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日経平均大引け 続落、440円安 リラ急落で世界株安、円高進行も重荷(日経新聞) 
http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/177.html
投稿者 赤かぶ 日時 2018 年 8 月 13 日 22:20:45: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

日経平均大引け 続落、440円安 リラ急落で世界株安、円高進行も重荷
https://www.nikkei.com/article/DGXLAS3LTSEC1_T10C18A8000000/
2018/8/13 15:12 日経新聞

 13日の東京株式市場で日経平均株価は大幅に続落した。前週末比440円65銭(1.98%)安の2万1857円43銭で終え、7月11日以来およそ1カ月ぶりに節目の2万2000円を割り込んだ。トルコリラの急落で同国向けの債権が多い欧州金融機関の経営に悪影響が及ぶとの懸念が浮上。アジアなど世界的に株安が広がり、市場心理が悪化した。外国為替市場での円高・ドル安進行や、東証マザーズ指数が大幅安となり個人投資家が売りに動くとの観測も相場全体の重荷となった。

 東証1部の売買代金は概算で2兆5144億円(速報ベース)だった。






















 

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コメント
1. 2018年8月14日 00:06:41 : jXbiWWJBCA : zikAgAsyVVk[1287] 報告
ビジネス2018年8月13日 / 15:44 / 7時間前更新
日経平均は440円安、1カ月ぶり安値 トルコ通貨安でリスクオフ
2 分で読む

[東京 13日 ロイター] - 東京株式市場で日経平均は大幅に4日続落。2万2000円の大台を割り込み、終値は7月6日以来、1カ月ぶりの安値となった。トルコリラ安に歯止めが掛からず、新興国からの資金流出に伴う金融市場の混乱が警戒され、リスク回避ムードが強まった。トルコ中銀は声明や利下げを通じて市場の沈静化に動いたが、日本株の戻りは限定的だった。

TOPIXは2%を超す下落。東証1部の値下がり銘柄数は全体の89%に上った。業種別では、好決算を発表したリクルートホールディングス(6098.T)の上昇が寄与したサービスのみ上昇。32業種が値下がりし、機械、海運、非鉄金属など景気敏感セクターが下落率上位に入った。

銀行が必要とするあらゆる流動性を供給するとしたトルコ中銀の声明が伝わった後、日経平均はいったん下げ幅を縮める場面があった。だが戻りは鈍く、やがて売り直しの流れとなった。大引け直前に同中銀は、リラの預金準備率の一律引き下げを発表している。

日経平均ボラティリティー指数.JNIVは前週末の16ポイント台前半から一時19ポイント台後半まで急伸。指数と同様に1カ月ぶりの高水準を付けた。東証マザーズ指数は4%を超す下げとなり、年初来安値を更新した。

三井住友アセットマネジメントのシニアストラテジスト、市川雅浩氏は「思惑的に売りが出ているが、トルコの通貨安が及ぼす日本経済、世界経済への影響は限定的。欧州の流動性はまだ潤沢であり、ESM(欧州安定メカニズム)など危機対策も十分整備されている。金融システム危機は簡単には起きにくくなっている」と話す。

個別銘柄では日本郵政(6178.T)がしっかり。10日に発表した2018年4―6月期連結決算は、当期利益が前年同期比18.2%増の1235億円だった。2桁増益での着地となったことを好感した。ゆうちょ銀行(7182.T)は減益となったが、ゆうパックなどの取り扱い増で日本郵便が大幅増益となり、収益を押し上げた。

半面、新川(6274.T)がストップ安比例配分。同社は10日、19年3月期の連結営業利益予想が従来の4億2000万円の黒字から一転、12億7000万円の赤字になると発表した。メモリー関連投資が弱含んでおり、ワイヤボンダの売り上げが予想を大きく下回る見込みという。

東証1部の騰落数は、値上がり191銘柄に対し、値下がりが1884銘柄、変わらずが28銘柄だった。

*見出しの脱字を補って再送します

日経平均.N225

終値      21857.43 -440.65

寄り付き    22117.57

安値/高値   21851.32─22124.60

TOPIX.TOPX

終値       1683.50 -36.66

寄り付き     1706.72

安値/高値    1681.80─1707.31

Recruit Holdings Co Ltd
3213.0
6098.TTOKYO STOCK EXCHANGE
+178.00(+5.86%)
6098.T
6098.T6178.T7182.T6274.T.N225
東証出来高(万株) 152364

東証売買代金(億円) 25144.92


 


外為フォーラムコラム2018年8月13日 / 14:54 / 7時間前更新
コラム:日銀の戦術的「曖昧さ」、いつまで通用するか=岩下真理氏
岩下真理 大和証券 チーフマーケットエコノミスト
5 分で読む

[東京 13日] - 日銀が7月31日に、「強力な金融緩和継続のための枠組み強化」を決定してから、2週間が経過しようとしている。声明文では、緩和の長期化を約束する政策金利のフォワードガイダンスを新たに盛り込み、その一方で長期金利の変動幅を許容する文言と副作用に配慮する表現も加えられた。

結果として長期金利の居どころを実際に上方シフトさせながら、円高・株安を招かずに済んだ。今後は経済・物価情勢次第であり、金融政策の自由度を確保するという、見事な出来栄えだ。

筆者は、今回の施策をハト(緩和の長期化)とタカ(長期金利の上方シフト、副作用に配慮)の競演と受け止めたが、市場での先行きの見方は割れたままであり、コンセンサスは固まっていない。それでも、この2週間弱で金融市場局が指値オペを打たなかったこと、臨時オペで金利上昇抑制の意向を伝えたことなどから、当面の長期金利は0.10%前後の水準での推移となりそうだ。

7月会合前には長期金利の誘導目標引き上げの観測も飛び交ったが、物価見通しを下方修正しながら、政策金利の一部である長期金利を引き上げれば、見通しと政策運営に整合性はなく、2%の物価安定目標の意義が問われてしまう。その点を明確化し、さらには物価目標を諦めていない姿勢を示すため、日銀はフォワードガイダンスを導入したと言える。

ただし、今回のフォワードガイダンスは一見、強力だが、文章が妙に長くて分かりにくい。確かに2019年10月の消費増税の影響まで考えると、短くとも2020年春、2年ぐらい先まで、長短金利は現状水準を維持と受け止められるのは自然だろう。

しかし、文章が簡潔にできないのは、ボードメンバー9人の妥協の産物だからだ。過去の発言から、コミットメントに一番のこだわりがあるのは若田部昌澄副総裁だろう。反対が多くならないようにまとめ上げた、事務方の苦労が垣間見える。

黒田東彦総裁は定例会見で「ほとんどの不確実性が海外」と指摘した上で、「2019年10月の消費税率引き上げの影響を例示的に示す」という考え方をほのめかした。一部に消費税にこだわったメンバーがいたと推察されるが、賛成したメンバー全員がそれだけにこだわっているわけではなさそうだ。

なお、8日に発表された7月会合の「主な意見」では、フォワードガイダンスの導入を条件に、賛成したメンバーが2人いることは読み取れたが、具体的な議論は明らかにならなかった。その一方で、雨宮正佳副総裁は2日の講演後会見で、フォワードガイダンスについて質問され、「消費税率引き上げの影響を含めた不確実性も含めて、経済・物価情勢をどう判断するかがポイント」「カレンダーベースの約束ではないと位置付け」と回答。経済・物価情勢を判断して決定するため、あらかじめその期間は決めていないことを示唆した。

市場では「当分の間」の解釈も分かれるが、金融政策の効果発現のタイムラグや、経済・物価情勢を丹念に点検することを踏まえると、筆者はとりあえず、半年という期間は重要な節目と考えている。

<フォワードガイダンスという着ぐるみ>

筆者は前回7月12日付のコラムで、大規模な金融緩和(長短金利操作付き量的質的金融緩和)の副作用として、1)金融機関の収益減少が長期化することに伴う金融システム不安、2)財政規律の低下、3)市場機能の低下、の3つを挙げた。その上で、1点目と2点目が構造的要因であるのに対して、3点目はオペ運営の見直しにより早めに対応できる部分と指摘した。

まさに今回、その対応を決めたのだが、昨夏以降、政策の微修正に取り組むべきとの意見を書き続けてきた筆者にとっては、考えていた政策修正(長期金利の引き上げ)の姿とは明らかに異なる。それでも日銀が7月に急いだのは、9月の自民党総裁選後は動けなくなるとの読みや、為替が円高方向に進行していないタイミング、物価上昇に対する自信のなさではないかと推察する。

将来において、理想的な日銀の枠組み変更はマイナス金利と長短金利操作を同時撤廃することだ。しかし、足元の物価動向は2%の物価安定目標にはほど遠い。4―6月分のコアコアCPI(消費者物価指数、生鮮食品およびエネルギーを除く総合)の低迷により、日銀は「物価上昇が視野に入る形で、政策修正をする」という通常コースを進むことを、断念せざるを得なくなった。

よってフォワードガイダンスの着ぐるみをまといながら、まずは市場機能の改善を図ることにした。日銀は当面、金融市場調節の弾力化のもと、国債買い入れオペを淡々と減額していくことになろう。海外発の金利上昇時に、オペ運営の真価が問われる。

このフォワードガイダンスの曖昧さこそ、自らを守り、政策運営の自由度を確保するための日銀の戦術だ。そうしなければいけないのは、過去にトラウマがあるからだ。

振り返れば、1)2000年8月のゼロ金利解除決定から、わずか7カ月後の2001年3月に再びゼロ金利政策に追い込まれたこと、2)2006年3月の量的緩和解除、7月のゼロ金利解除後、8月の「CPIショック」(基準改定)でコアCPI(生鮮食品を除く総合)が再び前年比マイナスとなり批判を受けたこと、3)2007年8月の「パリバ・ショック」を受けて追加利上げを断念したことなどを経験してきた。

日銀内には、いつの間にか利上げに対して、不可逆的な抵抗感がついてしまったように思われる。それでもタカのDNA(遺伝子)は持っていて、マクロプルーデンス(金融システムの安定策)もしっかり取り組まなければいけない。

苦肉の策として、経済・物価情勢次第でどちらにも行けるように、あえて曖昧な時間軸にするしかなかったと思われる。長く日銀と市場に関わっている方々なら、なぜこの複雑な戦術が取られるのか理解できるはずだ。

<限られた政策修正のタイミング>

今後の政策修正に向けては物価動向が重要であることは変わらない。その一方で、緩和長期化に伴い、金融機関の収益減少という副作用が大きくなっていく状態も続く。

7月の声明文には、「金融政策運営の観点から重視すべきリスクの点検」が新たに盛り込まれた。金融市場調節の弾力化は市場機能を改善できても、金融仲介機能や金融システムの安定には力が及ばないものだ。

10月発表の金融システムレポートは副作用の検証で、重要な役割を果たすだろう。構造的要因に加え低金利環境の継続による累積的な変化、収益力の下押し圧力について、どのような判断が示されるのか、分析が待たれる。これを踏まえて新たな情報発信が始まるのか(昨秋はリバーサル・レート)、10月は重要な会合になると予想する。

前向きに受け止めれば、オペ運営の弾力化はつなぎの措置だ。今後の経済・物価情勢が悪化しなければ、次なる政策修正の機会に望みが残る。筆者は副作用に配慮し、コアCPIが前年比プラス1%近辺で推移している来春までに、機動的な政策運営をすべきと考えている。

日銀は新たな情報発信により地ならしを進め、長期金利の変動幅上限を経験した後、スムーズに長期金利を引き上げるのが理想的な形だろう。

2019年は日本における政治イベントがめじろ押しだ。4月の統一地方選挙、5月の新天皇即位・改元(4月末に今上天皇退位)、6月の20カ国・地域(G20)首脳会議(日本が議長国で大阪開催)、7月の参議院選挙、10月の消費税引き上げと続く。来年1―3月期が限られた政策修正のチャンスとみている。

岩下真理氏(写真は筆者提供)
*岩下真理氏は、大和証券のチーフマーケットエコノミスト。三井住友銀行の市場部門で15年間、日本経済、円金利担当のエコノミストを経験。2006年1月から証券会社に出向。大和証券SMBC、SMBC日興証券、SMBCフレンド証券を経て、18年1月より現職。

*本稿は、ロイター外国為替フォーラムに掲載されたものです。筆者の個人的見解に基づいています。

 

 

エルドアン・トルコ大統領 リラ安の進行は経済ファンダメンタルズに基づいたものではない
配信日時 2018年8月13日(月)20:05:00 掲載日時 2018年8月13日(月)20:15:00

リラ安の進行は経済ファンダメンタルズに基づいたものではない
トルコ経済の状況は健全だ
米国の貿易行動はWTOの原則に反するもの
経済的な攻撃が続くだろう、これまでとは異なる手段で対応する


トルコ中銀、市中銀行を支える措置発表−リラ急落の中
Onur Ant
2018年8月13日 15:43 JST
? 通貨安に歯止めをかけることや銀行システムの流動性拡充を図る
? リラ建てとドル建ての債務について支払準備率を引き下げ
トルコ中央銀行は13日、商業銀行が利用できる資金と金を増やす措置を発表した。リラ急落に歯止めをかけることや銀行システムの流動性拡充を図った。
  中銀はリラ建てとドル建ての債務について支払準備率を引き下げた。最大で100億リラ(約1660億円)、60億ドル(約6620億円)、30億ドル相当の金が追加で利用可能になる。
  それに先立ち、担保規則を緩和するとともに、銀行が保有する外貨を裏付けに借り入れられる額を200億ユーロ(約2兆5150億円)相当に引き上げることも発表。銀行がリラ資産を担保に借り入れられる上限である500億ドルについても必要ならば引き上げると表明した。
  中銀の発表後にリラは下げ幅を縮め、イスタンブール時間午前8時58分(日本時間午後2時58分)現在は3.8%安の1ドル=6.6904リラ。
原題:Turkey Central Bank Takes Steps to Support Banks as Lira Slides(抜粋)


 


トルコリラ、なぜ売られる? 3つのポイント
2018/8/13 15:32日本経済新聞 電子版
 トルコの通貨リラの急落がきっかけとなった「トルコショック」が世界のマーケットを揺さぶっています。そもそもリラはなぜ売られているのでしょうか。

(1)利上げに否定的

 通貨の価値が下がると、物価が上昇します。その場合、各国の中央銀行は政策金利を引き上げることで、通貨の価値と物価を安定させようとします。ところがトルコの場合、エルドアン大統領が利上げは景気を冷やすと嫌っています。そのため、リラは売りが売りを呼ぶ展開になりがちです。

▼トルコショック、株安広がる

(2)大統領に強大な権力

 各国の中央銀行は政権から独立し、政治家が嫌いがちな政策金利の引き上げの是非などを判断すべきだとされます。ところが、トルコの場合、エルドアン氏が強大な権力を持ち、トルコ中央銀行の政策決定も左右しています。

▼強権型大統領制 トルコで始動

(3)米国と対立

 トルコでは2016年にクーデター未遂事件が起きました。トルコが事件に関係したとする米国人牧師を拘束している問題などで、両国は厳しく対立しています。米国のトランプ大統領は制裁としてトルコ閣僚の資産凍結を決めたほか、トルコから輸入する鉄鋼などの関税を引き上げることも表明しました。米国との対立はトルコ経済に悪影響を与え、リラがさらに売られる原因となります。

▼牧師拘束巡り米強硬

強権型大統領制 トルコで始動  エルドアン氏、2期目に
2018/7/10付日本経済新聞 朝刊
保存 共有 その他
 【アンカラ=佐野彰洋】トルコで9日、エルドアン大統領に国政の広範な権限を集中させる実権型大統領制が始動した。エルドアン氏が6月の大統領選での再選を受け2期目に入り、1923年の建国から続く議院内閣制は廃止された。反対勢力を弾圧し、法治を軽視する同氏は自らの威光を誇示すべく大型インフラ開発に固執するが、海外からの資金調達など経済環境は悪化。今後、強権のひずみが噴き出す恐れもある。

 「トルコ共和国の…

トルコショック、株安広がる
日経平均一時400円超安 トルコ大統領が利上げ否定
2018/8/13付日本経済新聞 夕刊
保存 共有 その他
 トルコの通貨リラ急落の影響が広がっている。13日の株式市場で日本株を含めたアジア各国・地域の株価が軒並み下落した。日経平均株価は続落し、取引時間中としては約1カ月ぶりに2万2000円を割り込んだ。トルコのエルドアン大統領は12日、リラの安定に不可欠とみられる政策金利の引き上げを否定。世界の投資家の慎重姿勢が広がり、株式への投資を手控える雰囲気が強まっている。

 13日の東京株式市場で日経平均株価は…


牧師拘束巡り米強硬 関係改善へ糸口見えず
2018/8/12付日本経済新聞 朝刊
保存 共有 その他
 【ワシントン=中村亮】トルコの通貨リラの下落の背景となっている米国とトルコの関係悪化は泥沼の様相を見せている。中間選挙をにらみ、トランプ米政権内では米国人牧師の解放に向けた強硬策に異論は少ない。トルコも圧力に対抗する姿勢を崩しておらず、関係改善の糸口が見えない。

 10日に打ち出した鉄鋼とアルミニウムへの追加関税について、トランプ氏はリラ下落による輸入品の価格低下を考慮したと説明したが、実際にはト…

2. 2018年8月14日 00:09:51 : jXbiWWJBCA : zikAgAsyVVk[1288] 報告

>トルコのリラ危機から日経平均も大幅下落に、あわてたクロダ日銀は今日も703億円の買い(2営業日で1400億)、瞬間に空売りの餌食だ。トルコ原発に融資したいアベ政権の生命維持のためとはいえ、国富を流出させ、損失一方の支離滅裂になってきた。https://t.co/H9FYtV0NDA— 金子勝

相変わらず愚か

日銀のETF買は完全に合理的

3. 2018年8月14日 03:59:02 : 6U1Mv89QcM : 3OxR@9UOGwg[2] 報告
※1,2
相変わらず馬鹿丸出しの長文コピペ
4. 2018年8月16日 00:41:24 : jXbiWWJBCA : zikAgAsyVVk[1318] 報告
「日銀は事実上の正常化第2弾に踏み切った」前日銀審議委員、木内登英氏が7月末の金融政策決定会合を分析
キーパーソンに聞く


2018年8月16日(木)
田村 賢司

 日銀が7月末の金融政策決定会合で新たな政策を導入した。長期金利のゼロ%誘導を維持しながら変動幅の上限を従来のプラスマイナス0.1%から同0.2%に広げた。前日銀審議委員で現在は野村総合研究所エグゼクティブ・エコノミストの木内登英氏は「これは金融緩和からの事実上の正常化策だ」と言う。アベノミクスの大きな柱となってきた金融緩和策はどう変わるのか。見通しを聞いた。
日銀が7月31日に開いた金融政策決定会合以降、日米欧で長期金利が上昇しました。日銀の新たな政策が影響したのでしょうか。

木内登英・野村総合研究所エグゼクティブ・エコノミスト(以下、木内):日銀は長期金利の誘導目標を0%に維持しましたが、変動幅は従来のプラス・マイナス0.1%から同0.2%へ拡大するなど、いくつかの新たな仕組みを導入しました。

じわりと引き締めに動いた?
日銀の7月の政策決定会合の主な内容
主な項目 概要
長期金利操作 長期金利の誘導目標ゼロ%を維持。変動幅は従来のプラスマイナス0.1%を0.2%に。長期国債の買い入れ増加額を「年間約80兆」とする言葉は残した
ETFとJ-REIT 買い入れ増加額を、ETF(上場投資信託)は現在の年間約6兆円、J-REIT(不動産投資信託)は同900億円を維持。ただし、市場の状況に応じて買い入れ額は変動する。ETFはTOPIX(東証株価指数)連動型の買い入れ比率を増大する
マイナス金利 維持。金融機関が日銀に預ける当座預金のうち約10兆円にマイナス0.1%の金利をかけている。この残高を減らす。半減と見られる
フォワードガイダンス(将来の指針)導入 「当分の間、現在のきわめて低い長短金利水準を維持」するという指針を新たに示した。「当分の間」は正確には示さず。日銀が引き締め方向の政策に動くとの市場の観測を打ち消す狙いか
 わずかながらでも金利が上昇するということで、これまでゼロ金利下で外債などに向かっていた国内機関投資家のマネーが巻き戻された可能性はあります。しかし、大きくはないと思います。むしろ、米FRB(連邦準備理事会)の引き締め継続観測などで金利が上昇したという方が先で日銀とは直接関係はないのではないでしょうか。実際、さして円高にはなっていません。

 それより日銀の新たな政策にはもっと大きな意味があると思います。


木内登英(きうち・たかひで)氏
1987年、野村総合研究所入社。90年に野村総合研究所ドイツ、96年には野村総合研究所アメリカで欧米の経済分析を担当。2004年、野村証券に転籍。07年に経済調査部長兼チーフエコノミストとして日本経済担当。12年から5年間、日銀審議委員を務め、17年7月から野村総合研究所エグゼクティブ・エコノミスト(写真:清水 真帆呂)
日銀は「金融緩和政策の持続性を高める」ためだとしていますが。

木内:事実上の正常化策だと思います。日銀は2016年9月に長短金利操作付き量的・質的金融緩和政策を導入し、それまでの国債買い入れによる量の緩和から長期金利をゼロ%に誘導する金利操作に変えました。

 この後、長期国債の買い入れによる増加額を年間約80兆円で維持するとしながら実際には40兆円程度に抑え始めました。私から言えば、これが事実上の正常化策第1弾でしたが、今回はそれに次ぐ第2弾といえるでしょう。

銀行経営の悪化に対応した
長期金利の変動幅を広げたからですか。

木内:事実上の利上げというべきだと思います。16年9月の政策で短期金利をマイナスに抑え、長期金利をゼロにしたことで(国債の運用である程度の収益を稼ぐ)銀行の経営が苦しくなり、日銀による国債の大量購入で債券市場は、半ば機能不全に陥りました。

 今回の政策変更はこうした“副作用”を一部でも解消しようというわけでしょう。もちろん日銀自身は、金融緩和を継続するためと前向きな発言を繰り返していますが、そこが本心ではないと思います。

 銀行の経営が厳しくなり、超金融緩和の長期化に批判が高まるのに対応したのでしょう。しかし、今後も銀行の経営が改善しないとなると、市場はさらなる政策変更を期待し始めるでしょうね。

0.1%程度、金利が上がっても銀行経営への影響は限定的と見られています。

木内:米国は金融緩和から正常化に動いているし、ユーロ圏も資産買い入れ策を終えようとしています。欧米の金利が上がる時に日本だけが上がらなければ、やはり批判にさらされるでしょう。

 今回の決定会合の直前、市場では「日銀が長期金利上昇を容認する」との観測が広がり、金利が上昇する局面がありました。日銀は指し値オペ(日銀が指定する利回りで国債を買い入れる手法)で金利を抑えましたが、その直後の決定会合で結局は事実上の利上げです。

 「日銀も市場の動きを無視できなくなった」と市場参加者は感じたのではないでしょうか。長期金利をゼロ%に誘導しながらプラスマイナス0.1%の幅を認めていたのを、0.2%幅に変えただけですが、そうせざるを得なくなったということが大きい。

「緩和政策の持続性を高めるための変更」と日銀は言っていますが、持続性は高くないということですか。

木内:そう思います。意外に早く崩れる可能性もあると思います。早ければ年内にももう一段、金利の変動幅を広げることもありえるのではないでしょうか。事実上の再利上げです。

緩和を「当分の間」継続は政府への配慮
どの程度の利上げがあり得るとみているのですか。

木内:一気に引き上げることはありません。急に引き上げると、国債価格の下落で銀行に損失が出ることになるからです。少しずつやるとしても、短期金利をマイナスのままにして長期金利を将来的には0.5%くらいにしていくことはあり得ると思います。

しかし、フォワードガイダンスでは、現状の金融緩和を「当分の間」続けるとしています。

木内:フォワードガイダンスの導入にはいくつかの狙いがあると思います。1つは、事実上の正常化をゆっくりと進めるため。大きな変化を起こさないという意志を見せることです。2つ目は政府への配慮です。2019年10月に消費税の引き上げが予定されています。その時期と金融緩和からの正常化が重ならないようにするという政府へのメッセージではないでしょうか。

 3つ目は円高対策です。金融緩和を継続しないとなると、外債などへ向かっていた機関投資家のマネーが還流し、急速な円高をもたらしかねない。それは止めたいわけです。4つ目は、金融政策を決める政策委員の中の(さらなる金融緩和が必要だとする)リフレ派への対応でしょう。

 特に政府への配慮は大きいのではないでしょうか。

ETFとREITの買い入れ方の変更の狙いは。

木内:買い入れ額は変更していませんから、例えば年間約6兆円購入しているETFを3兆円にするといったことはありません。

 しかし、基本的に株価が下がった時に買うことにしていますから、上昇時には買えない。すると、株価上昇が続くと購入できない期間が続くこともありえます。その状況で期末になると、無理をしてでも買わざるを得なくなる。そうしたことはしませんというのが今回の変更。期末に近くなって5兆円しか買っていなくても、市場の状況によっては無理な買い入れはしないということです。

 TOPIX連動型の比率を高めるのも含めて、特定銘柄や市場の株価への影響をできるだけ抑えたいというわけでしょう。


このコラムについて
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