東京外為市場ニュース2018年7月26日 / 23:41 / 1時間前更新 米経済成長率、第2四半期は4%割れ=アトランタ連銀GDPナウ 1 分で読む[ニューヨーク 26日 ロイター] - アトランタ地区連銀の経済予測モデル「GDPナウ」によると、第2・四半期の米国内総生産(GDP)伸び率見通しは年率3.8%と、18日時点の予測(4.5%)から引き下げた。 国内の耐久財受注や貿易収支指標を反映させた。
外為フォーラムコラム2018年7月26日 / 17:12 / 7時間前更新 コラム:根を張る円高リスク、トランプ貿易戦争が肥やしに=亀岡裕次氏 亀岡裕次 大和証券 チーフ為替アナリスト 5 分で読む [東京 26日] - 為替を左右する要因として、米国の保護主義政策と貿易摩擦の行方が重要だろう。トランプ政権は、輸入制限のために鉄鋼・アルミニウム関税を発動し、中国の知的財産権保護や市場開放、通商慣行是正が不十分として対中制裁関税(340億ドル規模の輸入品に25%関税)を発動してきた。これに対し、中国、メキシコ、カナダ、欧州連合(EU)など多くの国・地域が報復関税に動いた。 トランプ大統領が5月の米中通商交渉において中国の輸入拡大で合意した後に、中国製品への関税賦課を発表し、6月に対象品目を発表して7月に発動したため、中国は米国に不信感を抱き、米中通商交渉は中断している。 中国は、米国が関税発動姿勢を改めない状況では通商交渉に応じない構えのようだ。米国は、8月に対中関税第2弾(160億ドル規模に25%関税)、9月以降に第3弾(2000億ドル規模に10%関税)を行う可能性がある。 一方、米国とEUは25日、「EUによる米国からの大豆や液化天然ガス(LNG)の輸入拡大」「サービス、化学製品、医薬品、医療機器の貿易障壁(関税、非関税障壁、補助金)削減」「米国によるEU製鉄鋼・アルミへの関税とEUによる報復関税の解消」に向けて取り組むこと、交渉中は自動車関税を含めて新たな関税の発動を控えることで合意した。 貿易戦争回避に向けて譲歩姿勢を示したEUと、中国などの米国産大豆輸入減が米農家に与える悪影響を緩和したい米国の意向が一致したようだ。米欧が対立姿勢を弱め、米国によるEU製自動車・同部品関税引き上げの発動リスクが低下したことは、リスクオンの円安要因だろう。 ただし、貿易障壁の削減は、米・EUの双方が取り組む事項である。保護貿易主義の米国が関税を引き下げないとEUの関税引き下げも進まないはずであり、貿易障壁削減が進むかは不透明だ。関税引き下げに取り組む対象に「自動車・同部品」が含まれていないことで、EUの自動車関税引き下げ期待は高まりにくいだろうし、米・EUの関税引き下げ期待による円安効果は限定的だろう。 また、中国の報復関税や対米輸入減少の悪影響が欧州の対米輸入拡大により緩和されるなら、米国は対中関税の発動を進めやすくなる可能性もある。米欧通商摩擦が弱まってリスクオンの円安に作用する効果よりも、米中通商摩擦が強まってリスクオフの円高に作用する効果の方が大きいのではないか。 <米経済に減速の兆し、世界景気減速を懸念した円高も> これまでは、貿易摩擦があっても欧米や日本などの株価が下落せず、リスクオフの円高が進まずにいた。米国経済の成長率が上向き、世界経済の減速懸念が抑えられていたからだろう。 だが、米国経済に減速の兆しがないわけではない。貿易摩擦やドル高の影響で、米製造業の輸出受注指数は2月をピークに鈍化している。米ミシガン大・消費者現況指数は3月をピークに低下し、消費者期待指数も2―5月に比べ6―7月の水準が低い。 また、供給不足や関税の影響による住宅価格の上昇を背景に、米中古住宅販売戸数は4―6月に3カ月連続で減少し、6月住宅着工件数は昨年9月以来の低水準となった。5月にかけて伸びを高めた米小売売上高も6月には前月比が鈍化し、自動車、ガソリン、建材、食品サービスを除くコア小売売上高はわずかながら前月比で減少した。 つまり、関税の悪影響が輸出や住宅投資に出始めた上に、消費マインドや減税効果の衰えとともに個人消費が減速し始め、米経済指標は市場予想を下回る傾向が生まれつつある。米保護主義政策による貿易摩擦が続く中、米景気が弱まることで世界景気減速を懸念したリスクオフが強まり、クロス円もドル円も円高に傾きやすくなるだろう。 <リスクオフの円高に作用する米中「通貨摩擦」> 米国が関税により輸入を減らそうとしても、他国の報復関税により輸出も減れば、米国の貿易赤字は縮小しない。関税引き上げの範囲を広げれば、輸出と輸入の縮小が進んで経済が減速するリスクを高めるだけだ。 しかも、ドル実効為替が上昇し、米国の純輸出と経済にマイナスに作用する可能性が高まっている。いくら経済が堅調に推移してきた米国とはいえ、過度にドル高が進めば経済成長が阻害されてしまう。 そこで、トランプ大統領は、米連邦準備理事会(FRB)の利上げは喜ばしくない、強いドルは米国を不利にする、と懸念を表明した。また、FRBの利上げによりドルが強くなる一方で、中国やEUが金利を低くして通貨が安くなるように操作していると批判した。 トランプ大統領は2017年4月にも、「ドルが強くなり過ぎている」「低金利政策が好ましい」と発言したが、口先介入した際のドル実効為替の広義指数(対26通貨)は、当時と今回でほぼ同水準だ。ドル実効為替の主要通貨指数(対7通貨)は1月のボトムから7%余り上昇し、2017年7月以来の高水準だが、他の重要貿易相手国を含む広義指数は1月のボトムから8.5%上昇し、2017年3月以来の高水準となっている。 広義指数は、あと3%ほど上昇すると、2016年12月のピークに到達する。ドル実効為替の広義指数の方が主要通貨指数よりも上昇が進んでいる原因は、人民元が大幅に下落していることにある。 米国が対中関税の対象品目を発表し、ポンペオ米国務長官が中国の経済開放アピールは「ジョーク」などと批判した直後から、人民元が下げ始めたことからすると、市場主導で人民元売り・ドル買いが強まったのではなく、トランプ大統領が言うように中国当局が為替操作(人民元安誘導)を始めた可能性が高い。中国は米国の通商要求に譲歩するのではなく、関税が経済に与える悪影響を人民元安によって減殺しようとし始めたのではないか。 他通貨が対ドルで下落する状況では人民元も下落しやすいが、中国当局は為替介入で人民元安を止めようとするのではなく、むしろ他通貨以上に人民元が下落すること(通貨バスケットに対する人民元安)を容認している。米国が10月の半年次為替報告書で中国を「為替操作国」と認定するリスクも高まるだろうし、米中の通貨摩擦が通商摩擦を激化させ、リスクオフの円高に働く要因となりかねない。 <米利上げ抑制によるドル円下落リスク> トランプ政権のドル高けん制には、市場の警戒を通じてドル高を抑制する効果(ドル安効果)があるだろうが、ドル安が進むとは限らない。 2017年4月のドル高けん制後には、ドル実効為替の下落(ドル安)が進み、その一方でドル円は上昇した。当時は、米税制改革(減税)への期待やフランス大統領選リスクの後退などから市場がリスクオンとなり、ドル安とそれを上回る円安が進んだためだ。 だが、今回はリスクオン要因に乏しく、通商摩擦や世界景気減速への懸念がリスクオフ要因となりかねない。リスクオフによるドル高とそれを上回る円高が進み、ドル実効為替の上昇(ドル高)とドル円の下落が進みやすいのではないか。 ドル高をけん制しても、リスクオフによりドル実効為替が下落せず、米貿易収支や経済成長に与えるマイナス効果が続くようだと、トランプ大統領は米利上げ、他通貨操作、ドル高へのけん制を強めるだろうし、いずれはFRBが利上げを抑制することにもなるだろう。 ドル高けん制の必要性が高まる状況ほど、リスクオフの円高が進みやすく、米利上げ抑制によるドル円下落リスクも高まるだろう。 亀岡裕次氏(写真は筆者提供) *亀岡裕次氏は、大和証券の金融市場調査部部長・チーフ為替アナリスト。東京工業大学大学院修士課程修了後、大和証券に入社し、大和総研や大和証券キャピタル・マーケッツを経て、2012年4月より現職。
貿易戦争は「単なる雑音」になりつつあるのか、世界株が実は好調 Justin Carrigan 2018年7月26日 10:53 JST • MSCI世界株指数、7月は1月以来最高の月間上昇率になる勢い • 新たなリスクオン局面が始まる可能性−アバディーンのヒックモア氏 Traders work on the floor of the New York Stock Exchange (NYSE). Photographer: Michael Nagle/Bloomberg 貿易懸念とは一体何だ。 25日の米国株は5カ月ぶり高値で終了、オーストラリア株は10年ぶり高値圏で推移、カナダやインドなどの株価指数も過去最高あるいはその付近で取引されている。 このような株高は、差し迫る貿易戦争が世界経済を今まさに悪化させようとしているという話とまるで食い違っている。むしろ、中央銀行による景気支援継続や、企業決算シーズンの期待を上回るスタート、米国や中国から聞こえる保護主義的レトリックへの関心の低下が組み合わさり、リスクテーク意欲をいかに刺激しているかが明確に示されている。MSCIの世界株指数は今月これまでに2.8%上昇し、1月以来最も良好な月間パフォーマンスとなる勢いだ。 為替ブローカーのFXTMで通貨戦略・市場調査責任者を務めるジャミール・アーマド氏(キプロス在勤)は、貿易戦争を巡る緊張は「こうした国々の成長にまだ影響を与えていない」と述べ、「潜在的な買い手にとってバリュエーションは魅力的に見える」と語った。 リスク意欲が確認できるのは株式市場にとどまらない。米国の信用スプレッドも今月低下し、いわゆる安全資産需要は低迷している。10年物の米国債利回りは過去2週間で11ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇。1ドルが110円を上回って推移する期間は1月以降で最も長期化、金価格は1年ぶりの低水準にある。 アバディーン・スタンダード・インベストメントのシニア投資マネジャー、ルーク・ヒックモア氏(エジンバラ在勤)は24日、貿易絡みのリスクは行き過ぎに思えるとブルームバーグテレビジョンのインタビューで述べた上で、「少なくとも向こう数週間の間に新たなリスクオン局面が始まる可能性がある」と予想。「トランプトレードといったものは、単なる雑音になりつつある」と語った。 原題:Stock-Market Boom Shows Trade War Becoming Background Noise (1)(抜粋)
ドラギECB総裁、インフレ見通しに強気―貿易巡る緊張は緩和 Alessandro Speciale 2018年7月26日 23:31 JST • ユーロ圏の物価圧力「強まりつつあり、広がりつつある」−ドラギ氏 • 保有債券の満期償還金の再投資戦略についてこの日は議論しなかった ドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁は26日、保護主義のリスクにさらされているにもかかわらずユーロ圏経済の拡大に自信をあらためて表明した。欧州連合(EU)と米国は数時間前に、貿易戦争の可能性から一歩遠ざかった。 総裁は記者会見で、域内の景気に対するリスクは「ほぼ均衡している」とした上で、世界の通商を巡る不透明感が「顕著」だと指摘した。域内の景気拡大は堅調かつ広範囲だとし、年初の減速は貿易拡大ペースの鈍化と不透明性の高まりが理由だと分析した。 ユーロ圏の「景気拡大は堅調かつ広範囲」だと語るドラギECB総裁 Source: Bloomberg) EUのユンケル欧州委員長とトランプ米大統領は、貿易障壁を下げる交渉を進める間は追加関税を見送ることに合意した。ユーロ圏の主要リスクとして貿易障壁を挙げていたドラギ総裁は、この展開を歓迎。「会談に注目していた。一般的な言い方だが、よい兆候だ」と語った。 総裁はまた、域内の物価圧力が「強まりつつあり、広がりつつある」とし、「インフレ見通しを巡る不透明感は後退している」と述べた。高水準の設備稼働率と労働市場のひっ迫を理由に挙げた。 ECBはこの日、月額300億ユーロ(約3兆9000億円)の債券購入を9月末まで続けた後、10月から月額を150億ユーロに減らし、年末には購入を終了すると確認した。「少なくとも2019年の夏の終わりまで」政策金利を据え置くと繰り返したが、この文言の明瞭化を一部の投資家は求めている。 総裁はまた、保有債券の満期償還金の再投資戦略についてこの日は議論しなかったと述べた。「重要な」決定について今後数カ月で議論すると先に語っていた。 原題:Draghi Upbeat on Inflation Outlook as Trade Tensions Ease(抜粋)
ECB、債券購入終了の計画を堅持ー貿易戦争の懸念は当面後退 Carolynn Look 2018年7月26日 21:22 JST 欧州中央銀行 (ECB)は26日、資産購入を今年末で終了させる方針を堅持した。米国と欧州連合(EU)の貿易戦争の懸念は当面後退し、ユーロ圏の景気拡大も堅調を維持している。
ECBは月額300億ユーロ(約3兆9000億円)の債券購入を9月末まで続けた後、10月から月額を150億ユーロに減らし、年末には購入を終了すると確認した。 「少なくとも2019年の夏の終わりまで」政策金利を据え置くとし、満期償還金の再投資による追加的な景気刺激を続けることもあらためて表明した。 ECBは中銀預金金利をマイナス0.4%、リファイナンスオペの最低応札金利をゼロ、限界貸出金利をプラス0.25%で据え置いた。 フォワードガイダンスの「夏の終わり」が意味するところはやや不透明だが、エコノミストらは来年9月または10月の利上げを予想している。満期償還金の扱いにも注目が集まる。 原題:ECB Keeps to Policy Path as Specter of Trade War Recedes for Now(抜粋) ビジネス2018年7月26日 / 23:42 / 1時間前更新 ECB、資産購入終了方針を維持 貿易摩擦巡るリスクに警戒も 1 分で読む
[フランクフルト 26日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)は26日に開催した理事会で、2兆6000億ユーロの資産購入プログラムを終了する方針を再表明した。予測不可能な世界の貿易摩擦を巡るリスクは存在するものの、量的緩和終了計画の変更は正当化されないとの認識を示した。 主要政策金利も予想通り据え置き。リファイナンス金利は0.00%に、限界貸出金利は0.25%に、中銀預金金利はマイナス0.40%にそれぞれ据え置いた。 量的緩和は10月から月間150億ユーロに縮小し、年内に終了するほか、金利は少なくとも来夏まで金利を現行水準にとどまるとの見通しを維持した。 ドラギECB総裁は理事会後の記者会見で「現時点で、金利を巡るフォワードガイダンスの文言を調整したり、新たに追加する必要はないと考える」と語った。 ユーロ圏における成長鈍化の兆候が台頭し始めたことも指摘し、輸出が幾分失速したことに言及。「報復の応酬を伴う貿易戦争は、極めて異なる状況を引き起こす」とし、世界の貿易摩擦に端を発する状況の変化に警戒心を示した。 同時に、欧州連合(EU)のユンケル欧州委員長とトランプ米大統領が前日、自動車を除く工業製品に対する貿易障壁の撤廃に向けて取り組むことで合意したことについては、「内容を見極めることは時期尚早」としつつも「良好な兆候」とも評価した。 金融政策については、これまでに買い入れた債券をどのように再投資していくかについては討議しなかったことを明らかにしたほか、「大規模な金融刺激が引き続き必要」と言明した。 ビジネス2018年7月26日 / 23:32 / 1時間前更新 ECB理事会後のドラギ総裁発言要旨 2 分で読む [フランクフルト 26日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)は26日の理事会で、主要政策金利を予想通り据え置いた。また、年末までに債券買い入れ策を終了させる方針を維持したほか、少なくとも来年夏までは過去最低の金利水準を継続する見通しを示した。 ドラギ総裁の理事会後の記者会見での発言は以下の通り。 <底堅く裾野の広い成長> 特に世界貿易を巡る環境に関連した先行き不透明感は依然として高いものの、前回の理事会以降に入手された情報から、ユーロ圏経済は底堅く裾野の広い成長軌道に沿って推移していることが示されている。 <構造改革が必要> 弾力性を高め、構造的な失業を減らし、生産性や潜在成長率を伸ばすため、構造改革の実施に注力する必要がある。 <インフレ巡る不透明性は後退中> インフレ見通しを巡る不透明性は後退しつつある。基調インフレは年末にかけて持ち直し、金融政策や景気拡大の継続、経済的な緩みの吸収、賃金上昇が下支えとなり、中期的には徐々に伸びる見通しだ。 <EU・米の貿易巡る会談> 欧州連合(EU)と米国による貿易を巡る会談を配慮しているが、内容を見極めることは時期尚早だ。これを理由に、欧州委員会がこの日会合を開いていることを理解している。 再び多国間の枠組みの下、貿易問題について協議する意欲が示されたことを踏まえると、良好な兆候と言える。しかし、合意の詳細を十分に把握していないことから、それ以上のことを述べることは困難だ。 <外為相場は目標にせず> 為替相場は成長と物価安定にとって重要だが、政策目標ではないとこれまでも何度か述べてきた。競争的な通貨切り下げを回避することについては、何年にもわたり、さらに何十年にもわたり、国際的なコンセンサスが存在している。 <金利巡る文言の変更はない> 現時点では金利を巡るフォワードガイダンスの文言を調整したり、新たに追加する必要はないとみている。 <インフレは目標水準に収れんへ> 経済は基調的に底堅いことから、インフレの目標水準への持続的収れんは今後も継続し、純資産買い入れの段階的縮小後も保たれると引き続き確信している。 <輸出の減速> 成長の鈍化は主に昨年の第2─4・四半期に見られた異例の高成長に対する反動に由来している。こうした高成長は主に、通常よりも堅調な輸出によるものだった。現在は輸出がこれまでほど強くなく、反動が出ている。 <貿易戦争> 報復の応酬を伴う貿易戦争は、極めて異なる状況を引き起こす。われわれは直接的、間接的双方の影響を見極めていく必要がある。コストが著しく拡大することから、直接的な影響はより重大となる可能性がある。間接的な影響は、とりわけ企業の設備投資に対する信頼感だ。将来の影響について見極める必要がある。
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