措置を求めているが、トルコ当局者は政策金利を大幅に引き上げたとしても、米国の新たな制裁により直ちに相殺されるのではないかと懸念している。事情に詳しい関係者2人が明らかにした。 エルドアン大統領は、トランプ米大統領が両国関係修復の条件としているアンドルー・ブランソン牧師の解放に応じる意向は示していない。 エルドアン大統領は対米関係について、トルコは新たなパートナーと市場を懸命に探しており、過去の同盟国と「決別」する用意があると発言。政策金利に関しては、富裕層をさらに豊かにするだけでの道具だと述べ、自分が生きている間は決して屈しないと述べた。またIMFとの合意についても、これを促す人たちはトルコの政治的独立性の放棄を要求しているとして否定した。 トルコの政策決定のまひ状態は、6月の選挙でエルドアン大統領への権力集中と議会の弱体化が進んだ結果、生じた。同国では17年の国民投票で、大統領に権限を集中する憲法改正案が承認されていた。 原題:Turkey’s Policy Making Paralysis Promises More Tumult in Markets(抜粋) Photographer: Akio Kon/Bloomberg 日本株は続落へ、トルコ混乱でリスク回避ー輸出や金融株安い 赤間信行 2018年8月13日 8:01 JST • 米国はトルコの鉄鋼・アルミ関税を倍増、欧州はじめ株は軒並み安 • ユーロ・円は2カ月半ぶりユーロ安値、米長期金利は3週ぶり低水準 13日の東京株式相場は4営業日続落する見込み。米国との緊張が高まるトルコの金融市場の混乱が欧州に波及するとの懸念が強まる中、為替相場が対ユーロを中心に円高に振れており自動車や機械など輸出セクターが売られそう。米長期金利の低下を受けて銀行や保険など金融株も安い。 トランプ米大統領は10日、トルコ製の鉄鋼とアルミニウムに賦課する関税率を倍に引き上げることを承認した。金融市場ではトルコ・リラが急落、リスク回避の動きから株式相場は軒並み安となり米S&P500種株価指数は0.7%安の2833.28。米10年債利回りは5ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下し2.87%。 トルコのエルドアン大統領は11日、「脅しでトルコ国民をおとなしくさせることはできない」と述べ、米国に対する強気の姿勢を崩していない。けさの為替市場でユーロ・円相場は一時1ユーロ=125円45銭と、5月30日以来のユーロ安・円高水準。前週末の日本株終値時点は127円22銭だった。ドル・円は1ドル=110円台半ばと、同110円99銭からやや円が上昇している。 東海東京調査センターの平川昇二チーフグローバルストラテジストは、「エルドアン大統領の対米交渉がまずかったことから、米国とトルコの問題解決の糸口が見えなくなった」と指摘。「トルコ・リラの急落によりトルコの銀行の自己資本比率が基準を下回る可能性があるほか、スペインなどによるトルコへの投資に損失が発生する恐れがある。欧州の金融危機につながるとの警戒感が強まり、それに伴う円高も日本株売りを招く」との見方を示した。 米シカゴ先物市場(CME)の日経平均先物(円建て)の10日清算値は2万2180円と、大阪取引所の通常取引終値(2万2300円)に比べて120円安。平川氏はきょうの日経平均は2万2000円の心理的節目に接近する場面もあり得るとしていた。 最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE 日銀の隠れた緩和縮小、国債からETFへ−購入減との見方 竹生悠子 2018年8月13日 5:00 JST • 発表文にETF購入額の変動を明記、国債はすでに減額 • 株価が大きく下がるほどは減らさないと野村証の桑原氏 Pedestrians cross a road in front of the Bank of Japan (BOJ) headquarters in Tokyo, Japan.Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg 日本銀行が指数連動型上場投資信託(ETF)買い入れ額の変動を決定したことを受け、「ステルス・テーパリング」(隠れた緩和縮小)が長期国債からETFにも拡大する観測が市場で広がっている。 日銀は7月の政策決定会合で、ETFの買い入れ額を据え置いた上で、「市場の状況に応じて、買い入れ額は上下に変動しうる」と発表文に明記した。誘導目標を金利に変更した2016年9月の長短金利操作導入後、長期国債の購入額は徐々に減少しており、ETFも同様に減額されるとみられている。 マネックス証券の大槻奈那チーフアナリストは、ETF購入額の縮小について「宣言するかどうかは別としても、実体としては減額していくのではないか」と話す。緩和の副作用に関し「今回は銀行に対して配慮した。次は株式市場をどうするか」が問題だという。 年間6兆円ペースとしていた昨年のETF購入額は5.9兆円。一方、年80兆円をめどとする長期国債の購入額は、現在は年間約47兆円相当まで縮小した。異次元緩和の開始から5年が経過し、緩和の出口への道筋が市場を左右する。 買い入れ額の変動の明記に加え、日銀はETF購入で日経平均連動型を減らし、TOPIX連動型を増やした。日経平均型は対象銘柄が少なく、個別銘柄の株価をゆがめているとの指摘が出ていた。みずほ証券の6月26日時点の推計によると、アドバンテスト(時価総額に占める比率24.6%)やファーストリテイリング(同22.5%)、太陽誘電(20.8%)、TDK(19.9%)などで日銀が筆頭株主になっている。 ただ東海東京調査センターの平川昇二チーフグローバルストラテジストは購入額が減少しなければ「なんら状況は変わらない」と指摘。「TOPIX型に移行したというのは形だけ」だとして、購入額そのものの減額を予測した。 ETF購入方法にも変化が出てくる可能性もある。従来、市場では午前の取引で下落すれば後場は日銀が購入に動く可能性が高いと認識されてきた。 東海東京調査センターの平川氏は、購入時の下落幅の水準が大きくなると予測。「毎日買う金額自体は変えないだろうが、タイミングや回数は変えるのではないか」と分析した。 市場への悪影響を抑えるため減額は慎重に行われる見通しだ。野村証券の桑原真樹シニアエコノミストは「国債のステルス・テーパリングのケースでも、金利が上方向に反応しないのを確かめて減らしていった。ETFの買い入れ方針を理由にして株価が大きく下がってしまうほどには減らさないだろう」と話した。 決定会合以降、日本株市場は弱含む展開となっている。7月31日から8月10日までの間、日経平均株価は1.1%、TOPIXは0.8%下落している。
ビジネス2018年8月13日 / 15:34 / 8時間前更新 ドル110円前半、1カ月半ぶり安値 円全面高 2 分で読む
[東京 13日 ロイター] - 午後3時のドル/円は、前週末ニューヨーク市場の午後5時時点から円高の110円前半。週明け取引でもトルコリラが再び最安値を更新したことを受け、リスク回避的に円が全面高となった。 週末の間にトルコ政府が抜本的な対策を打ち出さなかったとして、リラはアジア市場序盤から再び売りが先行。個人投資家の損失確定に伴うリラ売りも発生したもようで、リラ/円TRYJPY=Rは前週末終盤の17円前半から、薄商いの中を一気に15円前半まで急落。最安値を更新した。 トルコ発のリスク拡大を警戒する形でアジア株が全面安となったことを受け、円にはリスク回避の買いが集中。ドル/円は一時110.11円と6月28日以来1カ月半ぶり安値を更新し、ユーロも125円前半と10日日中高値から3円近く下落、5月30日以来2カ月半ぶり安値を付けた。 さらに英ポンド/円GBPJPY=Rは140円前半と1年ぶり、豪ドル/円AUDJPY=Rは79円後半と1年9カ月ぶり、NZドル/円NZDJPY=Rは72円前半と2年ぶり安値を更新した。 東京市場で最も売られたのは南アフリカランドZARJPY=R。午前の取引で7円後半から前半へ突然急落し、一時8%超の下げとなった。 市場では「トルコリラを買い持ちにしている個人投資家の多くは、金利差収入狙いで南アランドも同様に買い込んでいる。リラを損切りさせられたことで、ランドにも手じまい売りが出ているようだ」(証拠金関係者)という。 市場では、トルコリラの急落で緊迫感が急速に高まっている。「外貨建て対外債務残高が膨張し、債務超過に陥るトルコ企業(金融機関を含む)が続出すれば、そうした企業に資金を貸し付けている国際金融機関の業績悪化懸念が広がり、トルコの通貨危機がグローバルな金融不安を引き起こす可能性も否定できない」(SMBC日興証券の新興国担当シニアエコノミスト、平山広太氏)。 *見出しを修正して再送します。 ドル/円JPY= ユーロ/ドルEUR= ユーロ/円EURJPY= 午後3時現在 110.23/25 1.1385/89 125.52/56 午前9時現在 110.62/64 1.1393/97 126.04/08 NY午後5時 110.92/96 1.1410/12 126.54/58 為替マーケットチーム 円が全面高、トルコショック波及を警戒したリスク回避の動き 池田 祐美 2018年8月13日 9:19 JST更新日時 2018年8月13日 16:07 JST • ドル・円は午後に一時110円11銭と6月28日以来のドル安・円高水準 • ユーロ・ドルは一時1.1365ドルと17年7月以来のユーロ安水準
東京外国為替市場で円は主要通貨に対して全面高。トルコ市場の混乱やその悪影響の波及を警戒したリスク回避の円買いが優勢だった。半面、ユーロは、トルコ向け投融資が多い欧州金融機関への懸念から対ドルで約1年ぶりの安値を付けた。 13日午後3時46分現在の円は主要16通貨全てに対して前週末比で上昇。前週末の米政府によるトルコへの関税引き上げ発表や、トルコのエルドアン大統領による米政府や金融市場に対する挑発的発言を受けて、相場は朝方から円買いが先行した。 円買いはドル・円相場の重しともなり、午後に一時1ドル=110円11銭と6月28日以来のドル安・円高水準を付けている。その後は、トルコ中央銀行がリラ建てとドル建て債務の支払準備率を引き下げる金融安定化策を発表したのを受けて下げ渋った。 FPG証券の深谷幸司社長は、「リスク回避で円は買われやすい。円売りポジションを手じまう動きで買い戻しが入りやすい」と指摘。「トルコの外貨建て負債のファイナンスがどうなるか。欧州金融機関の話が落ち着かなければ、円高基調は収まらないだろう」と述べた。 トルコリラ相場は、対円では一時1リラ=15円46銭、対ドルでは1ドル=7.23リラを超えて、それぞれ過去最安値を更新。その後、トルコの銀行規制監督庁がリラのスワップ取引を制限する措置を表明したことや、トルコ中央銀行の金融安定措置を受けて6.45リラまで戻した。 トルコ中銀の金融安定措置に関する記事はこちらをご覧下さい。 トルコ当局によるスワップ取引制限に関する記事はこちらをご覧下さい。 クロス円では、ユーロ・円相場が一時1ユーロ=125円15銭と5月30日以来のユーロ安・円高水準となったほか、ポンド・円相場は1ポンド=140円40銭と2017年8月29日以来のポンド安・円高水準を付ける場面があった。上田ハーロー外貨保証金事業部の山内俊哉マーケット企画部長は、「ユーロ・円は125円割れ、ポンド・円は139円割れまであってもおかしくない」とみている。 ユーロ・ドル相場は同時刻現在、0.1%安の1ユーロ=1.1399ドル。一時1.1365ドルと17年7月6日以来のユーロ安・ドル高水準を付けた。りそなホールディングス市場企画部の梶田伸介チーフストラテジストは、トルコ当局による対策の効果を見極めたいとした上で、「欧州金融機関への波及が懸念されているが、そこまで悪影響が行かず、徐々に落ち着いてくると思う」と語った。
トップニュース2018年8月13日 / 12:44 / 6時間前更新 トルコリラ急落と新興国リスク:識者はこうみる 3 分で読む [東京 13日 ロイター] - トルコリラは早朝に7.24リラまで売られ、過去最安値を更新。一方、南アフリカランドは対ドルで7%超下落し、2年ぶりの安値を付けている。市場関係者の見方は以下の通り。 <SMBC日興証券 新興国担当シニアエコノミスト 平山広太氏> トルコリラが通貨危機に直面している。年初来の対ドル下落率は40%超と、今年4 月に通貨危機に見舞われて国際通貨基金(IMF)に救援を仰がざるを得なくなったアルゼンチンペソより状況は深刻である。 通貨危機は将来を著しく不確実な状況に突き落とす。外貨建て対外債務残高が膨張して債務超過に陥るトルコ企業(金融機関を含む)が続出すれば、資金を貸し付けている国際金融機関の業績悪化懸念が広がり、グローバルな金融不安を引き起こす可能性も否定できない。 トルコが通貨危機から脱するには、中銀が厳しい金融引き締めを実施する必要がある。ただ、金融政策が信認を多少取り戻したところで、劣悪な対外バランスから生じる通貨安圧力は消えない。この圧力に対抗すべき海外からの資金流入もままならないとすれば、リラの地合いが劇的に好転すると期待するのは行き過ぎだ。 資本規制は劇的な効果をもたらすが、あくまでも一時的なものに過ぎない。海外からトルコへの資金流入を著しく細める公算が大きく、劣悪な対外バランスを支えることは不可能となり、通貨価値は急落するだろう。 対外バランスの抜本的対処を怠った状態で資本規制を実施すれば、結局それ以前よりひどい状況に落ち込むことも覚悟しなければならない。 ロシアや中国がトルコに救いの手を差し伸べる可能性もないとは言い切れない。トルコの対外債務残高は3月末時点で4667億ドル、通貨当局の準備資産は1103億ドルである。準備資産で補いきれない対外債務残高は約3500億ドルだが、例えばロシアと中国が通貨スワップ協定を締結して合計1000億ドル程度の信用枠を提供すれば、当面の対外債務支払いに関する不確実性は大幅に減じる。 もちろん、北大西洋条約機構(NATO)を離脱してロシアや中国の側に加わる選択を米国が容認するとは考え難い。それでもトルコの決意が固い場合、軍事的な緊張が出現する事態も念頭に置くべきだろう。 <野村証券 クオンツ・ストラテジスト 高田 将成氏> 7月下旬から8月にかけてボラティリティーが低下。リスクパリティやCTA(商品投資顧問業者)などが、ファンダメンタルズとは関係なく、ボラの低さに賭ける形で株買いをグローバルに積み上げていた。 足元で、VIX指数.VIXなどは今年2月に比べて、それほど上昇しているわけではないが、何かのきっかけでポジションが巻き戻されやすい状況にあった。8月にはボラティリティーが上昇すると待ち構えていたヘッジファンドもいたようだ。 今年2月と比べると、ポジションがそれほど膨らんでいるわけではなく、リスクオフは限定的となる可能性が大きい。しかし、警戒しなくてはならないのは第2波だ。足元でブラックスワン指数と呼ばれるスキュー.SKEWXが上昇するなど、8月下旬にはショックの第2波が発生しやすい季節性がある。 次のショック発生源がトルコかどうかわからないが、いったん安心感が広がった後で、再びショックがあると、ダウンサイドリスクに備えたポジションがはじける形でリスクオフの動きが大きくなる可能性には警戒が必要だ。 <大和証券 シニアストラテジスト 石黒英之氏> リーマン・ショック以降、新興国はドル建て債務を積み上げてきた。ドル高・新興国通貨安となると、ドル建て債務が雪だるま式に膨らむ。ファンダメンタルズからいえば新興国は悪い状況ではないが、『アキレス腱』を投機筋に突かれている印象だ。 市場の反応も過剰だ。トルコ向け債権を最も多く抱えているとされるスペインであっても、総与信額に占めるトルコの割合は4%台にすぎない。トルコリラ安で市場が不安定化し、欧州の金融システムにつながるというのは、行き過ぎた見方といえる。 もっとも、通貨安が進行しても利上げをしない状況を、トルコのエルドアン大統領は作り上げており、ある意味でトルコは「狙われやすい国」となっている。トルコ当局の政策を催促する相場になりつつあるとみることもできる。 今年はヘッジファンドのパフォーマンスが非常に悪い。ヘッジファンドからみれば今の局面はパフォーマンスを挽回する大きなチャンス。マーケットの動きも需給主導の側面が大きい。 市場沈静化に向けた措置など、トルコ当局が行動計画を示せば、いったんは巻き戻しが起きやすい。ただ計画が実効性を持たない計画だと受け止められれば、再び仕掛けられる形となるだろう。 <トウキョウフォレックス上田ハーロー 営業推進室長 阪井勇蔵氏> 外為市場では、日経平均の2万2000円割れや、南アランドが珍しくアジア時間に急落したことをきっかけに、クロス円主導の円高が進み、ドル/円は1カ月半ぶりの安値圏まで下落した。 朝方の取引では、トルコのアルバイラク財務相が市場の懸念緩和に向けた行動計画を策定したことや、銀行監督当局が国内銀行のスワップ取引を制限すると発表したことで、トルコリラが、過去最安値からいったんは反発したものの、再び売り込まれた。 通貨危機に陥る局面に差し掛かっているリラをはじめ、新興国通貨波乱の根本的な要因は「トランプリスク」であり、現在の混乱が一過性ではすまない可能性があるとみている。 欧州の玄関口でもあるトルコとの政治通商面での対立や、トランプ大統領の就任以来激しさを増す米国とイランとの対立など、トランプ氏は経済面のみならず、政治・安全保障面で不確実性を高めている。 トランプリスクにさらされた金融市場では、全般にリスク回避が広がり、中国の次はトルコ、そして南アフリカと、資本流出や金融収縮が数珠繋ぎで起こりやすい。さらに、こうした動きはAI(人工知能)取引によって誇張され、激しさを伴うものになりやすい。 *内容を追加しました。 トップニュース 2018年8月13日 / 10:43 / 6時間前更新 焦点:トルコリラ急落で新興国に「危機の伝染」が復活 3 分で読む • • [ロンドン 10日 ロイター] - トルコリラの急落が、「危機の伝染(コンテージョン)」によって新興国資産全体が売られる展開を復活させてしまった。 コンテージョンの規模は、1997─2000年や世界金融機の2008─09年ほど大きくないが、南アフリカからロシア、メキシコまで無差別的に資産売りが出ている状況が鮮明だ。 今年に入ってアルゼンチンやブラジルなどで危機が発生しても、他の新興国に波及しなかったことから、コンテージョンは鳴りを潜めたとの希望的観測が浮上した。しかし10日にリラが大きく値下がりすると、南アフリカランドやブラジルレアルも同様に急降下。2013年に米連邦準備理事会(FRB)が量的緩和縮小を示唆して新興国が動揺したいわゆる「テーパー・タントラム」以降で初めて、本格的なコンテージョンの兆候が出現した。 APQグローバルのバート・タートルブーム最高経営責任者(CEO)は「市場参加者が1国の悪いニュースを目にしてはっと気が付き、すべての地域を売りの対象にし始めるという、いつもの典型的な新興国市場のお話だ」と述べた。 確かに現象面をとらえれば、かつて新興国市場が襲われたのと同じ混乱が起きている。 国際金融協会(IIF)のチーフエコノミスト、ロビン・ブルークス氏は、これまでの新興国への資金流入額が非常に大きく、水準的にテーパー・タントラム以前に匹敵していた上に、資金流入局面の終盤でなお高いリターンを得られたいくつかの市場への投資が急増していたと指摘した。 その結果、資産運用会社はリスク量を減らして今後想定される顧客への返金手当てや損失の限定化に乗り出しており、メキシコや南アフリカといったより流動性が高くそうした取り組みが可能な場所で実行しようとしている。 TDセキュリティーズの新興国市場戦略責任者クリスチャン・マッジオ氏は「身動きできなくなっている他のポジションで生じた損失や、(解約請求による)落ち込むを埋める現金が必要になる。それが売りの波及と連鎖反応を引き起こす」と説明する。 ADMインベスター・サービシズ・インターナショナルのグローバル・ストラテジスト兼チーフエコノミスト、マーク・オストワルド氏は新興国市場について、入り口は大きいがいざ撤退する際の出口は極めて小さく、相当量の資産を売る場合には大規模なコンテージョンが発生すると付け加えた。 <ドル建て債務> ではなぜ今、コンテージョンなのか。複数の市場参加者の話では、一部の新興国が世界的な緩和局面で積み増してきたドル建て債務の水準と、今後それを返済していかなければならない事実を、投資家が認識するようになったことが理由の1つだという。 米連邦準備理事会(FRB)が利上げを進め、ドルが上昇するとともに、新興国の借り入れコストも高まってきている。この部分でトルコが最も脆弱ではあるかもしれないが、資産と負債のミスマッチに直面しているのは決して同国だけではない。 トルコの場合、今回のリラ安で当局が有効な手を打たずにいる間に、米国が新たな制裁を発動したことが危機を呼ぶ最後の一押しになった、とブルックス・マクドナルドの投資ディレクター、エドワード・パーク氏はみている。 ただパーク氏は「トルコに対して大きな否定的な心理が働いているとはいえ、市場参加者はトルコだけに限らず、対外債務の多さからほかにも売りの集中砲火を浴びる国が出てくる可能性があると考えている」と指摘した。 (Claire Milhench記者) ビジネス2018年8月13日 / 16:14 / 7時間前更新 株式市場、世界の中で米国に資金が集中=BAML 1 分で読む
[ロンドン 10日 ロイター] - バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチ(BAML)は10日、過去1週間で株式市場への資金流入は50億ドルにとどまり、米国株にほとんどが集まったことを明らかにした。世界全体の株式市場については「猛烈な強気相場から落ち着いた強気相場」に移行したとの見方を示した。 BAMLは、欧米やアジアの各国では保護貿易主義が台頭しつつある上、財政出動による景気刺激策や富の再配分が行われていると指摘。こうした動きを「大衆迎合的緩和(PE)」と名付けた。だが「PEは量的金融緩和(QE)と比べ、資産価格を押し上げる効果が遥かに小さい」と付け加えた。 世界の株式相場は1月に記録した高値から5%下落。米国以外の株式相場は貿易戦争を巡る不安や、経済成長と企業収益がピークを過ぎたのではないかとの懸念により伸び悩んでいる。 BAMLは、米国以外では経済指標から企業利益の鈍化が読み取れるため、第3・四半期に株式相場が上昇するのは「ほぼ米国のみ」と予想した。 米国のファンドは46億ドルの買い越しだった一方、新興国と欧州のファンドはいずれも6億ドルの売り越しだった。欧州のファンドは22週連続で売り越しとなった。 全体では、パッシブ運用の投資家は株式ファンドを107億ドル買い越したが、ミューチュアルファンドは57億ドル売り越した。 投資家は過去1週間で債券も50億ドル買い越した。そのうち金融は10億ドル、社債は30億ドルだった。新興国の債券ファンドは5億ドルの流出となった。
トルコ中銀、市中銀行を支える措置発表−リラ急落の中 Onur Ant 2018年8月13日 15:43 JST ? 通貨安に歯止めをかけることや銀行システムの流動性拡充を図る ? リラ建てとドル建ての債務について支払準備率を引き下げ トルコ中央銀行は13日、商業銀行が利用できる資金と金を増やす措置を発表した。リラ急落に歯止めをかけることや銀行システムの流動性拡充を図った。 中銀はリラ建てとドル建ての債務について支払準備率を引き下げた。最大で100億リラ(約1660億円)、60億ドル(約6620億円)、30億ドル相当の金が追加で利用可能になる。 それに先立ち、担保規則を緩和するとともに、銀行が保有する外貨を裏付けに借り入れられる額を200億ユーロ(約2兆5150億円)相当に引き上げることも発表。銀行がリラ資産を担保に借り入れられる上限である500億ドルについても必要ならば引き上げると表明した。 中銀の発表後にリラは下げ幅を縮め、イスタンブール時間午前8時58分(日本時間午後2時58分)現在は3.8%安の1ドル=6.6904リラ。 原題:Turkey Central Bank Takes Steps to Support Banks as Lira Slides(抜粋)
リラの伝染リスクは限定的−ゴールドマンのスピルオーバー指数が示唆 Netty Ismail、Filipe Pacheco 2018年8月13日 9:03 JST • 新興国通貨の動き、指数の示唆より全般的に小さい−ゴールドマン • ファンダメンタルズ面から、さらなる波及は限られる−パンドル氏ら
深刻化するトルコ危機の新興国市場全体への波及を懸念する投資家は、ゴールドマン・サックス・グループのスピルオーバー(波及)指数に幾らか安堵(あんど)を覚えるかもしれない。 ゴールドマンは10日のリポートで、ロシア・ルーブルを除き、最近の新興国通貨の動きはトルコ・リラ急落にもかかわらず、同指数が示唆したよりも全般的に小さかったと指摘した。同行は新興国通貨に対するリラの影響を予測するため、最近のアルゼンチン・ペソ低迷に関する分析を生かした。 ザック・パンドル氏(ニューヨーク在勤)を含むストラテジストらは 「ファンダメンタルズの観点から、さらなる波及は限られるだろう」と予想。 「比較的良好なファンダメンタルズを備えた他国への波及が続くとしても、そうした市場はわれわれが機会を模索する場所だ」と述べた。 トルコのエルドアン大統領が米国からの政治的要求と市場の圧力に屈することを拒む中、リラは先週21%急落して最安値を更新。主要な新興国通貨で構成するMSCIの指数は1%下落した。 トルコ大統領、対米で強気姿勢崩さず−金融危機が世界に波及する恐れ ゴールドマンによると、トルコの苦境は「しばらく」前から始まっていたため、投資家にはポジション調整の機会があった。主要新興国バスケットにおける比較的小さなトルコの貿易加重と銀行エクスポージャーを踏まえれば、ファンダメンタルズ上のつながりは大きくないと付け加えた。 原題:Goldman’s Spillover Index Shows Limited Contagion Risk From Lira(抜粋)
トルコ危機が南アとメキシコに波及−インドとインドネシアも免れず Cormac Mullen 2018年8月13日 13:58 JST • ランドは一時9.4%安と08年10月以来の大幅な下げ、ペソは一時2.3% • インド・ルピーは過去最安値を更新、インドネシア・ルピアは0.9% 南アフリカ共和国の通貨ランドは13日、対ドルで2008年以来の大幅下落となった。トルコの金融危機が新興市場資産への需要をしぼませ、メキシコ・ペソも安くなった。
エルドアン大統領 フォトグラファー:Arif Akdogan / Bloomberg トルコのエルドアン大統領が米国との対決姿勢を崩そうとしない中で、通貨リラは4営業日続落。同国が完全な金融危機に陥ることを懸念し、トレーダーらは新興市場の債券を売っている。 JPモルガン・アセット・マネジメントのグローバル市場ストラテジスト、ケリー・クレイグ氏は「市場は既に神経質になっているので、リラ安は短期的に新興市場資産のボラティリティーを高め投資家センチメントを悪化させる可能性がある」と指摘した。ただ、「ドル安の理由はトルコに固有のものなので、長期的には他の新興市場のポジティブなファンダメンタルズを脱線させることはない」と付け加えた。 日本時間午後0時55分現在、ランドは4%安の1ドル=14.6617ランド。一時は9.4%安と08年10月以来の大幅な下げとなっていた。ペソは一時2.3%安と17年1月以来の日中下落率。 アジア新興市場もより小幅ではあるが影響を免れず、インド・ルピーは過去最安値を更新。インドネシア・ルピアは0.9%下げた。 原題:Turkish Contagion Infects Rand With Steepest Plunge Since 2008(抜粋) トルコ・リラ続落−中銀が銀行の流動性支援措置を発表後やや戻す Michael G. Wilson、masaki kondo 2018年8月13日 7:40 JST更新日時 2018年8月13日 15:55 JST • 中銀発表後は1ドル=6.6565リラ、アジア時間には一時7.2362リラ • 南ア・ランド、メキシコ・ペソ、インドネシア・ルピアも下落 Photographer: Kostas Tsironis/Bloomberg 13日の外国為替市場でトルコの通貨リラは4営業日続落。トルコのエルドアン大統領が米国との対決姿勢を崩さず、売りは他の新興市場通貨にも広がった。 リラはアジア時間に一時、ドルに対して11%下落。過去最安値を更新した。トルコ時間朝方に同国中央銀行が市中銀行の流動性を支える措置を発表した後、幾分下げを縮めた。銀行規制監督庁(BRSA)も先に、外貨とリラ・スワップなどの取引の総額が銀行の株主資本の50%を超えてはならないと通達、リラ防衛を図っていた。 リラは一時1ドル=7.2362リラまで下落。一部の銀行は為替レート提示を停止したとも伝えられた。イスタンブール時間午前9時6分(日本時間午後3時6分)現在は6.6565リラ。南アフリカ共和国の通貨ランドはこの日、約2年ぶり安値を付け、メキシコ・ペソとインドネシア・ルピアも下落した。 原題:Lira Extends Slide as Erdogan Says Turkey in an Economic War(抜粋) トルコ国債CDS急騰、通貨急落で−残存サムライ債4484億円 伊藤小巻 2018年8月13日 11:40 JST更新日時 2018年8月13日 13:21 JST • 5年物CDSが453.2bpに急上昇−2009年3月以来の高水準 • トルコのサムライ債で昨年12月発行分にはJBIC保証なし トルコ共和国の国債保証コスト(CDS)が対米関係悪化で通貨リラが売り込まれるなど金融市場混乱を背景に急騰している。 CMAのデータによるとトルコ国債5年物CDSは10日、453.2bpに急上昇した。リーマンショックの尾を引いている2009年3月以来の高水準になる。2日間では95.8bp拡大した。同じ新興国で先週サムライ債の発行を決めたフィリピンの5年物CDSは10日時点で前日比3.73bp拡大の78.2bp。 トルコとフィリピンのCDS推移 トルコで残存するサムライ債(私募債含む)は4484億円。国際協力銀行(JBIC)の保証が付くことが多いが、直近2017年12月発行の総額600億円には付いていない。格付けはフィッチ・レーティングスが「BB」と投機的等級で、日本格付研究所(JCR)が「BBB−」と投資適格で最低の水準を付与している。 JCRの内藤寿彦主任格付けアナリストはトルコの信用力について、現時点では対外債務・政府債務とも比較的大きくなく急激な悪化は考えにくいと述べた。同時に「外貨準備高が減少して、現状の為替水準が続いた場合は厳しくなる」と指摘した。昨年末のサムライ債も「現状のままであれば影響が出てくる」としている。今後は米国との関係改善や利上げなどの通貨安への対応策を打てるかが注目と見ている。 トルコリラは13日早朝、エルドアン大統領が米国との対立でひるまない姿勢を示したことから、1ドル=7.23リラを超える水準と過去最安値まで売られた。同国銀行規制監督庁がリラのスワップ取引を制限する措置を表明して下げ渋っている。 (第4段落に識者コメントを追加して更新します.) イタリア債が下落、トルコ通貨急落によるショック広がる John Ainger 2018年8月13日 17:20 JST • 2年債利回りが1週間ぶりの高水準に達する • 10年債のドイツ国債に対するスプレッド、5月以来の大きさ 13日のユーロ圏債券市場では、イタリア国債が下落を主導。トルコの通貨急落でリスク資産への波及懸念が広がっている。 2年物のイタリア国債利回りは約1週間ぶりの高水準に達した。トルコ・リラの今月これまでの下落率は28%余りとなり、株式相場も世界的に下げている。イタリア10年債のドイツ債に対する上乗せ利回り(スプレッド)は今年5月以来の大きさ。ディマイオ副首相は13日付のイタリア紙コリエレ・デラ・セラとのインタビューで、同国は投機筋の攻撃対象にはならないと発言した。 2年債利回りは一時18ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇して1.34%に達した。10年債利回りは8bp上げて3.07%。ドイツ10年債に対するスプレッドは8bp拡大して276bp。 原題:Italian Bonds Slump as Shock Waves From Turkish Turmoil Spread(抜粋) Photographer: Bloomberg/Bloomberg 銀行時価総額の上位独占は危機の前兆か−中国勢が1〜4位占める Yalman Onaran 2018年8月13日 12:06 JST 1988年には世界の銀行の時価総額ランキング上位10行中9行が日本の銀行だった。しかし、その3年後の91年に始まったバブル崩壊により日本の金融システムと銀行は大きな打撃を受け、「失われた10年」、あるいは現在も同国がデフレと低成長からの脱却に苦戦していることを考えれば「失われた30年」に突入することとなった。30年前にトップ10入りした日本の銀行9行は現在までに4行に統合され、そのうち1行だけが今年のランキング10位内に残っている。 2007年のトップ10は米英銀が独占。しかし1年後にサブプライム危機が米国を直撃、その後、ソブリン債危機が欧州を襲ったため、07年の上位10行のうち4行が公的救済を受けることとなった。この時、救済されていなければ恐らく4行とも現在まで生き延びられていないと思われる。日本と同様、米欧経済もこの10年のほとんどの間、低成長に苦しんできた。 18年のトップ10は再びアジア勢が席巻。今回は4位までを中国の銀行が独占した。だからといって、今度は中国が金融危機に見舞われるとは限らないが、最近の例を考えると、心配の種ではある。 ある国・地域の銀行セクターの並外れた成長は、信用拡大ペースが他の国・地域を上回っていることを示す兆候だ。企業や消費者の借り入れが銀行資産の大半を占める。中国は08年の金融危機以降、経済の好調持続を与信の高い伸びに依存してきた。中国の成長維持に借り入れが寄与したことに誰も異論を唱えないが、中国が1990年代前半の日本や08年の米国が見舞われたような危機に陥ることはないといった声は、中国政府を含め多く聞かれる。 もちろん今回は違うかもしれない。しかし、過去3世紀に金融が混乱した268の事例を研究した、経済学者カーメン・ラインハート、ケネス・ロゴフ両氏の09年の共著「国家は破綻する−金融危機の800年(原題:This Time is Different)」のデータが示すように、異なる展開を示すことはまれだ。 原題:China’s Giant Banks Top This Ranking, a Cause for Concern(抜粋)
ユーロ圏 10年債利回り格差 伊276bpに拡大、トルコ不安で 配信日時 2018年8月13日(月)18:58:00 掲載日時 2018年8月13日(月)19:08:00 ユーロ圏 10年債利回り格差 伊276bpに拡大、トルコ不安で
ユーロ圏の10年債利回り(日本時間18:58時点)(%) ドイツ 0.311 フランス 0.677(+37) イタリア 3.071(+276) スペイン 1.447(+114) オランダ 0.427(+12) ギリシャ 4.262(+395) ポルトガル 1.832(+152) ベルギー 0.697(+39) オーストリア 0.531(+22) アイルランド 0.832(+52) フィンランド 0.454(+14) (注)カッコ内数値はドイツ国債との利回り格差、単位:ベーシスポイント(BP)
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