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ダイソンの開発キーマンにインタビュー 日本市場攻略の秘訣やカリスマ創業者の魅力を語る
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180427-00000501-fsi-bus_all
SankeiBiz 4/27(金) 8:00配信
インタビューに応じるポール・ドーソン氏
英ダイソンが今月12日、部屋全体の空気を徹底的にきれいにする空気清浄ファン「ダイソン・ピュア・クール」を日本で発売した。商品発表会のため来日したヘルス&ビューティー部門バイス・プレジデントで製品開発責任者のポール・ドーソン氏はSankeiBizの単独インタビューに応じ、管理職の立場から同社の強みや求める人材、創業者であるジェームズ・ダイソン氏について語った。(聞き手 大竹信生/SankeiBiz)
Q.ダイソンに入社した動機は?
「ダイソンに入ったのは18年も前の話になりますが、もともとエンジニアリングに興味を持っており、今までなかったような素晴らしい製品を作れる、そして実際に現場で携われる仕事を探していました。当時のダイソンはもっと小さい会社でしたが、いろいろと調べてみたところ、とてもエンジニアを大切にする会社だということがわかりました。「エンジニアはたくさん失敗を重ねた方がいいものを作れる」という精神を持った会社で、「デザインする→作る→試す→壊す」というサイクルを奨励してくれます。このようなダイソンの信念は、私の考え方と非常に合っていました。18年はとても長い時間ですが、私が転職をしていないのは、毎週のように新しいものに出会える楽しみがあるからです」
Q.ダイソンは有名企業ですが、日本や世界にも高い技術力を持つメーカーはたくさんあります。ダイソンにあって他社にないもの、絶対的な強みは?
「基本的にダイソンの理念の一つは、他社が無視するような問題を我々は解決するということです。きょう発表した空気清浄機も既存の規格やテスト方法はありますが、我々はそれらにとらわれず、実際にユーザーが空気清浄機を使うなら「家でどういう風に使うのか」というところから着手します。お客様は何を求めているのか、実際の家の中で何が欲しいのかを考える必要があるのです。難しい問題だからそれを避ける、ということは絶対にしません。我々は他社が無視するような問題を、今までなかった新しい方法を発見しながら解決するわけです。例えば(送風用ファンを隠した奇抜なデザインで知られる)ヘアドライヤーの「スーパーソニック」ですが、普通ドライヤーを作ってくださいと言ったら、既存のドライヤーの延長線で何か新しいものをデザインするでしょう。しかし、我々は定型にとらわれず、「お客様の体験」を基に新しいものを作るのです」
Q.ダイソン全体の従業員数や日本人スタッフの数は?
「世界中に約1万人の従業員がいて、うち3500人がエンジニアです。ダイソンで働く日本人スタッフは250人です。余談ですが、我々はこの3500人のエンジニアのために毎週800万ポンド(約12億円)を研究開発の分野に投資しています」
Q.日本人、特に日本人女性はヘルス&ビューティーに興味のある人が多いと思いますが、製品を開発するときに日本市場は強く意識しますか?
「我々は必ず試作品をお客様にテストしていただきます。これら試作品は何年も先に市場に投入される最新技術を搭載していますので、テストされるお客様とは非常に厳しい秘密保持契約を結んでいます。日本をはじめ、中国、アメリカ、欧州などたくさんの国の方に参加していただきます。我々はできるだけ消費者のニーズを把握したいのです。不思議であり当然でもあるのですが、消費者は自分が本当に必要としていることは、まだわからないのです。(米自動車メーカー「フォード」の創設者である)ヘンリー・フォード氏のエピソードですが、もし彼が消費者に何が欲しいのかと質問したならば「より速い馬を作って欲しい」と言ったはずだ−という有名な言葉があります。クルマという乗り物を知らなければ「自動車」という発想にはならないわけです。我々はお客様とお話しすることが大切だと思いますし、彼女たちに新しい技術を見せて使用感を聞くことが重要です。ただ、我々が一番高い関心を持っているのは、その新技術に対してどのような反応を示すのか、ということです。お客様の反応や意見次第では、我々が進んできた開発路線を完全に変えることもあるわけです。ダイソンらしい特徴でもありますが、様々なことを試みて絶対に諦めないということです。ミスが許され、還元されるような会社です。こうして完成品を消費者に届けるのです」
Q.先日、ダイソン氏が電気自動車について2021年にも日本市場に投入することを明らかにしました。クルマの開発はダイソンにとってどういうチャレンジですか?
「非常にエキサイティングな試みです。実際に開発担当者たちを知っていますが、みんなとても興奮しています。彼らはお客様の反応を楽しみにしています。ダイソンはこの試みを通してたくさんのスキルを身につけています。我々がこれまで様々な開発分野で培ってきた技術を、どのような形で電気自動車に応用できるのかを模索しているところです。これ以上話せないのは大変恐縮ですが」
Q.創業者のジェームズ・ダイソン氏はどういうリーダーですか? ポールさんにとってどのような存在ですか?
「彼は私にとって最高の師匠です。私だけでなく、全てのエンジニアが彼からインスピレーションをもらっていると思います。彼は未だにエンジニアとたくさんの時間をともにします。我々が直面している問題を見てくれますし、進行中のデザイン案件にコメントも出してくれます。そこはこう考え方を変えるべきではないのか、といったチャレンジも投げかけてくれます。我々の考え方を深化させるような指摘をしてくれるのです。リーダーとしては非常に現場重視で、先頭からしっかり引っ張ってくれるタイプです。私は常に彼の意見を求めて相談に行きますし、彼はいつでもRDD(Research, Design and Development=研究開発室)に来て、試行錯誤していることを細部まで見てアドバイスしてくれます。どうすれば(試作品が)機能するのか興味深く観察し、豊富な経験と知識を共有してくれます」
Q.これからダイソンで働きたい人もたくさんいると思います。バイス・プレジデントという管理職の立場から、どういう人材を求めていますか?
「基本的にはなんでも受け入れられる人材を探しています。自分の中で起きる変化、また業界の水準や基準といった決まりを全て変えることを恐れない人です。そして、コミュニケーション能力がある人です。メールだけでなく、顔と顔を向かい合わせ、会議で問題の解決を図ることが重要です。私自身のキャリアを振り返ると、入社した時はデザインエンジニアでしたが、いまはバイス・プレジデントを務めています。私がステップアップとして次のポジションに移る時に、仕事の肩書きは全く考えませんでした。それよりも次の仕事を通してどのような経験を積めるのか、成長の機会に繋げられるのかということだけを考えていました。これから入ってくる人には自分と同じような考え方を持ってもらいたいと思います。ステータスを重視せず、異なる経験を求めて自分を成長させ、新しいチャレンジに挑戦することを恐れないということです。ダイソンでは一人ひとりが成長することが重要です。我々は常に5人〜10人の外国人エンジニアを日本に送っています。若い人が世界各国の市場に出て、新しいスキルを身につけるような環境作りをしています。違う国、異なる文化でたくさんのことを学んでほしいと考えています」
《プロフィル》ポール・ドーソン(Paul Dawson)
ヘルス&ビューティー部門バイス・プレジデント。2000年にデザインエンジニアとしてダイソンに入社。空調家電、パーソナルケア、B to B 向け製品の開発責任者を務める。マーケットの動向を製品開発に活かすなどエンジニア視点で製品開発部門をリードする。
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