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83歳の現役ビジネスマンが説く「定年後再雇用制度」のまやかし(ダイヤモンド・オンライン)
http://www.asyura2.com/18/hasan127/msg/400.html
投稿者 赤かぶ 日時 2018 年 6 月 03 日 14:57:25: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

83歳の現役ビジネスマンが説く「定年後再雇用制度」のまやかし
https://diamond.jp/articles/-/171158
2018.5.30 郡山史郎:株式会社CEAFOM代表取締役社長 ダイヤモンド・オンライン




人生100年時代が到来するといわれている。寿命は延びる一方、生涯収入は1990年代と比べ減少し、退職金は激減。年金の受給年齢は5年引き上げられ、社会保障費も削られ、金利はほぼゼロ。企業にも国にも頼れない時代、充実した定年後を生きるにはどうすればいいのか。83歳の現役ビジネスマンにして『定年前後の「やってはいけない」人生100年時代の生き方、働き方』の著者、郡山史郎氏が、定年後の賢い働き方について解説する

勤務延長と再雇用の決定的な違い

 60歳で定年となったら、会社に「再雇用」してもらって65歳まで働こう…。そう思っている会社員は多いのではないだろうか。しかしながら、これは甘い考え方かもしれない。実際、再雇用で会社に残っても、65歳まで勤める人はごくわずかという話もよく聞く。その理由の前に、まずはこの再雇用制度について解説しておこう。

 2013年4月から実施された「高年齢者等の雇用の安定等に関する法律」(通称「高年齢者雇用安定法」)により、企業には高年齢者を65歳まで雇用するための「雇用確保措置」を講じることが義務づけられた。具体的には「定年制の廃止」「定年年齢の引き上げ」「継続雇用制度」のいずれかを導入しなければならない。

 2017年、厚生労働省が発表した「高年齢者の雇用状況」によれば、「継続雇用制度」を取り入れている企業が80.3%と圧倒的だ。これによって60歳定年制で退職しなければならなかった人でも、希望すれば誰でも65歳まで同じ会社で働けるようになった。しかしこの雇用延長制度、はっきり言えば、私はあまりよい制度ではないと思っている。

 継続雇用制度はさらに「勤務延長制度」と「再雇用制度」の2つのパターンに分かれる。勤務延長制度の場合、定年に達したときに雇用契約を終了することなくそのまま雇用を継続し、定年前と同じ待遇でそのまま働くことができる。しかし、再雇用制度では定年に達したらいったん雇用契約を終了し、新たに雇用契約を結ぶというものである。定年前の労働条件をいったんリセットするので、賃金や雇用形態、労働時間などの待遇が変わるのだ。

仕事内容は同じなのに給料が激減

 東京都が2012年におこなった「高年齢者の継続雇用に関する実態調査」によると、定年前の所定時間内賃金を10とした場合、継続雇用後の賃金が5〜6割だと答えた企業がいちばん多く23.3%。次に多いのが6〜7割未満で22.6%だった。ちなみに10割は8.9%だ。

 つまり「定年前の5〜7割」がボリュームゾーンなのだが、この会社に聞いて出た数字を基にして「継続雇用後の給与は定年前の5〜7割」と考えるのは早計である。私の会社に相談へ訪れる求職者たちの話を聞くと、実態はだいぶ異なっている。「定年前の5〜7割」はあくまで「所定時間内賃金」、つまり基本給の話なのだ。

 たとえば契約社員になり、それまでもらっていた役職給やさまざまな手当てがなくなると、実際の給料はかなり少なくなる。再雇用制度を受け入れた人の話を総合すると、現実的な年収は定年前の4〜5割になるらしい。なかには「定年前と仕事内容も労働時間も同じなのに、月給が100万円から10万円になった」と嘆いている人もいる。

再雇用で65歳まで勤めるのはわずか1〜2割!?

 ここで改めて考えていただきたい。「定年」とはいったい何なのか。定年とは、社会が作った便宜上の区切りであって、雇用者側が、その会社で働ける年限を示した規定にすぎない。要するに会社の都合で作られた制度だ。

 59歳と60歳で能力が急激に落ちるわけではないのに、60歳の誕生日を迎えたとたん、給料が半分程度になってしまう。肩書きも権限も奪われる。実にナンセンスな話である。こうなると再雇用制度とは、熟練の労働者を“買い叩く”制度のようにも思えてくる。再雇用制度を採用している企業が圧倒的に多いのは、企業にとって最も都合がいいシステムだからにほかならない。

 企業は政府に対して「わが社は65歳までの雇用確保措置を講じています」といい顔をし、採用の際には「65歳まで長く働ける会社です」と求職者にアピールする。しかし現実には、定年以降の雇用は1年ごとに見直しが入る契約社員の扱いで、65歳まで働ける保証はどこにもないのだ。

 このような待遇では、再雇用で働く人のモチベーションもさすがに落ちる。私のよく知る企業では、再雇用制度のもとで1年ごとの契約延長を乗り切り、無事に65歳まで勤め上げる人はわずか1〜2割といったところ。だから、私には再雇用制度はまやかしにしか思えないのだ。

45歳から新しいスキルを身につけるのは難しい

 話は雇用延長だけではない。企業は定年を迎える人に「再就職支援」も行っているが、「子会社や関連会社に出向」などはそうそうできるものではない。実際は「再就職支援会社」に丸投げする例も少なくない。しかしながら私の知る限り、就職支援サービスが、定年間近や雇用延長中の人材の再雇用につながるケースはほとんどない。

 再就職支援会社は退職予定者のスキルや希望をヒアリングし、休職活動プランを作成、応募書類のサポートや模擬面接まで実施する。学生時代以来、約40年ぶりに求職活動をするという人も少なくないからだ。さらに求人企業を開拓し、退職予定者の売り込みを行うなど、手厚い支援をしてくれる。

 それでもマッチングがうまくいかないのはなぜか。理由は二つある。一つ目は、企業側・社会側に高齢者を受け入れる体制が整っていないため。高齢者に教育を施しても効果があまり得られないので、企業側が高齢者を採用することに及び腰になっているためだ。

「自分は技術部長だった」「この製品を作った」と定年前の経歴をアピールする人も多い。一見、高い技術力を持っているように思うが、実際は部下の提案を決裁してきただけで、技術部長自身は技術力を持っていない、ということは多々ある。そしてそのことは求人を出す企業も知っているので、役職などは大して考慮されないのだ。

 リクルートの調査でも、「45歳以上の人に新しいスキルをマスターしてもらうことは不可能」という結論が出ている。即戦力を求めているのに、仕事を一向に覚えないのでは、企業がその人を採用するメリットはない。定年前後の再就職活動では社長や取締役、そして技術部長といった定年前のポジションや年収はもちろん、経験や実績などもほとんど売り物にならないのだ。

定年後の仕事の見つけ方にはコツがいる

 もう一つの理由が、高齢者一人一人の事情が違い過ぎて、均一の教育や就職支援の効果が薄いため。10年ほど前になるが、私の会社でも「高齢者の再就職」をテーマに、「研修」を実施するなど、研究プロジェクトを進めたことがある。しかしたどりついた結論は「高年齢者への組織的かつ効果的な再就職支援活動は不可能」だった。なぜか。私たちは「高齢者の状況が千差万別で、1つのパターンに落とし込めないからだ」と結論付けた。

 新卒採用者なら経験や能力はほぼ均一なので、新人教育のようなほぼ均一された教育制度でも一定の効果があがる。ところが高齢者は、経験、能力、家族構成、本人や家族の健康状況、貯金の有無、モチベーションなど、勘案すべき要素にバラつきがありすぎるのだ。就職支援会社のサポートがいくら手厚いと言っても、一時に大量に出てくる定年退職者に対して、支援しきれるものではない。だから自分で自分に合った再就職先を探す方が効果的なのだ。

 しかし、前述の通り企業が及び腰のため、実際の求人は少ない。そして仕事の空白期間は再就職活動にとって致命的となる。定年前後の人は、給料や仕事内容にあまりこだわらず、継続して働き続けることが大切だ。雇用延長制度は、こうした働き方を確立するまでの単なる保険として利用する程度に考えていた方がいい。

 給料が半分や10分の1になってまで会社にしがみつくよりも、定年後の人生では複数の仕事をもって個人事業主のように働き、収入を積み上げていくのが理想的だ。それを実現するために、現役時代の早いうちから、「これができる」という具体的な能力を身に着け、高度な専門性を伴う実務経験を積み上げておくことが大切だ。


 

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