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大企業社員を襲う3つの危機 実は「生涯年収」が大きなリスクに!
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180418-00010001-nikkeisty-bus_all
NIKKEI STYLE 4/18(水) 7:11配信
大企業社員の「安定」が逆にリスクを高めることも(写真はイメージ=PIXTA)
新卒で就職するなら大企業。一生涯の安定を目指すのならそれは当然の選択肢でした。しかし安定の代名詞だった銀行すら将来性を危ぶまれる時代。安定を最優先にして大企業を選んで良いのでしょうか。むしろ大企業にいることでゆでガエルのように変化に気づきづらくなる場合もあります。大企業で働くことの安定とは、もしかするとすでに幻想になりつつあるのかもしれません。
大企業の「安定」はすでに幻想かもしれない(写真はイメージ=PIXTA)
■転勤するか転職するか、という選択肢を前に
Aさんはそれなりに知られた大企業で活躍している20代後半の方でした。ただ、最近うかない顔をしているので、それとなく悩みを聞いてみました。すると次の人事異動で地方支店の営業部門に配属になるとのこと。たしかに彼は入社以来マーケティング部門で活躍してきています。それが、転居も伴う畑違いの営業職に就くとなれば悩むのも当然でしょう。
「せっかく築いたマーケティングの専門性を活かすために、転職とか考えてみたら?」
半ば冗談、半ば本気で尋ねてみたのですが、苦笑いが返ってきました。
「一瞬考えてはみたんですが、今の会社をやめるなんてもったいないと、色々な人に言われます。やはり規模もブランド力もある会社でないと、できる仕事に限界がありますからね。まあマーケティングはしばらく置いといて、営業を頑張りますよ。地方に住むことも悪くないと思いますし」
たしかに経営学においても、流されてみることがより良いキャリアを築くきっかけになる、というキャリアドリフトという概念があります。その意味ではAさんの選択は決して悪いものではないでしょう。
ただ、大企業にいることがキャリアの選択を狭めているのではないか、という疑問が生じたのも事実です。
■会社任せのキャリアが幸せな場合もたしかにある
大企業に限らず、いくつかの支社や支店を持つ会社では、転居をともなう転勤があります。むしろ、転勤できることを条件に総合職正社員を採用するのが一般的ではないでしょうか。
かつて昭和の感覚が残った企業においては、転勤を繰り返すけれども最後は本人が望んだ地域=その多くは出身地に配属して定年を迎えさせるという慣行がありました。会社を信じてキャリアの選択肢を預けたとしても、最後にはきっちり報いてくれる、という暗黙の了解が機能している場合もありました。
しかし「暗黙」である以上、そういう運用は今はとても少なくなっています。独立行政法人労働政策研究・研修機構の調査によれば、転勤についてのルールが存在する企業は大企業で3割ほど。中小企業だと1割少しくらいの割合です。
もちろん転勤そのものには従業員の育成という側面もあります。また、独立行政法人経済産業研究所の分析によれば、転勤経験者の方がスキルも高く、年収も多く、かつキャリアへの満足度が高いという結果も出ています。
では仮に大企業に就職している場合、そのまま会社を信じてキャリアの選択肢を預けたままでよいのでしょうか。
■大企業にいるほどキャリアリスクが見えづらくなる
企業に勤務している場合、私たちは大きく分けて3種類のキャリアリスクを考えなければいけません。
第一のリスクは、業界や企業そのものが立ちいかなくなった時のリスク。しかしこのリスクは大企業であればあまり問題ではなくなります。バブル崩壊後やリーマンショックの時、あるいは現在のフィンテック隆盛など、業界そのものが縮小するタイミングもありますが、全体としてみればレアケースと言えます。だから大企業に就職することでキャリア・リスクを回避することは決して間違った選択ではありません。
しかし第二のリスクが近年大きくなりつつあります。
第二のリスクは、平均寿命が延びたことによる無職期間の増大です。それに伴う収入の激減が、従業員であることの大きなリスクです。多くの会社では60歳定年を機に、年収が40%程度減少します。そして65歳になると再雇用が終わり、年金収入だけになります。もちろんそれから働く場所を探すことも可能でしょうが、選択肢は限られてきます。この加齢による収入の変化は、現時点ではほとんどの従業員に適用されます。そして会社はこのリスクに対してはほとんど支援してくれません。かろうじて401Kのような確定拠出年金導入に際しての資産運用教育などが支援としてあげられるくらいでしょう。
この二つのリスクはおそらくほとんどの方々が把握しておられると思います。そのため、金融資産を増やそうとする人も多いでしょう。
しかし実はもうひとつ、第三のリスクがあります。
おそらくこのリスクについては正確にとらえておられる方が少ないのではないでしょうか。
従業員としての収入カーブ
■生涯年収という概念に疑問を持たない不思議
従業員として働いている人の第三のリスクは、一言で言うなら、収入の変動幅の小ささです。ですから、厳密に言えばリスクが少ないことがリスクです。
雑誌などで特集される生涯年収という概念がわかりやすいかもしれません。
つまり、ある会社にいる限り、多少の評価結果の違いや出世速度の違いだけでは、生涯年収はそれほど大きく変わらない、ということです。それは優良企業としてみれば安定の象徴でもありますが、それが生涯年収の天井にもなるということです。
人事制度がしっかりしている会社であれば、人事部にこう聞いてみてください。
「標準者の賃金カーブを見せてください」
公開していない場合もありますが、見せてもらえたとしたらとてもわかりやすい判断基準になります。それはつまり、あなたがその会社の従業員としてもらえる給与の道筋だからです。もちろん人事評価が良ければ何割かは増えるでしょうし、悪ければ逆に減ることになります。
けれども、全体の6割〜8割を占める普通の働き方の人たちにとっては、おそらく10%も差がつかないような設計になっているはずです。大企業なら、第一のリスクがほぼないこととあいまって、安定の象徴にもなる人事の仕組みです。しかしそれでもなお、第二のリスクには対応しづらいのです。
■安定しているからこそチャレンジできなくなる
平均寿命が延びたことによる無職期間の増大という第二のリスクをクリアするためには、生活安定の源泉である、給与の仕組みそのもの本質に気づかなくてはいけません。
会社に勤務して給与を受け取る立場である限り、人事制度の枠の中で、計算された金額しか受け取ることができません。この額が大企業になるほど高額になり安定するため、多少の会社都合のキャリア変更も受け入れますし、老後についての第二のリスクについても「なんとかなるだろう」と楽観視してしまいます。
そして、仮にベンチャー企業に転職してIPOを目指すチャンスがあったり、自分自身が経営者として起業するチャンスがあったりしても、安定の方を選んでしまいます。
もちろんチャレンジには失敗の可能性があります。失敗した時、安定を選んでおけばよかった、と後悔することもあるでしょう。けれども時として、チャレンジしないことでユデがえるになってしまう場合があるのです。そしてその確率は、今後増えていくように思えてなりません。
(「プロが明かす出世のカラクリ」 平康慶浩 人事コンサルタント)
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