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ぐっちー「日本が目指すべきは最先端工業の輸出国ではない理由」
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180705-00000031-sasahi-life
AERA dot. 7/8(日) 7:00配信 AERA 2018年7月9日号
ぐっちーさん/1960年東京生まれ。モルガン・スタンレーなどを経て、投資会社でM&Aなどを手がける。本連載を加筆・再構成した『ぐっちーさんの政府も日銀も知らない経済復活の条件』が発売中
(c)朝日新聞社
経済専門家のぐっちーさんが「AERA」で連載する「ここだけの話」をお届けします。モルガン・スタンレーなどを経て、現在は投資会社でM&Aなどを手がけるぐっちーさんが、日々の経済ニュースを鋭く分析します。
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金融界で今話題のニュースは、創業108年で初めて財務情報を公開したシャネル。これまでも同業他社との比較などで、いろいろな数字が取りざたされていましたが、公式には初めて。ただ、数字は大体予測通りで、単独ブランドとしてのルイ・ヴィトンと同じくらいだろうと言われていたところ、実際その程度で2017年の売り上げがほぼ100億ドル≒1兆1千億円と発表されました。
ちなみに、ルイ・ヴィトンは親会社がしばしばルイ・ヴィトングループと呼ばれるのでややこしいのですが、持ち株会社のLVMHはシャネルと同業の服飾ブランドで言うと、ルイ・ヴィトンの他に、セリーヌ、フェンディ、ディオールなどを傘下に置き、その他の業種ではシャンパンのモエ、ブランデーのヘネシーなども傘下に置く、ある種のコングロマリットです。
日本企業で言うと、シャネルの1兆1千億円の売り上げは上場企業ランキングでも130位台の規模で、日本航空がやや上回って1兆2千億円、京セラが1兆4千億円でそれぞれ110番台。三越伊勢丹ホールディングスが120位で1兆2千億円ですから、108年前に帽子屋からスタートし、今や香水の一大ブランドにして、その他化粧品、宝飾ブランド品などで商売をやり、日本の全国百貨店である三越などと同じ規模の売り上げを達成するというのはある意味すごい話です。
先ほどのLVMHグループに至っては総売り上げが400億ユーロ(≒5兆円)を超え、東京電力(19位)、東芝(23位)クラスの売り上げになっています。こう言ってはなんですが、単なるブランド宝飾専門店が、日本の錚々たる大会社と肩を並べるというのは多くの日本人は想像できないのではないでしょうか。
彼らは単なる1次、2次産品専門会社にしか過ぎず、日本の製造業のように、最先端の科学技術を駆使し生産現場でも緻密にコストを下げ、常に中国その他の新しい産業国と熾烈な競争を繰り返して勝ち残るという企業とは全く違うコンセプトと言えます。
しかし、LVMH、シャネル、さらにはワインなどの食料品を含む1次産品を日本人がありがたがって買うので、フランスは日本に対しては毎年貿易黒字を確保。こういうローテク商品に日本の高度工業製品はかなわないのです。フランスのブランド品はまさに最強の輸出品と言えます。工業分野は今や中国が競合先ですが、そのうちインド、アフリカ勢などとの競争にさらされるリスクが極めて高く、高度技術でもすでに中国との熾烈な競争になりつつあります。
一方、シャネル、ルイ・ヴィトンのライバルは日本はおろか、中国にもいないわけで、国の経済としてどちらを目指すべきかと言えば、答えは明らかではないでしょうか。
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